JP2560806B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

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JP2560806B2 JP63259814A JP25981488A JP2560806B2 JP 2560806 B2 JP2560806 B2 JP 2560806B2 JP 63259814 A JP63259814 A JP 63259814A JP 25981488 A JP25981488 A JP 25981488A JP 2560806 B2 JP2560806 B2 JP 2560806B2
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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は車両用ブレーキ装置に関するものであり、特
に、車両をゆれ戻り少なく停止させることができる車両
用ブレーキ装置に関するものである。
従来の技術 走行している車両を停止させるとき、車両が停止する
まで一定の力でブレーキペダルを操作し続けると停止時
にゆれ戻りが生じ、乗員に不快感を与えることを避け得
ない。これは車両走行速度(以下、車速という)が零に
なって車両が停止するとき、減速度が一定値から急に零
になるからであり、運転者は停止時にできる限りゆれ戻
りが生じないように気を付けてブレーキ操作を行うこと
が必要である。しかし、そのようにブレーキ操作を行う
ことは初心者にとって困難であることは勿論、熟練者に
とっても容易ではない。
このような事情に鑑み、本願出願人は先に特願昭62−
231586号の出願において、車両停止時におけるゆれ戻り
を運転者の運転技術によらず自動的に緩和し得るブレー
キ装置を提案した。このブレーキ装置は、(a)車輪の
回転を抑制するブレーキのブレーキシリンダにブレーキ
ペダル等ブレーキ操作部材の操作力,操作ストローク等
操作量に応じた圧力を発生させ、車輪の回転を抑制する
流体圧ブレーキ系と、(b)車両の速度を検出する車速
検出手段と、(c)車両速度が予め定められた基準値以
下になった後はブレーキシリンダの圧力を低下させて停
車時のゆれ戻りを低減させる停車制御手段とを含むよう
に構成される。ブレーキシリンダの圧力が寧化させられ
れば減速度が低下させられ、ゆれ戻りが少なくなるので
あり、このブレーキ装置において停車制御手段は、ブレ
ーキシリンダからの流体の流出を許容する減圧状態と、
ブレーキシリンダ圧を一定に保つ保持状態とに切り換え
られる電磁弁装置を含むものとされ、車速が予め定めら
れた基準値以下になった後は電磁弁装置を減圧状態と保
持状態とに繰返し切り換え、複数回にたって減圧を行わ
せることにより、ブレーキシリンダの圧力を低下させる
ようにされている。
しかし、このブレーキ装置においては、電磁弁装置が
減圧状態と保持状態とに繰り返し切り換えられるため、
ブレーキシリンダの圧力に脈動が生じ、それにより車両
に振動が生ずることがあり、また、電磁弁装置の切換え
音がやかましいという問題があった。そのため、本出願
人は特願昭62−319691号の出願においてブレーキシリン
ダ圧の脈動,車両の振動や騒音の発生を伴うことなく、
車両をゆれ戻り少なく停止させることができるブレーキ
装置を提案した。このブレーキ装置は、ブレーキシリン
ダから流出する流体が流れる通路に電磁流量制限装置を
設け、電磁弁装置が減圧状態のときに排出される流体の
流量を制限し、電磁弁装置を繰り返し切り換えなくても
流体が車両をゆれ戻り少なく停止させるのに適した量で
ブレーキシリンダから流出するようにしたものである。
このようにすれば電磁弁装置の切換えを1回行えばよい
のみであるためブレーキシリンダ圧の脈動等が発生する
ことがなく、また、電磁流量制限装置が流量を制限しな
い状態では大きい流量が得られるため、アンチスキッド
制御等、ゆれ戻り防止制御以外の目的で設けられた電磁
弁装置を利用してゆれ戻り防止制御が行われるようにす
ることができる。
発明が解決しようとする課題 しかし、このブレーキ装置においてはブレーキシリン
ダから流出する流体の流量が一定の大きさに制限される
ため、車両を制動の緩急に関係なく制動距離の伸びを少
なく抑えつつゆれ戻り少なく停止させることが困難であ
るという問題があった。制動が急であるほどブレーキシ
リンダ圧が高いため、車両停止までの流出量を多くする
ことが必要であり、制動の緩急に応じて減圧開始時期を
変えればブレーキシリンダ圧の高さに応じて流出量を変
えることができるのであるが、この場合には次のような
問題が生ずる。ブレーキシリンダから流出する流体の流
量を、例えば緩制動時に車両をゆれ戻り少なく停止させ
るのに適した量とすれば、急制動時にゆれ戻り少なく車
両を停止させるためには減圧を車速が大きい段階から開
始することが必要であるが、その場合、減圧は十分に為
されるものの、車両を早急に停止させることが必要であ
るにもかかわらず制動距離が大幅に延び、乗員に制動が
適正に行われるかどうかの不安感を与える問題が生ず
る。また、流量を急制動に適した量とすれば、緩制動時
にブレーキシリンダ圧が低下し過ぎることを防止するた
めには減圧開始を遅くすることが必要であるが、ごく低
い車速を正確に検出することが困難であるため、ゆれ戻
り防止が十分に為されない場合が生ずる。流量を緩制動
と急制動との中間の制動に適した量としてもいずれかの
問題が生ずる。
本発明は、ゆれ戻り防止制御時にブレーキシリンダ内
の流体を継続して1回で流出させるに当たり、その流量
を制動の緩急に応じた量に制御することができる車両用
ブレーキ装置を提供することを課題として為されたもの
である。
問題点を解決するための手段 請求項1に係る発明は、上記の課題を解決するため
に、前記(a)流体圧ブレーキ系,(b)車速検出手
段,(c)停車制御手段を備えたブレーキ装置におい
て、停車制御手段を、通常はブレーキシリンダ内の流体
