JP3725638B2 - ラミネータ - Google Patents

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    • B32B37/00Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板にフィルムをラミネートするためのラミネータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一対の圧着ロールを用いて基板の片面または両面にフィルムをラミネートするラミネータは知られている。搬送されてきた基板が入り込む一対の圧着ロール間にフィルムを供給することによって、フィルムは基板に圧着される。フィルムを基板に圧着するには、押圧力が必要である。かかる押圧力は、エアシリンダのような加圧装置によって、圧着ロールの両端部を回転可能に支持する軸受に力を作用させることにより与えられる。
【0003】
図6(イ)に示すように、従来は加圧装置をAまたはBの位置に配置していた。Aの位置に配置した場合、加圧装置からの力は、矢印で示すごとく、軸受部に直接加えられる。Bの位置に配置した場合、加圧装置からの力は、軸受1から圧着ロール2の軸方向に沿って外方に延びるレバー3の外端に矢印で示すごとく加えられる。構造の便宜上、加圧装置は軸受1よりも外方のBの位置に設けられることが多い。
【0004】
加圧装置をA、Bいずれの位置に配置した場合においても、一対の圧着ロール2間の基板4およびフィルムには、軸受1および圧着ロール2を介して押圧力が与えられる。ところが、基板4を間に挟んだ一対の圧着ロール2は、両端部に加圧装置からの力を受けたとき、図6(ロ)に示すように互いに対して凹となるように変形してしまう。基板4の両側端縁が圧着ロール2の支点となり、圧着ロール2に曲げモーメントM1が生じるからである。これではフィルム幅方向に関して基板およびフィルムに対する押圧力が不均一になってしまう。この傾向は、加圧装置をBの位置に配置した場合の方が大きい。
【0005】
例えばプリント回路用基板に感光性レジストフィルムをラミネートするような場合、フィルムが基板に対して均一に圧着されることが特に強く望まれる。しかしながら、従来のラミネータにおいては、上述したような圧着ロールの変形により、フィルム幅方向の押圧力が不均一となるので、フィルムを基板に均一に圧着することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題は、フィルム幅方向の押圧力が均一となるようなラミネータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明によれば、
基板にフィルムをラミネートするためのラミネータにおいて、
一対の圧着ロールであって、前記基板およびフィルムをその間に挟む一対の圧着ロールと、
前記圧着ロールのそれぞれの端部を回転可能に支持する軸受と、
一端が前記軸受に連結され、他端が前記圧着ロールの軸方向に沿って前記軸受よりも内方に位置しているレバーと、
前記レバーの前記他端に力を作用させることにより、前記軸受を介して前記一対の圧着ロール間の前記基板およびフィルムに押圧力を加えるとともに、該一対の圧着ロールを互いに対して凸となるよう変形させる傾向の曲げモーメントを生じさせる加圧装置と、
を備えるラミネータが提供される。
【0008】
前記加圧装置の作用を受ける前記レバーの前記他端の位置は、前記軸受の位置に対して、前記圧着ロールの軸方向に沿って可変とされることが望ましい。
【0009】
前記レバーの前記他端に接触して前記圧着ロールの軸方向に延びるバーをさらに備え、前記加圧装置は、前記圧着ロールの軸方向に沿って前記軸受よりも外方に配置され、その位置で前記バーに力を加えることにより、前記レバーの前記他端に間接的に力を作用させるようにしてもよい。
【0010】
前記レバーの前記他端を、該他端に回転可能に設けられたローラを介して前記バーと接触するものとし、前記圧着ロールが、前記ローラが前記バー上を転がることにより軸方向に移動可能となるようにすることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(イ)は、本発明によるラミネータの一実施例の構成を概略的に示した正面図である。本発明のラミネータにおいては、一端30が軸受1に連結され、他端すなわち内端31が圧着ロール2の軸方向に沿って軸受1よりも内方に位置しているレバー32が設けられ、加圧装置はレバー32の内端31の位置Cに配置される。
