JP2745740B2 - 気泡噴出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ポンプの水流によって浴槽内に気泡を発生
させる気泡噴出装置に関するものである。

従来の技術 従来、気泡噴出装置は第５図のようになっていた。す
なわち、ポンプ21によって水が循環する管路22の途中に
絞り部23と空気吸込口24と混合管25を備え、浴槽側面26
から気泡を含んだ水流29を噴出するものである。ここで
27は浴槽、28は水面である。

発明が解決しようとする課題 このような構成において、従来の気泡噴出装置は、ポ
ンプによって循環される水の流れが、絞り部によって流
速を速められることにより生じる負圧力によって空気を
吸い込み、混合管で水と空気が混合されて気泡を含んだ
水流を発生させる構成となっていた。しかし、このよう
な構成では水と空気が混合する時、あるいは気泡を含ん
だ水流が浴槽内に噴出する時に非常に大きな騒音を発生
するという課題があった。この騒音により、浴室内でテ
レビや音楽を楽しむことができない課題や、近隣騒音と
して近隣住宅へ迷惑をかけるという課題が生じていた。

本発明は、かかる従来の課題を解決するもので、気泡
噴出装置の一部または全部を弾力性材料で構成すること
によって、水と空気が混合するときに発生する混合水流
の圧力変動により生じる気泡噴出装置本体の振動を低減
するとともに、気泡噴出装置から浴槽や浴室壁に伝わる
振動を低減して、気泡噴出装置から放射される騒音なら
びに浴槽や浴室壁から放射する騒音を大幅に低減するこ
とを目的としている。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するための本発明は、ポンプによって
水が循環する管路の途中に、水の入水口と水と空気の混
合水流の吹出口と空気の吸込口を備えた本体部と、前記
本体部の内部に、水流の上流側から下流側に向かって流
路断面を絞ったノズル部と、前記ノズル部下流側に設け
られた前記空気吸込口に接続した空気吸込管と、前記空
気吸込管より水流へ吸引された空気と水を混合する混合
管を備え、前記ノズル部または前記混合管または前記本
体部の一部または全部を弾力性材料で構成した。そして
弾力性材料で構成した混合管の内面は金属板を接着した
構成とした。

作用 本発明は上記した構成によって、水と空気が混合する
ときに発生する混合水流の圧力変動により生じる気泡噴
出装置本体の振動を低減するとともに、前記振動が浴槽
や浴室壁に伝わることを防止して、気泡噴出装置から放
射される騒音ならびに浴槽や浴室壁から放射する騒音の
発生を大幅に低減することができるのである。さらに、
混合管内面の金属板によって、気泡の混合水流によって
混合管の内面の破壊を防止し、耐久性を向上させること
ができるのである。

実施例 以下、本発明の気泡噴出装置の一実施例を第１図から
第４図を用いて説明する。

本発明の気泡噴出装置は、第１図と第２図に示すよう
に、ポンプ９によって水が循環する管路２の途中に、水
の入水口７と水と空気の混合水流の吹出口10と空気の吸
込口４を備えた本体部８と、前記本体部８の内部に、水
流の上流側から下流側に向かって流路断面を絞ったノズ
ル部３と、前記ノズル部下流側に設けられた前記空気吸
込口４に接続した空気吸込管５と、前記空気吸込管より
水流へ吸引された空気と水を混合する混合管６を備え、
前記ノズル部３と前記混合管６と前記本体部８を弾力性
のあるゴム材料で構成した。そして、3aはノズル部を支
持する支持部、3bは空気孔である。空気吸込管５から吸
引された空気は、第２図に示すように、支持部に設けた
空気孔3bを通過して混合管６へ流れていく。この空気の
流れを第２図から第４図の矢印で示す。ここで、12はシ
ールパッキン、１は浴槽、11は水と空気の混合水流であ
る。

