JPH08245671A - 光学活性1,1’−ビス(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンの製造方法 - Google Patents
光学活性1,1’−ビス(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンの製造方法Info
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- JPH08245671A JPH08245671A JP7051010A JP5101095A JPH08245671A JP H08245671 A JPH08245671 A JP H08245671A JP 7051010 A JP7051010 A JP 7051010A JP 5101095 A JP5101095 A JP 5101095A JP H08245671 A JPH08245671 A JP H08245671A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】フェロセニルアミノアルコールを触媒に用い、
高収率で高い光学純度を有する光学活性1,1’−ビス
(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンを製造する、工
業的利用に適した方法を提供する。 【構成】キラルフェロセン誘導体触媒の存在下、1,
1’−ジホルミルメタロセンとジアルキル亜鉛を反応さ
せ、光学活性1,1’−ビス(1−ヒドロキシアルキ
ル)メタロセンを製造する。
高収率で高い光学純度を有する光学活性1,1’−ビス
(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンを製造する、工
業的利用に適した方法を提供する。 【構成】キラルフェロセン誘導体触媒の存在下、1,
1’−ジホルミルメタロセンとジアルキル亜鉛を反応さ
せ、光学活性1,1’−ビス(1−ヒドロキシアルキ
ル)メタロセンを製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キラルなフェロセン誘
導体を触媒とする不斉アルキル化反応を用いる光学活性
1,1’−ビス(1−ヒドロキシアルキル)メタロセン
の製造方法に関し、さらに詳細にはキラルなフェロセン
誘導体触媒の存在下、1,1’−ジホルミルメタロセン
とジアルキル亜鉛を反応させる光学活性1,1’−ビス
(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンの製造方法に関
する。
導体を触媒とする不斉アルキル化反応を用いる光学活性
1,1’−ビス(1−ヒドロキシアルキル)メタロセン
の製造方法に関し、さらに詳細にはキラルなフェロセン
誘導体触媒の存在下、1,1’−ジホルミルメタロセン
とジアルキル亜鉛を反応させる光学活性1,1’−ビス
(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンの製造方法に関
する。
【0002】光学活性1,1’−ビス(1−ヒドロキシ
アルキル)メタロセンは立体化学を保持したままジアミ
ンに容易に変換することができるので不斉触媒の原料と
して有用である。例えば該ジアミンから誘導したフェロ
セニルジホスフィンとPdとの錯体は不斉クロスカップ
リング反応に利用されている(ジャ−ナルオブケミカル
ソサエティ,1989年,495.)。
アルキル)メタロセンは立体化学を保持したままジアミ
ンに容易に変換することができるので不斉触媒の原料と
して有用である。例えば該ジアミンから誘導したフェロ
セニルジホスフィンとPdとの錯体は不斉クロスカップ
リング反応に利用されている(ジャ−ナルオブケミカル
ソサエティ,1989年,495.)。
【0003】
【従来の技術】従来、光学活性1,1’−ビス(1−ヒ
ドロキシアルキル)メタロセンを製造する方法としては
酵素を用いるラセミ体及びメソ体混合物の立体選択的酢
酸エステル化が知られている(テトラヘドロン:アシン
メトリー,1993年,4巻,919頁.)。
ドロキシアルキル)メタロセンを製造する方法としては
酵素を用いるラセミ体及びメソ体混合物の立体選択的酢
酸エステル化が知られている(テトラヘドロン:アシン
メトリー,1993年,4巻,919頁.)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、酵素による
不斉加水分解法はラセミ体/メソ体比が1の混合原料を
使用せねばならないことから理論収率が25%と低い。
さらに、濃度が低いなど酵素法は工業的に利用するのに
適したものではなかった。
不斉加水分解法はラセミ体/メソ体比が1の混合原料を
使用せねばならないことから理論収率が25%と低い。
さらに、濃度が低いなど酵素法は工業的に利用するのに
適したものではなかった。
【0005】そこで本発明の目的は、キラルなフェロセ
ニルアミノアルコールを触媒に用い、1,1’−ジホル
ミルメタロセンへのジアルキル亜鉛の不斉付加反応で、
高収率で高い光学純度を有する光学活性1,1’−ビス
(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンへ変換する、工
業的利用に適した製造方法を提供することにある。
ニルアミノアルコールを触媒に用い、1,1’−ジホル
ミルメタロセンへのジアルキル亜鉛の不斉付加反応で、
高収率で高い光学純度を有する光学活性1,1’−ビス
(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンへ変換する、工
