JP3730737B2 - ラミネート方法及びラミネート装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばプリント配線板の製造工程において使用されるラミネート方法及びラミネート装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばプリント配線板の製造時には、ラミネート装置によって樹脂含浸基材に銅箔を張り合わせることで銅張積層板の作製が行われる。そして、ラミネート工程後にはレジスト形成工程やエッチング工程が行われ、これらの工程を経ることによって所望の導体パターン等が形成されるようになっている。なお、前記ラミネート工程では、図8のような一対の圧着ローラ41,42を備えるラミネート装置が使用される。一対の圧着ローラ41,42間には樹脂含浸基材43と銅箔44とが重ね合わせた状態で連続的に通じられる。銅箔44は上側の圧着ローラ41に所定角度(図8ではθ=135°)だけ巻き付けられ、その際に同圧着ローラ41と接触することにより所定温度にあらかじめ加温される。そして、銅箔44及び樹脂含浸基材43は、両圧着ローラ41,42からの押圧力により互いに張り合わされ、結果として銅張積層板45が得られる。
【0003】
ところで、このような連続ラミネート工程では、熱膨張係数の異なる2種の材料が張り合わされることから、張り合わせ後に銅張積層板45が冷えて常温に戻ると、銅箔44側に反りが発生する。このような反りがあると、IC等の電子部品をプリント配線板に実装する時の歩留まりが悪化してしまう。そこで、反りを抑制するための方法として、従来、以下のような対策が採られている。
【0004】
第1の方法は、連続ラミネート時に樹脂含浸基材43にテンションを付加した状態で連続ラミネートを行う方法である(第1の従来技術)。第2の方法は、連続ラミネート直前に樹脂含浸基材43をヒータ等の余熱手段に通すことにより、あらかじめ余熱を付加しておく方法である(第2の従来技術)。第3の方法は、連続ラミネート実施後に銅張積層板45を屈曲させることで反りを事後的に矯正する方法である(第3の従来技術)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらの従来技術にはそれぞれ次のような問題がある。
テンションをかける第1の従来技術では、樹脂含浸基材43自体に寸法変化が生じるおそれがあり、銅張積層板45の反りを確実に抑制することができない。また、樹脂含浸基材43に適切なテンションを付加するための張力付加装置の調整も面倒かつ困難なものであった。
【0006】
余熱を付加する第2の従来技術では、樹脂含浸基材43と銅箔44とを接着する接着剤の種類により余熱時間や余熱温度を適宜変更する必要があり、そのためには面倒かつ困難な余熱手段の調整作業を余儀なくされる。
【0007】
矯正を行う第3の従来技術では、ラミネート実施後に銅張積層板45に無理な応力が加わることで、使用される材料によっては銅張積層板45にクラック等が発生するおそれがある。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためなされたものであり、その目的は、基材に寸法変化やクラック等を生じさせることなく、反りを簡単にかつ確実に抑制することができるラミネート方法及びラミネート装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、一対の圧着ローラに熱膨張係数の異なる複数種の可撓性基材を巻き付けながら同圧着ローラ間に前記基材を通じることにより、同圧着ローラを介して前記基材を加温しかつ押圧することで、前記基材同士を互いに張り合わせるラミネート方法において、前記圧着ローラのうち加温機能を持つ圧着ローラに対する前記基材の巻き付け角度を当該基材の種類に応じて変更し、同基材の熱膨張度合いを調整することを特徴とするラミネート方法をその要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明では、一対の圧着ローラに熱膨張係数の異なる複数種の可撓性基材を巻き付けながら同圧着ローラ間に前記基材を通じることにより、同圧着ローラを介して前記基材を加温しかつ押圧することで、前記基材同士を互いに張り合わせるラミネート装置において、
