JPH11140199A - ポリオレフィン系無延伸フィルムおよびそれを用いた蒸着無延伸フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系無延伸フィルムおよびそれを用いた蒸着無延伸フィルム

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JPH11140199A
JPH11140199A JP30707297A JP30707297A JPH11140199A JP H11140199 A JPH11140199 A JP H11140199A JP 30707297 A JP30707297 A JP 30707297A JP 30707297 A JP30707297 A JP 30707297A JP H11140199 A JPH11140199 A JP H11140199A
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film
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polyolefin
vapor
unstretched film
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JP30707297A
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Kokichi Hashimoto
幸吉 橋本
Masahiro Kimura
将弘 木村
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明のポリオレフィン系無延伸フィルムおよ
びそれを用いた蒸着無延伸フィルムにより、ヒートシー
ル性に優れ、かつ高いガスバイア性能を有し、蒸着、ス
リットおよびラミネートなどの二次加工性にも優れ、各
種ガスバリア包装用として好適なフィルムを提供する。 【解決手段】ポリオレフィン系樹脂に添加剤を総量で
0.01〜0.5重量%添加してなるポリオレフィン系無
延伸フィルムであって、該無延伸フィルムの120℃1
5分間加熱後の長手方向の寸法変化率の絶対値が2%以
下であり、該無延伸フィルムのガスクロマトグラフで測
定される130℃5分間加熱の揮発成分の総量が200
μg/g以下であることを特徴とするポリオレフィン系
無延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、ポリオレフィン系無延
伸フィルムおよびそれを用いた蒸着無延伸フィルムに関
するものである。さらに詳しくは、剛性が高く、熱寸法
安定性に優れ、ヒートシール性に優れたポリオレフィン
系無延伸フィルムであり、さらに平滑性に優れた表面に
蒸着無機薄膜が積層され、ガスバリア性に優れ、耐加工
性に優れた蒸着無延伸フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系のフィルムは、
製膜性、透明性、成形性および防湿性に優れていること
から、広く包装用途に用いられてきている。この中でも
ポリオレフィン系無延伸フィルムはヒートシール性に優
れることから、二軸延伸ポリプロピレンフィルムあるい
は二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの
耐熱基材とラミネートされ、包装材料のヒートシール層
として用いられている。
【0003】そして、包装材料のガスバリア性能を向上
する目的で、塩化ビニリデン(PVDC)コート層や、
アルミニウム(Al)蒸着層が積層された耐熱基材が包
装材料の構成の一部として使用されているのが一般的で
ある。より具体的には、耐熱基材/PVDC/接着層/
無延伸ポリプロピレンフィルムや、耐熱基材/印刷層/
接着層/PVDCまたはAl/耐熱基材/接着層/無延
伸ポリプロピレンなどの構成が知られている。
【0004】しかし、PVDCは廃棄焼却時に塩素系ガ
スが発生するために環境への悪影響が指摘されている。
また、アルミニウム蒸着層を設けた耐熱基材を使用する
構成においては、上述のごとくアルミニウム蒸着層の外
側に印刷層を設けるために構成が複雑になり、コスト高
になる問題があった。
【0005】そこで、構成の簡略化とコストダウンを目
的として無延伸ポリプロピレンフィルムに金属蒸着を施
して、PVDCコートまたはアルミニウム蒸着した耐熱
フィルムを省く構成が検討されている。
【0006】しかし、従来の無延伸ポリプロピレンフィ
ルムはヤング率が低く伸びやすいことと、熱寸法安定性
が悪いことから、蒸着加工後のラミネート時に蒸着層に
クラックが入り、さらにヒートシール法にて製袋加工し
た時に、ヒートシール部のアルミニウム蒸着層に細かい
クラックが生じて、外観やガスバリア性が悪化するとい
う問題があった。
【0007】この欠点を改良する目的で、特公平5−5
