JPH08272032A - 写真感光材料及びその包装体 - Google Patents

写真感光材料及びその包装体

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JPH08272032A
JPH08272032A JP9957095A JP9957095A JPH08272032A JP H08272032 A JPH08272032 A JP H08272032A JP 9957095 A JP9957095 A JP 9957095A JP 9957095 A JP9957095 A JP 9957095A JP H08272032 A JPH08272032 A JP H08272032A
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Keiji Obayashi
慶司 御林
Yoshio Ishii
善雄 石井
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】屑発生及び付着が少なく、カメラ撮影時に屑の
写り込みが少なく、書き込まれた磁気情報があればそれ
を正確に読み取ることができ、特定のカートリッジを使
用した場合に破損がなく耐久性に優れた写真感光材料及
びその包装体を提供する。 【構成】 最外層にオルガノシリコーン系滑り剤を含有
する写真感光材料において、該オルガノシリコーン系滑
り剤の含有量が50mg/m2 以上であり、かつ、その
含有率が該層構成の写真用素材全重量の3重量%以上、
20重量%未満であることを特徴とする写真感光材料
と、それを利用した包装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真感光材料及びその包
装体に関し、特に写真感光材料の屑発生及び付着が少な
く、カメラ撮影時に屑の写り込みが少なく、書き込まれ
た磁気情報があればそれを正確に読み取ることができ、
特定のカートリッジを使用した場合に破損がなく耐久性
に優れた写真感光材料及びその包装体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料
およびその包装体においては、製造から撮影、現像に至
るまでに、感光材料の屑発生が少ないことが要求されて
いる。また、最近になって提案されている磁気記録層を
有する感材では、正確に磁気情報が読み取れることが要
望されている。従来の撮影用カラー感光材料は、カート
リッジ(パトローネ)本体に巻き込んだり送り出したり
する場合、感光材料や支持体に対して屑の発生が多く、
カメラ撮影時にこのゴミが写り込んで、プリント品質を
損なう場合があった。また、感光材料の何回かの巻き込
み、送り出しを行なうと、スプールに巻回されている感
光材料の両側面側を抑え保持するフランジが破損する、
という問題もあった。さらに、感光材料に磁気記録層を
有し、処理後にこの磁気情報を読み取る場合には、磁気
情報の読み取りエラーを発生することがあった。特に、
上記フランジが設けられたスプールと、写真感光材料を
内部から送り出すための、遮光機構付き通路(送り出し
口)が設けられたカートリッジ本体とを備えた特定構成
の包装体において、上記の屑発生防止等の課題を検討
し、それを感光材料に注目して達成したものは、今まで
知られていない。例えば、写真感光材料のスリット面の
滑り摩擦を減少させて撮影機ゲートや、フイルムガイド
等をスムーズに動けるようにした物理性の改良された感
光材料を提供するという課題に関しては、特開昭64−
77052号公報に、最外層にシリコーン系化合物を含
有し、その含有量が20mg/m2 以上であり、かつ、
その含有率が該層構成の写真用素材全重量の20重量%
以上とする写真感光材料が記載されている。
【0003】しかし、最外層にシリコーン系化合物を、
その含有率が該層中の20重量%以上にすると確かにス
リット面の滑り摩擦を減少することはできるが、最外層
の膜質、例えば、引掻き強度、可撓性、最外層とその支
持体側の層との密着性などが低下する。そのために、前
記屑の発生及び付着防止等の課題は達成できない。さら
に、高い相対湿度の下に保存した写真感光材料は、その
最外層の膜質が低下し、屑の発生が多く、そのために磁
気情報の読み取りエラーが増加することが明らかになっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、屑の
発生及び付着が少なく、カメラ撮影時に屑の写り込みが
少なく、書き込まれた磁気情報があればそれを正確に読
み取ることができる写真感光材料及びその包装体を提供
することを目的とする。更に、特定カートリッジを使用
するときの破損が少なく、優れた耐久性を与える写真感
光材料及びその包装体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記屑の
発生及び付着等の欠点は最外層にオルガノシリコーン系
滑り剤を50mg/m2 以上含有し、該層中のその含有
率を該層構成の写真用素材全重量の3重量%以上、20
重量%未満にすればよいことを見い出し、また、上記欠
点は、該写真感光材料を相対湿度55%以下に密封包装
する包装体にすれば特に充分克服されることを見い出
し、これらの知見から本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、 [1] 最外層にオルガノシリコーン系滑り剤を含有す
る写真感光材料において、該オルガノシリコーン系滑り
剤の含有量が50mg/m2 以上であり、かつ、その含
有率が該層構成の写真用素材全重量の3重量%以上20
重量%未満であることを特徴とする写真感光材料。 [2] 該写真感光材料のバック面に強磁性粉末を含む
磁性層を有する請求項1に記載の写真感光材料。 [3] カートリッジ本体101の内部に、請求項1又
は請求項2に記載の写真感光材料102を巻きつけたス
プール103を回転自在に収納し、スプール103の回
転により写真感光材料102の先端が自在にカートリッ
ジ外部に送り出し可能であり、カートリッジ本体101
は写真感光材料102を送り出すため、遮光機構を有す
る写真感光材料送り出し通路を有し、スプール103の
スプール軸112の両端内側に、それぞれ一対のリップ
付きフランジ113、114が写真感光材料保持のため
取り付けられているカートリッジ本体を収納しているこ
とを特徴とする写真感光材料包装体。 [4] 請求項1又は請求項2に記載の写真感光材料が
相対湿度55%以下、25%以上で密封包装されている
ことを特徴とする写真感光材料包装体。 上記[1]の態様では、最外層にオルガノシリコーン系
滑り剤を50mg/m2 以上含有していても、該オルガ
ノシリコーン系滑り剤の該層中の含有率を3重量%以上
20重量%未満にすることによって、屑の発生及び付着
を少なくすることができ、カメラ撮影時の屑の写り込み
を少なくすることができる。好ましい態様[2]では、
写真感光材料のバック面に強磁性粉末を含む磁性層を有
し、この態様は、上記課題が達成でき、しかも書き込ま
れた磁気情報を正確に読み取ることができる。態様
[3]は、前記[1]又は[2]の写真感光材料を使用
し、特定構造のカートリッジに巻き込み、密封包装体に
収納することによって、前記本発明の課題達成に加え、
更にカートリッジの破損がなく、耐久性が向上するとい
う効果も達成する。態様[4]は、前記[1]又は
[2]の写真感光材料の写真感光材料を相対湿度55%
以下、25%以上で密封包装することにより、前記本発
明の課題達成を容易にする。
【0007】以下、本発明をより詳細に説明する。初め
に、オルガノシリコーン系滑り剤について説明する。オ
ルガノシリコーン系滑り剤としては、その範中に入るも
のならば広く利用できるが例えば米国特許(US)3,
042,522号、同3,080,317号、同2,6
94,637号、特公昭39−15714号、英国特許
(GB)1,030,811号、同1,143,118
号、同1,528,656号、同1,275,657
号、同1,278,402号、同1,313,384
号、特公昭51−15740号、特公昭45−3423
0号、同46−27428号、特開昭49−62128
号、特公昭49−62127号、特公昭53−292
号、特公昭55−49294号、特開昭60−1403
41号、同60−140342号、同60−14034
3号、同60−188945号、同60−231704
号、同60−231720号、同60−240761
号、同60−243167号、同60−240732
号、同60−245638号、同61−216号、同6
1−232号、同61−260号等に記載されている化
合物が挙げられる。本発明においてはこれらの中で好ま
しいものとして下記一般式〔I〕、〔II〕で表される構
造単位を有するものが挙げられる。
【0008】
【化1】 一般式〔I〕において、R1 は水素原子、ヒドロキシ
基、または有機基を表わし、R2 は有機基を表し、また
1 、R2 が共に有機基を表わす場合、R1 、R2 は互
いに同じ有機基であっても異なった有機基であっても良
い。該有機基としては、炭素数1〜45のアルキル基、
アルケニル基、アルコキシ基、オキシアルキレン基、ア
リール基およびこれらの基を含む基が挙げられる。
【0009】
【化2】
【0010】一般式〔II〕において、R3 、R4 及び
5 は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基または有
機基を表わし、またR3 、R4 、R5 は互いに同じであ
っても異なっていても良い。該有機基としては、炭素数
1〜45のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
オキシアルキレン基、アリール基、およびこれらの基を
含む基が挙げられる。一般式〔II〕において、具体的
にR3 、R4 およびR5 で表わされるハロゲン原子とし
てはフッ素原子、塩素原子等が挙げられる。一般式
〔I〕および〔II〕において、具体的にR1 、R2
3 、R4 およびR5 で表わされるアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、t−ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基、テトラデ
シル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等、アルケニ
ル基としては、ビニル基、プテニル基等、アルコキシ基
としては、メトキシ基、エトキシ基、プトキシ基等、オ
キシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシ
プロピレン基、ポリオキシエチレン基等、またアリール
基としては、フェニル基等が挙げられる。具体的に
1 、R2 、R3 、R4 およびR5 で表わされるアルキ
ル基を含む基としては、−CH2 CH2 CF3 、−CH
2 CH2 CH2 Cl、−CH2 CH2 COOH、−CH
2 CH2 CH2 COOH、−CH2 CH2 CH2
2 、−CH2 CH2 CH2 NHCH2 CH2 NH2
−N(CH3 2 、−CH2 CH2 SH、−CH2 CH
2 CH2 CN、−OOCC1735等、アルケニル基を含
む基としては、−CH2 CH2 CH2 OOCC(C
3 )=CH2 、−CH2 CH2 CH2 −O−(CH2
CH2 O)3 −CH2 CH2 SO2 CH=CH2 、アル
コキシ基を含む基としては、−CH2 CH2 −O−C4
9 (n)、−OCH2 CH2 OH基、オキシアルキレ
ン基を含む基としては、−CH2 CH2 CH2 −(OC
2 4 7 −OCH3
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】 またアリール基を含む基としては、
【0013】
【化5】 等が挙げられる。本発明に用いられるオルガノシリコー
ンの粘度は、特に限定はないが、通常、25℃で測定さ
れた粘度が約10〜100,000センチストークスを
示すものが適当である。また、本発明に用いるオルガノ
シリコーンの数平均分子量は、,500〜1,000,
000まで目的に応じて用いることができるが、好まし
くは1,000〜100,000である。次に本発明に
用いることのできる具体的化合物を列挙するが、本発明
に用いられる化合物は、これらに限定されるものではな
い。
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】これらオルガノシリコーン系滑り剤は、感
光材料の最外層に添加することが必要である。ただし、
それ以外の写真感光層や反対側のバック面側の層にも添
加してもよい。写真感光材料の最外層へのこれらオルガ
ノシリコーン系滑り剤の添加量は50mg/m2 以上で
ある。その上限値は通常、1,000mg/m2 である
が、70〜500mg/m2 の範囲であることが好まし
く、100〜200mg/m2であることがより好まし
い。1,000mg/m2 を越えると製造コストの増大
や製造時の油滴故障による塗布故障の原因となることが
あるので、通常好ましくない。また、50mg/m2
り少ない量の添加では本発明の課題を達成することが困
難若しくは達成できない。
【0020】本発明の上記これらオルガノシリコーン系
滑り剤の使用量は、同時に、その含有率が同層構成の写
真用素材全重量の3重量%以上、20重量%未満であ
る。ここで同層構成の写真用素材というのは、ゼラチ
ン、該滑り剤、添加剤、その他のバインダー等の任意の
層構成材料を指し、同層構成の写真素材全重量というの
はこれら写真用素材の乾燥全重量をいう。したがって、
その含有率が同層中の写真用素材全重量の20重量%未
満とは、〔オルガノシリコーン系滑り剤重量/写真用素
材全重量〕×100(%)が20%未満であることをい
う。その含有率が20重量%以下になると膜質は劣化
し、屑発生が多くなり、本発明の課題は達成できない。
なお、3重量%より低含有率であると滑り剤としての効
果は低減すると同時に屑発生の防止効果も低下する。本
発明における当該含有率は、好ましくは5〜18重量%
の範囲である。更に好ましくは7〜15重量%である。
【0021】本発明では、写真感光材料の最外層へのこ
れらのオルガノシリコーン系滑り剤の使用及び含有率
は、バック面の最外層よりも乳剤層側の最外層に適用す
るのが好ましい。本発明においては、バック面の動摩擦
係数を低く抑えるために、下記一般式〔III〕で表わ
される高級脂肪酸エステル系の化合物および前記シリコ
ーン系化合物を滑り剤としバック面の最外層に含有させ
ることが好ましい。
【0022】
【化11】
【0023】式中、R6 、R7 は炭素数1〜60の置
換、無置換のアルキル基、アルケニル基、アリールアル
キル基、アラルキル基である。R6 とR7 の炭素数の和
は10以上である。又l1 ,m1 ,n1 は1〜6の整数
を表わす。さらに(R6 l1と(R7 m1の炭素数の総
和が30以上が好ましく、更には40以上が好ましい。
又R6 とR7 の総炭素数が30以上が特に好ましく40
以上が殊更好ましい。好ましいR6 、R7 の例として
は、例えばブチル、オクチル、ドデシル、テトラデシ
