JP2008260557A - 襞付き容器及び襞付き容器の製造方法 - Google Patents

襞付き容器及び襞付き容器の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】
本発明は、襞付容器の壁部の襞に関して該容器に菓子やパンの種を入れて焼成又は蒸しを行なった場合においても襞の開被を防ぐことのできる襞付容器の提供を課題とし、特に低廉にかつ簡単に製造できることが課題である。
【解決手段】
係る課題を解決するため、紙と延伸ポリプロピレンフィルムとを積層したシート地を加圧又は加圧と加熱して成形すると共に、延伸ポリプロピレンフィルムの層を容器の内側に位置して該容器を成形した襞付き容器を提供するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、菓子やパン等を焼成し又は蒸して製造するための紙製の襞付き容器であって、特に襞部分の開披を防止できる襞付き容器及び襞付き容器の製造方法である。
従来より、菓子やパン等の種を襞付き容器入れた上で、これを焼成してあるいは蒸して菓子やパンを製造するための容器であって、更にはその容器に収納した状態で販売等に供することもできる紙製の焼成用の襞付き容器に関しては各種のものが使用されてきた。
即ち、焼成用の種を該容器内に入れた状態で加熱焼成することによって、菓子やパンを製造するものであり、この種が焼成時あるいは蒸し時に膨らむことに対してきれいに膨らんで焼きあがる菓子やパンを製造するための襞である。
これは横方向のふくらみを弾力をもって支え、これを上部への突出拡大によってきれいに焼き上げるために必要な襞部となる。 このことより、この襞部を有する襞付き容器は多種類製造されているものである。
まず、基本的には、例えば純白紙やグラシン紙を成型機の雄型と雌型の間に挟みこんだ上加圧して襞付きの容器を成型して用いるものである。
この場合、襞の部分は、単に加圧して襞を形成することから、どうしても種の重みで開被してしまい、零れ出てしまったり、焼成時や蒸し時に襞が開いて変形した菓子やパンになってしまうおそれがあった。
そこで、現状では、例えば単に紙だけではなくポリエステルフィルムを積層した紙製シート地を用いて該容器を製造するものである。
例えば特開平10-94357(特許文献1)に示す焼成用容器が存在する。
又、この他、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートあるいは金属膜を積層した紙製シート地を用いて焼成用容器を製造する特開平11-313615(特許文献2)も存在する。
特開平10-94357 特開平11-313615
以上の様に、紙製シートの襞付き容器の欠点である腰の弱さ、即ち襞部分の不用意な開被を防止するために腰の強さを有するポリエチレンテレフタレート(PET)或いはポリブチレンテレフタレートを積層した上で容器を成型するものであった。
しかし、特許文献1などに示すポリエステルフィルム等は高価であり、単価を低く抑えることが絶対条件の容器としては、もっと安価なフィルムで、同等以上の腰の強さを発揮すると共に成形性にすぐれるフィルム地が望まれるものである。
特にポリエステルフィルムに関しては素材自体の硬さに保形性を依存するものであり、より以上の保形成の高さを有するフィルム地が求められるものである。
次に特許文献2も同様にこれらのフィルムを使用するものであり、同様となるが、この他特に保形性を保つため合成樹脂層、例えばポリエステルフィルム(PET)層等を有する構成である。
該文献の保形成を保つ合成樹脂層としては無延伸又は部分延伸ポリプロピレン樹脂や無延伸ポリエチレン樹脂などの無延伸又は部分延伸ポレオレフィン樹脂を用いるものである。
この場合、これらによっても素材自体の有する硬さによって一定の形状を維持できる保形成は有するが、より以上の保形成を有する容器が望まれるものである。
例えば、襞付き容器に関して、襞部分の腰の強さは得られるが、より以上の腰の強さがあればより効果的に用いることができるものである。
