JP4177999B2 - 製凾機における糊付け折畳み凾の圧着装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明はプラスチック製,紙製,段ボール製等の製凾機における糊付け折畳み凾の圧着装置、詳しくは糊付け工程を含んで形成する折畳み凾の糊代部の剥離や糊付部分への空気の進入による白化現象を防止して展開組立て可能な折畳み凾を歩留まりよく仕上げる圧着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の製凾機は図5(c)に1例を示すような展開組立て凾Bを図5(b)に示すように糊付け工程を含んで折畳み凾Hの形状に形成する製凾部に続いて、図6に示すように製凾部の終端から送出される折畳み凾Hを上下の無端回転ベルトからなる速度の遅い移送用の圧着コンベア間に重なるようにして受取り、糊代部が剥がれないように圧着しつつ時間を掛けて移送して糊付け部分を硬化安定させてから収容箱や搬送コンベア等に落載するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、折畳み凾を重なり状態にて強く圧着しながら移送すると、圧着の強い部分と弱い部分が生じて均一に圧着することができないほか折畳み凾の中間部外面に前後の凾の圧迫による押し痕ができてしまい製品の外観を著しく損ねるという課題がある。そこで図7に示すように折畳み凾が重ならないようにして1枚づつ移送する試みもあるが、上下の圧着コンベアが間隔を置いたローラーの押しにより支持されているため、例え短いピッチでローラー群を配置したとしてもローラー間のローラー押しのない部分で圧力の弛むことが免れず、圧力が弛むと糊代部が図8に示すように浮き離れてしまって再び接面しても接着力が低下してしまったり糊に空気が入って白化してしまうことを防止することができないという課題がある。これは特に折曲げ戻り反発の強いプラスチック系材料の場合に顕著であり、透明な材料における糊付け部分の白化は外視されるを以って商品として致命的なものになるという問題がある。
【0004】
また糊代部の糊を早く硬化安定させるには、エマルジョン系,シアン系接着剤のいずれにしても加熱して糊中の水分を蒸発させることが有効であるため、圧着コンベアーの周囲にストーブ等の加熱器を用意して加熱するようにしているが、充分な加熱温度を得るまでの始業準備に相当な時間を要して非能率であり、さらに冬場には必要な加熱温度を得ることが難しいという課題がある。いずれにしても製凾作業におけるミスは前段階の印刷等の作業もすべて無にしてしまって大きな損失を招くので確実性を維持しつつ効率よく作業されることが望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、連続供給される製凾材料シートを移送しつつ折立て、折込み、糊付けして展開組立て可能な折畳み凾を形成し、該折畳み凾を上下の無端回転コンベアベルト間に挟み移送して糊付け部分を圧着するようにした装置において、該上下の無端回転コンベアベルトの内側全長に該両ベルト間を平行且つ一定の間隔を保持させるための上下の支持板を固定フレーム下に設けるとともに上側の該支持板を長手方向に複数枚に分割し、各分割支持板に独立した加熱用のヒーターを装着し、且つ該上側の支持板を圧力調整自在に弾性押しするバネ機構を該固定フレームを基に設けて、かかる課題を解決するようにしたのである。
【0006】
【発明の実施の形態】
供給装置(図示してない)より自動連続供給する図5(a)に1例を示すような製凾材料シートSを折立て、折込み等の工程を含んで糊代部Nに糊Gを塗布等して貼り合わせて図5(b)に示す折畳み凾Hに形成する製凾部1の終端に連続して上下対の無端回転のコンベアベルト2a,2bを備える圧着装置3を設ける。コンベアベルト2a,2bはゴムベルトやポリベルトのほか、高温に強く、摩擦力が低めのレシコンベルト(皮革加工ベルト)などを使用する。
【0007】
