JPH0828364A - 排気ガス還流制御装置の故障検出装置 - Google Patents

排気ガス還流制御装置の故障検出装置

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JPH0828364A
JPH0828364A JP6168447A JP16844794A JPH0828364A JP H0828364 A JPH0828364 A JP H0828364A JP 6168447 A JP6168447 A JP 6168447A JP 16844794 A JP16844794 A JP 16844794A JP H0828364 A JPH0828364 A JP H0828364A
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JP
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egr
failure
intake pipe
pipe pressure
failure determination
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Yasushi Ouchi
裕史 大内
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Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • F02D41/0025Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
    • F02D41/0047Controlling exhaust gas recirculation [EGR]
    • F02D41/005Controlling exhaust gas recirculation [EGR] according to engine operating conditions
    • F02D41/0055Special engine operating conditions, e.g. for regeneration of exhaust gas treatment apparatus
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    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 EGRシステムの故障判定可能領域を拡大ま
たは故障判定信頼性を向上させた排気ガス還流制御装置
の故障検出装置を得る。 【構成】 排気ガスをスロットル弁の下流側に還流させ
るEGR管と、EGR流量を調節するEGR弁と、吸気
管圧力を含む運転状態情報Uを検出するセンサ手段30
0と、運転状態情報に応じてEGR弁を制御するEGR
制御手段301と、運転状態情報に基づいてEGRシス
テムの故障判定条件成立を検出する故障判定条件検出手
段302と、故障判定条件成立中にEGR弁を強制的に
開閉させるEGR弁強制開閉手段303と、EGR弁の
強制開閉時の吸気管圧力に基づく値と故障判定値とを比
較してEGR制御手段の故障を判定する故障判定手段3
04と、EGR弁の強制開閉時の吸気管圧力に関連する
パラメータの影響を補償するための補償手段305とを
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の排気ガス
還流制御装置(EGR制御装置)の故障検出装置に関
し、特に故障の誤検出を防止して信頼性を向上させた排
気ガス還流制御装置の故障検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車エンジン等の内燃機関
制御装置において、例えば、内燃機関の燃焼温度を下げ
て排気ガス中のNOx成分を抑制するために、排気ガス
の一部を内燃機関に再度還流させるEGR制御技術は良
く知られている。図21は従来の排気ガス還流制御装置
のシステム全体を概略的に示す構成図である。
【0003】図において、1は内燃機関すなわちエンジ
ン、2はエンジン1への吸入空気を浄化するためのエア
クリーナ、3はエアクリーナ2を介した空気をエンジン
1に供給するための吸気管、4は吸気管3の下流側すな
わちエンジン1の吸気側に設けられたインテークマニホ
ールド、5は吸気管3内に燃料を噴射するインジェクタ
である。
【0004】6はインテークマニホールド4内の圧力
(一般に、インマニ圧と称される)を吸気管圧力Pbと
して検出する圧力センサ、7は吸気管3内に設けられて
吸気量(吸入空気流量)を制御するスロットル弁、8は
スロットル弁7の開度θを検出するスロットル開度セン
サ、9はアイドル時にスロットル弁7の上流側と下流側
とをバイパスする通路の空気流量(バイパス空気量)を
制御するリニアソレノイド式のバイパス空気量制御手段
(ISCソレノイド)である。
【0005】10はエンジン1の排気ガスを吸気管3側
へ還流させるための排気ガス還流管(以下、EGR管と
いう)、11はEGR管10を流れる排気ガスの流量を
制御するバキュームモータ式の排気ガス還流弁(以下、
EGR弁という)、12はEGR弁11の開閉を制御す
る3方ソレノイド(以下、EGRソレノイドという)で
ある。EGR弁11およびEGRソレノイド12は、エ
ンジン1の運転状態に応じた流量となるようにEGR流
量の制御を行うEGR流量制御手段を構成している。
【0006】13はエンジン1の各気筒を燃焼させるた
めの高電圧を発生する点火コイル、14は点火コイル1
3の一次側電流を通電遮断するイグナイタ、15はエン
ジン1で燃焼後の排気ガスを排出するための排気管、1
6は排気管15の下流に設けられた排気ガス浄化用の触
媒である。
【0007】イグナイタ14により駆動される点火コイ
ル13からの点火信号Qは、エンジン1の回転数に対応
しており、回転数を表わすセンサ信号としても機能す
る。17はエンジン1の冷却水の温度Tを検出する水温
センサ、18はスロットル弁7が全閉状態(開度0)に
あるか否かを判定して全閉時にアイドル信号Iを生成す
るアイドルスイッチ、19はエアコン(エンジン負荷)
に対するオンオフ指令となるエアコン投入信号Aを生成
するエアコンスイッチ、19Aはエアコン投入信号A応
じて運転状態に応答したエアコン制御信号Dによりエア
コンを駆動制御するエアコン制御器である。
【0008】圧力センサ6、スロットル開度センサ8、
点火コイル13、水温センサ17、アイドルスイッチ1
8およびエアコンスイッチ19等は、エンジン1の運転
状態情報を提供するセンサ手段を構成している。20は
各種車載装置の電源となるバッテリ、21はエンジン起
動時に閉成されてバッテリ20の電力を車載装置に供給
するためのイグニッションキースイッチである。
【0009】22はコンピュータシステムからなる電子
式制御ユニットであり、イグニッションキースイッチ2
1を介したバッテリ20からの給電により起動され、各
種センサ手段からの運転状態情報、すなわちスロットル
開度θ、アイドル信号I、吸気管圧力Pb、冷却水温度
T、点火信号Q(エンジン回転数)、エアコン投入信号
A等を取り込み、運転状態情報に応じて、燃料噴射量、
EGR流量およびバイパス空気量を制御するとともに、
エアコンの制御を決定する。
【0010】したがって、電子式制御ユニット22は、
燃料制御手段、EGR制御手段およびEGR故障判定手
段等を含み、インジェクタ5に対する燃料噴射制御信号
J、EGRソレノイド12に対するEGR制御信号C、
バイパス空気量制御手段9に対するバイパス制御信号B
およびエアコン制御器19Aに対するエアコン制御信号
D等を出力する。
【0011】図22は図21内の電子式制御ユニット2
2の詳細構成を示すブロック図である。100はマイク
ロコンピュータであり、運転状態情報Q、Pb、θ、
T、IおよびA等に基づいて所定のプログラムに従って
各種制御信号J、C、BおよびD等を演算するCPU2
00と、エンジン1の回転周期を計測するフリーランニ
ングのカウンタ201と、種々の制御時間を計時するタ
イマ202と、アナログ入力信号をディジタル信号に変
換するA/D変換器203と、ワークメモリとして使用
されるRAM205と、種々の動作プログラムを記憶す
るROM206と、各制御信号J、C、BおよびDを出
力する出力ポート207と、各要素201〜207をC
PU200に結合させるコモンバス208とから構成さ
れている。
【0012】101はマイクロコンピュータ100の第
1入力インターフェース回路であり、点火コイル13の
一次側の点火信号Qを波形整形して割り込み信号とし、
マイクロコンピュータ100に入力する。点火信号Qが
割り込み信号として発生すると、マイクロコンピュータ
100内のCPU200は、カウンタ201の値を読み
取るとともに、今回の読み取り値と前回の読み取り値と
の差からエンジン1の回転数周期を算出してRAM20
5へ記憶させる。
【0013】102は第2入力インターフェース回路で
あり、圧力センサ6、スロットル開度センサ8および水
温センサ17等からの各センサ信号Pb、θおよびTを
取り込み、マイクロコンピュータ100内のA/D変換
器203に入力する。103は第3入力インターフェー
ス回路であり、アイドルスイッチ18からのアイドル信
号I、エアコンスイッチ19からのエアコン投入信号A
を取り込み、波形整形して入力ポート204に出力す
る。
【0014】104はマイクロコンピュータ100の出
力インターフェース回路であり、出力ポート207から
の各種制御信号J、C、BおよびD等を増幅し、インジ
ェクタ5、EGRソレノイド12、バイパス空気量制御
手段9およびエアコン制御器19Aに出力する。
【0015】ここで、図21および図22を参照しなが
ら、一般的なEGR制御動作について説明する。まず、
EGR制御信号CによりEGRソレノイド12がオンす
ると、EGR弁11の負圧室にエンジン負圧が導入され
てEGR弁11が開放され、エンジン1にEGRガスが
導入される。
【0016】また、EGR制御信号CによりEGRソレ
ノイド12がオフすると、EGR弁11の負圧室に大気
が導入されてEGR弁11が閉成され、エンジン1に対
するEGRガスの導入が禁止される。すなわち、EGR
ソレノイド12は、EGR制御信号Cに応答してEGR
ガスの導入を制御する。
【0017】一方、ISCソレノイドからなるバイパス
空気量制御手段9に対するバイパス制御信号Bは、デュ
ーティ信号で出力され、デューティが増加すると、リニ
アソレノイド式のバイパス空気量制御手段9に流れる電
流が増加する。したがって、バイパス空気量制御手段9
の電流増加によってISCソレノイド内の通路面積が増
加し、結果として、スロットル弁7をバイパスする空気
通路の面積が増加することにより、バイパス空気量が制
御される。
【0018】また、電子式制御ユニット22内のエンジ
ン負荷駆動手段は、エアコン投入信号Aがオン(投入)
指令を示し、且つ運転状態がエアコン投入許可条件を満
たせば、エアコンを作動させるためのエアコン制御信号
Dを生成し、エアコン投入信号Aがオフ指令を示せば、
エアコンを非作動とするためのエアコン制御信号Dを生
成する。これにより、過大負荷を防止して運転状態の確
保を優先するように、エアコンの投入を制御することが
できる。
【0019】次に、図21および図22のように構成さ
れた排気ガス還流制御装置(EGRシステム)の故障検
出装置の従来動作について、減速状態での故障検出を行
う場合を例にとり、図23のフローチャートを参照しな
がら説明する。図23は、電子式制御ユニット22内の
CPU200で実行される故障検出処理動作を示す。
【0020】まず、ステップS101において、点火信
号Qに基づいて図示しない処理ルーチンによりあらかじ
め判定されたエンジン回転数Neと、アイドルスイッチ
18からのアイドル信号Iとから、エンジン回転数Ne
が所定回転数以上で、且つスロットル弁7が全閉状態
(アイドル信号Iがオン状態)であることを判定し、車
両が減速状態にある(故障判定条件が成立)か否かを判
定する。
【0021】もし、ステップS101において減速状態
でない(すなわち、NO)と判定されれば、図23の故
障検出処理を終了してリターンする。一方、減速状態
(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS10
2以下の処理に進む。
【0022】まず、ステップS102において、EGR
ソレノイド12をオフにしてEGR無しの状態とし、ス
テップS103において、EGR無し状態での吸気管圧
力(インマニ圧)PbをPbOFFとして記憶する。な
お、減速状態においては、初期状態がすでにEGR無し
の状態となっているので、EGRソレノイド12を強制
的にオフにする必要はない。
【0023】続いて、ステップS104において、EG
Rソレノイド12を強制的にオンにしてEGR有り(E
GRガス導入)の状態とし、ステップS105におい
て、EGR有り状態での吸気管圧力PbをPbONとし
て記憶する。
【0024】このとき、もし正常にEGRガスの導入が
行われていれば、EGR有無状態での吸気管圧力PbO
FFおよびPbONに差を生じることになる。したがっ
て、ステップS106において、EGR有り状態での吸
気管圧力PbONとEGR無し状態での吸気管圧力Pb
OFFとの圧力差ΔP(=PbON−PbOFF)を算
出する。
【0025】続いて、ステップS107において、圧力
差ΔPが所定値fail(正常圧力差の下限値に相当)
以上か否かを判定する。もし、ステップS107の判定
結果が、ΔP≧fail(すなわち、YES)であれ
ば、圧力差ΔPが正常(EGRガスが正常導入状態)な
ので、ステップS108において、EGRシステムは正
常であると判定される。
【0026】一方、ステップS107の判定結果が、Δ
P<fail(すなわち、NO)であれば、圧力差ΔP
が正常圧力差の下限値に達していない(EGRガスの導
入が正常に行われていない)状態なので、ステップS1
09において、EGRシステムは異常であると判定され
る。
【0027】なお、上記のようにステップS101にお
いて減速状態が判定された場合は、通常ではEGR弁1
1が全閉(EGR無し)であるため、まず、EGR無し
での吸気管圧力Pbを読込む(ステップS102および
S103)。続いて、EGRソレノイド12を介して強
制的にEGR弁11を全開(EGR有り)とし、EGR
印加時の吸気管圧力Pbを読込む(ステップS104お
よびS105)。ただし、EGR有りの状態で終了する
のは望ましくないので、ここでは図示されないが、実際
にはEGR弁11が全閉(EGR無し)の状態で終了す
る。
【0028】このとき、EGR弁11が全閉(EGR無
し)での吸気管圧力Pbは260mmHg程度であるの
に対して、EGR弁11が全開(EGR有り)でEGR
ガスが強制的に導入されたときの吸気管圧力Pbは、エ
ンジン1の吸入空気量が急増するので、運転状態やエン
ジン仕様等によって異なるが、460mmHg程度に達
する。
【0029】したがって、ステップS106で算出され
る圧力差ΔPが200mmHg(=460−260)と
なるため、ステップS107で比較される所定値fai
lは、圧力差ΔPの正常値(200mmHg)を区別す
るために、たとえば、100mmHg程度に設定され
る。