ル、ヘキサデシル、オクタデシル、Cp 2p+1(pは2
0〜60を表わす)、エイコシル、ドコサニル、メリシ
ニル、オクテニル、ミリストレイル、オレイル、エルシ
ル、フェニル、ナフチル、ベンジル、ノニルフェニル、
ジペンチルフェニルが挙げられ更にR7 はエチレン、プ
ロピレン、フェニレン、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールでもよ
い。これらの化合物は特開昭58−90633号に記載
されている。以下に好ましいエステル系滑り剤の具体例
を示す。 化合物例
【0024】
【化12】
【0025】これら脂肪酸エステルおよびシリコーン系
のバック面最外層の添加量は、0.1〜100mg/m
2 が通常であるが0.2〜20mg/m2 であることが
好ましく、0.5〜10mg/m2 であることが特に好
ましい。
【0026】バック面の最外層の滑り剤の、乳剤面側の
最外層の滑り剤に対する比率は、重量比で0.001〜
0.30が好ましく、0.003〜0.20であること
がより好ましく、0.007〜0.15であることがさ
らに好ましい。これより高いと感光性乳剤層塗布時に塗
布適性上好ましくなく、これより低いと屑発生低減等の
本発明の効果を得にくい。
【0027】次に、本発明の好ましい態様における強磁
性粉末を含む磁性層としての磁気記録層について説明す
る。磁気記録層とは、磁性体流体をバインダー中に分散
した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設し
たものであり、透明形態で利用される。上記磁性体粒子
は、γFe2 3 などの強磁性酸化鉄、Co 被着γFe
2 3、Co 被着マグネタイト、Co 含有マグネタイ
ト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、六
方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェラ
イト。Caフェライトなどを使用できる。Co 被着γF
2 3 などのCo 被着強磁性酸化鉄がこのましい。形
状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いず
れでもよい。比表面積ではSBET で20m2 /g以上が
好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体
の飽和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104
3.0×105 A/mであり、特に好ましくは4.0×
104 〜2.5×105 A/mである。強磁性体粒子
を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材による表
面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6
−161032号に記載された如くその表面にシランカ
ップリング剤又はチタンカップリング剤で処理されても
よい。又特開平4−259911号、同5−81652
号に記載の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も
使用できる。
【0028】次に磁性粒子に用いられるバインダーは、
特開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカ
リ又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘
導体,等誘導体など)およびそれらの混合物を使用する
ことができる。上記樹脂のTgは−40℃〜300℃、
重量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビ
ニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルローストリ
プロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼ
ラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテー
トが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン
系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理する
ことができる。イソシアネート系の架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート
類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反
応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3mol
とトリメチロールプロパン1molの反応生成物)、及
びこれらのイソシアネート類の縮合により生成したポリ
イソシアネートなどがあげられ、例えば特開平6−59
357号に記載されている。
【0029】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−88283
号に記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好まし
くは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜
3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ま
しくは0.5:100〜60:100からなり、より好
ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子
の塗布量は0.005〜3g/m2 、好ましくは0.0
1〜2g/m2 さらに好ましくは0.02〜0.5g/
2 である。本発明に用いられ得る磁気記録層は、写真
用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面またはスト
ライプ状に設けることができる。磁気記録層を塗布する
方法としてはエアードクター、ブレード、エアナイフ、
スクイズ、含浸、リバースロール、トランスファーロー
ル、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディップ、
バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開平5−
341436号等に記載の塗布液が好ましい。
【0030】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合わせ持
たせてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能
を付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモー
ス硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。
非球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸
化クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバ
イト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダ
イアモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、
その表面をシランカップリング剤又はチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に
添加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート
(例えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使
用するバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは
磁気記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層
を有する感光材料については、US5,336,58
9、同5,250,404、同5,229,259、同
5,215,874、EP466,130に記載されて
いる。
【0031】本発明においては、写真感光材料は相対湿
度55%以下に密封包装される。相対湿度の下限値は2
5%である。本発明では、相対湿度は30〜50%の範
囲に保持されるのが好ましい。さらに、35〜45%の
範囲がより好ましい。相対湿度が55%を越える高湿度
に密封包装されると、写真性の変動、例えば、カブリ増
加や階調、感度の変化それに膜質の劣化、例えば、屑の
発生増や接着故障などが生じる場合がある。本発明で
は、相対湿度を低くすることが本発明の課題達成に好ま
しいが、下限値25%より低い相対湿度に密封包装して
保持するには包装、保存方法等の経費が増大するという
問題が生じる。
【0032】上記相対湿度を保持するための温度範囲は
通常0〜50℃である。好ましくは10〜40℃であ
り、15〜30℃の範囲がより好ましい。50℃より高
い温度では、たとえ相対温度を低くしても、長時間保存
すると上記のような写真性能や膜質の変化が生じる場合
がある。0℃より低いと結露したり、写真感光材料の膜
質、例えば、可撓性などの低下が生じる場合がある。
【0033】本発明でいう密封包装とは、通常、包装の
分野でよく知られている防湿性の包装を行うことであ
る。包装材料としては、アルミ板、ブリキ板、アルミ箔
などの金属及び金属箔、ガラス、あるいはポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミドなどの
高分子、各種ポリマーとセロハン、紙、アルミ箔等の素
材による複合積層材(包装用語でいうラミネート材料)
などが用いられる。密封の封緘方法としては、各種接着
剤を用いた接着剤法、ヒートシールなどの熱融着法、そ
の他当写真業界では一般的なパトローネケースを用いた
方法やレンズ付フイルムユニット、例えば、”写ルンで
す”[登録商標](富士写真フイルムKK製)などの手
法を用いることができる。これら封緘方法の詳細は「食
料包装技術便覧」(日本包装技術協会編)p573〜6
09などに記載されている。本発明では、ロール型の写
真感光材料ではポリエチレン、ポリプロピレンなどの高
分子材でできたパトローネケース、上記レンズ付フイル
ムユニットの包装形態や前記本発明の特定構造のカート
リッジ本体包装体が好ましく、シート型の写真感光材料
ではポリエチレンなどをヒートシールしたものなどが好
ましい。これらの密封包装は二重に行われてもよい。
【0034】相対湿度を本発明のように55%以下25
%以上で包装する方法としては、写真感光材料を低湿の
部屋で包装してもよいし、該写真感光材料の乾燥時に通
常より低湿に乾燥しておく方法でもよく、また、密封さ
れる中に公知の乾燥剤、例えば、シリカゲルなどを入れ
ることにより低湿化してもよい。
【0035】次に、図を参照しつつ、本発明の一態様で
ある写真感光材料包装体(以下、「写真フイルムパトロ
ーネ」ともいう。)100の構造についてまず説明す
る。図1は、その写真フイルムパトローネの分解斜視
図、図2は、それを半径方向から見た図、図3は、それ
を図2とは異なる位置で、半径方向から見た図である。
写真フイルムパトローネ100は、パトローネ本体10
1の内部に、写真感光材料(写真フイルム)102を巻
き付けたスプール103を回動自在に収納しており、パ
トローネ本体101の外周にパトローネラベル104が
粘着されている。カートリッジ本体(パトローネ本体)
101は、2つの成形部品である上・下ケース105、
106からなる。
【0036】ゲート150を有する上ケース105と、
下ケース106との正面側合わせ目には写真フイルム1
02を送り出すためのフイルム送り出し口107(通
路)が形成されている。フイルム送り出し口107の奥
には、ここからの入光を防止するための蓋部材108
と、これの奥に配置され写真フイルム102の先端を分
離するための分離爪109とがそれぞれ設けられてい
る。蓋部材108は、両端部にそれぞれキー溝110、
111が形成され、カメラに装填された際にキー溝11
0、111に係合するカメラ側の開閉用駆動軸の回動に
よってフイルム送り出し口107を塞ぐ閉じ位置と写真
フイルムの出入りが許容される開き位置との間で回動さ
れる。図5には、ロックポウル144と蓋部材108が
係合し、蓋部材が閉じ位置でロックされた状態を示して
ある。
【0037】スプール103は、スプール軸112の両
端内側にそれぞれ一対のリップ付きフランジ113、1
14が取り付けられ、一方のフランジ113の外側にデ
ータディスクが設けられている。また他方のフランジ1
14の外側に使用表示部材123が取り付けられる。デ
ータディスク115には、データラベルが貼付けられ
る。スプール軸112、データディスク115、各フラ
ンジ113、114が係合する一対のフランジ係合部1
17、118、写真フイルム後端係止用のスリット11
9、及び使用表示部材支持部120とがそれぞれ一体に
形成されており、カメラに装填された際にスプーツ10
3の両端部に設けたカギ穴上のキー溝121、122に
カメラ側の駆動軸が係合し、この駆動軸の回転によって
回動される。
【0038】使用表示部材123には、軸受け部12
4、2つのラチェット爪125、ギヤ126、及び使用
表示板127とが一体に形成されており、これらはスプ
ール軸112と一体に回転する。
【0039】写真フイルムパトローネ100の内部は、
ギヤ126と噛み合うようにスプールロック128が収
納されている。このスプールロック128は、蓋部材1
09が閉じる位置にある時には、ギヤ126に係合して
スプール軸112の回転ロックを行い、不用意な写真フ
イルム102の送り出しを防止し、また、蓋部材109
が開き位置にある時にはギヤ126との係合を解除す
る。
【0040】一対のフランジ113、114は、プラス
チック材料で成形されており、断面が薄肉カップ状とな
っている。カップ状の底部にはフランジ係合部117、
118に回動自在に係合する丸穴129、130がそれ
ぞれ設けられている。また、カップ状の開口縁部13
1、132は、スプール軸112に取り付けられた際に
互いに向き合うようになり、これらの間に巻回される写
真フイルム102の最外周両端を包み込む(図6参
照)。これらの開口縁部131、132によってスプー
ル103の回転を写真フイルム102の最外周まで伝達
させることができるとともに、フイルムロール142の
巻き緩みを防止している。
【0041】フランジ114には、丸穴130を取り囲
むように、所定ピッチで4個の穴133が形成されてい
る。これらの穴133には、スプール軸112が写真フ
イルム送り出し方向に回転した際に使用表示部材123
のラチェット爪125が係合する。ラチェット爪125
は、前記穴133に係合した際にスプール軸112の回
