JPH08269213A - 耐熱防湿フイルム - Google Patents

耐熱防湿フイルム

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JPH08269213A
JPH08269213A JP7097915A JP9791595A JPH08269213A JP H08269213 A JPH08269213 A JP H08269213A JP 7097915 A JP7097915 A JP 7097915A JP 9791595 A JP9791595 A JP 9791595A JP H08269213 A JPH08269213 A JP H08269213A
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heat
resin
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文雄 緒方
Shigeru Tanaka
茂 田中
Nobuo Suzui
伸夫 鈴井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 125℃での等温結晶化時間が3.5分以
下、アイソタクチックインデックスが98.5%以上、
メルトフローインデックスが2〜4g/10分の結晶性
ポリプロピレン70〜95重量%に、極性基を実質的に
含まない石油樹脂および極性基を実質的に含まないテル
ペン樹脂の1種以上が5〜30重量%混合されたフイル
ムであって、120℃、15分加熱での長手方向の熱収
縮率が5%以下であり、水蒸気透過率が1.0(g/m
2 ・24hr/0.1mm)以下であることを特徴とす
る耐熱防湿フイルム。 【効果】 耐熱性、防湿性および耐有機溶剤性に優れ、
印刷、蒸着、コーティングなどの二次加工性に優れたフ
イルムが得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性と防湿性を合わ
せ持った、包装用に好適な耐熱防湿フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレンに石油樹脂および
テルペン樹脂を添加すると、ヤング率や防湿性を向上さ
せることが知られている(特公平1−25503号、特
公平3−31347号公報等)。またポリプロピレンに
石油樹脂およびテルペン樹脂を添加したフイルム上に金
属蒸着およびポリ塩化ビニリデン系樹脂が積層して、防
湿性をさらに向上させることが知られている(特公平2
−27940号、特公平5−1138号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリプ
ロピレンに石油樹脂およびテルペン樹脂を添加するとヤ
ング率や防湿性は向上するが、石油樹脂やテルペン樹脂
が低軟化点であるため、これらを添加したフイルムは寸
法安定性に劣り、フイルムをロール状に巻いた時に巻締
まりが起こって平面性が悪化する。また熱収縮率が大き
いために加工時の工程安定性に劣るという問題があっ
た。
【0004】また、該フイルムに金属を蒸着してさらに
防湿性を付与させようとしたときに、蒸着時の熱でフイ
ルムが収縮して金属蒸着面にクラックが入り、防湿性が
上がらないという問題があった。
【0005】さらに、ポリ塩化ビニリデン系樹脂をコー
ティングしてさらに防湿性を付与させようとしたとき
に、コーティング後の乾燥時の熱でフイルムが収縮して
コーティング樹脂層に亀裂が入ったり、またポリプロピ
レンフイルムとの界面接着力が低下して、防湿性が上が
らないという問題があった。
【0006】本発明は、上記従来の欠点を解消すべくな
されたものであり、耐熱性と防湿性および製膜時の厚み
むらに優れ、かつ印刷および蒸着加工時の寸法安定性に
も優れたフイルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の耐熱防湿フイルムは、125℃での等温結
晶化時間が3.5分以下、アイソタクチックインデック
スが98.5%以上、メルトフローインデックスが2〜
4g/10分の結晶性ポリプロピレン70〜95重量%
に、極性基を実質的に含まない石油樹脂および極性基を
実質的に含まないテルペン樹脂の1種以上が5〜30重
量%混合されたフイルムであって、120℃、15分加
熱での長手方向の熱収縮率が5%以下であり、水蒸気透
過率が1.0(g/m2 ・24hr/0.1mm)以下
であることを特徴とするものからなる。
