JPH04211030A - 光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性アルコールの製造方法

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JPH04211030A
JPH04211030A JP3029370A JP2937091A JPH04211030A JP H04211030 A JPH04211030 A JP H04211030A JP 3029370 A JP3029370 A JP 3029370A JP 2937091 A JP2937091 A JP 2937091A JP H04211030 A JPH04211030 A JP H04211030A
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真人 渡辺
Masaru Uemura
植村 勝
Naoki Araki
修喜 荒木
Yasuo Butsugan
佛願 保男
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
[0001]
【産業上の利用分野】本発明は、キラルなフェロセン誘
導体を触媒として用いる光学活性アルコールの製造方法
に関し、さらに詳細には、キラルなフェロセン誘導体の
存在下、アルデヒド化合物とジアルキル亜鉛とを反応さ
せることからなる光学活性アルコールの製造方法に関す
る。 [0002]光学活性アルコールは医薬、農薬の合成中
間体として、さらには強誘電性液晶の不斉源として有用
な化合物である。本発明の光学活性アルコールの製造方
法はカルボニル化合物の一種であるアルデヒド化合物を
効率的に不斉アルキル化することができる方法である。
【0003】
【従来の技術】光学活性体の製造法の1つである不斉合
成法には、不斉合成用触媒が使用されることが多い。良
く知られた触媒として、エフェドリン、プロリノール誘
導体等の天然物由来の化合物がある。 [0004]Lかし、これら天然物由来の化合物は、基
質特異性を有することが多く、高いエナンチオ選択率を
示す基質と、そうでない基質とが存在する。そのために
、適用できないか、あるいは、効率の悪い反応がある。 [0005]そこで、このような基質特異性を低下させ
る目的および反応効率等の特性を向上させる目的で、天
然物由来の不斉合成用触媒の改良が試みられている。し
かるに、それらの不斉炭素上の置換基を変更することは
、容易でない場合が多く、所望の特性を有する不斉合成
用触媒を入手できないことが多かった。 [0006]光学活性な触媒の存在下、カルボニル化合
物をジアルキル亜鉛で不斉アルキル化して光学活性アル
コールを製造することは知られている〔例えば、N、オ
グニ(Oguni)ら、J、 Am、 Chem、 S
oc、、 110巻、7877 (1988);に、ソ
アイ(Soai)ら、J、 Am、 Chem、Soc
、、 109巻、7111(1987) ; G、 ム
チヨー(Muchow)ら、Tetrahedron 
Le比、28巻、6163(1987) ; E、 J
、コーリー(Corey)ら、Terahedron 
Let 1. 、第28巻、5233(1987) ;
 M、キタムラ(Kitamura)ら、J、 Am、
Chem、Soc、、 108巻、6071 (198
6) )。 [0007]
【発明が解決しようとする課題】しかるに、いずれの方
法についても、使用される光学活性な触媒の入手が容易
でないという問題があった。さらに、製造方法自体も工
業的に利用するのに適したものではなかった。 [0008]そこで本発明の目的は、工業的利用に適し
た高いエナンチオ選択性で光学活性アルコールを製造で
きる方法を提供することにある。 [0009]
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式〔
■〕で表わされるキラルなフェロセン誘導体の存在下、
アルデヒド化合物とジアルキル亜鉛とを反応させること
を特徴とする光学活性アルコールの製造方法に関する。
【化2】 [0010] (式中、R1は炭素数1〜6の低級アル
キル基を示し、R2及びR3は、同−又は異なり、炭素
数1〜6の低級アルキル基、フェニル基又はベンジル基
を示すか、R2とR3は、それぞれが結合する窒素原子
と炭素数4〜6の複素環を形成し、 R4及びR5は、
同−又は異なり、水素、炭素数1〜6の低級アルキル基
、アリール基、アントラセニル基又はフェロセニル基を
示すか、R4とR5はそれぞれが結合する炭素原子と炭
素数5〜7のシクロアルキル基又は10−ヒドロアント
ラセニル基を形成する。) [00111以下に本発明の詳細な説明する。 一般式〔■〕のR1、R2及びR3の炭素数1〜6の低
級アルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、1so−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル
、nペンチル、n−ヘキシル等を挙げることができる。 特に、R1としてはメチル、プロピルが好ましく、R2
及びR3としてはメチル、エチル及び1so−プロピル
が好ましい。又、R2と R3とが、結合する窒素原子
とともに、形成する複素環としては、ピロリジル、ピペ
リジル等を例示でき、特にピペリジルであることが好ま
しい。 [0012]R4及びR5で示される炭素数2〜6の低
級アルキル基としては、例えばエチル、n−プロピル、
1so−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n
−ペンチル、n−ヘキシル等を挙げることができる。特
にis。 プロピル及びtert−ブチルであることが好ましい。 アリール基としては、フェニル基、0−トリル基、p−
トリル基、メシチル基、2,6−シメトキシフエニル基
、p−クロロフェニル基等を例示できる。又、R4とR
5とが、結合する炭素原子とともに形成するシクロアル
キル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シ
クロヘプチルを例示でき、特にシクロヘキシルであるこ
とが好ましい。 [0013]表1に本発明に触媒として用いることので
きる化合物の具体例のR1−R5を示す。 [0014]
【表1】 [0015]まず、以下に本発明で触媒として用いる一
般式〔■〕の化合物の製造法を説明する。本発明の化合
物は一般式〔■■〕で示されるフェロセンのヨウ化物と
nブチルリチウムを反応させてリチオ化し、次いでリチ
オ化物を一般式〔III)R4COR5で示されるケト
ン(又はアルデヒド)と反応させることにより得られる
。 [0016]
【化3】 [0017]上記リチオ化に用いる有機リチウム化合物
としては、n−ブチルリチウム以外に5ec−ブチルリ
チウム、t−ブチルリチウム、メチルリチウム及びフェ
ニルリチウムを例示できる。これら有機リチウム化合物
の使用量はフェロセンのヨウ化物〔II〕に対して0.
