JPH08261265A - 二輪車のフロントフォーク - Google Patents

二輪車のフロントフォーク

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JPH08261265A
JPH08261265A JP2347696A JP2347696A JPH08261265A JP H08261265 A JPH08261265 A JP H08261265A JP 2347696 A JP2347696 A JP 2347696A JP 2347696 A JP2347696 A JP 2347696A JP H08261265 A JPH08261265 A JP H08261265A
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piston rod
piston
cylinder
oil
inner tube
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Hiroki Makino
博喜 槙野
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール箇所が1か所で簡単なシール構造の下
でフリクション低減とともにシール性の向上を図ること
ができる二輪車のフロントフォークを供する。 【構成】 上端を閉塞したシリンダ5にピストンロッド
6を挿入して同ピストンロッド6の上端のピストン7を
摺動自在に該シリンダ5に嵌入し、シリンダ5の下端開
口を閉塞するシール部材8,9がその中央を貫通するピ
ストンロッド6を摺動自在に支持し、ピストン7がシリ
ンダ5内を上側空間10とピストンロッド6の外周の下側
空間11とに仕切るとともに同両空間10,11を連通し伸長
行程の方が圧縮行程よりオイルの流動抵抗が大きい弁を
有し、シリンダ5をフォークパイプ2の下部内側に嵌着
し、フォークパイプ2を内側に摺動自在に嵌合するボト
ムケース3の底面に前記ピストンロッド6の下端を固着
した二輪車のフロントフォーク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二輪車のフロント
フォークの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】二輪車の前輪を軸支するフロントフォー
クは、車輪が路面から受ける衝撃を緩和する緩衝装置が
一体に組付けられており、通常のセリアーニ形のフロン
トフォークの例を図10に示す。
【0003】インナーチューブに相当するフォークパイ
プ01が、アウターチューブに相当するボトムケース02に
摺動自在に嵌入されるとともに、ボトムケース02の底面
に下端部をボルト05により固着された長尺のシリンダ03
がフォークパイプ01の下端に嵌着されたピストン04を貫
通してフォークパイプ01内に挿入され、シリンダ03の上
端の拡径した頭部03aとフォークパイプ01の上端のフォ
ークボルト06間にスプリング07が介装されている。
【0004】フォークパイプ01とシリンダ03との間にス
プリング08が介装されたダンパー室09が形成されてお
り、シリンダ03に形成されたオリフィス010 を介してダ
ンパー室08はシリンダ内オイル室011 と連通し、シリン
ダ内オイル室011 はシリンダ03の下部に形成されたオリ
フィス012 を介してピストン下方のボトムケース02とシ
リンダ03との間のケース内オイル室013 とを連通してい
る。
【0005】前記フォークパイプ01の下端に嵌着された
ピストン04はダンパー室09とケース内オイル室013 とを
仕切るとともに、ケース内オイル室013 からダンパー室
09へのオイルの流れを許容する一方向弁を有する。
【0006】したがって圧縮行程の場合は、当該一方向
弁が開きケース内オイル室013 内のオイルがダンパー室
08に容易に流れるとともにオリフィス012 を通過してシ
リンダ内オイル室011 に入るため殆ど減衰力は発生せず
スプリング07の弾性力が働く。
【0007】一方伸長行程では、一方向弁は閉じダンパ
ー室09のオイルはオリフィス010 で絞られシリンダ内オ
イル室011 に噴流し減衰力を発生する。その他シリン
ダ、ピストン、ピストンロッド等を予め組立てておき、