【0008】また、本発明に係る耐熱防湿フイルムは、
上記の耐熱防湿フイルム(以下、A層と言うこともあ
る。)の少なくとも片面に、アイソタクチックインデッ
クスが98%以下の結晶性ポリプロピレンを積層(以
下、B層と言うこともある。)してなることを特徴とす
るものからなる。
【0009】本発明のA層の結晶性ポリプロピレンは、
125℃での等温結晶化時間(以下t−1/2と略称す
ることもある。)は3.5分以下で、かつアイソタクチ
ックインデックス(以下IIと略称することもある。)
が98.5%以上であることが必要である。t−1/2
が3.5分を越え、IIが98.5%未満ではフイルム
の結晶化度が上がらず、120℃、15分加熱での長手
方向の熱収縮率が5%以上になるので好ましくなく、ま
た耐有機溶剤性も悪化するので好ましくない。またメル
トフローインデックス(MFI)を2〜4g/10分の
範囲とすることにより、石油樹脂および/またはテルペ
ン樹脂の分散性が良くなり、製膜性および防湿性も良く
なる。また、プロピレン以外の第2成分、例えばエチレ
ン、ブテン、ヘキセンなどを少量ランダムに共重合させ
てもよい。また、公知の添加剤、例えば結晶核剤、酸化
防止剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキン
グ防止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤などを適量
含有させてもよい。
【0010】本発明において、結晶性ポリプロピレンに
混合される極性基を実質的に含まない石油樹脂とは、水
酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、スルホン基および
それらの変成体などからなる極性基を有さない石油樹
脂、即ち石油系不飽和炭化水素を直接原料とするシクロ
ペンタジエン系、或は高級オレフィン系炭化水素を主原
料とする樹脂である。
【0011】かかる極性基を実質的に含まない石油樹脂
のガラス転移点温度(以下、Tgと略称する)は、60
℃以上であることが好ましい。Tgが60℃未満では、
防湿性の向上効果が小さい。
【0012】また、かかる石油樹脂に水素を添加し、そ
の水素添加率を90%以上、好ましくは99%以上とし
た水添石油樹脂が本発明の耐熱防湿フイルムに特に望ま
しい。代表的な水素添加石油樹脂としては、例えばTg
70℃以上で水添率99%以上のポリジシクロペンタジ
エン等の高Tg完全水添脂環族石油樹脂を挙げることが
できる。
【0013】また、極性基を実質的に含まないテルペン
樹脂とは、水酸基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキ
シル基、ハロゲン基、スルホン基およびそれらの変成体
などからなる極性基を有さないテルペン樹脂、即ち(C
5 8 )nの組成の炭化水素およびこれから導かれる変
性化合物である。nは2〜20程度の自然数である。
【0014】テルペン樹脂のことをテルペノイドと呼ぶ
こともあり、代表的な化合物としては、ピネン、ジペン
テン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テレピ
ノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン、ビサボ
レン、ジンギペレン、サンタレン、カンホレン、ミレ
ン、トタレン等があり、本発明のフイルムの場合、水素
を添加し、その水素添加率を90%以上、好ましくは9
9%以上とするのが望ましく、特にβ−ピネン、水素β
−ピネン、水添β−ジペンテン等が好ましい。
【0015】このように、極性基を実質的に含まない石
油樹脂および極性基を実質的に含まないテルペン樹脂の
1種以上の使用が本発明の場合重要であり、臭素価とし
て10以下、好ましくは5以下、更に好ましくは1以下
のものが良い。
【0016】本発明のフイルム中に含まれる前記極性基
を実質的に含まない石油樹脂および極性基を実質的に含
まないテルペン樹脂の1種以上の混合量は、前記結晶性
ポリプロピレン70〜95重量%に対して、5〜30重
量%であることが必要である。特に10〜20重量%で
あることが好ましい。該樹脂の混合量が5重量%未満で
は防湿性の向上がみられず、30重量%を超えると、耐
熱性が悪化するのみならず、表層にブリードアウトし
て、積層樹脂の接着力および金属蒸着の密着力が低下す
るので好ましくない。
【0017】また、本発明のフイルムは、120℃、1
5分加熱での長手方向の熱収縮率が5%以下であること