更に、未・部分延伸ポリプロピレン樹脂や無延伸ポリエチレン樹脂などのフィルムは低価格であり、コストを抑える上ではよいが、この特許文献2に関しては少なくとも3層構造をもって形成するものであり、この3層であることから、他の素材などを考慮するとどうしても高価となりフィルム製造のコストはどうしても高額になると共に、製造工程の手順が増すものである。
従って、極めて低廉にかつ簡単に製造できると共に腰の強さを有して襞が開被することを防げる紙製の焼成用襞付き容器の提供が望まれるものである。
係るため、請求項1に記載の発明は紙と延伸ポリプロピレンフィルムとを積層したシート地を加圧成形した襞付き容器であって、延伸ポリプロピレンフィルムの層を容器の内側に位置して該容器を成形した襞付き容器からなり、係る発明によって前記課題を解決できる。
或いは請求項2に記載の発明の様に、成形時に加圧と共に加熱して該容器を成形した襞付き容器を用いても、或いは請求項3に記載の発明の様に加熱温度が150度乃至200度である襞付き容器でも、請求項4に記載の発明の様に紙と延伸後熱処理前の延伸ポリプロピレンフィルムとを積層したシート地を成形時に加圧と共に加熱するものでもよい。
更に、請求項5に記載の発明の様に延伸ポリプロピレンフィルムが二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることが望ましい。
この他、請求項6に係る発明の様に紙と延伸ポリプロピレンフィルムとの積層がドライラミネートによるものでも、請求項7に係る発明の様に紙と延伸ポリプロピレンフィルムと間にポリエチレンフィルムを用いて積層する襞付き容器を用いてもよい。
これらの容器自体の発明の他、請求項8に係る発明の様に紙と延伸ポリプロピレンフィルムとを積層し、加圧成形工程によって延伸ポリプロピレンフィルムの層を容器の内側として加圧成形する襞付き容器の製造方法を用いるものであってもよい。
或いは請求項9に係る発明の様に加圧成形工程と共に加熱工程を有し、加圧成形工程と加熱工程により、該容器を成形する襞付き容器の製造方法でも、請求項10に係る発明の様に延伸ポリプロピレンフィルムが二軸延伸ポリプロピレンフィルムである製造方法でもよい。
更に請求項11に係る発明の様に加圧成形工程が雄型と雌型を用いて加圧成形する工程からなる製造方法でも、請求項12に係る発明の様に雄型及び/又は雌型を加熱することによって加熱工程を行なう製造方法でも、請求項13に係る発明の様に加熱工程における加熱温度が150度乃至200度である製造方法を用いてもよい。
又、請求項14に係る発明の様に加熱工程後に該容器を冷却する冷却工程を有する襞付き容器の製造方法を用いてもよい。
更に、請求項15に係る発明の様に紙と延伸ポリプロピレンフィルムとの積層がドライラミ材によるドライラミネートによるものであっても、請求項16に係る発明の様に紙とポリエチレンフィルムと延伸ポリプロピレンフィルムとを積層して紙と延伸ポリプロピレンフィルムの積層を構成した製造方法でもよい。
この他、請求項17に係る発明の様に延伸ポリプロピレンフィルムについて延伸工程を経た後熱処理前に紙と積層し、加圧成形工程と共に加熱工程を有して延伸ポリプロピレンフィルムの層を容器の内側として成型し、該加熱工程により、延伸したポリプロピレンフィルムを熱処理して結晶化する襞付き容器の製造方法を用いるものであってもよい。
以上のように構成することから、まず本発明によってポリプロピレンの焼成時や蒸し時にフィルム自体が収縮方向に付勢するものとなり、容器の襞を直立しようとする方向に付勢するものであり、更には加熱によってポリプロピレンの分子配列が並んで結晶(分子配列の自己規律)化して収縮性、安定性を併せ有することとなり、襞状の壁を維持することが可能となる。
したがって襞の部分を開被しようとする力に対して開かないように定形状態を維持する力が働くこととなり、襞の開被を抑えることができる。
これによってパンや菓子の種の焼成時や蒸し時において、壁部の襞が開被しない容器の提供ができる。