前記圧着ローラのうち加温機能を持つ圧着ローラに対する前記基材の巻き付け角度を当該基材の種類に応じて変更し、同基材の熱膨張度合いを調整する巻き付け状態変更機構を設けたことを特徴とするラミネート装置をその要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、可撓性の金属箔と接着剤付きの樹脂含浸基材を互いに張り合わせるラミネート装置であって、上側圧着ローラと下側圧着ローラとの間に前記金属箔及び樹脂含浸基材を通し、前記上側及び下側圧着ローラを介して前記金属箔及び樹脂含浸基材を加温しかつ押圧することで、前記金属箔及び樹脂含浸基材を張り合わせる基材圧着部と、加温機能を持つ前記上側圧着ローラの近傍に設けられ、前記上側圧着ローラに対する前記金属箔の巻き付け角度を当該金属箔の種類に応じて設定し、同金属箔の熱膨張度合いを調整する巻き付け状態変更機構と、前記基材圧着部の後段に設けられ、前記金属箔及び樹脂含浸基材を一体化した積層板を連続的に巻き取る積層板巻取ローラと、を備えることを特徴とするラミネート装置をその要旨とする。
以下、本発明の「作用」を説明する。
【0012】
請求項1〜3に記載の発明によると、加温機能を持つ圧着ローラに対する基材の巻き付け状態、例えば巻き付け角度を増加させた場合、圧着ローラと基材との接触時間がそれにほぼ比例して増加し、かつ圧着ローラの周面から基材に伝達される熱の量も増加する。逆に、例えば圧着ローラに対する基材の巻き付け角度を減少させた場合、圧着ローラと基材との接触時間がそれにほぼ比例して減少し、かつ圧着ローラの周面から基材に伝達される熱の量も減少する。従って、巻き付け状態の変更を行えば、熱膨張係数の異なる複数種の基材の熱膨張度合いの調整を容易にかつ確実に行うことができる。よって、反りを確実に抑制することが可能である。
【0013】
また、上記発明によると、圧着ローラの温度調整、余熱手段の温度・時間調整、張力付加装置のテンション量調整等がいずれも不要になるため、これらの調整が必要であった従来技術の問題点が解消される。即ち、面倒かつ困難な調整作業が要らなくことに加え、基材に寸法変化やクラックが発生するおそれもなくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した一実施形態のラミネート方法及びそのためのラミネート装置を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
【0016】
図1には、本実施形態のラミネート装置1の要部である基材圧着部2が示されている。このラミネート装置1は、基材圧着部2の前段に図示しない基材供給部を備え、かつ基材圧着部2の後段に図示しない積層板巻取部を備えている。基材供給部にある2つの材料ローラ(図示略)には、可撓性基材としての金属箔3と樹脂含浸基材4とがそれぞれ巻回されている。金属箔3は上側に位置する金属箔用ローラから連続的に巻き出され、接着剤6付きの樹脂含浸基材4はその下側に位置する樹脂含浸基材用ローラから連続的に巻き出される。金属箔3と樹脂含浸基材4とを一体化してなる図3のような積層板5は、積層体巻取部にある積層板巻取ローラ(図示略)によって連続的に巻き取られる。
【0017】
基材圧着部2を構成する支持フレーム7の側面には、上側圧着ローラ11を取り付けるための第1のローラ取付用ブロック12が設けられている。この第1のローラ取付用ブロック12のすぐ下方には、下側圧着ローラ13を取り付けるための第2のローラ取付用ブロック14が設けられている。同ブロック14の左端は回動軸15に軸支されており、同ブロック14の右下端は縦置きされた流体圧シリンダ16のロッド17に支持されている。従って、流体圧シリンダ16を伸縮させると、第2のローラ取付用ブロック14が回動軸15を中心として回動する。これにより下側圧着ローラ13が上下に動き、両圧着ローラ11,13間の離間距離(即ちラミネート圧)が調整されるようになっている。
