JPH08253120A - アンチスキッド制御装置及びブレーキ操作状況判定装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置及びブレーキ操作状況判定装置

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JPH08253120A
JPH08253120A JP6080795A JP6080795A JPH08253120A JP H08253120 A JPH08253120 A JP H08253120A JP 6080795 A JP6080795 A JP 6080795A JP 6080795 A JP6080795 A JP 6080795A JP H08253120 A JPH08253120 A JP H08253120A
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brake
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skid
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Junji Mizutani
淳司 水谷
Takashi Watanabe
多佳志 渡辺
Shoichi Masaki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドライバーの意思を的確に反映させたABS
制御を可能ならしめる。 【構成】 Gセンサ出力から車体減速度を演算すると共
に、ABS制御の開始条件が成立しているか否かを判定
する(ステッフ゜310,320)。ABS開始条件が成立してな
く、かつ制動中である場合には、第1のタイムカウンタ
T1のインクリメントを開始する(ステッフ゜330〜340 )。初
めてこのステップを通ったときに設定した判定開始減速
度GMに基づいて、現在の車体減速度Gnが所定の基準減速
度GCON以上増加した状態になったか否かを判定する(ステ
ッフ゜370)。Gn-GM≧GCON なら、第2のタイムカウンタT2
のイクリメントを開始する(ステッフ゜380)。そして、T1が
所定の基準時間KT1 以上となるかT2が所定の基準時間KT
2 以上となった場合に運転者による車両コントロールが
可能なものと推定し(ステッフ゜390,400,500)、ABS制御
の各種条件等を制動力が高まるような条件に変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンチスキッド制御装
置及びブレーキ操作状況判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アンチ
スキッド制御装置は、車両制動時に、車輪の減速度若し
くはスリップ率を目標値に一致させるようにブレーキ圧
を増減制御(以下、これを必要に応じて単にABS制御
という)し、制動時における車輪のロックを防止して方
向安定性を確保しながら短い制動距離で車両を停止させ
る機能を有する。
【0003】このABS制御が一旦作動すると、ドライ
バーが多少ブレーキを緩めたり踏み込んだりしてもそれ
とは無関係にブレーキ圧が制御される。このため、例え
ば、一旦ブレーキを踏み込んでABS制御が作動した後
でドライバーがブレーキを緩め、再びブレーキを踏み込
もうとしてもABS制御によって増圧が制限されている
ために思ったようにブレーキを踏み込めないという不満
を耳にすることがあった。特に、ドライバーにして見れ
ば、ブレーキを踏んだためにスリップが発生したりする
と自らブレーキを緩め、その後でスリップをコントロー
ルしつつ停車しようとしてゆっくりとブレーキを踏み込
みながら制動を試みる場合がある。このようなときに、
ABS制御がドライバーの意思に干渉する格好となり、
不満が大きかった。
【0004】また、ドライバーとしては、多少のスリッ
プが発生していても十分に車両をコントロールしつつ停
車できると感じている状況であっても、一定の閾値を越
えると直ちにABS制御が開始され、そこからなかなか
抜けなくなるので、予想より早くABSが作動してしま
うように感じるという不満も聞かれた。
【0005】もちろん、従来も、特開平5−85335
号公報に記載の様に、ブレーキを踏み込み始めたら閾値
を低下させ、一定時間後に標準の閾値に戻すようにし
て、ABSの速やかな作動を確保した上で、ゆっくりと
ブレーキを踏み込んでいるようなときには必要以上に早
くABSを作動させないようにした技術が提案されてい
る。
【0006】しかし、この従来の技術では、ブレーキを
踏み込んだら直ちに閾値を低下させ、一定時間後に戻す
という一律の制御を行っているに過ぎないので、上述の
様な不満を訴えるドライバーの意思が的確に反映されて
いるとはいえなかった。そこで、本発明は、ドライバー
の意思を的確に反映させたアンチスキッド制御を可能な
らしめることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明の
アンチスキッド制御装置は、車両制動時に、車輪の減速
状態を所定の目標条件に合致させる様にブレーキ圧力の
増減制御を行うアンチスキッド制御装置において、ブレ
ーキ操作に関する状況から、運転者自らの車両コントロ
ールが可能な状態と推定できるか否かを判定するコント
ロールブレーキ判定手段と、該コントロールブレーキ判
定手段が運転者自らの車両コントロールが可能な状態に
あると推定した場合には、アンチスキッド制御に関する
条件を通常の制御よりも制動力を高める傾向の条件に変
更する制御条件変更手段とを備えることを特徴とする。
【0008】このアンチスキッド制御装置によれば、コ
ントロールブレーキ判定手段が、ブレーキ操作に関する
状況から、運転者自らの車両コントロールが可能な状態
と推定できると判定した場合には、アンチスキッド制御
に関する条件を通常の制御よりも制動力を高める傾向の
条件に変更する。一方、コントロールブレーキ判定手段
が運転者自らの車両コントロールが可能な状態にあると
