JPH08269213A - 耐熱防湿フイルム - Google Patents
耐熱防湿フイルムInfo
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- JPH08269213A JPH08269213A JP7097915A JP9791595A JPH08269213A JP H08269213 A JPH08269213 A JP H08269213A JP 7097915 A JP7097915 A JP 7097915A JP 9791595 A JP9791595 A JP 9791595A JP H08269213 A JPH08269213 A JP H08269213A
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Wrappers (AREA)
Abstract
下、アイソタクチックインデックスが98.5%以上、
メルトフローインデックスが2〜4g/10分の結晶性
ポリプロピレン70〜95重量%に、極性基を実質的に
含まない石油樹脂および極性基を実質的に含まないテル
ペン樹脂の1種以上が5〜30重量%混合されたフイル
ムであって、120℃、15分加熱での長手方向の熱収
縮率が5%以下であり、水蒸気透過率が1.0(g/m
2 ・24hr/0.1mm)以下であることを特徴とす
る耐熱防湿フイルム。 【効果】 耐熱性、防湿性および耐有機溶剤性に優れ、
印刷、蒸着、コーティングなどの二次加工性に優れたフ
イルムが得られた。
Description
せ持った、包装用に好適な耐熱防湿フイルムに関する。
テルペン樹脂を添加すると、ヤング率や防湿性を向上さ
せることが知られている(特公平1−25503号、特
公平3−31347号公報等)。またポリプロピレンに
石油樹脂およびテルペン樹脂を添加したフイルム上に金
属蒸着およびポリ塩化ビニリデン系樹脂が積層して、防
湿性をさらに向上させることが知られている(特公平2
−27940号、特公平5−1138号公報等)。
ロピレンに石油樹脂およびテルペン樹脂を添加するとヤ
ング率や防湿性は向上するが、石油樹脂やテルペン樹脂
が低軟化点であるため、これらを添加したフイルムは寸
法安定性に劣り、フイルムをロール状に巻いた時に巻締
まりが起こって平面性が悪化する。また熱収縮率が大き
いために加工時の工程安定性に劣るという問題があっ
た。
防湿性を付与させようとしたときに、蒸着時の熱でフイ
ルムが収縮して金属蒸着面にクラックが入り、防湿性が
上がらないという問題があった。
ティングしてさらに防湿性を付与させようとしたとき
に、コーティング後の乾燥時の熱でフイルムが収縮して
コーティング樹脂層に亀裂が入ったり、またポリプロピ
レンフイルムとの界面接着力が低下して、防湿性が上が
らないという問題があった。
されたものであり、耐熱性と防湿性および製膜時の厚み
むらに優れ、かつ印刷および蒸着加工時の寸法安定性に
も優れたフイルムを提供することを目的とする。
に、本発明の耐熱防湿フイルムは、125℃での等温結
晶化時間が3.5分以下、アイソタクチックインデック
スが98.5%以上、メルトフローインデックスが2〜
4g/10分の結晶性ポリプロピレン70〜95重量%
に、極性基を実質的に含まない石油樹脂および極性基を
実質的に含まないテルペン樹脂の1種以上が5〜30重
量%混合されたフイルムであって、120℃、15分加
熱での長手方向の熱収縮率が5%以下であり、水蒸気透
過率が1.0(g/m2 ・24hr/0.1mm)以下
であることを特徴とするものからなる。
上記の耐熱防湿フイルム(以下、A層と言うこともあ
る。)の少なくとも片面に、アイソタクチックインデッ
クスが98%以下の結晶性ポリプロピレンを積層(以
下、B層と言うこともある。)してなることを特徴とす
るものからなる。
125℃での等温結晶化時間(以下t−1/2と略称す
ることもある。)は3.5分以下で、かつアイソタクチ
ックインデックス(以下IIと略称することもある。)
が98.5%以上であることが必要である。t−1/2
が3.5分を越え、IIが98.5%未満ではフイルム
の結晶化度が上がらず、120℃、15分加熱での長手
方向の熱収縮率が5%以上になるので好ましくなく、ま
た耐有機溶剤性も悪化するので好ましくない。またメル
トフローインデックス(MFI)を2〜4g/10分の
範囲とすることにより、石油樹脂および/またはテルペ
ン樹脂の分散性が良くなり、製膜性および防湿性も良く
なる。また、プロピレン以外の第2成分、例えばエチレ
ン、ブテン、ヘキセンなどを少量ランダムに共重合させ
てもよい。また、公知の添加剤、例えば結晶核剤、酸化