下側のコンベアベルト2bはその内側(下側)の全長を固定の平滑な支持板4にて支持し、上側のコンベアベルト2aの内側(上側)の全長は支持(高低)位置を調整自在に支持する平滑な支持板5にて支持している。6は固定フレーム7と固定フレーム7を基に支持板5の位置を折畳み凾Hの厚みに合わせて高低調整するための調整ネジ8よりなる支持機構、9は支持板5を弾性押しするバネ機構で、9aはバネ、9bはバネ9aの押圧力を強弱調節するための調節ボルトである。
【0008】
上下のコンベアベルト2a,2bはそれぞれローラー群10により回転自在において張設されており、上下のローラー群10の中の少なくとも各1個は、駆動装置(図示してない)に連結して上下のコンベアベルト2a,2bが同調回転するようにして一方の空滑りによる移送詰まりを防止するようにしている。11は支持板5内に間隔を置いて装着した温度制御可能なヒーターである。
【0009】
しかして、糊代部Nの糊付け工程を含んで製凾部1にて図5(b)に示す状態に形成された折畳み凾Hが製凾部1の終端より1枚づつ圧着装置3の入口側に送出されると、圧着装置3は折畳み凾Hを受取り、支持板5の位置調整により予め最適に設定された等間隔の上下の回転するコンベアベルト2a,2b間に折畳み凾Hを挟んで図2に示すように一定に加圧した状態を保持したまま移送かることとなる。コンベアベルト2a,2bは各内側を平滑な支持板5,4にて支持されているので加圧弛みが生ずることなく、従って糊代部Nが離れたり空気が入り込んで糊Gが白化することなどは確実に防止されることとなる。なお支持板5は図3(a)に示すように支持機構6により最適の間隔を保つように支持されたうえ図3(b)に示すように調整自在なバネ機構9により弾性押しされているのでコンベアベルト2aとの間に無理な摩擦が生ずることがなく、前記の同調駆動により折畳み凾Hを挟んだコンベアベルト2a,2bは支持板5,4の外面を円滑に滑り回転することとなる。
【0010】
また支持板5内に装着したヒーター10を稼働し発熱してコンベアベルト2aを介して折畳み凾Hを加熱することにより、糊代部Nの糊G中の水分の蒸発を助長し乾燥を促進して硬化安定化を短時間で実現することができる。支持板5とコンベアベルト2aは常時接面しているために効率のよい熱伝導をおこなうことができる。なおヒーター10は下側のコンベアベルト2bの支持板4内に設け、または上下の支持板4,5の双方に装着することもできる。
【0011】
なお凾体の材料を変質させないため加熱の温度には自ずと限界があり、しかしながら糊代部Nはできる限り長い時間を掛けて加熱することが望ましく、また上下のベルトコンベア2a,2bによる加圧状態もスペースの許す限りにおいて長い距離を設けた方が構造上有利である。そこで図4において比較的長い距離を確保することができる場合の圧着装置構成例を示す。この例では上側のコンベアベルトの内側(上側)の支持板を長手方向に3分割し、3分割された支持板5a,5b,5cのそれぞれに独立して温度制御の可能なヒーター10a,10b,10cを装着し、入口側の支持板5aのヒーター10の温度を支持板5b,5cのヒーター10b,10cの温度よりも比較的高い温度に設定するのである。すなわち常温の低い温度で流れてくる折畳み凾Hに初期の段階では強い加熱をし、これによって帯熱した折畳み凾Hにヒーター10aより低い温度に制御されたヒーター10b,10cの加熱を与えるようにして、結果、加圧しつつ移送する全長に亘ってほぼ均一の加熱効果を付与することができることとなる。支持板は2分割または4分割にしても同様の効果を得ることができる。
【0012】
また上下のコンベアベルト2a,2bは幅広の1列形のほか、2列乃至複数列において設けることもある。このように複数列にて設けるときは各列間の空間部分において支持板とコンベアベルト間の摩擦がなくなるほか、幅方向の厚みが種々に異なる複雑な形状の折畳み凾(図示してない)などに対して各列ごとに支持板5の位置、すなわちコンベアベルト2a,2b間の間隔を適切に調整することができるので、支持板5,4とコンベアベルト2a,2b間の不要の摩擦の発生を回避することができることとなる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は以上のようにして、糊付け工程を含んで形成された折畳み凾を挟んで移送する上下対のコンベアベルトの全長を平滑な支持板にて支持して折畳み凾の糊代部を弛みなく一定の加圧状態に保って圧着移送するようにしたので、糊代部の剥離や空気の進入による白化現象の発生を確実に防止して折畳み凾を歩留まり良く製造することができるという効果を生ずる。本発明の圧着装置は新規製凾機のシステムとして提供するほか、既設の製凾機の圧着コンベアにかえて組込むこともできる。