5299号公報および特公平8−18404号公報に
は、積層フィルムのヒートシール層よりも融点が高い樹
脂層にアルミニウムを蒸着して、ヒートシール時に蒸着
層にクラックが発生するのを改良したアルミニウム蒸着
フィルムが記載されている。
【0008】また、ポリオレフィン系フィルムはフィル
ムと蒸着層間の接着強度が劣っており、種々の提案がな
されている。例えば特開昭56−167732号公報で
は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し酸化防止
剤、滑剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤を総量0.2重量部
以下添加した組成が提案されている。また、特開昭59
−11249号公報では、ポリプロピレン樹脂100重
量部に対し、融点が80℃以上の酸化防止剤を0.01
〜0.2重量部、ブロッキング防止剤を0.01〜0.5
重量部添加した樹脂組成物が提案されている。また、特
開昭59−25829号公報には添加剤として分子量5
00以上のフェノール系または鱗系酸化防止剤を0.0
1〜0.3重量%、金属置換型ゼオライトを0.01〜
0.4重量%添加した組成物が提案され、蒸着層との接
着性改良がなされてきている。
【0009】しかしながら、以上の記載のフィルムは、
包装材料としての最も重要であるガスバリア性能につい
ての考慮が払われておらず、二次加工後のガスバリア性
能が不十分であった。
【0010】さらに、近年これら蒸着フィルムに内容物
の状態を確認するための透明性が要求されることが多く
なってきた。このための透明ガスバリアフィルムとし
て、酸化ケイ素や酸化アルミニウムをフィルム上に形成
したものが特公昭53−12953号公報や特開昭62
−179935号公報により知られている。しかしこれ
らの技術は無延伸ポリプロピレンフィルムを対象に、透
明で、二次加工性に優れ、高度なガスバリア性を付与で
きるものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる技術
では成しえなかった、各種加工時の熱や張力に対する変
形を抑え、蒸着時にフィルムの揮発成分を少なくしたポ
リオレフィン系無延伸フィルムを提供することを目的と
し、さらにはこのポリオレフィン系無延伸フィルム上に
蒸着によりアルミニウム薄膜や金属酸化物などの無機薄
膜を形成した、ガスバリア性能に優れ、二次加工性(ス
リット、ラミネート、製袋)に優れた蒸着無延伸フィル
ムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
ポリオレフィン系無延伸フィルムは、ポリオレフィン系
樹脂に添加剤を総量で0.01〜0.5重量%添加してな
るポリオレフィン系無延伸フィルムであって、該無延伸
フィルムの120℃15分間加熱後の長手方向の寸法変
化率の絶対値が2%以下であり、該無延伸フィルムのガ
スクロマトグラフで測定される130℃5分間加熱の揮
発成分の総量が200μg/g以下であることを特徴と
するものである。
【0013】また、本発明の蒸着無延伸フィルムは、上
記ポリオレフィン系無延伸フィルムの蒸着を施す表面に
無機薄膜が蒸着されたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるポリオレフィ
ン系無延伸フィルムに使用される樹脂とは、エチレン含
有量が0〜6重量%とプロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1の共重
合体である。中でもプロピレン、ブテン−1、オクテン
−1との共重合体の単体でも混合物でも三元共重合体例
えばプロピレンとブテン−1でもよい。
【0015】本発明に使用されるポリオレフィン系無延
伸フィルムに使用される添加剤とは、ブロッキング防止
剤、造核剤、軟化剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、酸化
防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、無機・
有機の充填剤など通常樹脂に添加して使用される添加剤
である。好ましくは添加剤の融点が80℃以上および/
または分子量が500以上の添加剤である。融点が80
℃未満および/または分子量が500未満の添加剤は、
蒸着時の熱でフィルムから揮発ガスとなって、フィルム
表面に蒸着薄膜を形成する時に悪影響を与えやすいので
好ましくない。
【0016】添加剤の総量の大部分は、例えばブロッキ
ング防止剤、酸化防止剤などが好ましい。ブロッキング
防止剤としては、無機粒子および/または架橋有機粒子
またこれらの混合体などが好ましい。無機粒子としては
特に限定されないが炭酸カルシウム、カオリン、タル
ク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リチウム等