防止剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキン
グ防止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤などを適量
含有させてもよい。
混合される極性基を実質的に含まない石油樹脂とは、水
酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、スルホン基および
それらの変成体などからなる極性基を有さない石油樹
脂、即ち石油系不飽和炭化水素を直接原料とするシクロ
ペンタジエン系、或は高級オレフィン系炭化水素を主原
料とする樹脂である。
のガラス転移点温度(以下、Tgと略称する)は、60
℃以上であることが好ましい。Tgが60℃未満では、
防湿性の向上効果が小さい。
の水素添加率を90%以上、好ましくは99%以上とし
た水添石油樹脂が本発明の耐熱防湿フイルムに特に望ま
しい。代表的な水素添加石油樹脂としては、例えばTg
70℃以上で水添率99%以上のポリジシクロペンタジ
エン等の高Tg完全水添脂環族石油樹脂を挙げることが
できる。
樹脂とは、水酸基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキ
シル基、ハロゲン基、スルホン基およびそれらの変成体
などからなる極性基を有さないテルペン樹脂、即ち(C
5 H8 )nの組成の炭化水素およびこれから導かれる変
性化合物である。nは2〜20程度の自然数である。
こともあり、代表的な化合物としては、ピネン、ジペン
テン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テレピ
ノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン、ビサボ
レン、ジンギペレン、サンタレン、カンホレン、ミレ
ン、トタレン等があり、本発明のフイルムの場合、水素
を添加し、その水素添加率を90%以上、好ましくは9
9%以上とするのが望ましく、特にβ−ピネン、水素β
−ピネン、水添β−ジペンテン等が好ましい。
油樹脂および極性基を実質的に含まないテルペン樹脂の
1種以上の使用が本発明の場合重要であり、臭素価とし
て10以下、好ましくは5以下、更に好ましくは1以下
のものが良い。
を実質的に含まない石油樹脂および極性基を実質的に含
まないテルペン樹脂の1種以上の混合量は、前記結晶性
ポリプロピレン70〜95重量%に対して、5〜30重
量%であることが必要である。特に10〜20重量%で
あることが好ましい。該樹脂の混合量が5重量%未満で
は防湿性の向上がみられず、30重量%を超えると、耐
熱性が悪化するのみならず、表層にブリードアウトし
て、積層樹脂の接着力および金属蒸着の密着力が低下す
るので好ましくない。
5分加熱での長手方向の熱収縮率が5%以下であること
が必要であり、好ましくは3%以下である。長手方向の
熱収縮率が5%を超えると、フイルムをロール状に巻い
た時に巻締まりが起こって平面性が悪化し、また熱収縮
率が大きいために、印刷後の印字のピッチずれや、粘着
剤塗布やラミネート加工時にシワが発生して工程安定性
に劣る。
防湿性を付与させようとしたときに、蒸着時の熱でフイ
ルムが収縮し、また金属蒸着面に押出ラミネートした際
に熱でフイルムが収縮して、金属蒸着面にクラックが入
り、防湿性が上がらない。
ティングしてさらに防湿性を付与させようとしたとき
に、コーティング後の乾燥時の熱でフイルムが収縮して
コーティング樹脂層に亀裂が入ったり、またポリプロピ
レンフイルムとの界面接着力が低下して、防湿性が上が
らない。
1.0(g/m2 ・24hr/0.1mm)以下である
必要がある。水蒸気透過率が1.0(g/m2 ・24h
r/0.1mm)を超えると、本フイルムを乾物やポテ
トチップスなどの防湿性を必要とする防湿包装用として
用いたときに、内容物が湿気って内容物保護性に劣る。
さらに防湿性を必要とする用途においては、金属蒸着の
膜厚やポリ塩化ビニリデン系樹脂のコーティング厚みを
厚くする必要があり、価格上昇や着色することが避けら
れない。
二軸延伸フイルムのいずれでもよいが、機械的性質、光
学的性質、熱的性質および防湿性などの点から二軸延伸
フイルムが好ましい。
の少なくとも片面に積層されるB層の樹脂は、アイソタ
クチックインデックス(II)が98%以下の結晶性ポ
リプロピレンである。B層の結晶性ポリプロピレンのI
Iが98%を越えると結晶化が高くなって、フイルム表
面の粗さが大きくなり、外部ヘイズが高くなって透明性
が悪化する。また金属蒸着およびポリ塩化ビニリデン系
樹脂などの密着性も悪化する。
は、プロピレン以外の第2成分、例えばエチレン、ブテ