転をフランジ114に伝達させ、スプール軸112が写
真フイルム巻き取り方向に回転した際には使用表示部材
123のラチェット爪125が前記穴133を乗り越
え、スプール軸112の回転をフランジ114に伝達さ
せることはない。
【0042】ところで、写真フイルム102を送り出す
際には、スプール103をフイルム送り出し方向に回転
させる。スプール103がフイルム送り出し方向に回転
させられると、写真フイルム102の先端が分離爪10
9に接触し、写真フイルム先端の内側に巻回された部分
から分離される。続いてスプール103が回転させられ
ると、厚みが薄い一対のフランジ113、114は弾性
を有しているから、分離されたフイルム先端によってそ
れぞれ外側に押し広げられ、これによって一対のフラン
ジ113、114の包み込みから開放された写真フイル
ム先端(図3の143)はフイルム送り出し口を通じて
写真フイルムパトローネ100の外に送り出される。ま
た、スプール軸112が写真フイルム巻き取り方向(写
真フイルム送り出し方向とは逆方向)に回転した際には
フランジ113、114ともスプール軸112と一体に
回転することはない。したがって、写真フイルム102
を巻き取る際には、フランジ113、114が回転しな
いことから、これらの開口縁部131、132と写真フ
イルム102との間に滑りを生じ、写真フイルム102
がフランジの開口縁部131、132の下に滑り込むこ
とによって写真フイルムが巻き込まれる。
【0043】データディスク115は、大径扇型部分1
34と切り欠き部分135とからなる。バーコードラベ
ル116は、データディスク115と相似の形状をして
おり、データディスクに貼り付けられる。
【0044】バーコードラベル116には、バーコード
が印刷されており、様々な情報、例えば収納する写真フ
イルム102の種類等を表している。この情報は、スプ
ール103がフイルム送り出し方向に回転された際に、
図5に示すように、上ケース105の一側面に形成され
た開口136を介してカメラ側に設けた読取りセンサに
よって読み取られ、露出値の算出や収納された写真フイ
ルムの露光枚数のカウント等に用いられる。
【0045】この写真フイルムパトローネ100では、
写真フイルム102の先端までも全部収納するため、未
露光の写真フイルムかそれとも露光済みの写真フイルム
が収納されているのかが外観から見ても区別がつかな
い。そこで、露光済みの写真フイルムを収納した写真フ
イルムパトローネ100が再度カメラに装填されて撮影
が行われることを防止するために、後装填防止用の開口
137を下ケース106の一側面に形成している。この
一側面は、カメラのパトローネ室に向けて挿入される側
であり、パトローネ室内には開口137に入り込むレバ
ーが設けられている。
【0046】写真フイルムパトローネ100は、露光済
みの写真フイルムを収納している場合には開口137に
大径扇型部分134を露呈した状態となるように、ま
た、未露光の写真フイルムを収納している場合には開口
137に大径扇型部分134を露呈していない状態とな
るようにカメラ側の駆動軸によってスプール103の停
止位置が制御される。したがって、カメラ側ではレバー
の移動量を検出することで露光済み又は未露光の写真フ
イルムのどちらを収納しているかを見分けることができ
る。
【0047】さらに、ユーザーが外観から見ても把握で
きるように、この写真フイルムパトローネ100では、
図4に示すように、他の側面(開口136、137を設
けた側面とは反対側の側面)に、未露光の写真フイルム
が収納された際の使用状況表示用開口138、一部に撮
影を行った写真フイルムを収納した時の使用状況表示用
開口139、全部に撮影を行った露光済みの写真フイル
ムを収納した際の使用状況表示用開口140、及び現像
済みの写真フイルムを収納した際の使用状況表示用開口
141とを形成し、スプール103の停止位置を制御し
て奥に位置する使用表示板127を前記4つの使用状況
表示用開口138〜141のうち何れかに露呈させて写
真フイルムの使用状況を表示するようにしている。
【0048】さらに、本パトローネ100には、収納さ
れた写真フイルム102の感度検出用に用いられる感度
検出ノッチ145が設けられている。これは、バーコー
ドラベルに書かれたバーコードを読むバーコードリーダ
ーを持たない安価カメラで感度を検出するためのノッチ
である。図Eのように感度検出用ノッチ145が設けら
れている場合は、収納された写真フイルム102がIS
O感度400以上であり、ノッチがない場合はISO感
度400以下であることを示している。
【0049】さらに、本パトローネ100には、収納さ
れた写真フイルム102が現像済みか否かを表す現像済
み表示タブが設けられている。図Dに示されるように、
このタブ147はパトローネ100の一側面に設けられ
た開口146内に設けられ、このタブ147が折り取ら
れている場合には収納された写真フイルム102が現像
済みであることを示している。
【0050】次に、本発明のパトローネ100の製法の
代表例について具体的に述べる。上ケース・下ケース1
05、106、スプール103、及び蓋部材108は、
ハイインパクトポリスチレン樹脂(電気化学工業製 デ
ンカスチロール HI−R−Q)に、遮光性を付与する
ためにカーボンブラック(三菱化学製 三菱カーボンブ
ラック #950)1.0重量%、及び滑性を付与する
ためのシリコーンオイル(信越化学工業製 信越シリコ
ーン KF96H−粘度3万cs)1.5重量%を混練し
た樹脂を用い射出成形法によって成形する。使用表示部
材123は、上述のハイインパクトポリスチレン樹脂
に、上述のカーボンブラック0.01重量%、及び酸化
チタン(石原産業製 CR60−2)3.5重量%を混
練した樹脂を用い射出成形法によって成形する。
【0051】フランジ113、114は、ポリスチレン
樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂のポリマーアロイ
(旭化成製 ザイロン X9101)から作られた厚み
150μmのフイルムを用い、真空・圧空法によって成
形する。
【0052】パトローネラベル104は、まず厚み50
μmの白色顔料入ポリスチレンフイルムの片面に印刷適
正を付与するコーティングを行い、その裏面に粘着剤を
付設した後剥離紙を張り付けた離型紙付き粘着ラベル原
反を作成する。その原反の表面に図7に示したように、
数字で書かれたパトローネID番号印刷スペース15
1、メーカー名、商品名、フイルムの種類・感度・露光
枚数、注意書き、及びユーザーが記入するメモ欄等を印
刷する品種等の印刷スペース152、及びバーコード印
刷スペース153がある。まず品種等印刷スペースを印
刷し、その後ハーフカット加工を行い、さらにその後で
バーコード及びパトローネID番号を印刷して作成す
る。バーコードには、製造業者名、製造ロット、製造
日、収納された写真フイルムの種類、感度、露光枚数、
及びパトローネID番号等がコード化されて印刷されて
いる。カートリッジID番号は、カートリッジ一個一個
に付けられた固有の番号である。
【0053】バーコードラベル116は、厚み50μm
の透明ポリスチレンフイルムの片面に厚さ約400オン
グストロームのアルミ蒸着層を設け、その上に粘着剤を
付設した後剥離紙を張り付けた離型紙付き粘着ラベルを
作成し、アルミ蒸着層の反対面にバーコードを印刷した
後、外周部分のハーフカットを行い、さらに中央の穴抜
き加工を行って作成する。
【0054】本発明の写真感光材料は、支持体上に少な
くとも1層の感光性層が設けられていればよい。典型的
な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであ
るが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る
感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光
材料である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色
光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層
ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単
位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑
感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に
応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中
に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得
る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最
下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、後述
のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれてい
てもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化
銀乳剤層は、DE1,121,470あるいはGB92
3,045に記載されているように高感度乳剤層、低感
度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低く
なる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57−1
12751号、同62−200350号、同62−20
6541号、同62−206543号に記載されている
ように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近
い側に高感度乳剤層を設置してもよい。具体例として支
持体から最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/
高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)
/低感度緑感光性層(GL)/高感度赤感光性層(R
H)/低感度赤感光性層(RL)/の順、又はBH/B
L/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/
GH/GL/RL/RHの順等に設置することができ
る。また特公昭55−34932号公報に記載されてい
るように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH
/RH/GL/RLの順に配列することもできる。また
特開昭56−25738号、同62−63936号に記
載されているように、支持体から最も遠い側から青感光
性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもで
きる。また特公昭49−15495号に記載されている
ように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中
層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層
を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配
置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度
の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよ
うな感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開
昭59−202464号に記載されているように、同一
感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤
層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよ
い。その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤
層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤
層の順に配置されてもよい。また、4層以上の場合に
も、上記の如く配列を変えてよい。色再現性を改良する
ために、US4,663,271、同4,705,74
4、同4,707,436、特開昭62−160448
号、同63−89850号の明細書に記載の、BL,G
L,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効
果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接し
て配置することが好ましい。
【0055】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨ
ウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましい
のは約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含む
ヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中の
ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のよう
な規則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則
的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有す
るもの、あるいはそれらの複合形でもよい。ハロゲン化
銀の粒径は、約0.2μm以下の微粒子でも投影面積直
径が約10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多
分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。本発明に使用できる
ハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロ
ジャー(以下、RDと略す)NO .17643(197
8年12月),22〜23頁,”I.乳剤製造(Emu
lsion preparation and typ
es)”、および同NO .18716(1979年11
月),648頁、同NO .307105(1989年1
1月),863〜865頁、およびグラフキデ著「写真
の物理と化学」,ポールモンテル社刊(P.Glafk
ides,Chemie et Phisique P
hotographique,Paul Monte
l,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォー
カルプレス社刊(G.F.Duffin,Photog
