JPH08245086A - 油圧エレベータ制御装置 - Google Patents

油圧エレベータ制御装置

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Publication number
JPH08245086A
JPH08245086A JP7052626A JP5262695A JPH08245086A JP H08245086 A JPH08245086 A JP H08245086A JP 7052626 A JP7052626 A JP 7052626A JP 5262695 A JP5262695 A JP 5262695A JP H08245086 A JPH08245086 A JP H08245086A
Authority
JP
Japan
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hydraulic
elevator
pressure
control device
operating oil
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Application number
JP7052626A
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English (en)
Inventor
Akihiko Hirata
昭彦 平田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧エレベーターの作動油温の調節が可能で
あり、エレベーター乗りかごのコントロール性が良好
で、乗り心地が良く、又、カースタートタイムを短縮す
る。 【構成】 作動油温の高低に従い下降の運転制御方式が
切換えられる。速度制御装置20は、温度センサ22に
よって検出された油温が、設定温度より高い場合、電磁
切換弁9を開き、電磁切換弁210を閉じる。これによ
り、動作油は、電磁切換弁9を介して油圧ポンプ8に流
入し、誘導電動機7を用いた回生制御による速度制御が
実行される。検出された油温が設定温度以下の場合、電
磁切換弁9が閉じられ、電磁切換弁210が開かれ、電
磁切換弁210の絞りを利用した流量制御による速度制
御が実行される。この際、電磁切換弁210の絞りが制
御され、油温を適切な温度まで上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油圧エレベータの制
御装置に関し、特に、誘導電動機を用いて回転数制御処
理を実行する油圧エレベータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に油圧エレベーターには、定吐出量
型ポンプとこの定吐出量型ポンプを駆動するための誘導
電動機が設けられ、この誘導電動機に供給される電圧や
周波数を変えることにより、誘導電動機の回転数を広い
範囲にわたって制御する電動機回転数制御方式が適用さ
れている。
【0003】この制御方式では、エレベータの乗りかご
の上昇時には、定吐出量型ポンプの吐出量が誘導電動機
の回転数を変えることにより可変制御され、下降時には
誘導電動機の回生制動によって乗りかごの速度が制御さ
れる。
【0004】ここで、図8を参照して従来のエレベータ
制御装置について説明する。図8は上述の電動機回転数
制御方式を採用した油圧エレベーターの構成を示したも
のであり、1はエレベーターの乗りかご、2はプランジ
ャ3を内蔵する油圧ジャッキ、4はプランジャ3上部に
取り付けられたシーブ、5はシーブ4に掛けられたロー
プである。ロープ5の一端は乗りかご1に、他端は基礎
6にそれぞれ取り付けられている。更に、7は可逆回転
可能な油圧ポンプ8に直結する交流誘導電動機、9は油
圧ジャッキ2と油圧ポンプ8の間に配設された電磁切換
弁、10はタンク、11はタンク内作動油温を高めるブ
リードオフ機構となる流量制御弁である。12は、パル
ス発生器であり、誘導電動機7に取り付けられ、検出し
た回転数を速度制御装置13に伝える。
