JPH08267804A - 熱転写記録装置およびインクシートカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で且つ取扱いが容易で、更に簡単な構成
でインクシート表面に付着した塵埃等を除去することが
できる熱転写記録装置を提供する。 【構成】 インクシートローラの表面部分を覆う柔軟性
部材よりなるインクシートクリーニング手段を設けて構
成した。また、格納されているインクシート供給ローラ
の表面を覆う柔軟性部材よりなるインクシートクリーニ
ング手段を、インクシートカセットに設けて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドにより
インクシートに塗布されたインクを記録媒体上に転写し
て記録を行う熱転写記録装置に関するものであり、更に
詳しくはインクシート表面に付着した塵埃等を除去する
クリーニング機能を有する熱転写記録装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】図４はこの種の熱転写記録装置の構成を
示す図で、サーマルヘッド２，プラテンローラ３，イン
クシート４，記録紙（記録媒体）５により構成されてい
る。プラテンローラ３は、記録装置本体に回転自在に支
持されており、サーマルヘッド２はこのプラテンローラ
３の外周面に対して圧接，離反可能に配設されている。
また、プラテンローラ３とサーマルヘッド２の間に形成
される記録紙搬送経路には、プラテンローラ３側より記
録紙５，インクシート４が順次配設される。この熱転写
記録装置により記録が行われる際には、記録紙５，イン
クシート４がサーマルヘッド２によりプラテンローラ３
に押圧され、プラテンローラ３を回転させることにより
記録紙５を搬送すると同時に、インクシート巻取ロール
４２にインクシート４を巻き取り、更にサーマルヘッド
１上に形成された発熱抵抗体を選択的に駆動することに
より、インクシート４の表面に塗布されている熱溶融性
のインクを記録紙５上に転写して記録を行うよう構成さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この種の熱転写記録装
置においては、記録紙またはインクシートの交換時等に
周囲環境より混入するか、またはインクシートロールの
製造段階において混入する塵埃、或いは記録紙が搬送さ
れることにより生じる紙粉等がインクシートの表面に付
着することがあり、この塵埃，紙粉等がインクシート表
面に付着した状態で記録を行った場合、記録紙上にイン
クを転写することができなくなり、その結果記録画像に
白抜け等が発生し、記録画像の品質が低下するという不
具合を生じていた。この問題を解決するために、従来は
サーマルヘッドとインクシート供給ローラとの間に、そ
の表面が粘着性部材で形成されたローラ部材または帯状
ブラシよりなるクリーニング機構をインクシートに接触
するようにして設け、このクリーニング機構により塵
埃，紙粉等を除去するよう構成していた。或いは、サー
マルヘッドとインクシート供給ローラとの間に空気流吹
付手段を設け、この空気流吹付手段によりインクシート
の表面に付着した塵埃，紙粉等を吹き飛ばすよう構成し
ていた。

【０００４】しかしながら上述の様な従来装置の場合
は、クリーニング機構が大がかりで且つ複雑な機構とな
り、また、長時間の使用に伴い粘着部材の粘着効果が劣
化した場合には、クリーニング機構の部品交換が必要と
なるが、その交換作業が煩雑なものとなるという不具合
を生じていた。

【０００５】本発明はこれらの不具合を解決するために
なされたもので、安価で且つ取扱いが容易で、更に簡単
な構成でインクシート表面に付着した塵埃等を除去する
ことができる熱転写記録装置を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の熱転写記録装置においては、インクシート
ローラの表面部分を覆う柔軟性部材よりなるインクシー
トクリーニング手段を設けて構成した。また、本発明の
熱転写記録装置のインクシートカセットにおいては、格
納されているインクシート供給ローラの表面を覆う柔軟
性部材よりなるインクシートクリーニング手段を設けて
構成した。

【０００７】

【作用】柔軟性部材よりなるインクシートクリーニング
手段は、記録装置に保持されるインクシート供給ローラ
を覆うようにしてその表面部分に接触する。記録動作の
際、熱溶融性のインクが塗布されたインクシートの表面
部分に付着した塵埃等は、このインクシートクリーニン
グ手段により除去される。

【０００８】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の熱転写記録装
置を説明する。図１は本発明の熱転写記録装置の構成を
示す図であり、上述の従来の装置と同等の構成について
は同一の符号を以て示されている。図において１はクリ
ーニングシート、２はサーマルヘッド機構、３はプラテ
ンローラ、４はインクシートおよびインクシートカセッ
ト、５は記録紙、６は記録装置本体である。

