JPH05178191A - アンチスキッド制御機能を備えたブレーキ装置 - Google Patents

アンチスキッド制御機能を備えたブレーキ装置

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JPH05178191A
JPH05178191A JP35933391A JP35933391A JPH05178191A JP H05178191 A JPH05178191 A JP H05178191A JP 35933391 A JP35933391 A JP 35933391A JP 35933391 A JP35933391 A JP 35933391A JP H05178191 A JPH05178191 A JP H05178191A
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hydraulic pressure
brake
skid control
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braking
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JP35933391A
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Yoshiyuki Nakayama
佳行 中山
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキ操作状態とは無関係に大きな制動エ
ネルギを供給するエネルギ源を備えたアンチスキッド制
御装置において、ブレーキ操作が低減されたときアンチ
スキッド制御が終了されるようにする。 【構成】 アキュムレータの液圧が電磁液圧制御弁によ
り制御されてブレーキシリンダに出力され、車輪の回転
が抑制される。通常制動時にはブレーキペダルの踏力F
B に基づいて決定される目標液圧PB が出力液圧PO
される(S12)。アンチスキッド制御開始条件が満た
されれば、車輪速度偏差eに基づいてアンチスキッド制
御時の目標液圧PA が決定され(S14)、出力液圧P
O とされる(S17)。目標液圧PA が目標液圧PB
上回れば目標液圧PB が出力液圧PO とされてアンチス
キッド制御が終了され(S19,S20)、運転者の意
図に従って制動が行われる状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアンチスキッド制御機能
を備えたブレーキ装置に関するものであり、特に、アン
チスキッド制御の終了に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アンチスキッド制御は車両用ブレーキ装
置において広く行われている。例えば、「トヨタクレス
タ新型車解説書(昭和63年8月発行)」に記載の車両
用ブレーキ装置は、ブレーキペダルの踏込みによりマス
タシリンダの加圧室に液圧を発生させ、その液圧を車輪
に設けられたブレーキのブレーキシリンダに供給し、車
輪の回転を抑制する所謂マニュアル式のブレーキ装置で
あり、マスタシリンダとブレーキシリンダとを接続する
液通路中に電磁方向切換弁が設けられ、ブレーキシリン
ダがマスタシリンダに連通させられて液圧が増大する増
圧状態と、リザーバに連通させられて液圧が減少する減
圧状態と、いずれにも連通せず、液圧が一定の高さに保
持される保持状態とに切り換えられてアンチスキッド制
御が行われるようにされている。この切換えは制御装置
により行われ、車輪のスリップが適正範囲を超えた場合
には、まず、ブレーキシリンダ圧が減圧され、その後、
増圧,保持および減圧が繰り返し行われてスリップが適
正範囲に保たれる。そして、ブレーキペダルの踏込みが
解除され、あるいは車体速度が設定速度より低くなる
等、予め定められた条件が満たされたときにアンチスキ
ッド制御が終了させられる。
【0003】このブレーキ装置においては、アンチスキ
ッド制御が開始された後に車両の減速を緩やかにする必
要が生じた場合に、運転者は単にブレーキペダルの踏込
み力を小さくするのみでよい。アンチスキッド制御がマ
スタシリンダを液圧源とし、その液圧を上限として行わ
れるため、アンチスキッド制御中であっても、ブレーキ