これを本体に組み込むようにしたカートリッジタイプの
例(実公平3−48428号等)がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記図10に図示した例
では、ピストン下方のボトムケース02とシリンダ03との
間のケース内オイル室013 にオイルが充填されるので、
シリンダ03の下端をボトムケース02の底壁に下方から貫
通し螺合するボルト05の緊締部にもワッシャ015を介装
してシールし、ボトムケース02のフォークパイプ01が嵌
入される上端開口部もオイルシール部材016 でシールし
てオイルが漏れないようにしている。その他フォークパ
イプ01の内部もオイルが侵入する処であるので、フォー
クパイプ01の上端のフォークボルト06はOリング017 を
介装している。
【0009】このようにオイル封入のシール箇所が3か
所あり、内圧の上昇に耐える機能の優れたオイルシール
が必要となりコスト高となっていた。また全部品にオイ
ルが付着するためメンテナンス、組付け時の管理項目が
多く作業負担が大きい。
【0010】フォークパイプ01とボトムケース02との嵌
合部はオイルシール部材016 によりオイルシールされて
はいるが、シールを完全に行うためにボトムケース02と
摺接するフォークパイプ01の外周面は高い面粗度が要求
され、同時にフリクションが大きくなってしまう。
【0011】これはカートリッジタイプのフロントフォ
ークの場合も同様である。さらに従来のカートリッジタ
イプのフロントフォークはボトムケース内にもオイルが
充填されるため、カートリッジを組み込む際にオイルも
封入しなければならず作業が面倒であった。
【0012】本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、シール箇所が1か所で簡単な
シール構造の下でフリクション低減とともにシール性の
向上を図ることができる二輪車のフロントフォークを供
する点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、上端を閉塞したシリンダにピストンロッド
を挿入して同ピストンロッドの上端のピストンを摺動自
在に該シリンダに嵌入し、前記シリンダの下端開口を閉
塞するシール部材がその中央を貫通する前記ピストンロ
ッドを摺動自在に支持し、前記ピストンがシリンダ内を
上側空間と前記ピストンロッドの外周の下側空間とに仕
切るとともに同両空間を連通し伸長行程の方が圧縮行程
よりオイルの流動抵抗が大きい弁を有し、前記シリンダ
をインナーチューブの下部内側に嵌着し、前記インナー
チューブを内側に摺動自在に嵌合するアウターチューブ
の底面に前記ピストンロッドの下端を固着した二輪車の
フロントフォークとした。
【0014】オイル封入はシリンダ内に限られ、ピスト
ンロッドが貫通するシリンダの下端開口をシール部材が
1か所シールするだけなので、シール性に有利であり、
内圧の上昇もシリンダ内に限られるためインナーチュー
ブとアウターチューブとの間のシールが簡素化でき、組
付け時の管理項目も少なく作業が容易で、かつフリクシ
ョンの低減が可能となり、さらにインナーチューブの外
周面の面粗度もそれ程高い必要はない。
【0015】また前記シリンダに前記ピストンを嵌入し
て前記ピストンロッドを挿入し該シリンダ内にオイルを
充填して開口を前記シール部材で閉塞した状態をダンパ
ーカートリッジとしてユニット化することで、ダンパー
カートリッジを組み込むときにオイルを充填する必要は
なく作業が簡素化されるとともに、減衰力を変更したい
場合にダンパーカートリッジのみを変更すればよく、ス
トロークと減衰力が同一のフロントフォークには同じダ
ンパーカートリッジが共通に使用できる。
【0016】前記インナーチューブの下端を拡径して前
記アウターチューブの内周面に摺接することで、インナ
ーチューブとアウターチューブとの摺接面積を小さくし
フリクションを益々低減することができる。
【0017】また上端を蓋部材で閉塞したインナーチュ
ーブにピストンロッドを挿入して同ピストンロッドの上
端のピストンを摺動自在に該インナーチューブに嵌入
し、前記インナーチューブの下端開口を閉塞するシール
部材がその中央を貫通する前記ピストンロッドを摺動自
在に支持し、前記ピストンがシリンダ内を上側空間と前
記ピストンロッドの外周の下側空間とに仕切るとともに
