JP3460295B2 - 耐熱防湿蒸着フイルム - Google Patents

耐熱防湿蒸着フイルム

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JP3460295B2
JP3460295B2 JP1098894A JP1098894A JP3460295B2 JP 3460295 B2 JP3460295 B2 JP 3460295B2 JP 1098894 A JP1098894 A JP 1098894A JP 1098894 A JP1098894 A JP 1098894A JP 3460295 B2 JP3460295 B2 JP 3460295B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性と防湿性を合わ
せ持った、包装用に好適な耐熱防湿蒸着フイルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレンに金属蒸着して防
湿性を付与するこは公知となっている(特公平5−71
034号、特公平5−78411号、特公平5−784
15号等)が、金属蒸着したフイルム単体で包装用とし
て用いられることは少なく、一般に包装用袋として用い
られるために、ヒートシール性樹脂として該金属蒸着フ
イルムに未延伸のポリプロピレンフイルムを接着剤等で
ラミネートしたり、ポリオレフィン樹脂が押出ラミネー
トされることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属蒸
着ポリプロピレンフイルムに、未延伸のポリプロピレン
フイルムを接着剤等でラミネートしてオーブンで乾燥し
たり、ポリオレフィン樹脂を250℃以上の押出温度で
押出ラミネートした際に、乾燥時の熱や押出ラミネート
時の熱で金属蒸着フイルムが収縮して金属蒸着層に微少
クラックが入り、防湿性が上がらないという問題があっ
た。
【0004】本発明は上記従来の欠点を解消すべくなさ
れたものであり、耐熱性と防湿性に優れ、かつ寸法安定
性にも優れたフイルムを提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
の耐熱防湿蒸着フイルムは、熱融解温度のピーク温度
が165℃以上で、結晶化度が50%以上、125℃で
の等温結晶化時間の1/2が2分以下、アイソタクチッ
クペンタッド分率が98%以上の二軸延伸ポリプロピレ
ンフイルムの少なくとも片面に金属蒸着してなるフイル
ムであって、140℃、15分加熱での長手方向と幅方
向の熱収縮率の和が6%以下で、水蒸気透過率が1.0
g/m2 ・24hr/20μm以下であることを特徴と
するものである。また、本発明の耐熱防湿蒸着フイルム
、熱融解温度のピーク温度が165℃以上で、結晶化
度が50%以上、125℃での等温結晶化時間の1/2
が2分以下、アイソタクチックペンタッド分率が98%
以上の二軸延伸ポリプロピレンフイルムの少なくとも片
面に熱融解温度のピーク温度が150℃以下のポリオレ
フィン系樹脂を積層し、該ポリオレフィン樹脂上に金属
蒸着してなるフイルムであって、140℃、15分加熱
での長手方向と幅方向の熱収縮率の和が6%以下で、水
蒸気透過率が1.0g/m 2 ・24hr/20μm以下
であることを特徴とするものである。
【0006】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフイルム
(以下OPPと略称する)は、125℃での等温結晶化
時間の1/2(以下t−1/2と略称する)は2分以下
で、かつアイソタクチックペンッド分率(以下IIと
略称する)が98%以上であることが必要である。t−
1/2が2分を超え、IIが98%未満ではフイルムの
結晶化度が上がらず、140℃、15分加熱での長手方
向と幅方向の熱収縮率の和が6%を超えるので好ましく
なく、また耐有機溶剤性も悪化するので好ましくない。
またメルトフローインデックス(MFI)が2.0〜1
0g/10分の範囲が製膜性および防湿性もよくなるの
で好ましい。プロピレン以外の第2成分、例えばエチレ
ン、ブテン、ヘキセンなどを少量ランダムに共重合させ
てもよい。また、公知の添加剤、例えば結晶核剤、酸化
防止剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキン
グ防止剤、充填剤、石油樹脂、テルペン樹脂、粘度調整
剤、着色防止剤などを含有させてもよい。
【0007】また該OPPの熱融解温度のピーク温度
(以下Tmと略称する)は165℃以上であることが必
要で、Tmが165℃未満では、140℃、15分加熱