【0018】
図1,図2に示されるように、上側圧着ローラ11は中心部に回転軸18を有するステンレス製円筒部材であって、下側圧着ローラ13は中心部に回転軸18を有するゴム製円筒部材である。各回転軸18はそれぞれ前記ブロック12,14に対して回転可能に支持されている。上側圧着ローラ11はいわゆる熱ローラであるため、図示しない発熱源によって加熱されるようになっている。
【0019】
第1のローラ取付用ブロック12の上方には、ローラ駆動手段としてのモータ19が設置されている。同モータ19の回転軸20にはプーリ21が嵌着され、上側圧着ローラ11の回転軸18にはプーリ22が嵌着されている。これらのプーリ21,22には無端状のベルト23が巻回されており、そのベルト23によってモータ19の駆動力が伝達される。すると、上側圧着ローラ11が図1の反時計回りに回転し、それに伴って下側圧着ローラ13が図1の時計回りに回転するようになっている。
【0020】
図1において、基材圧着部2の左上側部には、第1のプレガイドローラ26と第2のプレガイドローラ27とが各々移動不能に固定されている。基材供給部にあるローラから巻き出されてくる金属箔3は、これらのプレガイドローラ26,27に屈回されることで所定のテンションを付加された後、上側圧着ローラ11まで案内される。一方、基材圧着部2において第1及び第2のプレガイドローラ26,27の下方位置には、第3のプレガイドローラ28が移動不能に固定されている。このプレガイドローラ28は、下側圧着ローラ13と同じ高さに位置しており、巻き出されてくる樹脂含浸基材4を下面側から水平に支持する。このプレガイドローラ28の存在によって、樹脂含浸基材4の垂れが防止されるようになっている。
【0021】
次に、このラミネート装置1における巻き付け状態変更機構D1 について説明する。
図1に示されるように、本実施形態の巻き付け状態変更機構D1 は、可動案内体としての可動ガイドローラ25と、その可動ガイドローラ25を所定範囲内で駆動するための図示しない従来公知の駆動手段とによって構成されている。そして、前記巻き付け状態変更機構D1 は、このラミネート装置1では、上側圧着ローラ11に対する金属箔3の巻き付け状態(ここでは巻き付け角度θ)を変更すべく、1つのみ設置されている。
【0022】
第2のプレガイドローラ26と上側ローラ11との間に配置される前記可動ガイドローラ25は、移動可能に固定されている点を除き、プレガイドローラ26,27,28とほぼ同様の基本構成を備えている。また、この可動ガイドローラ25は、上側圧着ローラ11に対する金属箔3の進入角度、言い換えると上側圧着ローラ11に対する金属箔3の巻き付け角度θを変更させる役割を果たす。前記可動ガイドローラ25は、加温機能を持つ上側圧着ローラ11の近傍において図1のP1 〜P5 の範囲内を移動することができる。同図では可動ガイドローラ25がP1 の位置にある状態が示されている。その他、可動ガイドローラ25はあらかじめ定められたP2 ,P3 ,P4 の各位置に移動することができる。もっとも、P1 〜P5 までの範囲内であれば可動ガイドローラ25は任意の位置をとることが可能である。そして、可動ガイドローラ25の巻き付け角度θは、可動ガイドローラ25がP1 ,P2 ,P3 ,P4 ,P5 の位置に移動するに従って大きくなる。
【0023】
巻き付け角度θを増加させた場合、上側圧着ローラ11と金属箔3との接触時間がそれにほぼ比例して増加し、かつ上側圧着ローラ11の周面から金属箔3に伝達される熱の量も増加する。それゆえ、金属箔3及び樹脂含浸基材4に押圧力を付加することにより両者を圧着する時に、金属箔3の温度を高く設定することができる。このような場合、金属箔3が熱膨張して伸びる度合いが大きくなり、ラミネートを経て冷却したときの金属箔3の寸法変化量(収縮量)が大きくなる。