更に、極めて低廉なポリプロピレンを用いることができ、コストの低減を図れると共に、作業性の向上も図れ、製造も容易にかつ大量生産に供することができる。
特に、ポリエチレンテレフタレートなどと比較して、より強度を有する容器がより低価格でかつ簡単に製造できることとなるために極めて有用な発明である。
更に、蒸し時においては紙が大量の水を含むことから軟質化し、併せて紙の湿気によって広がろうともするものであって襞状の壁部分は容易に広がってしまうものであり、特に多用されているポリエステルフィルム等を用いても同様に広がるものであるが、本発明によって壁の襞部は広がろうとする力を抑えて定形性を維持できるものである。
以上より、襞付き容器において壁部分の襞の定形性を維持できるものであると共に、この容器は焼成や蒸し等にも耐えることのできる容器であり、極めて見栄えのよい容器の提供ができるものである。
更には低コストで容易に製造できるものであって極めて使い勝手のよい襞付容器の提供を可能とするものである。
まず本発明に係る襞付き容器の基本構成は、延伸ポリプロピレンフィルム2をドライラミネート等によって純白紙などの紙素材1に積層し、該シート地を用いて雄型と雌型の成型機によって加圧して襞付き容器を製造するものである。
この場合、紙製容器の内部面に位置する層を延伸ポリプロピレン層2によって形成するものである。
この成型時の加圧によって延伸ポリプロピレン2が成型するととなり、更に延伸ポリプロピレンを用いることから、容器を用いた焼成又は蒸しなどにおいて、適度の収縮を発揮することができ、焼成時や焼成後或いは蒸し時や蒸し後に容器のフィルム自体が収縮方向に付勢するものとなり、容器の襞を直立しようとする方向に付勢することができる。
即ち、容器の襞付き壁が押し広がろうとする力に抗して、その位置を保持しようとする或いは広がらない方向に付勢するものとなって、パン・菓子種が熱膨張した場合でも襞が押し広げられたり壁が倒されるようなことを防ぐことができる。
即ち、延伸ポリプロピレンを用いるものであり、例えば熱処理によって分子配列が並んで結晶(分子配列の自己規律)化して収縮性、安定性を併せ有するものを用いることができるものである。
即ち延伸によって分子が安定的に配列し、例えば熱処理によってその状態を安定的に有することができる。
更に延伸ポリプロピレンであり、一定条件下において収縮性を発揮しうるものとなる。
このことは、蒸しや焼きに際しての温度において、適度な収縮性を有する素材として用いることができることを意味する。
従って、襞の部分を開披しようとする力に対して直立方向である開かないようにする力が働くものとなり、襞の開被を抑えることが可能となる。
この場合において、成型時の襞の成型などのための雄型と雌型による加圧以上の延伸ポリプロピレンを収縮させるための加圧を行なうものであってももちろんよい。
更に必要に応じて、加圧時に雄型や雌型のいずれか、或いは何れをも加熱するものであってもよい。
例えば、延伸ポリプロピレンを用いるに際して、延伸前の未延伸ポリプロピレン(CPP)を延伸処理し、紙素材にラミネートした後雄型と雌型によって加圧・加熱処理して熱処理加工をし、結晶化するものであってもよい。
更に、前記した延伸ポリプロピレンフィルムは二軸延伸ポリプロピレンフィルムが最適であるが一軸延伸でポリプロピレンフィルムを用いるものであってももちろんよい。
この様にして成型すると共に又成型した容器は簡単に製造できると共に最も重要な点は極めて低価格で製造できるものとなる。
従来においては、耐熱性にすぐれかつ強度のある材質自体の強度即ち一定の腰の強さを 有する材質のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが多用されているが、いまだ大量の数量を必要とすると共に一回の使用で消費される容器においてはどうしても高価格であり、更なる低コスト化が必要である。