【0030】こうして、エンジン1の吸気量(新吸気+
EGR)の違いが吸気管圧力Pbに現れることを利用し
て、EGRシステムの故障を検出することができる。ま
た、この故障判定結果に基づいて、図示しない処理ルー
チンにより、たとえば、警告ランプを点灯する等で異常
を運転者に報知してもよい。
【0031】次に、安定状態での故障検出の場合を例に
とり、図24のフローチャートを参照しながら、排気ガ
ス還流制御装置(EGRシステム)の故障検出装置の他
の従来動作について説明する。
【0032】まず、ステップS211において、エンジ
ン回転数Neおよびスロットル開度θの状態から、エン
ジン回転数Neの偏差(変化量)が所定回転数以下で且
つスロットル開度θの偏差が所定開度以下であることを
判定して、車両が安定状態にある(故障判定条件が成
立)か否かを判定する。
【0033】もし、ステップS201において安定状態
でない(すなわち、NO)と判定されれば、図24の故
障検出処理ルーチンを終了してリターンする。一方、安
定状態(すなわち、YES)と判定されれば、ステップ
S212以下(図23内のステップS102以下に対
応)に進む。
【0034】まず、ステップS212において、EGR
ソレノイド12をオンにしてEGR有り(EGRガス導
入)の状態とし、ステップS213において、EGR有
り状態での吸気管圧力PbをPbONとして記憶する。
なお、安定状態においては、初期状態がすでにEGR有
りの状態になっているため、強制的にEGRソレノイド
12をオンにする必要はない。
【0035】続いて、ステップS214において、EG
Rソレノイド12を強制的にオフにしてEGR無しの状
態とし、ステップS215において、EGR無し状態で
の吸気管圧力PbをPbOFFとして記憶する。
【0036】このとき、正常にEGRガスの導入が行わ
れていれば、EGR有無状態での吸気管圧力PbOFF
およびPbONに差を生じることになる。したがって、
ステップS216において、EGR有り状態での吸気管
圧力PbONとEGR無し状態での吸気管圧力PbOF
Fとの圧力差ΔP(=PbON−PbOFF)を算出す
る。
【0037】続いて、ステップS217において、圧力
差ΔPが所定値fail(正常圧力差の下限値に相当)
以上か否かを判定する。もし、ステップS217の判定
結果が、ΔP≧fail(すなわち、YES)であれ
ば、圧力差ΔPが正常(EGRガスが正常導入状態)な
ので、ステップS218において、EGRシステムは正
常であると判定される。
【0038】一方、ステップS217の判定結果が、Δ
P<fail(すなわち、NO)であれば、圧力差ΔP
が正常圧力差の下限値に達していない(EGRガスの導
入が正常に行われていない)状態なので、ステップS2
19において、EGRシステムは異常であると判定され
る。
【0039】なお、上記のようにステップS211にお
いて安定状態が判定された場合は、通常ではEGR弁1
1が所定開度にオン制御されているため、まず、EGR
有りでの吸気管圧力Pbを読込む(ステップS212お
よびS213)。続いて、EGRソレノイド12を介し
て強制的にEGR弁11を全閉(EGR無し)とし、E
GR停止時の吸気管圧力Pbを読込む(ステップS21
4およびS215)。
【0040】このとき、EGR弁11が所定開度(EG
R有り)から全閉(EGR無し)となるので、エンジン
1の吸入空気量の変化は、前述の減速状態時の場合より
も小さくなる。たとえば、安定状態でのEGR率(EG
R弁11の開度に対応する)が10%であって、このと
きの吸気管圧力Pbが400mmHgであるとすれば、
強制的に全閉(EGR無し)にしたときの吸気管圧力P
bOFFは、以下のように表わされる。
【0041】 PbOFF=400−400×0.1 =360[mmHg]
【0042】したがって、ステップS216で算出され
る圧力差ΔPが40mmHg(=400−360)とな
るため、ステップS217で比較される所定値fail
は、たとえば、圧力差ΔPの正常値(40mmHg)を
区別可能な20mmHg程度に設定される。
【0043】また、ここでは、図示されないが、エンジ
ン1の安定状態の変化を検出する処理ルーチンが設定さ
れており、安定状態変化の検出処理ルーチンは、所定時
間毎の割込処理により、エンジン回転数Neおよびスロ
ットル開度θの状態をサンプリングし、サンプリングの
前後における差から安定状態変化を検出している。そし
て、もし安定状態の変化が発生すれば、図24のEGR
故障検出ルーチンを終了するようになっている。
【0044】図24の場合も、エンジン1への吸気量の
違いが吸気管圧力Pbに現れることを用いて、以上の複
数の処理を実行することにより、EGRシステムの故障
が検出される。また、前述と同様に、故障判定結果に基
づいて警告ランプを点灯する等の処理を行い、異常を運
転者に報知してもよい。
【0045】次に、バイパス空気量制御手段9の動作に
注目し、減速時における従来のバイパス空気量Qbの制
御動作について、図25のタイミングチャートを参照し
ながら説明する。図25は減速中か否かを示す減速フラ
グとバイパス空気量Qbとの関係および時間変化を示
す。なお、図25内の破線は、後述するこの発明の実施
例4においてバイパス空気量Qbの変更を禁止した場合
の変化を示す。
【0046】まず、車両が走行中で且つ減速フラグが0
の(減速状態でない)場合、バイパス空気量Qbは、ス
ロットル開度θに応じた量(ほぼ一定)に制御される。
一方、減速フラグが1(減速状態)に移行した時点t0
から、バイパス空気量Qbは、以下の演算式により所定
時間毎に算出される。
【0047】Qbn=Qbn-1−β
【0048】上式において、Qbnは今回のバイパス空
気量、Qbn-1は前回のバイパス空気量、βは所定値で
ある。上記演算式を実行することにより、バイパス空気
量Qbは、図25内のように徐々に減少する。このよう
なバイパス空気量Qbの減少動作は、いわゆるダッシュ
ポット動作と称される。
【0049】また、エンジン負荷たとえばエアコンの作
動時において、バイパス空気量Qbは、エアコン投入用
のエアコン制御信号Dに応答して増加される。このと
き、電子式制御ユニット22は、エアコン制御器19A
にエアコン制御信号Dを出力してエアコンを作動状態に
し、エンジン1は、吸入空気量の増大により要求出力を
確保する。
【0050】上述したように、従来より、EGRの有無
状態における吸気管圧力Pbの圧力差ΔPに基づいて、
EGRシステムの故障を判定している。しかしながら、
図23のように減速状態においてEGR故障判定を行う
場合、急減速または緩減速のような減速状態の違いによ
って、検出される圧力差ΔPが異なる場合があり、最悪
の場合、故障を誤検出するおそれがある。
【0051】ここで、図26のタイミングチャートおよ
び図27の特性図を参照しながら、従来装置によるEG
Rシステム故障の誤検出動作について説明する。図26
は、EGRシステムが正常で且つ減速運転中に図23の
故障検出動作を実行した場合の動作を示し、減速フラ
グ、EGRフラグ(EGRの有無)、エンジン回転数N
eおよび吸気管圧力Pbの関係および時間変化を示す。
図中、エンジン回転数Neおよび吸気管圧力Pbの各曲
線において、一点鎖線は緩減速状態、実線は急減速状態
をそれぞれ示す。
【0052】図27はエンジン回転数Ne[r/mi
n]と吸気管圧力Pb[mmHg]との関係を示す特性
図であり、実線はEGR無しの場合、破線はEGR有り
の場合をそれぞれ示す。図中、TAは故障判定条件が検
出されているときの故障検出期間である。
【0053】また、aはEGR印加前のEGR無し特性
曲線(実線)上の点、bはエンジン回転数Neの変化が
小さい場合に点aからEGR有り特性曲線(破線)上に
移行した点、cはエンジン回転数Neの変化が大きい場
合に点aからEGR有り特性曲線(破線)上に移行した
点である。
【0054】まず、緩減速時(図26内の一点鎖線参
照)において、エンジン回転数Neの低下速度は緩やか
であり、故障検出期間TAでのエンジン回転数Neの変
化はほとんど無い。このとき、EGRを強制的に印加す
ると、図27のように、EGR無し特性曲線(実線)上
の点aから、EGR有り特性曲線(破線)上の点bに移
行し、吸気管圧力Pbの変化は大きくなる。
【0055】ここで、故障検出期間TA中の時刻t1お
よびt2において、EGR有無状態(図23内のステッ
プS102およびS104参照)に切り替えれば、図2
6のように緩減速時におけるEGR無しの圧力PbOF
F1とEGR有りの圧力PbON1とが計測される。こ
のとき、以下のように演算される緩減速時での圧力差Δ
P1は、図26および図27から明らかなように、所定
値failより大きいことになる。
【0056】 ΔP1=PbON1−PbOFF1>fail
【0057】これにより、電子式制御ユニット22内の
故障判定手段は、ステップS107およびS108にお
いて、EGRシステムが正常であると判定することがで
きる。
【0058】一方、急減速時(図26内の実線参照)に
おいては、エンジン回転数Neの低下速度は急であり、
故障検出期間TA中のエンジン回転数Neの変化は大き
く、吸気管圧力Pbもエンジン回転数Neに応じて変化
する。すなわち、故障検出期間TAにおいてEGRを強
制的に印加すると、図27のように、EGR無し特性曲
線(実線)上の点aからEGR有り特性曲線(破線)上
の点cに移行する。このとき、吸気管圧力Pbは、EG
R印加によって増大するものの、その変化量は緩減速時
と比較して相対的に小さくなる。
【0059】ここで、EGRを有無状態に切り替えれ
ば、図26のように急減速時におけるEGR無しの圧力
PbOFF2とEGR有りの圧力PbON2とが計測さ
れる。このとき、以下のように演算される急減速時での
圧力差ΔP2は、図26および図27から明らかなよう
に、所定値failより小さいことになる。
【0060】 ΔP2=PbON2−PbOFF2<fail
【0061】したがって、この場合、電子式制御ユニッ
ト22内の故障判定手段は、ステップS107およびS
109において、EGRシステムが異常であると誤判定
してしまう。また、図27の特性図から明らかなよう
に、エンジン回転数Neに対する吸気管圧力Pbの増減
関係がNe=2000[r/min]付近で変化するた
め、圧力差ΔP2が大きくなる場合もあり得る。
【0062】そこで、このような不具合を解消するた
め、たとえば(公知技術ではないが、仮に)、エンジン
回転数Neの変化が大きい場合には、EGRシステムの
故障検出を禁止処理することが考えられる。しかし、エ
ンジン回転数Neの変化が大きい場合に故障検出を禁止
すれば、エンジン回転数Neの変化の無い減速は少ない
ことから、故障検出を行う機会が減少し、EGRシステ
ムの正常または異常状態を検出しにくくなってしまう。
また、EGRシステムが正常であっても、減速状態のエ
ンジン回転数Neに応じて圧力差ΔPが異なるため、誤
検出が発生するおそれがある。
【0063】一方、図24のように安定状態でEGR故
障判定を行う場合、所定時間毎のスロットル開度θの変
化が所定以上である場合に応答して、不安定状態(故障
判定条件が不成立)と見なして故障検出が禁止されるの
で、以下のような不都合が発生し得る。図28は安定状
態時の故障検出動作を示すタイミングチャートであり、
エンジン回転数Neの安定状態におけるスロットル開度
θ、EGRソレノイド12のオンオフ状態、EGR流量
(有無)、吸気管圧力Pbの時間変化を示している。
【0064】図28のように、エンジン回転数Neが安
定状態であれば、故障判定条件を満たすので、EGR有
りでの吸気管圧力Pbを検出した後、強制的にEGR無
しとして吸気管圧力Pbを検出し、圧力差ΔPを算出し
て故障検出が行われる。まず、時刻t3〜t4のEGR
オフ期間中のように、スロットル開度θの偏差Δθaが
所定内であれば、圧力差ΔP(=PbON3−PbOF
F4、または、PbON3−PbOFF4a)が算出さ
れる。
【0065】しかしながら、たとえば時刻t5の直後の
ように、故障検出期間中にスロットル開度偏差Δθが所
定以上変化すると(時刻t6)、安定状態が不成立とな
って故障検出が禁止される。したがって、EGRオフ時
の吸気管圧力Pbが得られる前に、時刻t6においてE
GRが再印加されてしまう。その後、スロットル開度偏
差Δθが再び所定以下に安定すると、故障検出が再開さ
れ、時刻t7〜t8の期間中にEGR無しに制御する。
【0066】すなわち、時刻t6で示すように、安定状
態で故障検出実行中にスロットル開度偏差Δθが大きく
なると、故障検出状態(EGR無し状態)が途中で禁止
されるため、EGRシステムが正常か異常かを判定する
ことができない。したがって、スロットル開度偏差Δθ
の安定時(時刻t7〜t8)に再び故障検出が実行され
るが、もし再びスロットル開度偏差Δθが大きくなる
と、故障検出動作が順次繰り返されることになる。
【0067】この結果、EGR無しの状態が継続するお
それがあるため、たとえば時刻t5〜t6のような故障
検出期間によるEGR停止回数が増加し、EGR制御の
本来の目的であるNOx対策が十分行われなくなり、排
気ガスの状態が悪化するおそれがある。また、時刻t3
〜t4の期間のように、故障検出中に所定以内のスロッ
トル開度偏差Δθが発生すると、EGRオフ時の吸気管
圧力がPbOFF4(実線)とPbOFF4a(破線)
とで異なる場合が有り、故障検出に誤検出が発生して信
頼性が低下するおそれがある。
【0068】次に、バイパス空気量制御手段9による不
都合について、図29の特性図を参照しながら説明す
る。図29は、バイパス空気量Qb、エアコンのオンオ
フ、EGRの有無の違い毎の、エンジン回転数Neに対
する吸気管圧力Pbの関係を特性曲線QE(破線)、Q
oDE(一点鎖線)、QEo(実線)、QoE(破線)
およびQoEo(実線)で示す。
【0069】図29において、QEはバイパス空気量Q
bが200[リットル/min]且つEGRが正規値α
aの場合の特性曲線、QoDEはバイパス空気量Qbが
0且つエアコンがオン且つEGRが正規値αaの場合の
特性曲線、QEoはバイパス空気量Qbが200[リッ
トル/min]且つEGRが無しの場合の特性曲線、Q
oEはバイパス空気量Qbが0且つEGRが正規値αa
の場合の特性曲線、QoEoはバイパス空気量Qbが0
且つEGRが無しの場合の特性曲線である。
【0070】すなわち、実線QEoおよびQoEoは、
バイパス有無での各EGRオフ時の特性曲線、破線QE
およびQoEは、バイパス有無での各EGRオン時の特
性曲線であり、一点鎖線QoDEは、バイパス無且つエ
アコンオンでのEGRオン時の特性曲線である。また、
dおよびfは各特性曲線QoEoおよびQEo上の点、
eおよびgは減速状態でのEGR故障検出時において各
点dおよびfから実線矢印のように変移し得る各特性曲
線QoEおよびQE上の点、hは破線矢印のように点e
に変移し得る特性曲線QoDE上の点である。
【0071】図29のように、EGR量のみならず、バ
イパス空気量Qbが異なると、吸気管圧力Pbが異なる
ため、EGRの有無による故障検出中にバイパス空気量
Qbが変化すると、EGR有りまたは無しでの吸気管圧
力Pbに誤差を生じ、最悪で故障の誤検出が発生し得
る。
【0072】すなわち、図23の処理ルーチンのよう
に、減速中の故障検出においてEGR無しからEGR有
りに切り替える場合について説明すると、実線矢印(点