【0024】
逆に、上側圧着ローラ11に対する金属箔3の巻き付け角度θを減少させた場合、上側圧着ローラ11と金属箔3との接触時間がそれにほぼ比例して減少し、かつ上側圧着ローラ11の周面から金属箔3に伝達される熱の量も減少する。ゆえに、金属箔3及び樹脂含浸基材4に押圧力を付加することにより両者を圧着する時に、金属箔3の温度を低く設定することができる。この場合、金属箔3が熱膨張して伸びる度合いが小さくなり、ラミネートを経て冷却したときの金属箔3の寸法変化量(収縮量)が小さくなる。
【0025】
次に、このラミネート装置1を用いた比較試験の方法及びその結果を図4の表に基づいて説明する。
<試験方法>
同比較試験では、金属箔3として銅箔(厚さ35,70μm )を用い、樹脂含浸基材4としてガラスエポキシ基材(厚さ120μm )を用い、接着剤6としてエポキシ系接着剤を用いた。また、いずれの試験においても、圧着ローラ11,13の寸法や材質を表の通りに設定した。
【0026】
可動ガイドローラ25を持たない現行条件(従来例)では、上側圧着ローラ11に対する銅箔3の巻き付け角度θは135°である。ラミネート温度は140℃に、ラミネート圧は11kg/cm2に設定した。
【0027】
本実施形態のラミネート装置1を用いた「試験1」では、可動ガイドローラ25の位置を適宜変更することにより巻き付け角度θを20°,40°,90°,135°にそれぞれ設定した。ラミネート温度は140℃に、ラミネート圧は6kg/cm2に設定した。
【0028】
また、本実施形態のラミネート装置1を若干設計変更した装置を用いた「試験2」では、ゴム製の下側圧着ローラ13も140℃に加熱することとし、その他の条件については「試験1」と同様に設定した。なお、「試験3」については後述する。
【0029】
上記の各条件でラミネート工程を実施した後、得られた銅箔積層板5の反りをキュアの前後で測定した。キュア後の測定は、吸湿の影響をなくすため、キュア終了後に10分間室温で放置された製品を対象として行った。その結果を図4の表に示す。
【0030】
<試験結果>
現行条件、試験1及び試験2では、いずれも銅張積層板5の反りは銅箔3側に生じていた。また、キュア前に比べてキュア後に測定した値のほうが小さくなっていた。
【0031】
また、現行条件では、キュア前において反りが12mm〜13mmであり、キュア後において反りが5.5mmであった。これに対して試験1では、135°よりも巻き付け角度θを小さくしたものについては、キュア前後を問わず反りが小さくなっていた。試験2についてもほぼ同様の傾向が見られた。特に試験1,2においてはθ=20°に設定した場合が最も好適であった。以上のことを総合すると、本実施形態のラミネート装置1により巻き付け角度θを現行条件である135°よりも小さく設定した場合に、反りが抑制されることが明らかとなった。
【0032】
さて、本実施形態において特徴的な作用効果を以下に列挙する。
(イ)この実施形態のラミネート方法及びラミネート装置1によると、巻き付け状態変更機構D1 を構成する可動ガイドローラ25の位置変更により、上記のように巻き付け角度θを変更することが可能である。従って、金属箔3と樹脂含浸基材4の押圧時における金属箔3の温度を適宜調整することができる。ゆえに、金属箔3の熱膨張度合いの調整を従来技術に比べて容易にかつ確実に行うことができ、よって積層板5の反りを確実に抑制することが可能である。そして、以上のようにして得られる寸法精度に優れた積層板5を用いれば、プリント配線板の製造歩留まりも確実に向上する。さらに、このプリント配線板を用いれば、IC等の電子部品の実装歩留まりも確実に向上させることができる。
【0033】