ン、ヘキセンなどを少量ランダムに共重合させてもよ
い。また、公知の添加剤、例えば結晶核剤、酸化防止
剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキング防
止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤などを含有させ
てもよい。
〜50μmが好ましく、さらに好ましくは2〜30μm
である。この厚さが1μmに満たないと、防湿性および
表層に該水添石油樹脂や水添テルペン樹脂がブリードア
ウトして、金属蒸着およびポリ塩化ビニリデン系樹脂な
どの密着力が低下するのみならず、油物包装時に油のし
みだしを防止する耐油性が低下するので好ましくない。
一方、厚さが50μmを超えると、熱収縮率が大きくな
って耐熱性が悪化し、防湿性も悪化する。
伸、二軸延伸のいずれでもよいが、機械的性質、光学的
性質、熱的性質および防湿性などの点から、該耐熱防湿
フイルム(A層)の樹脂と共押出して、二軸延伸フイル
ムとするのが好ましい。
着などをするときに、接着力を高めるために、フイルム
表面にコロナ放電処理あるいはプラズマ処理を行なうこ
とが好ましい。コロナ放電処理は公知の方法を用いるこ
とができるが、処理を施す時の雰囲気ガスとして、空
気、炭酸ガス、窒素ガスおよびこれらの混合ガスが好ま
しい。またプラズマ処理は、種々の気体をプラズマ状態
におき、フイルム表面を化学変成させる方法、例えば特
開昭59−98140号公報記載の方法などがある。
属蒸着およびポリ塩化ビニリデン系樹脂性をコーティン
グしてさらに防湿性を向上させるときは、通常のフロピ
レンフイルムに比べ、蒸着膜厚およびコーティング厚み
を薄くすることができ、低価格な超防湿フイルムとする
ことができる。
ケイ素、金、銀などの金属およびこれらの1種以上の金
属化合物およびこれらの金属酸化物である。中でもアル
ミニウムが低価格で経済性がよく好ましい。
限定されるものではなく、塩化ビニリデン単独重合体お
よび塩化ビニリデンの共重合体が含まれる。
法の一例について述べる。125℃でのt−1/2が
3.5分以下で、IIが98.5%以上、かつ、メルト
フローインデックスが2〜4g/10分の結晶性ポリプ
ロピレンに極性基を実質的に含まない石油樹脂および極
性基を実質的に含まないテルペン樹脂のそれぞれ特定範
囲の混合物からなるA層樹脂を押出機に供給し、樹脂温
度200℃以上、好ましくは220℃〜280℃の温度
で溶融混合した後、T型口金からシート状に押出成形
し、ドラフト比(口金リップ間隙/フイルム厚み)が
1.2以上、好ましくは1.5〜3.0で該シートを2
0〜100℃、好ましくは50〜80℃の温度のドラム
に巻き付けて冷却固化し、次いで、該シートを100〜
150℃に保たれたオーブン中に通して予熱し、引き続
き該シートを80℃〜150℃の温度に保ち周速差を設
けたロール間に通し、長手方向に2〜6倍に延伸し、た
だちに室温に冷却する。引き続き該延伸フイルムをテン
ターに導いて、170℃以下の温度、好ましくは140
〜165℃の温度で幅方向に5〜10倍に延伸し、次い
で幅方向に2〜20%の弛緩を与えつつ、160〜17
0℃の温度で熱固定して巻取る。また、IIが98%以
下の結晶性ポリプロピレンのB層樹脂の積層は、B層の
樹脂をもう1台の押出機に供給して220〜280℃の
温度で溶融した後、多層成形口金にてB層/A層または
B層/A層/B層の構成となるように口金内で合流させ
た後、積層シート状に成形する。また、別の積層方法と
しては、口金の上流の短管内でA層樹脂とB層樹脂とを
合流せしめた後、T型口金でシート状に成形するか、ま
たは上記製膜工程で長手方向に延伸された延伸フイルム
にB層の樹脂を押出ラミネートし、該積層フイルムをテ
ンターに導き、幅方向に延伸される方法が用いられる。
具体的には、B層の樹脂を押出機に供給し、260〜2
80℃の温度で溶融した後、カラス口型の口金にてシー
ト状に溶融押出をし、その溶融シートを5〜50℃の温
度の冷却ロールとゴムロールの間で該長手方向に延伸し
たフイルムと貼り合わせ圧着する。
着をしたフイルムは、例えば真空蒸着機により金属を所
望の膜厚に積層することにより得られる。
ィングは、ロールコーター、グラビアロール、ロッドコ
ーター、スプレイコーターなどの通常の方法が使用さ
れ、乾燥はライン速度にもよるが、60℃〜120℃の
オーブンに通して乾燥される。
止剤、耐候剤、防曇剤、滑り剤などの添加剤を添加、ま
たはコーティングしてもよい。また、表面改質の目的で
空気雰囲気中、不活性ガス雰囲気中等でコロナ放電処理
などの公知の処理を施してもよい。
ンボス加工、印刷、押出ラミネーション加工、他の樹脂
