JP3146971B2 - アンチロック制御装置 - Google Patents
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Description
装置に関するものであり、特にブレーキペダルが踏み込
まれている状態においてアンチロック制御を終了させる
場合の増圧制御に関するものである。
ルの踏込みに応じてマスタシリンダ等踏力対応液圧発生
装置に発生させられた液圧(踏力対応液圧と称する)が
路面の摩擦係数との関係において過大であった場合に、
車輪の回転を抑制するブレーキのホイールシリンダ液圧
を踏力対応液圧より低下させてその車輪のスリップ率を
適正範囲に制御する装置である。このアンチロック制御
装置において、ブレーキペダルが踏み込まれている状
態、すなわち制動途中にアンチロック制御を終了させる
ことが従来から行われていた。その一例が特開平7−1
44627号公報に記載されている。このアンチロック
制御装置は、アンチロック制御中に車両速度が設定値以
下に低下した場合には、ブレーキペダルが踏込状態にあ
ってもアンチロック制御が終了させられるようになって
いるが、ホイールシリンダ液圧が抑制されていたアンチ
ロック制御状態から、ホイールシリンダ液圧がマスタシ
リンダ液圧と等しくなる通常ブレーキ状態に急に戻され
ることは望ましくないため、制動途中のアンチロック制
御終了時、すなわち通常ブレーキ状態復帰時に、ホイー
ルシリンダ液圧の増圧勾配を設定時間制御する増圧勾配
制御が行われるようになっている。車両速度が設定値以
下に低下した際に減圧が行われていた場合は減圧が終了
させられて一定の増圧勾配で緩増圧が設定時間行われた
後、通常ブレーキ状態に復帰させられるのであり、緩増
圧が行われていた場合にはその緩増圧が設定時間継続さ
せられた後、通常ブレーキ状態に戻されるのである。
報に記載のアンチロック制御装置においては、制動途中
のアンチロック制御終了時に緩増圧が一律に設定時間実
行された後直ちに通常ブレーキ状態への移行が行われる
ため、摩擦係数が小さい路面を走行中に、例えば初心者
やパニック状態の運転者による運転のためにブレーキペ
ダルの踏力が大きい場合には、マスタシリンダ液圧とホ
イールシリンダ液圧との液圧差がまだ大きい状態で増圧
勾配制御が終了させられてしまう。したがって、マスタ
シリンダから相当量のブレーキ液が急激にホイールシリ
ンダに流入し、ブレーキペダルの入り込みによる違和感
が大きいという問題があった。マスタシリンダ液圧とホ
イールシリンダ液圧との差が十分小さくなるまで増圧勾
配制御が継続されるようにすれば、ブレーキペダルの急
な入り込みがなくなり、運転者の感じる違和感を軽減あ
るいはなくすことができる。しかし、このようにするた
めには多くのエネルギーと時間とを要する。また、次の
アンチロック制御に備えた待機状態に速く復帰させるこ
とが望ましいことから、増圧勾配制御を可能な限り早く
終了させる必要性もある。
報に記載のアンチロック制御装置のみならず、制動途中
にアンチロック制御が終了させられるすべてのアンチロ
ック制御装置に共通の問題である。そこで、本願請求項
1に係る第一発明は、ブレーキペダルの踏込みに応じて
踏力対応液圧発生装置に発生させられた踏力対応液圧が
路面の摩擦係数との関係において過大であった場合に、
車輪の回転を抑制するブレーキのホイールシリンダ液圧
を踏力対応液圧より低下させてその車輪のスリップ率を
適正範囲に制御するアンチロック制御装置において、増
圧勾配を従来より多彩に制御可能とし、種々の状況に適
した増圧勾配制御の実行を容易にすることを課題として
なされたものである。また、請求項2に係る第二発明の
課題は、第一発明と同様なアンチロック制御装置におい
て、増圧勾配を少なくとも3段階に制御する全勾配制御
と、それら3段階の一部の勾配に制御する部分勾配制御
との切換えを可能にすることであり、請求項3に係る第
三発明の課題は、第二発明に係るアンチロック制御装置
の勾配制御の切換えを路面の摩擦係数に基づいて行い得
るようにすることであり、請求項4に係る第四発明の課
題は、第三発明に係るアンチロック制御装置を、アンチ
ロック制御中の車両の減速度が路面の摩擦係数と対応す
ることを利用して路面摩擦係数を推定する安価な路面摩
擦係数推定手段を備え、その推定手段の推定結果に基づ
いて勾配制御の切換えを行い得るものとすることにあ
る。
に、第一発明に係るアンチロック制御装置は、(1)ブ
レーキペダルが踏み込まれている状態においてアンチロ
ック制御を終了させる制動中アンチロック制御終了指令
を発する制動中アンチロック制御終了指令手段と、
(2)その制動中アンチロック制御終了指令に応じて、
ホイールシリンダ液圧の増圧勾配を緩増圧,中間的増圧
および急増圧の少なくとも3段階の勾配に制御する終了
時増圧勾配制御手段とを含むものとされる。第二発明に
係るアンチロック制御装置は、(1)制御中アンチロッ
ク制御終了指令手段と、(3)その制動中アンチロック
制御終了指令に応じて、ホイールシリンダ液圧の増圧勾
配を緩増圧,中間的増圧および急増圧の少なくとも3段
階の勾配に制御する全勾配制御と、それら少なくとも3
段階の一部の勾配に制御する部分勾配制御とが可能な終
了時増圧勾配制御手段と(4)その終了時増圧勾配制御
手段を全勾配制御を行う状態と部分勾配制御を行う状態
とに切り換える切換手段とを含むものとされる。なお、
本明細書において、アンチロック制御は、制動中アンチ
ロック制御終了指令手段により制動中アンチロック制御