【0005】R、S、Tは三相交流電源信号であり、整
流回路14によって直流に変換され、この後、コンデン
サ15によって平滑化される。この平滑化された直流
は、更に、インバータ16によりパルス幅制御され、可
変電圧、可変周波数の三相交流に変換される。又、誘導
電動機7の回生時には、インバータ16により発生した
回生電力が、トランジスタ17により制御され、更に、
回生抵抗18により消費される。
【0006】前記速度制御装置13には、誘導電動機7
の回転数を検出するパルス発生器12、乗りかご1の位
置を検出するパルス発生器19からの信号が入力され、
制御信号13aがインバータ16に、制御信号13bが
電磁切換弁9のソレノイド91に出力される。
【0007】次に、油圧エレベーターの動作を説明す
る。上昇運転時は、運転指令によって誘導電動機7が回
転する。この時、速度制御装置13及びインバータ16
によって誘導電動機7に供給される動作電源の周波数が
制御される。これにより、油圧ポンプ8の回転数、すな
わち油圧ポンプ8の吐出量が制御され、吐出された油が
電磁切換弁9の逆止弁92を通って油圧ジャッキ2に流
れ込み、乗りかご1が上昇する。この際、乗りかご1の
位置は、位置検出用パルス発生器18によって検出され
る。速度制御装置13は、検出される位置を参照して、
所望の位置まで乗りかご1を上昇させる。
【0008】下降運転時には、ソレノイド91が励磁さ
れ、電磁切換弁9の回路が開く。従って、乗りかご1の
自重により、プランジャ3は下降し、ジャッキ2から排
出された作動油は電磁切換弁9を通過し油圧ポンプ8に
供給され、この油圧ポンプ8を回転させる。この時、速
度制御装置13は誘導電動機7の回生制動を利用して、
乗りかご1の下降速度を制御すると共に動力を回生す
る。回生された電力は回生抵抗18により消費される。
速度制御装置13は、かご位置検出用パルス発生器19
により検出される乗りかご1の位置に基づき、速度指令
13aを出力する。インバータ16は、この速度指令に
従って誘導電動機7を回転制御し、これにより、乗りか
ご1は、所望の位置まで下降される。
【0009】又、タンク10内の油温が予め設定された
値より低い場合、油圧ポンプ8が回転されると共に絞り
11が駆動される。これにより、作動用の油は、絞り1
1において、絞りによる摩擦によって温度が上昇し、再
びタンク10に戻される。この動作が連続して行なわれ
ることにより、タンク10内の作動用の油温を上昇させ
ることができる。一般に、このような油温制御動作をブ
リードオフ運転と称する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の方
法では、以下に示すような不具合が生じる。第1に、電
動機回転数制御によるエレベーター制御方式では、乗り
かごの上昇時、乗りかごの上昇に必要なエネルギーは電
動機により発生され、又、乗りかごの下降時、エレベー
ターかごの位置エネルギーは電動機の回生制動運転によ
り電気エネルギーに変換され、回生抵抗により熱に変換
される。このため、上昇時及び下降時共、発生するエネ
ルギーは、タンク内の油温の上昇に寄与しない。
【0011】従って、エレベータ作動中の油温は、機械
室温に左右され、冬季等で機械室内気温が低下した場
合、作動中の油温低下によって油の特性(粘度、密度)
が変化し、電動機回転数制御による乗りかごのコントロ
ール性が著しく損なわれることがある。
【0012】又、前述したように絞りを用いたブリード
オフ運転により、所定の温度まで作動油温を上昇させ、
エレベーター乗りかごのコントロール性が損なわれない
ようにする方法がある。しかし、このブリードオフ運転
を実行するには、エレベータ乗りかごの上昇又は下降と
は無関係に油圧ポンプを回転させる必要がある。即ち、
乗りかごの上昇又は下降のために油圧ポンプが駆動して
いない時に、油圧ポンプを回転させなければならない。
このため、常時エレベータ乗りかごが上昇又は下降して
いる場合、動作油温を適切な温度に調節することができ
ない。
【0013】第2に、電動機回転数制御によるエレベー
ター制御方式では、下降時にジャッキから排出された作