(ロ)また、実施形態のラミネート方法及びラミネート装置1によると、ローラの温度調整、余熱手段の温度・時間調整、張力付加装置のテンション量調整等がいずれも不要になる。つまり、可動ガイドローラ25の位置変更により巻き付け角度θを調整するだけで足り、ローラ温度やローラ回転速度等を一定にできるからである。それゆえ、面倒かつ困難な調整作業が要らなくことに加え、金属箔3や樹脂含浸基材4に寸法変化やクラックが発生するおそれもなくなり、従来技術の問題点が解消される。以上のことは歩留まりの向上にも貢献する。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施形態のラミネート装置31及びラミネート方法について説明する。
【0034】
図5には、ラミネート装置31の基材圧着部2が示されている。この装置31は実施形態1の装置1と基本的構成を同じくしており、かかる構成については共通の部材番号を付してある。本実施形態では、上側圧着ローラ11のみならず下側圧着ローラ13についても巻き付け状態変更機構D2 が設けられている点が、実施形態1と相違する。また、ここではゴム製の下側圧着ローラ13も熱ローラとなっている。
【0035】
巻き付け状態変更機構D2 は、可動案内体としての可動ガイドローラ32と、その可動ガイドローラ32を所定範囲内で駆動するための図示しない従来公知の駆動手段とによって構成されている。前記巻き付け状態変更機構D2 は、下側圧着ローラ13に対する樹脂含浸基材4の巻き付け状態(ここでは巻き付け角度θ)を変更する役割を果たす。可動ガイドローラ32は、図5のP6 〜P9 の範囲内を移動することができる。同図では可動ガイドローラ32がP6 の位置にある状態が示されている。その他、可動ガイドローラ32はあらかじめ定められたP7 ,P8 の各位置にも移動することができる。もっとも、P6 〜P9 までの範囲内であれば可動ガイドローラ32は任意の位置をとることが可能である。そして、可動ガイドローラ32の巻き付け角度θは、可動ガイドローラ32がP6 ,P7 ,P8 ,P9 の位置に移動するに従って大きくなる。
【0036】
巻き付け角度θを増加させた場合、下側圧着ローラ13と樹脂含浸基材4との接触時間がそれにほぼ比例して増加し、かつ下側圧着ローラ13の周面から樹脂含浸基材4に伝達される熱の量も増加する。ゆえに、銅箔3及び樹脂含浸基材4に押圧力を付加することにより両者を圧着する時に、樹脂含浸基材4の温度を高く設定することができる。この場合、樹脂含浸基材4が熱膨張して伸びる度合いが大きくなり、ラミネートを経て冷却したときの樹脂含浸基材4の寸法変化量(収縮量)が大きくなる。
【0037】
逆に、下側圧着ローラ13に対する樹脂含浸基材4の巻き付け角度θを減少させた場合、下側圧着ローラ13と樹脂含浸基材4との接触時間がそれにほぼ比例して減少し、かつ下側圧着ローラ13の周面から樹脂含浸基材4に伝達される熱の量も減少する。ゆえに、金属箔3及び樹脂含浸基材4に押圧力を付加することにより両者を圧着する時に、樹脂含浸基材4の温度を低く設定することができる。この場合、樹脂含浸基材4が熱膨張して伸びる度合いが小さくなり、ラミネートを経て冷却したときの樹脂含浸基材4の寸法変化量(収縮量)が小さくなる。
【0038】
このラミネート装置31を用いて実施形態1と同じ比較試験を行ったところ、図4の表に示されるような結果を得た(同表の「試験3」参照)。なお、試験3の条件は上記の試験2の条件に準じた。また、上側圧着ローラ11に対する銅箔3の巻き付け角度θは20°に設定し、下側圧着ローラ13に対するガラスエポキシ基材4の巻き付け角度θは100°に設定した。
【0039】
このようにして試験を行ったところ、試験3ではむしろガラスエポキシ基材4側に銅張積層板5が反る傾向が見られた。しかし、その反り量は、従来例である現行条件に比べて確実に小さくなっていた。特にキュア前の時点では、試験1,2よりもさらに反りが小さくなることもわかった。勿論、キュア後における反り量の測定値も、試験1,2での最適値に充分匹敵するものであった。
【0040】
さて、本実施形態において特徴的な作用効果を以下に列挙する。
(イ)この実施形態のラミネート方法及びラミネート装置31であっても、勿論、実施形態1において述べたイ,ロの作用効果を奏する。
【0041】