1〜2゜0当量、好ましくは0.7〜1.5当量とする
ことが適当である。またこれらの有機リチウム化合物は
ヘキサンあるいはエーテルの5〜30%溶液として使用
することが好ましい。さらにリチウム化反応は、溶媒(
例えば、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエー
テル類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類
;ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロベンゼン等
の芳香族炭化水素類;又はこれら溶媒の一種または二種
以上の混合溶媒)の存在下、以下の条件下で行うことが
適当である。 [0018] 反応温度ニー30°〜50℃、好ましくは一10°〜3
0℃ 反応時間=0.1〜5時間 反応圧カニ常圧から加圧、好ましくは1〜3気圧下雰囲
気:窒素またはアルゴン下 [0019]次にリチオ化物とケトン(又はアルデヒド
)(III)との反応は、好ましくはケトン(又はアル
デヒド)(III)のエーテル溶液を反応系に添加する
ことにより行う。ケトン(又はアルデヒド)(III)
の使用量は、リチオ化に用いたフェロセンのヨウ化物〔
■■〕に対して、0.1〜2.0当景、好ましくは0.
7〜1.5当景とすることが適当である。この反応は以
下の条件で行うことが好ましい。 [00201 反応温度ニー40〜70℃、好ましくは一20〜40℃
反応時間=1〜3時間 反応圧カニ常圧から加圧、好ましくは1〜3気圧下雰囲
気:窒素又はアルゴン下 [00211反応終了時に、反応系にリン酸水溶液を添
加して反応を停止させた後、エーテル洗浄し、水層をア
ルカリ性とした後エーテル抽出し、カラムクロマトグラ
フィーにより目的生成物である一般式〔■〕の化合物を
分取することができる。 [0022]また、化合物〔III〕がアルデヒドの場
合には、新たに不斉中心が生成するため、2種類のジア
ステレオマーが生成する。各ジアステレオマーは、クロ
マトグラフィーにより分離できる。あるいは一方のジア
ステレオマーがより安定な構造であることから、文献(
J。 Am、 Chem、 Soc、、  95巻、482 
(1973) )に記載の方法により、酸処理して他方
のジアステレオマーを異性化した後、一方のジアステレ
オマーを単離することもできる。 [0023]上記反応に原料化合物のうち一般式(II
I〕のケトン(又はアルデヒド)は、市販品を入手でき
る。又、一般式〔■I〕の化合物は、以下のようにして
合成される。 [0024]公知化合物である一般式(m  (J、A
m、Chem、 Soc、、92巻、5389 (19
70))で表わされるフェロセン誘導体をヨウ化メチル
と反応させて四級アンモニウム塩とし、次いで一級ある
いは二級アミン誘導体あるいはアンモニアと反応させる
ことにより、適宜R2及びR3がメチル以外のフェロセ
ン誘導体〔■〕を合成できる[:G、 Goke l 
ら、Angew、 Chem、 、 Int、Ed、E
ngl、、9巻、64 (1970)。 [0025]
【化4】 [0026] 四級アンモニウム塩とする反応 MCI :0.5〜40当量 溶媒:アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、セ
トニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類温度ニー3
0〜80℃、好ましくは一10〜40℃時間=0.1〜
5時間 圧カニ常圧から加圧、好ましく1〜3気圧ア 雰囲気:窒素またはアルゴン下 単離:生成物が結晶化している時はろ過により、そうで
ない場合はエチルエーテルあるいはヘキサンを加えて結
晶を析出させた後、ろ過する。 [0027] アミン又はアンモニアとの反応 HNR2R3: 1〜30当量 溶媒ニアセトニトリル、ベンズニトリル等のニトリル類
、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類 温度二〇〜100℃、好ましくは10〜90℃時間=0
.5〜100時間 圧カニ常圧から加圧、好ましくは1〜3気圧雰囲気下二
窒素またはアルゴン下 単離:再結晶化またはカラムクロマトグラフィー[00
28]一般式〔■〕のフェロセン誘導体を’retra
hedron、26.5453 (1970)に記載の
方法を適用することにより、以下のスキームに従って一
般式〔II〕のハロフェロセン誘導体を合成できる。 [0029]
【化5】 [00301上記方法とは別に一般式〔V〕で表わされ
るフェロセン誘導体を、有機リチウム化合物でリチオ化
し、次いでハロゲン化剤と反応させることにより一般式
〔II〕で表わされるハロフェロセン誘導体を製造する
ことができる。 [00311上記リチオ化に用いる有機リチウム化合物
としては、n−ブチルリチウム、5ec−ブチルリチウ
ム、t−ブチルリチウム、メチルリチウム及びフェニル
リチウムを例示できる。これら有機リチウム化合物の使
用量はフェロセン誘導体〔V〕に対して0.1〜2.0
当量、好ましくは0.7〜1.5当量とすることが適当
である。また、これらの有機リチウム化合物はヘキサン
あるいはエーテルの5〜30%溶液として使用すること
が好ましい。さらに、リチオ化反応は、溶媒(例えば、
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ジクロロベンゼン等の芳香族
炭化水素類;又はこれら溶媒の一種または二種以上の混