raphic EmulsionChemistry,
Focal Press,1966)、ゼリクマンら著
「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊
(V.L.Zelikman,et al.,Maki
ng and Coating Photograph
ic Emulsion,Focal Press,1
964)などに記載された方法を用いて調製することが
できる。
【0056】US3,574,628、同3,655,
394およびGB1,413,748に記載された単分
散乳剤も好ましい。また、アスペクト比が約3以上であ
るような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子
は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アン
ド・エンジニアリング(Gutoff,Photogr
aphic Science and Enginee
ring)、第14巻248〜257頁(1970
年);US4,434,226、同4,414,31
0、同4,433,048、同4,439,520およ
びGB2,112,157に記載の方法により簡単に調
製することができる。結晶構造は一様なものでも、内部
と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、
層状構造をなしていてもよい。エピタキシャル接合によ
って組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよ
く、例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてもよい。上記の乳剤は潜像を主とし
て表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する
内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有する型
のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要で
ある。内部潜像型のうち、特開昭63−264740号
に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよ
く、この調製方法は特開昭59−133542号に記載
されている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によ
って異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nm
が特に好ましい。
【0057】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はRDNO .17643、
同NO .18716および同NO .307105に記載
されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。本発
明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイ
ズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度
の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、
同一層中に混合して使用することができる。US4.0
82.553に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子、US4.626.498、特開昭59−214
852号に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒
子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/ま
たは実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用するこ
とが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲ
ン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問
わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化
銀粒子のことをいい、その調製法は、US4.626.
498、特開昭59−214852号に記載されてい
る。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化
銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、ハロゲン組
成が異なっていてもよい。粒子内部または表面をかぶら
せたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化
銀、塩沃臭化銀のいずれも用いることができる。これら
のかぶらされたハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズとし
ては0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μ
mが好ましい。また、粒子形状は規則的な粒子でもよ
く、多分散乳剤でもよいが、単分散性(ハロゲン化銀粒
子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均粒子径
の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが好
ましい。
【0058】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において、実質的に現像されな
いハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされて
いないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀
の含有率が0〜100モル%であり、必要に応じて塩化
銀および/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは
沃化銀を0.5〜10モル%含有するものである。微粒
子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の
平均値)が0.01〜0.5μmが好ましく、0.02
〜0.2μmがより好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、
通常の感光性ハロゲン化銀と同様の方法で調製できる。
ハロゲン化銀粒子の表面は、光学的に増感される必要は
なく、また分光増感も不要である。ただし、これを塗布
液に添加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、
アザインデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメル
カプト系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を
添加しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀
粒子含有層に、コロイド銀を含有させることができる。
本発明における感光材料の塗布銀量は、6.0g/m2
以下が好ましく、4.5g/m2 以下が最も好ましい。
【0059】本発明に使用できる写真用添加剤もRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増白剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.光吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フイルター 〜650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 7.可塑剤 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 8.塗布助剤 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 9.スタチツク 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 10. マツト剤 878〜879頁
【0060】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー;EP502,424Aの式(I)、
(II)で表されるカプラー;EP513,496Aの
式(1)、(2)で表されるカプラー(特に18頁のY
−28);EP568,037Aのクレーム1の式
(I)で表されるカプラー;US5,066,576の
カラム1の45〜55行の一般式(I)で表されるカプ
ラー;特開平4−274425の段落0008の一般式
(I)で表されるカプラー;EP498,381A1の
40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD
−35);EP447,969A1の4頁の式(Y)で
表されるカプラー(特にY−1(17頁)、Y−54
(41頁));US4,476,219のカラム7の3
6〜58行の式(II)〜(IV)で表されるカプラー
(特に11−17、19(カラム17)、II−24
(カラム19))。 マゼンタカプラー;特開平3−39737号(L−57
(11頁右下)、L−68(12頁右下)、L−77
(13頁右下);EP456,257の[A−4]−6
3(134頁)、[A−4]−73、−75(139
頁);EP486,965のM−4、−6(26頁)、
M−7(27頁);EP571,959AのM−45
(19頁);特開平5−204106号の(M−1)
(6頁);特開平4−362631号の段落0237の
M−22。 シアンカプラー;特開平4−204843号のCX−
1、3、4、5、11、12、14、15(14〜16
頁);特開平4−43345号のC−7、10(35
頁)、34、35(37頁)、(I−1)、(I−1
7)(42〜43頁);特開平6−67385号の請求
項1の一般式(Ia)または(Ib)で表されるカプラ
ー。 ポリマーカプラー;特開平2−44345号のP−1、
P−5(11頁)。
【0061】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US4,366,237、GB2,125,
570、EP96,873B、DE3,234,533
に記載のものが好ましい。発色色素の不要吸収を補正す
るためのカプラーは、EP456,257A1の5頁に
記載の式(CI)、(CII)、(CIII)、(CI
V)で表されるイエローカラードシアンカプラー(特に
84頁のYC−86)、該EPに記載のイエローカラー
ドマゼンタカプラーExM−7(202頁)、EX−1
(249頁)、EX−7(251頁)、US4,83
3,069に記載のマゼンタカラードシアンカプラーC
C−9(カラム8)、CC−13(カラム10)、US
4,837,136の(2)(カラム8)、W092/
11575のクレーム1の式(A)で表される無色のマ
スキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が
好ましい。現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化
合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:
EP378,236A1の11頁に記載の式(I)、
(II)、(III)、(IV)で表される化合物(特
にT−101(30頁)、T−104(31頁)、T−
113(36頁)、T−131(45頁)、T−144
(51頁)、T−158(58頁))、EP436,9
38A2の7頁に記載の式(I)で表される化合物(特
にD−49(51頁))、EP568,037Aの式
(I)で表される化合物(特に(23)(11頁))、
EP440,195A2の5〜6頁に記載の式(I)、
(II)、(III)で表される化合物(特に29頁の
I−(1));漂白促進剤放出化合物:EP310,1
25A2頁の5頁の式(I)、(I’)で表される化合
物(特に61頁の(60)、(61))及び特開平6−
59411の請求項1の式(I)で表される化合物(特
に(7)(7頁);リガンド放出化合物:US4,55
5,478のクレーム1に記載のLIG−Xで表される
化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物);
ロイコ色素放出化合物:US4,749,641のカラ
ム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US
4,774,181のクレーム1のCOUP−DYEで
表される化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜1
1);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US4,
656,123のカラム3の式(1)、(2)、(3)
で表される化合物(特にカラム25の(I−22))及
びEP450,637A2の75頁36〜38行目のE
xZK−2;離脱して初めて色素となる基を放出する化
合物:US4,857,447のクレーム1の式(I)
で表される化合物(特にカラム25〜36のY−1〜Y
−19)。
【0062】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒:特開昭62−215272
号のP−3、5、16、19、25、30、42、4
9、54、55、66、81、85、86、93(14
0〜144頁);油溶性有機化合物の含浸用ラテック
ス:US4,199,363に記載のラテックス;現像
主薬酸化体スカベンジヤー:US4,978,606の
カラム2の54〜62行目の式(I)で表される化合物
(特にI−、(1)、(2)、(6)、(12)、(カ
ラム4〜5)、US4,923,787のカラム2の5
〜10行の式(特に化合物1(カラム3);ステイン防
止剤:EP298321Aの4頁30〜33行の式
(I)〜(III)、特にI−47、72、III−
1、27(24〜48頁);褪色防止剤:EP2983
21AのA−6、7、20、21、23、24、25、
26、30、37、40、42、48、63、90、9
2、94、164(69〜118頁)、US5,12
2,444のカラム25〜38のII−1〜III−2
3、特にIII−10、EP471347Aの8〜12
頁のI−1〜III−4、特にII−2、US5,13
9,931のカラム32〜40のA−1〜48、特にA
−39、42;発色増強剤または混色防止剤の使用量を
低減させる素材:EP411324Aの5〜24頁のI