動油は油圧ポンプを回転させる。乗りかごの下降速度
は、この油圧ポンプの回転により生じる誘導電動機の回
生制動によって制御される。この際、図9(a)〜
(c)に示されるように、吐出されたポンプ圧力には若
干の圧力脈動が含まれている。この脈動はポンプ吸込側
にも発生し、かごの振動を発生させるため、乗客の乗り
心地を低下させる。この脈動は吐出圧力の大きさには余
り影響されず一定値である。即ち、図9(a)〜(c)
のポンプ圧力のグラフに示されるように、ポンプ吐出圧
力が、約1.2[MPa]、約1.8[MPa]、又は
約2.4[MPa]の場合であっても、脈動の大きさ
(幅)は大差がない。このため、吐出圧力が低い方が、
吐出圧力に占める圧力脈動分が大きくなる。従って、図
9(a)〜(c)に示されるように、ポンプ吐出圧力の
低い場合程、乗りかごに与える振動が大きい。この為、
特に吐出圧力が低い場合には、ポンプ脈動によりかごの
乗り心地は低下する。
【0014】第3に、電動機回転数制御によるエレベー
ター制御方式では、乗りかごの停止中に電磁切換弁と油
圧ポンプとの間に、ポンプの油漏れによる空間が生じ
る。このため、下降運転始動時、電磁切換弁が開くと、
油圧ジャッキからの作動油が電磁切換弁と、油圧ポンプ
との間の空間に急激に流れ込むため、乗りかごは、スタ
ート時急激に下降する。その後油圧ポンプの回転数は速
度パターンによって制御される。このように乗りかごは
下降走行スタート時急激に下降してしまうため、これを
防ぐために下降運転のスタート時には油圧ポンプを乗り
かごが上昇する方向に微速回転させ、ポンプからの油漏
れによる圧力低下相当分の油量を補った後、正規の運転
に入る等の対策をがとられている。しかし、このような
方法では、油漏れ量を補うためにポンプが微速回転して
いる間エレベーターは起動しないため、下降開始までの
時間(カースタートタイム)が長くるという不具合が生
じる。
【0015】この発明は、前記実情に鑑みてなされたも
のであり、油圧エレベーターの作動油温の調節が可能で
あり、エレベーター乗りかごのコントロール性が良好
で、乗り心地が良く、又、カースタートタイムを短縮す
ることができる油圧エレベーター制御装置を提供するこ
と目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係る第1の油
圧エレベータ制御装置は、エレベータ乗りかごを昇降す
る油圧ジヤッキと、この油圧ジヤッキに動作油を圧送す
る油圧ポンプと、前記油圧ジャッキと前記油圧ポンプと
の間に設けられた第1切換弁と、前記油圧ポンプを回転
駆動する誘導電動機と、この誘導電動機に回転駆動用の
動作電源を供給する電源手段とにより構成され、前記誘
導電動機に供給される動作電源の周波数を制御すること
により前記エレベータ乗りかごの昇降速度を制御する油
圧エレベーター制御装置であって、絞りにより動作油の
流量を制御する流量制御弁を有し、前記油圧ジヤッキ内
の動作油を送出する専用回路と、前記動作油の温度を検
出する温度センサと、前記エレベータ乗りかごの下降指
令に応じ、前記温度センサにより検出される動作油の温
度に従って前記第1切換弁及び前記流量制御弁の開閉を
切り換え制御する制御手段とを具備することを特徴とす
る。
【0017】又、この第1のエレベータ制御装置におい
て、前記油圧エレベータ制御装置は、前記油圧ジヤッキ
と前記第1切換弁との間に第2切換弁を具備し、前記制
御手段は、前記エレベータ乗りかごの停止時、前記温度
センサにより検出される動作油の温度に従い、前記第1
及び第2切換弁と前記流量制御弁との開閉と、前記前記
油圧ポンプの回転駆動とを制御して前記動作油の温度制
御を行なう手段を含むことを特徴とする。
【0018】この発明に係る第2の油圧エレベータ制御
装置は、エレベータ乗りかごを昇降する油圧ジヤッキ
と、この油圧ジヤッキに動作油を圧送する油圧ポンプ
と、前記油圧ジャッキと前記油圧ポンプとの間に設けら
れた第1切換弁と、前記油圧ポンプを回転駆動する誘導
電動機と、この誘導電動機に回転駆動用の動作電源を供
給する電源手段とにより構成され、前記誘導電動機に供
給される動作電源の周波数を制御することにより前記エ