合溶媒)の存在下、以下の条件下で行うことが適当であ
る。 [0032] 反応温度ニー30°〜50℃、好ましくは −10〜3
0℃ 反応時間二0.1〜5時間 反応圧カニ常圧から加圧、好ましくは1〜3気圧下雰囲
気二窒素またはアルゴン下
【0033】尚、リチオ化反応は既知の方法(Ug i
 らJ。 Am、 Chem、 Soc、 、92巻、5389 
(1970) )によっても行うことができる。 [00341次にリチオ化物のハロゲン化は、ハロゲン
化剤として例えば、ヨウ素、臭素、塩素、N−ヨードス
クシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロ
スクシンイミドを用いて行うことができる。これらハロ
ゲン化剤はそのままの状態、もしくは溶媒に溶解した溶
液として反応系中に加えることができる。 [0035]溶媒は、前記リチオ他用溶媒として例示し
たものを用いることができ、ハロゲン化反応用溶媒もリ
チオ他用溶媒として例示したものを用いることができる
。ハロゲン化剤の使用量はリチオ化に用いたフェロセン
誘導体〔V〕に対して0.1〜2.0当量、好ましくは
0゜7〜1.5当量とすることが適当である。 [0036]ハロゲン化反応は以下の条件下で行うこと
が好ましい。 反応温度、−120°〜0℃、好ましくは −100゜
〜−30℃ 反応時間二0.1〜10時間 反応圧カニ常圧から加圧、好ましくは1〜3気圧下雰囲
気二窒素またはアルゴン下 [0037]ハロゲン化は、薄層クロマトグラフィーに
より進行状況を判断することができる。反応終了時に、
反応系に水を加えて反応を停止させた後、エーテル抽出
し、カラムクロマトグラフィーにより目的生成物を分取
することができる。 [0038]尚、一般式〔■■〕のハロフェロセン誘導
体のうちR2及びR3がメチル基である化合物は、前述
のヨウ化メチルによる四級アンモニウム塩化及び次いで
一級又は二級アミンとの反応により、−級及び二級アミ
ンを適宜選ぶことにより、R2及びR3がメチル基以外
の化合物に変換することができる(1.Ugi ら、1
. Org、 Chem、、37巻、3052  (1
972);T、Hayashi  ら、Bull。 Chem、 Soc、 Jpn、53巻、1138 (
1980)  ;G、Gokel ら、Angew、C
hem、、Int、Ed、Engl、 9.64  (
1970) )。 [0039] このようにして得られるハロフェロセン
誘導体〔■■〕の多くは結晶化する。そこで、生成物を
再結晶化することにより少量生成するジアステレオマー
(J。 Am、Chem、 Soc、、  92巻、5389 
(1970))を除去することができる。これにより光
学的に純粋なフェロセン誘導体〔I■〕及び〔■〕を得
ることができる。 [00401以下本発明の製造方法について説明する。 本発明において不斉アルキル化されるカルボニル化合物
は、アルデヒド化合物である。アルデヒド化合物として
は、芳香族アルデヒド、脂肪族アルデヒド、及び共役ア
ルデヒドが用いられる。 [0041]芳香族アルデヒドとしては、炭素数が7〜
11であり、例えば、ベンズアルデヒド、〇−及びpト
ルアルデヒド、〇−及びp−クロロベンズアルデヒド、
〇−及びp−アニスアルデヒド、フルフラール、αナフ
トアルデヒド及びβ−ナフトアルデヒド等を挙げること
ができる。 [0042]脂肪族アルデヒドとしては、炭素数が2〜
10であり、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンア
ルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、
ヘプトアルデヒド、オクチルアルデヒド、シクロヘキサ
ンカルボキシアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド
、ピバルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、3−フェ
ニルプロピオンアルデヒド等を挙げることができる。 [0043]共役アルデヒドとしては、炭素数が3〜1
0であり、例えば、アクロレイン、メタアクロレイン、
シンナムアルデヒド、クロトンアルデヒド等を挙げるこ
とができる。 [0044]本発明の製造方法に用いられるアルキル化
剤は、ジアルキル亜鉛である。具体的には、ジメチル亜
鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジブチル亜鉛等が
用いられる。これらジアルキル亜鉛はヘキサンあるいは
トルエンの0.5〜3.0M溶液として使用することが
好ましい。また、かかるジアルキル亜鉛はエーテル中、
塩化亜鉛と2当量の有機リチウム化合物を反応させて得
られたものをそのまま使用することもできる。 [0045]本発明の製造方法においては溶剤を用いる
ことが好ましい。該溶媒は反応に対し不活性なものであ
り、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水
素類、エチルエーテル、ブチルエーテル、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類が挙げられる。 [0046] これらの溶媒は一種または二種の混合溶
媒として用いることができる。これらの溶媒はアルデヒ
ド化合物1重量部に対して通常1〜100重量部、好ま
しくは、5〜40重量部存在させる。 [0047]アルデヒド化合物とジアルキル亜鉛を反応