が挙げられる。有機粒子としてはシュウ酸カルシウムや
カルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム
等のテレフタル酸塩が挙げられる。架橋高分子粒子とし
ては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタ
クリ酸、アクリル酸、メタクリル酸のビニル系モノマー
の単独または共重合体が挙げられる。その他ポリテトラ
フルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹
脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機微粒子も好まし
く用いられる。
【0017】粒子形状は球状のものが好ましく、粒径は
1〜6μmの範囲が好ましい。添加剤の総量は、ポリオ
レフィン系無延伸フィルムに使用される樹脂に、0.0
1〜0.5重量%の範囲であることが必要である。0.0
1重量%未満では、蒸着したフイルムを巻き返す際に、
非蒸着面との滑りが悪くてブロッキングを起こし、蒸着
層にクラックが入り、ガスバリア性が悪化する。また添
加量は0.5重量%超えると、フイルム表面が粗れ過ぎ
て蒸着層の密着性が悪化する。
【0018】ポリオレフィン系無延伸フィルムが2層以
上に積層されている場合、ブロッキング防止剤は、蒸着
層樹脂に添加しても構わないが、非蒸着層樹脂に添加す
ることが好ましい。
【0019】他の添加剤として、例えば酸化防止剤とし
ては、テトラキス−{メチレン−(3,5−ジ−3−ブ
チル−4−ハイドロオキシ−ハイドロシンナメート)}
ブタン(“Irganox”1010)などを0.01
〜0.2重量%で添加してもよい。
【0020】本発明のポリオレフィン系無延伸フィルム
の120℃15分加熱後の長手方向の寸法変化率の絶対
値は、2%以下である。フィルムの加工においては長手
方向に張力がかかるので、特に長手方向の寸法変化率の
絶対値が2%以下であることが必要である。寸法変化率
の絶対値が2%を超えると、蒸着して巻き取ったフィル
ムが巻き締まって蒸着層にクラックが入ったり、他素材
とのラミネートやヒートシールなどの二次加工時にフィ
ルムが伸縮して蒸着層にクラックが入って、ガスバリア
性が悪化しやすいので好ましくない。
【0021】次に、該無延伸フィルムのガスクロマトグ
ラフで測定される130℃5分間加熱における揮発成分
の総量は200μg/g以下である。200μg/gを
超えると蒸着膜の接着強度が低下しやすく、ガスバリア
性が劣りやすい。好ましくは100μg/g以下であ
る。無延伸フィルムの酸素存在下での製膜では、ポリオ
レフィン系樹脂の一部が酸化分解し、低分子量化合物を
生成し、フィルム表面に付着しやすい。またポリオレフ
ィン樹脂に添加した添加剤も、ブリードアウトしやすく
フィルム表面に付着しやすい。これらのフィルム表面の
付着物が蒸着時の熱によって揮発ガスとなって、蒸着膜
に影響を与えやすいので、無酸素状態で製膜することが
好ましい。
【0022】ポリオレフィン系無延伸フィルムは、単膜
でもよいが、高融点ポリオレフィン系樹脂(A層)、低
融点ポリオレフィン系樹脂(B層)とがA/Bの順に2
層積層してもよい。この場合、A層とB層との樹脂の融
点差は、5℃以上が好ましく、さらに好ましくは8℃以
上である。融点差が5℃未満である場合には、得られた
蒸着膜フィルムをヒートシールする際、ヒートシール部
の蒸着膜の変質や割れが生じ、ガスバリア性が悪化する
場合がある。従って、ヒートシールしたときの該ヒート
シール部でのガスバリア性の観点からすれば、A層には
融点が145℃以上、より好ましくは150℃以上の高
融点ポリプロピレン系樹脂を用い、B層には融点が14
0℃以下の低融点ポリオレフィン系樹脂を用いることが
好ましい。
【0023】また、高融点ポリオレフィン系樹脂(A
層)と、A層樹脂と低融点ポリオレフィン系樹脂との混
合樹脂からなる層(B層)と、低融点ポリオレフィン系
樹脂(C層)とがA/B/Cの順に3層積層してもよ
い。前述の構成ではB層が、後述の構成ではB層+C層
がヒートシール層としての機能を果たす。
【0024】本発明におけるポリオレフィン系無延伸フ
ィルムの厚みは、特に限定されるものでないが、好まし
くは10〜100μm、より好ましくは20〜80μm
の範囲である。
【0025】ヒートシール層は十分なヒートシール強度
を得るためには5〜75μmの範囲が好ましい。5μm
以下ではヒートシール強度が十分でない場合があり、7
5μmを超えると、ヒートシール時に熱の伝達が不十分
になりヒートシール性が悪くなる場合がある。
【0026】次に、本発明のポリオレフィン系無延伸フ
ィルムの蒸着を施す面をコロナ放電処理を施し、フィル
ム表面の濡れ張力を35mN/m以上に上げることは、
蒸着無機薄膜の密着性が向上させるため好ましく採用で