ペダルの踏込み力が軽減させられてアンチスキッド制御
中のブレーキシリンダ圧以下にされれば、マスタシリン
ダ圧の低下につれてブレーキシリンダ圧も低下し、車両
の減速度が小さくなるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アンチ
スキッド制御が、ブレーキ操作部材の操作ストローク,
操作力等の操作状態量とは無関係なエネルギを供給する
エネルギ源を用いて行われるブレーキ装置においては、
ブレーキペダルの踏込み力を軽減するなどブレーキ操作
部材の操作状態を低減させるのみでは車両の減速度が小
さくならず、ブレーキ操作部材を一旦非操作状態にして
アンチスキッド制御を解除した後、再び適度な操作状態
にすることが必要であった。この種のブレーキ装置は、
(a)ブレーキ操作部材と、(b)車輪の回転を抑制す
るブレーキと、(c)ブレーキ操作部材の操作ストロー
ク,操作力等操作状態量とは無関係なエネルギを供給す
るエネルギ源と、(d)そのエネルギ源のエネルギを調
整してブレーキに供給する調整装置と、(e)車輪のス
リップが適正範囲を超えた場合に車輪のスリップを適正
範囲に保つように調整装置を制御するアンチスキッド制
御手段とを含むように構成される。電気制御式ブレーキ
装置がその一例である。電気制御式ブレーキ装置には、
特開昭63−20256号公報に記載されているよう
に、エネルギ源としてのアキュムレータの液圧を調整装
置としての電磁液圧制御弁により制御してブレーキシリ
ンダに供給し、それによりブレーキパッドがブレーキデ
ィスクに押圧され、車輪の回転を抑制するものがある。
電磁液圧制御弁は、ブレーキシリンダに供給する液圧を
増大させる状態,一定に保つ状態,減少させる状態に切
り換わり、ソレノイドの励磁電流の大きさに比例する高
さの液圧をブレーキシリンダに供給するものであり、車
輪のスリップが適正範囲を超えた場合には、車輪のスリ
ップを適正範囲に保つように電磁液圧制御弁の出力液圧
が制御される。急ブレーキ操作が行われてアンチスキッ
ド制御が開始されれば、車両はそのときの路面の摩擦係
数によって得られる最大の減速度で制動されるのである
が、途中で運転者がそれほど大きな減速度は不必要と考
えてブレーキ操作部材の操作状態を低減させることがあ
る。しかし、上記電気制御式ブレーキ装置においては前
記マニュアル式のブレーキ装置のマスタシリンダに対応
するのがアキュムレータであり、アキュムレータの蓄液
圧はブレーキ操作部材の操作状態とは無関係に高く保た
れるため、ブレーキ操作部材の操作状態が低減させられ
てもブレーキシリンダ圧は低くならない。そのため、ブ
レーキ操作部材を一旦解放してアンチスキッド制御を解
除し、その後、所望の減速度が得られるようにブレーキ
操作部材を操作し直すことが必要であったのである。こ
の問題は、特開昭63−242764号公報に記載され
ているように、電源をエネルギ源とし、その電源の電力
が調整装置により調整されてモータに供給され、ブレー
キパッドがモータにより駆動されてブレーキディスクに
押圧されることによって車輪の回転が抑制される電気制
御式ブレーキ装置においても同様に生ずる。また、電気
制御式ブレーキ装置に限らず、マニュアル式ブレーキ装
置であっても、アンチスキッド制御がマスタシリンダと
は別に設けられたアキュムレータをエネルギ源として行
われるブレーキ装置においては同様の問題が生ずる。こ
のブレーキ装置においては、通常制動時にはマスタシリ
ンダとブレーキシリンダとが連通させられ、マスタシリ
ンダの加圧室に発生した液圧によって車輪の回転が抑制
されるが、アンチスキッド制御時にはマスタシリンダと
ブレーキシリンダとの連通が遮断される一方、アキュム
レータとブレーキシリンダとが連通させられ、アキュム
レータから供給される液圧が電磁液圧制御弁により制御
されてブレーキシリンダに供給される。このブレーキ装
置においてもアンチスキッド制御用のエネルギ源は高い
液圧を蓄えるアキュムレータであるため、前記電気制御
式ブレーキ装置とは事情は同じなのである。本発明は、
ブレーキ操作部材の操作状態量とは無関係なエネルギを
供給するエネルギ源によりアンチスキッド制御を行う形
式のブレーキ装置において、一旦、アンチスキッド制御
が開始された後に運転者が車両の減速を緩やかにするこ
とを望む場合には、単にブレーキ操作部材の操作状態を
低減させればよいブレーキ装置を提供することを課題と