−1〜II−15、特にI−46;ホルマリンスカベン
ジヤー:EP477932Aの24〜29頁のSCV−
1〜28、特にSCV−8;硬膜剤:特開平1−214
845の17頁のH−1、4、6、8、14、US4,
618,573のカラム13〜23の式(VII)〜
(XII)で表される化合物(H−1〜54)、特開平
2−214852の8頁右下の式(6)で表される化合
物(H−1〜76)、特にH−14、US3,325,
287のクレーム1に記載の化合物;現像抑制剤プレカ
ーサー:特開昭62−168139号のP−24、3
7、39(6〜7頁);US5,019,492のクレ
ーム1に記載の化合物、特にカラム7の28、29;防
腐剤、防黴剤:US4,923,790のカラム3〜1
5のI−1〜III−43、特にII−1、9、10、
18、III−25;安定剤、かぶり防止剤:US4,
923,793のカラム6〜16のI−1〜(14)、
特にI−1、60、(2)、(13)、US4,95
2,483のカラム25〜32の化合物1〜65、特に
36:化学増感剤:トリフエニルホスフイン セレニ
ド、特開平5−40324号の化合物50;染料:特開
平3−156450号の15〜18頁のa−1〜b−2
0、特にa−1、12、18、27、35、36、b−
5、27〜29頁のV−1〜23、特にV−1、EP4
45627Aの33〜55頁のF−I−1〜F−II−
43、特にF−I−11、F−II−8、EP4571
53Aの17〜28頁のIII−1〜36、特にIII
−1、3、WO88/04794の8〜26のDye−
1〜124の微結晶分散体、EP319999Aの6〜
11頁の化合物1〜22、特に化合物1、EP5193
06Aの式(1)ないし(3)で表される化合物D−1
〜87(3〜28頁)、US4,268,622の式
(I)で表される化合物1〜22(カラム3〜10)、
US4,923,788の式(I)で表される化合物
(1)〜(31)(カラム2〜9);UV吸収剤:特開
昭46−3335号の式(1)で表される化合物(18
b)〜(18r)、101〜427(6〜9頁)、EP
520938Aの式(I)で表される化合物(3)〜
(66)(10〜44頁)及び式(III)で表される
化合物HBT−1〜10(14頁)、EP521823
Aの式(1)で表される化合物(1)〜(31)(カラ
ーム2〜9)。
【0063】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフイルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フイルム、カラーペーパー、カラーポジフイルムおよ
びカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料と
して利用することができる。また、特公平2−3261
5号、実公平3−39784号に記載されているレンズ
付きフイルムユニット用に好適である。本発明に使用で
きる適当な支持体は、例えば、前述のRD、No.17
643の28頁、同No.18716の647頁右欄か
ら648頁左欄、および同No.307105の879
頁に記載されている。本発明の感光材料は、乳剤層を有
する側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以
下であることが好ましく、23μm以下がより好まし
く、18μm以下が更に好ましく、16μm以下が特に
好ましい。また膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好まし
く、20秒以下がより好ましい。T1/2 は、発色現像液
で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜
厚の90%を飽和膜厚としたとき、その膜厚が1/2に
到達するまでの時間と定義する。膜厚は25℃相対湿度
55%調湿度(2日)で測定した膜厚を意味し、T1/2
は、エー・グリーン(A.Green)らのフォトグラ
フイック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(P
hotogr.Sci.Eng.)、19巻、2、12
4〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を
使用することにより測定できる。T1/2 は、バインダー
としてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布
後の経時条件を変えることによって調整することができ
る。また、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤
率とは、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、
式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚により計算できる。
本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾
燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性コロイド層
(バック層と称す)を設けることが好ましい。このバッ
ク層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸
収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑
剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させることが
好ましい。このバック層の膨潤率は150〜500%が
好ましい。
【0064】本発明の感光材料は、前述のRD.No.
17643の28〜29頁、同No.18716の65
1左欄〜右欄、および同No.307105の880〜
881頁に記載された通常の方法によって現像処理する
ことができる。また、感光材料に塗布された磁気記録層
へのゴミの付着を軽減するには、特開平6−28955
9に記載の安定液が好ましく利用できる。
【0065】次に、本発明に使用され得るカラーネガフ
イルム用の処理液について説明する。本発明に使用され
る発色現像液には、特開平4−121739の第9頁右
上欄1行〜第11頁左下欄4行に記載の化合物を使用す
ることができる。特に迅速な処理を行う場合の発色現像
主薬としては、2−メチル−4−〔N−エチル−N−
(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、2−メチ
ル−4−〔N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピ
ル)アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチル
−N−(4−ヒドロキシブチル)アミノ〕アニリンが好
ましい。これらの発色現像主薬は発色現像液1リットル
あたり0.01〜0.08モルの範囲で使用することが
好ましく、特には、0.015〜0.06モル、更には
0.02〜0.05モルの範囲で使用することが好まし
い。また発色現像液の補充液には、この濃度の1.1〜
3倍の発色現像主薬を含有させておくことが好ましく、
特に1.3〜2.5倍を含有させておくことが好まし
い。
【0066】発色現像液の保恒剤としては、ヒドロキシ
ルアミンが広範に使用できるが、より高い保恒性が必要
な場合は、アルキル基やヒドロキシアルキル基、スルホ
アルキル基、カルボキシアルキル基などの置換基を有す
るヒドリキシルアミン誘導体が好ましく、具体的には
N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミン、モノメ
チルヒドロキシアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、
モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシル
アミン、N,N−ジ(カルボキエチル)ヒドロキルアミ
ンが好ましい。上記の中でも、N,N−ジ(スルホエチ
ル)ヒドロキルアミンが好ましい。これらはヒドロキシ
ルアミンと併用してもよいが、好ましくはヒドロキシル
アミンの代わりに、1種または2種以上使用することが
好ましい。保恒剤は1リットルあたり0.02〜0.2
モルの範囲で使用することが好ましく、特に0.03〜
0.15モル、更には0.04〜0.1モルの範囲で使
用することが好ましい。また補充液においては、発色現
像主薬の場合と同様に、母液(処理タンク液)の1.1
〜3倍の濃度で保恒剤を含有させておくことが好まし
い。発色現像液には、発色現像主薬の酸化物のタール化
防止剤として亜硫酸塩が使用される。亜硫酸塩は1リッ
トルあたり0.01〜0.05モルの範囲で使用するの
が好ましく、特には0.02〜0.04モルの範囲が好
ましい。補充液においては、これらの1.1〜3倍の濃
度で使用することが好ましい。また、発色現像液のpH
は9.8〜11.0の範囲が好ましいが、特には10.
0〜10.5が好ましく、また補充液においては、これ
らの値から0.1〜1.0の範囲で高い値に設定してお
くことが好ましい。このようなpHを安定して維持する
には、炭酸塩、リン酸塩、スルホサリチル酸塩、ホウ酸
塩などの公知の緩衝剤が使用される。
【0067】発色現像液の補充量は、感光材料1m2
たり80〜1300ミリリットルが好ましいが、環境汚
濁負荷の低減の観点から、より少ない方が好ましく、具
体的には80〜600ミリリットル、更には80〜40
0ミリリットルが好ましい。発色現像液中の臭化物イオ
ン濃度は、通常、1リットルあたり0.01〜0.06
モルであるが、感度を保持しつつカブリを抑制してディ
スクリミネーションを向上させ、かつ、粒状性を良化さ
せる目的からは、1リットルあたり0.015〜0.0
3モルに設定することが好ましい。臭化物イオン濃度を
このような範囲に設定する場合に、補充液には下記の式
で算出した臭化物イオンを含有させればよい。ただし、
Cが負になる時は、補充液には臭化物イオンを含有させ
ないことが好ましい。 C=A−W/V C:発色現像補充液中の臭化物イオン濃度(モル/リッ
トル) A:目標とする発色現像液中の臭化物イオン濃度(モル
/リットル) W:1m2 の感光材料を発色現像した場合に、感光材料
から発色現像液に溶出する臭化物イオンの量(モル) V:1m2 の感光材料に対する発色現像補充液の補充量
(リットル) また、補充量を低減した場合や、高い臭化物イオン濃度
に設定した場合、感度を高める方法として、1−フェニ
ル−3−ピラゾリドンや1−フェニル−2−メチル−2
−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリンに代表されるピラ
ゾリドン類や3,6−ジチア−1,8−オクタンジオー
ルに代表されるチオエーテル化合物などの現像促進剤を
使用することも好ましい。
【0068】本発明に対して使用できる漂白能を有する
処理液には、特開平4−125558の第4頁左下欄1
6行〜第7頁左下欄6行に記載された化合物や処理条件
を適用することができる。漂白剤は酸化還元電位が15
0mV以上のものが好ましいが、その具体例としては特
開平5−72694、同5−173312に記載のもの
が好ましく、特に1,3−ジアミノプロパン四酢酸、特
開平5−173312号第7頁の具体例1の化合物の第
二鉄錯塩が好ましい。また、漂白剤の生分解性を向上さ
せるには、特開平4−251845、同4−26855
2、EP588,289、同591,934、特開平6
−208213に記載の化合物第二鉄錯塩を漂白剤とし
て使用することが好ましい。これらの漂白剤の濃度は、
漂白能を有する液1リットルあたり0.05〜0.3モ
ルが好ましく、特に環境への排出量を低減する目的か
ら、0.1モル〜0.15モルで設計することが好まし
い。また、漂白能を有する液が漂白液の場合は、1リッ
トルあたり0.2モル〜1モルの臭化物を含有させるこ
とが好ましく、特に0.3〜0.8モルを含有させるこ
とが好ましい。漂白能を有する液の補充液には、基本的
に以下の式で算出される各成分の濃度を含有させる。こ
れにより、母液中の濃度を一定に維持することができ
る。 CR =Cγ×(V1 +V2 )/V1 +CPR :補充液中の成分の濃度 Cγ:母液(処理タンク液)中の成分の濃度 CP :処理中に消費された成分の濃度 V1 :1m2 の感光材料に対する漂白能を有する補充液
の補充量(ミリリットル) V2 :1m2 の感光材料による前浴からの持ち込み量
(ミリリットル) その他、漂白液にはpH緩衝剤を含有させることが好ま
しく、特にコハク酸、マレイン酸、マロン酸、グルタル
酸、アジピン酸など、臭気の少ないジカルボン酸を含有
させることが好ましい。また、特開昭53−9563
0、RDNo.17129、US3,893,858に
記載の公知の漂白促進剤を使用することも好ましい。漂
白液には、感光材料1m2 あたり50〜1000ミリリ
ットルの漂白補充液を補充することが好ましく、特には
80〜500ミリリットル、さらには100〜300ミ
リリットルの補充をすることが好ましい。さらに漂白液
にはエアレーションを行なうことが好ましい。
【0069】定着能を有する処理液については、特開平
4−125558の第7頁左下欄10行〜第8頁右下欄
19行に記載の化合物や処理条件を適用することができ
る。特に、定着速度と保恒性を向上させるために、特開
平6−301169の一般式(I)と(II)で表わさ
れる化合物を、単独あるいは併用して定着能を有する処
理液に含有させることが好ましい。またp−トルエンス
ルフィン酸塩をはじめ、特開平1−224762に記載
のスルフィン酸を使用することも、保恒性の向上の上で
好ましい。漂白能を有する液や定着能を有する液には、
脱銀性の向上の観点からカチオンとしてアンモニウムを
用いることが好ましいが、環境汚染低減の目的からは、
アンモニウムを減少或いはゼロにする方が好ましい。漂
白、漂白定着、定着工程においては、特開平1−309
059に記載のジェット撹拌を行なうことが特に好まし
い。漂白定着また定着工程における補充液の補充量は、
感光材料1m2 あたり100〜1000ミリリットルで
あり、好ましくは150〜700ミリリットル、特に好
ましくは200〜600ミリリットルである。漂白定着
や定着工程には、各種の銀回収装置をインラインやオフ
ラインで設置して銀を回収することが好ましい。インラ
インで設置することにより、液中の銀濃度を低減して処
理できる結果、補充量を減少させることができる。ま
た、オフラインで銀回収して残液を補充液として再利用
することも好ましい。漂白定着工程や定着工程は複数の
処理タンクで構成することができ、各タンクはカスケー
ド配管して多段向流方式にすることが好ましい。現像機
の大きさとのバランスから、一般には2タンクカスケー
ド構成が効率的であり、前段のタンクと後段のタンクに
おける処理時間の比は、0.5:1〜1:0.5の範囲
にすることが好ましく、特には0.8:1〜1:0.8
の範囲が好ましい。漂白定着液や定着液には保恒性の向