レベータ乗りかごの昇降速度を制御する油圧エレベータ
ー制御装置であって、絞りにより動作油の流量を制御す
る流量制御弁を有し、前記油圧ジヤッキ内の動作油を送
出する専用回路と、前記動作油の作動圧力を検出する圧
力センサと、前記エレベータ乗りかごの下降指令に応
じ、前記圧力センサにより検出される動作油の作動圧力
に従って前記第1切換弁及び前記流量制御弁の開閉を切
り換え制御する制御手段とを具備することを特徴とす
る。
【0019】この発明に係る第3の油圧エレベータ制御
装置は、エレベータ乗りかごを昇降する油圧ジヤッキ
と、この油圧ジヤッキに動作油を圧送する油圧ポンプ
と、前記油圧ジャッキと前記油圧ポンプとの間に設けら
れた第1切換弁と、前記油圧ポンプを回転駆動する誘導
電動機と、この誘導電動機に回転駆動用の動作電源を供
給する電源手段とにより構成され、前記誘導電動機に供
給される動作電源の周波数を制御することにより前記エ
レベータ乗りかごの昇降速度を制御する油圧エレベータ
ー制御装置であって、絞りにより動作油の流量を制御す
る流量制御弁を有し、前記油圧ジヤッキ内の動作油を送
出する専用回路と、前記動作油の作動圧力を検出する第
1圧力センサと、前記油圧ポンプから吐出される前記動
作油の吐出圧力を検出する第2圧力センサと、前記エレ
ベータ乗りかごの下降指令に応じ、前記第1及び第2圧
力センサにより検出される前記作動圧力と前記吐出圧力
とに従って、前記第1切換弁の開閉と、前記流量制御弁
の絞りとを制御する制御手段とを具備することを特徴と
する。
【0020】又、前記第2及び第3の油圧エレベータ制
御装置において、前記油圧エレベータ制御装置は、前記
動作油の温度を検出する温度センサと、前記油圧ジヤッ
キと前記第1切換弁との間に第2切換弁とを具備し、前
記制御手段は、前記エレベータ乗りかごの停止時、前記
温度センサにより検出される動作油の温度に従い、前記
第1及び第2切換弁と前記流量制御弁との開閉と、前記
前記油圧ポンプの回転駆動とを制御して前記動作油の温
度制御を行なう手段を含むことを特徴とする。
【0021】
【作用】前記第1の油圧エレベータ制御装置において、
エレベータ乗りかご下降指令の発生に応じ、前記制御手
段は、検出された油温に基づき、第1切換弁及び流量制
御弁の開閉を制御する。即ち、検出された油温が、予め
定められた設定温度より高い場合、第1切換弁を開き、
流量制御弁を閉じる。これにより、動作油は、第1切換
弁を介して油圧ポンプに流入する。従って、前記油圧エ
レベータ制御装置では、誘導電動機を用いた回生制御に
よるエレベータ乗りかごの速度制御が実現される。この
際、油温の上昇は抑えられる。
【0022】検出された油温が設定温度以下の場合、第
1切換弁が閉じられ、流量制御弁が開かれる。これによ
り、動作油は、流量制御弁を通過する。従って、油圧エ
レベータ制御装置では、流量制御弁の絞りを利用した流
量制御によるエレベータ乗りかごの速度制御が実現され
る。この際、前記制御手段は、流量制御弁の絞りを制御
して、油温を適切な温度まで上昇させる。
【0023】このような、作動油温に従って下降の運転
制御方式を切換えることにより、適切な油温調節が可能
となり、エレベーターのコントロール性を良好な状態に
保つことができる。
【0024】前記第2の油圧エレベータ制御装置におい
て、エレベータ乗りかご下降指令の発生に応じ、前記制
御手段は、検出された作動圧力に基づき、第1切換弁及
び流量制御弁の開閉を制御する。即ち、検出された作動
圧力が、予め定められた設定圧力より高い場合、第1切
換弁を開き、流量制御弁を閉じる。これにより、動作油
は、第1切換弁を介して油圧ポンプに流入する。従っ
て、前記油圧エレベータ制御装置では、誘導電動機を用
いた回生制御によるエレベータ乗りかごの速度制御が実
現される。この際、油温の上昇は抑えられる。
【0025】検出された作動圧力が設定圧力以下の場
合、第1切換弁が閉じられ、流量制御弁が開かれる。こ
れにより、動作油は、流量制御弁を通過する。従って、
油圧エレベータ制御装置では、流量制御弁の絞りを利用
した流量制御によるエレベータ乗りかごの速度制御が実