して為されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、前記(a)ブレーキ操作部材,(b)
ブレーキ,(c)エネルギ源,(d)調整装置および
(e)アンチスキッド制御手段を備えたブレーキ装置に
おいて、(f)ブレーキ操作部材の操作状態量を検出す
る操作状態量検出手段と、(g)制動効果,制動力,ブ
レーキシリンダ液圧等の実制動状態量を取得する実制動
状態量取得手段とを設けるとともに、前記アンチスキッ
ド制御手段に、アンチスキッド制御時の実制動状態量が
ブレーキ操作部材の操作状態量に対応して決まる目標制
動状態量を上回ったときにアンチスキッド制御を終了す
るアンチスキッド制御終了手段を設けたことを要旨とす
るものである。なお、ここにおいて「制動効果」とは、
実際に得られる車両減速度の大きさのことであり、車両
減速度自体の検出のみならず、ブレーキディスクからブ
レーキパッド等を支持する支持体に加えられる周方向の
力の検出等によっても検出可能であり、「実制動状態
量」は、この制動効果の他に制動力(ブレーキの作動
力)やブレーキシリンダ液圧等、制動効果を生じさせる
原因となる量をも含む。
【0006】
【作用】以上のように構成されたブレーキ装置において
は、ブレーキ操作部材の操作を一旦解放しなくても、ア
ンチスキッド制御時の実制動状態量がブレーキ操作部材
の操作状態量に対応して決まる目標制動状態量を上回れ
ばアンチスキッド制御が終了させられる。アンチスキッ
ド制御の途中であっても、運転者がブレーキ操作部材の
操作状態を低減させれば、実制動状態量が目標制動状態
量を上回ってアンチスキッド制御が終了させられ、以後
はブレーキ操作部材の操作状態に応じた制動が行われ
て、車両の減速度を運転者の意志通りに制御することが
可能となるのである。なお、本発明に係るブレーキ装置
においては、操作状態が低減させられなくても、アンチ
スキッド制御中に路面の摩擦係数が増大したのに伴って
アンチスキッド制御手段により実制動状態量が増大させ
られた結果、実制動状態が目標制動状態量を上回ること
になった場合にもアンチスキッド制御が解除されるが、
このときには必ず車輪のスリップが適正範囲にあり、ア
ンチスキッド制御が解除されても、それによって再びス
リップが過大となることはないのであって差し支えはな
く、むしろ不必要なアンチスキッド制御が解除されるこ
とは望ましいことである。
【0007】
【発明の効果】このように本発明によれば、ブレーキ操
作部材の操作量とは無関係なエネルギを供給するエネル
ギ源を用いてアンチスキッド制御を行うブレーキ装置に
おいて、アンチスキッド制御が開始された後に運転者が
車両の減速を緩やかにすることを望む場合には、ブレー
キ操作部材の操作を一旦解放しなくても単に操作状態を
低減させればよいこととなり、操作性が向上する効果が
得られる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例であるアンチスキッ
ド制御機能を備えた4輪自動車用電気・マニュアル二系
統式のブレーキ装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】図2において10はマスタシリンダであ
り、このマスタシリンダ10にブレーキ操作部材として
のブレーキペダル14が連結されている。マスタシリン
ダ10はブレーキペダル14の踏込みに応じて加圧室に
液圧を発生させる。加圧室に発生した液圧は液通路1
6,18,20および22を経て左右前輪24,26の
摩擦式のブレーキ27,28のフロントブレーキシリン
ダ29,30に伝達されるとともに、液通路32および
34を経て左右後輪36,38のブレーキ39,40の
リヤブレーキシリンダ42,44に伝達される。液通路
32にはプロポーショニングバルブ46が設けられてい
る。以上は通常のマニュアルブレーキ装置と同様であ
る。
【0010】液通路20,32と液通路22,34との
間に電磁方向切換弁50が設けられている。この電磁方
向切換弁50には液通路58によって電磁液圧制御弁6
0が接続されている。電磁液圧制御弁60はそれぞれ、
アキュムレータ62とリザーバ64とに液通路66,6
8により接続されている。アキュムレータ62には液圧
センサ70が取り付けられ、この出力信号に基づいてコ
ンピュータを主体とするコントローラ72が電動モータ