させる際、アルデヒド化合物に対しジアルキル亜鉛は、
0.5〜3.0当量、好ましくは0.7〜2.0当量と
することが適当である。 [0048]光学活性な触媒である一般式〔■〕で表わ
されるフェロセニル誘導体の使用量はアルデヒド化合物
に対し通常、0.5〜30mo1%、より好ましくは1
〜15mo1%である。 [0049]反応温度は触媒の種類により異なるが、通
常−20°〜80℃、より好ましくは一10°〜60℃
である。本反応は、不斉合成反応では珍らしく、0℃以
上の高温でも生成物の光学純度を損うことな〈実施でき
る。 [00501反応時間は触媒の種類、触媒量等の条件に
よって適宜選ばれるが、0.5〜48時間が適当である
。 反応圧力は常圧から加圧のいずれでもよいが、好ましく
は1〜3気圧下で行なわれる。また、反応は窒素および
アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行なわれる。 [0051]反応の進行状況はガスクロマトグラフィー
より判定することができる。反応後は希薄な酸性水溶液
を加えて、反応を停止し、抽出し、カラムクロマトグラ
フィーにより目的生成物を分取することができる。生成
物の光学純度は、光学的に純粋な旋光度の値が知られて
いる場合には、旋光度の比較により、そうでない場合に
は、キシルカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)により、あるいは光学活性なα−メトキシ
α−トリフルオロメチルフェニル酢酸エステル(MTP
Aエステル)とした後、ガスクロマトグラフィーのジア
ステレオ比から決定した。 [0052]一方、触媒は目的生成物の抽出後の酸性液
をアルカリ性とし、抽出により回収することができる。 該回収触媒は、クロマトによる精製後、本反応に再使用
することができる。 [0053] このようにして本発明の方法により製造
される化合物としては、例えば、 (S)−1−フェニ
ルプロパツール、 (R)−1−フェニルプロパツール
、(S)−1−フェニルエタノール、 (R)−1−フ
ェニルエタノール、 (S)−1−フェニルペンタノー
ル、(R)−1−フェニルペンタノール、 (S)−1
−pクロロフェニルプロパツール、 (S)−1−o−
メチルフェニルプロパツール、 (R)−1−p−メト
キシフェニルプロパツール、 (S)−3−ノナノール
、(S)2−オクタツール、 (S)−3−デカノール
、 (S)1−フェニル−1−ペンテン−3−オール、
 (R)−1フェニル−1−ブテン−3−オール、 (
S)−2−ヘキセン−4−オール、 (S)−2−ペン
テン−4−オール、 (S)−1−シクロへキシルプロ
パツール、(R)1−シクロへキシルプロパツール、 
(S)−1−フェニルペンタン−3−オール、 (S)
 −1−(2−フリル)プロパツール、 (R)−1−
(2−フリル)プロパツール、 (S)−2−メチル−
1−ペンテン−3−オール、 (S)−1−ペンテン−
3−オール、(R)−2メチル−1−ペンテン−3−オ
ール、 (S)−2−メチル−ペンタン−3−オール、
(S)−1−β−ナフチルプロパツール、 (S)−4
−エチル−3−ヘキサノール、 (S) −2,2−ジ
メチル−3−ペンタノール、(R) −2,2−ジメチ
ル−3−ペンタノール、 (S)2−メチル−4−ヘキ
サノール、 (S)−2−メチル3−ヘプタツール、 
(R)−2−メチル−3−ヘプタツール等を好適なもの
として挙げられる。 [0054]
【発明の効果】本発明によれば、一般式〔■〕で表され
るフェロセン誘導体を触媒として用いることにより、高
い光学純度を有する光学活性なアルコールを得ることが
できる。 [0055]触媒上の置換基を変換することは天然物由
来の化合物を触媒とした場合には困難なことであり、そ
のため、天然物由来の化合物を触媒とした場合には基質
特異性が問題になった。しかし、本発明で用いた触媒で
は、不斉炭素上及び窒素原子上の置換基を容易に変換す
ることができるために、基質であるアルデヒドに対して
種々の置換基を有する触媒を検討することができ、基質
特異性の問題を解決することができる。 [0056]さらに、本発明の触媒を用いることにより
、これまで−殻内に0℃以下で行なうことが必要とされ
ていた不斉アルキル化反応を、室温付近又はそれ以上の
温度で行うことが可能になった。これは、本発明の方法
を工業的にスケール・アップして実施する際に、反応熱
により反応温度が上昇しても目的物の光学純度は低下し
ないことを意味し、従って、本発明の方法は、工業的に
有利な方法である。 [0057]さらに、本発明に触媒として用いた一般式
〔■〕で表されるフェロセン誘導体は、容易に合成でき
るという利点も有る。 [0058]
【実施例】以下本発明を参考例及び実施例によりさらに
説明する。 [0059] 参考例1 アルゴン雰囲気下、撹拌機を有する100m1ガラス製
常圧反応装置に(+) −(R) −N、 N−ジメチ
ル−1−フェロセニルエチルアミン2.66 g (1
0,3mmol )を加え、エーテル25m1に溶解さ
せた。水冷後、第二級ブチルリチウムのシクロヘキサン
溶液12.4ml (0,94M、11.7mmo l
)を滴下した。水冷下で1時間反応させた。ドライアイ
ス−アセトン浴で冷却後、ヨウ素3,00g  (11
,7mmol)をテトラヒドロフラン25m1に溶解さ
せた溶液を滴下した。冷却下、1時間反応させた後、水
を加えて反応を停止させた。水層をアルカリ性とし、エ