は推定できない場合には、アンチスキッド制御の条件を
通常の制御条件のままとする。
【0009】この結果、運転者自らの車両コントロール
が可能な状態、例えば、十分に状況を把握しながらブレ
ーキ操作をしており、横からの飛び出しに対するパニッ
ク状態でのブレーキ操作等と明らかに区別できる場合に
は、運転者のブレーキ操作通りに制動力を発揮させる
か、あるいは運転者のブレーキ操作に極力制動力を近づ
けてやるのである。そして、そのような状況とは推定で
きない場合には、制御条件を通常通りとしておくので、
通常のアンチスキッド制御が実行され、運転者がパニッ
ク状態にあっても車両のコントロールを確保しつつ制動
を実行するのである。
【0010】ここで、このアンチスキッド制御装置にお
いて、さらに、前記コントロールブレーキ判定手段が運
転者自らの車両コントロールが可能な状態にあると推定
した後、該推定を維持するか否かを判定するコントロー
ルブレーキリセット判定手段と、該コントロールブレー
キリセット判定手段が前記推定を維持しないと判定した
場合には、前記制御条件変更手段による制御条件の変更
を取り止めて通常の制御条件に復帰させる制御条件復帰
手段とを備えることが望ましい。
【0011】このアンチスキッド制御装置によれば、一
旦は運転者自らの車両コントロールが可能な状態にある
と推定した後でも、その後で小犬が道路に飛び出して来
るなど状況は刻一刻と変化することに鑑み、判定をリセ
ットするのである。こうして、運転者の意思を反映しつ
つ、状況の変化をも的確に把握した制御を可能ならしめ
る点で、一層優れたものとなるからである。
【0012】なお、このリセット機能のあるアンチスキ
ッド制御装置において、前記コントロールブレーキリセ
ット判定手段は、制動が解除されたときに前記推定を維
持しないと判定する手段として構成してもよいし、ある
いは、前記コントロールブレーキリセット判定手段は、
アンチスキッド制御の収束状況が所定条件よりも悪いと
きに前記推定を維持しないと判定する手段として構成し
てもよい。
【0013】制動が解除されれば、仕切り直しというこ
とで次の状況に備えることになるし、アンチスキッド制
御がなかなか収束しないということは運転者が上記の様
な意思とは裏腹に、ブレーキ操作をミスしたり、あるい
は小犬の飛び出しなどを見てパニック状態に移行したた
めにブレーキを踏み込み過ぎているといった状況が考え
られるからである。
【0014】これらの各アンチスキッド制御装置におい
て、前記コントロールブレーキ判定手段は、車両の車体
減速度を演算する車体減速度演算手段と、該車体減速度
が所定量変化するまでの所要時間が基準時間より長いか
否かを判定する所要時間判定手段とを備え、所要時間が
基準時間より長いと判定された場合に、運転者自らによ
る車両コントロールが可能な状態にあると判定するよう
に構成することができる。
【0015】このアンチスキッド制御装置は、制動時
に、ブレーキを強く踏み込むと車体減速度が急激に増加
することから短い所要時間で変化する一方、運転者が車
両コントロールの意思を持ってゆっくりとブレーキを踏
み込む場合には車体減速度はゆっくりと増加して所定量
変化するまでの所要時間が長くなるという点に着目した
ものである。
【0016】一方、これらのアンチスキッド制御装置に
おいて、前記コントロールブレーキ判定手段は、車両の
車体減速度を演算する車体減速度演算手段と、該車体減
速度が所定値以上となっている時間が基準時間より長い
か否かを判定する超過時間判定手段とを備え、車体減速
度が所定値以上となっている時間が基準時間より長いと
判定された場合に、運転者自らによる車両コントロール
が可能な状態にあると判定するように構成してもよい。
【0017】このアンチスキッド制御装置は、最初は急
ブレーキを踏んだために車体減速度が短時間で一気に増
加したものの、そこからブレーキを緩めてコントロール
してやることで車輪のスリップを抑えるように運転者が
操作している状況であるならば、車両コントロールの意
思ありと推定するのである。即ち、パニックの急ブレー
キを踏み続けている状況なら車輪がロックせずに車体減
速度が所定値以上となっている時間が短くなるのに対
し、最初は急ブレーキを踏み込んでもその後でコントロ
ールした場合には車体減速度が所定値以上となっている
時間が長くなるという点に着目したものである。また、
逆に、最初はゆっくり踏み始めたものの、急に小犬など
が飛び出してきたので急ブレーキを踏み込んだといった
状況では、結果的に車輪がロックせず車体減速度が所定
値以上となっている時間が短くなり、このときも運転者
による車両コントロールが困難な状況にあると判定する
のが妥当だからである。
【0018】よって、特に、所要時間で判定する構成と
超過時間で判定する構成とを両方兼ね備えてやるなら、
それぞれが異なる観点から状況の変化をも踏まえてより
適切に車両コントロールが可能か否かを推定できる点で
一層優れたものとなる。また、これらのアンチスキッド
制御装置において、前記コントロールブレーキリセット
判定手段は、前記車体減速度の変化が所定以上に大きく
なったときに前記推定を維持しないと判定する手段とし
て構成するとよい。これもまた、最初は車両コントロー
ルが可能であるように推定された状況であっても、途中
で小犬が飛び出すなどして急ブレーキに移行した様なと
きには、車体減速度が急激に増大することから、これを
捉えてリセットを実行するのである。
【0019】ところで、これまで説明してきたアンチス
キッド制御装置において、前記制御条件変更手段は、ア
ンチスキッド制御が開始され難くなる様に制御条件を変
更する手段として構成することができる。これにより、
アンチスキッド制御が開始する前の制動力を高める傾向
の作用が期待でき、運転者が思っているよりも早くAB
S制御が開始してしまうという不満を解消することが可
能になる。
【0020】また、前記制御条件変更手段は、アンチス
キッド制御中にブレーキ圧の増圧が行われやすくなる様
に制御条件を変更する手段として構成してもよい。この
場合には、アンチスキッド制御中の制動力を高める傾向
の作用が期待でき、車両がスリップを起こしてABS制