併せて、焼菓子や蒸し菓子においては、焼き工程における種の膨張、或いは蒸し工程における水分の紙素材への加湿による紙自体の硬さや強度の喪失による変形等によってポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いても変形を避けることはできないものであった。
従って、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム自体の強度からなる硬さ以上の例えば結晶化などによるより硬さの高く、かつ低価格の何らかの素材があれば襞の開被をより防止できる襞付き容器の提供ができるものであり、更には例えば収縮性を生じることによって、より高いレベルでの保形成を発揮できることによって、従来のもの以上の変形を防止でき、焼菓子や蒸し菓子などの製造に際して、よりきれいな形状を保ったままの菓子やパン等の提供が可能となるものである。
本構成においては、その課題を達成し、極めて高いレベルでの保形性を保つことができると共にその製造は極めて容易であり、さらにはコストも低廉にすることができるものである。
更には延伸ポリプロピレンフィルムを構成するものであり、容器内にパン・菓子種を入れて加熱焼成又は蒸しによって加熱されると、該フィルムの収縮する力が生じ、襞から構成される容器の側面が起立状態を維持するように付勢でき、襞の開被を極力防ぐことができるものである。
本発明に係る構成に関して、図1は、延伸ポリプロピレンフィルム2と紙素材1の積層状態の一例を示す図である。 この積層に関してはドライラミネート等でよく、接着剤5をもって接着したものの他、例えばポリエチレンフィルム等を積層して溶着するものであってもよい。
ドライラミネートを行う場合、例えば多種類化合物をドライラミ材として用いたものであってもよい。
任意に選択することによってドライラミ材として必要な耐熱性や、耐油性、低価格等の素材を考慮して選定できる。
図2は、成型前の雄型4と雌型3に挟まれるべきシート地の概念図を示すものである。
雄型4と雌型3によって加圧状態で挟まれて加圧成形することによって、容器の成形を行なうものである。
この場合、加圧力をより強くするもの或いは加圧時間を増やすものであってもよい。
成形の度合いやポリプロピレンの状態等に応じて任意に定めるものであればよい。
又、これらに加えて、雄型4或いは雌型3自体を加熱することによって容器の成形時に加熱を行なうものであってもよい。
この加熱は加圧と同時であるものに限らず加圧時と加熱時をずらして付与するものであっても、或いはそれぞれの時間をことなくするものであってもよい。
最も適した状態を得るために任意に設定してそれぞれを付与するものであればよい。
更に、これらの場合における加熱は、成形時の成形性を高めるものであってもよい。
この他、延伸ポリプロピレンを加熱によって熱処理して結晶化を行い分子の安定性を図るものとなるものでもよい。
例えば既に熱処理した分子の安定している延伸ポリプロピレンを用いても加熱によって成形性の向上が図れるものであり、更には熱処理によってより安定した分子の状態を表出できるものでもある。
更には、未熱処理の延伸した状態でのポリプロピレンフィルムを用いて、この成形の時点において熱処理して分子を安定状態に維持させて結晶(分子配列の自己規律)化するものであってもよい。
この他、例えば未延伸フィルムを用いて、例えば雄型4と雌型3での成型機の成型に際してこの加圧によって延伸を行い、更に加熱によって熱処理して延伸フィルムの過熱による分子配列の自己規律により収縮して安定状態を作り出すものであってもよい。
次に成型機の雄型4と雌型3による加熱に関しては、いずれか一方のみによる場合だけでなく両型に加熱構造を有するものであってもよい。
例えば加熱する場合には150度乃至200度程度に加熱をすることによって成形性を 高めて、襞付き形状を短時間に成形可能とするものであってもよい。
これらのほか型自体を加熱するものでなく、加熱状態下において成型機で成形するものであってもよい。
図3は、雄型4と雌型3が紙1と延伸ポリプロピレンフィルム2との積層シートを挟みこんで成形する際の成形状態を示す図である。
このようにして成形とともにシート地の延伸ポリプロピレンフィルム2をきっちりと成形するものである。