が必要であり、好ましくは3%以下である。長手方向の
熱収縮率が5%を超えると、フイルムをロール状に巻い
た時に巻締まりが起こって平面性が悪化し、また熱収縮
率が大きいために、印刷後の印字のピッチずれや、粘着
剤塗布やラミネート加工時にシワが発生して工程安定性
に劣る。
【0018】また、該フイルムに金属を蒸着してさらに
防湿性を付与させようとしたときに、蒸着時の熱でフイ
ルムが収縮し、また金属蒸着面に押出ラミネートした際
に熱でフイルムが収縮して、金属蒸着面にクラックが入
り、防湿性が上がらない。
【0019】さらに、ポリ塩化ビニリデン系樹脂をコー
ティングしてさらに防湿性を付与させようとしたとき
に、コーティング後の乾燥時の熱でフイルムが収縮して
コーティング樹脂層に亀裂が入ったり、またポリプロピ
レンフイルムとの界面接着力が低下して、防湿性が上が
らない。
【0020】また本発明のフイルムは、水蒸気透過率が
1.0(g/m2 ・24hr/0.1mm)以下である
必要がある。水蒸気透過率が1.0(g/m2 ・24h
r/0.1mm)を超えると、本フイルムを乾物やポテ
トチップスなどの防湿性を必要とする防湿包装用として
用いたときに、内容物が湿気って内容物保護性に劣る。
さらに防湿性を必要とする用途においては、金属蒸着の
膜厚やポリ塩化ビニリデン系樹脂のコーティング厚みを
厚くする必要があり、価格上昇や着色することが避けら
れない。
【0021】本発明のフイルムは、未延伸、一軸延伸、
二軸延伸フイルムのいずれでもよいが、機械的性質、光
学的性質、熱的性質および防湿性などの点から二軸延伸
フイルムが好ましい。
【0022】次に、本発明の耐熱防湿フイルム(A層)
の少なくとも片面に積層されるB層の樹脂は、アイソタ
クチックインデックス(II)が98%以下の結晶性ポ
リプロピレンである。B層の結晶性ポリプロピレンのI
Iが98%を越えると結晶化が高くなって、フイルム表
面の粗さが大きくなり、外部ヘイズが高くなって透明性
が悪化する。また金属蒸着およびポリ塩化ビニリデン系
樹脂などの密着性も悪化する。
【0023】また、該B層の結晶性ポリプロピレンに
は、プロピレン以外の第2成分、例えばエチレン、ブテ
ン、ヘキセンなどを少量ランダムに共重合させてもよ
い。また、公知の添加剤、例えば結晶核剤、酸化防止
剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキング防
止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤などを含有させ
てもよい。
【0024】かかる積層されるB層の厚さとしては、1
〜50μmが好ましく、さらに好ましくは2〜30μm
である。この厚さが1μmに満たないと、防湿性および
表層に該水添石油樹脂や水添テルペン樹脂がブリードア
ウトして、金属蒸着およびポリ塩化ビニリデン系樹脂な
どの密着力が低下するのみならず、油物包装時に油のし
みだしを防止する耐油性が低下するので好ましくない。
一方、厚さが50μmを超えると、熱収縮率が大きくな
って耐熱性が悪化し、防湿性も悪化する。
【0025】また積層されるB層は、未延伸、一軸延
伸、二軸延伸のいずれでもよいが、機械的性質、光学的
性質、熱的性質および防湿性などの点から、該耐熱防湿
フイルム(A層)の樹脂と共押出して、二軸延伸フイル
ムとするのが好ましい。
【0026】また本発明のフイルムに、印刷、塗工、蒸
着などをするときに、接着力を高めるために、フイルム
表面にコロナ放電処理あるいはプラズマ処理を行なうこ
とが好ましい。コロナ放電処理は公知の方法を用いるこ
とができるが、処理を施す時の雰囲気ガスとして、空
気、炭酸ガス、窒素ガスおよびこれらの混合ガスが好ま
しい。またプラズマ処理は、種々の気体をプラズマ状態
におき、フイルム表面を化学変成させる方法、例えば特
開昭59−98140号公報記載の方法などがある。
【0027】さらに、本発明の耐熱防湿フイルム上に金
属蒸着およびポリ塩化ビニリデン系樹脂性をコーティン
グしてさらに防湿性を向上させるときは、通常のフロピ
レンフイルムに比べ、蒸着膜厚およびコーティング厚み
を薄くすることができ、低価格な超防湿フイルムとする
ことができる。
【0028】蒸着される金属は、アルミニウム、亜鉛、
ケイ素、金、銀などの金属およびこれらの1種以上の金
属化合物およびこれらの金属酸化物である。中でもアル
ミニウムが低価格で経済性がよく好ましい。
【0029】ポリ塩化ビニリデン系樹脂としては、特に