【0012】
加圧装置がレバー32に対して矢印のごとく力を作用させると、その力は軸受1および圧着ロール2に伝達され、圧着ロール2間の基板4およびフィルムに押圧力が加えられる。それと同時に、前述したごとく、圧着ロール2には図1(ロ)に示すような互いに対して凹となるような変形をもたらす曲げモーメントM1が生じる。
【0013】
ところが、片持ちばりの形態をしたレバー32の自由端である内端の位置Cに矢印のような力が作用することにより、レバー32の固定端である軸受1には、図1(ハ)に示すような、圧着ロール2を互いに対して凸となるように変形させる傾向の曲げモーメントM2が生じる。
【0014】
曲げモーメントM1とM2とは、相殺して完全にモーメントがゼロの状態を作り出すことができる性質のものではないが、圧着ロール2に対する曲がりの影響を互いに打ち消しあって、図1(ニ)に示すように、圧着ロール2がほぼ平坦な状態で基板およびフィルムに押圧力を与えるようにすることができる。それによって、基板およびフィルムには幅方向に沿って均一な押圧力が加えられることになる。
【0015】
図2は本発明によるラミネータの別の実施例を概略的に示す正面図である。この実施例においては、加圧装置はレバー32に直接的に力を作用させるのではなく、レバー32の内端31に接触して圧着ロール2の軸方向に延びるバー5を介して間接的に力を作用させる。加圧装置は、圧着ロール2の軸方向に沿って軸受1よりも外方のBの位置に配置され、その位置でバー5に矢印で示すごとく力を加える。この力は、バー5に接触するレバー32の内端31に伝達されるが、モーメントは内端31に伝達されない。したがって、図2の構成は、力学的には図1(イ)のものと同等と言える。しかしながら、図2の構成は、エアシリンダ等の加圧装置を軸受1の外側に配置できる点で構造的に有利である。
【0016】
図3および図4は、図2の実施例のラミネータの全体構造を示す正面図および左側面図であり、ここに示した構成は、プリント回路用基板にレジストフィルムを圧着するためのラミネータへの適用例である。ローラコンベヤ6上を搬送されてきた基板4が入り込む一対の圧着ロール2間には、圧着すべきレジストフィルム7が送り込まれる。フィルム7は、フィルムロール8から繰り出されるときに表面のカバーフィルム9を剥がされ、レジスト面を基板4側に向けた状態で圧着ロール2間に供給される。カバーフィルム9はロール10の状態に巻き取られる。両端部を軸受1によって回転可能に支持された圧着ロール2は、駆動歯車11に接続された駆動装置(図示せず)によって回転駆動される。圧着ロール2の回転とともに、フィルム7は基板4上に圧着されてゆく。
【0017】
図5に示すように、軸受1は、二股に別れたアーム12を有している。それぞれのアーム12の内面には、圧着ロール2の軸方向に延びる溝13が形成されており、該溝13内にレバー32が取り付けられる。軸受1のアーム12には、溝13の長手方向に延びたスロット14が設けられ、レバー32にはネジ穴15が設けられている。したがってレバー32は、スロット14の長さの範囲内で軸方向位置を選択され、ネジ16にて溝13内に固定される。
【0018】
レバー32の内端にはローラ17が回転可能に設けられている。該ローラ17は、断面I字形のバー5のフランジ内面に乗り、該バー5に対するレバー32の接触点となっている。軸受1に対するレバー32の軸方向固定位置を調節することにより、バー5に接触するローラ17の位置と軸受1の位置との間の距離を変更することができる。
【0019】
エアシリンダのような加圧装置18が軸受1の外方に配置され、そこでバー5に対して圧着ロール2の方に向けて力を加えている。この力は、レバー32のローラ17を介して軸受1に伝達され、さらに圧着ロール2を介して基板4およびフィルム7に押圧力を与える。同時に、軸受1に伝達された力は、図1(ロ)に示すように、一対の圧着ロール2を互いに対して凹となるように変形させるようなモーメントM1を圧着ロール2に生じさせる。挟んだ基板4の両側端縁19が圧着ロール2の支点として作用するからである。
【0020】
一方、加圧装置18からバー5を介してローラ17に加えられた力は、該ローラ17から軸受1までの距離を腕の長さとするモーメントM2を軸受1に生じさせる。このモーメントは、図1(ハ)に示すように一対の圧着ロール2を互いに対して凸となるよう変形させる傾向にある。