きる。この時のコロナ放電処理時の雰囲気ガスとして
は、空気、炭酸ガス、あるいは窒素/炭酸ガスの混合系
のいずれでもよく、特に炭酸ガスあるいは窒素/炭酸ガ
スの混合ガス(体積比=95/5〜50/50)中でコ
ロナ処理すると、フィルム表面の濡れ張力が35mN/
m以上に上がるので好ましい。
【0027】本発明における無機薄膜とはアルミニウム
薄膜及び/又はアルミニウム、珪素、亜鉛、マグネシウ
ムなどの金属酸化物を好ましく用いることができ、金属
酸化物の中でも酸化アルミニウム薄膜がガスバリア性能
と経済性の面からより好ましく用いることができる。金
属酸化物はこれらのものの単独でもよく、複数が混合し
たものでもよく、金属成分が一部残存したものでもよ
い。
【0028】蒸着によりこれら無機薄膜を積層する方法
は通常の真空蒸着を用いることができるが、イオンプレ
ーティングやスパッタリング、プラズマで蒸発物を活性
化する方法なども用いることができる。金属酸化物を積
層する方法は、金属酸化物を直接蒸発により堆積する方
法や、また酸化雰囲気下での反応性蒸着によるものも生
産性の上からより好ましく採用できる。また化学気相蒸
着法(いわゆるCVD法)も広い意味での蒸着法として
用いることができる。酸化雰囲気とは酸素ガス単独ある
いは酸素ガスを不活性ガスで希釈したものを真空蒸着機
中に必要量導入したものをいう。不活性ガスとはアルゴ
ンやヘリウムなどの希ガスならびに窒素ガスおよびこれ
らの混合ガスを指す。反応性蒸着とはこういった酸化雰
囲気下で金属あるいは金属酸化物を蒸発源から蒸発さ
せ、基材フィルム近傍で酸化反応を起こさせ、基材フィ
ルム上に形成する手法である。これらのための蒸発源と
しては、抵抗加熱方式のボード形式や、輻射あるいは高
周波加熱によるルツボ形式や、電子ビーム加熱による方
式などがあるが、特に限定されない。
【0029】本発明の無機薄膜がアルミニウムの場合、
アルミニウム蒸着無延伸フィルムのガスバリア性能は、
水蒸気透過率が0.5g/m2・日以下、かつ酸素透過率
が197ml/m2・日・MPa以下が好ましく、より好
ましくはそれぞれ0.3g/m2・日以下、148ml/
2・日・MPa以下である。水蒸気透過率、酸素透過率
がこれらの値を超えると、包装材料としての重要な機能
である防湿性、酸素遮断性が不十分となる場合がある。
【0030】本発明の無機薄膜が金属酸化物の場合、金
属酸化物蒸着無延伸フィルムのガスバリア性能は、水蒸
気透過率が1g/m2・日以下、かつ酸素透過率は 49
4ml/m2・日・MPa以下であることが好ましく、よ
り好ましくはそれぞれ0.5g/m2・日以下、395m
l/m2・日・MPa以下である。水蒸気透過率、酸素透
過率がこれらの値を超えると、包装材料としての重要な
機能である防湿性、酸素遮断性が不十分となる場合があ
る。
【0031】無機薄膜が金属酸化物である場合は、完全
透明であることが最も好ましいが、一般に完全酸化物を
形成しようとすると、過剰に酸化された部分が形成され
る確率が高く、この部分のガスバリア性能が劣り、全体
として高いガスバリア性能をを得ることは難しい。この
ため、多少金属成分が残った不完全酸化膜であってもよ
い。本発明の蒸着無延伸フィルムの光線透過率は好まし
くは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上、
より好ましくは85%以上であることが、包装袋として
用いた場合に内容物の品質確認上好ましい。光線透過率
の上限は、原反として用いる本発明のポリオレフィン系
無延伸フィルムの光線透過率で制限され、本発明の原反
フィルムの光線透過率の上限は92%であることから、
実質的な光線透過率の上限が92%である。
【0032】本発明における無機薄膜の厚みとしては、
アルミニウム薄膜の場合20〜50nmの厚みが用いら
れ、光学濃度(光線透過率の逆数の対数)で1.5〜3
程度のものが蒸着されるのが一般的である。
【0033】また金属酸化物の場合、ガスバリア性能お
よび可とう性などの点で、好ましくは5〜100nm、
より好ましくは8〜50nmの範囲を用いることができ
る。5nm未満では、ガスバリア性能が十分でない場合
があり、膜厚が100nmを超えると蒸着時に金属酸化
物の凝集潜熱により、フィルムの極表面が溶融して白化
する熱負けの発生や、蒸着膜の可とう性が悪くなる場合
があり、さらにフィルムの折り曲げなどにより、蒸着膜
の割れや、剥離が生じやすくなる。
【0034】本発明の蒸着無延伸フィルムは、接着剤ま
たは接着性の樹脂を介して他の基材と積層して包装材と
して用いる。
【0035】また、ポリオレフィン系樹脂に本発明の効
果を損なわない範囲で、必要に応じて、低密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン(LLD-PE)、エチルアクリ
レート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン-nブ