御状態となったときに、運転者もブレーキを緩めている
とき、スリップが収まりつつあることを感じてより制動
距離を短くしようとして再度ブレーキを踏み込んだと
き、この踏み込みを妨げ難くなるので、運転者が機械に
コントロールされているように感じるという不満を少な
くすることができる。
【0021】さらに、前記制御条件変更手段は、後輪の
ローセレクト制御を行わない様に制御条件を変更する手
段として構成してもよいし、あるいは、前記制御条件変
更手段は、ヨーコントロール制御を行わない様に制御条
件を変更する手段として構成してもよい。ローセレクト
制御やヨーコントロール制御を行わない様にすること
で、少なくとも片輪については運転者のブレーキ操作意
思に近づく傾向になるので、不満の少ない制動感を味わ
うことができるようになるのである。
【0022】以上説明してきた様に、本発明のアンチス
キッド制御装置では、特に、運転者の意思を推定する技
術が一つの重要なポイントとなる。そして、この様な運
転者の意思を推定する技術は、それ自体独立の発明とな
り得ると共に、上述のアンチスキッド制御以外への応用
も考えられなくはない。
【0023】そこで、本発明では、ブレーキ操作が行わ
れたことを検出するブレーキ操作検出手段と、該ブレー
キ操作に基づく車両の車体減速度を演算する車体減速度
演算手段と、該車体減速度が所定量変化するまでの所要
時間が基準時間より長いか否かを判定する所要時間判定
手段と、該所要時間が基準時間より長いと判定された場
合に、運転者自らによる車両コントロールが可能な状態
にあると判定するコントロールブレーキ判定手段とを備
えていることを特徴とするブレーキ操作状況判定装置を
完成すると共に、ブレーキ操作が行われたことを検出す
るブレーキ操作検出手段と、該ブレーキ操作に基づく車
両の車体減速度を演算する車体減速度演算手段と、該車
体減速度が所定値以上となっている時間が基準時間より
長いか否かを判定する超過時間判定手段と、該車体減速
度が所定値以上となっている時間が基準時間より長いと
判定された場合に、運転者自らによる車両コントロール
が可能な状態にあると判定するコントロールブレーキ判
定手段とを備えていることを特徴とするブレーキ操作状
況判定装置をも完成し、これらについてアンチスキッド
制御装置に採用したときの作用・効果等を中心に以下、
実施例を説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に
のみ限定されるものではないし、特に、ブレーキ操作状
況判定装置は、アンチスキッド制御装置以外のシステム
の中へ組み込むこともできるし、アンチスキッド制御装
置に組み込んだ場合にも、上述の様な制御条件の変更以
外の目的で用いてもよいことはいうまでもない。
【0024】
【実施例】図1は一実施例としてのアンチスキッド制御
システムの構成を示す。本実施例はフロントエンジン・
リアドライブの四輪車に適用した例である。右前輪1、
左前論2、右後輪3および左後輪4の各々に電磁式、磁
気抵抗式等の回転速度センサ5,6,7,8が配置さ
れ、各車輪1〜4の回転に応じた周波数のパルス信号を
出力する。さらに、各車輪1〜4には各々油圧ブレーキ
装置(ホイールシリンダ)11,12,13,14が配
置され、各車輪1〜4に制動力を発生させる。マスター
シリンダ16からの油圧は、アクチュエータ21,2
2,23,24および各油圧管路を介して、各ホイール
シリンダ11〜14に送られる。ブレーキペダル25の
踏み込み状態は、ストップスイッチ26によって検出さ
れる。このストップスイッチ26から、制動時にはオン
信号が出力され、非制動時にはオフ信号が出力される。
【0025】リザーバ28a,28bは、アンチスキッ
ド制御中、各ホイールシリンダ11〜14から排出され
た油を一時的に蓄えるものである。リザーバ28a,2
8bに蓄えられたプレーキ油は、電動モータ(図示せ
ず)によって駆動される油圧ポンブ27a,27bによ
って吸引され、圧力が高められた後、吐出される。アク
チュエータ21〜24は、電子制御回路40によって制
御され、アンチスキッド制御中にホイールシリンダ11
〜14のブレーキ油圧を調整し、各車輪1〜4ごとに制
動力を調整する。各アクチュエータ21〜24は、増圧
モード、減圧モード、保持モードを持つ電磁式三位置弁
で、アクチュエータ21について図示したA位置でブレ
ーキ油圧を増圧し、B位置でブレーキ油圧を保持し、C
位置でブレーキ油をリザーバ28a,28bに逃がし、
減圧を行う。また、この三位置弁は非通電時に増圧モー
ドとなり、通電時に、その電流レベルにより保持または
減圧モードとなる。
【0026】電子制御回路40は、イグニッションスイ
ッチ41がオンされることにより電源が供給され、回転
速度センサ5〜8およびストップスイッチ26からの信
号を受け、ブレーキ力制御のための演算制御等を行い、
アクチュエータ21〜24に対する駆動制御信号を出力
する。また、車体の前後方向の加速度を検出する車体G
センサ51が設けられ、その検出信号は電子制御回路4
0に入力される。
【0027】電子制御回路40は、CPU,ROM,R
AM,I/Oインターフェース等からなるマイクロコン
ピュータから構成されている。次に、電子制御回路40
が実行するアンチスキッド制御を図2以下のフローチャ
ートに基づいて説明する。
【0028】図2はABS制御の全体構成を示すフロー
チャートである。なお、この処理はイグニッションスイ
ッチ41がオンされたとき開始される。処理を開始する
と、まず、各種フラグや各種カリン夕の初期設定を行う
(ステップ110)。続いて、各車輪1〜4の回転速度
センサ5〜8から車輪速度信号を入力し、各車輪1〜4
の車輪速度を演算する(ステップ120)。次に、ステ
ップ120で演算した車輪速度から各車輪1〜4の車輪
加速度を演算する(ステップ130)。
【0029】そして、ステップ120にて演算された車
輪速度に基づいて、車両の車体速度を演算する(ステッ
プ140)。この際、基本的には、各車輪1〜4の車輪
速度の中で最も高い速度のものを車体速度とするが、例
