JPH08266430A - 浴槽の気泡発生装置の取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴湯循環ポンプの作動中における振動が外部
に伝達するのを防止し得ると共に循環管路を短くできる
浴槽の気泡発生装置の取付構造を提供する。 【構成】 浴湯循環ポンプ１を固定バンド３により防振
部材５を介して取付プレート４に取付け、この取付プレ
ート４を浴槽２の外周壁面に装着すると共に浴湯循環ポ
ンプ１の吐出管８と吸引管９を該取付プレート４の開口
部4aを通じて浴槽２に設けた噴出口６と吸込口７とに連
結、連通させ、浴湯循環ポンプ１から発生する振動を上
記防振部材５と浴湯を充満した浴槽２とによって減振さ
せると共に吐出管８を通じて浴槽２の噴出口６から浴湯
を噴出させる際にエジェクタ作用によって吐出管８内に
空気を吸引させて、噴出口６から浴湯内に気泡を噴出さ
せるように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浴槽内の浴湯を循環さ
せながら気泡を浴槽内に噴出させる気泡発生装置の取付
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、身体の血行等を増進させるた
めに、浴槽内に向かって浴湯と共に気泡を噴出させる気
泡発生装置が知られている。この気泡発生装置は浴湯循
環ポンプを浴室内の床板上に設置し、該循環ポンプの浴
湯吸引口と吐出口とを吸引管と吐出管を介して浴槽本体
の周壁に設けた槽内に開口している浴湯吸込口と噴出口
とに夫々連結、連通させて浴湯を循環させながら吐出管
内に空気を導入し、噴出口から浴湯と共に気泡を噴出さ
せるように構成している。

【０００３】このような気泡発生装置によれば、上記の
ように浴湯循環ポンプを浴室内の床板上に設置している
ために、その振動が床板から他の部屋にまで伝達され、
耳障りな騒音が生じるという問題点がある。このため、
例えば、特開平４ー１５０８５５号公報に記載されてい
るように、浴室ユニットの内装材の壁面に吊支部材を介
して浴湯循環ポンプを吊り下げにことにより振動が直接
床板に伝達しないように構成した気泡発生装置の取付構
造が開発された。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、浴湯循
環ポンプを浴室ユニットの内装材壁面に吊支すると、床
板に振動が直接伝達するのを防止することができても内
装材に振動が伝達し、例え、内装材に対する吊支部材の
取付部等にゴムなどの防振材を介在させていても該防振
材のみでは振動を充分に吸収することが困難である。さ
らに、浴室ユニットの内装材に浴湯循環ポンプを取付け
ると、狭い浴室の空間が一層狭くなるばかりでなく、浴
湯循環ポンプは浴槽から離れた内装材壁面に取付けられ
ているものであるから、該浴湯循環ポンプと浴槽とを連
結、連通させる浴湯循環管路が長くなり、洗い場にその
配管のための空間を必要として洗い場の有効面積が狭く
なる。また、配管作業が煩わしい上に配管が露出して外
観を損するために、カバーを設ける必要があった。

【０００５】さらに、循環管路が長くなると、比較的大
きい馬力のポンプを必要とするばかりでなく、管路中を
流動する浴湯に脈動が生じて浴室内に不快な騒音が発生
し、その上、特に浴湯循環ポンプはその始動時と終了時
に発生する共振現象が大きいので、減衰させるには各所
に多く防振材を取付ける必要があり、装置全体が複雑化
するという問題点があった。また、浴湯循環ポンプは回
転運動とピストン運動が複雑に組み合わされた作動を行
うので、循環管路の接続部に緩み等が発生し、度々保
守、点検を行う必要がある。本発明はこのような問題点
を全面的に解消し得る浴槽の気泡発生装置の取付構造を
提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の浴槽の気泡発生装置の取付構造は、浴槽の
外周壁面に防振部材を介して浴湯循環ポンプを装着し、
この浴湯循環ポンプの浴湯吸引口と吐出口とを吸引管と
吐出管を介して浴槽の周壁に設けた槽内に開口している
浴湯吸込口と噴出口とに夫々連結、連通させると共に吐
出管の適所に空気供給管を連結、連通させてなる構造と
している。