限定されるものではなく、塩化ビニリデン単独重合体お
よび塩化ビニリデンの共重合体が含まれる。
【0030】次に、本発明の耐熱防湿フイルムの製造方
法の一例について述べる。125℃でのt−1/2が
3.5分以下で、IIが98.5%以上、かつ、メルト
フローインデックスが2〜4g/10分の結晶性ポリプ
ロピレンに極性基を実質的に含まない石油樹脂および極
性基を実質的に含まないテルペン樹脂のそれぞれ特定範
囲の混合物からなるA層樹脂を押出機に供給し、樹脂温
度200℃以上、好ましくは220℃〜280℃の温度
で溶融混合した後、T型口金からシート状に押出成形
し、ドラフト比(口金リップ間隙/フイルム厚み)が
1.2以上、好ましくは1.5〜3.0で該シートを2
0〜100℃、好ましくは50〜80℃の温度のドラム
に巻き付けて冷却固化し、次いで、該シートを100〜
150℃に保たれたオーブン中に通して予熱し、引き続
き該シートを80℃〜150℃の温度に保ち周速差を設
けたロール間に通し、長手方向に2〜6倍に延伸し、た
だちに室温に冷却する。引き続き該延伸フイルムをテン
ターに導いて、170℃以下の温度、好ましくは140
〜165℃の温度で幅方向に5〜10倍に延伸し、次い
で幅方向に2〜20%の弛緩を与えつつ、160〜17
0℃の温度で熱固定して巻取る。また、IIが98%以
下の結晶性ポリプロピレンのB層樹脂の積層は、B層の
樹脂をもう1台の押出機に供給して220〜280℃の
温度で溶融した後、多層成形口金にてB層/A層または
B層/A層/B層の構成となるように口金内で合流させ
た後、積層シート状に成形する。また、別の積層方法と
しては、口金の上流の短管内でA層樹脂とB層樹脂とを
合流せしめた後、T型口金でシート状に成形するか、ま
たは上記製膜工程で長手方向に延伸された延伸フイルム
にB層の樹脂を押出ラミネートし、該積層フイルムをテ
ンターに導き、幅方向に延伸される方法が用いられる。
具体的には、B層の樹脂を押出機に供給し、260〜2
80℃の温度で溶融した後、カラス口型の口金にてシー
ト状に溶融押出をし、その溶融シートを5〜50℃の温
度の冷却ロールとゴムロールの間で該長手方向に延伸し
たフイルムと貼り合わせ圧着する。
【0031】次いで本発明の耐熱防湿フイルムに金属蒸
着をしたフイルムは、例えば真空蒸着機により金属を所
望の膜厚に積層することにより得られる。
【0032】また、ポリ塩化ビニリデン系樹脂のコーテ
ィングは、ロールコーター、グラビアロール、ロッドコ
ーター、スプレイコーターなどの通常の方法が使用さ
れ、乾燥はライン速度にもよるが、60℃〜120℃の
オーブンに通して乾燥される。
【0033】本発明のフイルムは、目的に応じて帯電防
止剤、耐候剤、防曇剤、滑り剤などの添加剤を添加、ま
たはコーティングしてもよい。また、表面改質の目的で
空気雰囲気中、不活性ガス雰囲気中等でコロナ放電処理
などの公知の処理を施してもよい。
【0034】また本発明のフイルムは、目的に応じてエ
ンボス加工、印刷、押出ラミネーション加工、他の樹脂
フイルム、紙、布などと張り合わせ加工を行なって用い
ることもできる。
【0035】〔特性の測定方法並びに効果の評価方法〕
本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次
のとおりである。 (1)極限粘度[η] 試料0.1gを135℃のテトラリン100mlに完全
溶解させ、この溶液を粘度計で135℃の恒温槽中で測
定して、比粘度Sにより次式に従って極限粘度を求め
る。単位はdl/gとする。 [η]=(S/0.1)×(1+0.22×S)
【0036】(2)アイソタクチックインデックス(I
I) 原料の状態では個々に測定すればよいが、複合フイルム
においては、まず試料を60℃以下の温度のn−ヘプタ
ンで2時間抽出し、プロピレンへの添加物を除去する。
その後130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W
(mg)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ沸騰
n−ヘプタンで12時間抽出する。次に、この試料を取
り出しアセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間真
空乾燥しその後常温まで冷却し、重量W′(mg)を測
定し、次式で求める。 II(%)=(W′/W)×100 なお複合層については、表層を削りとり、上記と同じ方
法にて測定すればよい。
【0037】(3)ガラス転移点温度(Tg)、等温結