【0014】
支持板に温度制御可能なヒーターを装着して支持板に面的に接するコンベアベルトを介して折畳み凾に効率よく熱伝導することができるようにしたので、該ヒーターの加熱によって糊の乾燥,硬化安定化を飛躍的に促進することができるという効果を生ずる。
【0015】
支持板を位置調整自在とする支持機構により支持したので、厚みの異なる種々の折畳み凾に適切に対応することができるという効果を生ずる。
【0016】
支持板を圧力調整自在に弾性押しするバネ機構を設けたので、支持板とコンベアベルト間の摩擦力を精細に調整して無用な摩擦の発生を防止することができるという効果を生ずる。
【0017】
支持板を長手方向において2乃至複数枚に分割したときは、各支持板に装着するヒーター温度を調整することにより移送距離が長い場合であっても全長に亘ってほぼ均一の加熱を施すことができ、凾体材料の被る熱影響による変質を防止するという効果を生ずる。
【0018】
上下のコンベアベルト列を2乃至複数列にて設けるときは、幅方向に厚みの異なる折畳み凾に対して各列ごとの間隔調整が可能で適切な圧着力を施すことができるという効果を生ずる。
【0019】
上下のコンベアベルトそれぞれを同調回転する駆動機構により回転駆動するようにしたので、一方の空滑りを確実になくして移送詰まり等の障害による製品損傷の損失を防止することができるという効果を生ずる。
【0020】
本発明の圧着装置を備えて糊代部の硬化安定化を促進することができることにより、製凾部における糊付け工程の位置を前半部でも後半部でも自由に設定することができて効率的な製凾作業を行うことができるという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧着装置の1例を示す側面図
【図2】 同、折畳み凾の圧着移送の状態を示す部分拡大断面図
【図3】 (a)は支持機構による支持板位置の調整例を示す部分拡大正面図、(b)はバネ機構によるバネ圧の調整例を示す部分拡大正面図
【図4】 上側の支持板を3分割にて形成した例を示す部分正面図
【図5】 製凾機にて製造する展開組立て凾の1例を示すもので、(a)は給紙される状態の平面図、(b)は製凾部にて折立て,折込みおよび糊付け工程を経て形成された折畳み凾の平面図、(c)は折畳み凾を展開組立てした凾の状態を示す斜視図
【図6】 従来の圧着コンベアを示す正面図
【図7】 従来の他の例を示す部分正面図
【図8】 圧着が弛んで糊代部が浮き上がった状態を示す部分拡大断面図
【符号の説明】
1は製凾部
2aは上側のコンベアベルト
2bは下側のコンベアベルト
3は圧着装置
4は下側の支持板
5は上側の支持板
5a,5b,5cは分割された支持板
6は支持機構
7は固定フレーム
8は調整ネジ
9はバネ機構
9aはバネ
9bは調節ボルト
10はローラー群
11は温度制御可能なヒーター
Bは展開組立て凾
Hは折畳み凾
Sは製凾材料シート
Nは糊代部
Gは糊
Claims (1)
- 連続供給される製凾材料シートを移送しつつ折立て、折込み、糊付けして展開組立て可能な折畳み凾を形成し、該折畳み凾を上下の無端回転コンベアベルト間に挟み移送して糊付け部分を圧着するようにした装置において、該上下の無端回転コンベアベルトの内側全長に該両ベルト間を平行且つ一定の間隔を保持させるための上下の支持板を固定フレーム下に設けるとともに上側の該支持板を長手方向に複数枚に分割し、各分割支持板に独立した加熱用のヒーターを装着し、且つ該上側の支持板を圧力調整自在に弾性押しするバネ機構を該固定フレームに設けたことを特徴とする製凾機における糊付け折畳み凾の圧着装置。
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