JPH08281845A - 片面段ボール製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加圧ベルトが破損したときに迅速に対処し
得、加圧ベルト形式により製造が不可能や難しい紙質の
場合でも、片面段ボールの製造を行える片面段ボール製
造装置を提供する。 【構成】 プレスロール16とテンションロール17に亘っ
て加圧ベルト19を掛け、作動装置15により加圧ベルト19
を下段ロール11に接近させて運転する。段頂1aに糊液５
を塗着した波板紙1Aが下段ロール11の下部に達したと
き、ライナー紙２を加圧ベルト19の加圧力により段頂1a
に押し付け、両紙1A，２を下段ロール11と加圧ベルト19
により挟持して移動しながら一体化し、片面段ボール３
を製造する。加圧ベルト19を下段ロール11に対して離間
させ、加圧ベルト19を外したのち、プレスロール16を下
段ロール11に接近させプレス位置として、プレスロール
形式に切り替え得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加圧ベルトを使用して
片面段ボールの製造を行う片面段ボール製造装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】片面段ボール製造装置においては、上段
ロールと下段ロールとにより成形した波板紙の段頂に対
して、糊付け装置の糊付けロールを当接させて糊液の塗
着を行い、この波板紙の段頂に対してライナー紙を当て
がったのち糊液を固化させることで片面段ボールの製造
を行っている。

【０００３】そして、波板紙の段頂に対してライナー紙
を当てがうために、従来では主としてプレスロールが配
設されている。しかし、このプレスロール形式による
と、プレスマークが発生し、表裏差の多いシートとなる
などの問題点があることから、最近では、これら問題点
を解決した加圧ベルト形式が採用されている。

【０００４】この加圧ベルト形式は、下段ロールに一方
外側から対向して糊付け装置を設けるとともに、下段ロ
ールに他方外側から対向してプレスロールとテンション
ロールとを配設し、これらロール間に掛張した加圧ベル
トにより、ライナー紙を波板紙の段頂に対して押し付け
て（加圧して）いる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の加圧ベ
ルト形式によると、加圧ベルトが破損したときで交換用
の加圧ベルトを準備していなかったとき、片面段ボール
製造装置の運転、すなわち操業を長時間に亘って停止さ
せなければならなかった。また加圧ベルト形式により製
造が不可能な紙質や製造が難しい紙質の場合、片面段ボ
ールの製造を行えなかった。

【０００６】本発明の目的とするところは、加圧ベルト
が破損したときに迅速に対処し得るとともに、加圧ベル
ト形式により製造が不可能や難しい紙質の場合でも、片
面段ボールの製造を行える片面段ボール製造装置を提供
する点にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明の片面段ボール製造装置は、互いに噛合する上段ロ
ールと下段ロールとを有し、この下段ロールに一方外側
から対向して糊付け装置を設けるとともに、下段ロール
に他方外側から対向して加熱式のプレスロールとテンシ
ョンロールとを設け、前記プレスロールを下段ロールに
対して接近離間自在に構成するとともに、接近離間させ
る作動装置を設け、前記プレスロールとテンションロー
ルとに亘って、掛け外し自在でかつ下段ロールに対向自
在な加圧ベルトを設けている。

【０００８】

【作用】かかる本発明の構成によると、プレスロールと
テンションロールとに亘って加圧ベルトを掛け、そして
作動装置により、プレスロール、すなわち加圧ベルトを
下段ロールに接近させるとともに、加圧ベルトのベルト
テンションを調節した状態で片面段ボール製造装置を運
転させる。すると、上段ロールと下段ロールとの噛合に
より成形した波板紙の段頂に、糊付け装置を介して糊液
を塗着させ、そして波板紙が下段ロールの下部に達した
ときに、加圧ベルトなどを介してライナー紙を、段頂に
当接するように供給し得る。このライナー紙は、加圧ベ
ルトの加圧力により段頂に押し付け得、以て波板紙とラ
イナー紙とを、下段ロールと加圧ベルトとにより挟持し
た状態で一体的に移動し得る。その際に加圧ベルトは、
プレスロールにより加熱しており、その熱により糊液を
固化させることで、段頂とライナー紙とが一体化して片
面段ボールを製造し得る。