えば車体Gセンサ51の検出値に応じて、車体速度の変
化に制限を設ける等の処理により、車体速度の演算精度
を向上させるようにしてもよい。
【0030】こうして車体速度までが演算できたら、本
実施例の特徴部分の一つであるコントロールブレーキ判
定処理ルーチン(ステップ300)を実行する。この処
理内容については後述することとして、まずはメインル
ーチンの処理内容の説明を続ける。
【0031】コントロールブレーキ判定処理ルーチンに
続くステップ150では、ステップ120にて演算され
た車輪速度およびステップ140にて演算された車体速
度等に基づいて、各車輪1〜4のスリップ率を演算す
る。なお、この演算方法は公知であるため、詳細は省略
する。
【0032】続いて、右前輪のソレノイド駆動制御パタ
ーンを決定し、ここで決定された駆動制御パターンに基
づいて、右前輪に対してアクチュエータ21を駆動させ
るべく駆動信号を出力する(ステップ160,17
0)。後は、左前論のソレノイド駆動制御パターンを決
定し、このソレノイド駆動制御パターンに基づいて左前
輪に対してアクチュエータ22を駆動させるべく駆動信
号を出力し(ステップ180,190)、右後輪及び左
後輪のソレノイド駆動制御パターンを決定し(ステップ
200,210)、さらに、左右後輪の制御パターンに
基づく補正を実行し(ステップ220)、後は、この補
正後の結果に基づいて右後輪及び左後輪のアクチュエー
タ23,24を駆動させるべくソレノイド駆動制御パタ
ーンを出力する(ステップ230,240)。なお、ス
テップ160,180,200,210の制御処理は共
通のルーチンとして後述し、ステップ220についても
後で詳述する。
【0033】次に、本実施例の特徴部分であるコントロ
ールブレーキ判定処理の詳細を説明する。この処理ルー
チンは、図3,図4に示す様に構成されている。本ルー
チンでは、まず、車体減速度を演算する(ステップ31
0)。本実施例ではGセンサ51の出力信号を利用して
演算する。
【0034】次に、ABS制御の開始条件が成立してい
るか否かを判定する(ステップ320)。そして、AB
S開始条件が成立していない場合には、さらに制動中で
あるか否かを判定する(ステップ330)。制動中か否
かは、車体減速度が0.1Gを越えたか否かや、ストッ
プスイッチ26からオン信号が出力されたか否かといっ
たことから判定することができる。
【0035】制動中であると判定された場合には、第1
のタイムカウンタT1のインクリメントを開始する(ス
テップ340)。そして、このルーチンを前回通ったと
きに制動中であったか否かを判定する(ステップ35
0)。この判定は、T1が2以上か否かで行ってもよい
し、ステップ330と同様の条件が前回も成立していた
か否かで判定するようにしてもよい。
【0036】前回制動中でない場合には、現在の車体減
速度Gnを判定開始減速度GMに設定する(ステップ3
60)。一方、前回も制動中であると判定された場合に
は、現在の車体速度GnからGMを引いた値が所定の基
準減速度GCON 以上になったか否かを判定する(ステッ
プ370)。ここで、Gn−GM≧GCON と判定された
場合には、次に第2のタイムカウンタT2のイクリメン
トを開始する(ステップ380)。
【0037】そして、第1のタイムカウンタT1の値が
所定の基準時間KT1以上となっているか否かを判定す
る(ステップ390)。ここで、T1<KT1なら、さ
らに、第2のタイムカウンタT2の値が所定の基準時間
KT2以上となっているか否かを判定する(ステップ4
00)。ステップ390,400のいずれかでYESと
判定された場合には、次のコントロールセット/リセッ
トルーチン(ステップ500)に移行する。
【0038】なお、ステップ370やステップ400が
NOとなった場合には、ステップ360の処理後と同様
に本ルーチンをそのまま抜ける。また、ステップ320
でYESとなったときには、上述の各タイマカウンタT
1,T2を共に0にリセットして本ルーチンを抜ける
(ステップ410)。一方、ステップ330でNOとな
ったときには、上述の各タイマカウンタT1,T2を共
に0にリセットしてステップ500のコントロールセッ
ト/リセットルーチンに移行する(ステップ420)。
【0039】コントロールセット/リセットルーチン
は、図4に詳述するような構成となっている。まず最初
に、運転者が車両コントロール意思を持っていると推定
してコントロールフラグFCNTに1をセットする(ス
テップ510)。次に、現在も制動中か否かを判定する
(ステップ520)。制動中であるなら、さらにABS
制御中か否かを判定する(ステップ530)。ABS制
御中であるなら、さらに、ABS制御が2サイクル目以
降に入っているか否かを判定する(ステップ540)。
【0040】ここまでの判定で、制動中でないと判定さ
れた場合(ステップ520=NO)あるいはABS制御
が2サイクル目以降に入っていると判定された場合(ス
テップ540=YES)には、ステップ510でセット
したコントロール意思の推定を維持しないこととし、コ
ントロールフラグFCNTを0にリセットする(ステッ
プ550)。
【0041】また、制動中ではあるがまだABS制御が
開始されていないというときには、ステップ560へ移
行し、今回の車体減速度Gnと前回の車体減速度Gn-1
の差が所定の基準値TG2以上か否かを判定する。この
判定がYESとなった場合にも、やはり運転者にコント
ロール意思ありとの推定は崩れたものとしてステップ5
50へ移行し、コントロールフラグFCNTをリセット
する。
【0042】以上のいずれのリセット条件にも該当しな
い場合にだけ、コントロールフラグFCNTがセットさ
れた状態で以下の処理が実行される。なお、ここで、以
下の処理の説明をする前に、上記の基準時間KT1,K
T2の性格を概念として把握できるように例を示しなが
ら説明しておく。
【0043】図5に示す様に、横軸に時間T、縦軸に車
体減速度Gxyをとると、車体減速度=GSTP の状態か
らブレーキを踏み込んだ状態を想定する。急ブレーキを
踏み続けている状況では、図示点線の様に車体減速度が