の流出を阻止しているが、車両速度が基準値に達した後
は流体の流出を許容するとともに、流出する流体の流量
を、車両速度が基準値以下になる前の制動が急である場
合に緩やかである場合に比較して大きくする流出制御装
置を含むものとしたことを特徴とするものである。ま
た、請求項2に係る発明は、停車制御手段を、車両速度
が基準値より大きい第一設定速度以上である状態におい
て、車両の制動の緩急を取得する緩急取得手段と、その
緩急取得手段によって取得された制動の緩急に基づいて
車両速度が第一設定速度から基準値に達するまでの時間
を推定する時間推定手段とを含み、その時間推定手段に
よって推定された時間の経過時から流体の流出を許容す
るものとしたことを特徴とするものであり、請求項3に
係る発明は、緩急取得手段を、車両速度が第一設定速度
より大きい第二設定速度から第一設定速度まで低下する
までの間の車両の平均的減速度を取得するものとしたこ
とを特徴とするものである。
作用および発明の効果 請求項1に記載の車両用ブレーキ装置においては、車
両速度が予め定められた基準値に達した後は、ブレーキ
シリンダからの流体の流出が許容されるが、その流出の
許容流量は車両速度が基準値以下になる前の制動が急で
ある場合に緩やかである場合に比較して大きくされる。
したがって、基準値を制動の緩急に応じた値に設定しな
くても減圧が適切に為され、騒音,振動,脈動等発生回
避の効果を得ながら車両を常に少ない制動距離の延びを
伴うのみでゆれ戻り少なく停止させることができる。
請求項2に記載の車両用ブレーキ装置においては、車
両速度が基準値より大きい第一設定速度以上にある状態
において車両の制動の緩急が取得され、その取得された
制動の緩急に応じて車両速度が第一設定速度から基準値
に達するまでの時間が推定される。ブレーキ操作部材の
操作量が一定であれば、制動が急である場合には緩やか
である場合より、車両速度が第一設定速度以下になって
から基準値に達するまでの時間が短くなるため、そのよ
うに時間が推定されるのである。そして、車両速度が第
一設定速度になってから推定された時間が経過すれば、
基準値に達したと推定されて流体の流出が許容されるの
である。
このように、本発明の車両用ブレーキ装置において
は、車両速度が基準値に達したことを直接検出する必要
がないため、基準値を車両速度を精度よく取得できない
ほど小さい値に設定することが可能となる。基準値より
大きい第一設定速度は車両速度を精度よく取得し得る範
囲に設定し、取得した精度の高い車両速度に基づいて制
動の緩急を精度よく取得し、その精度のよい緩急の取得
結果に基づいて、基準値に達する時期を精度よく推定す
ることができるからである。
請求項3に記載の車両用ブレーキ装置においては、車
両速度が第二設定速度から第一設定速度まで低下するま
での間の平均的な車両減速度が取得される。例えば、車
両速度が第二設定速度から第一設定速度まで低下するま
での時間が長い場合には短い場合より平均的な車両減速
度が小さいとすることができる。平均的な車両減速度を
取得すれば、車両速度を微分して取得する場合等瞬間的
な車両減速度を取得する場合に比較して制動の緩急の取
得精度を向上させることができ、流出許容流量の制御精
度を向上させることができる。
実施例 以下、本発明をフロントエンジン/リヤドライブ式4
輪自動車の2系統アンチロック型液圧ブレーキ装置に適
用した場合の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
第1図において符号10はブレーキ操作部材たるブレー
キペダルであり、このペダル10の踏込み操作に基づいて
マスタシリンダ12の独立した2個の加圧室にそれぞれ同
じ高さの液圧が発生させられる。一方の加圧室に発生さ
せられた液圧は、プロポーショニング/バイパスバルブ
14を経て左右前輪16,18に設けられたブレーキのフロン
トホイールシリンダ20,22に供給される。他方の加圧室
に発生させられた液圧は、プロポーショニング/バイパ
スバルブ14を経て左右後輪24,26に設けられたブレーキ
のリヤホイールシリンダ28,30に供給される。本ブレー
キ装置は前後2系統式なのである。なお、プロポーショ
ニング/バイパスバルブ14は、フロント系統が正常であ
る場合には、リヤ系統のブレーキ液圧を比例的に減圧
し、フロント系統失陥時にはマスタシリンダ12からのブ
レーキ液圧をそのままリヤホイールシリンダ28,30に供
給する役割を果たすものである。本ブレーキ装置におい
て左右前輪16,18はそれぞれ独立にアンチスキッド制御
され、左右後輪24,26は共通してアンチスキッド制御さ
れる。以下、左前輪系統のアンチスキッド制御について
代表的に説明する。
フロントホイールシリンダ20にブレーキ液を供給する
液通路には、電磁液圧抑制弁36が設けられている。電磁
液圧抑制弁36は、アンチスキッド制御時にフロントホイ
ールシリンダ20に供給される液圧の上昇速度を抑えるた
めのものであって電磁開閉弁および絞りを備えており、
そのソレノイドの消磁により開閉弁が開かれてブレーキ
液が絞りを経ないでホイールシリンダ20に供給される非
作用状態とされ、励磁により開閉弁が閉じられて液圧の
上昇を抑制する作用状態とされる。電磁液圧抑制弁36を
通ったブレーキ液は二手に分けられ、一方はホイールシ
リンダ20に、他方はレギュレータバルブ40に供給され
る。レギュレータバルブ40はレギュレータピストン42を
備えており、モータ44により駆動されるポンプ46の吐出
ブレーキ液を蓄積するアキュムレータ48からの液圧をブ
レーキ操作量に応じた液圧(以下、この液圧を制御液圧
と称し、レギュレータバルブ40により調整されて供給さ
れるアキュムレータ48の液を制御液と称する)に変換す
る。
また、ホイールシリンダ20にブレーキ液を供給する主
液通路には減圧バルブ52およびバイパスバルブ54が設け
られ、主液通路は減圧バルブ52よりマスタシリンダ12側
のマスタシリンダ側通路56,減圧バルブ52とバイパスバ
ルブ54とをつなぐ液通路58,バイパスバルブ54よりホイ