【０００９】加圧ベルトが破損したときで交換用の加圧
ベルトを準備していなかったときや、加圧ベルト形式に
より製造が不可能な紙質や製造が難しい紙質のとき、加
圧ベルトを使用しない製造状態に切替える。すなわち、
加圧ベルト使用状態から、作動装置の逆作動によりプレ
スロールを、すなわち加圧ベルトを下段ロールに対して
離間させ、そして加圧ベルトを外す。次いで、作動装置
によりプレスロールを下段ロールに対して接近させ、所
期のプレス位置とする。この状態で、片面段ボール製造
装置を運転させると、その段頂に糊液を塗着した波板紙
に対して、プレスロールを介してライナー紙を供給し得
る。このライナー紙は、プレスロールの加圧力により段
頂に押し付け得、以て波板紙とライナー紙とを、下段ロ
ールとプレスロールとにより挟持した状態で一体的に移
動し得、そしてプレスロールの熱により糊液を固化させ
ることで、片面段ボールを製造し得る。

【００１０】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図に基づいて説明
する。10は上段ロール、11は下段ロールで、両ロール1
0，11の噛合によって中芯原紙１が波板紙１Ａに成形さ
れる。前記下段ロール11の一方外側で波板紙１Ａが移行
する部分に対向して、前記波板紙１Ａの段頂１ａに糊液
５を塗着させるための糊付け装置６が設けられる。この
糊付け装置６は、糊液５を溜める糊溜めパツト７と、糊
付けロール８と、糊切りロール９などから構成される。

【００１１】前記下段ロール11の他方外側、すなわち前
記糊付け装置６とは反対側の位置には、下段ロール11の
外面形状に沿ったくの字形状のフレーム12が配設されて
いる。このフレーム12の下端は、下段ロール11の下方に
配設された横ピン13を介して固定ブラケット14に支持さ
れており、以て下段ロール11に対して接近離間すべく揺
動自在に構成される。そして接近離間、すなわち揺動を
行わせる作動装置の一例であるシリンダー装置15が、フ
レーム12と固定部との間に配設されている。

【００１２】前記フレーム12の下部には、蒸気加熱式の
プレスロール16が設けられ、そして上部には蒸気加熱式
のテンションロール17が遊転自在に設けられる。前記プ
レスロール16はベルト掛けロールを兼用するものであっ
て、フレーム12を揺動させることにより、下段ロール11
に対して接近離間し、接近によりプレス位置とされる。
前記テンションロール17は、テンション用シリンダー装
置18を介してフレーム12側に配設されている。そして前
記プレスロール16とテンションロール17とに亘って、掛
け外し自在でかつ下段ロール11に対向自在な加圧ベルト
19が設けられる。

【００１３】前記フレーム12の中間部には、前記加圧ベ
ルト19の蛇行を修正する蛇行修正装置20が設けられる。
すなわち下段ロール11とは反対側において加圧ベルト19
が掛けられるロール21が設けられ、このロール21は、ロ
ール軸の一方がフレーム12に固定され、他方がシリンダ
ー装置22を介してフレーム12に支持されている。なお上
段ロール10と下段ロール11とプレスロール16とは、それ
ぞれ別な駆動装置により同期駆動すべく構成されている
が、ここでプレスロール16は、非駆動の遊転形式であっ
てもよい。２はライナー紙、３は片面段ボールを示す。

【００１４】次に上記実施例の作用を説明する。図１は
加圧ベルト19を使用した片面段ボール３の製造状態を示
している。すなわち、プレスロール16とテンションロー
ル17とに亘って加圧ベルト19が掛けられており、そして
シリンダー装置15の作動により、フレーム12を介してプ
レスロール16とテンションロール17とが、すなわち加圧
ベルト19が下段ロール11に接近されるとともに、テンシ
ョン用シリンダー装置18の作動によりテンションロール
17を移動させることで、加圧ベルト19のベルトテンショ
ンが調節されている。さらに波板紙１Ａの段頂１ａに糊
付けロール８が当接すべく糊付け装置６が配設されてい
る。

【００１５】この状態で、片面段ボール製造装置を運転
させると、まず中芯原紙１が上段ロール10と下段ロール
11との噛合により波板紙１Ａに成形される。そして成形
された波板紙１Ａは下段ロール11とともに移動して糊付
け装置６へと達し、糊付けロール８を介して段頂１ａに
糊液５が塗着される。そして波板紙１Ａが下段ロール11
の下部に達したときに、加圧ベルト19などを介してライ
ナー紙２が、段頂１ａに当接するように供給される。