同オイルで満たされた両空間を連通し伸長行程の方が圧
縮行程よりオイルの流動抵抗が大きい弁を有し、前記イ
ンナーチューブを内側に摺動自在に嵌合するアウターチ
ューブの底面に前記ピストンロッドの下端を固着した二
輪車のフロントフォークとする。
【0018】オイル封入はインナーチューブ内に限ら
れ、ピストンロッドが貫通するインナーチューブの下端
開口をシール部材が1か所シールするだけなので、シー
ル性に優れ、内圧の上昇もインナーチューブ内に限られ
るためインナーチューブとアウターチューブとの間のシ
ールが簡素化でき、組付け時の管理項目も少なく作業が
容易で、かつフリクションの低減が可能となり、さらに
インナーチューブの外周面の面粗度もそれ程高い必要は
ない。
【0019】前記インナーチューブ内において、前記ピ
ストンロッドの上端のピストンと前記蓋部材との間にス
プリングを介装した請求項4記載の二輪車のフロントフ
ォークとすることで、圧縮行程において弾性力を働かせ
るスプリングをインナーチューブ内に納め、ピストンロ
ッドとともにユニット化して組立て作業を容易にするこ
とが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下図1ないし図4に図示した本
発明の一実施の形態について説明する。図1は本実施の
形態に係るフロントフォーク1の伸長時の状態を示す断
面図であり、図2は圧縮時の状態を示す同断面図であ
り、図3はその要部拡大断面図である。
【0021】本フロントフォーク1は、インナーチュー
ブに相当するフォークパイプ2とアウターチューブに相
当するボトムケース3との嵌合する内部に予め組付けら
れたダンパーカートリッジ4が組み込まれるカートリッ
ジタイプである。
【0022】ダンパーカートリッジ4は、有底円筒状の
シリンダ5にパイプ状のピストンロッド6が挿入され、
同ピストンロッド6の上端に嵌着されたピストン7がシ
リンダ5内に摺動自在に嵌入されている。
【0023】シリンダ5の下端は段部5aを介して拡径
部5bが形成されており、この段部5aに環状のロッド
ガイド8が嵌合され拡径部5bの開口縁を内側にかしめ
て、同かしめ部5cによりロッドガイド8を固定してい
る。
【0024】同ロッドガイド8の中央をピストンロッド
6が摺動自在に貫通している。ロッドガイド8の内周面
には周方向に溝が形成され、同溝内にシール9が介装さ
れて、ピストンロッド6との摺動面をシールしている。
ピストンロッド6の上端は若干拡径しており、同拡径部
6aにピストン7が嵌着されている。
【0025】ピストン7は、図4に図示するようにピス
トンロッド6の拡径部6aの開口を塞ぐ上底部7aの周
縁から拡径部6aの外周面を覆う円筒部7bが延出して
おり、円筒部7bは開放側から軸方向に切り込む切り込
み7cが周方向に亘って8カ所設けられて、厚肉の係合
片7dと弁片7eとが交互に4片ずつ形成されている。
【0026】係合片7dは端部が内側に突出して爪部7
fを形成しており、該ピストン7をピストンロッド6の
上端拡径部6aに被せて係合片7dの爪部7fを拡径部
6aの外周面に設けられた係合穴に係合することで、ピ
ストン7はピストンロッド6に嵌着される。
【0027】このようにピストンロッド5に嵌着された
ピストン7は、その弁片7eが先細で内周面がテーパし
ていて内側に弾性的に屈曲可能である。そして弁片7e
が内側に屈曲するに従い切り込み7cの間隙が拡開し
て、オイルが通り易くなる。
【0028】このような弁機能を持つピストン7は外径
がシリンダ5の内径に略等しく、該シリンダ5に嵌入さ
れるとピストン7の外周面がシリンダ5の内周面に摺接
し、シリンダ5内をピストン7より上の上側オイル室10
とピストン7より下のピストンロッド6とシリンダ5と
の間の下側オイル室11とに仕切っている。下側オイル室
11にはボトム側スプリング12が介装されている。
【0029】以上のような構造のダンパーカートリッジ
4を前記上下のオイル室10,11にオイルを充填して予め
組付けておく。ピストンロッド6がシリンダ5の奥に挿
入される圧縮行程においては、上側オイル室10内のオイ
ルがピストン7の外周部から下側オイル室11に浸入しよ
うとして弁片7eを内側に屈曲するので、切り込み7c
が拡開して小さな流動抵抗でオイルが移動し減衰力は殆
ど働かない。