dから点e、または、点fから点g)のように変移する
場合は、バイパス空気量Qbが変化しないので、EGR
故障検出が正常に行われる。しかし、破線矢印(点fか
ら点e)のように変移途中でバイパス空気量Qbが変化
した場合は、吸気管圧力Pbの圧力差ΔPに誤差が生じ
る。このようなバイパス空気量Qbの変化は、たとえ
ば、減速時のいわゆるダッシュポット動作中に生じる。
【0073】また、図29内の一点鎖線の特性曲線Qo
DEから明らかなように、エアコン動作状態等のエンジ
ン負荷が異なった場合にも、吸気管圧力Pbが異なるた
め、EGR故障検出中にエンジン負荷(エアコン)が変
化すると、EGR有り(または、EGR無し)での吸気
管圧力Pbに誤差を生じ、圧力差ΔPの誤差により最悪
で故障誤検出が発生するおそれがある。
【0074】すなわち、バイパス空気量Qbが0でエア
コン作動時且つEGR有りでのエンジン回転数Neと吸
気管圧力Pbとの関係は、特性曲線QoDEのようにな
り、バイパス空気量Qbが変化した場合と同様に、故障
検出中にエンジン負荷が変化した場合(点hから点eに
変化する場合)にインマニ圧力に誤差を生じる。ここで
は、エアコンについて述べたが、エアコン以外のパワー
ステアリング作動時、電気負荷作動時などの他のエンジ
ン負荷についても同様である。
【0075】次に、大気圧の違いによる不都合につい
て、図30の特性図を参照しながら説明する。すなわ
ち、従来例では、大気圧によらず、固定値failを比
較基準として故障を判定しているため、大気圧が変化す
れば、故障検出を誤検出する可能性があった。
【0076】図30は、エンジン回転数Neを一定(た
とえば、2000rpm)とした場合の大気圧Paに対
する圧力差ΔPの関係を示す特性図である。図におい
て、実線はEGR量が正規値の場合、破線はEGR故障
検出時のそれぞれの特性曲線であり、大気圧Paが変化
すれば、圧力差ΔPが変化することがわかる。
【0077】また、圧力差ΔPを所定値failと比較
して故障判定すると、大気圧Paが1気圧(760mm
Hg)の場合は問題ないが、大気圧Paが560mmH
gとなった場合には、図中の範囲で誤検出が生じる場合
がある。さらに、エンジン制御用に用いられる吸気管圧
力Pbがフィルタ処理されていないので、エンジン脈動
の影響でインマニ圧力検出値に誤差を生じる場合があっ
た。
【0078】
【発明が解決しようとする課題】従来の排気ガス還流制
御装置の故障検出装置は以上のように、図23の処理ル
ーチンのように減速状態を故障判定条件とした場合は、
エンジン回転数Neの変化による吸気管圧力Pbの変化
を考慮していないので、たとえば急減速または緩減速の
ような減速状態の違い(図26参照)により、故障判定
条件成立時のEGRオンオフによって検出される圧力差
ΔPが異なる場合があり、最悪でEGR故障の誤検出が
発生するという問題点があった。
【0079】また、このような問題点を解決するため、
エンジン回転数Neの変化の大きい場合に故障検出禁止
とする処理を実施することが考えられるが、故障検出を
禁止すれば、エンジン回転数Neの変化の小さい減速状
態は頻度が少ないため、EGRシステムの故障検出を実
施する機会が減少してしまうという問題点があった。ま
た、EGRシステムが正常であっても、減速状態のエン
ジン回転数Neに応じて圧力差ΔPが異なるため、同様
に誤検出を発生するという問題点があった。
【0080】また、図24の処理ルーチンのように安定
状態を故障判定条件とした場合は、故障検出途中にスロ
ットル開度θが所定以上変化すると、安定状態ではなく
なって故障判定条件が不成立となり、故障検出を途中で
禁止してしまう(図28の時刻t6参照)おそれがある
ので、故障検出回数が増加してEGR停止回数増加に伴
い排気ガスの悪化を招くという問題点があった。
【0081】また、バイパス空気量Qbやエンジン負荷
の変化による吸気管圧力Pbの変化(図29参照)を考
慮していないので、EGR故障検出中にバイパス空気量
Qbやエンジン負荷が変化すると圧力差ΔPが異なるた
め、同様に誤検出を発生するという問題点があった。
【0082】さらに、大気圧Paの変化による吸気管圧
力Pbの変化(図30参照)を考慮していないので、E
GR故障検出中に大気圧Paが変化すると圧力差ΔPが
異なるため、同様に誤検出を発生するという問題点があ
った。
【0083】この発明の請求項1は上記のような問題点
を解決するために行われたもので、EGRシステムの故
障判定可能領域を拡大するか、または、故障判定信頼性
を向上させた排気ガス還流制御装置の故障検出装置を得
ることを目的とする。
【0084】また、この発明の請求項2は、故障判定条
件が減速状態である場合に、減速状態の違いにかかわら
ず、EGRシステムの故障検出を正確に行うことのでき
る排気ガス還流制御装置の故障検出装置を得ることを目
的とする。
【0085】また、この発明の請求項3および請求項4
は、故障判定条件が安定状態である場合に、安定状態の
違いにかかわらず、EGRシステムの故障検出を正確に
行うことのできる排気ガス還流制御装置の故障検出装置
を得ることを目的とする。
【0086】また、この発明の請求項5〜請求項7は、
バイパス空気量の違いにかかわらず、EGRシステムの
故障検出を正確に行うことのできる排気ガス還流制御装
置の故障検出装置を得ることを目的とする。
【0087】また、この発明の請求項8〜請求項10
は、エンジン負荷の違いにかかわらず、EGRシステム
の故障検出を正確に行うことのできる排気ガス還流制御
装置の故障検出装置を得ることを目的とする。
【0088】また、この発明の請求項11は、大気圧の
違いにかかわらず、EGRシステムの故障検出を正確に
行うことのできる排気ガス還流制御装置の故障検出装置
を得ることを目的とする。
【0089】また、この発明の請求項12および請求項
13は、EGRシステムの故障検出をさらに正確に行う
ことのできる排気ガス還流制御装置の故障検出装置を得
ることを目的とする。
【0090】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る排気ガス還流制御装置の故障検出装置は、吸気管を介
して内燃機関に供給される空気量を調節するために吸気
管内で開閉されるスロットル弁と、内燃機関の排気ガス
を吸気管内のスロットル弁の下流側に還流させるための
EGR管と、EGR管を流れる排気ガスのEGR流量を
調節するためのEGR弁と、吸気管内の吸気管圧力を含
む内燃機関の運転状態を検出するセンサ手段と、センサ
手段からの運転状態情報に応じてEGR弁を制御するE
GR制御手段と、運転状態情報に基づいてEGR制御手
段の故障判定条件の成立を検出する故障判定条件検出手
段と、故障判定条件の成立中にEGR弁を強制的に開閉
させるEGR弁強制開閉手段と、EGR弁の強制開閉時
の吸気管圧力に基づく値と故障判定値と比較してEGR
制御手段の故障を判定する故障判定手段とを備え、故障
判定手段は、EGR弁の強制開閉時の吸気管圧力に関連
するパラメータの影響を補償するための補償手段を含む
ものである。
【0091】また、この発明の請求項2に係る排気ガス
還流制御装置の故障検出装置は、請求項1において、運
転状態情報は、少なくとも、エンジン回転数と、スロッ
トル弁の全閉状態とを含み、故障判定条件検出手段は、
少なくともエンジン回転数およびスロットル弁の全閉状
態に基づいて、内燃機関の減速状態を故障判定条件とし
て検出し、補償手段は、EGR弁の強制開閉時に検出さ
れたエンジン回転数を用いて、故障判定手段により比較
される故障判定値またはEGR弁の強制開閉時に検出さ
れた吸気管圧力に基づく値のうちの少なくとも一方を補
正するものである。
【0092】また、この発明の請求項3に係る排気ガス
還流制御装置の故障検出装置は、請求項1または請求項
2において、運転状態情報は、少なくとも、エンジン回
転数と、スロットル弁のスロットル開度とを含み、故障
判定条件検出手段は、少なくともエンジン回転数に基づ
いて、内燃機関の安定状態を故障判定条件として検出
し、補償手段は、EGR弁の強制開閉時に検出されたス
ロットル開度を用いて、故障判定手段により比較される
故障判定値またはEGR弁の強制開閉時に検出された吸
気管圧力に基づく値のうちの少なくとも一方を補正する
ものである。
【0093】また、この発明の請求項4に係る排気ガス
還流制御装置の故障検出装置は、請求項3において、補
償手段は、スロットル開度をデジタル信号に変換するA
D変換器を含み、AD変換器の最小分解能に応じて故障
判定値または吸気管圧力に基づく値を補正するものであ
る。
【0094】また、この発明の請求項5に係る排気ガス
還流制御装置の故障検出装置は、請求項1から請求項4
までのいずれかにおいて、スロットル弁をバイパスして
流れるバイパス空気量を制御するバイパス空気量制御手
段を備え、補償手段は、故障判定条件の成立中にバイパ
ス空気量の変更を禁止するバイパス空気量変更禁止手段
を含むものである。
【0095】また、この発明の請求項6に係る排気ガス
還流制御装置の故障検出装置は、請求項1から請求項4
までのいずれかにおいて、スロットル弁をバイパスして
流れるバイパス空気量を制御するバイパス空気量制御手
段を備え、運転状態情報は、少なくともバイパス空気量
を含み、補償手段は、EGR弁の強制開閉時に検出され
たバイパス空気量を用いて、故障判定手段により比較さ
れる故障判定値またはEGR弁の強制開閉時に検出され
た吸気管圧力に基づく値のうちの少なくとも一方を補正
するものである。
【0096】また、この発明の請求項7に係る排気ガス
還流制御装置の故障検出装置は、請求項1から請求項4
までのいずれかにおいて、スロットル弁をバイパスして
流れるバイパス空気量を制御するバイパス空気量制御手
段を備え、補償手段は、バイパス空気量の変化が終了し
たか否かを判定するバイパス空気量変化終了判定手段を
含み、故障判定条件の成立中で且つバイパス空気量の変
化終了後にEGR弁強制開閉手段および故障判定手段を
有効にするものである。
【0097】また、この発明の請求項8に係る排気ガス
還流制御装置の故障検出装置は、請求項1から請求項7
までのいずれかにおいて、運転状態情報は、少なくとも
エンジン負荷を含み、補償手段は、エンジン負荷の変化
を検出するエンジン負荷変化検出手段を含み、エンジン
負荷の変化を検出したときに故障判定条件の成立を禁止
するものである。
【0098】また、この発明の請求項9に係る排気ガス
還流制御装置の故障検出装置は、請求項1から請求項7
までのいずれかにおいて、運転状態情報は、少なくとも
エンジン負荷を含み、補償手段は、EGR弁の強制開閉
時に検出されたエンジン負荷を用いて、故障判定手段に
より比較される故障判定値またはEGR弁の強制開閉時
に検出された吸気管圧力に基づく値のうちの少なくとも
一方を補正するものである。
【0099】また、この発明の請求項10に係る排気ガ
ス還流制御装置の故障検出装置は、請求項1から請求項
7までのいずれかにおいて、内燃機関に搭載されたエン
ジン負荷と、エンジン負荷の投入要求に応答してエンジ
ン負荷を駆動させるエンジン負荷駆動手段とを備え、補
償手段は、故障判定条件の成立中にエンジン負荷の駆動
を禁止するエンジン負荷禁止手段を含むものである。
【0100】また、この発明の請求項11に係る排気ガ
ス還流制御装置の故障検出装置は、請求項1から請求項
10までのいずれかにおいて、運転状態情報は、少なく
とも大気圧を含み、補償手段は、大気圧を用いて、故障
判定手段により比較される故障判定値またはEGR弁の
強制開閉時に検出された吸気管圧力に基づく値のうちの
少なくとも一方を補正するものである。
【0101】また、この発明の請求項12に係る排気ガ
ス還流制御装置の故障検出装置は、請求項1から請求項
11までのいずれかにおいて、補償手段は、EGR弁の
強制開閉時に検出された吸気管圧力に基づいてEGR流
量に対応するEGR率相当値を算出するEGR率相当値
算出手段を含み、故障判定手段は、EGR率相当値に基
づいてEGR制御手段の故障を判定するものである。
【0102】また、この発明の請求項13に係る排気ガ
ス還流制御装置の故障検出装置は、請求項1から請求項
12までのいずれかにおいて、補償手段は、EGR弁の
強制開閉時に検出される吸気管圧力の検出タイミングを
算出する吸気管圧力検出タイミング算出手段と、検出タ
イミングに合わせて、EGR弁の強制開閉時に検出され
た吸気管圧力をフィルタ処理するフィルタ処理手段とを
含み、故障判定手段は、フィルタ処理後の吸気管圧力に
基づいてEGR制御手段の故障を判定するものである。
【0103】
【作用】この発明の請求項1においては、EGR弁の強
制開閉時の吸気管圧力に関連するパラメータの影響を補
償することにより、故障判定可能領域の拡大、または、
故障判定信頼性の向上の少なくとも一方を実現する。
【0104】また、この発明の請求項2においては、減
速中のEGR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力に
基づく値または比較基準となる故障判定値のうちの少な
くとも一方を、同時検出されたエンジン回転数に応じて
補正し、補正後の値を比較して故障判定を行う。これに
より、エンジン回転数による吸気管圧力への影響が補償
されて、減速状態にかかわらずEGRシステムの正確な
故障判定が可能となる。
【0105】また、この発明の請求項3においては、安
定状態中のEGR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧
力に基づく値または比較基準となる故障判定値のうちの
少なくとも一方を、同時検出されたスロットル開度の変
化に応じて補正し、補正後の値を比較して故障判定を行
う。これにより、スロットル開度変化による吸気管圧力
への影響が補償されて、安定状態にかかわらず故障検出
中にスロットル開度が変化した場合でもEGRシステム
の正確な故障判定が可能となる。また、スロットル開度
変化によるEGR故障検出の途中停止が発生しなくな
り、故障検出(EGRオフ)回数が減少してEGR停止
に伴う排気ガス悪化が最小限となる。
【0106】また、この発明の請求項4においては、ス
ロットル開度をデジタル変換するAD変換器の最小分解
能を考慮したスロットル開度変化に応じて、吸気管圧力
に基づく値または故障判定値を補正することにより、さ
らに高精度で正確な故障判定が可能となる。
【0107】また、この発明の請求項5においては、E
GRシステムの故障判定時にバイパス空気量の変更を禁
止することにより、バイパス空気量の変化による吸気管
圧力への影響が補償されて吸気管圧力に誤差が生じなく
なり、バイパス空気量にかかわらずEGRシステムの正
確な故障判定が可能となる。
【0108】また、この発明の請求項6においては、E
GR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力に基づく値
または比較基準となる故障判定値のうちの少なくとも一
方を、同時検出されたバイパス空気量に応じて補正し、
補正後の値を比較して故障判定を行う。これにより、バ
イパス空気量による吸気管圧力への影響が補償されて吸
気管圧力に誤差が生じなくなり、バイパス空気量にかか
わらずEGRシステムの正確な故障判定が可能となる。
【0109】また、この発明の請求項7においては、バ
イパス空気量の変化が終了した時点でEGRシステムの
故障判定を行うことにより、バイパス空気量の変化によ