【０００７】上記気泡発生装置の具体的な取付構造とし
ては、請求項２に記載したように、浴湯循環ポンプを固
定バンドにより抱着させ且つこの固定バンドを浴槽の外
周壁面に取付けた取付プレートの外面に防振部材を介し
て固着すると共に、取付プレートに、浴槽に設けている
上記噴出口にパッキンを介して接続する開口部を穿設
し、この開口部に上記吐出管の開口端部を連結してなる
ものである。また、請求項３に記載したように、固定バ
ンドによって抱着された浴湯循環ポンプを上記取付プレ
ート上に防振部材を介して支持させておいてもよい。

【０００８】

【作用】浴湯循環ポンプを始動させると、該浴湯循環ポ
ンプの吸引口側に発生する吸引力によって浴槽内に開口
している吸込口を通じて浴槽内の浴湯が吸引管から該吸
引口に吸い込まれたのち、吐出口から吐出管に吐出さ
れ、これらの吐出管の先端に連通している浴槽の周壁に
設けた噴出口から浴湯内に噴出する。さらに、この噴出
時において噴出口に発生する負圧により吐出管に連結、
連通している空気導入管を通じて空気がエジェクタ作用
によって噴出口に吸引され、浴湯と混合して気泡となっ
て浴槽の浴湯内に噴出するものである。

【０００９】また、浴湯循環ポンプの作動中、モータ等
の回転によって振動が発生するが、該浴湯循環ポンプは
浴槽の外周壁面に防振部材を介して取付けられているの
で、その振動が防振部材によって減振させられると共に
浴湯が充満している状態において浴槽の外周壁は共振し
にくくなり、且つ重量の大きい浴槽を介して著しく減衰
されて床板や浴室内装材に直接伝達することがない。

【００１０】さらに、浴湯循環ポンプを浴槽の外周壁面
に取付けているので、浴湯循環ポンプと浴槽内とを連
結、連通させる吸引管と吐出管とからなる浴湯循環管路
の長さが極めて短くなって配管作業が容易となると共に
これらの管路は浴槽の外周壁面に接して配設されるので
外部に露出することがなく、全体の構造を浴室ユニット
に最適なコンパクトな構造とし得る。

【００１１】

【実施例】本発明の実施例を図面について説明すると、
１は平面略長方形状の浴槽２の外周壁面における前壁面
2a、即ち、浴槽２の短辺側の一方の外面に装着された浴
湯循環ポンプで、浴湯が充満した水面よりも下側に位置
してその中央部外周面を円弧状に湾曲した固定バンド３
によって抱着されていると共にこの固定バンド３の両端
フランジ部3a、3aを横長長方形状の取付プレート４の外
面上部に板状の防振部材５、５を介してリベット或いは
ビス等により固着してあり、この取付プレート４を浴槽
２の前壁面2aに固定することによって浴槽２の前壁面2a
に取付けられているものである。

【００１２】固定バンド３の両端フランジ部3a、3aと取
付プレート４との対向面で挟着された上記防振部材５
は、ゴム系材料、塩化ビニル樹脂などのプラスチック系
材料、又はアスファルト系材料等の汎用されている防振
材料からなり、特に、浴湯循環ポンプ１の振動特性から
125 〜250Hz の周波数域の振動を減衰させる防振材料を
選択して使用している。

【００１３】浴槽２の外周壁面における上記前壁面2aの
中央両側部にはその外面から槽壁を貫通して槽内に開口
している浴湯噴出口６、６が設けられていると共にこれ
らの噴出口６、６間の下方部には同じくその外面から槽
壁を貫通して槽内に開口している浴湯吸込口７が設けら
れている。また、浴槽２の前壁面2aと対向する後壁面2b
の中央部にも槽壁を貫通して槽内に開口している浴湯噴
出口6'を設けている。

【００１４】上記浴湯循環ポンプ１は、その両側部３箇
所に該ポンプ１の吐出口1a、1a' を開口させていると共
に底面に該ポンプ１の吸引口1bを開口させてあり、両側
に設けている吐出口1a、1aにエルボ形状の合成樹脂製短
管からなる吐出管８、８の一端開口部を連結、連通させ
ていると共にこれらの吐出管８、８の他端開口部を図３
に示すように、上記取付プレート４の両側下部に上記噴
出口６、６と同一間隔を存して穿設している開口部4a、
4aに連結、連通させている。一方、残りの一つの上記吐
出口1a' と浴槽２の上記後壁面2bに設けている噴出口6'
間に、浴槽２の長辺側の一方の側壁面に沿わせた合成樹
脂製管からなる吐出管8'の両端開口部を連結、連通させ
ている。