急激に立ち上がり、直ちに、路面μから決って来る最大
減速度Gμの状態になる。そして、早い時期にABS開
始条件を満足し、ABSが開始されることとなる。
【0044】一方、最初からゆっくりとブレーキを踏み
込んだ状況では、図示の実線の様に、車体減速度はゆっ
くりと上昇し、ゆっくりと最大減速度Gμにサチュレー
トしていく。従って、車輪のロック傾向は小さく、なか
なかABS制御が開始せず、ABS制御に全く入らずに
停車する状況もあり得る。
【0045】これら両者を比較すると、点線で示した前
者は車体減速度が所定量GCON だけ増大するのに要する
時間T1aは非常に短く、実線で示した後者は同じくG
CONだけ減速度を増すのにかかる時間T1bはかなり長
くなる。第1のタイムカウンタT1に対応する基準時間
KT1は、これら両者を明確に区別できるように設定さ
れ、例えば、図に示した様な時間として設定しておく。
これによって、実線の状況から運転者の車両コントロー
ル意思を伺い知ることができるのである。
【0046】ところで、最初は強くブレーキを踏み込
み、その後で強さを加減しながら車両をコントロールし
つつ制動しようという場合がある。こうした状況での車
体減速どの変化状況を示したのが図示の一点鎖線であ
る。この例では、最初に減速度が急激に増大してKT1
よりも短い時間でGCON だけ変化するが、その後はゆっ
くりとだけ増加し、徐々に最大減速度Gμへとサチュレ
ートしていく。この間、ABS制御が開始されないこと
もあるであろうし、あるいは開始されるとしてもそれほ
ど早いタイミングではない。
【0047】上述のコントロールブレーキ判定ルーチン
で用いた第2のタイムカウンタT2は、この一点鎖線の
状態と点線の状態とを区別するのに用いるのである。従
って、例えば、図の例で、それぞれが時刻Ta,Tcで
ABS制御が開始されたとすると、ABS制御開始まで
の第2のタイムカウンタT2の時間T2a,T2cに長
短が生じることが明かである。よって、この差を明確に
区別できるように、基準時間KT2を設定しておくので
ある。
【0048】これらによって、ブレーキ操作の状況か
ら、運転者の車両コントロール意思の有無を適切に推定
することができるようにしているのである。次に、メイ
ンルーチンのステップ160,180,200,210
の制御処理に共通のソレノィド駆動制御パターンの決定
ルーチンについて図6,図7のフローチャートに従つて
説明する。
【0049】このルーチンがスタートすると、まず、コ
ントロールフラグFCNTがセットされているか否かを
判定する(ステップ610)。セット中であると判定さ
れた場合には、ABS制御の各条件としてコントロール
セット時の条件を設定する(ステップ620)。具体的
には、ABS制御の開始条件となるスリップ率の閾値を
KS0=25%とし、パターン決定のためのスリップ率
の2つの閾値条件をKS1=20%及びKS2=10%
とし、パルス増圧モードのパターンPNを31に設定す
る。
【0050】一方、コントロールフラグFCNTがセッ
トされていないと判定された場合には、ABS制御の各
条件として通常時の条件を設定する(ステップ63
0)。具体的には、KS0=20%、KS1=15%、
KS2=5%、PN=30を設定する。
【0051】ここで、KS0が低いほどABS制御に入
り易く、KS1,KS2が低いほどABS制御中に増圧
モードへの移行が行われ難くなる。また、PN=30の
方がPN=31よりも増圧し難いパターンとしてある。
従って、コントロールフラグFCNTがセットされてい
るときには、ABS制御に入り難いし、ABS制御中も
どちらかというと増圧傾向にあり、制動力を高める傾向
が強くなるのである。
【0052】なお、パルス増圧モード等の制御パターン
は、後で図8により説明する。こうして制御条件のセッ
トが完了したら、現在アンチスキッド制御中であるか否
かを表すフラグFABSが、アンチスキッド制御中であ
ることを示す1に設定されているかどうかを判定する
(ステップ640)。
【0053】ここでFABSが1に設定されていない場
合、すなわち、アンチスキッド制御が開始される前の状
態である場合には、ステップ650に進む。ステップ6
50では車両の制動状態を判断するために、開始判定の
閾値KS0と現在のスリップ率とを比較する。現在のス
リップ率としては、ステップ150において演算された
スリップ率を採用する。この判定において現在のスリッ
プ率がKS0よりも大きくないとされた場合には、車輪
と路面との摩擦結合状態が悪くはないと考えられるので
ABS制御を開始する必要はないと判断し、フラグFA
BSを0に設定し(ステップ660)、FABS=0を
受けて、車輪のソレノイド駆動制御パターンPを連続増
圧モードを意味する4に設定する(ステップ670)。
この後で、ヨーコントロール判定ルーチン(ステップ9
00)を実行する。
【0054】一方、ステップ650において、現在のス
リップ率sがKS0よりも大きいと判定された場合は、
アンチスキッド制御を開始すべき可能性があることか
ら、さらに、現在の車輪の加速度dVがあらかじめ定め
られた車輪加速度の所定値(ここでは、一例として一
1.2Gを採用する。)よりも大きいか否かを判定する
(ステップ680)。この際、現在の車輪加速度として
は、ステップ130において演算された車輪加速度を採
用する。ここでYES、即ち車両の減速方向の加速度が
所定値よりも大きいと判定された場合は、ABS制御が
必要と判断し、フラグFABSを1に設定し(ステップ
690)、車輪のソレノイド駆動制御パターンPを、連
続減圧モードを意味する0に設定する(ステップ70
0)。一方、ステップ680でNOと判定された場合に
は、ステップ660の方へ移行してFABS=0のまま
とする。
【0055】こうしてステップ690,700の方が実
行されて、FABS=1の状態になると、ステップ64
0がYESの判定になり、図7のステップ710に進む
ようになる。ステップ710では、各車輪の現在のスリ
ップ率sと車輪加速度dVにより、各車輪のソレノイド
駆動制御パターンを決定する。このパターンの決定に