る吸気管圧力への影響が補償されて吸気管圧力に誤差が
生じなくなり、バイパス空気量にかかわらずEGRシス
テムの正確な故障判定が可能となる。
【0110】また、この発明の請求項8においては、エ
ンジン負荷が変化したときにEGRシステムの故障判定
を禁止することにより、エンジン負荷の変化による吸気
管圧力への影響が補償されて吸気管圧力に誤差が生じな
くなり、エンジン負荷にかかわらずEGRシステムの正
確な故障判定が可能となる。
【0111】また、この発明の請求項9においては、E
GR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力に基づく値
または比較基準となる故障判定値のうちの少なくとも一
方を、同時検出されたエンジン負荷に応じて補正し、補
正後の値を比較して故障判定を行う。これにより、エン
ジン負荷による吸気管圧力への影響が補償され、吸気管
圧力に誤差が生じなくなり、エンジン負荷にかかわらず
EGRシステムの正確な故障判定が可能となる。
【0112】また、この発明の請求項10においては、
EGRシステムの故障判定時にエンジン負荷の駆動を禁
止することにより、エンジン負荷の変化による吸気管圧
力への影響が補償されて吸気管圧力に誤差が生じなくな
り、EGRシステムの正確な故障判定が可能となる。
【0113】また、この発明の請求項11においては、
EGR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力に基づく
値または比較基準となる故障判定値のうちの少なくとも
一方を、同時検出された大気圧に応じて補正し、補正後
の値を比較して故障判定を行う。これにより、大気圧に
よる吸気管圧力への影響が補償されて吸気管圧力に誤差
が生じなくなり、大気圧の変化にかかわらずEGRシス
テムの正確な故障判定が可能となる。
【0114】また、この発明の請求項12においては、
EGR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力からEG
R率相当値を算出し、EGR率相当値に基づいて故障判
定を行う。これにより、大気圧、バイパス空気量または
エンジン負荷による吸気管圧力への影響がさらに確実に
補償されて吸気管圧力に誤差が生じなくなり、大気圧等
の変化にかかわらずEGRシステムの正確な故障判定が
可能となる。
【0115】また、この発明の請求項13においては、
EGR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力に対して
フィルタ平均化処理を施し、フィルタ処理後の吸気管圧
力に基づいて故障判定を行う。これにより、エンジン脈
動による吸気管圧力への影響がさらに補償されて吸気管
圧力に誤差が生じなくなり、エンジン脈動にかかわらず
EGRシステムの正確な故障判定が可能となる。
【0116】
【実施例】
実施例1.(請求項1および請求項2に対応) 以下、この発明の実施例1を図について説明する。な
お、この発明の実施例におけるシステム構成は、図21
および図22に示した通りである。図1はこの発明の実
施例1による電子式制御ユニット22のEGR制御部お
よびEGR故障判定部を概略的に示す機能ブロック図で
あり、マイクロコンピュータ100(図22参照)によ
り構成されている。
【0117】図1において、12および22は前述と同
様のものである。300は図21内の圧力センサ6、ス
ロットル開度センサ8、点火コイル13、水温センサ1
7、アイドルスイッチ18およびエアコンスイッチ19
等を含む各種センサであり、運転状態情報U(センサ信
号)として、吸気管圧力Pb、スロットル開度θ、点火
信号Q(エンジン回転数Neに対応)、冷却水温度T、
アイドル信号I(スロットル全閉信号)およびエアコン
投入信号A等を電子式制御ユニット22に入力する。各
種センサ300は、吸気管圧力Pbを含む内燃機関の運
転状態情報Uを検出するセンサ手段を構成している。
【0118】また、電子式制御ユニット22は、以下の
要素301〜305から構成されており、301は各種
センサ300からの運転状態情報Uに応じてEGR弁1
1(図21参照)を制御するEGR制御手段であり、E
GRソレノイド12に対するEGR制御信号Cを生成す
る。302は運転状態情報Uに基づいてEGR制御手段
(EGR弁11およびEGR制御手段301を含むEG
Rシステム)の故障判定条件の成立を検出する故障判定
条件検出手段である。
【0119】303は故障判定条件検出手段302から
の故障判定条件成立信号FDに応動するEGR弁強制開
閉手段であり、故障判定条件成立信号FDに応答して、
故障判定条件の成立中にEGR弁11を強制的に開閉さ
せるためのEGR制御信号CaをEGRソレノイド12
に出力する。
【0120】304はEGR弁11の強制開閉時の吸気
管圧力Pbに基づいてEGR制御手段の故障を判定する
故障判定手段、305は故障判定手段304に内蔵され
てEGR弁11の強制開閉時の吸気管圧力Pbに関連す
るパラメータの影響を補償するための補償手段である。
【0121】補償手段305は、後述する各実施例の機
能を全て含み、破線のように内燃機関の各要素に対し
て、または、故障判定手段304の動作そのものに対し
ても関連し得る。
【0122】たとえば、この発明の実施例1において、
運転状態情報Uは、エンジン回転数Neと、アイドル信
号I(スロットル弁7の全閉状態)とを含む。また、故
障判定条件検出手段302は、エンジン回転数Neとス
ロットル弁の全閉状態Iとに基づいて、内燃機関の減速
状態を故障判定条件として検出する。また、故障判定手
段304は、EGR弁11の強制開閉時に検出された吸
気管圧力Pbに基づく値を故障判定値と比較してEGR
制御手段の故障を判定する。
【0123】さらに、補償手段305は、EGR弁11
の強制開閉時に検出されたエンジン回転数Neを用い
て、故障判定手段304により比較される故障判定値ま
たはEGR弁11の強制開閉時に検出された吸気管圧力
Pbに基づく値のうちの少なくとも一方を補正する。
【0124】次に、図1、図21および図22ととも
に、図2のフローチャートならびに図3および図4の特
性図を参照しながら、この発明の実施例1による故障検
出動作について説明する。
【0125】図2において、S101、S102、S1
04、S108およびS109は、図23内のステップ
と同様であり、S303およびS305〜S307は、
図23内のステップS103およびS105〜S107
にそれぞれ対応している。
【0126】まず、ステップS101において、図示し
ない処理により判定されたエンジン回転数Neと、アイ
ドルスイッチ18の状態を示すアイドル信号Iとから、
エンジン回転数Neが所定回転数以上で且つスロットル
弁7が全閉状態であることを判定し、車両が減速状態に
あるか否かを判定する。ここで、もし減速状態で無い
(すなわち、NO)と判定されれば、故障検出処理を終
了する。
【0127】一方、減速状態である(すなわち、YE
S)と判定されれば、ステップS102に進み、EGR
ソレノイド12をオフして、EGR無しの状態にする。
なお、前述したように、減速状態ではEGR無しの状態
が通常である。続いて、ステップS303において、E
GR無しでの吸気管圧力PbをPbOFFとして記憶す
るとともに、吸気管圧力PbOFFの検出時点でのエン
ジン回転数NeをNeOFFとして記憶する。
【0128】また、ステップS104において、EGR
ソレノイド12をオンしてEGR有りとし、EGR導入
状態とした後、ステップS305において、EGR有り
での吸気管圧力PbをPbONとして記憶するととも
に、吸気管圧力PbONの検出時点でのエンジン回転数
NeをNeONとして記憶する。
【0129】なお、ステップS303およびS305で
の吸気管圧力PbOFFおよびPbONの検出は、EG
Rオンオフ(有無)後の吸気管圧力Pbが安定した後、
すなわち1秒程度経過後に行われる。これは、EGR有
りでの吸気管圧力PbONを計測した後にEGR無しで
の吸気管圧力PbOFFを計測した場合も同様である。
すなわち、上述とは逆の処理手順で、たとえば、図26
内のPbON1およびPbOFF1a、または、PbO
N2およびPbOFF2aを計測しても同等の効果を奏
する。
【0130】次に、ステップS306において、EGR
有りとした際の吸気管圧力PbONとEGR無しでの吸
気管圧力PbOFFとの吸気管圧力偏差(圧力差)ΔP
と、EGR有無でのエンジン回転数NeONおよびNe
OFFに基づく補正関数fとから、以下の(1)式のよ
うに補正された圧力差ΔPfを算出する。
【0131】 ΔPf=ΔP−{f(NeON)−f(NeOFF)} …(1)
【0132】ここで、(1)式内のエンジン回転数Ne
ONおよびNeOFFによる補正関数fについて、図3
および図4を用いて説明する。図3は、バイパス空気量
Qbが所定値(一定)で、且つエンジン負荷条件が無負
荷で完全暖機状態で計測した場合の、エンジン回転数N
eと吸気管圧力Pbとの関係を示す特性図である。
【0133】図3において、実線の特性曲線は、EGR
無し(γ)でのエンジン回転数Neと吸気管圧力Pbと
の関係を示し、低回転ほど吸気管圧力Pbが大気圧Pa
側に高くなる傾向がある。
【0134】また、破線の特性曲線は、EGRが正規
(α)に導入された際のエンジン回転数Neと吸気管圧
力Pbとの関係を示し、EGR無し(実線)に対して吸
気管圧力Pbが相対的に高くなっている。
【0135】さらに、一点鎖線の特性曲線は、EGR流
量がαから減少して、排気ガスの有害成分NOxの排出
が増加するEGR流量、すなわち故障検出を判定すべき
EGR流量(β)でのエンジン回転数Neと吸気管圧力
Pbとの関係を示す。
【0136】図3から、EGR流量α、βまたはγに応
じて吸気管圧力Pbが変化することがわかる。そこで、
エンジン回転数Pbによる補正を実施するため、あらか
じめ、故障検出すべきEGR流量(β)とEGR無し
(γ)とのEGR流量差(β−γ)を算出する。このと
き、エンジン回転数Neと圧力差ΔP(EGR流量差に
対応)との関係を示すと、図4内の特性曲線(実線)の
ようになる。
【0137】図4は、所定のバイパス空気量Qb(一
定)で、且つエンジン負荷条件(無負荷、完全暖機)で
計測した場合の、エンジン回転数Neと圧力差ΔPとの
関係を示す特性図であり、破線はEGR流量差(α−
γ)に対応する圧力差ΔPの特性曲線である。破線のよ
うに、正規EGRにおいても同様の傾向を示すことがわ
かる。
【0138】図4を用いて、EGR有無でのエンジン回
転数NeONおよびNeOFFに対応した吸気管圧力P
bONおよびPbOFFの誤差分を、関数fとして読み
出すことができる。すなわち、吸気管圧力Pbの絶対値
そのものを読み出すことはできないが、吸気管圧力誤差
分として読み出すことができる。
【0139】こうして読み出された吸気管圧力f(Ne
ON)およびf(NeOFF)は、EGRシステムの故
障検出すべきEGR流量βに相当したエンジン回転数N
eによる吸気管圧力Pbの誤差分となる。したがって、
これらの差を、(1)式のように、{f(NeON)−
f(NeOFF)}分で算出することにより、エンジン
回転数Neの差による吸気管圧力Pbの誤差を補正する
ことができる。すなわち、図4から、少なくともEGR
故障検出すべきEGR流量βに相当するエンジン回転数
Neの補正が可能なことがわかる。
【0140】以上のように、図2内のステップS306
において、故障判定用の圧力差ΔPfを算出する。ただ
し、補正値{f(NeON)−f(NeOFF)}が負
の場合は、0にクリップする。これにより、エンジン回
転数Neによる過補正を防止することができる。
【0141】次に、ステップS307に進み、圧力差Δ
Pfが所定値f(fail)より大きいか否かを判定す
る。ここで、所定値f(fail)は、図4から、エン
ジン回転数Neに応じた値とする。
【0142】もし、ステップS307の判定結果がYE
Sであれば、圧力差ΔPfが十分ある(EGRが十分導
入されている)ので、ステップS108において、EG
Rシステム正常と判定する。
【0143】一方、ステップS307の判定結果がNO
であれば、圧力差ΔPfが所定値f(fail)よりも
少ない(EGRが十分導入されていない)ので、ステッ
プS109において、EGRシステム異常と判定する。
【0144】以上のように、EGR有無で検出されたエ
ンジン回転数NeONおよびNeOFFに応じて、EG
R有無で検出された吸気管圧力PbONおよびPbOF
Fを補正することにより、減速状態の違いによる吸気管
圧力Pbの圧力差ΔPを補正し、補正後の圧力差ΔPf
を用いてEGRシステムの故障検出が行われる。
【0145】また、故障判定手段304(図1参照)に
より圧力差ΔPfと比較される故障判定値すなわち所定
値f(fail)は、補償手段305によりエンジン回
転数Neに応じて設定されるので、正確な故障検出が可
能となる。
【0146】なお、ここでは、吸気管圧力Pbに基づく
値(圧力差ΔP)および故障判定値の両方を補正した
が、補償手段305は、EGR有無時に検出されたエン
ジン回転数Neを用いて、故障判定値またはEGR有無
時に検出された吸気管圧力Pbに基づく値のうちの少な
くとも一方を補正すればよい。
【0147】また、ステップS303およびS305に
おいて、EGR有無での各検出値を記憶したが、吸気管
圧力Pbを、各検出毎に直ちにエンジン回転数Neの関
数fを用いて補正し、これらの偏差を補正後の圧力差Δ
Pfとしてもよい。
【0148】図5は検出値を記憶せずに直ちに補正する
ようにしたこの発明の実施例1の他の故障検出ルーチン
例を示すフローチャートであり、S101、S102、
S303、S104、S305、S307、S108お
よびS109は、前述と同様のステップである。また、
S306Aは、図2内のステップS306に対応してい
る。
【0149】この場合、ステップS303においてEG
R無しでの吸気管圧力PbOFFおよびエンジン回転数
NeOFFを検出した後、ステップS303Aにおい
て、エンジン回転数NeOFFの関数fを用いて、補正
された吸気管圧力PfOFFを以下の(2)式により演
算する。
【0150】 PfOFF=PbOFF−f(NeOFF) …(2)
【0151】また、ステップS305においてEGR有
りでの吸気管圧力PbONおよびエンジン回転数NeO
Nを検出した後、ステップS305Aにおいて、エンジ
ン回転数NeONの関数fを用いて、補正された吸気管
圧力PfONを以下の(3)式により演算する。
【0152】 PfON=PbON−f(NeON) …(3)
【0153】続いて、ステップS306Aにおいて、
(2)式および(3)式により補正された吸気管圧力P
fOFFおよびPfONを用いて、補正された圧力差Δ
Pfを以下の(4)式により演算する。
【0154】ΔPf=PfON−PfOFF …(4)
【0155】(4)式は、前述の(1)式と実質的に同
一であることは明らかである。こうして得られた圧力差
ΔPfを用いて、前述と同様にEGRシステムの故障検
出が行われる。
【0156】実施例2.(請求項3に対応) なお、上記実施例1では、故障判定条件として減速状態
を用いているため、故障検出中でのスロットル開度θを
考慮しなかったが、故障判定条件として安定状態を用い
た場合には、特にスロットル開度θの変化に起因する故
障検出の停止や吸気管圧力Pbの誤差を無視することが
