JP3629459B2 - 段ボールシートの製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、反りの小さい段ボールシートを製造する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
段ボールシートは、コルゲートマシンと呼ばれる製造装置で連続的に製造されている。このコルゲートマシンは、本発明の実施形態である図1に例示するように、芯紙1、裏ライナ紙2および表ライナ紙3をそれぞれ供給するミルロールスタンド4、5、6を有し、まずシングルフェーサ7で、ミルロールスタンド4から供給される芯紙1を、一対の成形ロール8a、8bで波形形状に成形して糊付け装置9で糊付けし、ミルロールスタンド5から供給される裏ライナ紙2と貼り合わせて片面段ボールシート10を形成する。片面段ボールシート10は、糊付け装置12で芯紙1の波形頂部に糊付けされてダブルフェーサ11に供給され、ミルロールスタンド6から供給される表ライナ紙3と貼り合わされて、段ボールシート13が形成される。
【0003】
前記ダブルフェーサ11で形成された段ボールシート13は、ダブルフェーサ11の下流側に設けられたスリッタ・スコアラ14で、必要に応じて条切りと罫線入れが施され、シャー(図示省略)で所定の長さ寸法に裁断されたのち積み重ねられる。
【0004】
前記各糊付け装置9、12では澱粉糊が使用されており、シングルフェーサ7やダブルフェーサ11に供給される芯紙1、裏ライナ紙2、表ライナ紙3および片面段ボールシート10は、貼り合わせ時の澱粉糊の固化を促進するためと、各々の含水分量を調整するために、それぞれヒータロール15、16、17、18に巻き付けて予熱される。なお、芯紙1の予熱は、前記波形形状の成形精度向上も目的としている。
【0005】
前記シングルフェーサ7は、大径の成形ロール8aに巻き付けられた芯紙1に裏ライナ紙2を重ねて、一対のロール22に巻き掛けられた押さえベルト23で押圧するとともに、予熱された芯紙1と裏ライナ紙2の温度を、成形ロール8aとロール22から供給される熱で保持しながら、澱粉糊を固化させて芯紙1と裏ライナ紙2を接着する。
【0006】
前記ダブルフェーサ11は、上流側のヒーティングパートと下流側のクーリングパートより成る。ヒーティングパートの下部にはヒーティングボックス24が配列され、上部にはエア圧またはウェイトロール等で構成される加圧装置25が配置されている。加圧装置25は段ボールシート13を搬送する上コンベア26のベルトを介して段ボールシート13をヒーティングボックス24に押圧し、ヒーティングボックス24から供給される熱で澱粉糊を固化しながら、満遍なく表ライナ紙3と片面段ボールシート10を接着する。クーリングパートの下部には下コンベア27が配置され、昇温接着された段ボールシート13は、この下コンベア27と上コンベア26との間に挟持され、冷却されながら排出端に向かって搬送される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、段ボールシートの製造装置では、接着剤としての澱粉糊の固化を促進するために、元来含水分量の不均一な表裏のライナ紙や芯紙がヒータロール等で加熱されるので、これら各紙の含水分量が製造ラインの途中で変化する。製造された段ボールシートを構成する各紙の含水分量は、時間経過とともに大気の湿度に近づく。
【0008】
紙類は含水分量の変化で伸縮し、加湿されると伸び、乾燥されると縮む性質を有するため、この時間経過に伴う各紙の含水分量の変化で、製造後の段ボールシートに反りが生じることがある。反りの大きい段ボールシートは、後の印刷等の加工工程で詰まったり、積み重ねて搬送される際に転倒したりするトラブルを生じさせる不良品となる。
【0009】