フイルム、紙、布などと張り合わせ加工を行なって用い
ることもできる。
本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次
のとおりである。 (1)極限粘度[η] 試料0.1gを135℃のテトラリン100mlに完全
溶解させ、この溶液を粘度計で135℃の恒温槽中で測
定して、比粘度Sにより次式に従って極限粘度を求め
る。単位はdl/gとする。 [η]=(S/0.1)×(1+0.22×S)
I) 原料の状態では個々に測定すればよいが、複合フイルム
においては、まず試料を60℃以下の温度のn−ヘプタ
ンで2時間抽出し、プロピレンへの添加物を除去する。
その後130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W
(mg)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ沸騰
n−ヘプタンで12時間抽出する。次に、この試料を取
り出しアセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間真
空乾燥しその後常温まで冷却し、重量W′(mg)を測
定し、次式で求める。 II(%)=(W′/W)×100 なお複合層については、表層を削りとり、上記と同じ方
法にて測定すればよい。
晶化時間(t−1/2) 原料の状態では個々に測定すればよいが、複合フイルム
においては、まず試料を60℃以下の温度のn−ヘプタ
ンで2時間抽出し、プロピレンと石油樹脂およびテルペ
ン樹脂を分割する。次いでプロピレンは130℃、石油
樹脂およびテルペン樹脂は60℃で2時間真空乾燥す
る。その後、各試料について示差走査熱量計(DSC−
2型、パーキンエルマー社製)を用い、サンプル5mg
を室温より、20℃/分の昇温速度で昇温していった際
に、二次転移形に伴う比熱の変化をガラス転移点温度
(Tg)とし、ついで、280℃の溶融保持温度まで昇
温し、5分間保持した後に20℃/分の冷却速度にて冷
却していき、125℃で保持した時に、結晶化に伴う潜
熱のピークの始めの時間と終わりの時間を記録し、その
半分の時間を等温結晶化時間(t−1/2)とした。な
お複合層については、表層を削りとり、上記と同じ方法
にて測定すればよい。
I) ASTM−D−1238に準じて、230℃、2.16
kgの条件で測定した。
油100g中の不飽和成分に付加される臭素のg数で表
わされる。
グし、原寸(L0 )として200mmの位置にマークを
入れる。このサンプルの下端に3gの荷重をかけ、12
0℃のオーブン中で15分間熱処理し、この後サンプル
にマークした長さ(L1 )を測定する。この熱収縮率
(R)は次式により求められる。 熱収縮率(R)(%)=[(L0 −L1 )/L0 ]×1
00
で測定した値で、g/m2 ・24hr/0.1mm単位
で表わす。
て測定した。
イルム断面構成観察を行ない、厚みを測定した。
法2 60°鏡面光沢) 光沢度計(日本電色工業(株)製、VG107型)を用
いて、60°反射の時の光沢度を測定して求めた。
した時に、フイルムの収縮による印字のピッチずれや、
フイルムのシワ等の発生の有無を評価した。
(l0 )として100mmの位置にマークを入れる。こ
のサンプルを25℃のトルエンに1分浸漬し、その後サ
ンプルの下端に3gおよび100gの荷重をかけ、80
℃のオーブン中で1分間熱処理し、この後サンプルにマ
ークした長さ(l1 )を測定する。このときの寸法変化
(L)を次式により求める。 寸法変化率(L)(%)=[(l0 −l1 )/l0 ]×
100 この寸法変化率(L)が±2%未満のものを耐有機溶剤
性:○、±2%以上のものを耐有機溶剤性:×として評
価した。
て、約1.33×10-5Paの真空度で、アルミニウム
を厚さ60nm程度に蒸着して巻とり、その後この蒸着
面を電界放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用い
て観察し、蒸着面のクラックの発生状態をみた。
を厚さ3μmコーティングした後、80℃のオーブンに
通して乾燥させ巻き取った。このコーティング面を電界
放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて観察
し、コーティング面のクラックの発生状態をみた。
説明する。 実施例1、2、比較例1、2 結晶性ポリプロピレン(PP)(t−1/2:97se
c、II:98.7%、MFI:3.5g/10分)樹
脂に、特定の水添無極性石油樹脂を表1に示した割合に
混合したA層樹脂組成を押出機に供給して240℃の温
度で溶融し、一方B層の積層樹脂として、II:97.