【0030】逆に伸長行程においては、下側オイル室11
のオイルがピストン7の外周部から上側オイル室10に浸
入しようとして弁片7eを外側に拡径し切り込み7cが
閉じ気味となって大きな流動抵抗でオイルが移動し減衰
力が発生する。伸長行程が最後まで進むと、ボトム側ス
プリング12が圧縮されて弾性力が働く。以上のようにダ
ンパーカートリッジ4によってフロントフォークのスト
ロークと減衰力が決定される。
【0031】かかるダンパーカートリッジ4をフォーク
パイプ2およびボトムケース3内に組み込むには、まず
シリンダ5をフォークパイプ2の下部に嵌入する。フォ
ークパイプ2は上端開口をフォークボルト15で閉塞して
おり、下端が段部2aを介して拡径部2bが形成されて
シリンダ5の下端と相似形をなし、同下端開口から嵌入
されたシリンダ5はその下端の段部5aと拡径部5bを
フォークパイプ2の下端の段部2aと拡径部2bに嵌合
して位置決めし、拡径部2bの内周面に周方向に形成さ
れた溝にサークリップ16を嵌め込みシリンダ5の下端縁
に当接してシリンダ5をフォークパイプ2の下部所定位
置に固定せしめる。
【0032】次にボトムケース3内にスプリング17を入
れ、フォークパイプ2にシリンダ5を嵌入したダンパー
カートリッジ4のピストンロッド6をボトムケース3内
に挿入する。ピストンロッド6の下端部内周面には雌ネ
ジが刻設されており、同下端部をボトムケース3の底面
中央の孔3aに合わせ外側から螺入されるボルト18によ
ってピストンロッド6の下端部をボトムケース3の底面
中央に螺着する。
【0033】フォークパイプ2はボトムケース3に対し
拡径部2bの外周面がボトムケース3の内周面に摺接
し、フォークパイプ2の下端縁とボトムケース3の底面
との間にスプリング17が介装される。ボトムケース3の
上端は若干拡径した拡径開口部3bを形成し、同開口に
おいてフォークパイプ2との間に円筒状のカラー20が嵌
装され、カラー20のフランジ20aが拡径開口部3bに嵌
合してフォークパイプ2をボトムケース3に対し位置決
めし、かつ摺動自在に支持する。ボトムケース3の拡径
開口部3bは環状のダストシール21により閉塞される。
【0034】以上のようにしてフロントフォーク1が簡
単に組立てられる。図1はフロントフォーク1の伸長時
を示し、この状態から圧縮行程にはいると、フォークパ
イプ2がその下端のロッドガイド8,シール9とともに
ボトムケース3内に挿入されていきスプリング17が圧縮
されて弾性力が働く。このときボトムケース3と一体の
ピストンロッド6はシリンダ5内に挿入されていくこと
になるが、前記したようにピストン7の弁機能により減
衰力は殆ど発生しない。
【0035】こうして圧縮された状態が図2に示す状態
であり、この状態からスプリング17の弾性復元力により
伸長するときはピストン7の弁機能は流動抵抗を増して
減衰力を発生する。本フロントフォーク1は以上のよう
に作動し、車輪が路面から受ける衝撃を緩衝することが
でき、乗り心地を良くすることができる。
【0036】オイルはダンパーカートリッジ4のシリン
ダ5のオイル室10,11内にのみ限られて封入されるの
で、シール箇所がシリンダ開口のロッドガイド8および
シール9の一か所であり、シール性に優れており、内圧
の上昇もシリンダ5内に限られるためフォークパイプ2
とボトムケース3との間のシールが簡素化でき、本実施
例ではカラー20とダストシール21による簡単なものであ
る。このシール構造が簡単であるので、組付け時の管理
項目も少なく作業が容易である。
【0037】またオイルシール箇所がシリンダ開口部の
一か所であり、かつフォークパイプ2とボトムケース3
との摺接面はフォークパイプ2の下端の拡径部2bの外
周面のみであり、フリクションが低減されている。さら
にフォークパイプの外周面もそれ程高い面粗度を要求さ
れずコストの低減が図れる。
【0038】予め組立てておいたダンパーカートリッジ
4をフォークパイプ2およびボトムケース3内に組み込
むカートリッジタイプであり、かつシリンダ内にのみオ
イルが封入されるので、組立作業が容易であり、減衰力
を変更したい場合にダンパーカートリッジのみを変更す
ればよく便利であり、ストロークと減衰力が同一のフロ
ントフォークには同じダンパーカートリッジが共通に使
用でき汎用性がある。
【0039】次に別の実施の形態について図5ないし図