業的利用に適した製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
関し鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明
は、式[I]又は[II]で表されるキラルフェロセン
誘導体触媒の存在下、式[III]で表される1,1’
−ジホルミルメタロセンとジアルキル亜鉛を反応させる
ことを特徴とする、式[IV]で表される光学活性1,
1’−ビス(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンの製
造方法
関し鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明
は、式[I]又は[II]で表されるキラルフェロセン
誘導体触媒の存在下、式[III]で表される1,1’
−ジホルミルメタロセンとジアルキル亜鉛を反応させる
ことを特徴とする、式[IV]で表される光学活性1,
1’−ビス(1−ヒドロキシアルキル)メタロセンの製
造方法
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】(式[I]及び[II]中、R1はメチル
基またはエチル基を示し、R2とR3は同一または異な
り、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロ
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基またはt
−ブチル基を示し、nは4または5のいずれかから選ば
れる整数である。式[III]及び[IV]中、MはF
eあるいはRuを示し、式[IV]中、Rは炭素数1〜
6のアルキル基を示し、C*は不斉炭素を示す。)であ
る。
基またはエチル基を示し、R2とR3は同一または異な
り、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロ
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基またはt
−ブチル基を示し、nは4または5のいずれかから選ば
れる整数である。式[III]及び[IV]中、MはF
eあるいはRuを示し、式[IV]中、Rは炭素数1〜
6のアルキル基を示し、C*は不斉炭素を示す。)であ
る。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明で触媒として用いられる化合物は、
式[I]又は[II]の構造を有するキラルなフェロセ
ン誘導体である。これらの誘導体は例えば特開平3−1
12996及び特開平4−99786号公報等に従って
製造することができる。
式[I]又は[II]の構造を有するキラルなフェロセ
ン誘導体である。これらの誘導体は例えば特開平3−1
12996及び特開平4−99786号公報等に従って
製造することができる。
【0014】本発明において不斉アルキル化されるカル
ボニル化合物としては式[III]で示される1,1’
−ジホルミルメタロセンである。メタロセンの金属Mと
してはFeあるいはRuを示し、具体的には、1,1’
−ジホルミルフェロセン、1,1’−ジホルミルルテノ
センである。
ボニル化合物としては式[III]で示される1,1’
−ジホルミルメタロセンである。メタロセンの金属Mと
してはFeあるいはRuを示し、具体的には、1,1’
−ジホルミルフェロセン、1,1’−ジホルミルルテノ
センである。
【0015】本発明の製造方法に用いられるジアルキル
亜鉛としては炭素数1〜6のアルキル基を有するもので
ある。具体的には、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ
(n−プロピル)亜鉛、ジ(iso−プロピル)亜鉛、
ジ(n−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘキシル)亜鉛等が用
いられる。これらジアルキル亜鉛はヘキサンあるいはト
ルエンの0.5〜3.0M溶液として使用することが好
ましい。
亜鉛としては炭素数1〜6のアルキル基を有するもので
ある。具体的には、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ
(n−プロピル)亜鉛、ジ(iso−プロピル)亜鉛、
ジ(n−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘキシル)亜鉛等が用
いられる。これらジアルキル亜鉛はヘキサンあるいはト
ルエンの0.5〜3.0M溶液として使用することが好
ましい。
【0016】本発明の製造方法においては溶剤を用いる
ことが好ましい。該溶媒は反応に対し不活性なものであ
り、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水
素類、エチルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テ
ル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素が挙げられる。これらの溶媒は1,
1’−ジホルミルメタロセン1重量部に対し、通常1〜
100重量部、好ましくは5〜80重量部存在させる。
ことが好ましい。該溶媒は反応に対し不活性なものであ
り、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水
素類、エチルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テ