チルアクリレート共重合体、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン系樹脂を1種または2種以上を添加すること
もできる。
【0036】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て、高融点ポリオレフィン系樹脂(A層)、低融点ポリ
オレフィン系樹脂(B層)を用いA/Bの順に2層積層
した一例を挙げて説明するが、本発明がこの例に限定さ
れるものではないことはもちろんである。
【0037】まず、押出ホッパーを窒素雰囲気にした押
出機にA層樹脂の高融点ポリオレフィン系樹脂を供給し
て230〜280℃の温度で溶融混合させ、押出ホッパ
ーを窒素雰囲気にした別の押出機にB層樹脂の低融点ポ
リプロピレン樹脂を供給して230〜280℃の温度で
溶融混合させ、それぞれの濾過フィルターを得た後、ス
リット状の2層口金でA層/B層に積層してシート状に
成形し、該シートを40〜80℃に保った金属ドラムに
巻き付けて冷却固化せしめ、ポリオレフィン系無延伸フ
ィルムとする。得られたポリオレフィン系無延伸フィル
ムに蒸着を施すA層の表面を空気中または窒素/炭酸ガ
スの混合ガス雰囲気中でコロナ放電処理を施し、フィル
ムの濡れ張力を35mN/m以上にしてロール状に巻き
取る。その後該無延伸フィルムを30℃以上の雰囲気中
で10時間以上放置してフィルムを結晶化させるのが好
ましい。
【0038】次に該無延伸フィルムをフィルム走行装置
を具備した真空蒸着装置内にセットし、冷却金属ドラム
を介して走行させる。この時、アルミニウム金属を加熱
蒸発させながら、蒸着を行う。あるいは、蒸発蒸気箇所
に酸素ガスを供給し、アルミニウムを酸化させながら走
行フィルム面に凝集堆積させ、酸化アルミニウム蒸着層
を形成して巻き取る。この時のアルミニウムの蒸発量と
供給酸素ガス量の比率を変更することで、酸化アルミニ
ウム蒸着フィルムの光線透過率を変更することができ
る。蒸着後、真空蒸着装置内を常圧に戻して巻き取った
フィルムをスリットし、30℃以上の温度で1日以上放
置してエージングすることがガスバリア性が安定するの
で好ましい。
【0039】
【特性値の測定方法】本発明の特性値は次の測定法によ
る。
【0040】(1)寸法変化率 寸法変化率は、フィルムの長手方向を機械方向として、
長さ260mm、幅10mmの短冊にサンプリングし、
両端から30mmのところにマークを入れて、原寸(L
0)を200mmとする。このサンプルの下端に3gの
荷重を付け、120℃に保たれたオーブン中に吊るして
15分間加熱する。この寸法変化率(R)は次式により
求めた。
【0041】寸法変化率(R)(%)={(L0−L1)
/L0}×100 この時フィルムが伸びて、L1がL0よりも大きくなった
ときは(−)として表示した。
【0042】(2)ガスクロマトグラフによる揮発成分
の総量 島津社製GC−14A型ガスクロマトグラフ測定装置、
島津社製FLS−3型注入機を用い、20mgに秤量し
た無延伸フィルム試料を石英ガラス管内に封入し、窒素
ガス気流下(4l/分)、130℃5分加熱し、揮発成
分を−130℃に冷却トラップし、次に50℃から20
0℃まで昇温速度8℃/分で加熱して、ヘリウムガス圧
力0.4kg/cm2の気流下でCPC型分離カラム(C
PC:H60T−PM30、Serial:PEF20
70、Liquid Phase:HR−THEMON
600T内径0.25mm×長さ30m)を装着した
ガスクロマトグラフ測定装置に導入し、ガスクロマトグ
ラフを得る。得られたガスクロマトグラフから各揮発成
分の和すなわち揮発総量を求める。別のフィルム試料2
0mgを同様に操作して5水準のガスクロマトグラフか
ら揮発成分の揮発総量を求める。それぞれのガスクロマ
トグラフの揮発総量を測定試料の重量で割算した値を求
め、その平均値をμg/gの単位で示し、揮発成分の総
量とした。
【0043】(3)光学濃度計(OD) アルミニウム蒸着無延伸フィルムをJIS-K-7605
に従い、マクベス社製の透過濃度計TR927を用い
て、フィルターをVisualとしたときの透過濃度計
を測定し、光学濃度とした。
【0044】(4)光線透過率 蒸着無延伸フィルムを日立製作所社製分光々度計324
型を用いて、波長550nmでの透過率で求めた。
【0045】(5)水蒸気透過率(防湿性) モダンコントロール社製の水蒸気透過率計“PERMA
TRAN”W3/31を用いて、湿度100%、温度3
7.8℃の条件下で測定した値をg/m2・日の単位で示
した。
【0046】(6)酸素透過率 モダンコントロール社製の酸素透過率計“OXTRA
N”-100を用いて、湿度0%、温度23℃の条件下
で測定した値をml/m2・日・MPaの単位で示した。
【0047】(7)荷重負荷後の水蒸気透過率および酸