9に図示し説明する。本実施の形態に係るフロントフォ
ーク51は、前記フロントフォーク1と同様にフォークパ
イプ52がボトムケース53内に上方から摺動自在に嵌入さ
れるが、フロントフォーク1が概ね前記シリンダ5をも
兼ねた構造をしている。
【0040】フォークパイプ52は、上端の若干縮径され
た開口にフランジの形成された蓋部材54が圧入されて係
合され、該開口を閉塞しており、内部にピストンロッド
56が挿入され、同ピストンロッド56の上端に形成された
ピストン57がフォークパイプ52内に摺動自在に嵌入され
ている。フォークパイプ52の下端開口は、内径が若干拡
径した部分に環状のロッドガイド58が嵌合され、開口縁
を内側にかしめて、同かしめ部52cによりロッドガイド
58を固定している。
【0041】同ロッドガイド58の中央をピストンロッド
56が摺動自在に貫通している。ロッドガイド58の中央貫
通孔の下端部は内径が拡大して形成された環状溝に、シ
ール59が嵌合されて、ピストンロッド56との摺動面をシ
ールしている。
【0042】ピストンロッド56の上端は、外径を拡大し
てフォークパイプ52の内径に略等しくし上方に向かって
開口した偏平円筒状をしたピストン57が形成されてお
り、同円筒状ピストン57の外周面に周方向に亘って形成
された溝にOリング62が嵌合され、かかるピストン57に
よりフォークパイプ52の内部は、ピストン57より上の上
側オイル室60とピストン57より下のピストンロッド56の
周囲の下側オイル室61とに仕切られている。
【0043】そして円筒状ピストン57の上側開口端に、
フォークパイプ52の内径に等しい外径の略円板状をした
弾性部材からなる弁体55が当てがわれ、ピストン57の内
部空間57aを画成している。ピストン57の円筒底部に
は、これを貫通するオイル通路63が穿設されていて、ピ
ストン57の内部空間57aと前記下側オイル室61とを連通
している。
【0044】前記弁体55は、図7および図8に図示する
ように、外環部55aから中心に向かってテーパしてお
り、同テーパ部分が中心から放射方向に8本の切り込み
が周方向に亘って等間隔に入れられて、8枚の弁片55b
が形成されている。各弁片55bの先端は丸く削られて中
心部には小孔55cが形成されている。
【0045】したがって弁体55は、弁片55bがテーパし
て突出した側からのオイルの流れ(図8の実線矢印方向
の流れ)に対しては、図8で実線で示すように8枚の弁
片55bが互いに接して小孔55cのみが、オイルの通路と
なり流動抵抗が大きい。逆のオイルの流れ(図8で破線
矢印方向の流れ)に対しては、図8で2点鎖線で示すよ
うに8枚の弁片55bがオイルの流れにより弾性変形して
互いに離れて拡開し大きな開口を形成するので、流動抵
抗は小さくなる。
【0046】かかる弁体55が、円筒状ピストン57の上側
開口端に弁片55bのテーパ突出側を下方にして当てがわ
れ、同弁体55とフォークパイプ52の上端の蓋部材54との
間にスプリング65が介装され、ピストン57の下方の下側
オイル室61にはスプリング66が内挿される。以上のよう
な構造の下にフォークパイプ52とピストンロッド56と
を,内部の上下オイル室60,61にオイルを充填して組付
け略ユニット化した状態にしておく。
【0047】一方ボトムケース53は、下端に車軸取付部
53aが突出しており、同車軸取付部53aの付け根部分に
底壁53bが形成され、同底壁53bに内径を縮小した円孔
が形成されていて、ピストンロッド56の下端に形成され
たネジ部56aが貫通するようになっており、同底壁53b
の内面に環状のストッパーラバー67が装着される。した
がってボトムケース53にストッパーラバー67を挿入して
底壁53bの内面に装着した後、前記略ユニット化されフ
ォークパイプ52に組付けられたピストンロッド56を、ボ
トムケース53内に挿入する。
【0048】そしてピストンロッド56の下端のネジ部56
aを、ボトムケース53の底壁53bの円孔に貫通させ、突
出したネジ部56aに特殊ナット68を螺合して緊締する。
特殊ナット68は、図9に示すように円筒状をしていて、
内周に雌ネジが刻設され、端部に4か所切欠き68aが形
成されて、先端が十字形をした特殊工具で締めつけがで
きるものである。
【0049】ボトムケース53の上端は、若干拡径した拡