ル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素が挙げられる。これらの溶媒は1,
1’−ジホルミルメタロセン1重量部に対し、通常1〜
100重量部、好ましくは5〜80重量部存在させる。
【0017】1,1’−ジホルミルメタロセンとジアル
キル亜鉛を反応させる際、1,1’−ジホルミルメタロ
センに対しジアルキル亜鉛は1.5〜5.0当量、好ま
しくは1.7〜4.0当量とすることが適当である。
キル亜鉛を反応させる際、1,1’−ジホルミルメタロ
センに対しジアルキル亜鉛は1.5〜5.0当量、好ま
しくは1.7〜4.0当量とすることが適当である。
【0018】光学活性な触媒である式[I]または[I
I]で表されるキラルなフェロセン誘導体の使用量は
1,1´−ジホルミルメタロセンに対し通常0.5〜3
0モル%、より好ましくは1〜15モル%である。
I]で表されるキラルなフェロセン誘導体の使用量は
1,1´−ジホルミルメタロセンに対し通常0.5〜3
0モル%、より好ましくは1〜15モル%である。
【0019】反応温度は通常、−10℃〜60℃、より
好ましくは0℃〜40℃である。
好ましくは0℃〜40℃である。
【0020】反応時間は1〜100時間である。反応圧
力は常圧から加圧のいずれでもよいが、好ましくは1〜
3気圧下で行われる。また反応は窒素あるいはアルゴン
等の不活性ガス雰囲気下で行われる。
力は常圧から加圧のいずれでもよいが、好ましくは1〜
3気圧下で行われる。また反応は窒素あるいはアルゴン
等の不活性ガス雰囲気下で行われる。
【0021】反応の進行状況は薄層クロマトグラフィ−
より判定することができる。反応後は水を加えて反応を
停止し、抽出し、溶媒の濃縮後、再結晶あるいはカラム
クロマトグラフィ−より目的生成物を単離することがで
きる。生成物である1,1’−ビス(1−ヒドロキシア
ルキル)メタロセンのジアステレオ選択性及び光学純度
はキラルシフト試薬であるEu(hfc)3を用いたプ
ロトンNMR分析によって決定することができる。一
方、反応に用いた触媒は目的生成物の単離の過程で同時
に分離回収することができる。
より判定することができる。反応後は水を加えて反応を
停止し、抽出し、溶媒の濃縮後、再結晶あるいはカラム
クロマトグラフィ−より目的生成物を単離することがで
きる。生成物である1,1’−ビス(1−ヒドロキシア
ルキル)メタロセンのジアステレオ選択性及び光学純度
はキラルシフト試薬であるEu(hfc)3を用いたプ
ロトンNMR分析によって決定することができる。一
方、反応に用いた触媒は目的生成物の単離の過程で同時
に分離回収することができる。
【0022】この様にして本発明の方法により製造され
る化合物としては、例えば(S,S)−1,1’−ビス
(1−ヒドロキシエチル)フェロセン、(S,S)−
1,1’−ビス(1−ヒドロキシプロピル)フェロセ
ン、(S,S)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシブチ
ル)フェロセン、(S,S)−1,1’−ビス(1−ヒ
ドロキシエチル)ルテノセン、(S,S)−1,1’−
ビス(1−ヒドロキシプロピル)ルテノセン、(S,
S)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシブチル)ルテノ
セン、(R,R)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシエ
チル)フェロセン、(R,R)−1,1’−ビス(1−
ヒドロキシプロピル)フェロセン、(R,R)−1,
1’−ビス(1−ヒドロキシブチル)フェロセン、
(R,R)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシエチル)
ルテノセン、(R,R)−1,1’−ビス(1−ヒドロ
キシプロピル)ルテノセン、(R,R)−1,1’−ビ
ス(1−ヒドロキシブチル)ルテノセン等を好適なもの
として挙げることができる。
る化合物としては、例えば(S,S)−1,1’−ビス
(1−ヒドロキシエチル)フェロセン、(S,S)−
1,1’−ビス(1−ヒドロキシプロピル)フェロセ
ン、(S,S)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシブチ
ル)フェロセン、(S,S)−1,1’−ビス(1−ヒ
ドロキシエチル)ルテノセン、(S,S)−1,1’−
ビス(1−ヒドロキシプロピル)ルテノセン、(S,
S)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシブチル)ルテノ
セン、(R,R)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシエ
チル)フェロセン、(R,R)−1,1’−ビス(1−
ヒドロキシプロピル)フェロセン、(R,R)−1,
1’−ビス(1−ヒドロキシブチル)フェロセン、
(R,R)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシエチル)
ルテノセン、(R,R)−1,1’−ビス(1−ヒドロ
キシプロピル)ルテノセン、(R,R)−1,1’−ビ
ス(1−ヒドロキシブチル)ルテノセン等を好適なもの
として挙げることができる。
【0023】
実施例1 窒素雰囲気下、撹はん機を有するガラス製常圧反応装置
に、式[I]で表される触媒として(R)−1−
[(S)−2−(ジフェニルヒドロキシメチル)フェロ
セニル]−1−ピペリジノエタン(28.0mg、0.