は、図示のようなマップが利用される。ステップ62
0,630で設定したKS1,KS2はこのマップにお
けるスリップ率の閾値として機能する。なお、マップは
これに限定されるものではなく、車両の使用目的等によ
ってこれとは異なったマップを採用してもよいことはも
ちろんである。
【0056】こうしてスリップ率sと車輪加速度dVと
からソレノィド駆動制御パターンが決定されたら、次
に、P=PNのパルス増圧モードであるかどうかを判定
する(ステップ720)。ここで、P=PNではない場
合、即ち、P=0の連続減圧モード、P=1のパルス減
圧モード、P=2の保持モードのいずれかになっている
ときには、そのモードに応じてそれぞれソレノイド出力
処理が実行される。
【0057】一方、P=PNのパルス増圧モードである
と判断された場合、後述するパターンP=30又はP=
31の出力パターンが完了したかどうかを判定する(ス
テップ730)。ここで、完了していないと判断された
場合には、そのまま出力処理の方へ移行するが、完了し
ていると判定された場合には、フラグFABSを0にリ
セットし(ステップ740)、P=4の連続増圧モード
を設定する(ステップ750)。ここで、パルス増圧モ
ードでの出力パターン数を完了したということは、車輪
と路面との摩擦結合状態が良好に回復し、ABS制御が
一旦終了したものと判断できることから、フラグFAB
Sを0に設定するのである。
【0058】次に、各制御パターンについて図8に基づ
いて説明する。このパターンPは、アクチュエータ21
〜24を駆動する駆動信号を表している。連続増圧モー
ド(P=0)は、図7中に示したマップ上で減速方向の
車輪加速度とスリップ率とが共に大きい場合に設定され
る。つまり過剰なブレーキ液圧によって車輪と路面との
結合状態が悪化している時に連続的にブレーキ液圧を減
圧する信号を出力することによって、結合状態を回復さ
せるための制御パターンを設定するのである。
【0059】パルス減圧モード(P=1)は、マップ上
で、スリップ率と車輪の減速方向の加速度との関係にお
いて、連続してブレーキ液圧を減圧する程の必要はない
が、結合状態は良好ではないという場合に設定される。
つまり、ブレーキ液圧保持信号と減圧信号とを繰り返し
出力し、徐々に結合状態を回復する制御パターンを設定
するのである。
【0060】連続保持モード(P=2)は、マップ上に
おいて、スリップ率は大きい値となっているが車輪速度
が復帰する過程であり車輪加速度はプラス方向に大きい
という場合、また減速方向の車輪加速度は大きいがスリ
ップ率は小さいという場合、および、この2つの場合の
中間あたりのスリップ率および車輪加速度の関係を有し
ている場合に設定される。このような時に設定されるパ
ターンP=2はブレーキ液圧を保持する保持信号を出力
するものである。
【0061】増圧モード(PN=30又はPN=31)
は、マップ上において、スリップ率も車輪加速度も所定
値以下であり、しかしABS制御中であるという場合に
設定される。この制御パターンP=PNは、ブレーキ液
圧保持信号と増圧信号とを繰り返し出力するものであ
る。この繰り返しのパルス数は、あらかじめ定められて
おり、PN=30では10パルスを採用するが、PN=
31では5パルスを採用している。また、保持時間TH
と増圧時間TAについても、PN=30ではTH=10
0msec,TA=10msecと、PN=31ではT
H=50msec,TA=20msecと設定してあ
る。これにより、PN=30に比べて、PN=31の方
が増圧の割合が大きく、しかも短時間で完了することと
なっている。増圧の割合が大きいことからABS制御中
の増圧が早くなり、パルス数が少ないことから、ステッ
プ730からステップ740,750へと移行するタイ
ミングが早くなり、増圧傾向が強い制御となる。
【0062】この関係より、例えば、図9に示すよう
に、ドライバーがブレーキを強く踏みすぎて、ABS制
御が開始された後、ドライバーがそれに気付いてブレー
キをコントロールして、ブレーキを緩め、それからあら
ためて、ブレーキを踏み増していった場合を考えると、
ABS制御中に増圧が行われるとき、PN=30では実
線の如くゆっくりとしか増圧がなされず、この間に運転
者がブレーキを踏み込もうとしても踏み込めないのに対
して、PN=31では図示の点線の様に増圧が速やかに
なされ、運転者がブレーキを踏み込み易くなるのであ
る。これによって、PN=31では、スリップが収まり
つつあるときに制動力を高めて早く止まりたいという運
転者の意思と干渉し難くなるのである。
【0063】最後に、連続増圧モード(P=4)は、A
BS制御が行われていない場合において設定される。こ
の制御パターンP=4は、ブレーキ液圧を連続的に増圧
する信号を出力し、マスタシリンダとホイールシリンダ
を連通するものである。次に、ステップ220の制御内
容の詳細を図10のフローチャートに従って説明する。
【0064】なお、通常のABSでは、前輪独立、後輪
ローセレクト制御を行っている。後輪ローセレクトは、
左右輪で路面μの異なるまたぎ路面での安定性を向上さ
せるもので、後輪2輪の制御力を低μ路側の後輪に合わ
せて制御する。これにより、後輪2輪の制動力差をキャ
ンセルし、安定性を向上させているが、反面、減速度を
多少犠牲にしている。ここで、ドライバーがパニック状
態でなく、冷静にコントロール可能であれば、多少ハン
ドルを修正することで後輪ローセレクト制御を行わなく
ても、安定に制動可能である。そこで、本実施例では、
図10に詳細を示すように、コントロール状態を判定し
たら、後輪のローセレクトを中止して、減速度を向上さ
せているのである。この処理では、まず、コントロール
フラグFCNTがセット中か否かを判定する(ステップ
810)。そして、セット中であるなら、右後輪用のパ
ターンPRR及び左後輪用のパターンPRLとしてそれぞれ
ステップ200,210で決定したパターンをそのまま
セットする(ステップ820)。一方、コントロールフ
ラグがセット中でないなら、右後輪用のパターンPRR及
び左後輪用のパターンPRLとして、それぞれステップ2
00,210で決定したパターンの内の小さい方MIN