での長手方向と幅方向の熱収縮率の和が6%を超えるの
で好ましくない。
【0008】さらに、該OPPの結晶化度は50%以上
であることが必要である。結晶化度が50%未満では、
水蒸気透過率が1.0g/m2 ・24hr/20μmを
超え、また140℃、15分加熱での長手方向と幅方向
の熱収縮率の和が6%を超えるので好ましくない。
【0009】次に該OPPに金属蒸着をするときに、接
着力を高めるために、OPP表面にコロナ放電処理ある
いはプラズマ処理を行なうことが好ましい。コロナ放電
処理は公知の方法を用いることができるが、処理を施す
時の雰囲気ガスとして、空気、炭酸ガス、窒素ガスおよ
びこれらの混合ガスが好ましい。このとき、OPP表面
の窒素原子(N)の数と炭素原子(C)の数の濃度比
(N/C)が0.003以上であることが、金属蒸着接
着強度が高くなり好ましい。またプラズマ処理は、種々
の気体をプラズマ状態におき、フイルム表面を化学変成
させる方法、例えば特開昭59−98140などがあ
る。
【0010】該OPPに蒸着される金属は、アルミニウ
ム、亜鉛、ケイ素、金、銀などの金属およびこれらの1
種以上の金属化合物および金属酸化物である。中でもア
ルミニウムが低価格で経済性がよく好ましい。
【0011】また本発明のフイルムは、140℃、15
分加熱での長手方向と幅方向の熱収縮率の和が6%以下
であることが必要であり、好ましくは5%以下である。
熱収縮率が6%を超えると、金属蒸着時に熱を受けるた
め、フイルムが微少寸法変化を起こし金属蒸着層に微少
クラックが入ったり、また金属蒸着ポリプロピレンフイ
ルムに、未延伸のポリプロピレンフイルムを接着剤等で
ラミネートしてオーブンで乾燥したり、ポリオレフィン
樹脂を250℃以上の押出温度で押出ラミネートした際
に、乾燥時の熱や押出ラミネート時の熱で金属蒸着フイ
ルムが収縮して金属蒸着層に微少クラックが入り、蒸着
フイルムの防湿性が悪化する。
【0012】また本発明のフイルムは、水蒸気透過率が
1.0g/m2 ・24hr/20μm以下である必要が
あり、好ましくは0.7g/m2 ・24hr/20μm
以下である。水蒸気透過率が1.0g/m2 ・24hr
/20μmを超えると、本フイルムを乾物やポテトチッ
プなどの防湿性を必要とする防湿包装用として用いたと
きに、内容物が湿気って内容物保護性に劣る。
【0013】次に該OPPの(A層)の少なくとも片面
に、熱融解温度のピーク温度が150℃以下のポリオレ
フィン系樹脂を積層(B層)して使用することが好まし
い。これは金属蒸着時に、金属蒸着の接着強度が高くな
り、また反対側面に積層した場合は、ヒートシール層と
しても使用することができる。
【0014】ここで熱融解温度のピーク温度が150℃
以下のポリオレフィン系樹脂(以下L−POと略称す
る)としては、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン
−プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが好まし
い。積層厚みは特に限定されないが、1〜5μm、熱収
縮率と水蒸気透過率の点から、1〜3μmが好ましい。
【0015】次に本発明の耐熱防湿フイルムの製造方法
について述べる。125℃でのt−1/2が2分以下
で、IIが98%以上の結晶性PPを押出機に供給し、
ましくは250℃〜280℃の樹脂温度で溶融した
後、T型口金からシート状に押出成形し、ドラフト比
(口金リップ間隙/フイルム厚み)が1.2以上、好ま
しくは1.5〜3.0で該シートを20〜100℃、好
ましくは30〜80℃の温度のドラムに巻き付けて冷却
固化し、次いで、該シートを120〜150℃に保たれ
たオーブン中に通して予熱し、引き続き該シートを10
0℃〜150℃の温度に保ち周速差を設けたロール間に
通し、長手方向に2〜6倍に延伸し、ただちに室温に冷
却する。引き続き該延伸フイルムをテンターに導いて、
150℃以上の温度、好ましくは160〜170℃の温
度で幅方向に5〜10倍に延伸し、次いで幅方向に2〜
20%の弛緩を与えつつ、160〜170℃の温度で熱
固定して巻取る。また熱融解温度のピーク温度が150
℃以下のL−PO(B層樹脂)の積層は、B層の樹脂を
もう一台の押出機に供給して220〜280℃の温度で
溶融した後、多層成形口金にてB層/A層またはB層/
A層/B層の構成となるように口金内で合流させた後、
積層シート状に成形する。また、別の積層方法として
は、口金の上流の短管内でA層樹脂とB層樹脂とを合流
せしめた後、T型口金でシート状に成形するか、または
上記製膜工程で長手方向に延伸された延伸フイルムにB