晶化時間(t−1/2) 原料の状態では個々に測定すればよいが、複合フイルム
においては、まず試料を60℃以下の温度のn−ヘプタ
ンで2時間抽出し、プロピレンと石油樹脂およびテルペ
ン樹脂を分割する。次いでプロピレンは130℃、石油
樹脂およびテルペン樹脂は60℃で2時間真空乾燥す
る。その後、各試料について示差走査熱量計(DSC−
2型、パーキンエルマー社製)を用い、サンプル5mg
を室温より、20℃/分の昇温速度で昇温していった際
に、二次転移形に伴う比熱の変化をガラス転移点温度
(Tg)とし、ついで、280℃の溶融保持温度まで昇
温し、5分間保持した後に20℃/分の冷却速度にて冷
却していき、125℃で保持した時に、結晶化に伴う潜
熱のピークの始めの時間と終わりの時間を記録し、その
半分の時間を等温結晶化時間(t−1/2)とした。な
お複合層については、表層を削りとり、上記と同じ方法
にて測定すればよい。
【0038】(4)メルトフローインデックス(MF
I) ASTM−D−1238に準じて、230℃、2.16
kgの条件で測定した。
【0039】(5)臭素価 JIS−K2543−1979によって測定した。試料
油100g中の不飽和成分に付加される臭素のg数で表
わされる。
【0040】(6)熱収縮率 熱収縮率は、試長260mm、幅10mmにサンプリン
グし、原寸(L0 )として200mmの位置にマークを
入れる。このサンプルの下端に3gの荷重をかけ、12
0℃のオーブン中で15分間熱処理し、この後サンプル
にマークした長さ(L1 )を測定する。この熱収縮率
(R)は次式により求められる。 熱収縮率(R)(%)=[(L0 −L1 )/L0 ]×1
00
【0041】(7)水蒸気透過率 JIS−Z0208に従い、40℃・90%RHの条件
で測定した値で、g/m2 ・24hr/0.1mm単位
で表わす。
【0042】(8)フイルム厚み ダイヤルゲージ式厚み計(JIS−B7509)を用い
て測定した。
【0043】(9)積層厚み 電界放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いてフ
イルム断面構成観察を行ない、厚みを測定した。
【0044】(10)光沢度(JIS−Z8741、方
法2 60°鏡面光沢) 光沢度計(日本電色工業(株)製、VG107型)を用
いて、60°反射の時の光沢度を測定して求めた。
【0045】(11)印刷加工性 フイルム厚み20μm、長さ1000mをグラビア印刷
した時に、フイルムの収縮による印字のピッチずれや、
フイルムのシワ等の発生の有無を評価した。
【0046】(12)耐有機溶剤性 試長200mm、幅10mmにサンプリングし、原寸
(l0 )として100mmの位置にマークを入れる。こ
のサンプルを25℃のトルエンに1分浸漬し、その後サ
ンプルの下端に3gおよび100gの荷重をかけ、80
℃のオーブン中で1分間熱処理し、この後サンプルにマ
ークした長さ(l1 )を測定する。このときの寸法変化
(L)を次式により求める。 寸法変化率(L)(%)=[(l0 −l1 )/l0 ]×
100 この寸法変化率(L)が±2%未満のものを耐有機溶剤
性:○、±2%以上のものを耐有機溶剤性:×として評
価した。
【0047】(13)蒸着加工性 フイルム厚み20μm、長さ1000mを真空蒸着機に
て、約1.33×10-5Paの真空度で、アルミニウム
を厚さ60nm程度に蒸着して巻とり、その後この蒸着
面を電界放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用い
て観察し、蒸着面のクラックの発生状態をみた。
【0048】(14)PVDCコーティング性 厚み20μm、長さ1000mのフイルムに、PVDC
を厚さ3μmコーティングした後、80℃のオーブンに
通して乾燥させ巻き取った。このコーティング面を電界
放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて観察
し、コーティング面のクラックの発生状態をみた。
【0049】
【実施例】以下に、本発明を実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1、2、比較例1、2 結晶性ポリプロピレン(PP)(t−1/2:97se
c、II:98.7%、MFI:3.5g/10分)樹
脂に、特定の水添無極性石油樹脂を表1に示した割合に
混合したA層樹脂組成を押出機に供給して240℃の温
度で溶融し、一方B層の積層樹脂として、II:97.