素透過率 蒸着した後、MD方向に2%の張力負荷をかけた後、水
蒸気透過率および酸素透過率を測定した。
【0048】(8)フィルムの厚み構成および無機薄膜
層の厚み フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて下記
の条件で写真撮影し、薄膜の厚みを測定した。 装 置:日本電子(株)製JEM-1200EX 観察倍率:フィルムの厚み構成=1000倍、無機薄膜
層の厚み=40万倍 加速電子:100kV
【0049】(9)アイソタクチックインデックス(I
I) 試料を130℃で2時間乾燥する。これから重量W(m
g)の試料を採り、ソックスレー抽出器に入れ沸騰n-
ヘプタンで12時間抽出する。次にこの試料を取り出し
アセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間乾燥しそ
の後重量W’(mg)を測定し次式で求める。 II=(W’/W)×100(%)
【0050】(10)メソペンタッド分率(mmmm) 測定溶媒として1,2,4-トリクロロベンゼンを用い、1
3C-NMRを測定する。得られたスペクトルの帰属およ
びmmmmの計算については、T.Hayashiらが
行った方法[Polymer,29,138(198
8)]に基づいて行い、百分率で表示した。なお積層フ
ィルムについては、表層を剥離するか、また削り取り、
上記と同じ方法にて測定した。
【0051】(11)フィルム表面の濡れ張力 JIS K-6768の方法で測定した。
【0052】(12)メルトフローインデックス(MF
I) JIS K-6758のポリプロピレン試験方法(23
0℃、21.168N)で測定した値を示した。
【0053】(13)融点 Seiko Instrument社製熱分析装置S1
1型を用い、試料5mgを室温より20℃/分の昇温速
度で昇温していった際に、結晶の融解に伴う融解吸熱ピ
ーク位置の温度を融点とした。
【0054】(14)ヒートシール性 厚み25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、武
田薬品社製ポリウレタン系接着剤(主剤“タケラック”
A-971/硬化剤“タケネート”A-3=9/1をコー
ティングバーを用いて、厚み約4μm塗工して、蒸着無
延伸フィルムの蒸着面と貼り合わせた後、40℃2日エ
ージングして硬化させた。その後該貼り合わせたフィル
ムの蒸着無延伸フィルムの非蒸着面どうしを重ね合わせ
て、ヒートシラーの両面加熱法にてシール温度115
℃、シール圧力98kPa、シール時間1秒の条件でヒ
ートシールを行った。このヒートシールしたサンプルを
幅15mmに切り出して、オリエンテック社製UCT-
100型“テンシロン”を用いて、引張速度300mm
/分でシール面を90度剥離したときに要した力が、
1.3N/cm以上のものを○、0.65N/cm以下の
ものを×、その中間のものを△として評価した。
【0055】(15)二次加工性 厚み25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(水蒸
気透過率=6.0g/m2・日)と、金属酸化物蒸着無延
伸フィルムの蒸着面を重ね合わせるように、30℃に冷
却されたニップロール間に通し、その間に300℃に溶
解した低密度ポリエチレン(住友化学製L-705)を
押し出して厚み20μmをラミネートして積層体を得
る。この積層体の外観と水蒸気透過率を測定して、積層
体にヒビがなく水蒸気透過率が1.0g/m2・日未満の
ものを○、積層体にヒビが入り、また水蒸気透過率が
1.5g/m2・日以上のものを×、ヒビがなく、水蒸気
透過率がその中間のものを△として評価した。
【0056】
【実施例】次に本発明の効果を実施例により説明する。
【0057】実施例1 本発明のポリオレフィン系無延伸フィルムの蒸着(A)
層の樹脂として、メソペンタッド分率(mmmm)が9
9.1%、酸化防止剤テトラキス−{メチレン−(3,
5−ジ−3−ブチル−4−ハイドロオキシ−ハイドロシ
ンナメート)}ブタン(以下“Irganox”101
0と略称する)0.1重量%を添加した高結晶性ポリプ
ロプレン樹脂(II=99%、MFI=5.5g/10
分、融点=163℃)を用い、押出ホッパーを窒素雰囲
気にした一軸押出機に供給し、270℃の温度で溶融さ
せた。
【0058】次にポリオレフィン系無延伸フィルムのヒ
ートシール(B)層として、酸化防止剤(“Irgan
ox”1010)0.1重量%添加したエチレン-プロピ
レン-ブテン-1ランダム共重合体(EPBC)(エチレ
ン共重合量=2重量%、ブタジエン-1共重合量=5重
量%、MFI=3.6g/10分、融点=141℃)
に、真球シリカ粒子(粒径=2μm)0.125重量%
添加混合して、押出ホッパーを窒素雰囲気にした二軸押
出機に供給し、240℃の温度で溶融混練りしてガット
状に溶融押出して、水槽中にガットを通して冷却後、チ