ールシリンダ20側のホイールシリンダ側通路60に分けら
れている。バイパスバルブ54のハウジングにはバイパス
ピストン62が液密かつ摺動可能に嵌合されており、その
一方の側に形成された制御圧室64には制御液圧が供給さ
れるようになっている。バイパスピストン62の他方の側
に形成された液圧室66は液通路58,ホイールシリンダ側
通路60に接続されており、ホイールシリンダ側通路60は
バイパス通路68によってマスタシリンダ側通路56に接続
されている。バイパス通路68にはカット弁70が設けら
れ、ホイールシリンダ側通路60の液圧室66とバイパス通
路68とへの連通状態が切り換えられるようになってい
る。バイパスピストン62に制御液圧が作用している間
は、カット弁70がバイパス通路68を閉じてマスタシリン
ダ側通路56とホイールシリンダ側通路60とのバイパス通
路68を経ての連通を遮断するとともに、マスタシリンダ
液圧が液圧バルブ52および液圧室66を経てホイールシリ
ンダ側通路56に伝達されることを許容する一方、制御液
圧が得られなくなった場合には逆の状態となり、マスタ
シリンダ液圧が減圧バルブ52をバイパスしてホイールシ
リンダ側通路60に伝達されることを許容するようになっ
ている。
また、減圧バルブ52のハウジングには減圧ピストン74
が液密かつ摺動可能に嵌合されており、減圧ピストン74
の一方の側に形成された制御圧室76に制御液圧が供給さ
れる。減圧ピストン74の他方の側に形成された容積可変
室78はマスタシリンダ側通路56および液通路58に連通さ
せられており、この容積可変室78とマスタシリンダ側通
路56との接続部にカット弁80が設けられている。カット
弁80は、制御液圧が容積可変室78内の液圧との関係にお
いて高い状態では開いてマスタシリンダ側通路56と容積
可変室78との連通を許容する一方、制御液圧が低下した
場合には閉じてマスタシリンダ側通路56と容積可変室78
との連通を遮断する。この遮断後に更に減圧ピストン74
が制御圧室76側に移動すれば、容積可変室78の容積が増
大し、ホイールシリンダ20から容積可変室78へのブレー
キ液の流出が許容されてホイールシリンダ20の液圧が低
下することとなる。
さらに、減圧バルブ52の制御圧室76に制御液圧を供給
する液通路には、電磁制限弁84および電磁方向切換弁86
が直列に設けられている。電磁制限弁84には絞りが設け
られており、ソレノイドの消磁により、制御圧室76に供
給され、あるいは排出されるブレーキ液の流量を制限し
ない状態とされ、励磁により制限する状態とされる。ま
た、電磁方向切換弁86にはリザーバ通路88によってリザ
ーバ90が接続されており、そのソレノイドの消磁により
制御圧室76をレギュレータバルブ40に連通させ、励磁に
よりリザーバ90に連通させる。したがって、電磁弁84,8
6の切換えの組合せにより、制御圧室76は、レギュレー
タバルブ40に十分な流路面積で連通する状態と、絞りを
経て連通する状態と、リザーバ90に十分な流路面積で連
通する状態と、絞りを経て連通する状態とに切り換えら
れる。それにより制御圧室76の容積が急増,緩増,急
減,緩減させられるとともに、ホイールシリンダ20の液
圧が急増圧,緩増圧,急減圧,緩減圧させられることと
なる。
以上、左前輪系統について説明したが、右前輪系統お
よび左右後輪系統についても同様に構成されており、対
応する部分に同一の符号を付して詳細な説明は省略す
る。ただし、左右後輪系統には電磁液圧制御弁36は設け
られていない。
本液圧ブレーキ装置には更に、リザーバ通路88に電磁
流量制御弁94が設けられている。この制御弁94はソレノ
イドが消磁された状態では閉じて制御液の流れを阻止す
る一方、ソレノイドの励磁によって開き、かつ、供給電
流の大きさに比例して開き量が増大し、制御圧室76から
リザーバ90に排出される制御液、延いてはホイールシリ
ンダ20,22,28,30から排出されるブレーキ液の流量が大
きくなるように構成されている。リザーバ通路88にはま
た、電磁流量制御弁94をバイパスするバイパス通98が設
けられるとともに、常開の電磁開閉弁100が設けられて
いる。
さらに、左右前輪16,18の回転速度がそれぞれ回転セ
ンサ104,106によって検出され、左右後輪24,26の回転速
度が共通の回転センサ108によって検出され、スリップ
率等演算ユニット110に供給されるようになっている。
スリップ率等演算ユニット110は、回転センサ104,106,1
08からの信号に基づいて各車輪の速度,加速度およびス
リップ率等を演算し、アンチスキッド制御ユニット112
に供給し、アンチスキッド制御ユニット112はこれら各
車輪のスリップ率に基づいて電磁液圧抑制弁36,電磁制
限弁84,電磁方向切換弁86を切換え制御する。
通常の制動時には、電磁液圧抑制弁36,電磁制限弁84,
電磁方向切換弁86のいずれのソレノイドも消磁されてお
り、マスタシリンダ12に発生させられた液圧は、マスタ
シリンダ側通路56,液通路58,ホイールシリンダ側通路60
を通ってホイールシリンダに伝達される。それに対し、
アンチスキッド制御時には、アンチスキッド制御ユニッ
ト112がスリップ率等演算ユニット110から供給される車
輪のスリップ率に基づき、車輪のスリップ率が適正範囲
を超えた場合に電磁制限弁84,電磁方向切換弁86を切換
え制御する。それにより制御圧室76に供給される制御液
圧が増減させられ、容積可変室90の容積が変化させられ
てホイールシリンダ液圧が増減させられ、スリップ率が
適正な範囲に保たれる。なお、電磁液圧抑制弁36は、前
輪系統についてアンチスキッド制御が行われる場合に励
磁され、液圧の上昇を抑制する。
アンチスキッド制御ユニット112は、第2図に示され
るように、CPU120,ROM122,RAM124およびそれらを接続す
るバス126を備えたマイクロコンピュータを主体とする
ものであり、バス126には入力インタフェース128を介し
てスリップ率等演算ユニット110およびブレーキペダル1
0の踏込みを検出するブレーキスイッチ130が接続されて