【００１６】このライナー紙２は、下段ロール11と同期
駆動される加圧ベルト19の加圧力により段頂１ａに押し
付けられ、以て波板紙１Ａとライナー紙２とは、下段ロ
ール11と加圧ベルト19とにより挟持された状態で一体的
に移動される。その際に加圧ベルト19は、蒸気加熱式の
プレスロール16により加熱されており、その熱がライナ
ー紙２を通って糊液５を固化させることで、段頂１ａと
ライナー紙２とが一体化される。したがって、波板紙１
Ａが下段ロール11から外れる箇所においては、既に片面
段ボール３が製造されている。

【００１７】なお、加圧ベルト19が蛇行したときには蛇
行修正装置20により修正されるのであり、これはシリン
ダー装置22によりロール21のロール軸の他方を移動させ
ることで行われる。

【００１８】図２は加圧ベルト19を使用しない状態での
片面段ボール３の製造状態を示している。すなわち、加
圧ベルト19が破損したときで交換用の加圧ベルトを準備
していなかったときや、また加圧ベルト形式により製造
が不可能な紙質や製造が難しい紙質のときでである。

【００１９】まず図１の状態から、シリンダー装置15の
逆作動により、フレーム12を介してプレスロール16とテ
ンションロール17とが、すなわち加圧ベルト19が下段ロ
ール11に対して離間されるとともに、テンション用シリ
ンダー装置18の作動によりテンションロール17が緩め方
向に移動され、この状態で加圧ベルト19が外される。次
いで、シリンダー装置15の作動により、フレーム12を介
してプレスロール16が下段ロール11に対して接近され
て、所期のプレス位置とされ、以て図２の状態になる。

【００２０】この状態で、片面段ボール製造装置を運転
させると、上段ロール10と下段ロール11との噛合により
成形された波板紙１Ａは下段ロール11とともに移動して
糊付け装置６へと達し、その段頂１ａに糊液５が塗着さ
れる。そして波板紙１Ａが下段ロール11の下部に達した
ときに、プレスロール16を介して段頂１ａに当接するよ
うにライナー紙２が供給される。

【００２１】このライナー紙２は、下段ロール11と同期
駆動されるプレスロール16の加圧力により段頂１ａに押
し付けられ、以て波板紙１Ａとライナー紙２とは、下段
ロール11とプレスロール16とにより挟持された状態で一
体的に移動され、そしてプレスロール16の熱により糊液
５を固化させることで、段頂１ａとライナー紙２とが一
体化される。したがって、波板紙１Ａが下段ロール11か
ら外れる箇所においては、既に片面段ボール３が製造さ
れている。

【００２２】上記実施例では、フレーム12を介して各ロ
ール16，17，21を一体的に移動させているが、これはプ
レスロール16のみを別個に移動させてもよい。また作動
装置としてシリンダー装置15を示しているが、これは螺
軸を回転させて移動させる形式などであってもよい。

【００２３】

【発明の効果】上記構成の本発明によると、プレスロー
ルとテンションロールとに亘って加圧ベルトを掛けるこ
とで、プレスマークが発生せず、表裏差の少ないシート
を生産できるなどの好適な加圧ベルト形式により、片面
段ボールの製造を行うことができる。そして加圧ベルト
を外し、プレスロールをプレス位置に移動させること
で、プレスロール形式による片面段ボールの製造に切り
替えることができ、したがって加圧ベルトが破損したと
きに迅速に対処できて、片面段ボール製造装置の運転停
止、すなわち操業停止を短時間として復帰できるととも
に、加圧ベルト形式により製造が不可能な紙質や製造が
難しい紙質の場合でも、片面段ボールの製造を容易に行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示し、片面段ボール製造装
置における加圧ベルト使用時の側面図である。

【図２】同片面段ボール製造装置における加圧ベルト非
使用時の側面図である。

【符号の説明】

１ 中芯原紙 １Ａ 波板紙 １ａ 段頂 ２ ライナー紙 ３ 片面段ボール ６ 糊付け装置 10 上段ロール 11 下段ロール 12 フレーム 15 シリンダー装置（作動装置） 16 プレスロール 17 テンションロール 18 テンション用シリンダー装置 19 加圧ベルト 20 蛇行修正装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに噛合する上段ロールと下段ロール
   とを有し、この下段ロールに一方外側から対向して糊付
   け装置を設けるとともに、下段ロールに他方外側から対
   向して加熱式のプレスロールとテンションロールとを設
   け、前記プレスロールを下段ロールに対して接近離間自
   在に構成するとともに、接近離間させる作動装置を設
   け、前記プレスロールとテンションロールとに亘って、
   掛け外し自在でかつ下段ロールに対向自在な加圧ベルト
   を設けたことを特徴とする片面段ボール製造装置。