(ロ)さらに、このラミネート方法及びラミネート装置31では、巻き付け状態変更機構D1 ,D2 は両方の圧着ローラ11,13についてそれぞれ設けられていることを特徴とする。このため、金属箔3及び樹脂含浸基材4について個別に巻き付け角度θを変更することができる。従って、両者3,4の押圧時における温度を基材の種類に応じて細かく調整することが可能となり、かつ調整の自由度も確実に大きくなる。その結果、上述した試験結果からも明らかなように、積層板5の反りをより確実に抑制することができるラミネート装置31とすることができる。
【0042】
なお、本実施形態は例えば次のような形態に変更することが可能である。
◎ 図6(a)に示される別例の巻き付け状態変更機構D3 は、図示しない軸位置変更手段と、同手段によって支持された上側圧着ローラ34とからなる。前記軸位置変更手段は、平行関係にある一対の圧着ローラ13,34の回転軸18同士の相対位置を、両回転軸18の離間距離を維持しつつ変更するものである。従って、通常状態である図6(a)と、移動状態である図6(b)とでは、巻き付け角度θ(特に下側圧着ローラ13に対する樹脂含浸基材4の巻き付け角度θ)に変化が生じるようになっている。このような別例1の構成であっても、寸法変化やクラック等を生じさせることなく、積層板5の反りを簡単にかつ確実に抑制することができる。
【0043】
◎ 図7(a)に示される別例の巻き付け状態変更機構D4 は、図示しない直径変更手段と、その直径変更手段によって直径が変化する上側圧着ローラ37とからなる。この構成であると、直径が大きい状態の図7(a)に比べて、直径が小さくなった状態の図7(b)では、上側圧着ローラ37と金属箔3との接触時間が短くなる。これは、両者3,37が接触する時間あたりの面積が減少するためである。従って、上側圧着ローラ37の周面から金属箔3に伝達される熱の量も減少し、圧着時の温度が低く設定されるようになっている。このような別例2の構成であっても、寸法変化やクラック等を生じさせることなく、積層板5の反りを簡単にかつ確実に抑制することができる。
【0044】
◎ 前記別例についても実施形態2の巻き付け状態変更機構D2 を設けることで、金属箔3及び樹脂含浸基材4について個別に巻き付け状態を変更できる構成としてもよい。
【0045】
◎ 銅箔以外の金属箔3、例えばアルミ箔や金箔等を可撓性基材として用いてもよい。また、ガラスエポキシ基材以外の樹脂含浸基材4、例えばポリイミド基材等を可撓性基材として用いてもよく、さらには含浸がされていない単なる樹脂フィルム等を可撓性基材として用いてもよい。以上の場合についても本発明を適用することができる。
【0046】
◎ 本発明は、2枚の可撓性基材をラミネートする場合のみに適用が限定されるわけではなく、3枚、4枚…というように複数枚の可撓性基材をラミネートするときでも有効である。なお、3枚以上でラミネートを行う場合には実施形態2の構成が好ましい。
【0047】
ここで、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
(1) 請求項2,3において、前記巻き付け状態変更機構は、前記一対のローラのうち加温機能を持つものの近傍において移動可能に設けられた可動ガイドローラを含むことを特徴とするラミネート装置。この構成であると、可動ガイドローラの移動位置を変更することで、ローラに対する基材の巻き付け角度を変更することができる。
【0048】
(2) 請求項2,3において、前記巻き付け状態変更機構は、平行関係にある前記一対のローラの回転軸同士の相対位置を、両回転軸の離間距離を維持しつつ変更する軸位置変更手段を含むことを特徴とするラミネート装置。この構成であると、軸位置変更手段によって回転軸の相対位置を変更することで、ローラに対する基材の巻き付け状態を変更することができる。
【0049】
(3) 請求項2,3において、前記巻き付け状態変更機構は、前記一対のローラのうち加温機能を持つのもの直径を変更する直径変更手段を含むことを特徴とするラミネート装置。この構成であると、直径変更手段によって加温機能を持つローラの直径を変更することで、巻き付け時においてのローラと基材との接触面積を変更することができる。