0%の結晶性ポリプロピレンを別の押出機(II)に供給
して260℃の温度で溶融し、B層/A層/B層からな
る多層口金にて3層に共押出してシート状に押出成形
し、ドラフト比2.0で60℃の温度のドラムに巻き付
けてシート状に冷却固化した。該シートを140℃に保
たれたオーブン中に通して予熱し、引き続き130℃に
保ち周速差を設けた4本のロールに通して長手方向に
5.0倍延伸し、ただちに40℃に冷却した。次に該延
伸シートをテンターに導き、165℃の温度に予熱し、
引き続き155℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次い
で幅方向に5%の弛緩を与えつつ165℃の温度で熱処
理をした後、冷却し巻き取った。フイルム特性は表2の
とおりであった。本発明の範囲のフイルムは熱収縮率が
小さくて耐熱性に優れ、また水蒸気透過率も小さくて防
湿性に優れ、印刷性や耐有機溶剤性および蒸着性などの
二次加工性にも優れたフイルムであった。また、本発明
の範囲をはずれたフイルムは、耐熱性および防湿性のい
ずれかに劣り、また印刷性や耐有機溶剤性および蒸着性
などの二次加工性にも劣り、本発明の目的とするフイル
ムは得られなかった。
【0050】比較例3、4 比較例3、4では、実施例1のA層の結晶性ポリプロピ
レンのMFIをそれぞれ、5.0g/10分、1.0g
/10分とした以外は実施例1と全く同様にしてフイル
ムを製造した。
【0051】実施例3、比較例5、6 実施例3では、結晶性ポリプロピレン(t−1/2:1
12sec、II:99.0%)樹脂に、特定の水添無
極性テルペン樹脂を15重量%混合して押出機(I)に
供給して240℃の温度で溶融し、T型口金に導きシー
ト状に押出成形した以外は実施例1と全く同様にしてフ
イルムを製造した。比較例5では、実施例1のA層の結
晶性ポリプロピレンの替わりに、t−1/2:225s
ec、II:97.3%の結晶性ポリプロピレンとし、
比較例6では、実施例1の特定の水添無極性石油樹脂の
替わりに、未水添で極性基(カルボキシル基−COO
H)を持った石油樹脂とし、B層の結晶性ポリプロピレ
ンを、II:98.5%の結晶性ポリプロピレンとした
以外は実施例1と全く同様にしてフイルムを製造した。
フイルム特性は表2のとおりであった。本発明の範囲の
フイルムは熱収縮率が小さくて耐熱性に優れ、また水蒸
気透過率も小さくて防湿性に優れ、印刷性や耐有機溶剤
性および蒸着性などの二次加工性にも優れたフイルムで
あった。また、本発明の範囲をはずれたフイルムは、耐
熱性および防湿性のいずれかに劣り、また印刷性や耐有
機溶剤性および蒸着性などの二次加工性にも劣り、本発
明の目的とするフイルムは得られなかった。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の耐熱防湿フ
イルムは、特定の高結晶性ポリプロピレンに特定の石油
樹脂および/または特定のテルペン樹脂を添加混合した
フイルムであって、次のような優れた効果を生じるもの
である。 (1)水蒸気透過率が小さくて防湿性に優れ、包装用
途、特に食品、医薬品等の包装用として好適である。 (2)二次加工で必要な耐熱性および耐有機溶剤性に優
れ、また印刷、粘着テープ、蒸着ベース用として良好な
特性を有する。 (3)耐熱性および防湿性に優れていることから、薄膜
化を図ることができ、包装材料のコスト低減となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 23/12 LCP C08L 23/12 LCP B29K 23:00 55:00 B29L 7:00 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 125℃での等温結晶化時間が3.5分
    以下、アイソタクチックインデックスが98.5%以
    上、メルトフローインデックスが2〜4g/10分の結
    晶性ポリプロピレン70〜95重量%に、極性基を実質
    的に含まない石油樹脂および極性基を実質的に含まない
    テルペン樹脂の1種以上が5〜30重量%混合されたフ
    イルムであって、120℃、15分加熱での長手方向の
    熱収縮率が5%以下であり、水蒸気透過率が1.0(g
    /m2 ・24hr/0.1mm)以下であることを特徴
    とする耐熱防湿フイルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の耐熱防湿フイルムの少
    なくとも片面に、アイソタクチックインデックスが98
    %以下の結晶性ポリプロピレンを積層してなることを特
    徴とする耐熱防湿フイルム。
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