できない。
【0157】次に、スロットル開度θの変化を考慮して
故障判定を補償するようにしたこの発明の実施例2につ
いて、図1、図21および図22とともに、図6の特性
図および図7のフローチャートを参照しながら説明す
る。
【0158】この場合、故障判定条件検出手段302
は、エンジン回転数Neに基づいて内燃機関の安定状態
を故障判定条件として検出する。また、故障判定手段3
04に入力される運転状態情報Uとしては、エンジン回
転数Neとスロットル弁7のスロットル開度θとが含ま
れ、故障判定手段304は、EGR弁11の強制開閉時
に検出された吸気管圧力Pbに基づく値を故障判定値と
比較してEGR制御手段の故障を判定するものとする。
【0159】さらに、故障判定手段304内の補償手段
305は、EGR弁11の強制開閉時に検出されたスロ
ットル開度θを用いて、故障判定手段304により比較
される故障判定値またはEGR弁の強制開閉時に検出さ
れた吸気管圧力Pbに基づく値のうちの少なくとも一方
を補正するようになっている。
【0160】図6は、エンジン回転数Neをたとえば2
000rpmに固定し且つEGR無し状態でのスロット
ル開度θと吸気管圧力Pbとの関係を示す特性図であ
る。図6から、スロットル開度θが異なれば、検出され
る吸気管圧力Pbが異なることがわかる。
【0161】たとえば、スロットル開度θがθ1とθ2
との間で変化した場合、スロットル開度偏差Δθ(=θ
1−θ2)分の差に見合った値で圧力差ΔPを補正すれ
ば、吸気管圧力Pbに誤差が生じないことになるので、
このことを利用して故障検出を行うことができる。
【0162】次に、CPU200内の故障判定手段30
4で実行されるこの発明の実施例2の故障検出動作につ
いて、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
図7において、S211、S212、S214、S21
8およびS219は、図24内のステップと同様であ
り、S223、S225、S226およびS227は、
図24内のステップS213、S215、S216およ
びS217にそれぞれ対応している。
【0163】まず、ステップS221において、図示し
ない処理により判定されたエンジン回転数Neおよびス
ロットル開度θの状態から、エンジン回転数偏差が所定
回転数以下(車両が安定状態)にあるか否かを判定す
る。もし、安定状態でない(すなわち、NO)と判定さ
れれば、図7の故障検出処理を終了する。
【0164】一方、ステップS211において安定状態
である(すなわち、YES)と判定されれば、ステップ
S212において、EGRソレノイドをオンしてEGR
有りの状態にする。前述したように、安定状態において
は、通常、EGR有りの状態である。ここで、ステップ
S223において、EGR有りでの吸気管圧力Pbおよ
びスロットル開度θを、それぞれ、PbONおよびθ1
として記憶する。
【0165】続いて、ステップS214において、EG
Rソレノイドを強制的にオフしてEGRを無しの状態と
し、ステップS225において、EGR無しでの吸気管
圧力Pbおよびスロットル開度θを、それぞれ、PbO
FFおよびθ2として記憶する。
【0166】このとき、EGRの導入が正常に行われて
いれば、EGR有無の各状態での吸気管圧力PbONお
よびPbOFF間に十分な差を生じることになる。ま
た、EGR有無の各状態でのスロットル開度θ1および
θ2間に差があるか否かを検出することができる。
【0167】したがって、EGR有無での各検出値の差
を調べるために、ステップS226において、EGR有
無での吸気管圧力PbONおよびPbOFF間の圧力差
ΔPと、スロットル開度θ1およびθ2間の偏差Δθ
(=θ1−θ2)に基づく関数gによる補正値g(Δ
θ)とを演算し、補正された圧力差ΔPgを以下の
(5)式により演算する。
【0168】ΔPg=ΔP−g(Δθ) …(5)
【0169】ただし、(5)式において、補正値g(Δ
θ)が負となる場合は、補正値を0にクリップする。こ
れにより、スロットル開度偏差Δθによる過補正を防止
することができる。
【0170】続いて、ステップS227において、圧力
差ΔPgが所定値failより大きいか否かを判定す
る。もし、圧力差ΔPgが十分大きく、判定結果がYE
Sであれば、EGRが十分導入されているので、ステッ
プS218において、EGRシステム正常と判定する。
一方、圧力差ΔPgが小さく、判定結果がNOであれ
ば、EGRが十分導入されていないので、ステップS2
19において、EGRシステム異常と判定する。
【0171】なお、安定状態の変化を検出するステップ
S211の具体的処理は図示していないが、所定時間毎
の割込処理によりエンジン回転数Neおよびスロットル
開度θの状態をサンプリングしており、サンプリング前
後の差から安定状態変化を検出し、もし変化があれば不
安定状態と見なしてEGR故障検出を終了するようにな
っている。
【0172】以上の処理により、EGRシステムの故障
検出が行われるとともに、スロットル開度θによる吸気
管圧力Pbの補正が行われ、これにより、正確な故障検
出が可能となる。また、故障検出中に所定以上のスロッ
トル開度偏差Δθが生じても、故障検出が停止すること
がなく、したがって、故障検出動作が繰り返されて排気
ガスが悪化することもない。
【0173】なお、ここでは、吸気管圧力Pbを補償手
段305の補正対象として、圧力差ΔPgのみを補償し
たが、前述と同様に、補償手段305は、故障判定値ま
たは吸気管圧力Pbまたは故障判定値のうちの少なくと
も一方を補償してもよい。また、各検出値を記憶した
が、図5の場合と同様に、検出と同時に補正演算を実行
してもよい。
【0174】実施例3.(請求項4に対応) また、上記実施例2では、スロットル開度θの検出値を
AD変換するAD変換器の最小分解能について特に考慮
しなかったが、AD変換器の最小分解能に応じた補償を
行い、さらに高精度化を実現してもよい。
【0175】次に、AD変換器の最小分解能に応じた補
償を行うこの発明の実施例3について、図1、図21お
よび図22とともに、図8の特性図および図9のフロー
チャートを参照しながら説明する。この場合、補償手段
305は、スロットル開度θをデジタル信号に変換する
AD変換器203(図22参照)を含み、AD変換器2
03の最小分解能に応じて故障判定値または吸気管圧力
Pbに基づく値を補正するようになっている。
【0176】まず、図8を参照しながら、AD変換器2
03の最小分解能に起因する誤差について説明する。図
8は、図6と同様に、エンジン回転数Neを2000r
pmに固定し、且つEGR無し状態でのスロットル開度
θと吸気管圧力Pbとの関係を示す特性図であり、Pb
1およびPb2は図6内の各吸気管圧力値に対応してお
り、δはAD変換器203の最小分解能である。図8か
ら、スロットル開度θが異なれば、検出される吸気管圧
力Pbが異なることがわかる。
【0177】通常、電子式制御ユニット22内のAD変
換器203には最小分解能があるため、実際には、リニ
アにスロットル開度θを検出することはできず、最小分
解能δのピッチで検出される。したがって、最小分解能
δ内のスロットル開度θ1aおよびθ1bは、区別でき
ないため同一の点として検出され、同様に、スロットル
開度θ2aおよびθ2bも同一の点として検出される。
【0178】このため、スロットル開度偏差Δθとし
て、点θ1aおよびθ2a(白丸)間で算出した場合
と、点θ1bおよびθ2b(黒丸)間で算出した場合と
で、それぞれ同一の結果が得られてしまう。したがっ
て、もし、こうして得られた結果に基づいて、スロット
ル開度偏差Δθに見合った値で圧力差ΔPを補正すれ
ば、最大で最小分解能δに相当する値(白丸と黒丸の
差)だけ、吸気管圧力Pbに誤差を生じ得る。このこと
は、故障検出に誤差を生じる要因となる得る。
【0179】次に、図9のフローチャートを参照しなが
ら、この発明の実施例3による故障検出動作について説
明する。図9は図7(実施例2)にほぼ対応しており、
図9内の各ステップは、図7内のステップS226に代
えてステップS226Aが挿入されている以外は、図7
内の各ステップと同様である。したがって、前述と同様
のステップについては、ここでは詳述しない。
【0180】まず、ステップS211において安定状態
と判定されれば、ステップS212においてEGRソレ
ノイド12をオンし、ステップS223においてEGR
有りでの吸気管圧力PbONおよびスロットル開度θ1
を記憶し、ステップS224においてEGRソレノイド
12をオフした後、ステップS225においてEGR無
しでの吸気管圧力PbOFFおよびスロットル開度θ2
を記憶する。
【0181】次に、ステップS226Aにおいて、EG
R有無での圧力差ΔPをスロットル開度偏差Δθを用い
て補正するため、圧力差ΔPとスロットル開度偏差Δθ
による補正値g(Δθ−δ)を演算し、以下の(6)に
より、補正された圧力差ΔPgを演算する。
【0182】 ΔPg=ΔP−g{max(Δθ−δ,0)} …(6)
【0183】ただし、(6)式において、補正値g(Δ
θ−δ)が負の場合は、maxにより0にクリップす
る。これにより、少なくとも、スロットル開度偏差Δθ
による過補正を防止することができる。
【0184】続いて、ステップS227において圧力差
ΔPgを所定値failと比較し、圧力差ΔPgが大き
ければ、ステップS218においてEGRシステム正常
と判定し、圧力差ΔPgが小さければ、ステップS21
9においてEGRシステム異常と判定する。
【0185】こうして、(6)式のように、スロットル
開度偏差Δθから最小分解能δを減算することにより、
最小分解能δを考慮したスロットル開度θによる吸気管
圧力Pbの補正が行われ、さらに正確な故障検出が実現
する。ここで、最小分解能δによる補正について、具体
的に説明する。
【0186】たとえば、図8内の点θ2bのように最小
分解能δの変換直前の点から、スロットル開度θが微小
開度δθ(最小分解能δよりも小さい)だけ増大した場
合を考えると、AD変換器203によるスロットル開度
θの変換結果は、1ビット分だけ増大することになる。
【0187】しかし、点θ2aのように最小分解能δの
変換直後の点から、スロットル開度θが微小開度δθま
たは最小分解能δよりもわずかに小さい開度分だけ増大
したとしても、AD変換器203によるスロットル開度
θの変換結果は、最小分解能δに達していないため全く
増大しないことになる。
【0188】そこで、(6)式のように、スロットル開
度偏差Δθから最小分解能δを減算すれば、最小分解能
δ以上の開度分だけ増大した場合のみにおいて、AD変
換器203によるスロットル開度θの変換結果を1ビッ
ト分だけ増大する。したがって、微小開度δθの増大に
より、AD変換結果が1ビット増大することはなくな
り、誤差を発生を抑制することができる。
【0189】実施例4.(請求項5に対応) なお、上記各実施例では、バイパス空気量Qbの差に起
因する吸気管圧力Pbの誤差を考慮していないが、バイ
パス空気量Qbによる誤差を防止するため、故障検出中
でのバイパス空気量Qbの変更を禁止することが望まし
い。
【0190】以下、バイパス空気量Qbの更新を防止し
たこの発明の実施例4について、図1、図21および図
22とともに、図10の特性図および図11のフローチ
ャートを参照しながら説明する。この場合、故障判定条
件は減速状態であり、補償手段305は、故障判定条件
の成立中にバイパス空気量Qbの変更を禁止するバイパ
ス空気量変更禁止手段を含む。
【0191】図10は、バイパス空気量Qbを0または
200[リットル/min]に固定した場合の、エンジ
ン回転数Neと吸気管圧力差ΔPとの関係を示す特性図
であり、バイパス空気量Qbの固定値が異なっても実線
で示すように、同一の特性曲線となる。
【0192】前述の図29においては、バイパス空気量
Qbの差(0または200[リットル/min])によ
って吸気管圧力Pbが異なっていたが、図10のように
吸気管圧力Pbの圧力差ΔPをとった場合、バイパス空
気量Qbの違いによって圧力差ΔPに差が生じない(実
線で示すように、同一の特性曲線となる)ことがわか
る。したがって、このことを利用して、故障検出を行う
ようにする。
【0193】次に、図11のフローチャートを参照しな
がら、この発明の実施例4による故障検出動作について
説明する。図11は図2(実施例1)にほぼ対応してお
り、ステップS101とS102との間にステップS1
1を追加挿入した以外は、図2と同様である。
【0194】この場合、ステップS101において減速
中と判定された後、ステップS11において、EGRシ
ステム故障検出動作中は、バイパス空気量Qbの更新を
禁止する。このとき、故障検出時のバイパス空気量Qb
の変化動作は、前述の図25内に示すと、たとえば破線
のようになり、故障検出中は一定となる。
【0195】このように、故障検出中のバイパス空気量
Qbの変更を禁止処理することにより、バイパス空気量
Qbの違いによる吸気管圧力Pbの誤差は生じなくな
る。ステップS102以降の動作については、前述と同
様なので、ここでは説明しない。また、ここでは、故障
判定状態を減速状態としたが、安定状態の場合でも同等
の効果を奏することは言うまでもない。
【0196】実施例5.(請求項6に対応) なお、上記実施例4では、故障検出中においてバイパス
空気量Qbの変更を禁止したが、バイパス空気量Qbの
変化に応じて吸気管圧力Pbへの影響を補償するように
してもよい。
【0197】以下、バイパス空気量Qbに応じた補償を
行うようにしたこの発明の実施例5について、図1、図
21、図22および図29とともに、図12のフローチ
ャートを参照しながら説明する。
【0198】この場合、故障判定条件は減速状態であ
り、故障判定手段304(図1参照)に入力される運転
状態情報Uとしては、バイパス空気量Qbが含まれる。
また、故障判定手段304は、EGR弁11の強制開閉
時に検出された吸気管圧力Pbに基づく値を故障判定値
と比較してEGR制御手段の故障を判定する。
【0199】さらに、補償手段305は、EGR弁11
の強制開閉時に検出されたバイパス空気量Qbを用い
て、故障判定手段304により比較される故障判定値f
ailまたはEGR弁11の強制開閉時に検出された吸
気管圧力Pbのうちの少なくとも一方を補正するように
なっている。
【0200】前述の図29は、エンジン回転数Neと吸
気管圧力Pbとの関係を示す特性図であり、図29か
ら、バイパス空気量Qbの差により吸気管圧力Pbが異
なることがわかる。したがって、このことを利用して、
故障検出を行う。
【0201】次に、図12のフローチャートを参照しな
がら、この発明の実施例5の故障検出動作について説明
する。図12は図2(実施例1)にほぼ対応しており、
図12において、S303B、S305BおよびS30
6Bは、図2内のステップS303、S305およびS
306にそれぞれ対応し、他のステップは前述と同様で
ある。
【0202】ここでは、各ステップS303BおよびS
305Bにおいて、バイパス空気量Qbが検出値に加え
られており、ステップS306Bにおいて、バイパス空
気量Qbの検出値が補正要素に加えられている。
【0203】この場合、ステップS101において減速
中と判定された後、ステップS102においてEGR無
しとし、ステップS303Bにおいて、EGR無しでの
吸気管圧力PbOFF、エンジン回転数NeOFFおよ