74を制御することにより、リザーバ64の液がポンプ
76によって汲み上げられ、アキュムレータ62には一
定液圧範囲のブレーキ液が蓄えられる。電磁液圧制御弁
60は、励磁電流に基づく磁気的な駆動力と液圧に基づ
く流体反力との相対的な関係に基づいてスプールを移動
させ、ブレーキ液の流れの方向を切り換えて液圧を制御
するスプール式電磁圧力制御弁であって、励磁電流に比
例した高さのブレーキ圧を発生させるものである。液圧
制御弁60は、その励磁電流の制御により、アキュムレ
ータ62の液圧を車輪の回転を抑制するために必要な高
さに制御してブレーキシリンダ29,30,42,44
に供給し、その液圧に基づいてブレーキ27,28,3
9,40が作動し、車輪の回転が抑制される。本実施例
においては、アキュムレータ62がエネルギ源を構成
し、電磁液圧制御弁60が調整装置を構成しているので
ある。
【0011】前記マスタシリンダ10とブレーキシリン
ダ29,30,42,44とを接続する液通路18には
電磁方向切換弁80が設けられ、ストロークシュミレー
タ82が接続されている。ストロークシュミレータ82
は、マスタシリンダ10から排出されるブレーキ液を収
容してブレーキペダル14の踏込みを許容するととも
に、踏込みストロークに応じた反力をブレーキペダル1
4に与えるものである。車輪の回転が電磁液圧制御弁6
0によって制御された液圧に基づいて抑制される状態に
おいては、マスタシリンダ10がストロークシュミレー
タ82に連通させられ、運転者にあたかもブレーキシリ
ンダ29,30,42,44に接続されているかのよう
な操作フィーリングを与えるようにされているのであ
る。
【0012】前記コントローラ72には、ブレーキペダ
ル14の踏込みを検出するブレーキスイッチ90,ブレ
ーキペダル14の踏力値を検出する踏力センサ92およ
び操向輪である左右前輪24,26の車輪速度をそれぞ
れ検出する車輪速度センサ94,96および駆動輪であ
る左右後輪36,38の車輪速度をそれぞれ検出する車
輪速度センサ98,99が接続されている。また、コン
トローラ72のコンピュータのRAMには、図3に示す
ように、踏力対応目標液圧メモリ100,アンチスキッ
ド制御時目標液圧メモリ102およびフラグFがワーキ
ングメモリと共に設けられている。フラグFはアンチス
キッド制御が行われているか否かを示すフラグであり、
図示は省略するが4個設けられている。さらに、コンピ
ュータのROMには、図4にグラフで示すブレーキペダ
ル14の踏力とブレーキシリンダ29,30,42,4
4に発生させるべき目標液圧との関係を規定するテーブ
ルおよび図1(A)にフローチャートで示す車輪回転抑
制ルーチンおよび図1(B)にフローチャートで示す出
力液圧決定ルーチンを始めとし、種々のルーチンが格納
されている。なお、図1(B)には1つのみ示されてい
るが、出力液圧決定ルーチンは実際には4個設けられ、
左右前輪24,26および左右後輪36,38の各々に
ついて電磁液圧制御弁60への出力液圧が別々に決定さ
れるようになっている。
【0013】次に作動を説明する。本ブレーキ装置によ
る制動は、通常は電磁液圧制御弁60に制御された液圧
に基づいて行われるのであって、電磁方向切換弁50,
80は常には消磁され、ブレーキシリンダ29,30,
42,44は電磁液圧制御弁60に連通させられ、マス
タシリンダ10はストロークシュミレータ82に連通さ
せられている。そして、イグニッションスイッチがON
にされると同時に車輪回転抑制ルーチンが実行される。
【0014】まず、ステップS1(以下、S1と略称す
る。他のステップについても同じ。)において初期設定
が行われ、フラグFのリセット等の処理が行われる。次
いでS2が実行され、ブレーキスイッチ90がONであ
るか否かにより、ブレーキペダル14が踏み込まれたか
否かの判定が行われる。ブレーキペダル14が踏み込ま
れていなければS2の判定結果はNOとなり、S3にお
いてフラグFがリセットされてルーチンの実行はS2に
戻る。なお、S3においては、4個のフラグFが一斉に
リセットされる。
【0015】ブレーキペダル14が踏み込まれればS2
の判定結果がYESとなり、S4においてブレーキペダ
ル14の踏力FB が踏力センサ92によって検出され
る。次いでS5において4つの車輪の各車輪速度VW
読み込まれ、S6においてそれら車輪速度VW に基づい