現される。この際、前記制御手段は、流量制御弁の絞り
を制御して、油温を適切な温度まで上昇させる。
【0026】このような、作動圧力に従って下降の運転
制御方式を切換えることにより、適切な油温調節が可能
となり、エレベーターのコントロール性を良好な状態に
保つことができる。
【0027】前記第3の油圧エレベータ制御装置におい
て、エレベータ乗りかご下降指令の発生に応じ、前記制
御手段は、検出された作動圧力と吐出圧力とに基づき、
第1切換弁の開閉と、流量制御弁の絞りを制御する。こ
こで、エレベータ乗りかごが停止している場合、通常、
作動圧力は、油圧ポンプから吐出される油圧、即ち吐出
圧力より大きい。前記制御装置は、この関係を検出し、
第1切換弁を閉じ、流量制御弁を開く。これにより、動
作油は、流量制御弁を通過する。従って、油圧エレベー
タ制御装置では、流量制御弁の絞りを利用した流量制御
によるエレベータ乗りかごの速度制御が実現される。
【0028】制御手段は、作動圧力と吐出圧力とがほぼ
等しくなると、第1切換弁と開き、流量制御弁を所定量
づつ絞る。この際、この油圧エレベータ制御装置では、
前記流量制御と、誘導電動機を用いた回生制御との両制
御方式による速度制御が実現される。
【0029】流量制御弁が完全に閉じると、油圧ジヤッ
キから吐出される動作油は全て第1切換弁を介して油圧
ポンプに流入する。従って、回生制御のみによるエレベ
ータ乗りかごの速度制御が実現される。
【0030】このように、検出される作動圧力と吐出圧
力とに基づき、絞りによる流量制御と誘導電動機による
回生制御とを、同時、又は切り換えて実行し、エレベー
タ乗りかごが所望の位置まで下降される。このため、下
降始動時、ポンプからの油漏れ圧力低下相当分の油量を
ポンプを微速回転させることにより補う間に、下降運転
が開始できるため、カースタートタイムをほぼ0にする
ことができ、下降運転指令と同時に下降動作を開始する
ことができる。
【0031】又、前記第1〜第3のエレベータ制御装置
では、エレベータ乗りかごの停止時、検出される油温に
基づいて、前記流量制御弁を用いたブリードオフ運転が
実現される。即ち、エレベーター起動頻度、機械室環
境、外気温等の条件により、油温が予め定められた規定
温度より下がった場合、第2切換弁を閉じ、第1切換弁
を開け、更に、流量制御弁の絞りを制御しつつ油圧ポン
プを駆動する。ここで、流量制御弁の絞りにより油温が
高められる。従って、従来のエレベータ制御装置のよう
にブリードオフ専用回路を設けることなく、下降時の速
度制御に使用される流量制御弁によって油温を上昇させ
ることができる。このため、適切な油温の調節ができ、
エレベーターのコントロール性を良好な状態に保つこと
が可能となる。更に、リブートオフ専用回路を省くこと
ができるのでエレベータ制御装置のコストダウンも実現
できる。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の第1〜第4
実施例を説明する。先ず、この発明の第1実施例を説明
する。この第1実施例に係るエレベータ及びエレベータ
制御装置の構成を図1に示す。尚、図1において、前記
図8に示される従来のエレベータ及びエレベータ制御装
置と同様の構成要素には同じ参照符号を付す。
【0033】図1において、エレベータの乗りかご1
は、シーブ4に掛けられたロープ5の一端に接続され、
ロープ5の他端は、所定の位置に固定して設けられた基
礎6に接続されている。プランジャ3は、油圧ジャッキ
2に内蔵され、更に、上部に前記シーブ4が取り付けら
れている。油圧ジヤッキ2内への作動油の流れ込み、又
は油圧ジヤッキ2内からの作動油の吐出に応じてプラン
ジャ3及びシーブ4が上昇又は下降する。このプランジ
ャ3及びシーブ4の上昇又は下降に従って乗りかご1が
上昇又は下降する。又、乗りかご1には、乗りかご1の
位置を検出するための位置検出用パルス発生器19が設
けられ、この位置検出用パルス発生器19より、乗りか
ご1の位置を示す信号19aが速度制御装置20に送ら
れる。
【0034】整流回路14は、図示せぬ交流電源装置か