特に延伸フィルム2を用いることによって、焼成時や蒸し時において、加熱状態下でその収縮性を発揮することができ、襞部分の側面が直立状態を維持するように付勢した容器となり襞の開披を強い弾力をもって防ぐことができるものである。
尚、成形時に加圧及び/又は加熱して成形した本容器において、更に冷却するものであってもよい。
これによって、分子の配列が安定した状態を維持できるものとなって、成形性を高めるものであってもよい。
もとより、特段冷却工程を用いずに自然状態下で放置するものであってももちろんよい。
即ち、一旦高温となって収縮した積層シートからなる襞付き容器を、更に冷却することあるいは自然温度下におくことによって、その形状に保形化し、変形を防止すると共に保形力を高めるものである。
図4は、本発明に係る襞付きの焼成用容器の一例を示す図である。 本図に示す該容器内にパンや菓子の種を入れた上で焼成するものであり、種自体は粘性発泡を持って押し広がろうとする特性を有することから襞の成形の保形成が高くないと襞が開披して種が零れ出てしまうものである。
又、焼成時の種のふくらみに際しても襞部分に広がろうとする力が働くものであり、不用意に襞が開いてしまうと変形した菓子やパンが焼きあがってしまい、売り物にならなくなってしまうものである。
従って、容器の襞部分からなる側面はできる限り直立性を保つように付勢されていることが必要である。
以上のように本発明に係る襞付き容器は、極めて低コストで簡単に製造でき、更には保形性の高いものとなる。
更に、この焼成のためだけではなく、例えばパンや菓子の種を入れて蒸しを行なうもものであっても同様である。
特に、蒸しの場合においては、紙自体が水分を多量に含んで軟質化するものであり、ポリエステルフィルム等を用いた場合などにおいても、保形性を 保つための紙自体の強度がなくなると共に湿気を含んだ紙自体の広がろうとする力によって、襞付き容器が簡単に開いてしまうものとなる。
したがって、逆に縮もうとする力を有する本発明に係る延伸ポリプロピレンによって初めて容器の保形性が保てることとなる。
係る容器の製造に際しては、次の工程をとることによって簡単に製造できる。
まず基本的には紙1と延伸ポリプロピレンフィルム2とを積層し、加圧成形工程によって延伸ポリプロピレンフィルムの層を容器の内側として成形すると共に加圧成形工程によって延伸ポリプロピレンフィルムを収縮させて成形するものである。
この紙と延伸ポリプロピレンフィルムとを積層する積層工程においては、ポリエチレンフィルムによって溶着するものでも、接着剤を用いて接着するものでもよく、又他の周知な方法による積層シートの製造工程を経るものであってもよい。
更に、ここに明示した加圧成形工程に際しては、成形のための加圧によって延伸ポリプロピレンフィルムを成型するものの他、これと共にあるいはこれに代えて加熱工程を有し、加圧成形工程と共に/または加圧成形工程に代えて加熱工程によって延伸ポリプロピレンフィルムを成型させるものであってもよい。
尚、この加熱工程は、成型のためだけではなく延伸ポリプロピレンの熱処理による結晶化を図るためのものでもよい。
これらの場合延伸ポリプロピレンフィルムが一軸延伸のほか二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いるものでもよいことは前述の通りである。
次に前記した加圧成形工程が雄型と雌型を用いて加圧成形する工程ものであってもよい。
加圧成形に際しては、特に延伸ポリプロピレンフィルムを収縮するために該雄型及び/又は雌型を加熱することによって加熱工程を行なう襞付き容器の製造方法でもよい。
この場合加熱温度が150度乃至200度の温度で加熱すると短時間に収縮を果たせるものである。
更にこれらの加圧や加熱によって収縮成形を行なった後に該容器を冷却する冷却工程を有するものであってもよい。
実施例1
50g/m2のクラフト紙と20μの二軸延伸ポリプロピレンフィルムとを15μのポリエチレンフィルムでラミネートし、160度で約5秒程度加熱・加圧して成型した容器を 用いた。