(PRR,PRL)をセットする(ステップ830)。即
ち、コントロールフラグセット中にはリヤ独立制御を実
行し、そうでないときにだけリヤローセレクト制御を実
行するのである。
【0065】次に、ヨーコントロール制御の内容を図1
1のフローチャートに従って説明する。ヨーコントロー
ル制御は、左右輪で路面μの異なる様なまたぎ路面での
車両安定性を向上させるものである。またぎ路面では、
左右輪の制動力差のため、車両にヨーが発生し、不安定
となりやすいため、低μ路側の前輪がABS制御を開始
したら、高μ路側の前輪を連続増圧出力から、パルス増
圧出力へ切り換える等を行い、制動初期の左右輪の制動
力差を緩和するものであり、減速度を多少犠牲にしてい
る。ここで、ドライバーがパニック状態でなく、冷静に
コントロール可能な状況であれば、多少ハンドルを修正
することにより、ヨーコントロール制御を行わなくと
も、安定に制動可能である。そこで、本実施例では、図
11に詳細を示すように、コントロール状態を判定した
ら、ヨーコントロール制御を中止することで、減速度を
向上させているのである。
【0066】この制御では、まず、コントロールフラグ
FCNTがセット中か否かを判定する(ステップ91
0)。そして、セット中であるなら、そのままヨーコン
トロールを行うことなく本ルーチンを抜ける。一方、コ
ントロールフラグがセット中でないとき初めてヨーコン
トロールが実行され、まず、右前輪用のパターンPFR=
4及び左前輪用のパターンPFL≠4が共に成立している
か否かを判定する(ステップ920)。YESと判定さ
れたときには、強制的にPFR=30と設定する(ステッ
プ930)。一方、ステップ920がNOの場合には、
今度はPFR≠4及びPFL=4が共に成立しているか否か
を判定し(ステップ940)、YESと判定されたとき
には、強制的にPFL=30と設定する(ステップ95
0)。
【0067】以上説明した様に、本実施例では、車体減
速度の変化状況に基づいて、運転者が車両をコントロー
ルする意思をもって、即ち、パニック状態ではなくブレ
ーキ操作を行っていることを推定し、そうした場合に
は、ABS制御が開始され難く、また、ABS制御中に
は増圧が行われ易く制御条件を変更している。よって、
運転者は自分の意思に反してABSがでしゃばった制御
を行っているといった不満がなくなるか若しくは和ら
ぐ。
【0068】また、車両コントロール意思をもってブレ
ーキ操作をしていると推定されるときにはリヤローセレ
クト制御を実行しないようにするので、これによっても
制動力がより高まる傾向にあり、運転者の意思に沿った
減速感を与えることができる。これもまた、運転者の不
満解消に役立っている。
【0069】さらに、車両コントロール意思をもってブ
レーキ操作をしていると推定されるときにはヨーコント
ロール制御を実行しないようにするので、これによって
も制動力がより高まる傾向にあり、ABS開始前に十分
に減速しておきたいという運転者の意思に沿った減速感
を与えることができ、これもまた、運転者の不満解消に
役立っている。
【0070】加えて、本実施例では、コントロールフラ
グのリセット条件を設けることによって途中からパニッ
ク状態に陥ったようなときには通常のABS制御に移行
するようにしているので、状況の変化にも的確に対応で
きるという点で優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のシステム構成を示す概略構成図であ
る。
【図2】 実施例におけるABS制御の全体構成のフロ
ーチャートである。
【図3】 実施例におけるコントロールブレーキ判定ル
ーチンのフローチャートである。
【図4】 実施例におけるコントロールブレーキ判定ル
ーチンのフローチャートである。
【図5】 実施例におけるコントロールブレーキ判定ル
ーチンの各基準値の関係を示す説明図である。
【図6】 実施例における各輪制御パターン決定ルーチ
ンのフローチャートである。
【図7】 実施例における各輪制御パターン決定ルーチ
ンのフローチャートである。
【図8】 実施例におけるソレノイド駆動パターンの説
明図である。
【図9】 実施例における増圧モードの相違による作用
・効果を示す説明図である。
【図10】 実施例におけるリヤ輪の制御パターン補正
ルーチンのフローチャートである。
【図11】 実施例におけるヨーコントロール制御ルー
チンのフローチャートである。
【符号の説明】
1〜4・・・車輪、5〜8・・・回転速度センサ、11
〜14・・・ホイールシリンダ、16・・・マスターシ
リンダ、21〜24・・・アクチュエータ、25・・・
ブレーキペダル、26・・・ストップスイッチ、27
a,27b・・・油圧ポンブ、28a,28b・・・リ
ザーバ、40・・・電子制御回路、41・・・イグニッ
ションスイッチ、51・・・車体Gセンサ。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両制動時に、車輪の減速状態を所定の
    目標条件に合致させる様にブレーキ圧力の増減制御を行
    うアンチスキッド制御装置において、 ブレーキ操作に関する状況から、運転者自らの車両コン
    トロールが可能な状態と推定できるか否かを判定するコ
    ントロールブレーキ判定手段と、 該コントロールブレーキ判定手段が運転者自らの車両コ
    ントロールが可能な状態にあると推定した場合には、ア
    ンチスキッド制御に関する条件を通常の制御よりも制動
    力を高める傾向の条件に変更する制御条件変更手段とを
    備えることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアンチスキッド制御装置
    において、さらに、 前記コントロールブレーキ判定手段が運転者自らの車両
    コントロールが可能な状態にあると推定した後、該推定
    を維持するか否かを判定するコントロールブレーキリセ
    ット判定手段と、 該コントロールブレーキリセット判定手段が前記推定を
    維持しないと判定した場合には、前記制御条件変更手段