いる。バス126にはまた、出力インタフェース134が接続
されており、出力インタフェース134には駆動回路136,1
38,140,142,144,146をそれぞれ介してモータ44,電磁液
圧抑制弁36,電磁制限弁84,電磁方向切換弁86,電磁流量
制御弁94,電磁開閉弁100が接続されている。さらに、RA
M124には、第3図に示されるように、第一カウンタ,第
二カウンタ,F1フラグ,F2フラグ,F3フラグおよび第一レ
ジスタ,第二レジスタを始めとする複数のカウンタを含
むワークエリアが設けられており、ROM122には第4図,
第5図にフローチャートで示されるメインルーチン,ア
ンチスキッド・ゆれ戻り防止制御用のサブルーチンの
他、第6図の割込みルーチンが記憶されている。割込み
ルーチンは、メインルーチンに対してそのサイクルタイ
ムより短い一定時間毎、例えばメインルーチンのサイク
ルタイム5msに対して1msの一定短時間毎に割込みを行
い、メインルーチンの実行によってRAM124内の各レジス
タに格納される指令を読み出し、出力インタフェース13
4を介して各駆動回路に信号を出力することにより、電
磁弁の制御を行うものである。以下、フローチャートに
基づいてゆれ戻り防止制御について説明する。
電源投入時に第4図に示されるメインプログラムのス
テップS1(以下、S1と略記する。他のステップについて
も同じ。)において初期設定が行われ、第一カウンタ,
第二カウンタ,F1〜F3フラグ等がリセットされる。次い
でS2においてブレーキスイッチ130がONであるか否かの
判定が行われる。制動が行われていない場合は判定結果
はNOであり、S5において第一カウンタ,第二カウンタ,F
1〜F3フラグのリセット等の終了処理が行われてプログ
ラムの実行はS2に戻る。制動が行われている場合にはS2
の判定結果はYESとなり、S3において左前輪16のアンチ
スキッド制御およびゆれ戻り防止制御が行われる。S4に
おいては他の処理、すなわち右前輪18のアンチスキッド
制御,左右後輪24,26のアンチスキッド制御ならびにそ
れらのゆれ戻り防止制御等が行われる。以下、第5図に
示されるフローチャートに基づいて左前輪16のアンチス
キッド制御ならびにゆれ戻り防止制御について説明す
る。
なお、これらの制御は右前輪系統,後輪系統について
も並行的に行われ、F2フラグは3個設けられて各系統を
制御するサブルーチン毎にセット,リセットされるが、
F2フラグは1個のみであって各サブルーチンに共通であ
り、いずれか一つの系統においてF1フラグをセットする
状況が生じた場合、他の系統もそれに従うこととなる。
また、このプログラムは一定短時間毎に繰返し実行され
る。
まず、S11においてスリップ率等演算ユニット110から
車輪速度Viが読み込まれ、S12において推定車体速度
(以下、車速と略記する)V1が読み込まれる。続いてS1
3において車速V1が10km/h以下であるか否かの判定が行
われ、大きい場合には判定結果はNOとなり、S14におい
てF2フラグがセットされているか否かの判定が行われ
る。F2フラグは初期設定においてリセットされており、
S14が最初に行われる場合の判定結果はNOであってS15が
実行される。S15においては車輪速度Viが車速V1からα
を引いた速度より小さいか否かの判定が行われる。小さ
い場合には、制動力が路面の摩擦係数に比較して大き
く、左前輪16のスリップが過大な状態になっており、ア
ンチスキッド制御が必要であることを意味し、S16にお
いてF1フラグ,F2フラグがセットされた後、S17において
アンチスキッド制御が行われる。制動開始時には、第1
図に示されるようにマスタシリンダ圧がホイールシリン
ダ20に供給される状態となっており、S17においてはま
ず電磁方向切換弁86を制御圧室76をリザーバ90に連通さ
せる状態に切り換えるべき旨の指令が出され、RAM124に
設けられたレジスタに格納される。この指令の実行によ
り切換弁86が切り換えられれば、フロントホイールシリ
ンダ20の液圧が低下させられる。このとき電磁流量制御
弁94は閉じられるとともに電磁開閉弁100は開かれてお
り、フロントホイールシリンダ20から排出されたブレー
キ液は十分な流量でリザーバ90に流入する。
次いで、S18において車速V1が5km/h以下であるか否か
の判定が行われる。アンチスキッド制御が開始された当
初は車速V1は5km/hより大きいのが普通であり、この判
定結果はNOとなり、1回のサブルーチンの実行が終了す
る。一旦アンチスキッド制御が開始されれば、次にS14
が実行されるとき、その判定結果はYESとなり、S15,S16
はバイパスされてS17が実行され、左前輪16のスリップ
状態に応じて適宜の制御が行われる。すなわち、スリッ
プが過大である場合にはホイールシリンダ20が急減圧状
態あるいは緩減圧状態とされ、スリップが小さくなれば
急増圧状態あるいは緩増圧状態に切り換えられるのであ
り、それによりホイールシリンダ20の液圧が適正範囲に
制御され、左前輪16のスリップが適正範囲に保たれる。
このようにアンチスキッド制御が行われている状態で
車速が10km/h以下となった場合にはS13の判定結果がYES
となるのであるが、S20の判定結果はNOであり、アンチ
スキッド制御が継続して行われる。一旦アンチスキッド
制御が開始された場合には、車速が10km/h以下となって
もS21以下のゆれ戻り防止制御は行われないのである。
なお、F1フラグは3系統のプログラムについて共通であ
るため、いずれかの系統においてアンチスキッド制御が
行われてF1フラグがセットされた場合には、他の系統に
おいてアンチスキッド制御が行われない場合にもS20の
判定結果がNOとなり、全部の系統についてゆれ戻り防止
制御は行われない。そして、車速V1が5km/hより小さく
なった場合には、ブレーキペダル10が踏み込まれたまま
の状態であってもアンチスキッド制御は不要であるた
め、S18の判定結果がYESとなったとき、S19においてF1