段ボールシートの反りを低減する手段としては、特に反りを発生させる曲げモーメントの原因となる表裏ライナ紙の伸縮差をなくすために、水分付与装置や加熱装置等の水分調整装置を設けて、表ライナ紙と裏ライナ紙の含水分量を製造中に調整する方法が種々提案されている。しかしながら、これらの方法はいずれも別途の水分調整装置を必要とするので、これらのための水や熱の供給コストが余分にかかり、かつ、製造装置のライン構成が複雑となってライントラブルの原因となりやすい問題がある。
【0010】
また、これらの水分調整装置では、ライナ紙と芯紙とが良好に接着されるための適正温度範囲になるような、加熱装置による加熱量の配慮はなされていないので、接着不良が生じるという問題もある。
【0011】
そこで、この発明の課題は、接着不良を生じさせることなく、別途の水分調整装置を設けないで、製造後の反りの発生を防止できる段ボールシートの製造装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、波形形状に成形した芯紙と裏ライナ紙を貼り合わせて片面段ボールシートを形成するシングルフェーサと、前記片面段ボールシートと表ライナ紙を貼り合わせて段ボールシートを形成するダブルフェーサとを備え、前記貼り合わされる前の芯紙、裏ライナ紙、表ライナ紙および片面段ボールシートを、それぞれヒータロールに巻き付けて予熱するようにした段ボールシートの製造装置において、少なくとも前記裏ライナ紙を予熱するヒータロールに予熱量調節手段を設け、前記シングルフェーサの芯紙と裏ライナ紙の貼り合わせ位置近傍で裏ライナ紙の温度を検出する温度検出手段と、前記ダブルフェーサで貼り合わされる前の表ライナ紙と片面段ボールシートの裏ライナ紙の含水分量をそれぞれ検出する含水分量検出手段とを設け、前記温度検出手段で検出される裏ライナ紙の温度が所定の上下限値を越えない範囲で、前記ヒータロールによる裏ライナ紙の予熱量を前記予熱量調節手段で調節し、前記各含水分量検出手段で検出される表裏ライナ紙の含水分量の差を所定の範囲に調整して、前記芯紙と裏ライナ紙の接着不良を生じさせることなく、製造後の段ボールシートの反りの発生を防止する構成を採用した。
【0013】
すなわち、少なくとも裏ライナ紙を予熱するヒータロールに予熱量調節手段を設けるとともに、ダブルフェーサで貼り合わされる前の表ライナ紙と片面段ボールシートの裏ライナ紙の含水分量をそれぞれ検出する含水分量検出手段とを設け、前記ヒータロールによる裏ライナ紙の予熱量を予熱量調節手段で調節して、これらの各含水分量検出手段で検出される表裏ライナ紙の含水分量の差を所定の範囲に調整することにより、別途の水分調整装置を設けることなく、製造後の段ボールシートの反り発生を防止できるようにした。
【0014】
前記ヒータロールによる裏ライナ紙の予熱量を、前記温度検出手段で検出される裏ライナ紙の温度が所定の上下限値を越えない範囲で調節するようにしたのは、以下の理由による。
【0015】
前述したように、シングルフェーサでは、貼り合わされる芯紙と裏ライナ紙が、成形ロールと押さえベルト間で押圧されながら熱を供給され、澱粉糊が固化する。この芯紙と裏ライナ紙が成形ロールと押さえベルト間を通過する距離、すなわち、熱を供給されながら押圧保持される時間は非常に短い。このため、シングルフェーサでは、短時間で澱粉糊の固化を適切に促進するために、芯紙と裏ライナ紙の予熱温度を適正範囲に入れて、接着不良を防止する必要がある。ただし、芯紙へのヒータロールによる予熱量は、澱粉糊の固化のみを考慮して一定値に設定しておいてもよい。
【0016】
なお、ダブルフェーサでは、貼り合わされる片面段ボールシートと表ライナ紙が、前記ヒーティングボックスと加圧装置間を通過する距離が十分に長いので、ヒーティングボックスによる加熱を適正に設定しておけば、澱粉糊の固化を適切に促進させることができる。したがって、片面段ボールシートと表ライナ紙は、予熱温度をあまり管理する必要がなく、そこそこに予熱されていればよい。