0%の結晶性ポリプロピレンを別の押出機(II)に供給
して260℃の温度で溶融し、B層/A層/B層からな
る多層口金にて3層に共押出してシート状に押出成形
し、ドラフト比2.0で60℃の温度のドラムに巻き付
けてシート状に冷却固化した。該シートを140℃に保
たれたオーブン中に通して予熱し、引き続き130℃に
保ち周速差を設けた4本のロールに通して長手方向に
5.0倍延伸し、ただちに40℃に冷却した。次に該延
伸シートをテンターに導き、165℃の温度に予熱し、
引き続き155℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次い
で幅方向に5%の弛緩を与えつつ165℃の温度で熱処
理をした後、冷却し巻き取った。フイルム特性は表2の
とおりであった。本発明の範囲のフイルムは熱収縮率が
小さくて耐熱性に優れ、また水蒸気透過率も小さくて防
湿性に優れ、印刷性や耐有機溶剤性および蒸着性などの
二次加工性にも優れたフイルムであった。また、本発明
の範囲をはずれたフイルムは、耐熱性および防湿性のい
ずれかに劣り、また印刷性や耐有機溶剤性および蒸着性
などの二次加工性にも劣り、本発明の目的とするフイル
ムは得られなかった。
レンのMFIをそれぞれ、5.0g/10分、1.0g
/10分とした以外は実施例1と全く同様にしてフイル
ムを製造した。
12sec、II:99.0%)樹脂に、特定の水添無
極性テルペン樹脂を15重量%混合して押出機(I)に
供給して240℃の温度で溶融し、T型口金に導きシー
ト状に押出成形した以外は実施例1と全く同様にしてフ
イルムを製造した。比較例5では、実施例1のA層の結
晶性ポリプロピレンの替わりに、t−1/2:225s
ec、II:97.3%の結晶性ポリプロピレンとし、
比較例6では、実施例1の特定の水添無極性石油樹脂の
替わりに、未水添で極性基(カルボキシル基−COO
H)を持った石油樹脂とし、B層の結晶性ポリプロピレ
ンを、II:98.5%の結晶性ポリプロピレンとした
以外は実施例1と全く同様にしてフイルムを製造した。
フイルム特性は表2のとおりであった。本発明の範囲の
フイルムは熱収縮率が小さくて耐熱性に優れ、また水蒸
気透過率も小さくて防湿性に優れ、印刷性や耐有機溶剤
性および蒸着性などの二次加工性にも優れたフイルムで
あった。また、本発明の範囲をはずれたフイルムは、耐
熱性および防湿性のいずれかに劣り、また印刷性や耐有
機溶剤性および蒸着性などの二次加工性にも劣り、本発
明の目的とするフイルムは得られなかった。
イルムは、特定の高結晶性ポリプロピレンに特定の石油
樹脂および/または特定のテルペン樹脂を添加混合した
フイルムであって、次のような優れた効果を生じるもの
である。 (1)水蒸気透過率が小さくて防湿性に優れ、包装用
途、特に食品、医薬品等の包装用として好適である。 (2)二次加工で必要な耐熱性および耐有機溶剤性に優
れ、また印刷、粘着テープ、蒸着ベース用として良好な
特性を有する。 (3)耐熱性および防湿性に優れていることから、薄膜
化を図ることができ、包装材料のコスト低減となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 125℃での等温結晶化時間が3.5分
以下、アイソタクチックインデックスが98.5%以
上、メルトフローインデックスが2〜4g/10分の結
晶性ポリプロピレン70〜95重量%に、極性基を実質
的に含まない石油樹脂および極性基を実質的に含まない
テルペン樹脂の1種以上が5〜30重量%混合されたフ
イルムであって、120℃、15分加熱での長手方向の
熱収縮率が5%以下であり、水蒸気透過率が1.0(g
/m2 ・24hr/0.1mm)以下であることを特徴
とする耐熱防湿フイルム。 - 【請求項2】 請求項1に記載の耐熱防湿フイルムの少
なくとも片面に、アイソタクチックインデックスが98
%以下の結晶性ポリプロピレンを積層してなることを特
徴とする耐熱防湿フイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09791595A JP3259588B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 耐熱防湿フイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09791595A JP3259588B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 耐熱防湿フイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269213A true JPH08269213A (ja) | 1996-10-15 |
JP3259588B2 JP3259588B2 (ja) | 2002-02-25 |
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ID=14205008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09791595A Expired - Fee Related JP3259588B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 耐熱防湿フイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3259588B2 (ja) |
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