終了指令が発せられた時点に終了するのでななく、この
指令に応じて終了時増圧勾配制御手段による勾配制御が
実行され、通常ブレーキ状態に復帰させられた時点に終
了するものとする。
チロック制御装置の切換手段が、路面の摩擦係数が小さ
い場合には終了時増圧勾配制御手段を全勾配制御を行う
状態に、路面の摩擦係数が大きい場合には部分勾配制御
を行う状態に、それぞれ切り換える摩擦係数対応切換手
段を含むものとされる。第四発明においては、第三発明
に係るアンチロック制御装置が、アンチロック制御中の
車両の減速度が基準減速度より小さい場合には路面の摩
擦係数が小さいと推定し、減速度が基準減速度より大き
い場合には路面の摩擦係数が大きいと推定する摩擦係数
推定手段を含むものとされ、かつ、摩擦係数対応切換手
段が、その摩擦係数推定手段の推定結果に基づいてが終
了時増圧勾配制御手段の制御状態の切換えを行うものと
される。
のアンチロック制御終了時に、ホイールシリンダ液圧の
増圧勾配を緩増圧,中間的増圧,急増圧の少なくとも3
段階に制御することができるため、増圧勾配が従来より
多彩に制御可能となり、種々の状況に適した増圧勾配制
御の実行が容易となる。例えば、単純に、制動途中のア
ンチロック制御終了時には常にホイールシリンダ液圧の
増圧勾配が緩増圧,中間的増圧,急増圧の3段階で制御
されるようにしても、緩増圧から直接急増圧に移行させ
られた従来に比較してブレーキペダルの急な入り込みを
回避し、運転者の違和感を軽減しつつ、アンチロック制
御を比較的速やかに終了させることができる。
の増圧勾配を状況に応じて全勾配制御と部分勾配制御と
に切り換えることができるため、アンチロック制御の速
やかな終了と運転者の違和感の軽減という2つの要求を
より適切に満たすことができる。その具体的な一例が第
三発明であり、路面の摩擦係数が小さく、踏力対応液圧
とホイールシリンダ液圧との差が大きい可能性が高い場
合には、全勾配制御が行われて運転者に違和感を与える
ことが回避され、路面の摩擦係数が大きく、踏力対応液
圧とホイールシリンダ液圧との差が大きい可能性が低い
場合には、部分勾配制御が行われて速やかなアンチロッ
ク制御の終了という要求が満たされる。
の車両の減速度に基づいて路面の摩擦係数が推定され
る。アンチロック制御は見方を変えれば、路面の摩擦係
数を最大限に利用しつつ車両を制動する制御であり、ア
ンチロック制御中の車両の減速度は路面の摩擦係数が大
きいほど大きくなる。そして、車両の減速度は、車体に
前後方向に取り付けた加速度センサにより比較的に容易
に検出することができ、また、アンチロック制御中に複
数の車輪の回転速度に基づいて車両の減速度を推定する
ことが従来から行われており、この減速度推定技術を利
用すれば加速度センサさえ省略することが可能となる。
したがって、アンチロック制御中における車両の減速度
に基づいて路面の摩擦係数を推定すれば安価に目的を達
成することができる。特に、第四発明においては、摩擦
係数推定手段が、車両の減速度が基準減速度より大きい
か否かにより摩擦係数を大小2段階に推定し、その推定
結果に応じて摩擦係数対応切換手段が終了時増圧勾配制
御手段の制御状態の切換えを行うため、構成が単純であ
り、アンチロック制御の速やかな終了と運転者の違和感
の軽減という2つの要求を一層安価に満たすことができ
る。
の他に、以下の態様でも実施可能である。なお、実施の
態様は、便宜上、請求項と同じ形式で記載する。また、
各実施態様項は前記請求項または他の実施態様項に従属
する形式で記載するが、複数の請求項または実施態様項
に従属する実施態様項にさらに従属する実施態様項は、
かならずしもそれら複数の請求項または実施態様項の全
てに従属するわけではなく、従属可能なもの、すなわ
ち、引用事項に先行する事項が記載されている項にのみ
従属するものとする。 (1)前記制動中アンチロック制御終了指令手段が、ア
ンチロック制御中に車両速度が設定車両速度以下となっ
た場合に前記制動中アンチロック制御終了指令を発する
車両速度対応終了指令手段を含む請求項1〜4のいずれ
か1つに記載のアンチロック制御装置。 (2)前記中間的増圧が、前記緩増圧と前記急増圧との
中間の一定勾配で増圧を行う一定勾配増圧を含む請求項
1〜4,実施態様項1のいずれか1つに記載のアンチロ
ック制御装置。 (3)前記中間的増圧が、前記緩増圧と前記急増圧との
勾配の間で漸増する勾配で増圧を行う漸増勾配増圧を含
む請求項1〜4,実施態様項1のいずれか1つに記載の
アンチロック制御装置。 (4)前記部分勾配制御が、前記緩増圧の実行後、前記
中間的増圧を経ることなく前記急増圧に移行する制御を
含む請求項1〜4,実施態様項1〜3のいずれか1つに
記載のアンチロック制御装置。 (5)前記部分勾配制御が、前記緩増圧を省略して前記
中間的増圧と前記急増圧とを実行する制御を含む請求項
1〜4,実施態様項1〜3のいずれか1つに記載のアン
チロック制御装置。 (6)当該アンチロック制御装置が、前記踏力対応液圧
発生装置と、前記ブレーキのホイールシリンダと、リザ
ーバと、ホイールシリンダと踏力対応液圧発生装置とを
接続する液通路を開閉する増圧用電磁開閉弁と、ホイー
ルシリンダとリザーバとを接続する液通路を開閉する減
圧用電磁開閉弁とを含み、前記終了時増圧勾配制御手段
が、前記増圧用電磁開閉弁を開状態と閉状態とに交互に
切り換える時間比率を変えることにより前記増圧勾配を
変えるものである請求項1〜4,実施態様項1〜5のい
ずれか1つに記載のアンチロック制御装置。 (7)当該アンチロック制御装置が、前記踏力対応液圧