層の樹脂を押出ラミネートし、該積層フイルムをテンタ
ーに導き、幅方向に延伸される方法が用いられる。具体
的には、B層の樹脂を押出機に供給し、260〜280
℃の温度で溶融した後、カラス口型の口金にてシート状
に溶融押出をし、その溶融シートを5〜50℃の温度の
冷却ロールとゴムロールの間で該長手方向に延伸したフ
イルムと張り合わせ圧着する。
【0016】次に該フイルムを窒素と炭酸ガスの混合気
体(炭酸ガス濃度比1〜50%)の中に導き、フイルム
温度を20〜80℃に保ちつつ、20〜150W・分/
2でコロナ放電処理を施して巻き取る。
【0017】さらにこうして得られた二軸延伸ポリプロ
ピレンフイルムのコロナ放電処理面に、真空蒸着機によ
り金属を所望の膜厚に蒸着することにより得られる。
【0018】本発明のフイルムは、目的に応じて帯電防
止剤、耐候剤、防曇剤、滑り剤などの添加剤を添加、ま
たはコーティングしてもよい。
【0019】また本発明のフイルムは、目的に応じてエ
ンボス加工、印刷、押出ラミネーション加工、他の樹脂
フイルム、紙、布などと張り合わせ加工を行なって用い
ることもできる。
【0020】
【特性の測定方法並びに効果の評価方法】本発明の特性
値の測定方法、並びに効果の評価方法は次のとおりであ
る。
【0021】(1)極限粘度([η]) 試料0.1gを135℃のテトラリン100mlに完全
溶解させ、この溶液を粘度計で135℃の恒温槽中で測
定して、比粘度Sにより次式に従って極限粘度を求め
た。単位はdl/gとする。
【0022】 [η]=(S/0.1)×(1+0.22×S)
【0023】(2)アイソタクチックペンッド分率
(II) 原料の状態では個々に測定すればよいが、複合フイルム
においては、まず試料を60℃以下の温度のn−ヘプタ
ンで2時間抽出し、PPへの添加物を除去する。その後
130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W(m
g)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ沸騰n−
ヘプタンで12時間抽出する。次に、この試料を取り出
しアセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間真空乾
燥しその後常温まで冷却し、重量W′(mg)を測定
し、次式で求めた。
【0024】II(%)=(W′/W)×100
【0025】(3)熱融解温度(Tm)、結晶化度、等
温結晶化時間(t−1/2) 各試料について示差走査熱量計(DSC−2型、パーキ
ンエルマー社製)を用い、サンプル10mgを室温よ
り、10℃/分の昇温速度で昇温していった際に、結晶
の融解に伴う融解吸熱のピークの頂点を熱融解温度(T
m)とし、この時の融解吸熱のピークの開始点から終了
点までの融解熱量を求め、下記式にて結晶化度を求め
た。ついで、280℃の溶融保持温度まで昇温し、5分
間保持した後に10℃/分の冷却速度にて冷却してい
き、125℃で保持した時に、結晶化に伴う潜熱のピー
クの始めの時間と終わりの時間を記録し、その半分の時
間を等温結晶化時間(t−1/2)とした。なお複合層
については、表層を削りとり、上記と同じ方法にて測定
すればよい。
【0026】 結晶化度(%)=(ΔH/ΔH0 )×100 ΔH :各フイルムの融解熱量 ΔH0 :ポリプロピレンの平衡融解熱量 文献値=49.97cal/g:Thermal An
alysis(by Wunderlich,199
0)
【0027】(4)メルトフローインデックス(MF
I) ASTM−D−1238に準じて、230℃、2.16
kgの条件で測定した。
【0028】(5)熱収縮率 熱収縮率は、試長260mm、幅10mmにサンプリン
グし、原寸(L0 )として200mmの位置にマークを
入れる。このサンプルの下端に3gの荷重をかけ、14
0℃のオーブン中で15分間熱処理し、この後サンプル
にマークした長さ(L1 )を測定した。熱収縮率(R)
は次式により求めた。
【0029】熱収縮率(R)(%)=[(L0 −L1
/L0 ]×100
【0030】(6)水蒸気透過率 JIS Z−0208に従い、40℃、90%RHの条
件で測定した値で、g/m2 ・24hr/20μm単位
で表した。
【0031】(7)フイルム厚み ダイヤルゲージ式厚み計(JIS−B−7509)を用
いて測定した。
【0032】(8)積層厚み 電界放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いてフ
イルム断面構成観察を行ない、厚みを測定した。
【0033】(9)蒸着加工性 フイルム厚み20μmで、長さ1000mを真空蒸着機