ップカッターにて3〜5mmの長さに切断してチップを
得た。
【0059】次に該チップを80℃の温度で8時間乾燥
した後に、押出ホッパーを窒素雰囲気にした、別の一軸
押出機に供給して、260℃の温度で溶融させ、それぞ
れの濾過フィルターを経た後、2層成形口金にてA層/
B層となるように口金内で合流させてシート状に押出し
て、該シートを80℃の温度に加熱した金属ドラムに巻
き付けて冷却し、厚み25μmのポリオレフィン系無延
伸フィルムを得た。この時のA層/B層の厚み構成比は
5/20μmであった。フィルム全体の添加剤は、酸化
防止剤(“Irganox”1010)0.1重量%、
ブロッキング防止剤0.1重量%であった。
【0060】次に、得られた該無延伸フィルムを50℃
に加熱したゴムロールを介して、蒸着を施すA層表面を
窒素/炭酸ガスの混合ガス(窒素/炭酸ガス=85/1
5)の雰囲気中で40W・min/m2の処理条件でコ
ロナ放電処理を施し、フィルムの濡れ張力を45mN/
mにしてロール状に巻き取った。その時のフィルムの温
度は30℃であり、10時間放置した後に小幅にスリッ
トした。次に、小幅にスリットした該無延伸フィルムを
フイルム走行装置を具備した真空蒸着装置内にセット
し、1.00×10-2Paの高真空にした後に、−20
℃の冷却金属ドラムを介して走行させた。この時、アル
ミニウム金属を加熱蒸発させながら、走行フィルムの該
A層表面に凝集堆積させ、アルミニウムの無機薄膜層を
形成して巻取った。また引き続きアルミニウム金属を加
熱蒸発させながら、蒸発蒸気箇所に酸素ガスを供給し、
アルミニウム金属を酸化させながら走行フィルムの該A
層表面に凝集堆積させ、酸化アルミニウムの蒸着薄膜層
を形成して巻取った。蒸着後、真空蒸着装置内を常圧に
戻して、巻取ったフィルムを巻き返し、40℃の温度で
2日間エージングして、蒸着無延伸フィルムを得た。
【0061】実施例2 本発明のポリオレフィン系無延伸フィルムの蒸着(A)
層の樹脂として、メソペンタッド分率(mmmm)が9
8.6%、酸化防止剤(“Irganox”1010)
0.1重量%を添加した高結晶性ポリプロプレン樹脂
(II=99%、MFI=3.7g/10分、融点=1
60℃)95重量%に、酸化防止剤(“Irgano
x”1010)0.1重量%を添加した高密度ポリエチ
レン(HD−PE)(MFI=4.5g/10分、融点
=130℃、密度=0.936g/cm3)5重量%を加
え、押出ホッパーを窒素雰囲気にした一軸押出機に供給
し、270℃の温度で溶融さた。
【0062】次にポリオレフィン系無延伸フィルムのヒ
ートシール(B)層として、酸化防止剤(“Irgan
ox”1010)0.1重量%を添加したエチレン-プロ
ピレン-ブテン-1ランダム共重合体(EPBC)(エチ
レン共重合量=2重量%、ブタジエン-1共重合量=5
重量%、MFI=3.6g/10分、融点=141℃)
95重量%と酸化防止剤(“Irganox”101
0)0.1重量%を添加した高密度ポリエチレン(HD-
PE)(MFI=4.5g/10分、融点=130℃、
密度=0.936g/cm3)5重量%の樹脂に対して、
酸化珪素粒子(粒径=4μm)を0.057重量%添加
混合した以外は、実施例1と同様にしてA層/B層厚み
構成3/22μmのポリオレフィン系無延伸フィルムを
得た。フィルム全体の添加剤は、酸化防止剤(“Irg
anox”1010)0.1重量%、ブロッキング防止
剤0.05重量%であった。
【0063】次に、得られた該無延伸フィルムをコロナ
放電処理、スリットおよび蒸着を実施例1と同様にし
て、蒸着無延伸フィルムを得た。
【0064】実施例3 金属ドラム加熱温度を65℃に変更した以外実施例1と
同様にして、ポリオレフィン系無延伸フィルムおよび蒸
着無延伸フィルムを得た。
【0065】実施例4 A層樹脂として、実施例1でB層に用いたエチレン-プ
ロピレン-ブテン-1ランダム共重合体(EPBC)に、
真球シリカ粒子(粒径=2μm)を0.1重量%添加
し、混合チップ化した樹脂を用いた以外は実施例1と同
様にして、厚み25μmのポリオレフィン系無延伸フィ
ルムおよび蒸着無延伸フィルムを得た。
【0066】比較例1 金属ドラムの温度を30℃に変更した以外実施例1と同
様にして、ポリオレフィン系無延伸フィルムおよび蒸着
無延伸フィルムを得た。
【0067】比較例2 2台の押出機のホッパーを空気雰囲気下にした以外は実
施例1と同様にして、ポリオレフィン系無延伸フィルム
および蒸着無延伸フィルムを得た。
【0068】比較例3 金属ドラム加熱温度を30℃に変更した以外実施例4と
同様にして、ポリオレフィン系無延伸フィルムおよび蒸
着無延伸フィルムを得た。
【0069】比較例4 酸化防止剤2,6−ジ−第3−ブチル−4−メチルフェ
ノール(BHT)を0.2重量%、“Irganox”
1010を0.1重量%、塩素捕獲剤としてステアリン
酸カルシウムを0.05重量%添加した、エチレン-プロ