ーテルで抽出した。有機層は無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を留去した後、残渣をアルミナカラムクロマ
トグラフィーにより分離したところ、 (−) −(R
)−N、 I’J−ジメチル−1−〔(S) −2−ヨ
ードフェロセニル〕エチルアミンが3.12g(製造収
率79%)得られた。さらに、アセトニトリルから再結
晶化した。 [00601
【化6] [00611 〔α) D ”  −8,98°(C1,0,EtOH
)融点78〜9℃ 60 MHz ’HNMR(δ、CDC13); 1.
50(3H,d、■=8.0Hz) 、2゜15(6H
,S)、3.15(LH,Q、 J=7.5Hz) 、
4.13(7H,S)、4.40〜4.60 (LH,
m) IR(KBr) 3100.2970.2940.28
02.2760.1100.1000cm1 [0062] 参考例2 アルゴン雰囲気下、撹拌機を有するガラス製常圧反応装
置に参考例1で得た(R) −N、 N−ジメチル−1
−[:(S)−2−ヨードフェロセニル〕エチルアミン
3.83g (10,0mmol )を加え、アセトン
20m1に溶解させた。室温下でヨウ化メチル2.86
ml (46mmol )を加え、10分間反応させた
。エチルエーテル100m1を加えて、沈澱を生じさせ
、ろ過により、四級アンモニウム塩5、25 g (1
0,0mmol )を得た。引き続いて、得られた四級
アンモニウム塩は、アセトニトリル130m1に溶解さ
せた後、ジエチルアミン26ml (250mmol 
)を加え、30℃で48時間撹拌した。エチルエーテル
を加え、水洗した。エチルエーテル溶液は無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣はエチルアルコ
ールを用いて再結晶化を行ない、 (R) −N、 N
−ジエチル−1−((S)−2−ヨードフェロセニル〕
エチルアミン3.70g (9,0mmol 、製造収
率90%)を得た。 [0063] 【化7】 [0064] 〔α:] D 27−58.6  (CO,596,E
tOH)融点 49℃ 90MHz ’HNMR(δ、CDCh);0.98(
6H,t、J=7.2H2)  1.39(3H,d、
J=6.6H7) 2.39 (2H,q、J=6.9
Hz)  2.42 (2H,Q、J=6.9Hz) 
 3.90 (LH,Q、J=6.6H7)  4.0
9 (5H,s)  4.15〜4、21 (2H,m
)  4.38〜4.44(LH,m)IR(KBr)
 3100.2980.2820.1104.10叶、
820cm−’[0065] 参考例3.4 ジエチルアミンの代わりに表2に示すアミンを使用した
こと以外は参考例2と同様な操作を繰り返して表2に示
す生成物を得た。 [0066]
【表2】 [0067] 参考例3の生成物 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 1.1
6〜1.50(6H,m)  1.50(3H,d、J
=6.3Hz)2.36 (3H,t、J=5.IHz
)  3.70 (LH,Q、J=7゜2Hz)  4
.10 (5H,s)  4.16〜4.25(2H,
m)  4.39〜4.49(LH,m) IR(KBr) 3100.2950.2860.28
05.2760.1108.1002.820cm−1 [0068] 参考例4の生成物 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 0.9
6(6H,d、J=6.0Hz)  1.06(6H,
d、J=6.0Hz) 1.49 (3H,d、J=6
.3Hz)  2.89〜3.37(2H,m)  4
.03(LH,q、J=6.6Hz)  4.06(5
H,s)4.10〜4.28(2H。 m)  4.36〜4.45(LH,m)IR(KBr
) 3105.2995.2898.1365.119
5.1109.1002.820cm−1[0069] 参考例5 アルゴン雰囲気下、撹拌機を有するガラス製常圧反応装
置に参考例3で得た(R) −1−〔(S) −2−ヨ
ードフェロセニル〕−1−ピペリジノエタン2.12g
(5,0mmol )を加え、エチルエーテル12m1
に溶解させた。水冷後、n−ブチルリチウムのヘキサン
溶液3.13ml (1゜60M、5.0 mmol)
を滴下した。水冷下で5分間反応させた後、ベンゾフェ
ノン911mg (5,0mmol )のエチルエーテ
ル溶液15m1を加えた。室温下で1時間反応させた。 8%リン酸水溶液を加えて反応を停止させた。エチルエ
ーテルで酸性液を洗浄後、濃アルカリ水溶液を加えて、
この酸性液を強アルカリ性とした。エチルエーテルで抽
出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:Ac0Et)により分離したところ、 (−)(R
)−1−((S) −2−(ジフェニルヒドロキシメチ
ル)フェロセニル〕−1−ピペリジノエタンが1.80
 g(3,75mmol 、製造収率75%)得られた
。 [00701
【化8] [00711 〔α〕D 2’  −209,9(CO,49,EtO
H)融点 62〜69℃ 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 0.2
9〜1.70(6H,m)  1.24(3H,d、J
=6.3H2)2.25 (4H,t、J=5.7Hz
)  3.80 (5H,s) 3.89〜4.01(
LH,m) 4.03〜4.20(LH,m)  4.