【００１５】さらに、取付プレート４に設けている上記
両側開口部4a、4aと浴槽２の前壁面2aに設けている上記
噴出口６、６の外面側との間に環状パッキン11を介在さ
せて両側開口部4a、4aを噴出口６、６に連通させた状態
にして、取付プレート４を浴槽２の前壁面2aに固着して
いる。噴出口６、６は、図４に示すように、フランジ6b
付き短筒6aと、該短筒6aの開口端に螺合等によって取付
けられたリング部材6cとから構成され、該短筒6aを浴槽
２の内周面側から槽壁に穿設した孔にパッキン12を介し
て水密に挿嵌したのち、孔から外側に突出する短筒6aの
開口端にパッキン13を介してリング部材6cを装着、固定
することにより形成している。このリング部材6cに上記
環状パッキン11を介して開口部4aの開口端面を重ね合わ
せ、この状態で取付プレート４を該リング部材6cに螺子
止め等により固着することによって浴槽２の前壁面2aに
対する上記取付プレート４の固着手段を構成しているも
のである。

【００１６】また、浴湯循環ポンプ１の上記吸引口1bに
エルボ形状の合成樹脂製短管からなる吸引管９の一端開
口部をパッキン14を介して連結、連通させていると共に
該吸引管９の他端開口部を上記浴湯吸込口７に連結、連
通させている。この吸込口７と浴槽２の後壁面2bに設け
ている噴出口6'の構造は、上記噴出口６と同様に槽壁に
穿設している夫々の孔に挿嵌したフランジ付短筒と、こ
の短筒の開口端に螺合等によって取付けたリング部材と
からなり、槽壁を挟んだ両側に同じくパッキン12、13を
介在させている。

【００１７】10は浴槽２の一側外壁面に上記吐出管8aと
並列状態に沿わせて配設している可撓性ホースよりなる
空気導入管で、その一端を外気に開口させて空気取入口
とする一方、他端を上記各噴出口６、6'に接続した吐出
管８、8'の端部に夫々連結、連通させてあり、これらの
吐出管８、8'から噴出口６、6'を通じて槽内に噴出する
浴湯に混入させて槽内に気泡を発生させるように構成し
ている。なお、浴槽２はその外底面に突設した脚片2cを
防振材15を介して浴室内に設置されている。

【００１８】このように構成したので、浴湯循環ポンプ
１をそのケース体内に配設したモータ（図示せず）を駆
動させることによって始動させると、該浴湯循環ポンプ
１の吸引口1b側に発生する吸引力によって槽内に開口し
ている吸込口７を通じて槽内の浴湯が吸引管９から該吸
引口1bに流入したのち、吐出口1a、1a' から吐出管８、
8'に吐出され、これらの吐出管８、8'の先端に連通して
いる浴槽２の前後壁面2a、2bに設けた噴出口６、6'から
浴湯内に噴出する。この噴出時において、吐出管８、8'
の先端部に連結、連通している空気導入管10を通じて空
気が噴出口６、6'からの浴湯の噴出による負圧の発生に
よって該噴出口6 、6'に吸引され、浴湯と混合して気泡
となって浴槽２の浴湯内に噴出するものである。

【００１９】また、浴湯循環ポンプ１はその作動中、モ
ータ等の回転によって振動を発生させるが、その振動は
取付プレート４との取付面に装着した防振部材５によっ
て減振されると共に浴槽２の噴出口６、6'や吸込口７に
装着しているパッキン11〜14によって一層減振され、さ
らに、使用中は浴湯を充満しているため、浴槽２の外周
壁は共振しにくく且つ浴槽２の重量が大きいため浴槽２
を介して振動が減衰されて床面に振動が伝達する虞れが
ない。また、たとえ浴槽２の壁面に微小な振動が残存し
ても、浴槽２の外底面に突設した脚片2cに防振材15を設
けておくことによって、浴槽外に振動が伝達するのを確
実に防止することができるものである。