【0050】
(4) 請求項1において、前記可撓性基材は金属箔と樹脂含浸基材とであり、かつ前記巻き付け状態とは加温機能を持つローラに対する前記金属箔の巻き付け角度であり、前記巻き付け角度は20°〜90°の範囲内に設定されることを特徴としたラミネート方法。この方法によると、前記両基材を張り合わせてなる積層板の反りを確実に抑制することができる。
【0051】
なお、本明細書中において使用した技術用語を次のように定義する。
「樹脂含浸基材: ガラス等のような無機質繊維にエポキシ等の樹脂材料が含浸されている基材をいう。」
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によれば、基材に寸法変化やクラック等を生じさせることなく、反りを簡単にかつ確実に抑制することができる。加えて、基材の押圧時における温度を基材の種類に応じて細かく調整することが可能となり、かつ調整の自由度も確実に大きくなるため、反りをより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のラミネート装置の要部を示す概略正面図。
【図2】同ラミネート装置における一対の圧着ローラを示す側面図。
【図3】同ラミネート装置によって作製される銅張積層板を示す断面図。
【図4】同ラミネート装置及び従来例等について行った試験の結果を示す表。
【図5】第2の実施形態のラミネート装置の要部を示す概略正面図。
【図6】(a),(b)は別例のラミネート装置における一対の圧着ローラを示す概略正面図。
【図7】(a),(b)は別例のラミネート装置における一対の圧着ローラを示す概略正面図。
【図8】従来例のラミネート装置における圧着ローラを示す概略正面図。
【符号の説明】
1,31…ラミネート装置、3…可撓性基材としての金属箔、4…可撓性基材としての樹脂含浸基材、11,34,37…上側圧着ローラ、13…下側圧着ローラ、25,32…可動ガイドローラ、D1 ,D2 ,D3 ,D4 …巻き付け状態変更機構。

Claims (3)

  1. 一対の圧着ローラに熱膨張係数の異なる複数種の可撓性基材を巻き付けながら同圧着ローラ間に前記基材を通じることにより、同圧着ローラを介して前記基材を加温しかつ押圧することで、前記基材同士を互いに張り合わせるラミネート方法において、
    前記圧着ローラのうち加温機能を持つ圧着ローラに対する前記基材の巻き付け角度を当該基材の種類に応じて変更し、同基材の熱膨張度合いを調整することを特徴とするラミネート方法。
  2. 一対の圧着ローラに熱膨張係数の異なる複数種の可撓性基材を巻き付けながら同圧着ローラ間に前記基材を通じることにより、同圧着ローラを介して前記基材を加温しかつ押圧することで、前記基材同士を互いに張り合わせるラミネート装置において、
    前記圧着ローラのうち加温機能を持つ圧着ローラに対する前記基材の巻き付け角度を当該基材の種類に応じて変更し、同基材の熱膨張度合いを調整する巻き付け状態変更機構を設けたことを特徴とするラミネート装置。
  3. 可撓性の金属箔と接着剤付きの樹脂含浸基材を互いに張り合わせるラミネート装置であって、
    上側圧着ローラと下側圧着ローラとの間に前記金属箔及び樹脂含浸基材を通し、前記上側及び下側圧着ローラを介して前記金属箔及び樹脂含浸基材を加温しかつ押圧することで、前記金属箔及び樹脂含浸基材を張り合わせる基材圧着部と、
    加温機能を持つ前記上側圧着ローラの近傍に設けられ、前記上側圧着ローラに対する前記金属箔の巻き付け角度を当該金属箔の種類に応じて設定し、同金属箔の熱膨張度合いを調整する巻き付け状態変更機構と、
    前記基材圧着部の後段に設けられ、前記金属箔及び樹脂含浸基材を一体化した積層板を連続的に巻き取る積層板巻取ローラと、
    を備えることを特徴とするラミネート装置。
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