フラグ,F2フラグがリセットされてプログラムの実行は
メインルーチンに戻る。
これに対し、車輪速度Viが車速V1からαを引いたもの
より大きい場合には左前輪16のスリップは適正範囲にあ
るため、アンチスキッド制御を行う必要はなく、S15の
判定結果はNOとなり、サブルーチンの実行は終了する。
そして、いずれの系統についてもアンチスキッド制御が
行われずに車速V1が10km/h以下となった場合にS13,S20
の判定結果がYESとなり、S21以下においてゆれ戻り防止
制御が行われる。
S21においてはF3フラグがONであるか否かの判定が行
われるが、F3フラグは初期設定においてリセットされて
いるため判定結果はNOであり、S22において車速V1が読
み込まれた後、S23において車速V1が5km/h以下であるか
否かの判定が行われる。この判定結果がNOである場合に
はS24が実行され、第一カウンタのカウント数C1が1増
加させられてプログラムの実行はメインルーチンに戻
る。以下、S23の判定結果がYESとなるまでS11〜S13,S20
〜S24が繰返し実行される。車速V1が10km/h以下になっ
てから5km/h以下になるまでの時間が第一カウンタのカ
ウント値として計測されるのである。
車速V1が5km/h以下になればS25において定数Kおよび
時間C1に基づいて、車速V1が5km/h以下になったときか
ら実際に減圧を開始するまでの時間CAが算出される。車
速V1が5km/h以下になったとき直ちに減圧を開始しない
のは、減圧を行えば制動距離が伸びるため、減圧時間を
短くして制動距離の伸びをできる限り少なくするためで
あり、定数Kは電磁制限弁84の減圧特性(例えば単位時
間当たりの減圧量)や車両のブレーキ特性等に基づい
て、車両をゆれ戻り少なく、かつ、短い制動距離で停止
させるのに適当な時間CAが得られるように決定されてい
る。なお、車両速度が10km/hから5km/hまで低下するま
での時間が時間C1である場合には、車両速度が10km/hか
ら5km/hまで低下するまでの間の平均的な減速度は、逆
数(1/C1)に比例する大きさ{速度差(10km/h−5km/
h)/時間C1=定数K′×1/C1}になる。したがって、
時間CA経過後の車両速度vは、 v=5km/h−{K′×(1/C1)×CA} =5km/h−{K′×(1/C1)×K×C1)=5km/h−(K′
×K) となり、車両減速度の大きさの大小にかかわらず一定の
大きさになる。本実施例においては、この車両速度が5k
m/hに達してから時間CA経過後に達する一定の速度vが
基準値とされていることになる。
次いで、S26において電磁流量制御弁94のソレノイド
に供給する電流量Iが算出され、電磁流量制御弁94が許
容する流量が設定されるとともに、電磁流量制御弁94に
電流量Iを供給する旨の指令が出される。電流量Iは定
数KIを時間C1で除することにより求められ、制動が急で
あってC1が小さいほど大きくなり、電磁流量制御弁94の
許容流量が大きくなるようにされている。制動が急であ
るほどホイールシリンダ液圧が大きく、車両を制動距離
の無用な伸長やゆれ戻りを生ずることなく停止させるた
めには減圧量を大きくすることが必要であるからであ
り、定数KIは制動の緩急に応じて適当な流量が得られる
ように決定されている。なお、この電流量Iの設定と共
に電磁流量制御弁94への電流供給指令を出すのは、後に
減圧を行う場合に電磁流量制御弁94が既にブレーキ液を
適正な流量に制御する状態となっているようにするため
である。
そして、S27においてF3フラグがセットされた後、S28
において第二カウンタのカウント値C2が1増加させられ
た後、S29においてカウント値C2がCA以上であるか否か
の判定が行われるが、この判定結果は当初はNOであり、
プログラムの実行はメインルーチンに戻る。次にS21が
実行されるとき判定結果はYESであり、S22〜S27がバイ
パスされてS28が実行され、以下、S29の判定結果がYES
になるまでS11〜S13,S20,S21,S28が繰り返し実行され
る。S29の判定結果がYESになったならばS30においてカ
ウント値C2がCAにCBを加えた値以上であるか否かの判定
が行われる。CBは減圧を行う時間であるが、車速が5km/
h以下になる前の減速度の大きさに応じて車両をゆれ戻
り少なく停止させるのに必要な減圧時間が複数種類ROM1
22に記憶されており、その中から減速度に対応する減圧
時間が選択される。S30の判定結果は当初はNOであり、S
31においてゆれ戻り防止制御が行われる。電磁方向切換
弁86を減圧バルブ52の制御圧室76をリザーバ90に連通さ
せる状態に切り換え、電磁制限弁84を制御圧室76から流
出するブレーキ液の流量を絞る状態に切り換えてホイー
ルシリンダ20を緩減圧状態とするとともに、電磁開閉弁
100を閉じるべき旨の指令が出されるのである。
ゆれ戻り防止制御が行われるのはアンチスキッド制御
が行われないときであるため、S31が実行されるときホ
イールシリンダ20は増圧状態にあって電磁方向切換弁86
が減圧バルブ52の制御圧室76をリザーバ90から遮断して
おり、ホイールシリンダ20からのブレーキ液の流出が阻
止された状態にある。しかし、上記指令に基づいて電磁
弁の切換えが行われることにより、制御圧室76から制御
液が緩やかに流出するとともにホイールシリンダ20から
ブレーキ液が流出し、制御液が電磁流量制御弁94により
流量を絞られてリザーバ90に流入することにより、ホイ
ールシリンダ20から流出するブレーキ液も電磁流量制御
弁94によって流量を制限されて流出するに等しい状態と
なる。この際、電磁流量制御弁94が許容する流量は制動
の緩急に応じた量であるため、第7図に示すように急制
動時にはホイールシリンダ圧が高いもののブレーキ液が
大流量で流出させられることによりホイールシリンダ圧
が短時間で減圧させられ、緩制動時には小流量で流出さ
せられて比較的長い時間で減圧させられることとなり、
制動が緩急いずれの状態で行われても車両は制動距離の
無用な伸びを生ずることなくゆれ戻り少なく停止させら