発生装置と、前記ブレーキのホイールシリンダと、リザ
ーバと、ホイールシリンダをリザーバから遮断して踏力
対応液圧発生装置に連通させる増圧状態とホイールシリ
ンダを踏力対応液圧発生装置から遮断してリザーバに連
通させる減圧状態とホイールシリンダを踏力対応液圧発
生装置およびリザーバから遮断する保持状態とに切換え
が可能な液圧制御弁装置とを含み、前記終了時増圧勾配
制御手段が、液圧制御弁装置を減圧状態および保持状態
の少なくとも一方と増圧状態とに繰り返し切り換える時
間比率を変えることにより前記増圧勾配を変えるもので
ある請求項1〜4,実施態様項1〜5のいずれか1つに
記載のアンチロック制御装置。 (8)当該アンチロック制御装置が、前記制動中アンチ
ロック制御終了指令に応じて前記緩増圧が設定時間実行
された時点の車両速度が摩擦係数推定時基準速度より大
きい場合には路面の摩擦係数が小さいと推定し、摩擦係
数推定時基準速度より小さい場合には路面の摩擦係数が
大きいと推定する緩増圧後車両速度依拠摩擦係数推定手
段を含む実施態様項1〜7のいずれか1つに記載のアン
チロック制御装置。 (9)当該アンチロック制御装置が、前記制動中アンチ
ロック制御終了指令が発せられてから前記緩増圧が設定
時間実行された時点の車両減速度が摩擦係数推定時基準
減速度より小さい場合には路面の摩擦係数が小さいと推
定し、摩擦係数推定時基準減速度より大きい場合には路
面の摩擦係数が大きいと推定する緩増圧後車両減速度依
拠摩擦係数推定手段を含む実施態様項1〜7のいずれか
1つに記載のアンチロック制御装置。 (10)当該アンチロック制御装置が、前記制動中アン
チロック制御終了指令が発せられた時点の車両減速度が
摩擦係数推定時基準減速度より小さい場合には路面の摩
擦係数が小さいと推定し、摩擦係数推定時基準減速度よ
り大きい場合には路面の摩擦係数が大きいと推定する終
了指令時車両減速度依拠摩擦係数推定手段を含む実施態
様項1〜7のいずれか1つに記載のアンチロック制御装
置。 (11)当該アンチロック制御装置が、前記踏力対応液
圧発生装置と、前記ブレーキのホイールシリンダと、リ
ザーバと、ホイールシリンダをリザーバから遮断して踏
力対応液圧発生装置に連通させる増圧状態とホイールシ
リンダを踏力対応液圧発生装置から遮断してリザーバに
連通させる減圧状態とホイールシリンダを踏力対応液圧
発生装置およびリザーバから遮断する保持状態とに切換
えが可能な液圧制御弁装置とを含み、かつ、前記切換手
段が、前記踏力対応液圧発生装置と前記ホイールシリン
ダとの液圧差を取得する液圧差取得手段と、その液圧差
取得手段により取得された液圧差が大きい場合には前記
終了時増圧勾配制御手段を前記全勾配制御を行う状態に
切り換え、液圧差が小さい場合には前記部分勾配制御を
行う状態に切り換える液圧差対応切換手段を含む請求項
2〜4,実施態様項1〜10のいずれか1つに記載のア
ンチロック制御装置。
装置のアンチロック制御装置に第一ないし第四発明を適
用した場合の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。図1において、10はブレーキペダルであり、12
は踏力対応液圧発生装置の一例としてのマスタシリンダ
であり、14〜20はホイールシリンダである。ブレー
キペダル10が踏み込まれると、マスタシリンダ12の
2つの液圧室には、その踏力に応じた液圧が発生させら
れ、それぞれ、左前輪22,右後輪24,右前輪26,
左後輪28のホイールシリンダ14〜20に供給され
る。マスタシリンダ12の一方の液圧室とホイールシリ
ンダ14,16とを接続する液通路32,34の途中に
は、増圧用電磁開閉弁36(以下、増圧弁と称する)が
設けられ、他方の液圧室とホイールシリンダ18,20
とを接続する液通路40,42の途中にも同様に増圧弁
36が設けられている。
ーバ48とを接続する液通路50,52の途中には、減
圧用電磁開閉弁54(以下、減圧弁と称する)が設けら
れ、ホイールシリンダ18,20とリザーバ48とを接
続する液通路58,60の途中にも同様に減圧弁54が
設けられている。また、リザーバ48とマスタシリンダ
12とを接続する液通路66,68の途中には、モータ
70を備えたポンプ72,逆止弁74,76が設けられ
ている。アンチロック制御時において、リザーバ48内
に収容された作動液はポンプ72によって汲み上げられ
る。ポンプ72はモータ70により駆動され、リザーバ
48内の作動液が液通路66,68を経てマスタシリン
ダ12に戻される。
通路78が設けられ、このバイパス通路78の途中には
それぞれ逆止弁80が設けられている。ブレーキペダル
10の踏込みが解除はされないが緩められ、マスタシリ
ンダ12の液圧がホイールシリンダ14〜20の液圧よ
り低くされれば、増圧弁36の状態のいかんを問わずホ
イールシリンダ14〜20内のブレーキ液がバイパス通
路78および逆止弁80を経てマスタシリンダ12に戻
され、制動力が低減させられる。また、ブレーキ解除時
には、ホイールシリンダ14〜20内のブレーキ液がバ
イパス通路78,逆止弁80を経て速やかにマスタシリ
ンダ12に戻される。
圧弁54との組合せを液圧制御弁装置81と総称し、左
右前輪22,26用の各増圧弁36と減圧弁54との組
合せを液圧制御弁装置82と総称する。液圧制御弁装置
81,82は同様のものであるため、右後輪24用の液
圧制御弁装置81を代表的に説明する。本実施形態にお
いて、図示しないソレノイドの励磁・消磁によって増圧