20〜4.37(LH,m)4.40(LH,q、J=
6.9Hz)  6.98〜7.45(8H,m)  
7.50〜7.75(2H,m)  8.72(IH,
s、0H)IR(KBr) 3460.3100.30
70.2950.2840.1600.1444.11
04.1002.820.762.753.703 c
m−1[0072] 参考例6〜10 (R) −1−[(S)−2−ヨードフェロセニル〕−
1ピペリジノエタン、およびケトンとして、ベンゾフェ
ノンの代わりに表3及び表4に示す原料を使用したこと
以外は参考例5と同様な操作を繰り返して表3及び表4
に示す生成物を得た。 [0073] 【表3】 [0074]
【表4】 [0075] 参考例6の生成物 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 0.3
7(3H,d、J−6,6H7)  0.85(3H,
d、J=6.3Hz) 1.29 (6H,d、J=6
.6Hz)  1.45 (3H,d、J=6.6Hz
)  1.60〜1.97(LH,m)  2.10 
(6H,s) 2.30〜2.68(LH,m) 3.
78〜3.95(LH,m)  4.09 (5H,s
)  4.11〜4.23(3H,m) 7.69 (
LH,s、 −0H)IR(KBr) 3420.31
00.2998.2898.2800.1108.10
04.828.820 cm−1 [0076] 参考例7の生成物 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 1.2
1(3H,d、J=6.3H7)  1.30〜2.4
2(IOH,m) 2.09(6H,s) 3.90〜
4.09(3H,m)  4.12 (5H,s) 4
.29(IH,q、J=6.3Hz) 7.18(LH
,s、−0H) IR(KBr) 3450.3100
.2950.2800.1105.822cm−’[0
077] 参考例8の生成物 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 0.6
3(6H,t、J=7.2H2)  1.20(3H,
d、J=6.0Hz) 1.89〜2.58(4H,m
)  3.78 (5H,s) 3.89〜4.03(
LH,m)  4.07〜4.20(LH,m)  4
.20〜4.31(IH,m)4.65(IH,Q、J
=6.9H2)  6.98〜7.48(8H,m) 
7.53〜7.76(2H,m) 8.70(LH,s
、−0H)IR(KBr) 3450.3100.30
60.2995.2860.1598.1109.10
03.820.755.702 cm−1[0078] 参考例9の生成物 90MHz IHNMR(δ、CDC1a); 1.3
2(3H,d、J=6.0H7)  1.35〜1.9
5(6H,m)  2.64(4H,t、J=5.4H
z)  3.20〜3.39(LH,m)3.50(5
H,s)  3.70〜3.90(LH,m)  3.