れる。そして、ゆれ戻り防止制御中に制動が解除される
ことがなく、減圧がCB時間行われればS30の判定結果がY
ESとなり、S32の判定結果がNOとなって、S33においてゆ
れ戻り防止制御が解除される。ホイールシリンダ20を緩
増圧状態に切り換える(電磁方向切換弁86を制御圧室76
をレギュレータバルブ40に連通させる状態に切り換え、
電磁制限弁84を制御圧室76に供給されるブレーキ液の流
量を制限する状態に切り換える)とともに電磁開閉弁10
0を開くべき旨の指令が出されるのであり、その指令の
実行によりホイールシリンダ20の液圧が増圧され、ブレ
ーキ装置が車両を制動する状態に比較的緩やかに復帰さ
せられる。
増圧がCC時間行われた後、S32の判定結果がYESとな
り、S34においてホイールシリンダを急増圧状態に切り
換える(電磁制限弁84を制御圧室76に供給するブレーキ
液の流量を制限しない状態とする)とともに電磁流量制
御弁94への電流の供給を停止する旨の指令が出される。
この指令の実行によりブレーキ装置は通常通りマスタシ
リンダ圧によって車両を制動する状態に復帰させられ
る。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、回転センサ104,106,108,スリップ率等検出ユニット
110が車速検出手段を構成し、電磁方向切換弁86,電磁流
量制御弁94が流出制御装置を構成するとともに、ROM122
のS11〜S13,S20〜S34を記憶する領域,CPU120のそれらス
テップを実行する部分,RAM124に設けられたカウンタ等
と共に停車制御手段を構成しているのである。電磁方向
切換弁86は本来アンチスキッド制御用に設けられたもの
であり、これをゆれ戻り防止制御に利用することにより
コストの増大を低く抑える抑えることができる。
また、停車制御手段のうち、ROM122のS13,22〜24を記
憶する領域およびCPU120のそれらステップを実行する部
分等により緩急取得手段が構成され、S25を記憶し実行
する部分等により時間推定手段が構成される。本実施例
においては、第二設定速度が10km/hで、第一設定速度が
5km/hであり、基準値が第一設定速度から時間CA後に達
する車両速度である。
また、本実施例においては、アンチスキッド制御時に
制御液が電磁流量制御弁94をバイパスしてリザーバ90に
排出されるようになっているが、電磁流量制御弁94をア
ンチスキッド制御に十分な流量で制御液の排出を許容す
るものとすれば、バイパス通路98,電磁開閉弁100は省略
することができる。
本発明の別の実施例を第8図に示す。本実施例は、電
磁流量制御弁94に代えて、マスタシリンダ液圧が作用さ
せられることにより通過を許可する流量を機械的に制御
する流量制御弁150を設け、流量制御装置を構成したも
のである。流量制御弁150のハウジング152に形成された
シリンダボア154には有底円筒状のピストン156が液密か
つ摺動可能に嵌合されており、その一方の側に形成され
た大気圧室158は液通路160によってリザーバ90に接続さ
れ、他方の側に形成されたパイロット圧室164は液通路1
66によりフロントホイールシリンダ20,22にブレーキ液
を供給する液通路に接続されてマスタシリンダ圧が供給
されるようになっている。ピストン156は大気圧室158内
に配設された圧縮コイルスプリング168によってパイロ
ット圧室164側に付勢されており、非制動時には、パイ
ロット圧室164側の端面に形成された突起170がシリンダ
ボア154を閉塞するプラグ172に当接する後退端位置にあ
るが、制動時にマスタシリンダ圧が発生させられればス
プリング168の付勢力に打ち勝って前進(図において左
方に移動)する。スプリング168は圧縮量と付勢力とが
比例する線型のものであり、ピストン156の移動量はマ
スタシリンダ圧に比例して増大する。
ハウジング152のピストン156の摺動時にも常にピスト
ン156と対向する部分には、シリンダボア154に開口する
円環状通路174が形成されるとともに、この通路174はポ
ート175,液通路176によって電磁方向切換弁86に接続さ
れている。また、ピストン156の側壁にはスリット178が
形成されており、減圧バルブ52の制御圧室76から流出す
る制御液は、液通路176,ポート175,円環状通路174,スリ
ット178,大気圧室158,液通路160を通ってリザーバ90に
排出される。このスリット178は、ピストン156が後退端
位置にあるとき、その前端部が円環状通路174の後端部
に開口する状態となるように形成されている。スリット
178の円環状通路174に対する開口面積は、ピストン156
の移動量、すなわちマスタシリンダ圧に比例し、流量制
御弁150を通ってリザーバ90に排出される制御液の流量
はマスタシリンダ圧が大きいほど大きくなるのである
が、スリット170の単位開口面積に対する排出流量,ス
プリング168のばね定数,ピストン156の受圧面積等は、
流量制御弁150の許容流量が制動の緩急に対応した大き
さであって、車両を常に短い制動距離でゆれ戻り少なく
停止させ得る大きさとなるように設定されている。さら
に、液通路160と176とをつなぎ、流量制御弁150をバイ
パスするバイパス通路184が設けられるとともに、電磁
開閉弁186が設けられている。
本液圧ブレーキ装置においては、制動が行われれ、ブ
レーキペダル10の踏込みによりマスタシリンダ液圧が発
生させられるのに伴ってピストン156が前進させられ、
流量制御弁150の許容流量がマスタシリンダ液圧の高
さ、すなわち制動の緩急に応じた大きさとされる。アン
チスキッド制御時には、前記実施例の場合と同様に電磁
開閉弁186が開かれたままであり、減圧バルブ52の制御
液圧室76から排出されたブレーキ液は電磁開閉弁186を
通ってリザーバ90に排出される。
ゆれ戻り防止制御は、第5図のフローチャートのうち
S26が行われない他は前記実施例と同様に行われ、車速
が5km/h以下になって一定時間CAが経過した後、ホイー