にて、約1.33×10−5 Paの真空度で、アルミニ
ウムを厚み60nm程度に蒸着して巻き取り、その後該
フイルムの蒸着面を電界放射形走査電子顕微鏡(FE−
SEM)を用いて観察し、蒸着面のクラックの発生状態
をみた。
【0034】この時、蒸着面にクラックの入っていない
ものを○とし、クラックが入っているものを×として評
価した。
【0035】(10)二次加工性 蒸着フイルム面に、低密度ポリエチレンを300℃で厚
み20μmに押出ラミネートした後に水蒸気透過率を測
定し、押出ラミネート前の水蒸気透過率に比べ、押出ラ
ミネート後の水蒸気透過率が1.5倍以下のものを○、
1.5倍を超えるものを×として評価した。
【0036】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいて説明す
る。
【0037】実施例1 125℃でのt−1/2が90secで、IIが98.
5%の結晶性PPを押出機に供給し、樹脂温度260℃
の温度で溶融混合した後、T型口金からシート状に押出
成形し、ドラフト比(口金リップ間隙/フイルム厚み)
が1.2で60℃の温度のドラムに巻き付けて冷却固化
し、次いで、該シートを150℃に保たれたオーブン中
に通して予熱し、引き続き該シートを140℃の温度に
保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に5倍に
延伸し、ただちに室温に冷却する。引き続き該延伸フイ
ルムをテンターに導き、170℃の温度に予熱し、引き
続き165℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次いで幅
方向に5%の弛緩を与えつつ165℃の温度で熱処理を
した後、該フイルムを窒素と炭酸ガスの混合気体(炭酸
ガス濃度比15%)の中に導き、フイルム温度を60℃
に保ちつつ、30W・分/m2 でコロナ放電処理を施し
て巻き取った。この時の二軸延伸ポリプロピレンフイル
ムの厚みは20μmで、Tmは170℃、結晶化度は5
5%であった。
【0038】さらにこうして得られた二軸延伸ポリプロ
ピレンフイルムのコロナ放電処理面に真空蒸着機にて、
約1.33×10−5 Paの真空度で、アルミニウムを
厚み60nm程度に蒸着して巻き取った。フイルム特性
は表1のとおりであった。本発明の範囲のフイルムは熱
収縮率が小さくて耐熱性に優れ、また水蒸気透過率も小
さくて防湿性に優れ、さらに二次加工性にも優れたフイ
ルムであった。
【0039】実施例2 125℃でのt−1/2が100secで、IIが9
9.0%の結晶性PPを押出機に供給し、樹脂温度27
0℃の温度で溶融混合した後、T型口金からシート状に
押出成形し、ドラフト比(口金リップ間隙/フイルム厚
み)が1.5で30℃の温度のドラムに巻き付けて冷却
固化し、次いで、該シートを140℃に保たれたオーブ
ン中に通して予熱し、引き続き該シートを135℃の温
度に保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に5
倍に延伸し、ただちに室温に冷却する。引き続き該延伸
フイルムをテンターに導き、175℃の温度に予熱し、
引き続き165℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次い
で幅方向に5%の弛緩を与えつつ170℃の温度で熱処
理をした後、冷却し巻き取った以外は実施例1と全く同
様にしてフイルムを製造した。この時の二軸延伸ポリプ
ロピレンフイルムの厚みは20μmで、Tmは168
℃、結晶化度は52%であった。フイルム特性は表1の
とおりであった。本発明の範囲のフイルムは熱収縮率が
小さくて耐熱性に優れ、また水蒸気透過率も小さくて防
湿性に優れ、さらに二次加工性にも優れたフイルムであ
った。
【0040】実施例3 実施例1の結晶性PPを押出機(I)に供給して260
℃の温度で溶融し、一方B層の積層樹脂として、Tmが
135℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体(E
PC、エチレン含有量3wt%)を別の押出機(II)に
供給して270℃の温度で溶融し、B層/A層/B層か
らなる多層口金にて3層に共押出してシート状に押出成
形し、ドラフト比2.0で60℃の温度のドラムに巻き
付けてシート状に冷却固化した。該シートを140℃に
保たれたオーブン中に通して予熱し、引き続き130℃
に保ち周速差を設けた4本のロールに通して長手方向に
5.0倍延伸し、ただちに40℃に冷却した。次に該延
伸シートをテンターに導き、170℃の温度に予熱し、