ピレン-ブテン-1ランダム共重合体(EPBC)に用い
た以外は、実施例4と同様にして、ポリオレフィン系無
延伸フィルムおよび蒸着無延伸フィルムを得た。
【0070】比較例5 ブロッキング防止剤の真球シリカ粒子(粒径=2μm)
の添加量を0.6重量%にした以外は実施例4と同様に
して、ポリオレフィン系無延伸フィルムおよび蒸着無延
伸フィルムを得た。
【0071】比較例6 実施例1で得られたポリオレフィン系無延伸フィルムを
用いて、無機薄膜として酸化アルミニウムの蒸着層を形
成する際に、アルミニウムの蒸発量と供給酸素ガス量の
比率を変更して、酸化アルミニウム蒸着フィルムの光線
透過率を55%に変更した以外は実施例1と同様にして
金属酸化物蒸着フィルムを得た。
【0072】無延伸フィルム品質の評価結果を表1に、
蒸着無延伸フィルム品質と二次加工性の評価結果を表
2、表3に示した。
【0073】この結果、実施例1〜4で得られた無延伸
フィルムは、長手方向の120℃15分加熱後の寸法変
化率の絶対値が小さくて熱寸法安定性に優れ、130℃
5分加熱発生ガス量が少ないフィルムであった。従って
これから得られる蒸着無延伸フィルムは、ガスバリア性
能およびヒートシール性に優れ、また二次加工性にも優
れたものであった。
【0074】一方、比較例1および比較例3で得られた
無延伸フィルムは、120℃5分加熱の発生ガス量が少
ないが、120℃15分加熱後の長手方向の寸法変化率
が大きく、熱安定性に劣るために、蒸着後に巻き取る際
やスリット加工およびラミネート加工をする際にシワが
入ったり、蒸着層にクラックが入るなどして二次加工性
に劣り、ガスバリア性能が悪化した。
【0075】また、比較例2および比較例4で得られた
無延伸フィルムは、120℃15分加熱後の長手方向の
寸法変化率が小さいものの、130℃5分加熱の発生ガ
ス量が多いため蒸着後のガスバリア性能がやや悪化し
た。
【0076】比較例5で得られた無延伸フィルムは、1
20℃15分加熱後の長手方向の寸法変化率が小さく、
130℃5分加熱の発生ガス量が少ないが、ブロッキン
グ防止剤の添加量が多いため、蒸着層の密着性が悪化
し、ガスバリア性が悪化した。
【0077】比較例6で得られた金属酸化物蒸着フィル
ムは、ガスバリア性能に優れるが、光線透過率が低くて
黒色で透明性に劣り、透明ガスバリア性包装袋として用
いた場合に、内容物が識別し難く、実用性に劣ったフィ
ルムであった。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】 水蒸気透過率測定条件:温度37.8℃、湿度100% 酸素透過率測定条件 :温度23℃、湿度0%
【0081】
【発明の効果】本発明で得られたポリオレフィン無延伸
フィルムは、長手方向の120℃15分加熱後の寸法変
化率の絶対値が2%以下からなり、該無延伸フィルムか
らの発生ガス量が少ないので、特定の無機薄膜を蒸着す
ると、蒸着膜の接着性を有し、優れたガスバリア性能を
発揮し、また蒸着、スリットおよびラミネート加工など
の二次加工性に優れ、各種包装用途に適した蒸着無延伸
フィルムを提供することができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂に添加剤を総量で
    0.01〜0.5重量%添加してなるポリオレフィン系無
    延伸フィルムであって、該無延伸フィルムの120℃1
    5分間加熱後の長手方向の寸法変化率の絶対値が2%以
    下であり、該無延伸フィルムのガスクロマトグラフで測
    定される130℃5分間加熱の揮発成分の総量が200
    μg/g以下であることを特徴とするポリオレフィン系
    無延伸フィルム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリオレフィン系無延伸
    フィルムの少なくとも片面に無機薄膜が蒸着された蒸着
    無延伸フィルム。
  3. 【請求項3】無機薄膜がアルミニウム薄膜であり、蒸着
    無延伸フィルムの水蒸気透過率が0.5g/m2・日以
    下、酸素透過率197ml/m2・日・MPa以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載の蒸着無延伸フィル
    ム。
  4. 【請求項4】無機薄膜が金属酸化物薄膜であり、蒸着無
    延伸フィルムの光線透過率が70%以上、水蒸気透過率
    が1g/m2・日以下、酸素透過率494ml/m2・日・
    MPa以下であることを特徴とする請求項2に記載の蒸
    着無延伸フィルム。
  5. 【請求項5】金属酸化物薄膜が酸化アルミニウムを主体
    とする薄膜であることを特徴とする請求項4に記載の蒸
    着無延伸フィルム。
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