【0017】
前記各含水分量検出手段で検出される表裏ライナ紙の含水分量の差を所定の範囲に調整するようにしたのは、以下の理由による。
【0018】
本発明者らは、先に、製造途中における表裏ライナ紙の含水分量と、製造後に発生する段ボールシートの反りとの関係について調査した。図5は、この調査結果から得られたダブルフェーサ入口における表裏ライナ紙の含水分量差と反り高さの関係を示すグラフである。調査対象とした段ボールシートは、厚さ3mmのBフルート材である。なお、反り高さは1m幅当たりの換算反り高さで表現し、上に凸の下反りを正の値、下に凸の上反りを負の値とした。
【0019】
このグラフからも明らかなように、ダブルフェーサ入口における含水分量差と反り高さは強い相関関係を示し、上面側の裏ライナ紙の含水分量が多いほど上反り高さが高くなっている。一方、図示は省略するが、ダブルフェーサ出口における含水分量差と反り高さの間には顕著な相関関係が見られなかった。
【0020】
この調査結果は、以下のように考えられる。段ボールシートの反り高さは、ダブルフェーサでの表ライナ紙接着前の表裏ライナ紙の含水分量差に依存する。すなわち、接着時点で表裏ライナ紙間に含水分量の差が適正範囲でないと、両ライナ紙の含水分量が等しくなる大気湿度での定常含水分状態からの伸縮量が、表ライナ紙と裏ライナ紙とで大きく異なる状態で両者が貼り合わされ、その接着点が固定される。したがって、上面側の裏ライナ紙の含水分量が表ライナ紙の含水分量よりも適正範囲を越えて多くなると、前記定常含水分状態に至るまでに、裏ライナ紙の方の含水分量が大きく減少し、この含水分量の減少による縮み量が大きくなって、上反りを生じる。逆に下面側の表ライナ紙の含水分量が裏ライナ紙の含水分量よりも適正範囲を越えて多くなると、下反りを生じる。
【0021】
なお、図5における含水分量差と反り高さの相関関係が原点からずれているのは、個別の製造ラインの特性によるものと思われる。また、厚みを有する板材の表裏面のひずみ差、すなわち伸縮量の差によって生じる反りの曲率は、よく知られているように厚みに反比例するため、Bフルートよりも厚いAフルート等の段ボールシートの場合は、含水分量差と反り高さの相関関係の傾きは、図5に示すものよりも小さくなることが予想される。
【0022】
以上の結果より、表ライナ紙と片面段ボールシートを貼り合わせる前の表裏ライナ紙の含水分量の差、すなわち、前記各含水分量検出手段で検出される表裏ライナ紙の含水分量の差を所定の適正範囲に調整することにより、両者が貼り合わされてから最終的な定常含水分状態に至るまでの表裏ライナ紙の伸縮量を等しくして、製造後の段ボールシートの反り発生を効果的に防止することができることがわかる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図4に基づき、この発明の実施形態を説明する。この段ボールシートの製造装置は、図1に示すように、芯紙1、裏ライナ紙2および表ライナ紙3をそれぞれ供給するミルロールスタンド4、5、6を有し、まずシングルフェーサ7で、ミルロールスタンド4から供給される芯紙1を、大小一対の成形ロール8a、8bで波形形状に成形して糊付け装置9で糊付けし、ミルロールスタンド5から供給される裏ライナ紙2と貼り合わせて片面段ボールシート10を形成する。片面段ボールシート10は、糊付け装置12で芯紙1の波形頂部に糊付けされてダブルフェーサ11に供給され、ミルロールスタンド6から供給される表ライナ紙3と貼り合わされて、段ボールシート13が形成される。
【0027】
前記ダブルフェーサ11で形成された段ボールシート13は、ダブルフェーサ11の下流側に設けられたスリッタ・スコアラ14で、必要に応じて条切りと罫線入れが施され、シャー(図示省略)で所定の長さ寸法に裁断されたのち積み重ねられる。