90〜4.02(LH,m)4.02〜4.18(IH
,m)  4.20〜4.60(2H,m) 7.06
〜7.50(4H。 m) 7.60〜7.83(LH,m)  7.89〜
8.09(LH,m)IR(KBr) 3460.31
00.3150.2950.2830.1108.10
01.820.760.747 cm−1[0079] 参考例10の生成物 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 0.6
9(6H,d、J−6,0Hz)  1.09(6H,
d、J=6.0Hz)  1.38(3H,d、J=6
.3Hz)  2.85〜3.22(2H,m)  3
.70(5H,s)  3.90〜4.10(LH,m
)  4.10〜4.23(LH。 m)  4.23〜4.37 (LH,m)  4.8
2 (LH,q、 J=6.9Hz)  6.98〜7
゜47(8H,m)  7.6(1〜7.83(2H,
m)  8.45(IH,s、−0H)IR(KBr)
 3450.3100.3070.2990.2890
.1600.1105.1000.819.750.7
00 cm−’[00801 参考例11〜13 (R) −1−((S)−2−ヨードフェロセニル〕−
1ピペリジノエタンの代わりに表5に示す原料を使用し
、さらにカルボニル化合物としてベンゾフェノンの代わ
りに表5に示すアルデヒドを使用したこと以外は参考例
5と同様な操作を繰り返した。なお、生成物は二種類の
ジアステレオマーとなるが、アルミナ、あるいはシリカ
ゲルのクロマトグラフィーにより分離して各生成物を得
、それぞれの物性値を示した。結果を表5に示す。 [0081]
【表5】 [0082]参考例11 生成物1 90MHz IHNMR(δ、CDC13); 1.3
6(3H,d、■=6.6Hz)  2.22(6H,
s)  3.38〜3.58(LH,m) 3.80〜
4.40(3H,m)  4.03(5H,s)  5
.94(LH,s)  7.12〜7.68(5H,m
)  7.70〜8.02(LH。 s、OH)。 IR(neat) 3102.3049.2998.2
849.2800.1605.1105.1000.8
19.738.700 cnr’[0083] 生成物2 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 1.2
3(3H,d、■=6.0Hz)  2.19(6H,
s)  3.80(5H,s)  3.90〜4.35
(4H,m)  5.47(IH,s)6.00〜6.
70(IH,−0H)  7.09〜7.68(5H,
m)IR(neat) 3370.3100.3040
.2998.2798.1600.1104.1000
.818.719.700 cnr’[0084] 参考例12 生成物1 90MHz IHNMR(δ、CDC1a); 0.9
4(9H,s) 1.29(3H,d、J=6.6Hz
)  2.07(6H,s)  2.62(LH,−0
H) 3.80(IH,Q、J=7.5Hz) 3.9
7〜4.17 (4H,m)  4.16 (5H,5
)IR(KBr) 3480.3105.2999.2
970.2840.2800.1106.1102.8
18cm−’ [0085] 生成物2 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 1.1
8(9H,s)  1.29(3H,d、■=6.0H
z)  2.15(6H,s)  4.00(5H,s
)  4.05〜4.18(3H,m)4.19〜4.
34(LH,m)  4.52(LH,s)  7.4
0〜7.80(LH,−0H)IR(KBr) 345
0.3102.3000.2960.2850.280
0.1108.1005.820cm−’ [0086] 参考例13 生成物1 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 0.9
9(9H,s) 1.27(3H,d、J5.4Hz)
  1.18〜1.55(6H,m) 2.20〜2.
60(4H,m)3.79(LH,q、J=7.2Hz
)  3.97〜4.37(4H,m)  4.11(
5H,5)IR(neat) 3100.3000.2
950.2820.1105.1000.820cm’ [0087] 生成物2 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 1.2
0(9H,s)  1.33(3H,d、J6.0Hz
)  1.29〜1.56(6H,m)  2.32〜
2.57(4H,m)  4.00(5H,s)  4
.03〜4.20(3H,m)  4.20〜4.37
(LH,m)4.50(LH,5) IR(neat) 3250.3105.3000.2
960.2840.1112.1009.822cm−
1 [0088] 参考例14.15 (R) −1−[(S)−2−ヨードフェロセニル〕−
1ピペリジノエタンの代わりに(R) −N、 N−ジ
メチル−1−((S)−2−ヨードフェロセニル〕エチ
ルアミンを使用し、さらにカルボニル化合物としてベン
ゾフェノンの代わりに表6に示すアルデヒドを使用した
こと以外は参考例5と同様な操作を繰り返した。なお、
参考例15の生成物は二種類のジアステレオマーとなる
が、アルミナ、あるいはシリカゲルのクロマトグラフィ
ーにより分離して各生成物を得、それぞれの物性値を示
した。結果を表6に示す。 [0089]
【表6】 [00901 参考例14 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 1.3
5(3H,dj=6.6Hz)  2.20(6H,s
) 3.78(6H,s) 3.70〜4.00(2H
,m) 3.93(5H,s) 4゜02〜4.20(
LH,m)4.30(LH,q、J=7.0Hz)  
6.58  (IH,s)6.68(2H,d、J=3
.3Hz)  7.23(LH,d−d、J=8.4H
z、 J=7.0Hz)IR(KBr)  3450.
3100.2998.2950.2848.2800.
1595.1475.1245.1180.1100.
1004.920.808.730c−1 [0091] 参考例15 生成物1 90MHz ’HNMR(δ、CDCl 3); 1.
35(3H,d、J=6.8Hz)  2.27(6H
,s) 3.52〜3.65(LH,m) 3.87〜
3.99(IH,m)3.97(5H。 s) 4.15〜4.24(LH,m) 4.47(L
H,q、J=6.8Hz) 6.05(LH,OH) 
7.17(LH,s) 7.30〜7.60(4H,m
) 7.88〜8.10(2H,m)8.40(LH,
s) 8.85〜9.10 (2H,m)IR(nea
t) 3440.3100.3050.2970.29
40.2815.2775.1620.1520.13
65.1260.1104.1040.1000、88
0、732cnr ’ [0092] 生成物2 90MHz ’HNMR(δ、CDC13); 1.4
7(3H,d、■=6.8Hz)  2.34(6H,
s) 3.30〜3.42(LH,m)3.83(5H
,s) 4.04 〜4.16(LH。 m) 4.18〜4.30(LH,m) 4.51(L
H,Q、 J=6.8Hz) 7.25〜7.53(4
H,m) 7.55(LH,s) 7.89〜8.10
(2H,m) 8.44(LH,s) 8.60〜8.