このような構成において、ポンプによって循環される
水流が、ノズル部の絞り部によって流速を速められるこ
とにより生じる負圧力によって空気吸込管より空気を吸
い込み、混合管で水と空気が混合されて気泡を含んだ水
流を吹出口より発生させる構成となっている。ここで、
空気が吸い込まれて水流に混入する際に、空気の混合具
合によって圧力抵抗が変化して水流に圧力変動が生じ、
ノズル部３を振動させる。また、空気と水の混合流は混
合時に気泡が砕ける圧力変動で混合管６が振動する。そ
して、これらの振動が本体部８に伝わることになるが、
本構成においては、この圧力変動を混合管路とノズル部
と本体部のゴム材料によって吸収することができる。特
に、高水圧の水流を減圧するノズル部３は、圧力変動に
よって振動を発生しやすいが、ゴム材料で構成すること
で振動を吸引して他の部分への振動伝達を抑制すること
ができる。よって、圧力変動により配管や浴槽あるいは
浴室の壁などを振動させることがなく、非常に静かで快
適な気泡噴出風呂を楽しむことができる。また、ノズル
部３の支持部3aは空気と接する部分であり、かつ空気よ
り1000倍程度比重が大きいゴム材料で構成されているた
め、振動の発生は非常に小さい。仮に、振動が発生して
もゴム材料で構成された本体部８で振動が遮断され、配
管や浴槽に伝わることはなく静かな気泡噴出装置とする
ことができる。

また、他の実施例を第３図と第４図に示す。

第３図は、ゴム材料で構成された前記気泡噴出装置の
本体部13を直接浴槽側面に填め込み、その接触面を接着
して水漏れを防ぐ構成とした。

この構成によって、前記実施例と同様に水流の圧力変
動による振動を浴槽へ伝えることがなく、静かな気泡噴
出装置とすることができるとともに、浴槽外部から填め
込むだけで設置工事が簡単に行なえ、かつ接着により水
漏れも完全に防止することができる。

第４図は、前記混合管の内面に沿って金属板のカバー
14を取り付ける構成とした。金属板のカバーは、上流側
から下流側に絞られた絞り部15を備えている。

このような構成において、前々記実施例と同様に水流
の圧力変動による振動を浴槽へ伝えることがなく、静か
な気泡噴出装置とすることができるとともに、ゴム材料
で構成された混合管の内面を、水と空気の混合水流の激
しい圧力変動から保護し、キャビテーションによる壊食
や磨耗によって破壊されることを防止することができ、
耐久性を向上させて長期間使用することができる効果が
ある。そして、絞り部により混合管と接着されており、
この接着が弱くなっても絞り部によって下流側には流さ
れない構成となっている。

以上のような構成によって、気泡噴出装置と浴槽や浴
室の振動による噴流騒音を大幅に低減することができ、
気泡風呂を楽しみながら浴室内でテレビや音楽を楽しむ
ことができるとともに、集合住宅や２階以上の高所に設
置しても、近隣騒音や階下への騒音問題も解消され、快
適な生活環境を作ることができるのである。

発明の効果 以上のように、本発明の気泡噴出装置によれば、弾力
性材料で混合管やノズル部や本体のいずれかを構成する
ことによって、水と空気が混合するときに発生する混合
水流の圧力変動により生じる気泡噴出装置本体の振動
を、すべてが樹脂などの堅い材料で構成されたものに比
べて低減するとともに、本体部を弾性材料で構成するこ
とで、前記振動が浴槽や浴室壁に伝わることを防止し
て、気泡噴出装置から放射される騒音ならびに浴槽や浴
室壁から放射する騒音の発生を大幅に低減することがで
きるのである。そして、いずれかでなく、実施例のよう
にすべてに弾性材料を用いればその効果はさらに大きく
なる。また、ゴム材料で構成された混合管の内面を金属
板によって保護することによって、キャビテーションに
よる壊食や磨耗によって破壊されることを防止すること
ができ、耐久性を向上させて長期間使用することができ
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の気泡噴出装置を用いた浴槽
の側面断面図、第２図は同気泡噴出装置の側面断面図、
第３図は本発明の他の実施例の気泡噴出装置の側面断面
図、第４図は本発明の他の実施例の気泡噴出装置の側面
断面図、第５図は従来の気泡噴出装置を用いた浴槽の側
面断面図である。 １……浴槽、２……管路、３……ノズル部、４……吸込
口、５……空気吸込管、６……混合管、７……入水口、
８……本体、９……ポンプ、10……吹出口。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ポンプによって水が循環する管路の途中
   に、水の入水口と水と空気の混合水流の吹出口と空気の
   吸込口を備えた本体部と、前記本体部の内部に、水流の
   上流側から下流側に向かって流路断面を絞ったノズル部
   と、前記ノズル部下流側に設けられた前記空気吸込口に
   接続した空気吸込管と、前記空気吸込管より水流へ吸引
   された空気と水を混合する混合管を備え、前記ノズル部
   または前記混合管または前記本体部の一部または全部を
   弾力性材料で構成した気泡噴出装置。
2. 【請求項２】弾力性材料で構成された混合管の内面に沿
   って、金属板を接着した特許請求の範囲第１項記載の気
   泡噴出装置。