【0028】
図示は省略するが、前記シングルフェーサ7は2基設けられ、ロット替えや段取り替え等に応じて適宜使い分けられる。なお、複層の段ボールシートを製造する際には、2基のシングルフェーサ7が同時に稼働される。
【0029】
前記各糊付け装置9、12では澱粉糊が使用されており、シングルフェーサ7やダブルフェーサ11に供給される芯紙1、裏ライナ紙2、表ライナ紙3および片面段ボールシート10は、貼り合わせ時の澱粉糊の固化を促進するために、それぞれヒータロール15、16、17、18に巻き付けて予熱される。
【0030】
前記芯紙1用のヒータロール15を除く各ヒータロール16、17、18には、それぞれ裏ライナ紙2、表ライナ紙3および片面段ボールシート10の巻き付け長さを調節する移動可能な巻き掛けロール16a、17a、18aが設けられている。
【0031】
また、前記ヒータロール16の出口とダブルフェーサ11の入口には、それぞれ裏ライナ紙2、表ライナ紙3および片面段ボールシート10の裏ライナ紙2の含水分量を検出する水分計19a、19b、19cが設置され、シングルフェーサ7の入口には、予熱された裏ライナ紙2の温度を検出する温度計20が設置されている。なお、水分計19aはヒータロール16の入口に設置してもよく、温度計20はシングルフェーサ7の近傍であれば出口側に設置してもよい。
【0032】
前記各水分計19a、19b、19cと温度計20は後述するコントローラ21に接続されており、コントローラ21は、これらの検出結果に基づいて各巻き掛けロール16a、17a、18aを移動させ、各ヒータロール16、17、18での巻き付け長さを調節するようになっている。
【0033】
前記シングルフェーサ7は、大径の成形ロール8aに巻き付けられた芯紙1に裏ライナ紙2を重ねて、一対のロール22に巻き掛けられた押さえベルト23で押圧するとともに、予熱された芯紙1と裏ライナ紙2の温度を、成形ロール8aとロール22から供給される熱で保持しながら、澱粉糊を固化させて芯紙1と裏ライナ紙2を接着する。
【0034】
前記ダブルフェーサ11は、上流側のヒーティングパートと下流側のクーリングパートより成り、ヒーティングパートの下部にはヒーティングボックス24が配列され、上部にはエア圧またはウェイトロール等で構成される加圧装置25が配置されている。加圧装置25は段ボールシート13を搬送する上コンベア26のベルトを介して段ボールシート13をヒーティングボックス24に押圧し、ヒーティングボックス24から供給される熱で澱粉糊を固化しながら、満遍なく表ライナ紙3と片面段ボールシート10を接着する。クーリングパートの下部には下コンベア27が配置され、昇温接着された段ボールシート13は、この下コンベア27と上コンベア26との間に挟持され、冷却されながら排出端に向かって搬送される。
【0035】
図2は、前記ヒータロール16とシングルフェーサ7の部分を拡大して示す。前記巻き掛けロール16aは、図中に二点鎖線で示すように、ヒータロール16の外周に沿って移動可能とされ、裏ライナ紙2のヒータロール16への巻き付き長さSa が調節されるようになっている。前記コントローラ21には、予め温度計20で検出される裏ライナ紙2の温度θa の上下限値が設定されており、コントローラ21は温度θa がこれらの上下限値を越えない範囲で、水分計19aで検出される裏ライナ紙2の含水分量Wa に基づいて、巻き付き長さSa を調節する。
【0036】