て車体速度V0 が推定される。左右前輪24,26,左
右後輪36,38の各車輪速度VW のうち、最も高い速
度の減速度が設定値以下の場合には、その速度が車体速
度V0 と推定され、その車体速度V0 の減速度が設定値
を超えた場合には、その設定減速度により推定される速
度が車体速度V0 とされるのである。次いでS7が実行
され、ブレーキペダル14の踏力FB に対応した目標液
圧PB が前記ROMに格納されたテーブルに基づいて決
定され、踏力対応目標液圧メモリ100に格納される。
決定後、S8が実行され、図1(B)に示す出力液圧決
定ルーチンに従って電磁液圧制御弁60への出力液圧が
決定される。この出力液圧は4つの車輪のそれぞれにつ
いて決定されるが、ここではそのうちの1輪について代
表的に説明する。
【0016】まず、S9においてアンチスキッド制御を
開始するか否かの判定が行われる。アンチスキッド制御
開始条件は、車輪速度VW が車体速度V0 に定数λsを
掛けた値より小さいことであり、車輪速度VW の方が大
きい場合には車輪のスリップがそれほど大きくなく、ア
ンチスキッド制御を行う必要はないため、S9の判定結
果はNOとなる。そして、S11においてフラグFがセ
ットされているか否かの判定が行われるが、このフラグ
Fは初期設定においてリセットされており、アンチスキ
ッド制御が開始されていない状態ではリセットされてい
るためS11の判定結果はNOとなり、S12において
先にS7において決定した目標液圧PB が電磁液圧制御
弁60の出力液圧PO とされ、S18において電磁液圧
制御弁60に出力される。それによりブレーキシリンダ
29,30,42,44の液圧は目標液圧PB に制御さ
れ、ブレーキペダル14の踏込みに応じて車輪の回転が
抑制される。
【0017】それに対し、車輪速度VW がしきい値λs
・V0 より小さくなれば、車輪がアンチスキッド制御を
必要とするほどスリップしていることを意味し、S9の
判定結果がYESとなり、S10においてフラグFがセ
ットされ、アンチスキッド制御が行われる。この場合に
はS11の判定結果がYESとなり、S13において車
輪速度偏差eが次式に従って求められる。 e=λT ・V0 −VW ただし、 λT :目標スリップ率 VW :S5において読み込まれた車輪速度
【0018】次いで、S14において次式に従ってアン
チスキッド制御時の目標液圧PA が決定される。 PA =(k1 +k2 /s+K3 ・s)e ただし、 k1 ,k2 ,k3 :定数 s:ラプラス演算子 車輪速度偏差eは車輪のスリップが大きいほど大きくな
り、目標液圧PA は現在のスリップ状態(比例要素
1 )と、過去のスリップ状態(積分要素k2 /s)お
よびこれからのスリップ状態(微分要素k3 ・s)を考
慮して車輪速度偏差eに基づいて決定され、アンチスキ
ッド制御時目標液圧メモリ102に格納される。
【0019】アンチスキッド制御時の目標液圧PA が決
定されたならばS15,S16が実行され、アンチスキ
ッド制御を終了するか否かの判定が行われる。アンチス
キッド制御終了条件は、目標液圧PA が目標液圧PB
上回ったこと、あるいは車体速度V0 が設定値Vs以下
になったことである。アンチスキッド制御時にはブレー
キシリンダ圧が目標液圧PA となるように電磁液圧制御
弁60が制御されるのであって、本実施例においては目
標液圧PA が実制動状態量であり、踏力FB に対応して
決まる目標液圧PB がブレーキ操作部材の操作量に対応
して決まる目標制動状態量である。
【0020】アンチスキッド制御が行われるのはブレー
キペダル14の踏力FB が路面の摩擦係数との関係にお
いて過大なときであり、その踏力FB により決まる目標
液圧PB では車輪の回転が抑制され過ぎるため、アンチ
スキッド制御時には目標液圧PA は目標液圧PB より小
さく決定される。それに対し、減速を緩やかにするため
にペダル踏力が軽減された場合には、目標液圧PB が減
少して目標液圧PA が上回ることがある。この状態では
アンチスキッド制御が継続して行われれば、車輪の回転
が運転者が意図するより大きく抑制され、違和感が生じ
たり、運転者が意図する位置より手前の位置で停車して
しまうことがあるため、アンチスキッド制御を解除し、
運転者の意図に応じて車両が制動されるようにするので
ある。
【0021】また、ブレーキペダル14の踏込みが緩め