058mmol、1,1’−ジホルミルフェロセンに対
して5mol%)、1,1’−ジホルミルフェロセン
(250mg、1.03mmol)およびジクロロメタ
ン9mlの混合物に室温でジメチル亜鉛のトルエン溶液
(1.9ml,1.9M、3.68mmol)を加え、
室温で40時間反応させた。氷冷した後、水を加えて反
応を停止させた。得られた混合物をエ−テルで抽出し、
有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮し
た。残渣をエタノール中、水素化ホウ素ナトリウムで還
元し、常法処理した後、アルミナカラムクロマトグラフ
ィ−で精製し(展開溶媒ヘキサン−酢酸エチル)、収率
84%で(S,S)体と(S,R)体との混合物として
黄色結晶の1,1’−ビス(1−ヒドロキシエチル)フ
ェロセン(237mg、0.865mmol)を得た。
同時に(R)−1−[(S)−2−(ジフェニルヒドロ
キシメチル)フェロセニル]−1−ピペリジノエタンが
26.5mg(94%)回収された。
に、式[I]で表される触媒として(R)−1−
[(S)−2−(ジフェニルヒドロキシメチル)フェロ
セニル]−1−ピペリジノエタン(28.0mg、0.
058mmol、1,1’−ジホルミルフェロセンに対
して5mol%)、1,1’−ジホルミルフェロセン
(250mg、1.03mmol)およびジクロロメタ
ン9mlの混合物に室温でジメチル亜鉛のトルエン溶液
(1.9ml,1.9M、3.68mmol)を加え、
室温で40時間反応させた。氷冷した後、水を加えて反
応を停止させた。得られた混合物をエ−テルで抽出し、
有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮し
た。残渣をエタノール中、水素化ホウ素ナトリウムで還
元し、常法処理した後、アルミナカラムクロマトグラフ
ィ−で精製し(展開溶媒ヘキサン−酢酸エチル)、収率
84%で(S,S)体と(S,R)体との混合物として
黄色結晶の1,1’−ビス(1−ヒドロキシエチル)フ
ェロセン(237mg、0.865mmol)を得た。
同時に(R)−1−[(S)−2−(ジフェニルヒドロ
キシメチル)フェロセニル]−1−ピペリジノエタンが
26.5mg(94%)回収された。
【0024】生成物のジアステレオ選択性及び光学純度
はキラルシフト試薬Eu(hfc)3を用いたプロトン
NMRより決定した。
はキラルシフト試薬Eu(hfc)3を用いたプロトン
NMRより決定した。
【0025】1,1’−ビス(1−ヒドロキシエチル)
フェロセン (S,S)体:(S,R)体(メソ体) = 95:5 (S,S)体の光学純度: >99%ee さらにヘキサン/ベンゼン=4(容量比)から再結晶化
して、(S,S)体のみを単離した。
フェロセン (S,S)体:(S,R)体(メソ体) = 95:5 (S,S)体の光学純度: >99%ee さらにヘキサン/ベンゼン=4(容量比)から再結晶化
して、(S,S)体のみを単離した。
【0026】[α]D 25+74.3(c 0.71,C6
H6) 融点 62℃。
H6) 融点 62℃。
【0027】実施例2〜4 アルデヒド、ジアルキル亜鉛、及び反応時間を表1に示
した化合物及び条件とした以外は実施例1と同様な操作
を繰り返して1,1’−ビス(1−ヒドロキシアルキ
ル)メタロセンを得た。結果を表1に示す。
した化合物及び条件とした以外は実施例1と同様な操作
を繰り返して1,1’−ビス(1−ヒドロキシアルキ
ル)メタロセンを得た。結果を表1に示す。
【0028】実施例2の生成物 (S,S)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシプロピ
ル)フェロセン (S,S)体:(S,R)体(メソ体) = 95:5 (S,S)体の光学純度: >99%ee。
ル)フェロセン (S,S)体:(S,R)体(メソ体) = 95:5 (S,S)体の光学純度: >99%ee。
【0029】実施例3の生成物 (S,S)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシエチル)
ルテノセン (S,S)体:(S,R)体(メソ体) = 95:5 (S,S)体の光学純度: >99%ee。
ルテノセン (S,S)体:(S,R)体(メソ体) = 95:5 (S,S)体の光学純度: >99%ee。
【0030】さらに酢酸エチル/ヘキサン=2(容量
比)から再結晶化して、(S,S)体のみを単離した。
比)から再結晶化して、(S,S)体のみを単離した。
【0031】[α]D 25 +51.5(c 0.67,
CHCl3) 融点 116℃。
CHCl3) 融点 116℃。
【0032】実施例4の生成物 (S,S)−1,1’−ビス(1−ヒドロキシプロピ
ル)ルテノセン (S,S)体:(S,R)体(メソ体) = 95:5 (S,S)体の光学純度: >99%ee。