びバイパス空気量QbOFFを検出して記憶する。な
お、バイパス空気量Qbは、電子式制御ユニット22か
ら出力されるバイパス空気量制御手段9に対するバイパ
ス制御信号Bに基づいて検出され得る。
【0204】同様に、ステップS305Bにおいて、E
GR有りでの吸気管圧力PbON、エンジン回転数Ne
ONおよびバイパス空気量QbONを検出して記憶す
る。続いて、ステップS306において、図29の関係
から、バイパス空気量Qbの差ΔQ(QbON−QbO
FF)に応じて、吸気管圧力Pbを補正する。ここで
は、関数fを用いて、以下の(7)式により、補正後の
圧力差ΔPfを演算する。
【0205】 ΔPf=ΔP−{f(NeON,QON)−f(NeOFF,QOFF)}…(7)
【0206】以上の処理によって、バイパス空気量Qb
の違いによる吸気管圧力Pbの誤差は生じなくなる。
【0207】この場合も、補償手段305は、故障判定
値failまたは吸気管圧力Pbに基づく値の少なくと
も一方を補正すればよい。また、ステップS303Bお
よびS305Bにおいて各検出値を記憶したが、前述と
同様に、検出と同時に補正演算してもよい。
【0208】実施例6.(請求項7に対応) また、上記実施例5では、バイパス空気量Qbを検出し
て補正要素に用いたが、バイパス空気量Qbの変化(ダ
ッシュポット)終了後に故障判定を行うようにしてもよ
い。
【0209】以下、バイパス空気量Qbの変化終了を検
出して故障判定を行うようにしたこの発明の実施例6に
ついて、図1、図21および図22とともに、図12の
フローチャートを参照しながら説明する。
【0210】この場合、補償手段305は、バイパス空
気量Qbの変化が終了したか否かを判定するバイパス空
気量変化終了判定手段を含み、故障判定条件の成立中で
且つバイパス空気量Qbの変化終了後にEGR弁強制開
閉手段303および故障判定手段304を有効にする。
【0211】次に、図13のフローチャートを参照しな
がら、この発明の実施例6の故障判定動作について説明
する。図13は図2(実施例1)にほぼ対応しており、
ステップS101とS102との間にステップS21を
追加挿入した以外は、図2と同様である。
【0212】まず、ステップS101において減速状態
が判定された後、ステップS21において、ダッシュポ
ット動作(すなわち、バイパス空気量Qbの変化)が終
了したか否かを判定する。ここで、バイパス空気量Qb
は、以下の(8)式により与えられる。
【0213】Qb=max{Qi,Qd} …(8)
【0214】ただし、(8)式において、Qiはアイド
ル状態で必要なバイパス空気量、Qdはダッシュポット
時のバイパス空気量である。すなわち、アイドル状態ま
たはダッシュポット時に要求されるアイドル空気量のう
ちの大きい方をバイパス空気量Qdとする。ここで、ス
テップS21で判定されるダッシュポット動作の終了と
は、以下の条件を満たした時点から以降のことを示す。
【0215】Qd<Qi
【0216】もし、上記条件を満たし、ステップS21
において、ダッシュポット終了(すなわち、YES)と
判定されれば、ステップS102以下に進み、ダッシュ
ポット終了でない(すなわち、NO)と判定されれば、
図13の処理ルーチンを終了する。
【0217】これにより、EGRシステムの故障検出動
作中において、バイパス空気量Qbの変化が生じること
はなくなる。したがって、バイパス空気量Qbの違いに
よる吸気管圧力Pbの誤差は生じなくなる。なお、各実
施例4〜実施例6においては、減速状態を故障判定条件
としたが、安定状態であっても同等の効果を奏する。
【0218】実施例7.(請求項8に対応) また、上記各実施例では、エンジン負荷について考慮し
なかったが、故障検出中にエンジン負荷の差によって吸
気管圧力Pbに誤差が生じるのを防止するために、エン
ジン負荷を補償要素に加えてもよい。
【0219】以下、エンジン負荷の変化に応答して故障
判定を禁止するようにしたこの発明の実施例7につい
て、図1、図21および図22とともに、図14のフロ
ーチャートを参照しながら説明する。
【0220】この場合、故障判定手段304に入力され
る運転状態情報Uとしては、エンジン負荷が含まれる。
また、補償手段305は、エンジン負荷の変化を検出す
るエンジン負荷変化検出手段を含み、エンジン負荷の変
化を検出したときに故障判定条件の成立を禁止するよう
になっている。
【0221】次に、図14のフローチャートを参照しな
がら、この発明の実施例7の故障判定動作について説明
する。図14は図11(実施例4)にほぼ対応してお
り、ステップS305とS306との間にステップS3
1を追加挿入した点のみが異なり、他のステップは図1
1と同様である。
【0222】この場合、ステップS101〜S305に
よりEGR有無での各検出値を記憶した後、ステップS
31において、故障検出中に負荷変化があったか否かを
判定する。エンジン負荷の変化は、たとえば、エアコン
スイッチ19からのエアコン投入信号Aにより検出され
る。
【0223】もし、ステップS31において、エンジン
負荷変化がない(すなわち、NO)と判定されれば、ス
テップS306以下に進み、エンジン負荷変化がある
(すなわち、YES)と判定されれば、図13の故障検
出処理を終了する。ステップS306以下の処理動作
は、前述と同様なので、ここでは説明しない。
【0224】また、エンジン負荷の変化を検出するため
の具体的処理については、図示していないが、所定時間
毎に割込処理にてエンジン負荷状態をサンプリングし、
サンプリング前後の差からエンジン負荷変化を検出する
ことができる。このように、EGRシステム故障検出動
作中にエンジン負荷の変化が発生すればただちに故障検
出を終了するので、エンジン負荷の違いによる吸気管圧
力Pbの誤差は生じなくなり、負荷変動による誤検出を
防止することができる。
【0225】実施例8.(請求項9に対応) なお、上記実施例7では、エンジン負荷の変化に応答し
てEGRシステムの故障検出を禁止させたが、エンジン
負荷の変化に応じて吸気管圧力Pbへの影響を補償する
ようにしてもよい。以下、エンジン負荷(たとえば、エ
アコン動作)の変化に応じた補償を行うようにしたこの
発明の実施例8について、図1、図21および図22と
ともに、図15のフローチャートを参照しながら説明す
る。
【0226】この場合、故障判定条件は減速状態であ
り、故障判定手段304(図1参照)に入力される運転
状態情報Uとしては、エンジン負荷の変化を示すエアコ
ン投入信号Aが含まれる。また、故障判定手段304
は、EGR弁11の強制開閉時に検出された吸気管圧力
Pbに基づく値を故障判定値と比較してEGR制御手段
の故障を判定する。
【0227】さらに、補償手段305は、EGR弁11
の強制開閉時に検出されたエンジン負荷を用いて、故障
判定手段により比較される故障判定値またはEGR弁1
1の強制開閉時に検出された吸気管圧力Pbに基づく値
のうちの少なくとも一方を補正するようになっている。
【0228】次に、この発明の実施例8による故障検出
動作について、図15のフローチャートを参照しながら
説明する。図15は図11または図12に対応してお
り、図15において、S101、S11、S102、S
104、S307、S108およびS109は前述と同
様のステップであり、S303C、S305CおよびS
306Cは、それぞれ、図11内のステップS303、
S305および306に対応している。
【0229】ここでは、ステップS303Cおよび30
5Cにおいて、検出値として吸気管圧力Pbおよびエン
ジン回転数Neの他に負荷状態が加えられており、ステ
ップS306Cにおいて、補正要素としてエンジン回転
数Neの他に負荷状態が加えられている。
【0230】すなわち、ステップS101において減速
中と判定された場合、ステップS11においてバイパス
空気量Qbの更新を禁止し、ステップS102において
EGR無しとした後、ステップS303Cにおいて、E
GR無しでの吸気管圧力PbOFFおよびエンジン回転
数NeOFFとともに、EGR無しでの負荷状態LOF
Fを検出して記憶する。
【0231】また、ステップS104においてEGR有
りとした後、ステップS305Cにおいて、EGR有り
での吸気管圧力PbONおよびエンジン回転数NeON
とともに、EGR有りでの負荷状態LONを検出して記
憶する。そして、ステップS306Cにおいて、各吸気
管圧力Pbの検出時点での負荷状態Lおよびエンジン回
転数Neに応じて、あらかじめ決められた関数fに基づ
いて、吸気管圧力Pbに基づく値(圧力差ΔP)を以下
の(9)式により補正する。
【0232】 ΔPf=ΔP−{f(NeON,LON)−f(NeOFF,LOFF)}…(9)
【0233】以下、前述と同様のステップS307、S
108およびS109により、EGRシステムが正常か
異常かを判定する。以上の処理によって、エンジン負荷
の違いによる吸気管圧力Pbおよび圧力差ΔPの誤差は
生じなくなる。
【0234】なお、この場合も故障判定値failまた
は吸気管圧力Pbに基づく値の少なくとも一方を補正す
ればよく、また、各検出値を記憶せずに検出と同時に補
正演算してもよい。
【0235】実施例9.(請求項10に対応) また、上記実施例8では、エンジン負荷の差に応じて故
障検出中に検出される吸気管圧力Pbに基づく値の誤差
を補正するようにしたが、故障検出中においてはエンジ
ン負荷の駆動を禁止するようにしてもよい。
【0236】以下、EGRシステムの故障検出中にはエ
ンジン負荷の駆動を禁止するこの発明の実施例9につい
て、図1、図21および図22とともに、図16のフロ
ーチャートを参照しながら説明する。
【0237】この場合、内燃機関はエンジン負荷たとえ
ばエアコンを搭載しており、電子式制御ユニット22
は、エアコンを駆動させるエアコン(エンジン負荷)駆
動手段を備えている。エアコン駆動手段は、運転状態お
よびエアコン投入信号Aに応答してエアコン制御器19
Aに対するエアコン駆動信号Dを生成し、エアコンを駆
動させるようになっている。
【0238】また、補償手段305は、故障判定条件の
成立中にエアコンの駆動を禁止するエンジン負荷禁止手
段を含んでいる。したがって、この場合、補償手段30
5は、電子式制御ユニット22内のエアコン駆動手段に
関連している。
【0239】次に、この発明の実施例9によるエアコン
制御動作について、図16のフローチャートを参照しな
がら説明する。ここでは、EGRシステムの故障検出中
にエンジン負荷の変化を生じさせない場合について述べ
る。
【0240】すなわち、図21のようにエアコン制御器
19A等を介して電子式制御ユニット22でエアコン
(エンジン負荷)を制御している装置について、故障検
出動作中にエアコンが動作しないようにする。まず、ス
テップS511において、エアコンスイッチ19がオン
か否かを判定し、もし、エアコンスイッチ19がオフで
ある(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS5
14に進み、エアコンを非作動としてリターンする。
【0241】一方、エアコンスイッチ19がオンである
(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS51
2において、故障検出中か否か、たとえば図11のEG
R故障検出ルーチンを実行中か否かを判定する。もし、
EGR故障検出中である(すなわち、YES)と判定さ
れれば、ステップS514に進み、エアコンを非作動と
してリターンする。
【0242】一方、ステップS512において、故障判
定中でない(すなわち、NO)と判定されれば、ステッ
プS513において、エアコンを動作させる。以上の処
理により、エアコンスイッチ19のオンによりエアコン
投入信号Aが入力されても、EGRシステムの故障検出
中にはエアコンが実際に作動することはなくなる。した
がって、故障検出中にエンジン負荷が変化することはな
く、エンジン負荷の違いによる吸気管圧力Pbに基づく
値の誤差は生じなくなる。
【0243】実施例10.(請求項11に対応) なお、上記各実施例では、大気圧Paの違いを考慮しな
かったが、大気圧Paの差に応じて吸気管圧力Pbへの
影響を補償し、EGRシステムの故障検出時における誤
検出を防止するようにしてもよい。以下、大気圧Paの
変化に応じた補償を行うようにしたこの発明の実施例1
0について、図1、図21および図22とともに、図1
7および図18のフローチャートを参照しながら説明す
る。
【0244】この場合、故障判定手段304に入力され
る運転状態情報Uとしては、大気圧Paが含まれる。ま
た、故障判定手段304は、EGR弁11の強制開閉時
に検出された吸気管圧力Pbに基づく値を故障判定値と
比較してEGR制御手段の故障を判定する。
【0245】さらに、補償手段305は、大気圧Paを
用いて、故障判定手段304により比較される故障判定
値またはEGR弁11の強制開閉時に検出された吸気管
圧力Pbに基づく値のうちの少なくとも一方を補正する
ようになっている。
【0246】次に、大気圧Paの検出動作について、図
17のフローチャートを参照しながら説明する。一般
に、大気圧Paは、圧力センサ6とは別の大気圧センサ
で検出してもよいが、吸気管圧力Pb検出用の圧力セン
サ6を用いて、図17の大気圧検出処理ルーチンによっ
て検出することができる。
【0247】まず、ステップS701において、エンジ
ン回転数Neの情報を参照して、エンスト状態か否かを
判定し、もし、エンスト状態でない(すなわち、NO)
と判定されれば、ステップS703(後述する)に進
む。一方、エンストである(すなわち、YES)と判定
されれば、エンスト状態での吸気管圧力Pbは大気圧P
aを示しているので、ステップS702において、吸気
管圧力Pbを大気圧Paとして記憶する。
【0248】続いて、ステップS703において、スロ
ットル開度θの情報を参照して、スロットル弁7が全開
状態か否かを判定し、もし、全開状態でない(すなわ
ち、NO)と判定されれば、図17の処理ルーチンを終
了する。一方、スロットル弁7が全開状態である(すな
わち、YES)と判定されれば、ステップS704にお
いて、吸気管圧力PbをPbwotとした後、以下の
(10)式により、大気圧Paを演算して記憶する。
【0249】Pa=Pbwot+Ps …(10)
【0250】ただし、(10)式において、Psは吸気
管3内のインテーク通路の圧損分であり、吸気管圧力P
bにインテーク通路圧損分Psを加えた値が大気圧Pa
となることを示している。こうして、(10)式により
演算された圧力値は、大気圧Paとして記憶される。
【0251】次に、この発明の実施例10によるEGR
システムの故障判定動作について、図18のフローチャ
ートを参照しながら説明する。図18は図11に対応し
ており、図18において、S101、S11、S10
2、S303、S104、S305、S306、S10
8およびS109は、図11内の各ステップと同様であ
り、S307Dは図11内のステップS307に対応し
ている。したがって、前述と同様のステップについて
は、ここでは説明しない。
【0252】この場合、ステップS307Dにおいて、
故障判定値の補正要素として大気圧が加えられており、
故障判定値をエンジン回転数Neおよび大気圧Paの関
数fとしている。すなわち、ステップS307Dにおい
ては、ステップS306で補正された圧力差ΔPfを、
故障判定値f(fail,Pa)と比較し、以下の正常