この容器に、菓子種Aを入れて170度で約15分加熱して焼き上げたところ、焼き上がり形状において、襞部はほぼ直立状態即ち垂線方向に対して略8度乃至10度程度開いた状態を維持できた。
従って襞部の広がりは焼成前とほとんど代わらないものである。
この場合の焼きあがった菓子は容器内にきれいに収まり見栄えのよいものであった。
実施例2
50g/m2のクラフト紙と20μの無延伸ポリプロピレンフィルムとを15μのポリエチレンフィルムでラミネートし、160度で約5秒程度加熱・加圧して成型した容器を用いる。
この容器に、菓子種Aを入れて170度で約15分加熱して焼き上げたところ、焼き上がり形状において、襞部が襞部はほぼ垂線方向に対して略35度乃至40度程度開いた状態となった。
襞の部分も押し広げられたに近い状態となった部分があった。
但し、種の流れ出はなかったが、焼き上がり時の菓子は実施例1に示す焼きあがり状態と比較して全体的に平たい形状になった。
実施例3
70g/m2のクラフト紙と12μのポリエステルフィルムとを15μのポリエチレンフィルムでラミネートし、160度で約5秒程度加熱・加圧して成型した容器を用いる。
この容器に菓子種Aを入れて170度で約15分加熱して焼き上げたところ、焼き上がり形状において、襞部が襞部はほぼ垂線方向に対して略15度乃至25度程度開いた状態となった。
見た目においては襞の部分は直立状態とは異なりやや広がった状態であるが、襞の部分の保形性は一定程度保たれていた。
焼き上がり時の菓子は実施例2に示す焼きあがり状態と比較してやや保形性は維持しているが実施例1に比較して全体的に平たい形状になった。
実施例4
50g/m2のクラフト紙と20μの二軸延伸ポリプロピレンフィルムとを15μのポリエチレンフィルムでラミネートし、160度で約5秒程度加熱・加圧して成型した容器を用いた。
この容器に、菓子種Bを入れて蒸し器で30分程度蒸し上げたところ、蒸しあがり形状において、襞部はほぼ直立状態即ち垂線方向に対して略6度乃至12度程度開いた状態を維持できた。
従って外周上の襞部の広がりは焼成前とほとんど代わらない部分が多かったが、外周の一部において約12度程度の開き状態が生じた部分が一箇所生じた。
全体的に容器の形状は維持できており、きれいに蒸し上げられた。
実施例5
50g/m2のクラフト紙と20μの無延伸ポリプロピレンフィルムとを15μのポリエチレンフィルムでラミネートし、160度で約5秒程度加熱・加圧して成型した容器を用いる。
この容器に、菓子種Bを入れて蒸し器で約30分程度蒸し上げたところ、蒸しあがり状態において、襞部が襞部はほぼ垂線方向に対して略45度乃至60度程度開いた状態となった。
従って、蒸しあがった菓子は襞を押し広げて広がった形状となり、更には襞の部分も押し広げられた形状となった。
この襞の押し広げ状態は全体に亘り、全周に亘ってほとんど襞が寝ている状態に近いものであり、又全周に亘って襞が開いた状態となった。
この状態において、襞の広がった蒸し菓子の上面の表面積は実施例4の倍程度あるものであった。
蒸しあがった菓子の形状は四方に押し広がった形状となった。
実施例6
70g/m2のクラフト紙と12μのポリエステルフィルムとを15μのポリエチレンフィルムでラミネートし、160度で約5秒程度加熱・加圧して成型した容器を用いる。
この容器に菓子種Bを入れて蒸し器で約30分程度蒸し上げたところ、蒸しあがり状態において、襞部が襞部はほぼ垂線方向に対して略15度乃至60度程度開いた状態となった。
見た目においては襞の部分の一部はそれほど倒れていない部分もあったが、反面対向する二箇所の外周部分で襞壁部が大きく押し広げられて倒れた状態に近い寝た状態となっていた。
クラフト紙が水分を吸っており、ポリエステルフィルム自体の硬さ・強さだけでは壁は維持できないものであった。
従って、二箇所で大きく壁が倒れ、更には全周に亘って襞が押し広げられた状態となっていた。
この状態において、蒸し菓子の形状は横方向に広がった楕円形状となり、また上面の表面積は実施例3に近いものであった。