弁36および減圧弁54が開閉されることにより液圧制
御弁装置81は以下のように制御される。液圧制御弁装
置81は常には増圧弁36および減圧弁54のソレノイ
ドの消磁によって図示の増圧状態にあり、ホイールシリ
ンダ16をマスタシリンダ12の液圧室に連通させてい
る。増圧弁36および減圧弁54が上記ソレノイドの励
磁によって共に切り換えられると、液圧制御弁装置81
は減圧状態となり、ホイールシリンダ16をマスタシリ
ンダ12から遮断し、リザーバ48に連通させる。増圧
弁36が切り換えられ、減圧弁54が図中の原位置に保
たれれば、液圧制御弁装置81は保持状態となり、ホイ
ールシリンダ16をマスタシリンダ12からもリザーバ
48からも遮断する。
装置83の指令に基づいて制御される。制御装置83
は、コンピュータを主体とするものであり、図示しない
CPU,RAM,ROM,入力部,出力部等を備えたも
のである。入力部には、各車輪22〜28の回転速度を
検出する車輪速センサ90〜96,ブレーキペダル10
の踏み込みを検出するブレーキスイッチ98等が接続さ
れている。ブレーキスイッチ98は、ブレーキペダル1
0が踏み込まれた状態にある場合にON信号を出力する
ものである。出力部には、図示しない駆動回路を介し
て、液圧制御弁装置81のソレノイドやモータ70等が
接続されている。
であり、車輪速度に応じた数のパルスが制御装置83に
供給される。制御装置83は、車輪速センサ90〜96
の出力信号から各車輪22〜28のスリップ状態を推定
し、液圧制御弁装置81のソレノイドに対する電流の供
給を制御することにより増圧弁36および減圧弁54を
上記の状態に切り換えて、各車輪22〜28の平均スリ
ップ率が適正な値となるように制御する。
RAMには、カウンタ,アンチロック制御フラグ,増圧
勾配制御フラグ等がワーキングエリアと共に設けられて
いる。アンチロック制御フラグおよび増圧勾配制御フラ
グは4輪の各々について設けられ、そのセットにより、
いずれの車輪についてアンチロック制御,増圧勾配制御
が開始されたかがわかる。また、増圧勾配制御のため
に、緩増圧フラグおよび中間的増圧フラグが設けられて
いる。コンピュータのROMには、図3にフローチャー
トで示すメインルーチン,図4にフローチャートで示す
増圧勾配制御ルーチン等、制御に必要な種々の制御プロ
グラムが格納されている。なお、上記増圧勾配制御ルー
チンは便宜上、スリップ率制御用の液圧制御を行う狭義
のアンチロック制御ルーチンとは分けて説明するが、実
際は前述のように増圧勾配制御ルーチンの終了時が広義
のアンチロック制御の終了時であって、増圧勾配制御ル
ーチンはアンチロック制御ルーチンの一部と解されるべ
きものである。
格納されることにより、コンピュータは図2の機能ブロ
ック図で表される装置を構成している。車輪速センサ9
0〜96の出力信号が車輪速度取得部110で処理され
て車輪速度が取得される。取得された車輪速度は、車輪
加速度取得部112,車両速度取得部114にそれぞれ
供給され、これら各取得部112,114において車輪
加速度および車両速度が取得される。また、車両速度取
得部114で取得された車両速度がスリップ率取得部1
16に供給され、この車両速度と車輪速度取得部110
から供給された各車輪の車輪速度とに基づいて各車輪2
2〜28のスリップ率が取得されるとともに、車両速度
は車両減速度取得部118にも供給され、ここで車両減
速度が取得される。
得される毎に、取得された車輪速度から先に取得された
車輪速度を引くことにより求められる。車輪減速度は負
の加速度を正の値で示すものである。車両速度は、制動
時には原則として4車輪全部の車輪速度のうち最大のも
のが車両速度を表すとして取得される。ただし、4車輪
全部の車輪加速度が基準車輪加速度を下まわった後、す
なわち、最大の車輪速度の車輪加速度が基準車輪加速度
を下まわった後(車輪減速度が基準車輪減速度を超えた
後)は、車両速度が基準車輪加速度と等しい車両加速度
で低下するとして推定される。そして、その推定された
車両速度よりいずれかの車輪速度が大きくなれば、その
大きくなった車輪速度が車両速度を表すとされる。車両
減速度は、単位時間毎に車両速度が取得される度に、取
得された車両速度が先に取得された車両速度から引かれ
ることにより取得される。
されたデータに基づいて、制御状態決定部122におい
て液圧制御弁装置81,82を緩増圧状態,急増圧状
態,減圧状態および保持状態のいずれの状態に切り換え
るかの決定が行われる。そして、制御状態決定部122
において決定された制御状態に応じてソレノイド制御部
128からソレノイド信号が出力されることにより液圧
制御弁装置81,82が切り換えられる。なお、急増圧
状態は増圧弁36を連続的に開状態に保つことにより実
現され、緩増圧状態は増圧弁36を開状態と閉状態とに
繰返し切り換えることにより実現される。
装置の作動を説明する。非制動時には、増圧弁36およ
び減圧弁54はそれぞれ図1に示す位置にあり、ホイー
ルシリンダ14〜20にマスタシリンダ圧が伝達される
状態にある。したがって、ブレーキペダル10が踏み込
まれれば、マスタシリンダ圧はホイールシリンダ14〜
20に伝達され各車輪22〜28の各回転が抑制され
る。
り、車輪のスリップ率が適正範囲をこえて増大する場合
にはアンチロック制御が行われる。アンチロック制御
は、各車輪22〜28に対してそれぞれ独立に行われ
る。アンチロック制御は車両速度が設定車両速度以上で
ある状態において、ブレーキスイッチ98の出力信号が
ONであり、かつ、各車輪22〜28のスリップ率が過