条件を満たすかか否かを判定する。
【0253】ΔPf≧f(fail,Pa)
【0254】これにより、大気圧Paが変化しても、図
17の処理ルーチンで検出した大気圧Paによって補正
された故障判定値を用いて、故障検出を正確に行うこと
ができる。したがって、大気圧Paの違いによるEGR
システムの故障検出の誤検出が発生することはない。
【0255】なお、ここでは、大気圧Paの関数として
故障判定値のみを補正したが、補償手段305は、吸気
管圧力Pbに基づく値または故障判定値のうちの少なく
とも一方を補正すればよい。また、故障判定条件として
減速状態を用いたが、安定状態を用いた場合にも適用で
き、同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0256】実施例11.(請求項12に対応) また、上記各実施例では、吸気管圧力Pbに基づく値と
して、もっぱら圧力差ΔPを用いたが、吸気管圧力Pb
から得られるEGR率相当値を用いてもよい。この場
合、EGRシステムの故障判定の信頼性がさらに向上
し、大気圧Pa、バイパス空気量Qbまたはエンジン負
荷の差による故障検出の誤検出をさらに確実に防止する
ことができる。
【0257】以下、EGRシステムの故障判定のために
EGR率相当値を用いたこの発明の実施例11につい
て、図1、図21および図22とともに、図19の特性
図および図20のフローチャートを参照しながら説明す
る。この場合、補償手段305は、EGR弁11の強制
開閉時に検出された吸気管圧力Pbに基づいてEGR流
量に対応するEGR率相当値PEGRを算出するEGR
率相当値算出手段を含む。また、故障判定手段304
は、EGR率相当値に基づいてEGR制御手段の故障を
判定する。
【0258】図19は、たとえば前述の図30からEG
R率相当値PEGRの算出式にしたがって算出したEG
R率相当値PEGRと大気圧Paとの関係を示す特性図
であり、実線はエンジン回転数Neが2000rpm
(一定)で且つEGR流量が正規の場合の特性曲線、破
線はエンジン回転数Neが2000rpm(一定)で且
つEGR流量が故障検出時の場合の特性曲線である。
【0259】図19から、エンジン回転数Neが一定で
あれば、実線で示すEGR率相当値PEGRが一定であ
るため、破線で示す故障判定値PEGR(fail)が
大気圧Paによらず固定値であっても、EGRシステム
の誤検出は発生しないことがわかる。
【0260】次に、この発明の実施例11によるEGR
システムの故障検出動作について、図20のフローチャ
ートを参照しながら説明する。図20は図11に対応し
ており、図20において、S101、S11、S10
2、S303、S104、S305、S306、S10
8およびS109は、図11内の各ステップと同様であ
り、S307Eは図11内のステップS307に対応し
ている。したがって、前述と同様のステップについて
は、ここでは説明しない。
【0261】この場合、圧力差ΔPfを補正するステッ
プS306の後に、EGR率相当値PEGRを演算する
ステップS36が追加挿入されている。また、ステップ
S307Eにおいて、EGR率相当値PEGRを故障判
定値PEGR(fail)と比較しており、かつ、故障
判定値PEGR(fail)をエンジン回転数Neの関
数としている。
【0262】すなわち、まず、ステップS36において
は、ステップS306で算出された補正後の圧力差ΔP
fと、EGR無しでの吸気管圧力PbOFFとを用い
て、以下の(11)式によりEGR率相当値PEGRを
演算する。
【0263】 PEGR=(ΔPf/PbOFF)×100[%] …(11)
【0264】こうして算出されたEGR率相当値PEG
Rは、吸気管圧力PbOFFによって正規化されている
ので、吸気管圧力Pbに関連するバラツキが抑制され
て、さらに高精度の値となる。
【0265】このため、たとえば、大気圧Paが変化し
ても、EGR率相当値PEGRを用いて故障検出してい
るので、大気圧Paにかかわらず故障検出を正確に行う
ことができる。同様に、バイパス空気量Qbまたはエン
ジン負荷の違いによらず、故障検出を正確に行うことが
できる。
【0266】他の処理ステップの動作は図11と同様で
ある。以上の処理によって、大気圧Pa、バイパス空気
量Qbまたはエンジン負荷の違いによる故障検出の誤検
出は生じなくなる。
【0267】実施例12.(請求項13に対応) なお、上記各実施例では、エンジン脈動の影響を考慮し
なかったが、複数回サンプリング検出される吸気管圧力
Pbに対してフィルタ処理を行うことにより、エンジン
脈動の影響による吸気管圧力Pbの誤差を抑制すること
が望ましい。
【0268】以下、フィルタ処理により吸気管圧力Pb
の検出誤差を抑制したこの発明の実施例12について、
図1、図21および図22を参照しながら説明する。こ
の場合、補償手段305は、EGR弁11の強制開閉時
に検出される吸気管圧力Pbの検出タイミングを算出す
る吸気管圧力検出タイミング算出手段と、この検出タイ
ミングに合わせて、EGR弁11の強制開閉時に検出さ
れた吸気管圧力Pbをフィルタ処理するフィルタ処理手
段とを含む。また、故障判定手段304は、フィルタ処
理後の吸気管圧力PbFに基づいてEGR制御手段の故
障を判定する。
【0269】次に、この発明の実施例12によるフィル
タ処理動作について説明する。吸気管圧力Pbを検出す
る前の所定条件成立時たとえば故障検出開始時(EGR
強制オンオフの直前の所定時間)において、エンジン制
御用の吸気管圧力Pbの検出毎に、以下の(12)式の
ように、エンジン脈動を相殺するフィルタ処理を実行す
る。
【0270】 PbF(n)=PbF(n−1)×K+Pb(n)×(1−K)…(12)
【0271】ただし、(12)式において、PbF
(n)はフィルタ処理された今回の吸気管圧力値、Pb
F(n−1)はフィルタ処理された前回の吸気管圧力
値、Pb(n)は今回の吸気管圧力の検出値、Kは0〜
1に間で任意に設定されるフィルタ定数である。なお、
(12)式のようなフィルタ処理演算式は、良く知られ
ている。また、所定条件成立時には、以下の(13)式
の処理を実行する。
【0272】PbF(n)=Pb(n) …(13)
【0273】すなわち、所定条件成立時においてフィル
タ処理された今回の吸気管圧力演算値PbF(n)を今
回の吸気管圧力検出値Pb(n)とすることにより、誤
差が抑制された吸気管圧力Pb(n)が故障判定に用い
られる。以上の処理により、エンジン脈動での吸気管圧
力Pbのバラツキはなくなり、したがって、さらに信頼
性の高いEGRシステムの故障検出が可能になる。
【0274】なお、ここでは、フィルタ処理演算により
吸気管圧力Pbのバラツキを吸収したが、移動平均処理
を施した吸気管圧力を用いて故障検出処理を行ようにし
ても同様の効果がある。
【0275】以上の実施例1〜実施例3および実施例1
0〜実施例12は、相互に組み合わせることができ、ま
た、実施例4〜実施例6のうちのいずれか、およびまた
は、実施例7〜実施例9のうちのいずれかと任意に組み
合わせることができる。
【0276】たとえば、エンジン回転数Neおよびバイ
パス空気量Qbの組み合わせによる補償、または、エン
ジン回転数Neおよび大気圧Paの組み合わせによる補
償を行うことにより、相乗効果で故障検出精度がさらに
向上することは言うまでもない。
【0277】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、吸気管を介して内燃機関に供給される空気量を調
節するために吸気管内で開閉されるスロットル弁と、内
燃機関の排気ガスを吸気管内のスロットル弁の下流側に
還流させるためのEGR管と、EGR管を流れる排気ガ
スのEGR流量を調節するためのEGR弁と、吸気管内
の吸気管圧力を含む内燃機関の運転状態を検出するセン
サ手段と、センサ手段からの運転状態情報に応じてEG
R弁を制御するEGR制御手段と、運転状態情報に基づ
いてEGR制御手段の故障判定条件の成立を検出する故
障判定条件検出手段と、故障判定条件の成立中にEGR
弁を強制的に開閉させるEGR弁強制開閉手段と、EG
R弁の強制開閉時の吸気管圧力に基づく値と故障判定値
とを比較してEGR制御手段の故障を判定する故障判定
手段とを備え、故障判定手段は、EGR弁の強制開閉時
の吸気管圧力に関連するパラメータの影響を補償するた
めの補償手段を含むようにしたので、EGRシステムの
故障判定可能領域を拡大するか、または、故障判定信頼
性を向上させた排気ガス還流制御装置の故障検出装置が
得られる効果がある。
【0278】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、運転状態情報は、少なくとも、エンジン
回転数と、スロットル弁の全閉状態とを含み、故障判定
条件検出手段は、少なくともエンジン回転数およびスロ
ットル弁の全閉状態に基づいて、内燃機関の減速状態を
故障判定条件として検出し、補償手段は、EGR弁の強
制開閉時に検出されたエンジン回転数を用いて、故障判
定手段により比較される故障判定値またはEGR弁の強
制開閉時に検出された吸気管圧力に基づく値のうちの少
なくとも一方を補正し、エンジン回転数の違いによる吸
気管圧力への影響を補償するようにしたので、減速状態
にかかわらずEGRシステムの正確な故障判定が可能な
排気ガス還流制御装置の故障検出装置が得られる効果が
ある。
【0279】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1または請求項2において、運転状態情報は、少なく
とも、エンジン回転数と、スロットル弁のスロットル開
度とを含み、故障判定条件検出手段は、少なくともエン
ジン回転数に基づいて、内燃機関の安定状態を故障判定
条件として検出し、補償手段は、EGR弁の強制開閉時
に検出されたスロットル開度を用いて、故障判定手段に
より比較される故障判定値またはEGR弁の強制開閉時
に検出された吸気管圧力に基づく値のうちの少なくとも
一方を補正し、スロットル開度変化による吸気管圧力へ
の影響を補償するようにしたので、故障検出中にスロッ
トル開度が変化した場合でも安定状態の違いにかかわら
ずEGRシステムの正確な故障判定が可能で且つ排気ガ
ス悪化を最小限に抑制可能な排気ガス還流制御装置の故
障検出装置が得られる効果がある。
【0280】また、この発明の請求項4によれば、請求
項3において、補償手段は、スロットル開度をデジタル
信号に変換するAD変換器を含み、AD変換器の最小分
解能に応じて故障判定値または吸気管圧力に基づく値を
補正するようにしたので、さらに高精度で正確な故障判
定が可能な排気ガス還流制御装置の故障検出装置が得ら
れる効果がある。
【0281】また、この発明の請求項5によれば、請求
項1から請求項4までのいずれかにおいて、スロットル
弁をバイパスして流れるバイパス空気量を制御するバイ
パス空気量制御手段を備え、補償手段は、故障判定条件
の成立中にバイパス空気量の変更を禁止するバイパス空
気量変更禁止手段を含み、バイパス空気量の変化による
吸気管圧力への影響を補償するようにしたので、バイパ
ス空気量にかかわらずEGRシステムの正確な故障判定
が可能な排気ガス還流制御装置の故障検出装置が得られ
る効果がある。
【0282】また、この発明の請求項6によれば、請求
項1から請求項4までのいずれかにおいて、スロットル
弁をバイパスして流れるバイパス空気量を制御するバイ
パス空気量制御手段を備え、運転状態情報は、少なくと
もバイパス空気量を含み、補償手段は、EGR弁の強制
開閉時に検出されたバイパス空気量を用いて、故障判定
手段により比較される故障判定値またはEGR弁の強制
開閉時に検出された吸気管圧力に基づく値のうちの少な
くとも一方を補正し、バイパス空気量による吸気管圧力
への影響を補償するようにしたので、バイパス空気量に
かかわらずEGRシステムの正確な故障判定が可能な排
気ガス還流制御装置の故障検出装置が得られる効果があ
る。
【0283】また、この発明の請求項7によれば、請求
項1から請求項4までのいずれかにおいて、スロットル
弁をバイパスして流れるバイパス空気量を制御するバイ
パス空気量制御手段を備え、補償手段は、バイパス空気
量の変化が終了したか否かを判定するバイパス空気量変
化終了判定手段を含み、故障判定条件の成立中で且つバ
イパス空気量の変化終了後にEGR弁強制開閉手段およ
び故障判定手段を有効にし、バイパス空気量の変化によ
る吸気管圧力への影響を補償するようにしたので、バイ
パス空気量にかかわらずEGRシステムの正確な故障判
定が可能な排気ガス還流制御装置の故障検出装置が得ら
れる効果がある。
【0284】また、この発明の請求項8によれば、請求
項1から請求項7までのいずれかにおいて、運転状態情
報は、少なくともエンジン負荷を含み、補償手段は、エ
ンジン負荷の変化を検出するエンジン負荷変化検出手段
を含み、エンジン負荷の変化を検出したときに故障判定
条件の成立を禁止し、エンジン負荷の変化による吸気管
圧力への影響を補償するようにしたので、エンジン負荷
にかかわらずEGRシステムの正確な故障判定が可能な
排気ガス還流制御装置の故障検出装置が得られる効果が
ある。
【0285】また、この発明の請求項9によれば、請求
項1から請求項7までのいずれかにおいて、運転状態情
報は、少なくともエンジン負荷を含み、補償手段は、E
GR弁の強制開閉時に検出されたエンジン負荷を用い
て、故障判定手段により比較される故障判定値またはE
GR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力に基づく値
のうちの少なくとも一方を補正し、エンジン負荷による
吸気管圧力への影響を補償するようにしたので、エンジ
ン負荷にかかわらずEGRシステムの正確な故障判定が
可能な排気ガス還流制御装置の故障検出装置が得られる
効果がある。
【0286】また、この発明の請求項10によれば、請
求項1から請求項7までのいずれかにおいて、内燃機関
に搭載されたエンジン負荷と、エンジン負荷の投入要求
に応答してエンジン負荷を駆動させるエンジン負荷駆動
手段とを備え、補償手段は、故障判定条件の成立中にエ
ンジン負荷の駆動を禁止するエンジン負荷禁止手段を含
み、エンジン負荷の変化による吸気管圧力への影響を補
償するようにしたので、EGRシステムの正確な故障判
定が可能な排気ガス還流制御装置の故障検出装置が得ら
れる効果がある。
【0287】また、この発明の請求項11によれば、請
求項1から請求項10までのいずれかにおいて、運転状
態情報は、少なくとも大気圧を含み、補償手段は、大気
圧を用いて、故障判定手段により比較される故障判定値
またはEGR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力に
基づく値のうちの少なくとも一方を補正し、大気圧によ
る吸気管圧力への影響を補償するようにしたので、大気
圧の変化にかかわらずEGRシステムの正確な故障判定
が可能な排気ガス還流制御装置の故障検出装置が得られ
る効果がある。
【0288】また、この発明の請求項12によれば、請
求項1から請求項11までのいずれかにおいて、補償手
段は、EGR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力に
基づいてEGR流量に対応するEGR率相当値を算出す
るEGR率相当値算出手段を含み、故障判定手段は、E