径開口部53cを形成しており、同拡径開口部53cにおい
てフォークパイプ52との間に円筒状のカラー70が嵌装さ
れ、フォークパイプ52をボトムケース53に対し位置決め
して摺動自在に支持する。なおボトムケース53の拡径開
口部53cは、その端縁において環状のダストシール71に
より閉塞される。
【0050】本フロントフォーク51は、以上のような構
造をしており、圧縮行程においては、フォークパイプ52
がその下端のロッドガイド58,シール59とともにボトム
ケース53内に挿入されていき、スプリング65が圧縮され
て弾性力が働く。このときボトムケース53と一体のピス
トンロッド56はフォークパイプ52内に挿入されていき、
したがってオイルは上側オイル室60から弁体55およびオ
イル通路63を経て下側オイル室61へ流れることになり、
弁体55は弁片55bを拡開して流動抵抗は小さく減衰力は
殆ど発生しない。
【0051】なお極端に大きな圧縮を受けた場合は、圧
縮行程の最後でフォークパイプ52の下端が、ボトムケー
ス53の底面に装着されたストッパーラバー67に当接して
緩衝作用が働き支えることができる。
【0052】次いでスプリング65の弾性復元力により伸
長する場合は、オイルは下側オイル室61からオイル通路
63および弁体55を経て上側オイル室60への流れになるの
で、弁体55は弁片55bが閉じて小孔55cのみを開口と
し、流動抵抗を増して減衰力を発生する。本フロントフ
ォーク51は、以上のように作動して、車輪が路面から受
ける衝撃を緩衝することができる。
【0053】オイルは、フォークパイプ52内にのみ限ら
れて充填されので、シール箇所がフォークパイプ52の開
口のロッドガイド58およびシール59の一か所であり、シ
ール性に優れている。このシール構造が簡単であるの
で、組付け時の管理項目も少なく作業が容易である。
【0054】また内圧の上昇もフォークパイプ52内に限
られるため、フォークパイプ52とボトムケース53との間
のシールが簡素化でき、フリクションも低減され、さら
にフォークパイプ52の外周面のそれ程高い面粗度を要求
されずコストの低減が図れる。
【0055】さらに本フロントフォーク51は、前記実施
の形態のフロントフォーク1におけるシリンダ5の機能
をフォークパイプ52が兼ねており、部品点数が少なく、
かつフォークパイプ52内にオイルとともにスプリング65
が収納されているので、予めユニット化しておけば、組
付けメンテナンス作業が容易となる。なおフォークパイ
プ52の下方にスプリング65の無効スペースを容易に確保
することができ、同無効スペースにストッパーラバー67
を挿入して空間を有効に利用している。
【0056】
【発明の効果】本発明は、オイルがシリンダ内に限って
封入され、ピストンロッドが貫通するシリンダの下端開
口をシール部材が1か所シールするだけなので、シール
性に有利であり、内圧の上昇もシリンダ内に限られるた
めフォークパイプとボトムケースとの間のシールが簡素
化でき組付け時の管理項目も少なく作業が容易で、かつ
フリクションの低減が可能となり、さらにフォークパイ
プの外周面の面粗度もそれ程高い必要はなくコストの低
減を図ることができる。
【0057】また前記シリンダに前記ピストンを嵌入し
て前記ピストンロッドを挿入し該シリンダ内にオイルを
充填して開口を前記シール部材で閉塞した状態をダンパ
ーカートリッジとしてユニット化することで、作業が簡
素化されるとともに、減衰力を変更したい場合にダンパ
ーカートリッジのみを変更すればよく、ストロークと減
衰力が同一のフロントフォークには同じダンパーカート
リッジが共通に使用できる。
【0058】フォークパイプの下端を拡径してボトムケ
ースの内周面に摺接することで、フォークパイプとボト
ムケースとの摺接面積を小さくしフリクションを益々低
減することができる。
【0059】オイル封入をインナーチューブ内に限り、
ピストンロッドが貫通するインナーチューブの下端開口
をシール部材が1か所シールする構造とすることで、シ
ール性に優れ、内圧の上昇もインナーチューブ内に限ら
れるためインナーチューブとアウターチューブとの間の
シールが簡素化でき、組付け時の管理項目も少なく作業
が容易で、かつフリクションの低減が可能となり、さら
にインナーチューブの外周面の面粗度もそれ程高い必要
はない。
【0060】インナーチューブ内において、ピストンロ