大になった場合に開始される。以後は車輪減速度とスリ
ップ率との両方に基づいて、液圧制御弁装置81,82
が急増圧状態,緩増圧状態,減圧状態あるいは保持状態
に切り換えられて各車輪22〜28のスリップ率がほぼ
適正値に保たれるのである。モータ70は、アンチロッ
ク制御が行われている間駆動され、リザーバ48に収容
された作動液が加圧されてマスタシリンダ12に戻され
る。また、各車輪22〜28に対してアンチロック制御
が行われている場合には、アンチロック制御フラグがセ
ットされるようになっている。
ートに基づいてさらに具体的に説明する。電源投入と同
時にメインルーチンが実行され、ステップ1(以下S1
と略称する。他のステップについても同様)においてカ
ウンタおよびアンチロック制御フラグ,増圧勾配制御フ
ラグをリセットする等の初期設定が行われる。
レーキスイッチ98の検出信号が読み込まれた後、S3
において車輪速度,車輪減速度,車両速度,車両減速度
等がそれぞれ取得される。次いでS4が実行され、前記
増圧勾配制御フラグがセットされたか否かが判定され
る。最初にS4が実行される場合には、増圧勾配制御フ
ラグはリセットされたままであるため、判定結果はNO
となりS5において前記アンチロック制御フラグがセッ
トされたか否かが判定される。最初にS5が実行される
場合には、アンチロック制御フラグもリセットされたま
まであるため、判定結果はNOとなり、S6が実行され
る。
件が成立したか否かが4輪の各々について判定される。
本実施形態においては、ブレーキスイッチ98の出力信
号がONであり、各車輪22〜28のスリップ率が過大
になった場合にアンチロック制御開始条件が成立する。
S6の判定結果がNOであれば、再びS2に戻されて開
始条件が成立するまでS2〜S5が繰り返し実行され
る。
の判定結果がYESとなれば、S7においてアンチロッ
ク制御フラグがセットされ、S8においてアンチロック
制御が実行される。ここではアンチロック制御のための
急増圧フラグ,緩増圧フラグ,保持フラグ,減圧フラグ
等の各モードフラグがセットされるのみで、液圧制御弁
装置81,82の実際の切換制御等は図示しないタイマ
割込処理の実行により行われる。
8の出力信号がOFFであるか否かによりブレーキペダ
ル10の踏込みが解除されたか否かの判定が行われる。
YESと判定されれば、S14において前記アンチロッ
ク制御終了処理が実行された後、再びS2に戻される。
このアンチロック制御終了処理においては、アンチロッ
ク制御フラグ,増圧勾配制御フラグがリセットされ、カ
ウンタがクリアされるとともに液圧制御弁装置81,8
2を増圧状態に切り換えるようにソレノイド制御部12
8から増圧指令信号が出力される。
おいてアンチロック制御中の車両速度が設定車両速度以
下であるか否かの判定が行われる。低速走行時には車輪
速度の誤差が大きく、車両速度を精度良く推定すること
ができない。したがって、アンチロック制御を適正に行
うことができないため、S10の判定が行われるのであ
る。車両速度が設定値より大きければS10の判定結果
がNOになって再びS2に戻される。S7の実行後にS
5が実行される場合には、アンチロック制御フラグはセ
ットされているため判定結果がYESとなり、S6,S
7の両ステップをスキップしてS8のアンチロック制御
が実行される。
れば判定結果がYESになってS11が実行され、アン
チロック制御フラグがリセットされるとともに、増圧勾
配制御フラグがセットされ、次いでS13において後述
する増圧勾配制御が実行される。S11の実行後にS4
が実行される場合には、YESの判定となり、S12に
おいてブレーキスイッチ98の出力信号がOFFである
か否かの判定が行われる。ブレーキペダル10の踏込み
が解除されればS12の判定結果がYESとなり、S1
4においてアンチロック制御終了処理が行われる。S1
2の判定結果がNOであれば、S13において増圧勾配
制御が実行される。
取得部118,摩擦係数推定部120,緩増圧制御部1
24,中間的増圧制御部126,ソレノイド制御部12
8等により行われる。車両速度取得部114で取得され
た車両速度は緩増圧制御部124に供給される。この車
両速度が設定車両速度以下となった場合には、緩増圧制
御部124からソレノイド制御部128にホイールシリ
ンダ液圧の緩増圧指令が出され、それに応じて設定時間
の間、ソレノイド制御部128により液圧制御弁装置8
1,82の緩増圧制御が行われる。図5に示すように、
ソレノイド信号が増圧と保持とに交互に切り換えられて
増圧弁36が一定時間比率で開状態と閉状態とに交互に
切り換えられることにより、ホイールシリンダ液圧が一
定の勾配で緩増圧されるのである。上記設定時間を後述
の第2設定時間との関係で第1設定時間と称する。ま
た、上記一定の勾配は、制御状態決定部122およびソ
レノイド制御部128により狭義のアンチロック制御の
ために行われる緩増圧時の増圧勾配と同じでも、異なっ
てもよい。
車両速度は、車両減速度取得部118に供給されて車両
減速度が取得される。車両減速度取得部118において
取得された車両減速度は摩擦係数推定部120に供給さ
れ、路面の摩擦係数が推定される。アンチロック制御中
における車両減速度はその時の路面の摩擦係数と一対一
に対応し、路面の摩擦係数が小さいほど小さいものであ
るため、車両減速度が基準車両減速度以下であれば路面
の摩擦係数が小さいと推定され、基準車両減速度以上で
あれば路面の摩擦係数が大きいと推定される。そして、