図3は、前記ダブルフェーサ11の入口部分を拡大して示す。前記各巻き掛けロール17a、18aも、それぞれ各ヒータロール17、18の外周に沿って移動可能とされ、表ライナ紙3と片面段ボールシート10の各ヒータロール17、18への巻き付き長さSb 、Sc が調節されるようになっている。コントローラ21は、それぞれの水分計19b、19cで検出される表ライナ紙3の含水分量Wb と片面段ボールシート10の裏ライナ紙2の含水分量Wc に基づいて、各巻き付き長さSb 、Sc を調節する。なお、含水分量Wc に基づいて、ヒータロール16での巻き付き長さSa も調節してもよく、この場合は水分計19aを省略することもできる。
【0037】
図4は、上述した製造装置を用いてBフルート材の段ボールシートを製造したときの、各水分計19a、19b、19cおよび温度計20の出力と、これらの出力に基づいて上記のようにコントローラ21で調節された各ヒータロール16、17、18での巻き付き長さSa 、Sb 、Sc の変化の例を示すグラフである。巻き付き長さSa 、Sb 、Sc の調節可能範囲は、いずれも0〜200cmである。なお、図4の横軸は、それぞれの値を製造された段ボールシートの同じ位置に対応させるために、段ボールシートの製造距離Lで表した。
【0038】
前記各含水分量Wa 、Wb 、Wc の制御目標値は、それぞれ6.0%、6.0%、4.5%とし、ダブルフェーサ11入口での表裏ライナ紙3、2の含水分量差ΔW(=Wb −Wc )の制御目標範囲は1.5%±0.5%とした。また、裏ライナ紙2の温度θa の上下限値は、接着不良に対する安全代を見込んで、それぞれ120℃と90℃とした。なお、この温度θa の上下限値は接着用の澱粉糊の種類に応じて変更することができ、場合によっては、上限値を150℃程度、下限値を50℃程度に設定することもある。
【0039】
製造距離Lが約300mの位置では、裏ライナ紙2が継がれており、この紙継ぎ時の張力低下に伴う裏ライナ紙2のヒータロール16を含む各ロールへの密着力低下により、温度θa が下限値の90℃を割っている。このとき、接着不良を防止するために、ヒータロール16での巻き付き長さSa が急激に増大され、温度θa が適正範囲内に戻されている。これに伴って、裏ライナ紙2の含水分量Wa は制御目標値の6.0%よりもやや低くなっているが、ダブルフェーサ11入口での含水分量差ΔWは、ヒータロール18での巻き付き長さSc が減らされることにより、制御目標範囲に入れられている。なお、ヒータロール17での巻き付き長さSb を増大させて、含水分量差ΔWを制御目標範囲に入れるようにしてもよい。
【0040】
また、製造距離Lが約500mの位置では、表ライナ紙3が継がれ、新たに継がれた表ライナ紙3の含水分量Wb が高かったために、含水分量差ΔWが制御目標範囲の上限である2%を越えている。このときは、ヒータロール17での巻き付き長さSb が上限まで増やされるとともに、ヒータロール18での巻き付き長さSc が下限近くまで減らされ、ダブルフェーサ11入口での含水分量差ΔWが制御目標範囲に入れられている。
【0041】
さらに、製造距離Lが約1600mの位置では、ラインスピードの大幅な低下により、裏ライナ紙2のヒータロール16を含む各ロールへの接触時間が長くなって、温度θa が上限値の120℃を越えている。このときは、ヒータロール16での巻き付き長さSa が急激に減らされ、温度θa が適正範囲内に戻されている。
【0042】
以上の製造結果より、この段ボールシートの製造装置は、ライナ紙の紙継ぎやラインスピードの変化等で、ライナ紙の含水分量や温度が急激に変化しても、シングルフェーサでの裏ライナ紙の予熱温度を適正に保持した上で、ダブルフェーサ入口での表裏ライナ紙の含水分量差ΔWを適正範囲に調整することができることがわかる。
【0043】
なお、グラフ表示は省略するが、同一ライナ紙内で含水分量が変動したとき等にも、温度θa を適正範囲にいれ、かつ、含水分量差ΔWを制御目標範囲に入れるように、上記ヒータロールの各巻き付き長さSa 、Sb 、Sc は適切に調節されることを確認した。
【0044】