ル)ルテノセン (S,S)体:(S,R)体(メソ体) = 95:5 (S,S)体の光学純度: >99%ee。
【0033】実施例5 式[II]で表される触媒として(S)−1−[(R)
−2−(ジフェニルヒドロキシメチル)フェロセニル]
−1−ピペリジノエタンを用いた以外は実施例1と同様
な操作を繰り返して(R,R)−1,1’−ビス(1−
ヒドロキシエチル)フェロセンを収率83%で得た。
−2−(ジフェニルヒドロキシメチル)フェロセニル]
−1−ピペリジノエタンを用いた以外は実施例1と同様
な操作を繰り返して(R,R)−1,1’−ビス(1−
ヒドロキシエチル)フェロセンを収率83%で得た。
【0034】(R,R)体:(S,R)体(メソ体)
= 95:5 (R,R)体の光学純度: >99%ee さらにヘキサン/ベンゼン=4(容量比)から再結晶化
して、(R,R)体のみを単離した。
= 95:5 (R,R)体の光学純度: >99%ee さらにヘキサン/ベンゼン=4(容量比)から再結晶化
して、(R,R)体のみを単離した。
【0035】[α]D 25 −74.3(c 0.65,
C6H6) 融点 62℃。
C6H6) 融点 62℃。
【0036】
【表1】
【0037】なお表中の収率は、(S,S)体と(S,
R)体との混合物としての収率を表す。
R)体との混合物としての収率を表す。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、式[I]または[I
I]で表されるキラルなフェロセン誘導体を触媒として
用いることにより、高いジアステレオ選択性及び光学純
度を有する光学活性1,1’−ビス(1−ヒドロキシア
ルキル)メタロセンの両対掌体を効率よく得ることがで
きる。さらに本発明では高価な不斉源が触媒量で済むの
みならず、不斉アルキル化反応を室温付近の極めておだ
やかな条件下でも高立体選択性を達成することができる
ことから工業的に有利に行うことができる。
I]で表されるキラルなフェロセン誘導体を触媒として
用いることにより、高いジアステレオ選択性及び光学純
度を有する光学活性1,1’−ビス(1−ヒドロキシア
ルキル)メタロセンの両対掌体を効率よく得ることがで
きる。さらに本発明では高価な不斉源が触媒量で済むの
みならず、不斉アルキル化反応を室温付近の極めておだ
やかな条件下でも高立体選択性を達成することができる
ことから工業的に有利に行うことができる。
【0039】さらに従来、一般的にキラルアミノアルコ
ールを触媒とするジアルキル亜鉛のアルデヒドへの不斉
付加反応では、ジメチル亜鉛をアルキル化剤とした場
合、触媒活性及び立体選択性とも低く実用に耐えるもの
ではなかった。しかし、本発明のフェロセン誘導体を触
媒として用いるとジメチル亜鉛を用いても、触媒活性及
び立体選択性とも高く工業的利用にも充分耐えうるもの
であることがわかった。通常医薬あるいはその中間体に
おいてはキラルなメチルカルビノール構造を有するもの
が多く見られる。従って、本発明の方法は医薬あるいは
その中間体の製造に利用することが可能である。
ールを触媒とするジアルキル亜鉛のアルデヒドへの不斉
付加反応では、ジメチル亜鉛をアルキル化剤とした場
合、触媒活性及び立体選択性とも低く実用に耐えるもの
ではなかった。しかし、本発明のフェロセン誘導体を触
媒として用いるとジメチル亜鉛を用いても、触媒活性及
び立体選択性とも高く工業的利用にも充分耐えうるもの
であることがわかった。通常医薬あるいはその中間体に
おいてはキラルなメチルカルビノール構造を有するもの
が多く見られる。従って、本発明の方法は医薬あるいは
その中間体の製造に利用することが可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】式[I]又は[II]で表されるキラルフ
ェロセン誘導体触媒の存在下、式[III]で表される
1,1’−ジホルミルメタロセンとジアルキル亜鉛を反
応させることを特徴とする、式[IV]で表される光学
活性1,1’−ビス(1−ヒドロキシアルキル)メタロ
センの製造方法 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式[I]及び[II]中、R1はメチル基またはエチ
ル基を示し、R2とR3は同一または異なり、フェニル
基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、
1−ナフチル基、2−ナフチル基またはt−ブチル基を
示し、nは4または5のいずれかから選ばれる整数であ
る。式[III]及び[IV]中、MはFeあるいはR
uを示し、式[IV]中、Rは炭素数1〜6のアルキル
基を示し、C*は不斉炭素を示す。)。
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1995
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