摩擦係数推定部120の推定結果が中間的増圧制御部1
26に供給される。
推定は、ホイールシリンダ液圧が第1設定時間の間緩増
圧された後に実行され、路面の摩擦係数が小さいと推定
された場合には、中間的増圧制御部126において、緩
増圧と急増圧との間の勾配で中間的増圧を行うことが決
定され、それに応じてソレノイド制御部128により液
圧制御弁装置81,82の制御が行われる。それに対
し、摩擦係数が大きいと推定された場合は中間的増圧が
実行されず、緩増圧から直接急増圧への移行が行われ
る。本実施形態においては、路面の摩擦係数が小さいと
推定された場合には、ホイールシリンダ液圧の増圧勾配
を緩増圧,中間的増圧そして急増圧へと移行させる全勾
配制御が実行され、大きいと推定された場合には、緩増
圧から中間的増圧を経ることなく急増圧へ移行させる部
分勾配制御が実行されるのである。
に、液圧制御弁装置81,82を増圧状態と保持状態と
に交互に切り換えつつ、増圧状態の時間を徐々に増加さ
せ、保持状態の時間を徐々に減少させることにより、漸
増する液圧勾配でホイールシリンダ液圧の増圧が行われ
る。本実施形態においては、中間的増圧が予め設定され
た時間実行された後、急増圧への移行が行われる。この
設定時間は、中間的増圧がそれだけ継続されればホイー
ルシリンダ液圧がマスタシリンダ液圧を超えて増圧され
るように設定されているが、実際はマスタシリンダ液圧
を超えて増圧されることはないので、結局設定時間経過
後にはホイールシリンダ液圧はマスタシリンダ液圧と等
しい状態となる。この設定時間を前記第1設定時間との
関係において第2設定時間と称する。
トに基づいて具体的に説明する。S101において、中
間的増圧フラグがセットされたか否かの判定が行われ
る。最初にS101が実行される場合には、中間的増圧
フラグはリセットされたままであるため、判定はNOと
なりS102,S103が実行される。S102におい
て緩増圧フラグがセットされ、S103において緩増圧
が第1設定時間行われたか否かの判定が行われる。最初
にS103が実行される場合には、カウンタのカウント
値は0であるため判定はNOとなり、カウンタのカウン
ト値が1増加させられて増圧勾配制御ルーチンの1回の
実行が終了する。その後、S101〜S103のステッ
プが繰り返し実行され、S103が実行される毎にカウ
ント値がインクリメントされ、第1設定時間の経過が待
たれる。この間、図示しないタイマ割込処理の実行によ
り緩増圧が実行されることは、前記狭義のアンチロック
制御におけるのと同様である。
に対応する値となったとき、S103の判定がYESと
なり、S104において、S3で取得された車両減速度
が基準車両減速度より大きいか否かにより路面の摩擦係
数が大きいか(高μ路であるか)小さいか(低μ路であ
るか)が判定される。この判定がNOであれば、S14
のアンチロック制御終了処理が実行され、YESであれ
ば、S105において、緩増圧フラグがリセットされる
とともに中間的増圧フラグがセットされる。その後、S
106において第2設定時間が経過したか否かの判定が
前記カウンタのカウント値に基づいて行われるが、当初
は判定はNOであるため、S107において増圧時間の
幅に一定値αが加えられる。
的増圧フラグがセットされているため、判定はYESと
なり、その後のステップをスキップしてS106が実行
される。第2設定時間が経過するまでS101,S10
6,S107のステップが繰り返し実行され、毎回増圧
時間の幅が一定値αずつ増大させられる。したがって、
中間的増圧フラグの設定に応じてタイマ割込処理により
行われる増圧の勾配が前記緩増圧の勾配から漸増させら
れる。第2設定時間が経過してS106の判定結果がY
ESとなれば、S108において中間的増圧フラグがリ
セットされた後S14のアンチロック制御終了処理が行
われる。
減速度取得部118,摩擦係数推定部120,緩増圧制
御部124,中間的増圧制御部126およびソレノイド
制御部128により、換言すれば、コンピュータの前記
増圧勾配制御ルーチンを実行する部分により、路面の摩
擦係数の大小に応じて、ホイールシリンダ液圧を緩増圧
および急増圧の2段階で増圧する部分勾配制御と、緩増
圧,中間的増圧および急増圧の3段階で増圧する全勾配
制御とを選択的に実行することができる終了時増圧勾配
制御手段が構成されている。
4を実行する部分が全勾配制御を実行する状態と部分勾
配制御を実行する状態とのいずれか一方に切り換える切
換手段を構成している。この切換手段は摩擦係数対応切
換手段である。さらに、メインルーチンのS10と、S
11のアンチロック制御フラグをリセットする部分とが
制動中アンチロック制御終了指令手段を構成しており、
アンチロック制御フラグのリセットが制動中アンチロッ
ク制御終了指令に相当する。本実施形態における制動中
アンチロック制御終了指令手段は、アンチロック制御中
に車両速度が設定車両速度以下となった場合に制動中ア
ンチロック制御終了指令を発する車両速度対応終了指令
手段である。また、摩擦係数推定部120、すなわちコ
ンピュータの、S3の車両減速度を取得する部分とS1
04とを実行する部分とが摩擦係数推定手段を構成して
いる。
圧とホイールシリンダ液圧との差が大きい可能性が高い
低μ路上においては、図5に示すように緩増圧から中間
的増圧を経て急増圧に移行させられるため、従来緩増圧
から直接急増圧に移行させられていたのに比較してブレ
ーキペダルの急な入込みを回避し、運転者の違和感を軽
減する一方、マスタシリンダ液圧とホイールシリンダ液