【０００９】本発明の熱転写記録装置においては、記録
紙の搬送経路の上流側に設けられた記録紙保持部６３に
格納された記録紙ロール５０より記録紙５を引き出し、
ガイドブラケット６１を介してプラテンローラ３および
サーマルヘッド機構２よりなる記録部に記録紙５を搬送
する。プラテンローラ３は、記録装置本体６に設けられ
た図示しない駆動機構により回転駆動されるよう構成さ
れている。サーマルヘッド機構２は、記録装置本体６に
対して回動可能に設けられ、記録装置の上部カバーを兼
ねて設けられている。インクシートカセット４０は、熱
溶融性のインクを表面に塗布したインクシート４を展張
するようにして、インクシート供給ローラ４１およびイ
ンクシート巻取ローラ４２を格納，保持するとともに、
記録装置本体６に対して着脱自在に構成されている。

【００１０】この記録装置により記録を行う場合、図１
（ａ）に示すように、先ず記録紙５をガイドブラケット
６１を介してプラテンローラ３上に搬送した後、位置決
めピン６５により決定される記録装置本体６の所定位置
に、インクシートカセット４０をセットする。この時、
記録装置本体６に設けられたインクシート巻取機構６４
が、インクシート巻取ローラ４２の短部に設けられた歯
車４２１に係合し、インクシート４の展張部分がプラテ
ンローラ３の上部に位置するように位置づけられる（図
１（ｂ））。更に、サーマルヘッド機構２を回転させ
て、インクシート４および記録紙５を介してサーマルヘ
ッド２１をプラテンローラ３に押圧すると同時に、サー
マルヘッド機構のガイドローラ２２および剥離部材２３
が、インクシート４および記録紙５を押し下げ、それぞ
れをプラテンローラ３の上部円周部分に巻回させる（図
１（ｃ））。記録動作の際、記録装置の制御部は、上述
の図示しないプラテンローラ３の駆動機構によりプラテ
ンローラ３を回転させて記録紙５を搬送するとともに、
インクシート巻取機構６４を駆動させてインクシート巻
取ローラ４２を回転し、インクシート４を搬送する。同
時にサーマルヘッド２１を駆動制御することにより、イ
ンクシート４のインクを記録紙５上に転写して、記録を
行う。

【００１１】インクシートクリーニング手段としてのク
リーニングシート１は、インクシート４の幅方向の長さ
と略一致する長さで、柔軟性を有するとともに塵埃等を
除去する機能を有する例えばポリプロピレン拭折布等の
シート部材からなり、図３（ａ）に示されるように、イ
ンクシートカセット４０のインクシート供給ローラが格
納保持されている側に取り付けられており、図３
（ｂ），（ｃ）に示されるように、インクシートカセッ
ト４０が記録装置本体６にセットされる際には、インク
シート供給ローラ４１の表面部分を覆うよう構成されて
いる。この時、クリーニングシート１はインクシート４
の幅方向の長さと略一致する長さを有し、更に柔軟性を
有しているので、その自重により常にインクシート供給
ローラ４１の表面部分を隈無く覆うことができる。

【００１２】また、図２に示されるように、記録動作時
におけるインクシートカセット４０が記録装置本体６に
セットされ且つサーマルヘッド機構２が閉じられた状態
においては、クリーニングシート１の先端付近の部分は
ガイドローラ２２に挟まれて、インクシート４に押圧さ
れる。記録動作にともなって、インクシート４が順次イ
ンクシート供給ローラ４１からサーマルヘッド機構２を
経てインクシート巻取ローラ４２に搬送される際、イン
クシート４のインクが塗布されている側（記録紙５と接
している側）の表面は、クリーニングシート１のインク
シート供給ローラ４１の表面を覆っている部分により塵
埃等が除去されてから記録部に搬送され、また、インク
が塗布されていない側（サーマルヘッド２１と接触する
側）の表面は、ガイドローラ２２により押圧されるクリ
ーニングシートの先端付近の部分により、塵埃等が除去
されることとなる。これにより、本発明によればインク
シートがその表面に塵埃等が付着したまま記録部に搬送
されることがないので、記録画像に白抜け等が発生する
ことなく高品質の記録を行うことができ、更に、サーマ
ルヘッド２１に塵埃等が付着するのを防止することがで
きるので、ヘッドの破損を防ぐことができる。また、ク
リーニングシート１として導電性部材を使用することに
より、記録動作時においてインクシート４をインクシー
ト供給ローラ４１から剥離させる際に生じる静電気を除
電することができ、塵埃等の除去効果を更に良くするこ
とができる。