GR率相当値に基づいてEGR制御手段の故障を判定
し、大気圧、バイパス空気量またはエンジン負荷による
吸気管圧力への影響をさらに確実に補償するようにした
ので、大気圧等の変化にかかわらずEGRシステムの正
確な故障判定が可能な排気ガス還流制御装置の故障検出
装置が得られる効果がある。
【0289】また、この発明の請求項13によれば、請
求項1から請求項12までのいずれかにおいて、補償手
段は、EGR弁の強制開閉時に検出される吸気管圧力の
検出タイミングを算出する吸気管圧力検出タイミング算
出手段と、検出タイミングに合わせて、EGR弁の強制
開閉時に検出された吸気管圧力をフィルタ処理するフィ
ルタ処理手段とを含み、故障判定手段は、フィルタ処理
後の吸気管圧力に基づいてEGR制御手段の故障を判定
し、さらにエンジン脈動による吸気管圧力への影響を補
償するようにしたので、エンジン脈動にかかわらずEG
Rシステムの正確な故障判定が可能な排気ガス還流制御
装置の故障検出装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1〜実施例12(請求項1
に対応)の要部概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 この発明の実施例1(請求項2に対応)によ
るEGR制御装置の故障検出処理動作を示すフローチャ
ートである。
【図3】 この発明の実施例1における減速中のエンジ
ン回転数と吸気管圧力との関係を示す特性図である。
【図4】 この発明の実施例1における減速中のエンジ
ン回転数と吸気管圧力偏差(圧力差)との関係を示す特
性図である。
【図5】 この発明の実施例1による故障検出処理動作
の他の例を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施例2(請求項3に対応)にお
けるスロットル開度と吸気管圧力との関係を示す特性図
である。
【図7】 この発明の実施例2によるEGR制御装置の
故障検出処理動作を示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施例3(請求項4に対応)にお
ける最小分解能を考慮したスロットル開度と吸気管圧力
との関係を示す特性図である。
【図9】 この発明の実施例3によるEGR制御装置の
故障検出処理動作を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施例4(請求項5に対応)に
おけるバイパス空気量の違いによる減速中のエンジン回
転数と吸気管圧力偏差との関係を示す特性図である。
【図11】 この発明の実施例4によるEGR制御装置
の故障検出処理動作を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施例5(請求項5に対応)に
よるEGR制御装置の故障検出処理動作を示すフローチ
ャートである。
【図13】 この発明の実施例6(請求項6に対応)に
よるEGR制御装置の故障検出処理動作を示すフローチ
ャートである。
【図14】 この発明の実施例7(請求項8に対応)に
よるEGR制御装置の故障検出処理動作を示すフローチ
ャートである。
【図15】 この発明の実施例8(請求項9に対応)に
よるEGR制御装置の故障検出処理を示すフローチャー
トである。
【図16】 この発明の実施例9(請求項10に対応)
によるエアコン制御処理動作を示すフローチャートであ
る。
【図17】 この発明の実施例10(請求項11に対
応)による大気圧検出処理動作を示すフローチャートで
ある。
【図18】 この発明の実施例10によるEGR制御装
置の故障検出処理動作を示すフローチャートである。
【図19】 この発明の実施例11(請求項12に対
応)における大気圧とEGR率相当値との関係を示す特
性図である。
【図20】 この発明の実施例11によるEGR制御装
置の故障検出処理動作を示すフローチャートである。
【図21】 一般的な排気ガス還流制御装置の故障検出
装置を示す構成図である。
【図22】 図19内の電子式制御ユニットの具体的構
成例を示すブロック図である。
【図23】 従来のEGR制御装置の故障検出処理動作
を示すフローチャートである。
【図24】 従来のEGR制御装置の故障検出処理動作
の他の例を示すフローチャートである。
【図25】 一般的な減速時のバイパス空気量の時間変
化による挙動を示すタイミングチャートである。
【図26】 一般的な故障検出時(減速中)のエンジン
回転数および吸気管圧力の時間変化による挙動を示すタ
イミングチャートである。
【図27】 一般的なEGR有無でのエンジン回転数と
吸気管圧力との関係を示す特性図である。
【図28】 従来のEGR制御装置の故障検出処理動作
の他の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図29】 一般的なバイパス空気量の違いによる減速
中のエンジン回転数と吸気管圧力との関係を示す特性図
である。
【図30】 一般的な大気圧と吸気管圧力偏差との関係
を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン、3 吸気管、6 圧力センサ、7 スロ
ットル弁、8 スロットル開度センサ、9 バイパス空
気量制御手段、10 EGR管、11 EGR弁、12
EGRソレノイド、13 点火コイル、15 排気
管、17 水温センサ、18 アイドルスイッチ、19
エアコンスイッチ、19A エアコン制御器、22
電子式制御ユニット、203 AD変換器、300 各
種センサ、301 EGR弁制御手段、302 故障判
定条件検出手段、303 EGR弁強制開閉手段、30
4 故障判定手段、305 補償手段、A エアコン投
入信号、B バイパス制御信号、C、Ca EGR制御
信号、D エアコン駆動信号、FD 故障判定条件成立
信号、f(fail)、f(fail,Pa)、PEG
R(fail) 故障判定値、I アイドル信号、LO
N EGR有りでのエンジン負荷、LOFF EGR無
しでのエンジン負荷、Ne エンジン回転数、Pa 大
気圧、Pb 吸気管圧力、PbON EGR有りでの吸
気管圧力、PbOFF EGR無しでの吸気管圧力、Δ
Pf 圧力差、PEGR EGR率相当値、Qb バイ
パス空気量、T 冷却水温度、U 運転状態情報、θ
スロットル開度、δ 最小分解能、S101 減速状態
を判定するステップ、S102、S104、S212、
S214 EGR有無にするステップ、S211 安定
状態を判定するステップ、S306、S306A〜S3
06C、S226、S226A 吸気管圧力に基づく値
を補正するステップ、S307、S307D、S307
E、S227 故障を判定するステップ、S11 バイ
パス空気量の変更を禁止するステップ、S21 バイパ
ス空気量の変化終了を判定するステップ、S31 エン
ジン負荷の変化を判定するステップ、S36 EGR率
相当値を演算するステップ、S511 エアコンスイッ
チの投入を判定するステップ、S512 故障検出中を
判定するステップ、S514 エアコンの投入を禁止す
るステップ、S702、S704 大気圧を検出するス
テップ。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気管を介して内燃機関に供給される空
    気量を調節するために前記吸気管内で開閉されるスロッ
    トル弁と、 前記内燃機関の排気ガスを前記吸気管内の前記スロット
    ル弁の下流側に還流させるためのEGR管と、 前記EGR管を流れる排気ガスのEGR流量を調節する
    ためのEGR弁と、 前記吸気管内の吸気管圧力を含む前記内燃機関の運転状
    態を検出するセンサ手段と、 前記センサ手段からの運転状態情報に応じて前記EGR
    弁を制御するEGR制御手段と、 前記運転状態情報に基づいて前記EGR制御手段の故障
    判定条件の成立を検出する故障判定条件検出手段と、 前記故障判定条件の成立中に前記EGR弁を強制的に開
    閉させるEGR弁強制開閉手段と、 前記EGR弁の強制開閉時の吸気管圧力に基づく値と故
    障判定値とを比較して前記EGR制御手段の故障を判定
    する故障判定手段とを備えた排気ガス還流制御装置の故
    障検出装置において、 前記故障判定手段は、前記EGR弁の強制開閉時の吸気
    管圧力に関連するパラメータの影響を補償するための補
    償手段を含むことを特徴とする排気ガス還流制御装置の
    故障検出装置。
  2. 【請求項2】 前記運転状態情報は、少なくとも、エン
    ジン回転数と、前記スロットル弁の全閉状態とを含み、 前記故障判定条件検出手段は、少なくとも前記エンジン
    回転数および前記スロットル弁の全閉状態に基づいて、
    前記内燃機関の減速状態を前記故障判定条件として検出
    し、 前記補償手段は、前記EGR弁の強制開閉時に検出され
    たエンジン回転数を用いて、前記故障判定手段により比
    較される前記故障判定値または前記EGR弁の強制開閉
    時に検出された吸気管圧力に基づく値のうちの少なくと
    も一方を補正することを特徴とする請求項1の排気ガス
    還流制御装置の故障検出装置。
  3. 【請求項3】 前記運転状態情報は、少なくとも、エン
    ジン回転数と、前記スロットル弁のスロットル開度とを
    含み、 前記故障判定条件検出手段は、少なくとも前記エンジン
    回転数に基づいて、前記内燃機関の安定状態を前記故障
    判定条件として検出し、 前記補償手段は、前記EGR弁の強制開閉時に検出され
    た前記スロットル開度を用いて、前記故障判定手段によ
    り比較される前記故障判定値または前記EGR弁の強制
    開閉時に検出された前記吸気管圧力に基づく値のうちの
    少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2の排気ガス還流制御装置の故障検出装置。
  4. 【請求項4】 前記補償手段は、前記スロットル開度を
    デジタル信号に変換するAD変換器を含み、前記AD変
    換器の最小分解能に応じて前記故障判定値または前記吸
    気管圧力に基づく値を補正することを特徴とする請求項
    3の排気ガス還流制御装置の故障検出装置。
  5. 【請求項5】 前記スロットル弁をバイパスして流れる
    バイパス空気量を制御するバイパス空気量制御手段を備
    え、 前記補償手段は、 前記故障判定条件の成立中に前記バイパス空気量の変更
    を禁止するバイパス空気量変更禁止手段を含むことを特
    徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの排気ガ
    ス還流制御装置の故障検出装置。
  6. 【請求項6】 前記スロットル弁をバイパスして流れる
    バイパス空気量を制御するバイパス空気量制御手段を備
    え、 前記運転状態情報は、少なくとも前記バイパス空気量を
    含み、 前記補償手段は、 前記EGR弁の強制開閉時に検出されたバイパス空気量
    を用いて、前記故障判定手段により比較される前記故障
    判定値または前記EGR弁の強制開閉時に検出された吸
    気管圧力に基づく値のうちの少なくとも一方を補正する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか
    の排気ガス還流制御装置の故障検出装置。
  7. 【請求項7】 前記スロットル弁をバイパスして流れる
    バイパス空気量を制御するバイパス空気量制御手段を備
    え、 前記補償手段は、 前記バイパス空気量の変化が終了したか否かを判定する
    バイパス空気量変化終了判定手段を含み、 前記故障判定条件の成立中で且つ前記バイパス空気量の
    変化終了後に前記EGR弁強制開閉手段および前記故障
    判定手段を有効にすることを特徴とする請求項1から請
    求項4までのいずれかの排気ガス還流制御装置の故障検
    出装置。
  8. 【請求項8】 前記運転状態情報は、少なくともエンジ
    ン負荷を含み、 前記補償手段は、 前記エンジン負荷の変化を検出するエンジン負荷変化検
    出手段を含み、 前記エンジン負荷の変化を検出したときに前記故障判定
    条件の成立を禁止することを特徴とする請求項1から請
    求項7までのいずれかの排気ガス還流制御装置の故障検
    出装置。
  9. 【請求項9】 前記運転状態情報は、少なくともエンジ
    ン負荷を含み、 前記補償手段は、 前記EGR弁の強制開閉時に検出されたエンジン負荷を
    用いて、前記故障判定手段により比較される前記故障判
    定値または前記EGR弁の強制開閉時に検出された吸気
    管圧力に基づく値のうちの少なくとも一方を補正するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの
    排気ガス還流制御装置の故障検出装置。
  10. 【請求項10】 前記内燃機関に搭載されたエンジン負
    荷と、 前記エンジン負荷の投入要求に応答して前記エンジン負
    荷を駆動させるエンジン負荷駆動手段とを備え、 前記補償手段は、前記故障判定条件の成立中に前記エン
    ジン負荷の駆動を禁止するエンジン負荷禁止手段を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか
    の排気ガス還流制御装置の故障検出装置。
  11. 【請求項11】 前記運転状態情報は、少なくとも大気
    圧を含み、 前記故障判定手段は、前記EGR弁の強制開閉時に検出
    された吸気管圧力に基づく値を故障判定値と比較して前
    記EGR制御手段の故障を判定し、 前記補償手段は、 前記大気圧を用いて、前記故障判定手段により比較され
    る前記故障判定値または前記EGR弁の強制開閉時に検
    出された吸気管圧力に基づく値のうちの少なくとも一方
    を補正することを特徴とする請求項1から請求項10ま
    でのいずれかの排気ガス還流制御装置の故障検出装置。
  12. 【請求項12】 前記補償手段は、 前記EGR弁の強制開閉時に検出された吸気管圧力に基
    づいて前記EGR流量に対応するEGR率相当値を算出
    するEGR率相当値算出手段を含み、 前記故障判定手段は、前記EGR率相当値に基づいて前
    記EGR制御手段の故障を判定することを特徴とする請
    求項1から請求項11までのいずれかの排気ガス還流制
    御装置の故障検出装置。
  13. 【請求項13】 前記補償手段は、 前記EGR弁の強制開閉時に検出される吸気管圧力の検
    出タイミングを算出する吸気管圧力検出タイミング算出
    手段と、 前記検出タイミングに合わせて、前記EGR弁の強制開
    閉時に検出された吸気管圧力をフィルタ処理するフィル
    タ処理手段とを含み、 前記故障判定手段は、前記フィルタ処理後の吸気管圧力
    に基づいて前記EGR制御手段の故障を判定することを
    特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかの排
    気ガス還流制御装置の故障検出装置。
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