    による制御条件の変更を取り止めて通常の制御条件に復
    帰させる制御条件復帰手段とを備えることを特徴とする
    アンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のアンチスキッド制御装置
    において、 前記コントロールブレーキリセット判定手段は、制動が
    解除されたときに前記推定を維持しないと判定する手段
    として構成されることを特徴とするアンチスキッド制御
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載のアンチスキ
    ッド制御装置において、 前記コントロールブレーキリセット判定手段は、アンチ
    スキッド制御の収束状況が所定条件よりも悪いときに前
    記推定を維持しないと判定する手段として構成されるこ
    とを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか記載のア
    ンチスキッド制御装置において、 前記コントロールブレーキ判定手段は、 車両の車体減速度を演算する車体減速度演算手段と、 該車体減速度が所定量変化するまでの所要時間が基準時
    間より長いか否かを判定する所要時間判定手段とを備
    え、所要時間が基準時間より長いと判定された場合に、
    運転者自らによる車両コントロールが可能な状態にある
    と判定するように構成されていることを特徴とするアン
    チスキッド制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか記載のア
    ンチスキッド制御装置において、 前記コントロールブレーキ判定手段は、 車両の車体減速度を演算する車体減速度演算手段と、 該車体減速度が所定値以上となっている時間が基準時間
    より長いか否かを判定する超過時間判定手段とを備え、
    車体減速度が所定値以上となっている時間が基準時間よ
    り長いと判定された場合に、運転者自らによる車両コン
    トロールが可能な状態にあると判定するように構成され
    ていることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6のいずれか記載の
    アンチスキッド制御装置において、 前記コントロールブレーキリセット判定手段は、前記車
    体減速度の変化が所定以上に大きくなったときに前記推
    定を維持しないと判定する手段として構成されることを
    特徴とするアンチスキッド制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれか記載のア
    ンチスキッド制御装置において、前記制御条件変更手段
    は、アンチスキッド制御が開始され難くなる様に制御条
    件を変更する手段として構成されていることを特徴とす
    るアンチスキッド制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれか記載のア
    ンチスキッド制御装置において、前記制御条件変更手段
    は、アンチスキッド制御中にブレーキ圧の増圧が行われ
    やすくなる様に制御条件を変更する手段として構成され
    ていることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれか記載の
    アンチスキッド制御装置において、前記制御条件変更手
    段は、後輪のローセレクト制御を行わない様に制御条件
    を変更する手段として構成されていることを特徴とする
    アンチスキッド制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項10のいずれか記載
    のアンチスキッド制御装置において、前記制御条件変更
    手段は、ヨーコントロール制御を行わない様に制御条件
    を変更する手段として構成されていることを特徴とする
    アンチスキッド制御装置。
  12. 【請求項12】 ブレーキ操作が行われたことを検出す
    るブレーキ操作検出手段と、 該ブレーキ操作に基づく車両の車体減速度を演算する車
    体減速度演算手段と、 該車体減速度が所定量変化するまでの所要時間が基準時
    間より長いか否かを判定する所要時間判定手段と、 該所要時間が基準時間より長いと判定された場合に、運
    転者自らによる車両コントロールが可能な状態にあると
    判定するコントロールブレーキ判定手段とを備えている
    ことを特徴とするブレーキ操作状況判定装置。
  13. 【請求項13】 ブレーキ操作が行われたことを検出す
    るブレーキ操作検出手段と、 該ブレーキ操作に基づく車両の車体減速度を演算する車
    体減速度演算手段と、 該車体減速度が所定値以上となっている時間が基準時間
    より長いか否かを判定する超過時間判定手段と、 該車体減速度が所定値以上となっている時間が基準時間
    より長いと判定された場合に、運転者自らによる車両コ
    ントロールが可能な状態にあると判定するコントロール
    ブレーキ判定手段とを備えていることを特徴とするブレ
    ーキ操作状況判定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001039287A (ja) * 1999-07-28 2001-02-13 Aisin Seiki Co Ltd ブレーキ液圧制御装置
JP2014201200A (ja) * 2013-04-04 2014-10-27 ボッシュ株式会社 アンチロックブレーキ制御装置

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JP2014201200A (ja) * 2013-04-04 2014-10-27 ボッシュ株式会社 アンチロックブレーキ制御装置

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