また、製造された段ボールシートの反り高さは、全て±10mm以内と良好な結果が得られ、後の印刷等の加工工程で詰まったり、積み重ねて搬送される際に転倒したりするトラブルを生じることはなかった。
【0045】
上述した実施形態では、各ヒータロールでの予熱量調節手段として、移動可能な巻き掛けロールを設け、各ヒータロールへの巻き付け長さを調節するようにしたが、ヒータロールを誘導加熱ロール等の温度可変ロールとし、その加熱温度を調節するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、この発明の段ボールシートの製造装置は、少なくとも裏ライナ紙を予熱するヒータロールに予熱量調節手段を設けるとともに、シングルフェーサの芯紙と裏ライナ紙の貼り合わせ位置近傍で裏ライナ紙の温度を検出する温度検出手段と、ダブルフェーサで貼り合わされる前の表ライナ紙と片面段ボールシートの裏ライナ紙の含水分量をそれぞれ検出する含水分量検出手段とを設け、前記温度検出手段で検出される裏ライナ紙の温度が所定の上下限値を越えない範囲で、ヒータロールによる裏ライナ紙の予熱量を前記予熱量調節手段で調節し、前記各含水分量検出手段で検出される表裏ライナ紙の含水分量の差を所定の範囲に調整するようにしたので、接着不良を生じさせることなく、別途の水分調整装置を設けないで、製造後の段ボールシートの反り発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】段ボールシートの製造装置の実施形態を示す概略正面図
【図2】図1のシングルフェーサ近傍を拡大して示す正面図
【図3】図1のダブルフェーサ入口部分を拡大して示す正面図
【図4】図1の製造装置で段ボールシートを製造したときのコントローラによる制御結果の例を示すグラフ
【図5】ダブルフェーサ入口での表裏ライナ紙の含水分量差と段ボールシートの反り高さの関係の調査結果を示すグラフ
【符号の説明】
1 芯紙
2 裏ライナ紙
3 表ライナ紙
4、5、6 ミルロールスタンド
7 シングルフェーサ
8a、8b 成形ロール
9 糊付け装置
10 片面段ボールシート
11 ダブルフェーサ
12 糊付け装置
13 段ボールシート
14 スリッタ・スコアラ
15、16、17、18 ヒータロール
16a、17a、18a 巻き掛けロール
19a、19b、19c 水分計
20 温度計
21 コントローラ
22 ロール
23 押さえベルト
24 ヒーティングボックス
25 加圧装置
26、27 コンベア

Claims (1)

  1. 波形形状に成形した芯紙と裏ライナ紙を貼り合わせて片面段ボールシートを形成するシングルフェーサと、前記片面段ボールシートと表ライナ紙を貼り合わせて段ボールシートを形成するダブルフェーサとを備え、前記貼り合わされる前の芯紙、裏ライナ紙、表ライナ紙および片面段ボールシートを、それぞれヒータロールに巻き付けて予熱するようにした段ボールシートの製造装置において、少なくとも前記裏ライナ紙を予熱するヒータロールに予熱量調節手段を設け、前記シングルフェーサの芯紙と裏ライナ紙の貼り合わせ位置近傍で裏ライナ紙の温度を検出する温度検出手段と、前記ダブルフェーサで貼り合わされる前の表ライナ紙と片面段ボールシートの裏ライナ紙の含水分量をそれぞれ検出する含水分量検出手段とを設け、前記温度検出手段で検出される裏ライナ紙の温度が所定の上下限値を越えない範囲で、前記ヒータロールによる裏ライナ紙の予熱量を前記予熱量調節手段で調節し、前記各含水分量検出手段で検出される表裏ライナ紙の含水分量の差を所定の範囲に調整して、前記芯紙と裏ライナ紙の接着不良を生じさせることなく、製造後の段ボールシートの反りの発生を防止するようにしたことを特徴とする段ボールシートの製造装置。
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