上の観点から金属錯体になっていない遊離のキレート剤
を存在させることが好ましいが、これらのキレート剤と
しては、漂白液に関して記載した生分解性キレート剤を
使用することが好ましい。
【0070】水洗及び安定化工程に関しては、上記の特
開平4−125558、第12頁右下欄6行〜第13頁
右下欄第16行に記載の内容を好ましく適用することが
できる。特に、安定液にはホルムアルデヒドに代わって
EP504,609、同519,190に記載のアゾリ
ルメチルアミン類や特開平4−362943に記載のN
−メチロールアゾール類を使用することや、マゼンタカ
プラーを二当量化してホルムアルデヒドなどの画像安定
化剤を含まない界面活性剤の液にすることが、作業環境
の保全の観点から好ましい。また、感光材料に塗布され
た磁気記録層へのゴミの付着を軽減するには、特開平6
−289559に記載の安定液が好ましく使用できる。
水洗および安定液の補充量は、感光材料1m2 あたり8
0〜1000ミリリットルが好ましく、特には100〜
500ミリリットル、さらには150から300ミリリ
ットルが、水洗または安定化機能の確保と環境保全のた
めの廃液減少の両面から好ましい範囲である。このよう
な補充量で行なう処理においては、バクテリアや微の繁
殖防止のために、チアベンダゾール、1,2−ベンゾイ
ソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチルイソ
チアゾリン−3−オンのような公知の防微剤やゲンタマ
イシンのような抗生物質、イオン交換樹脂等によって脱
イオン処理した水を用いることが好ましい。脱イオン水
と防菌剤や抗生物質は、併用することがより効果的であ
る。また、水洗または安定液タンク内の液は、特開平3
−46652、同3−53246、同3−55542、
同3−121448、同3−126030に記載の逆浸
透膜処理を行なって補充量を減少させることも好まし
く、この場合の逆浸透膜は、低圧逆浸透膜であることが
好ましい。
【0071】本発明の感光材料に対する処理において
は、発明協会公開技報、公技番号94−4992に開示
された処理液の蒸発補正を実施することが特に好まし
い。特に第2頁の(式−1)に基づいて、現像機設置環
境の温度及び湿度情報を用いて補正する方法が好まし
い。蒸発補正に使用する水は、水洗の補充タンクから採
取することが好ましく、その場合は水洗補充水として脱
イオン水を用いることが好ましい。
【0072】本発明の感光材料に用いてよい処理剤とし
ては、上記公開技報第3頁右欄15行から第4頁左欄3
2行に記載のものが好ましい。また、これに用いる現像
機として、第3頁右欄の第22行から28行に記載のフ
イルムプロセサーが好ましい。本発明に対して使用する
に好ましい処理剤、自動現像機、蒸発補正方式の具体例
については、上記の公開技法の第5頁右欄11行目から
第7頁右欄最終行までに記載されている。
【0073】本発明の感光材料に使用してよい処理剤の
供給形態は、使用状態の濃度または濃縮された形の液
剤、あるいは顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液な
ど、いかなる形態でもよい。このような処理剤の例とし
て、特開昭63−17453号には低酸素透過性の容器
に収納した液剤、特開平4−19655号、同4−23
0748号には真空包装した粉末あるいは顆粒、同4−
221951号には水溶性ポリマーを含有させた顆粒、
特開昭51−61837号、特開平6−102628号
には錠剤、特表昭57−500485号にはペースト状
の処理剤が開示されており、いずれも好ましく使用でき
るが、使用時の簡便性の面から、予め使用状態の濃度で
調整してある液体を使用することが好ましい。これらの
処理剤を収納する容器には、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレー
ト、ナイロンなどが、単独あるいは複合材料として使用
される。これらは要求される酸素透過性のレベルに合わ
せて選択される。発色現像液などの酸化されやすい液に
対しては、低酸素透過性の素材が好ましく、具体的には
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンとナイロン
の複合材料が好ましい。これらの材料は500〜150
0μmの厚さで、容器に使用され、酸素透過性を20ミ
リリットル/m2 ・24hrs・atm以下にすること
が好ましい。
【0074】次に本発明の感光材料に使用してよいカラ
ー反転フイルム用の処理液について説明する。カラー反
転フイルム用の処理については、アズテック有限会社発
行の公知技術第6号(1991年4月1日)第1頁5行
〜第10頁5行、及び第15頁8行〜第24頁2行に詳
細に記載されており、その内容はいずれも好ましく適用
することができる。カラー反転フイルムの処理において
は、画像安定化剤は調整浴か最終浴に含有される。この
ような画像安定化剤としては、ホルマリンのほかにホル
ムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム、N−メチロールアゾ
ール類があげられるが、作業環境の観点からホルムアル
デヒド重亜硫酸ナトリウムかN−メチロールアゾール類
が好ましく、N−メチロールアゾール類としては、特に
N−メチロールトリアゾールが好ましい。また、カラー
ネガフイルムの処理において記載した発色現像液、漂白
液、定着液、水洗水などに関する内容は、カラー反転フ
イルムの処理にも好ましく適用できる。上記の内容を含
む好ましいカラー反転フイルムの処理剤として、イース
トマンコダック社のE−6処理剤及び富士写真フイルム
(株)のCR−56処理剤をあげることができる。
【0075】次に本発明の感光材料中の支持体として代
表的に用いられるポリエステル支持体について記すが、
感光材料、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳
細については、公開技報、公技番号94−6023(発
明協会;1994.3.15)に記載されている。本発
明に用いられ得るポリエステルはジオールと芳香族ジカ
ルボン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボン
酸として2,6−、1,5−、1,4−、及び2,7−
ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられる。
この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジ
メタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げるこ
とができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸を50モル%〜100モル%含むポリエステル
である。中でも特に好ましいのはポリエチレン2,6−
ナフタレートである。平均分子量の範囲は約5,000
ないし200,000である。ポリエステルのTgは5
0℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0076】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えば
SnO2 やSb2 5 等の導電性無機微粒子を塗布す
る)、面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを
付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写り
を防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの
熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後
(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階
で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後であ
る。このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも
良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化学製のD
iaresin、日本化薬製のKayaset等ポリエ
ステル用として市販されている染料または顔料を練り込
むことにより目的を達成することが可能である。
【0077】次に、本発明では支持体と感光材料構成層
を接着させるために、表面処理することが好ましい。薬
品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外
線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処
理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの
表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好まし
いのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロ
ー処理である。次に下塗法について述べると、単層でも
よく2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中
から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めと
して、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化
ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。
支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロ
ルフェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤として
はクロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホル
ムアルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシア
ネート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6
−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒド
リン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げること
ができる。SiO2 、TiO2 、無機物微粒子又はポリ
メチルメタクリレート共重合体微粒子(0.01〜10
μm)をマット剤として含有させてもよい。
【0078】また本発明の感光材料では、帯電防止剤が
好ましく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カ
ルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分
子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙
げることができる。帯電防止剤として最も好ましいもの
は、ZnO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2
3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2 5
の中から選ばれた少なくとも1種の体積抵抗率が107
Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下であ
る粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属酸化
物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,
S,Si,Cなど)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化
物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。感材へ
の含有量としては、5〜500mg/m2 が好ましく特
に好ましくは10〜350mg/m2 である。導電性の
結晶性酸化物又はその複合酸化物とバインダーの量の比
は1/300〜100/1が好ましく、より好ましくは
1/100〜100/5である。
【0079】本発明の感光材料にはマット剤が有る事が
接着故障防止等のため好ましい。マット剤としては乳剤
面、バック面とどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添
加するのが特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも
処理液不溶性でもよく、好ましくは両者を併用すること
である。例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチ
ルメタクリレート/メタクリル酸=9/1又は5/5
(モル比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径
としては0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も
狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間
に全粒子数の90%以上が含有されることが好ましい。
又マット性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同
時に添加することも好ましく例えばポリメチルメタクリ
レート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/
メタクリル酸=9/1(モル比)、0.3μm))、ポ
リスチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ
(0.03μm)が挙げられる。次に本発明で用いられ
るカートリッジ本体(パトローネ)について記す。本発
明で使用されるパトローネの主材料は金属でも合成プラ
スチックでもよい。好ましいプラスチック材料は、ポリ
スチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニ
ルエーテル等である。更にパトローネは、各種の帯電防
止剤を含有してもよくカーボンブラック、金属酸化物粒
子、ノニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面
活性剤又はポリマー等を好ましく用いることができる。
これらの帯電防止されたパトローネは特開昭1−312
537号、同1−312538号に記載されている。特
に25℃、25%RHでの抵抗が1012オーム以下が好
ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与
するためにカーボンブラックや顔料を練り込んだプラス
チックを使って製作される。パトローネのサイズは、現
在の135サイズのままでもよいし、カメラの小型化に
は、現在の135サイズの25mmのカートリッジの径
を22mm以下とすることも有効である。パトローネの
ケースの容積は、30cm3 以下、 好ましくは25cm3
以下とすることが好ましい。パトローネ及びパトローネ
ケースに使用されるプラスチックの重量は5g〜15g
が好ましい。本発明では、フィルム先端がパトローネ本
体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向に
回転させることによってフィルム先端をパトローネのポ
ート部から外部に送り出す構造でもよい。これらは、U
S4,834,306、同5,226,613に開示さ
れている。本発明の包装体に用いられる感光材料は、現
像前のいわゆる生フィルムでもよいし、現像処理された
感光材料でもよい。また、生フィルムと現像済の感光材
料が同じパトローネに収納されていてもよいし、異なる
パトローネに収納されてもよい。
【0080】以下に具体例を挙げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明の範囲を越えない限り、実施例に限
定されるものではない。
【実施例】
(実施例1) 1)支持体 3)バック層の塗設 下塗した三酢酸セルロースフィルム支持体の片方の面に
バック層として下記組成の帯電防止層、磁気記録層さら
に滑り層を塗設した。
【0081】(1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2、セラチ
ン0.05g/m2 、(CH2 =CHSO2 CH2 CH
2 NHCO)2CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度
10)オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.00
5g/m2 及びレゾルシンと塗布した。 (2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%)で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2 /g、長軸
0.14μm、単軸0.03μm、飽和磁化89emu
/g、Fe+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸
化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されている)0.06
g/m2 をジアセチルセルロース1.2g/m2 (酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC2 5 C(CH2OCONH−C
6 3 (CH3 )NCO)3 0.3g/m2 を、溶媒と
してアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
を用いてバーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気
記録層を得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μ
m)と3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピ
ルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処理被覆
された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ
10mg/m2 となるように添加した。乾燥は115
℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は
すべて115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)で
の磁気記録層のDB の色濃度増加分は約0.1、また磁
気記録層の飽和磁化モーメントは4.2emu/g、保
磁力7.3×104 A/m、角形比は65%であった。
【0082】(3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2 )、C6 13
H(OH)C1020COOC4081(化合物a,9,6
mg/m2 )/C50101 O(CH2 CH2 O)16
(化合物b,9mg/m2 )混合物を塗布した。なお、
この混合物は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテ
ル(1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレン
モノメチルエーテル(10倍量)に注加分散して作製し
た後、アセトン中で分散物(平均粒径0.01μm)に
してから添加した。マット剤としてシリカ粒子(0.3
μm)と研磨剤の3−ポリ(重合度15)オキシエチレ
ン−プロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%で
被覆された酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ15
mg/m2 となるように添加した。乾燥は115℃、6
分行なった(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて
115℃)。
【0083】次に、前記で得られたバック層の反対側
に、下記の組成の各層を重層塗布し、カラーネガフイル
ムを作成した。これを試料101とする。
【0084】(感光層組成)各層に使用する素材の主な
ものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 具体的な化合物の構造は、後掲されている。各成分に対
応する数字は、g/m2 単位で表した塗布量を示し、ハ
ロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。ただし、
増感色素については同一層のハロゲン化銀1モルに対す
る塗布量をモル単位で示す。使用した乳剤は表1に示
す。
【0085】(試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 ExM−1 0.18 ExF−1 2.0×10-3 H−1 0.40 HBS−1 0.20
【0086】 第2層(中間層) 乳剤G 銀 0.065 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18 ExC−2 0.020 UV−1 0.060 UV−2 0.080 UV−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04
【0087】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤C 銀 0.25 ExS−1 4.5×10-4 ExS−2 1.5×10-5 ExS−3 4.5×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.0050 ExC−7 0.0050 ExC−8 0.020 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0088】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 ExS−1 3.0×10-4 ExS−2 1.2×10-5 ExS−3 4.0×10-4 ExC−1 0.15 ExC−2 0.060 ExC−4 0.11 ExC−7 0.0010 ExC−8 0.025 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0089】第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤E 銀 1.40 ExS−1 2.0×10-4 ExS−2 1.0×10-5 ExS−3 3.0×10-4 ExC−1 0.095 ExC−3 0.040 ExC−6 0.020 ExC−8 0.007 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.20
【0090】第6層(中間層) Cpd−1 0.10 HBS−1 0.50 ゼラチン 1.10
【0091】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤A 銀 0.17 乳剤B 銀 0.17 ExS−4 4.0×10-5 ExS−5 1.8×10-4 ExS−6 6.5×10-4 ExM−1 0.010 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0092】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 ExS−4 2.0×10-5 ExS−5 1.4×10-4 ExS−6 5.4×10-4 ExM−2 0.16 ExM−3 0.045 ExY−1 0.01 ExY−5 0.030 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0093】第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.015 ExM−4 0.040 ExM−5 0.019 Cpd−3 0.020 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.20
【0094】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.010 Cpd−1 0.16 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0095】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤C 銀 0.25 乳剤D 銀 0.40 ExS−7 8.0×10-4 ExY−1 0.030 ExY−2 0.55 ExY−3 0.25 ExY−4 0.020 ExC−7 0.01 HBS−1 0.35 ゼラチン 1.30
【0096】第12層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 1.38 ExS−7 3.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.86
【0097】第13層(第1保護層) 乳剤G 銀 0.20 UV−4 0.11 UV−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0098】第14層(第2保護層) B−1(直径1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径1.7μm) 0.10 オルガノシリコーン滑り剤(S−1) 0.12 D−1 0.20 ゼラチン 0.19
【0099】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ためにW−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F−
1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イ
リジウム塩、パラジウム塩、ロジウム塩が含有されてい
る。
【0100】
【表1】
【0101】表1において、 (1)乳剤A〜Fは特開平2−191938号の実施例
に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒
子調製時に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特開平3−237450号の実施例
に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸
ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が
施されている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1−158426号
の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3−237450号に記載
されているような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察
されている。
【0102】
【化13】
【0103】
【化14】
【0104】
【化15】
【0105】
【化16】
【0106】
【化17】
【0107】
【化18】
【0108】
【化19】
【0109】
【化20】
【0110】
【化21】
【0111】
【化22】
【0112】
【化23】
【0113】
【化24】
【0114】
【化25】
【0115】
【化26】
【0116】
【化27】
【0117】作製した試料101の乳剤面の最外層(第
14層)中のオルガノシリコーン系滑り剤、S−1の含
有量は18.2重量%であった。この値は、蛍光X線分
析法によるSiの定量値及び塗布液処方と塗布量からの
計算値の両方ともによく一致した値である。
【0118】続いて、試料102以降は、第14層のゼ
ラチン量を適宜減量し、さらにオルガノシリコーン系滑
り剤の量とゼラチン量を変更し、表2に示す滑り剤含有
量及び含有率にして試料を作製した。
【0119】作製したこれらの試料は、35mm幅に裁
断、加工し、特公平2−32615号公報に記載のレン
ズ付フイルムユニットに36枚撮り用に加工、収納し
た。この時、温度25℃、相対湿度55%で実施した。
その後、同じく25℃で相対湿度50%及び65%にし
た恒温恒湿室に3日間保存後、ポリプロピレンで表面加
工したアルミ箔の包装に入れ密封包装して同室に保存し
た。
【0120】1週間後、密封包装内の相対湿度をACE
製レコーディングハイグロメーターにて測定(25℃)
したところ、それぞれ51%及び62%であった。
【0121】これらのレンズ付フイルムユニットを密封
包装から取り出した後、フイルム巻き取り機構を改造
し、送り出し巻き取り自在な機構としてから前記25℃
の相対湿度50%及び65%の室でもって、1台のレン
ズ付フイルムユニットについて10回のフイルム送り出
し、巻き取りを繰り返し実施し、これを各試料毎20個
行った。終了後、レンズ付フイルムユニットを解体し、
フイルム面上、パトローネ及びレンズ付フイルム本体に
付着している屑を光学顕微鏡で観察し、その屑の量を評
価した。評価は5段階で行った。結果を同じく表2に示
す。
【0122】
【表2】