られなくても、アンチスキッド制御中に路面の摩擦係数
が増大し、増圧によりブレーキシリンダ圧が高くされて
目標液圧PA が目標液圧PB を上回ることもある。ブレ
ーキペダル14の踏力とは無関係に液圧が蓄えられるア
キュムレータ62の液圧を調整してブレーキシリンダに
供給する場合、アンチスキッド制御時にはブレーキシリ
ンダ圧はブレーキペダル14の踏力とは無関係に車輪の
スリップを適正範囲に保ちつつ最大減速度が得られるよ
うに決定されるため、目標液圧PA が目標液圧PB より
高くなることがあるのであるが、この場合には車輪のス
リップは適正範囲にあり、また、目標液圧PB によって
得られる制動効果の方が目標液圧PA によって得られる
制動効果より小さいため、運転者によるブレーキペダル
14の踏込み操作によって制動が行われるようにしても
スリップが適正範囲を超えることはなく、アンチスキッ
ド制御を解除しても支障はないのである。
【0022】S15においては、目標液圧PA と目標液
圧PB とがそれぞれメモリ102,100から読み出さ
れていずれが大きいかの判定が行われる。目標液圧PA
が目標液圧PB より大きければS15の判定結果はNO
となり、S16において車体速度V0 が設定値Vsより
大きいか否かの判定が行われる。車体速度V0 の方が大
きければS16の判定結果がYESとなり、S17にお
いてアンチスキッド制御時の目標液圧PA が電磁液圧制
御弁60の出力液圧PO とされ、S18において出力さ
れる。それによりブレーキシリンダ圧が車輪のスリップ
を適正範囲に保つ高さに制御される。
【0023】一旦、アンチスキッド制御が開始されれ
ば、S9のアンチスキッド制御開始条件が満たされなく
なってもS11の判定結果がYESとなり、アンチスキ
ッド制御が行われる。そして、目標液圧PB が目標液圧
A より小さくなってS15の判定結果がYESになる
か、あるいは車体速度V0 が設定値Vs以下になってS
16の判定結果がNOになればS19が実行され、目標
液圧PB が電磁液圧制御弁60の出力液圧PO とされる
とともに、S20においてフラグFがリセットされた
後、S18において液圧PO が電磁液圧制御弁60に出
力される。アンチスキッド制御が解除されるのである。
【0024】上記のように決定される出力液圧PO を1
回の制動について示せば、図5に示すグラフのようにな
る。このグラフから明らかなように、アンチスキッド制
御開始条件を満たすまでは目標液圧PB に従って車輪の
回転が抑制され、アンチスキッド制御開始条件を満たし
た後は目標液圧PA に従って車輪の回転が抑制され、目
標液圧PB が目標液圧PA より小さくなれば、目標液圧
B に従って車輪の回転が抑制され、運転者はその意図
に応じた制動を行うことができる。
【0025】また、本実施例においてアンチスキッド制
御時の目標液圧PA は車輪速度偏差eに基づいて決定さ
れるようになっており、ノイズの混入により車輪速度が
誤って高く検出され、目標液圧PA が高い値に決定され
ることがある。しかし、目標液圧PA はブレーキペダル
14の踏力に基づいて決定される目標液圧PB より高く
ならないようにされているため、ブレーキシリンダ圧が
誤って過大になることがない。
【0026】さらに、本ブレーキ装置は電気制御式ブレ
ーキ装置であり、通常時の制動用に設けられた電磁液圧
制御弁60,アキュムレータ62,コントローラ72等
がアンチスキッド制御に使用されており、アンチスキッ
ド制御を行うために専用の装置を設ける場合に比較して
容易にかつ安価にアンチスキッド制御を行うことができ
る。
【0027】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、踏力センサ92が操作状態量検出手段を構
成し、コントローラ72の主体を成すコンピュータのC
PUのS15においてアンチスキッド制御時の目標液圧
A を読み出す部分が実制動状態量取得手段を構成し、
ROMのS9〜S11,S13,S14,S17を記憶
する部分およびCPUのそれらステップを実行する部分
がアンチスキッド制御手段を構成し、ROMのS15,
S16を記憶する部分およびCPUのそれらステップを
実行する部分がアンチスキッド制御終了手段を構成して
いるのである。
【0028】なお、上記実施例においてはブレーキシリ