圧との差が大きい可能性が低い高μ路上においては、緩
増圧から直接急増圧に移行させられることによりアンチ
ロック制御が比較的速やかに終了させられる。しかも、
中間的増圧においては、増圧勾配が緩増圧の勾配から漸
増させられるため、ホイールシリンダ液圧が迅速に滑ら
かに増圧され、急増圧につながれる。さらに、路面の摩
擦係数は車輪速度から取得された車両減速度に基づいて
推定されるため、摩擦係数推定を安価に行うことができ
る。
設定時間実行されれば、ホイールシリンダ液圧とマスタ
シリンダ液圧とが必ず等しくなるように設定されている
が、第2設定時間経過後にホイールシリンダ液圧がマス
タシリンダ液圧に達しないことも起こり得るように第2
設定時間を設定することも可能である。その場合でも、
緩増圧から直接急増圧に移行させられていた従来に比較
すれば、急増圧開始時におけるホイールシリンダ液圧と
マスタシリンダ液圧との液圧差が低減されるため、ブレ
ーキペダルの急な入込みを回避し、運転者の違和感を軽
減しつつ、アンチロック制御を比較的速やかに終了させ
ることができる。
車輪に対してそれぞれ独立に行われるようにされている
が、左右前輪に対する制御と左右後輪に対する制御との
少なくとも一方を共通に行うことも可能である。また、
中間的増圧を緩増圧と急増圧との中間の一定勾配で増圧
させる一定勾配増圧で行うことも可能である。前記部分
勾配制御を、状況に応じて緩増圧を省略して中間的増圧
と急増圧とを実行する制御とすることも可能である。ま
た、増圧勾配制御は3段階以上で行うこともできる。
チロック制御終了指令に応じて緩増圧が設定時間実行さ
れた時点の車両速度が摩擦係数推定時基準車両速度より
大きい場合には路面の摩擦係数が小さいと推定し、基準
速度より小さい場合には路面の摩擦係数が大きいと推定
する緩増圧後車両速度依拠摩擦係数推定手段とすること
も可能である。上記制動中アンチロック制御終了指令が
発せられる場合には、その指令の発生時すなわち緩増圧
制御開始時の車両速度は設定車両速度で一定である。そ
して、アンチロック制御終了時の車両減速度は路面の摩
擦係数が大きいほど大きい。したがって、制動中アンチ
ロック制御終了指令に応じた緩増圧が設定時間実行され
た時点の車両速度の大小に基づいて路面の摩擦係数が推
定できるのである。
ック制御終了指令が発せられてから緩増圧が設定時間実
行された時点の車両減速度が摩擦係数推定時基準減速度
より小さい場合には路面の摩擦係数が小さいと推定し、
基準減速度より大きい場合には路面の摩擦係数が大きい
と推定する緩増圧後車両減速度依拠摩擦係数推定手段と
することも可能である。
ック制御終了指令が発せられた時点の車両減速度が摩擦
係数推定時基準減速度より小さい場合には路面の摩擦係
数が小さいと推定し、基準減速度より大きい場合には路
面の摩擦係数が大きいと推定する終了指令時車両減速度
依拠摩擦推定手段とすることも可能である。
て全勾配制御と部分勾配制御とに切り換える摩擦係数対
応切換手段であったが、マスタシリンダ液圧とホイール
シリンダ液圧との液圧差を取得する液圧差取得手段を設
け、その液圧差取得手段により取得された液圧差が大き
い場合には全勾配制御を行い、液圧差が小さい場合には
部分勾配制御を行う状態に切り換える液圧差対応切換手
段とすることも可能である。上記液圧差取得手段は、マ
スタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧検出装
置とホイールシリンダ液圧を検出するホイールシリンダ
液圧検出装置とを有し、それら2つの液圧検出装置の検
出結果の差として液圧差を取得するものでも、当初から
マスタシリンダとホイールシリンダとの液圧差を検出す
るものでもよい。また、マスタシリンダ液圧とホイール
シリンダ液圧との少なくとも一方は、実際に検出しない
で、例えば、ブレーキペダルの踏力,車両減速度等、液
圧と一対一に対応する他の量から推定するものであって
もよい。さらに、液圧差の取得時点は、アンチロック制
御中,制動中アンチロック制御終了指令発生時,緩増圧
実行中等いずれの時点でもよい。
状態と閉状態とに交互に切り換える時間比率を変えるこ
とによりホイールシリンダ液圧の増圧勾配が変化させら
れていたが、これ以外の手段により増圧勾配を変化させ
ることも可能である。例えば、液圧制御弁装置を減圧状
態および保持状態の少なくとも一方と増圧状態とに繰り
返し切り換える時間比率を変えることにより増圧勾配を
変えることもできる。
に絞りを有する増圧弁と絞りを有しない増圧弁との2つ
の増圧弁を設け、一方の増圧弁の流路面積を他方のそれ
より小さくすることにより、一方の絞りを有する増圧弁
のみ開状態とする場合,他方の絞りを有しない増圧弁の
み開状態とする場合,両方の増圧弁を開状態とする場合
のうちの少なくとも2つに切り換え可能として、ホイー
ルシリンダ液圧の増圧勾配を段階的に変化させることも
できる。また、マスタシリンダとホイールシリンダとを
増圧弁を経て接続する主液通路の途中に可変絞りを設け
て連続的あるいは段階的に液圧の増圧勾配を変化させる
ことも可能である。
マスタシリンダを踏力対応液圧発生装置とする還流式の
アンチロック制御装置とされていたが、本発明は、踏力
対応液圧発生装置がマスタシリンダではなく、ポンプ,
踏力センサおよび踏力センサの検出結果に基づいてポン
プを制御するポンプ制御装置により構成されるアンチロ
ック制御装置に適用することもでき、液圧制御弁装置が
増圧状態,保持状態および減圧状態の3つの状態に切り
換えられる三位置の電磁方向切換弁により構成されるア