90 (2H,m) IR(KBr)  3440.3100.2990.2
930.2785.1600.1510.1350.1
265.1108.1035.1005.880.73
0cnr ’[0093] 実施例1 アルゴン雰囲気下、撹拌機を有するガラス製常圧反応装
置に参考例11で得た(R) −N、 N−ジメチル−
1[: (S) −2−((S)−フェニルヒドロキシ
メチル)フェロセニル〕エチルアミン(参考例11の生
成物1)431mg (1,19mmol 、触媒濃度
4.9mo1%)を加え、ヘキサン25m1に溶解させ
た。ベンズアルデヒド2゜60 g (24,5mmo
l )のヘキサン溶液20m1を加え、室温で15分間
撹拌した。ジエチル亜鉛26ml (1,47Mヘキサ
ン溶液、38 mmol )を加え、室温で3時間撹拌
後、水冷下、IN塩酸を加え、反応を停止させた。エー
テルで抽出後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。減圧下、エーテルを留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。さらに減
圧下で蒸留後、 (S)−1−フェニルプロパツールが
3、18 g (23,3mmol 、製造収率95%
)得られた。 [0094] 〔α〕D25−44.4°  (C5,28,CHCl
3)キシルカラムを用いた高速液体カラムクロマトグラ
フィー(HPLC)により求めた光学純度は91%e、
 e、であった。 [0095]一方、エーテル抽出後の酸性水溶液は、濃
水酸化ナトリウム水溶液を加え、アルカリ性とした後、
エーテルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減
圧下、エーテルを留去後、 (R) −N、 N−ジメ
チル1− ((S) −2−((S)−フェニルヒドロ
キシメチル)フェロセニル〕エチルアミンが409mg
 (1,13mmol、回収率95%)得られた。 [0096] 実施例2〜7 不斉触媒および反応温度、反応時間を表7に示した化合
物および条件とした以外は実施例1と同様な操作を繰り
返して(S)−1−フェニルプロパツールを得た。結果
を表7に示す。 [0097]
【表7】
【0098】 実施例8〜13 ベンズアルデヒドの代わりにn−ヘプトアルデヒドを用
い、不斉触媒、溶媒及び反応時間を、表8に示した化合
物および条件とした以外は実施例1と同様な操作を繰り
返して3−ノナノールを得た。3−ノナノールの光学純
度は、旋光度により決定した(T、 Mukaiyam
aら、Chem、 Lett、、 1976、893.
文献値〔α〕D 24+9.6°(CHCl3) :]
。 結果を表8に示す。 [0099]
【表8】 (向山)
【0100】 実施例14〜23 不斉触媒として参考例5で得た(R) −1−((S)
2−ジフェニルヒドロキシメチル)フェロセニル〕−1
ピペリジノエタンを用い、ベンズアルデヒドの代わりに
表9及び表10に示すアルデヒドを用いたこと以外は実
施例1と同様な操作を繰り返して、光学活性アルコール
を得た。得られた光学活性アルコールの光学純度は、生
成物により、旋光度の比較か、HPLCを用いるか、あ
るいはMTPAエステルとし、ガスクロマトグラフィー
あるいはlHNMRのジアステレオ比から決定した。 また、絶対配置は旋光度の符号から決定した。結果を表
9及び表10に示す。 [0101]
【表9】 [0102]
【表10】 [0103] 実施例24.25 不斉触媒として参考例5で得た(R)−1−((S) 
−2−(ジフェニルヒドロキシメチル)フェロセニル〕
−1−ピペリジノエタンを用い、ジエチル亜鉛の代わり
にジ(n−ブチル)亜鉛を用い、さらに表11に示すア
ルデヒドを用いたこと以外は実施例1と同様な操作を繰
り返して、光学活性アルコールを得た。結果を表11に
示す。 [0104]
【表11】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔■〕で表わされるキラルな
    フェロセン誘導体の存在下、アルデヒド化合物とジアル
    キル亜鉛とを反応させることを特徴とする光学活性アル
    コールの製造方法。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜6の低級アルキル基を示し、
    R2及びR3は、同−又は異なり、炭素数1〜6の低級
    アルキル基、フェニル基又はベンジル基を示すか、R2
    とR3は、それぞれが結合する窒素原子と炭素数4〜6
    の複素環を形成し、R4及びR5は、同−又は異なり、
    水素、炭素数1〜6の低級アルキル基、アリール基、ア
    ントラセニル基又はフェロセニル基を示すか、R4とR
    5はそれぞれが結合する炭素原子と炭素数5〜7のシク
    ロアルキル基又は10−ヒドロアントラセニル基を形成
    する。)
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