【００１３】本発明の熱転写記録装置におけるインクシ
ートクリーニング手段には、塵埃等を除去する機能を有
した柔軟性の布材またはシート部材を用いることがで
き、例えば化学処理が施された市販の清掃用の布材また
はシート部材等を用いることができる。また、長時間の
使用にともなってインクシートクリーニング手段の塵埃
等の除去機能が劣化した場合には、リボンカセットより
クリーニングシートを取り外し、新たなクリーニングシ
ートを取り付けまたは張り付けるだけで、その交換を簡
単に行うことができる。

【００１４】上述の実施例においては、記録装置本体に
対してインクシートカセットを着脱自在に構成した熱転
写記録装置において、その着脱可能に構成されるインク
シートカセットにインクシートクリーニング手段を設け
ているが、インクシート供給ローラおよびインクシート
巻取ローラを記録装置本体に取り付ける構成の熱転写記
録装置にも適用することができ、この場合には、記録装
置本体に取り付けられたインクシート供給ローラの表面
部分を覆うように、柔軟性部材よりなるインクシートク
リーニング手段を記録装置本体に取り付けて構成すれば
良い。

【００１５】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の熱転写記録
装置においては、インクシート供給ローラの表面部分を
覆う柔軟性部材よりなるインクシートクリーニング手段
を設けたので、インクシートがその表面に塵埃等が付着
したまま記録部に搬送されることがないので、記録画像
に白抜け等が発生することなく、簡単な構成で高品質の
記録を行うことができる。また、インクシートクリーニ
ング手段として、柔軟性のシート部材を所定の位置に取
り付けるだけなので、その交換作業を容易に行うことが
できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の熱転写記録装置の構成を示す説明図
である。

【図２】 本発明の熱転写記録装置の要部構成を示す説
明図である。

【図３】 本発明のインクシートカセットの構成を示す
説明図である。

【図４】 従来の熱転写記録装置の構成を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

１ インクシートクリーニング手段 ２ サーマルヘッド機構 ３ プラテンローラ ４ インクシート ５ 記録媒体 ６ 記録装置本体

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱溶融性のインクがその表面に塗布され
   るとともにインクシート供給ローラに巻回されインクシ
   ート巻取ローラに巻き取られるインクシートと、このイ
   ンクシートとともにサーマルヘッドによりプラテンロー
   ラに押圧される記録媒体とを有し、プラテンローラの回
   転により記録媒体を搬送するとともに、上記インクシー
   ト巻取ローラによりインクシートを巻き取り、更にサー
   マルヘッドを駆動してインクシートのインクを記録媒体
   に転写する熱転写記録装置において、 上記インクシート供給ローラの表面部分を覆う柔軟性部
   材よりなるインクシートクリーニング手段を設けたこと
   を特徴とする熱転写記録装置。
2. 【請求項２】 インクシートと記録媒体をサーマルヘッ
   ドによりプラテンローラに押圧し、記録媒体およびイン
   クシートを搬送するとともに、サーマルヘッドを駆動し
   てインクシートのインクを記録媒体に転写する熱転写記
   録装置において、 記録装置本体に着脱可能に設けられ、熱溶融性のインク
   がその表面に塗布される上記インクシートを巻回したイ
   ンクシート供給ローラと、このインクシート供給ローラ
   より供給される上記インクシートを巻き取るインクシー
   ト巻取ローラを格納するとともに、上記格納されている
   インクシート供給ローラの表面を覆う柔軟性部材よりな
   るインクシートクリーニング手段を設けたことを特徴と
   する熱転写記録装置のインクシートカセット。
3. 【請求項３】 上記熱転写記録装置のインクシートカセ
   ットは、上記インクシート供給ローラおよび上記インク
   シート供給ローラを着脱自在に格納することを特徴とす
   る請求項２記載の熱転写記録装置のインクシートカセッ
   ト。