【0021】
1の大きさは圧着ロール2の軸方向に沿って変化し、M2の大きさは一定であるが、双方のモーメントは圧着ロール2に対して互いに逆方向に曲げようとする傾向にあるので、両者の影響を打ち消しあうことになる。それによって、図1(ニ)に示すように、圧着ロール2がほぼ平坦な状態で基板4およびフィルム7に押圧力が与えられるようになり、フィルム7を基板4に均一に圧着することができる。
【0022】
加圧装置18の加圧力を変えることにより、モーメントM1およびM2の双方が変化するが、軸受1に対するレバー32の軸方向固定位置を調節することにより、モーメントM2だけを変化させることができる。したがって、加圧装置18の加圧力の調節と、レバー32の固定位置の調節とを併せて行うことにより、種々の大きさの基板に対しても所望の圧着均一性を得ることができる。
【0023】
圧着ロール2の交換時には、バー5の軸方向に隣接させて同じ形の補助バー20を配置することにより、レバー32のローラ17をバー5上で転がしながら圧着ロール2を軸受1とともに軸方向に沿ってラミネータの外部へと引き抜くことができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明のラミネータによれば、フィルム幅方向の押圧力が均一となるので、フィルムを基板に均一に圧着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は本発明によるラミネータの一実施例の概略を示す正面図。(ロ)は加圧装置により軸受に作用される力により圧着ロールが受ける曲げの影響を示すための概略正面図。(ハ)は加圧装置によりレバー内端に作用する力によって軸受に生じるモーメントの、圧着ロールに対する曲げの影響を示すための概略正面図。(ニ)は(ロ)における曲げの影響と(ハ)における曲げの影響とが打ち消しあって平坦な状態となった圧着ロールを示す概略正面図。
【図2】本発明によるラミネータの別の実施例の概略を示すための正面図。
【図3】図2の実施例の全体構造を示す正面図。
【図4】図2の実施例の全体構造を示す左側面図。
【図5】軸受およびレバーの詳細を示す分解斜示図。
【図6】(イ)は従来のラミネータの概略を示す正面図。(ロ)は従来のラミネータにおいて圧着ロールが受ける曲げの影響を示すための概略正面図。
【符号の説明】
1 軸受、2 圧着ロール、3 従来のレバー、4 基板、5 バー、6 ローラコンベヤ、7 フィルム、8 フィルムロール、9 カバーフィルム、10 カバーフィルムロール、11 駆動歯車、12 アーム、13 溝、14 スロット、15 ネジ穴、16 ネジ、17 ローラ、18 加圧装置、19 基板の両側端縁、20 補助バー、30 レバーの一端、31 レバーの内端(他端)、32 レバー、M1 モーメント、M2 モーメント。

Claims (4)

  1. 基板にフィルムをラミネートするためのラミネータにおいて、
    一対の圧着ロールであって、前記基板およびフィルムをその間に挟む一対の圧着ロールと、
    前記圧着ロールのそれぞれの端部を回転可能に支持する軸受と、
    一端が前記軸受に連結され、他端が前記圧着ロールの軸方向に沿って前記軸受よりも内方に位置しているレバーと、
    前記レバーの前記他端に力を作用させることにより、前記軸受を介して前記一対の圧着ロール間の前記基板およびフィルムに押圧力を加えるとともに、該一対の圧着ロールを互いに対して凸となるよう変形させる傾向の曲げモーメントを生じさせる加圧装置と、
    を備えるラミネータ。
  2. 前記加圧装置の作用を受ける前記レバーの前記他端の位置が、前記軸受の位置に対して、前記圧着ロールの軸方向に沿って可変となされている、請求項1に記載のラミネータ。
  3. 前記レバーの前記他端に接触して前記圧着ロールの軸方向に延びるバーをさらに備え、前記加圧装置は、前記圧着ロールの軸方向に沿って前記軸受よりも外方に配置され、その位置で前記バーに力を加えることにより、前記レバーの前記他端に間接的に力を作用させるようになされている、請求項1または2に記載のラミネータ。
  4. 前記レバーの前記他端は、該他端に回転可能に設けられたローラを介して前記バーと接触しており、前記圧着ロールは、前記ローラが前記バー上を転がることにより軸方向に移動可能となされている、請求項3に記載のラミネータ。
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