延伸ポリプロピレンフィルムと紙素材の積層状態の一例を示す図 成型前の雄型と雌型に挟まれるべきシート地の概念図 雄型と雌型が紙と延伸ポリプロピレンフィルムとの積層シートを挟みこんだ成形状態の概念図 襞付きの容器の一例を示す図
符号の説明
1 紙
2 延伸ポリプロピレンフィルム
3 雌型
4 雄型
5 接着部材

Claims (17)

  1. 紙と延伸ポリプロピレンフィルムとを積層したシート地を加圧成形した襞付き容器であって、
    延伸ポリプロピレンフィルムの層を容器の内側に位置して該容器を成形したことを特徴とする襞付き容器。
  2. 成形時に加圧と共に加熱して該容器を成形したことを特徴とする請求項1記載の襞付き容器。
  3. 加熱温度が150度乃至200度であることを特徴とする請求項2記載の襞付き容器。
  4. 紙と延伸後熱処理前の延伸ポリプロピレンフィルムとを積層したシート地を成形時に加圧と共に加熱するものであることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の襞付き容器。
  5. 延伸ポリプロピレンフィルムが二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の襞付き容器。
  6. 紙と延伸ポリプロピレンフィルムとの積層がドライラミ材のドライラミネートによるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の襞付き容器。
  7. 紙と延伸ポリプロピレンフィルムと間にポリエチレンフィルムを用いて積層するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の襞付き容器。
  8. 紙と延伸ポリプロピレンフィルムとを積層し、
    加圧成形工程によって延伸ポリプロピレンフィルムの層を容器の内側として加圧成形することを特徴とする襞付き容器の製造方法。
  9. 加圧成形工程と共に加熱工程を有し、
    加圧成形工程と加熱工程により、該容器を成形することを特徴とする請求項8記載の襞付き容器の製造方法。
  10. 延伸ポリプロピレンフィルムが二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記載の襞付き容器の製造方法。
  11. 加圧成形工程が雄型と雌型を用いて加圧成形する工程からなることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の襞付き容器の製造方法。
  12. 雄型及び/又は雌型を加熱することによって加熱工程を行なうことを特徴とする請求項11に記載の襞付き容器の製造方法。
  13. 加熱工程における加熱温度が150度乃至200度であることを特徴とする請求項9又は12のいずれかに記載の襞付き容器の製造方法。
  14. 加熱工程後に該容器を冷却する冷却工程を有することを特徴とする請求項9、12又は13のいずれかに記載の襞付き容器の製造方法。
  15. 紙と延伸ポリプロピレンフィルムとの積層がドライラミネートによるものであることを特徴とする請求項8乃至14のいずれかに記載の襞付き容器の製造方法。
  16. 紙とポリエチレンフィルムと延伸ポリプロピレンフィルムとを積層して紙と延伸ポリプロピレンフィルムの積層を構成したことを特徴とする請求項8乃至14のいずれかに記載の襞付き容器の製造方法。
  17. 延伸ポリプロピレンフィルムについて延伸工程を経た後熱処理前に紙と積層し、
    加圧成形工程と共に加熱工程を有して延伸ポリプロピレンフィルムの層を容器の内側として成型し、
    該加熱工程により、延伸したポリプロピレンフィルムを熱処理して結晶化するものであることを特徴とする請求項9、12、13又は14のいずれかに記載の襞付き容器の製造方法。
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