【００２０】なお、以上の実施例においては、浴湯循環
ポンプ１を取付プレート４の外面に装着しているが、図
５に示すように、取付プレート４の上端面防振部材5'を
介して支持させておいてもよい。この場合、固定バンド
３は必要とすることなく、浴湯循環ポンプ１を吐出口
６、６と吸込口７に連結した吸込管８と吸引管９を介し
て支持させればよい。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明の浴槽の気泡発生装
置の取付構造によれば、浴湯循環ポンプを浴槽の外周壁
面に取付けているので、該ポンプから発生する振動が床
板や浴室内装材に直接伝達することがなく、しかも、浴
湯循環ポンプと浴槽内とを連結、連通させる吸引管と吐
出管とからなる浴湯循環管路の長さが極めて短くなって
配管作業が容易となると共にこれらの管路は浴槽の外周
壁面に接して配設されるので外部に露出することがな
く、全体の構造を浴室ユニットに最適なコンパクトな構
造とし得るものである。さらに、浴湯循環ポンプと浴槽
の外周壁面との間に防振部材を介在させているので、浴
湯循環ポンプから発生する振動を該防振部材により吸収
して減振させることができ、その上、その減振した振動
が浴槽に伝達しても浴湯が充満している状態において、
浴槽の外周壁は共振しにくく且つ重量の大きい浴槽を介
して著しく減衰されて外部に伝達する虞れはない。

【００２２】また、浴湯循環ポンプの始動時或いは停止
時に発生する共振現象等の複雑な振動も上記防振部材と
重量が大きい浴槽とによって直ちに減衰させることがで
き、さらに、浴室の内装材壁面と浴槽との間の空間部を
利用して浴湯循環ポンプを浴槽の外周壁面に直接的に装
着しているので、洗い場等に何等の悪影響を及ぼすこと
なもく、しかも、上述したように浴湯循環管路の配管長
さが極めて短くなるから、振動による接続部の緩み等が
生じ難くて長期の使用に供することができるものであ
る。

【００２３】また、請求項２及び請求項３に記載したよ
うに、浴湯循環ポンプを固定バンドに抱着させてこの固
定バンドを浴槽の外周壁面に取付けた取付プレートの外
面或いは上端面に防振部材を介して取付けた構造として
おくことによって、溶湯循環ポンプの取付けが簡単に行
なえるばかりでなく、取付プレートに穿設した開口部を
浴槽に設けている上記噴出口に連通させると共にこの噴
出口に浴湯循環ポンプの吐出管を連結、連通させている
ので、浴湯の循環管路の構造が極めて簡易化され、その
上、取付プレートをパッキンを介して浴槽の外周壁面に
取付けているので、このパッキンによって上記防振部材
と共に一層良好な防振効果を発揮させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】簡略縦断側面図、

【図２】その一部拡大縦断側面図、

【図３】取付プレートに装着した浴湯循環ポンプの簡略
斜視図、

【図４】浴槽の吐出口部分の拡大断面図、

【図５】本発明の別な実施例を示す簡略縦断側面図。

【符号の説明】

１ 浴湯循環ポンプ ２ 浴槽 ３ 固定バンド ４ 取付プレート ５ 防振部材 ６ 吐出口 ７ 吸込口 ８ 吐出管 ９ 吸込管 10 空気導入管 11〜14 パッキン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 修 大阪市北区中之島２ー３ー18 大建工業株 式会社内 (72)発明者 福井 安紀 大阪市北区中之島２ー３ー18 大建工業株 式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽の外周壁面に防振部材を介して浴湯
   循環ポンプを装着し、この浴湯循環ポンプの浴湯吸引口
   と吐出口とを吸引管と吐出管を介して浴槽の周壁に設け
   た槽内に開口している浴湯吸込口と噴出口とに夫々連
   結、連通させると共に吐出管の適所に空気導入管を連
   結、連通させていることを特徴とする浴槽の気泡発生装
   置の取付構造。
2. 【請求項２】 浴湯循環ポンプは固定バンドに抱着され
   且つこの固定バンドを浴槽の外周壁面に取付けた取付プ
   レートの外面に防振部材を介して固着していると共に、
   取付プレートには浴槽に設けている上記噴出口にパッキ
   ンを介して接続する開口部が穿設され、この開口部に上
   記吐出管の開口端部を連結していることを特徴とする請
   求項１記載の浴槽の気泡発生装置の取付構造。
3. 【請求項３】 浴湯循環ポンプは固定バンドに抱着され
   且つこの固定バンドを浴槽の外周壁面に取付けた取付プ
   レートの上端面に防振部材を介して支持されていると共
   に、取付プレートには浴槽に設けている上記噴出口にパ
   ッキンを介して接続する開口部が穿設され、この開口部
   に上記吐出管の開口端部を連結していることを特徴とす
   る請求項１記載の浴槽の気泡発生装置の取付構造。