引き続き165℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次い
で幅方向に10%の弛緩を与えつつ165℃の温度で熱
処理をした後、冷却し巻き取った以外は実施例1と全く
同様にしてフイルムを製造した。この時の二軸延伸ポリ
プロピレンフイルムの厚み構成は1/18/1μmで、
中央層のTmは170℃、結晶化度は55%であった。
フイルム特性は表1のとおりであった。本発明の範囲の
フイルムは熱収縮率が小さくて耐熱性に優れ、また水蒸
気透過率も小さくて防湿性に優れ、さらに二次加工性に
も優れたフイルムであった。
【0041】比較例1、比較例2 比較例1では、t−1/2が135sec、IIが9
7.0%の結晶性PPとし、比較例2ではエチレン含有
量2wt%のEPCとした以外は、実施例1と全く同様
にしてフイルムを製造した。この時の二軸延伸フイルム
の厚みはいずれも20μmであった。フイルム特性は表
1のとおりであった。本発明の範囲をはずれたフイルム
は、耐熱性および防湿性のいずれかに劣り、また蒸着性
などの二次加工性にも劣り、本発明の目的とするフイル
ムは得られなかった。
【0042】比較例3 実施例1で、横延伸条件で165℃の温度に予熱し、引
き続き160℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次いで
幅方向の弛緩を与えず、155℃の温度で熱処理をした
後、冷却し巻き取った以外は実施例1と全く同様にして
フイルムを製造した。この時の二軸延伸ポリプロピレン
フイルムの厚みは20μmで、Tmは170℃、結晶化
度は55%であった。フイルム特性は表1のとおりであ
った。本フイルムは、Tmと結晶化度は高かったが、熱
収縮率が大きいため蒸着性などの二次加工性に劣り、本
発明の目的とするフイルムは得られなかった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の耐熱防湿蒸
着フイルムは、フイルムの特性を特定範囲としたことに
より、次のような優れた効果を生じるものである。
【0045】(1)水蒸気透過率が小さくて防湿性に優
れ、包装用途、特に食品、医薬品等の包装用として好適
である。
【0046】(2)耐熱性に優れ、二次加工後において
も優れた防湿性を維持している。
【0047】(3)耐熱性および防湿性に優れているこ
とから、薄膜化を図るこができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−52735(JP,A) 特開 平4−351527(JP,A) 特開 平3−115329(JP,A) 特開 平1−204933(JP,A) 特開 平5−304028(JP,A) 特開 平6−278240(JP,A) 特公 平2−27940(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/00 - 5/02 C08J 5/12 - 5/22 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/14 C23C 14/00 - 14/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱融解温度のピーク温度が165℃以上
    で、結晶化度が50%以上、125℃での等温結晶化時
    間の1/2が2分以下、アイソタクチックペンタッド分
    率が98%以上の二軸延伸ポリプロピレンフイルムの少
    なくとも片面に金属蒸着してなるフイルムであって、1
    40℃、15分加熱での長手方向と幅方向の熱収縮率の
    和が6%以下で、水蒸気透過率が1.0g/m2 ・24
    hr/20μm以下であることを特徴とする耐熱防湿蒸
    着フイルム。
  2. 【請求項2】 熱融解温度のピーク温度が165℃以上
    で、結晶化度が50%以上、125℃での等温結晶化時
    間の1/2が2分以下、アイソタクチックペンタッド分
    率が98%以上の二軸延伸ポリプロピレンフイルムの少
    なくとも片面に熱融解温度のピーク温度が150℃以下
    のポリオレフィン系樹脂を積層し、該ポリオレフィン樹
    脂上に金属蒸着してなるフイルムであって、140℃、
    15分加熱での長手方向と幅方向の熱収縮率の和が6%
    以下で、水蒸気透過率が1.0g/m2 ・24hr/2
    0μm以下であることを特徴とする耐熱防湿蒸着フイル
    ム。
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