ンダ圧が実制動状態量とされていたが、車両減速度や制
動力(ブレーキシリンダ29,30,42,44等の作
動力)を実制動状態量としてもよい。
【0029】また、上記実施例においてアンチスキッド
制御は、各車輪毎に終了するようにされていたが、4つ
の車輪についてそれぞれ決定された目標液圧PA のう
ち、最も低い目標液圧PA が目標液圧PB を上回ったな
らば4つの車輪の全部について一斉にアンチスキッド制
御を終了するようにしてもよい。
【0030】さらに、上記実施例においては、ブレーキ
のブレーキシリンダへの液圧の供給により車輪の回転を
抑制するブレーキ装置に本発明を適用した場合を例に取
って説明したが、本発明は、ブレーキパッドを電動モー
タによってブレーキディスクに押し付ける電気制御式ブ
レーキ装置にも適用することができる。この場合には、
ブレーキパッド等を支持する支持体の歪を実制動状態量
とすることができる。
【0031】また、上記電気制御式ブレーキ装置におい
ては制動効果を検出し、目標制動状態量と実制動状態量
とが一致するように制御するフィードバック制御が行わ
れていなかったが、フィードバック制御が行われる電気
制御式ブレーキ装置にも本発明を適用することができ
る。
【0032】さらに、通常の制動はマスタシリンダの液
圧に基づいて行われるが、アンチスキッド制御は、マス
タシリンダとは別に設けられたアキュムレータの液圧を
制御してブレーキシリンダに供給することにより行われ
るブレーキ装置にも本発明を適用することができる。
【0033】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である4輪自動車用電気・マ
ニュアル二系統式のブレーキ装置を制御するコントロー
ラを構成するコンピュータのROMに格納された車輪回
転抑制ルーチンおよび出力液圧決定ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図2】上記ブレーキ装置を示す系統図である。
【図3】上記コンピュータのRAMの構成を示す図であ
る。
【図4】上記コンピュータのROMに格納されたマップ
により規定されるブレーキペダルの踏力と目標液圧との
関係を示すグラフである。
【図5】上記ブレーキ装置においてアンチスキッド制御
が行われた場合の電磁液圧制御弁の出力液圧を示すグラ
フである。
【符号の説明】
14 ブレーキペダル 24 左前輪 26 右前輪 27,28 ブレーキ 36 左後輪 38 右後輪 39,40 ブレーキ 60 電磁液圧制御弁 62 アキュムレータ 72 コントローラ 92 踏力センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作部材と、 車輪の回転を抑制するブレーキと、 前記ブレーキ操作部材の操作ストローク,操作力等操作
    状態量とは無関係なエネルギを供給するエネルギ源と、 そのエネルギ源のエネルギを調整して前記ブレーキに供
    給する調整装置と、 前記車輪のスリップが適正範囲を超えた場合に車輪のス
    リップを適正範囲に保つように前記調整装置を制御する
    アンチスキッド制御手段とを含むアンチスキッド制御機
    能を備えたブレーキ装置において、 前記ブレーキ操作部材の操作状態量を検出する操作状態
    量検出手段と、 制動効果,制動力,ブレーキシリンダ液圧等の実制動状
    態量を取得する実制動状態量取得手段と、を設けるとと
    もに、前記アンチスキッド制御手段に、アンチスキッド
    制御時の実制動状態量が前記ブレーキ操作部材の操作状
    態量に対応して決まる目標制動状態量を上回ったときに
    アンチスキッド制御を終了するアンチスキッド制御終了
    手段を設けたことを特徴とするブレーキ装置。
JP35933391A 1991-12-28 1991-12-28 アンチスキッド制御機能を備えたブレーキ装置 Pending JPH05178191A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017056752A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 Ntn株式会社 電動制動システム

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