ッドの上端のピストンと蓋部材との間にスプリングを介
装することで、圧縮行程において弾性力を働かせるスプ
リングをインナーチューブ内に納め、ピストンロッドと
ともにユニット化して組立てメンテナンス作業を容易に
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフロントフォーク
の伸長時の状態を示す一部省略した断面図である。
【図2】圧縮時の状態を示す同断面図である。
【図3】同要部拡大断面図である。
【図4】ピストンの斜視図である。
【図5】別の実施の形態に係るフロントフォークの伸長
時の状態を示す一部省略した断面図である。
【図6】同要部拡大断面図である。
【図7】弁体の上面図である。
【図8】図7においてVIII−VIII線に沿って截断した断
面図である。
【図9】特殊ナットの斜視図である。
【図10】従来のフロントフォークの伸長時の状態を示
す一部省略した断面図である。
【符号の説明】
1…フロントフォーク、2…フォークパイプ、3…ボト
ムケース、4…ダンパーカートリッジ、5…シリンダ、
6…ピストンロッド、7…ピストン、8…ロッドガイ
ド、9…シール、10…上側オイル室、11…下側オイル
室、12…スプリング、15…フォークボルト、16…サーク
リップ、17…スプリング、18…ボルト、20…カラー、21
…ダストシール、51…フロントフォーク、52…フォーク
パイプ、53…ボトムケース、54…蓋部材、55…弁体、56
…ピストンロッド、57…ピストン、58…ロッドガイド、
59…シール、60…上側オイル室、61…下側オイル室、62
…Oリング、63…オイル通路、65,66…スプリング、67
…ストッパーラバー、68…特殊ナット、70…カラー、71
…ダストシール。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端を閉塞したシリンダにピストンロッ
    ドを挿入して同ピストンロッドの上端のピストンを摺動
    自在に該シリンダに嵌入し、 前記シリンダの下端開口を閉塞するシール部材がその中
    央を貫通する前記ピストンロッドを摺動自在に支持し、 前記ピストンがシリンダ内を上側空間と前記ピストンロ
    ッドの外周の下側空間とに仕切るとともに同両空間を連
    通し伸長行程の方が圧縮行程よりオイルの流動抵抗が大
    きい弁を有し、 前記シリンダをインナーチューブの下部内側に嵌着し、 前記インナーチューブを内側に摺動自在に嵌合するアウ
    ターチューブの底面に前記ピストンロッドの下端を固着
    したことを特徴とする二輪車のフロントフォーク。
  2. 【請求項2】 前記シリンダに前記ピストンを嵌入して
    前記ピストンロッドを挿入し該シリンダ内にオイルを充
    填して開口を前記シール部材で閉塞した状態をダンパー
    カートリッジとしてユニット化したことを特徴とする請
    求項1記載の二輪車のフロントフォーク。
  3. 【請求項3】 前記インナーチューブの下端を拡径して
    前記アウターチューブの内周面に摺接したことを特徴と
    する請求項1記載の二輪車のフロントフォーク。
  4. 【請求項4】 上端を蓋部材で閉塞したインナーチュー
    ブにピストンロッドを挿入して同ピストンロッドの上端
    のピストンを摺動自在に該インナーチューブに嵌入し、 前記インナーチューブの下端開口を閉塞するシール部材
    がその中央を貫通する前記ピストンロッドを摺動自在に
    支持し、 前記ピストンがシリンダ内を上側空間と前記ピストンロ
    ッドの外周の下側空間とに仕切るとともに同オイルで満
    たされた両空間を連通し伸長行程の方が圧縮行程よりオ
    イルの流動抵抗が大きい弁を有し、 前記インナーチューブを内側に摺動自在に嵌合するアウ
    ターチューブの底面に前記ピストンロッドの下端を固着
    したことを特徴とする二輪車のフロントフォーク。
  5. 【請求項5】 前記インナーチューブ内において、前記
    ピストンロッドの上端のピストンと前記蓋部材との間に
    スプリングを介装したことを特徴とする請求項4記載の
    二輪車のフロントフォーク。
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