ルシリンダ20が緩減圧状態に切り換えられるとともに電
磁開閉弁186が閉じられることにより、制御液は流量制
御弁150を通ってリザーバ90に排出される状態となる。
流量制御弁150が通過を許容する流量は制動の緩急に応
じた量とされているため、車両は制動の緩急に関係なく
常にゆれ戻り少なく、かつ、制動距離の伸びが少ない状
態で停止させられることとなる。
また、流量制御弁150はマスタシリンダ圧が作用させ
られることにより流量が機械的に制動の緩急に対応した
大きさとなるようにされており、電磁弁を用いる場合に
比較して装置コストを低減させることができる。
なお、スプリング168は線型のものとされていたが、
非線型のスプリングを用いてもよく、また、スリット17
8は非制動時に円環状通路174と連通しないようにしても
よい。
本発明の更に別の実施例を第9図に示す。本実施例
は、前記流量制御弁150と同様にして流量を制御する流
量制御弁190を用いて流出制御装置を構成するととも
に、ゆれ戻り防止制御の途中にブレーキペダル10が踏み
増された場合に減圧が中止されるようにしたものであ
る。本流量制御弁190は、ハウジング192内に前記流量制
御弁150を設けた構造を有する。このハウジング192に形
成されたシリンダボア194には、有底円筒状のアウタピ
ストン196が液密かつ摺動可能に嵌合され、その底壁と
ハウジング192との間に形成されたパイロット圧室200は
液通路202によって電磁液圧抑制弁36とレギュレータ40
との間の部分に接続され、電磁液圧抑制弁36を経た液圧
が供給されるようになっている。また、アウタピストン
196の他方の側に形成されたパイロット圧室206は液通路
208によって電磁液圧抑制弁36よりマスタシリンダ12側
の部分に接続され、電磁液圧抑制弁36の制御を受けない
マスタシリンダ圧が供給されるようになっている。これ
らパイロット圧室200,206にはそれぞれスプリング210,2
12が配設されており、両室200,206の液圧が等しいと
き、アウタピストン196をハウジング192の中央のノーマ
ル位置に保つようにされている。
アウタピストン196の側壁には半径方向通路214および
円環状通路215が形成されており、アウタピストン196が
ノーマル位置にあるとき、ハウジング192に形成された
ポート216,液通路218によって電磁方向切換弁86に接続
されるようになっている。また、アウタピストン196内
には有底円筒状のインナピストン222がその開口側を第
一ピストン196の底壁側に向けて液密かつ摺動可能に嵌
合されている。したがって、インナピストン222は、そ
の一方の端面にマスタシリンダ圧を受ける一方、アウタ
ピストン196の底壁との間には大気圧室224が形成され、
アウタピストン196の側壁に形成された半径方向通路22
6,円環状通路227,ハウジング192に形成されたポート22
8,液通路230によってリザーバ90に連通させられるよう
になっている。このインナピストン216は大気圧室224内
に配設された圧縮コイルスプリング232によってパイロ
ット圧室206側に付勢されるとともに、その側壁にはス
リット234が形成されており、前記ピストン156と同様に
流量制御弁190が通過を許容する流量が制動の緩急に応
じた量となるようにされている。さらに、電磁流量制御
弁190をバイパスするバイパス通路238が設けられるとと
もに、電磁開閉弁240が設けられている。
本液圧ブレーキ装置においては、通常の制動時には電
磁液圧抑制弁36は液圧を抑制しない状態にあり、パイロ
ット圧室200とパイロット圧室206とは液圧が等しく、ア
ウタピストン196がノーマル位置にあり、インナピスト
ン222はマスタシリンダ圧に対応する位置にあり、流量
制御弁190は制動の緩急に対応した量で制御液の通過を
許容する状態にある。アンチスキッド制御時には電磁開
閉弁240が開かれており、制御液はバイパス通路238を通
ってリザーバ90に排出される。
ゆれ戻り防止制御は第5図に示されるフローチャート
のうちS26が行われず、S31においてホイールシリンダの
緩減圧状態への切換え指令、電磁開閉弁240の閉指令と
共に電磁液圧抑制弁36の励磁指令が出される点において
異なっている。それにより電磁液圧抑制弁36はマスタシ
リンダ圧の上昇を抑制する状態とされ、マスタシリンダ
12の液圧が上昇させられるとき、電磁液圧抑制弁36より
下流側の液圧はその上昇が遅れることとなるのである
が、ゆれ戻り防止制御時にはブレーキペダル10はほぼ一
定の踏込み位置に保たれるため、電磁液圧抑制弁36を経
た液圧も経ない液圧も高さは等しく、アウタピストン19
6はノーマル位置に保たれる。そして、ゆれ戻り防止制
御時にブレーキペダル10が踏み増された場合には、パイ
ロット圧室206にはマスタシリンダ12に発生させられる
液圧がそのまま供給されるのに対し、パイロット室200
には液圧抑制弁36によって上昇が遅らされた液圧が供給
されるため液圧差が生じ、アウタピストン196がパイロ
ット圧室200側に移動させられ、半径方向通路214とポー
ト216との連通が遮断されて電磁方向切換弁86がリザー
バ90から遮断される。それによりホイールシリンダから
のブレーキ液の流出が止められて減圧によるゆれ戻り防
止制御が中止され、車両はブレーキペダル10の踏増しに
従って早急に停止させられることとなる。
ゆれ戻り防止制御の途中に踏増しが行われた際の時間
とマスタシリンダ液圧,電磁液圧抑制弁36により抑制さ
れる液圧,車速,ホイールシリンダ液圧,電磁弁の切換
指示との関係を第10図に示す。電磁液圧抑制弁36により
上昇を抑制される液圧がマスタシリンダ圧と等しい高さ
まで上昇するに従ってアウタピストン196はノーマル位
置に向かって後退させられ、減圧時間CBが経過する前に
両液圧が等しくなれば再び電磁方向切換弁36が流量制御
弁190を経てリザーバ90に連通する状態とされ、減圧時
間CBが経過するまで低下させられることとなる。
このように本実施例の液圧ブレーキ装置においては、