【0123】表2から、最外層(第14層)にオルガノ
シリコーン系滑り剤を50mg/m2 以上含有し、その
含有率が20重量%より少ない本発明の試料101及び
103は比較試料に比べ屑の発生量の少ないことが明ら
かである。さらに、本発明の試料にあっても、相対湿度
55%以下25%以上に密封包装した試料101A及び
103Aのほうが相対湿度の高い試料101B及び10
3Bに比べ屑の発生量の少ないこともわかり、低相対湿
度で保存することの好ましいことを知ることができる。
【0124】実施例2 下記の方法で作製した支持体を使用した。ポリエチレン
−2,6−ナフタレートポリマー100重量部と紫外線
吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイ
ギーCiba−Geigy社製)2重量部とを乾燥した
後、300℃にて融解後、T型ダイから押し出し、14
0℃で3.3倍の縦延伸を行ない、続いて130℃で
3.3倍の横延伸を行ない、さらに250℃で6秒間熱
固定して厚さ90μmのPENフイルムを得た。なおこ
のPENフイルムにはブルー染料、マゼンタ染料及びイ
エロー染料(公開技報:公技番号94−6023号記載
の1−1,1−4,1−6,1−24,1−26,1−
27,11−5)を適当量添加した。さらに、直径20
cmのステンレス巻き芯に巻付けて、110℃、48時
間の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
この支持体に下記の下塗層を塗設した。
【0125】下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン0.1g/m2 、ソジウムα−スルホジ−2−エ
チルヘキシルサクシネート0.01g/m2 、サリチル
酸0.04g/m2 、p−クロロフェノール0.2g/
2 、(CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2
CH2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒ
ドリン重縮合物0.02g/m2 の下塗液を塗布して
(10cc/m2 、バーコーター使用)、下塗層を延伸
時高温面側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃と
なっている)。
【0126】上記下塗り層を施した支持体の片面に、実
施例1に記載のバック層(帯電防止層、磁気記録層、滑
り層)を設けたのち、もう一方の面に同じく実施例1と
同じ感光層を設け試料101〜105と同じで支持体と
下塗り層の異なる試料201〜205を作製した。これ
ら感光材料を24mm幅、160cmに裁断し、さらに
感光材料の長さ方向の片側幅方向から0.7mmの所に
2mm四方のパーフォレーションを5.8mm間隔で2
つ設ける。この2つのセットを32mm間隔で設けたも
のを作成し、図1〜図7に説明されている本発明に好適
なプラスチック製のフィルムカートリッジに収納し、こ
れらを実施例1と同様それぞれ25℃、相対湿度50%
及び65%の恒温恒湿室に保存し、ポリプロピレンで表
面加工したアルミ泊の包袋に入れ密封包装し、同室に保
存した。1週間後、これらの試料に磁気記録層の塗布面
側からヘッドギャップ5μm、ターン数2,000の入
出力可能なヘッドを用いて、感光材料の上記パーフォレ
ーションの間に1,000/sの送り速度でFM信号を
記録した。FM信号記録後、乳剤面に1,000cms
の全面均一露光を与えて以下に記載の方法で各々の処理
を行なった後、再び元のプラスチック製のフィルムカー
トリッジに収納し、上記恒温恒湿室に保存に保存した。
【0127】この試料101を24mm巾に裁断しカメ
ラで撮影したものを1日1m2ずつ15日間にわたり下
記の処理を行なった。(ランニング処理) 尚、各処理は富士写真フイルム社製自動現像機FP−3
60Bを用いて以下により行なった。尚、漂白浴のオー
バーフロー液を後浴へ流さず、全て廃液タンクへ排出す
る様に改造を行なった。このFP−360Bは発明協会
公開技報94−4992号に記載の蒸発補正手段を搭載
している。処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0128】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分5秒 38.0℃ 20ミリリットル 17リットル 漂 白 50秒 38.0℃ 5ミリリットル 5リットル 定 着(1) 50秒 38.0℃ ─ 5リットル 定 着(2) 50秒 38.0℃ 8ミリリットル 5リットル 水 洗 30秒 38.0℃ 17ミリリットル 3.5リットル 安 定(1) 20秒 38.0℃ ─ 3リットル 安 定(2) 20秒 38.0℃ 15ミリリットル 3リットル 乾 燥 1分30秒 60℃ *補充量は感光材料35mm巾1.1m当たり(24Ex.1本相当) 安定液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て定着(2)へ導入した。ま
た、定着液も(2)から(1)へ向流配管で接続されて
いる。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液の
定着工程への持ち込み料及び定着液の水洗工程への持ち
込み量は感光材料35mm巾1.1m当たりそれぞれ
2.5ミリリットル、2.0ミリリットル、2.0ミリ
リットルであった。また、クロスオーバーの時間はいず
れも6秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含さ
れる。上記処理機の開口面積は発色現像液で100cm
2 、漂白液で120cm2 、その他の処理液は約100
cm2 であった。
【0129】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 沃化カリウム 1.3mg ─ ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 2.0 2.0 ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 4.5 6.4 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調製) 10.05 10.18
【0130】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 118 180 臭化アンモニウム 80 115 硝酸アンモニウム 14 21 コハク酸 40 60 マレイン酸 33 50 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水で調製〕 4.4 4.0
【0131】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 メタンチオスルホン酸アンモニウム 4 12 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 280ミリリットル 840ミリリットル イミダゾール 7 20 エチレンジアミン四酢酸 15 45 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水で調製〕 7.4 7.45
【0132】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3m
g/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌー
ル酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム1
50mg/リットルを添加した。この液のPHは6.5
〜7.5の範囲にあった。
【0133】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.10 水を加えて 1.0リットル PH 8.5
【0134】ここで、カートリッジの主要な素材は下記
のものを用いた。 上下ケース105、106・・・遮光用のブラックカー
ボンを練り込んだポリスチレン スプール軸112・・・同上 蓋部材108・・・同上 フランジ113、114・・・ポリカーボネート
【0135】これらの試料について以下の評価を実施し
た。
【0136】屑発生評価:ズームカルディア(富士写真
フイルム(株)製)を改造して、上記カートリッジが装
填できるようにしフイルムガイドを35mm巾〜24m
m巾にした。このカメラに上記カートリッジに巻き込ん
だ試料を1カートリッジ当り10回追い出し供送と巻き
込みをくり返しこれを各20本行ない、カメラ圧板部お
よびその反対側のフイルムガイド部に残っている屑の量
を光学顕微鏡で観察して5段階評価した。評価は、実施
例1に同じである。
【0137】磁気読み取りエラー:上記処理前に磁気情
報を国際特許出願公開(WO)90−04205号に開
示された方式で100回入力し、前記カラー現像処理を
行なった後に出力エラーの評価を行なった。結果を表3
に示す。
【0138】
【表3】 表3から、特定のカートリッジに巻き込んだ写真感光材
料にあっても、乳剤面の最外層に本発明のオルガノシリ
コーン系滑り剤を50mg/m2 以上含有し、その含有
率が20重量%より少ない本発明の試料201及び20
3は比較試料に比べ屑の発生が少く、磁気情報の読取り
エラーの少ないことがわかる。また、本発明の試料にあ
っても、相対湿度55%以下、25%以上に密封包装し
た試料201A及び203Aのほうが相対湿度の高い試
料201B及び203Bに比べ屑の発生や磁気情報の読
取りエラーの少ないことも知ることができ、相対湿度5
5%以下で密封包装されることが好ましいことがわか
る。
【0139】実施例3 実施例2のカートリッジのフランジ(113、114)
の材質をポリカーボネートからポリスチレンに変えた以
外は実施例1と同様にして評価を行なった。得られた結
果を表4に示す。
【0140】
【表4】
【0141】表4の結果を表3と同様に本発明の有効性
を示している。表4の結果が表3の結果に対して全体的
に悪くなっている。フランジがポリスチレンである場合
(表4)には、10回の送り出し、巻き込みを行なった
後のカートリッジのフランジを光学顕微鏡で観察する
と、ポリカーボネートの場合には見られないフランジの
一部に破損が見られていた。このために表4の結果は表
3の結果に比べ悪くなっているものと考えられる。この
フランジの破損も表4に示したとおり、本発明の試料で
は起こっていなかった。
【0142】実施例4 実施例1の第14層(最外層)に使用した本発明のオル
ガノシリコーン系滑り剤、S−1をS−7、S−10及
びS−15にそれぞれ同重量置き換え、実施例1と同様
の含有率にし、さらに保存時の相対湿度を同様の方法で
変更して実施することにより、実施例1の表2に示す結
果と同じ屑の発生をみることができ、同様の評価を得る
ことができる。
【0143】
【発明の効果】本発明によれば、屑の発生及び付着が少
なく、従ってカメラ撮影時の屑の写り込みが少なく、さ
らに特定のカートリッジを使用した場合には破損がな
く、耐久性に優れる写真感光材料、及びその包装体を提
供することができる。また、磁気情報を書き込むことの
できる態様では、その情報を充分正確に読み取ることも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様の写真感光材料包装体(写真フ
ィルムパトローネ)の分解斜視図である。
【図2】上記写真感光材料包装体を半径方向から見た図
である。
【図3】上記写真感光材料包装体を図2とは異なる位置
で、半径方向から見た図である。
【図4】上記写真感光材料包装体をその軸方向一方から
見た図である。
【図5】上記写真感光材料包装体をその軸方向他方から
見た図である。
【図6】上記写真感光材料包装体の、軸方向に沿って切
断した断面図である。
【図7】離型紙付き粘着ラベル原反を示す図である。
【符号の説明】
100 写真フイルムパトローネ 122 キ
ー溝 101 パトローネ本体 123 使
用表示部材 102 写真フイルム 124 軸
受け部 103 スプール 125 ラ
チエット爪 104 パトローネラベル 126 ギ
ヤ 105 上ケース 127 表
示板 106 下ケース 128 ス
プールロック 107 フイルム送り出し口 129 丸
穴 108 蓋部材 130 丸
穴 109 分離爪 131 開
口縁部 110 キー溝 132 開
口縁部 111 キー溝 133 穴 112 スプール軸 134 大
径扇形部分 113 フランジ 135 切
り欠き 114 フランジ 136 開
口 115 データディスク 137 開
口 116 バーコードラベル 138 表
示用開口 117 フランジ係合部 139 表
示用開口 118 フランジ係合部 140 表
示用開口 119 スリット 141 表
示用開口 120 使用表示部材支持部 142 フ
イルムロール 121 キー溝 143 フ
イルム先端 144 ロックポウル 145 感度検出ノッチ 146 開口 147 現像済み表示タブ 150 ゲート 151 ID番号印刷スペース 152 品種等印刷スペース 153 バーコード印刷スペース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 3/00 585 G03C 3/00 585C 599 599A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最外層にオルガノシリコーン系滑り剤を
    含有する写真感光材料において、該オルガノシリコーン
    系滑り剤の含有量が50mg/m2 以上であり、かつ、
    その含有率が該層構成の写真用素材全重量の3重量%以
    上、20重量%未満であることを特徴とする写真感光材
    料。
  2. 【請求項2】 該写真感光材料のバック面に強磁性粉末
    を含む磁性層を有する請求項1に記載の写真感光材料。
  3. 【請求項3】 カートリッジ本体101の内部に、請求
    項1又は請求項2に記載の写真感光材料102を巻きつ
    けたスプール103を回転自在に収納し、スプール10
    3の回転により写真感光材料102の先端が自在にカー
    トリッジ外部に送り出し可能であり、カートリッジ本体
    101は写真感光材料102を送り出すため、遮光機構
    を有する写真感光材料送り出し通路を有し、スプール1
    03のスプール軸112の両端内側に、それぞれ一対の
    リップ付きフランジ113、114が写真感光材料保持
    のため取り付けられているカートリッジ本体を収納して
    いることを特徴とする写真感光材料包装体。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の写真感光
    材料が相対湿度55%以下、25%以上で密封包装され
    ていることを特徴とする写真感光材料包装体。
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