ンチロック制御装置、液圧制御弁装置がスプール式の電
磁比例制御弁であるアンチロック制御装置、容積式のア
ンチロック制御装置等にも適用することができる。
速度に基づいて算出されるようになっていたためコスト
および重量が低くて済む利点があるが、ドップラ式の対
地車速センサによって車輪速度とは関係なく取得するよ
うにしてもよい。制動途中のアンチロック制御終了時
に、全勾配制御と部分勾配制御とに切換え可能にするこ
とは不可欠ではなく、ホイールシリンダ液圧の増圧勾配
を緩増圧,中間的増圧,急増圧の3段階、あるいはそれ
以上の多段階に制御することができるようにするのみで
も、増圧勾配が従来より多彩に制御可能となり、種々の
状況に適した増圧勾配制御の実行が可能となる。その
他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した態様で本発明を実
施することができる。
置を備えた四輪自動車用液圧ブレーキ装置を示す系統図
である。
すブロック図である。
OMに格納されたメインルーチンを表すフローチャート
である。
の詳細を示すフローチャートである。
チロック制御終了指令発生時の液圧制御を説明するため
のグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 ブレーキペダルの踏込みに応じて踏力対
応液圧発生装置に発生させられた踏力対応液圧が路面の
摩擦係数との関係において過大であった場合に、車輪の
回転を抑制するブレーキのホイールシリンダ液圧を踏力
対応液圧より低下させてその車輪のスリップ率を適正範
囲に制御するアンチロック制御装置であって、 ブレーキペダルが踏み込まれている状態においてアンチ
ロック制御を終了させる制動中アンチロック制御終了指
令を発する制動中アンチロック制御終了指令手段と、 前記制動中アンチロック制御終了指令に応じて、前記ホ
イールシリンダ液圧の増圧勾配を緩増圧,中間的増圧お
よび急増圧の少なくとも3段階の勾配に制御する終了時
増圧勾配制御手段とを含むことを特徴とするアンチロッ
ク制御装置。 - 【請求項2】 ブレーキペダルの踏込みに応じて踏力対
応液圧発生装置に発生させられた踏力対応液圧が路面の
摩擦係数との関係において過大であった場合に、車輪の
回転を抑制するブレーキのホイールシリンダ液圧を踏力
対応液圧より低下させてその車輪のスリップ率を適正範
囲に制御するアンチロック制御装置であって、 ブレーキペダルが踏み込まれている状態においてアンチ
ロック制御を終了させる制動中アンチロック制御終了指
令を発する制動中アンチロック制御終了指令手段と、 前記制動中アンチロック制御終了指令に応じて、前記ホ
イールシリンダ液圧の増圧勾配を緩増圧,中間的増圧お
よび急増圧の少なくとも3段階の勾配に制御する全勾配
制御と、それら少なくとも3段階の一部の勾配に制御す
る部分勾配制御とが可能な終了時増圧勾配制御手段と、 その終了時増圧勾配制御手段を前記全勾配制御を行う状
態と前記部分勾配制御を行う状態とに切り換える切換手
段とを含むことを特徴とするアンチロック制御装置。 - 【請求項3】 前記切換手段が、路面の摩擦係数が小さ
い場合には前記終了時増圧勾配制御手段を前記全勾配制
御を行う状態に、路面の摩擦係数が大きい場合には前記
部分勾配制御を行う状態に、それぞれ切り換える摩擦係
数対応切換手段を含むことを特徴とする請求項2に記載
のアンチロック制御装置。 - 【請求項4】 当該アンチロック制御装置が、アンチロ
ック制御中の車両の減速度が基準減速度より小さい場合
には路面の摩擦係数が小さいと推定し、減速度が基準減
速度より大きい場合には路面の摩擦係数が大きいと推定
する摩擦係数推定手段を含み、その摩擦係数推定手段の
推定結果に基づいて前記摩擦係数対応切換手段が前記終
了時増圧勾配制御手段の制御状態の切換えを行うことを
特徴とする請求項3に記載のアンチロック制御装置。
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JP07363096A JP3146971B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | アンチロック制御装置 |
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Family Applications (1)
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JP07363096A Expired - Fee Related JP3146971B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | アンチロック制御装置 |
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JP5107620B2 (ja) * | 2007-06-27 | 2012-12-26 | 本田技研工業株式会社 | 車両のアンチロックブレーキ制御装置 |
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1996
- 1996-03-28 JP JP07363096A patent/JP3146971B2/ja not_active Expired - Fee Related
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