ゆれ戻り防止制御中にブレーキペダル10が踏み増された
とき、ゆれ戻り防止制御が中止されるようになっている
が、ブレーキペダル10の踏込みがマスタシリンダ液圧と
電磁液圧抑制弁36により抑制された液圧との比較によっ
て検出されるようになっているため、スイッチ等を設け
て踏増しを電気的に検出する場合に比較して装置コスト
の上昇を抑えることができる。
なお、ブレーキペダル10が踏み増されたとき、制御圧
室76に液圧が供給されてホイールシリンダ圧が増大させ
られるようにしてもよい。レギュレータバルブ40と制御
圧室76とを接続する液通路を設けるとともに、その液通
路をアウタピストン196がノーマル位置にあるときには
閉じているが、ブレーキペダル10が踏み増されてアウタ
ピストン196が移動させられ、電磁方向切換弁86とリザ
ーバ90との連通が遮断されるとき、開いて制御圧室76に
制御圧が供給されるようにすればよいのである。
上記各実施例においてはいずれもアンチスキッド制御
用に設けられた電磁方向切換弁86を利用して流出制御装
置が構成されていたが、通常はホイールシリンダからの
ブレーキ液の流出を直接阻止するとともに、制動の緩急
に応じた流量で排出することを許容する専用の流出制御
装置を設けてもよい。
また、流出制御装置はブレーキシリンダから流出する
流体の流量を連続的に変えるものに限らず、複数の電磁
弁等を用いることにより多段階に変えるものとしてもよ
い。
さらに、上記実施例においては、容積式のアンチスキ
ッド装置を備えた液圧ブレーキ装置に本発明を適用した
場合について説明したが、還流式のアンチスキッド装置
を備えた液圧ブレーキ装置や、車輪の回転を抑制するこ
とにより加速スリップ制御を行う装置を備えた液圧ブレ
ーキ装置の他、アンチスキッド装置等を備えない液圧ブ
レーキ装置や、液圧以外の流体によって制御するブレー
キ装置にも本発明を適用することができる。
その他、いちいち例示することはしないが、当業者の
知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明
を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である液圧ブレーキ装置の系
統図である。第2図はその液圧ブレーキ装置においてア
ンチスキッド制御を行うユニットの構成を示すブロック
図である。第3図は上記ユニットの主体を成すコンピュ
ータのRAMの構成を示すブロック図である。第4図,第
5図および第6図はそれぞれ、上記コンピュータのROM
に記憶されたプログラムを示すフローチャートである。
第7図はゆれ戻り防止制御時に発せられる制御信号,マ
スタシリンダ液圧,ホイールシリンダ液圧,車速を示す
タイムチャートである。第8図は本発明の別の実施例で
ある液圧ブレーキ装置の系統図である。第9図は本発明
の更に別の実施例である液圧ブレーキ装置の系統図であ
る。第10図はその液圧ブレーキ装置によるゆれ戻り防止
制御時および踏増し時におけるマスタシリンダ圧,ホイ
ールシリンダ圧,車速等を示すタイムチャートである。 10:ブレーキペダル、12:マスタシリンダ 16:左前輪、18:右前輪 20,22:フロントホイールシリンダ 24:左後輪、26:右後輪 28,30:リヤホイールシリンダ 36:電磁液圧抑制弁、86:電磁方向切換弁 90:リザーバ、94:電磁流量制御弁 98:バイパス通路、100:電磁開閉弁 104,106,108:回転センサ 110:スリップ率等演算ユニット 112:アンチスキッド制御ユニット 150:流量制御弁、156:ピストン 158:大気圧室、164:パイロット圧室 174:円環状通路、178:スリット 184:バイパス通路、186:電磁開閉弁 190:流量制御弁、196:アウタピストン 200,206:パイロット圧室 214:半径方向通路、222:インナピストン 234:スリット、238:バイパス通路 240:電磁開閉弁

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪の回転を抑制するブレーキのブレーキ
    シリンダにブレーキ操作部材の操作力,操作ストローク
    等操作量に応じた圧力を発生させ、車輪の回転を抑制す
    る流体圧ブレーキ系と、 車両の速度を検出する車速検出手段と、 その車速検出手段により検出される車両速度が予め定め
    られた基準値以下になった後は前記ブレーキシリンダの
    圧力を低下させて停車時のゆれ戻りを低減させる停車制
    御手段と を備えた車両用ブレーキ装置において、 前記停車制御手段を、通常はブレーキシリンダ内の流体
    の流出を阻止しているが、前記車両速度が前記基準値に
    達した後は流体の流出を許容するとともに、流出する流
    体の流量を、車両速度が基準値以下になる前の制動が急
    である場合に緩やかである場合に比較して大きくする流
    出制御装置を含むものとしたことを特徴とする車両用ブ
    レーキ装置。
  2. 【請求項2】前記停車制御手段を、車両速度が前記基準
    値より大きい第一設定速度以上である状態において、前
    記車両の制動の緩急を取得する緩急取得手段と、その緩
    急取得手段によって取得された制動の緩急に基づいて車
    両速度が前記第一設定速度から前記基準値に達するまで
    の時間を推定する時間推定手段とを含み、その時間推定
    手段によって推定された時間の経過時から流体の流出を
    許容するものとしたことを特徴とする請求項1に記載の
    車両用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記緩急取得手段を、前記車両速度が前記
    第一設定速度より大きい第二設定速度から前記第一設定
    速度まで低下するまでの間の車両の平均的減速度を取得
    するものとしたことを特徴とする請求項2に記載の車両
    用ブレーキ装置。
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