ら出力される三相交流電源信号R、S、Tが供給され、
この交流信号を直流に変換する。整流回路14の出力段
には、コンデンサ15と、トランジスタ17及び回生抵
抗18により構成される回路と、インバータ16とが順
次設けられている。コンデンサ15は、整流回路14に
よって直流に変換された信号を平滑化する。トランジス
タ17は、誘導電動機7の回生動作時、インバータ16
により生成される回生電力を制御し、回生抵抗18は、
制御された回生電力を発熱消費する。インバータ16
は、誘導電動機7を駆動するために動作用の交流電源を
供給する。又、インバータ16は、速度制御装置20か
ら送られる制御信号20aに従って、誘導電動機7に供
給される動作用交流電源の周波数を制御する。
【0035】誘導電動機7は、可逆回転可能な構成で、
インバータ16から供給される交流電源に基づいて油圧
ポンプ8を駆動する。この油圧ポンプ8は、誘導電動機
7により駆動され、タンク10内の作動油を吐出する。
尚、誘導電動機7には、回転数を検出するためのパルス
発生器12が設けられており、このパルス発生器12に
より出力される信号は速度制御装置20に送られる。油
圧ジヤッキ2と油圧ポンプ8との間には、電磁切換弁9
が設けられている。この電磁切換弁9は、ソレノイド9
1と逆止弁92とにより構成される。ソレノイド91
は、速度制御装置20より送られる制御信号20cに応
じて励磁又は消磁され、電磁切換弁9の回路を開閉す
る。又、逆止弁92は、油圧ジヤッキ2と油圧ポンプ8
との間の作動油の逆流を防止する。
【0036】このエレベータ制御装置には、更に、下降
制御のための専用回路21が設けられている。この専用
回路21は、油圧ジヤッキ2と、電磁切換弁9と、タン
ク10との間に設けられた油圧回路であり、電磁切換弁
210を有する。この電磁切換弁210には、流量制御
弁211と、ソレノイド212により構成される。ソレ
ノイド212には、速度制御装置20から制御信号20
bが供給され、この制御信号20bに応じて励磁又は消
磁される。又、タンク10内には、作動油の温度を検出
するために温度センサ22が設けられている。この温度
センサ22により検出された作動油の温度は、速度制御
装置20に送られる。
【0037】次に、この第1実施例の上昇運転時の動作
を説明する。乗りかご1が上昇運転する場合、運転指令
によって電動機7が回転する。この際、速度制御装置2
0及びインバータ16によって動作電源の周波数が制御
され、油圧ポンプ8の回転数、すなわち油圧ポンプ8の
吐出量が制御される。油圧ポンプ8により吐出された作
動油は、逆止弁92を通って油圧ジャッキ2に流れ込
み、これにより乗りかご1は上昇する。乗りかご1は、
位置検出用パルス発生器19によって位置が常時検出さ
れ、所望の位置まで上昇する。この時、ソレノイド9
1、212は消磁状態であり、作動油は、タンク10か
ら油圧ジャッキ2へと圧送される。
【0038】次に、この第1実施例の下降運転時の制御
動作を説明する。タンク10内の油温tは常に温度セン
サ22によって検出されている。検出される油温tを参
照して、速度制御装置20は、図2に示されるフローチ
ャートに従って各種処理を実行する。乗りかご1の下降
指令の発生に応じ、速度制御装置20は、温度センサ2
2により検出されたタンク油温tが予め設定された設定
温度tL より高いか否か判断する(ステップS10)。
【0039】検出されたタンク10の油温tが、設定温
度tL より高い場合(t>tL ,ステップS10,YE
S)、速度制御装置20は、、ソレノイド91が励磁さ
れるように制御信号20cを、ソレノイド212が消磁
されるように制御信号20bを各々出力する。これによ
り、電磁切換弁9の回路が開き、乗りかご1の自重によ
り、乗りかごは下降を開始する。又、 油圧ジャッキ2
からの作動油は油圧ポンプ8を回転させ、速度制御装置
20は誘導電動機7の回生制動を利用して、乗りかご1
の下降速度を制御すると共に動力を回生する。回生され
た電力は回生抵抗18により消費される。即ち、タンク
10内の動作油温がt≧tL の間は、誘導電動機7を用
いた回生制御によるエレベータ下降運転が実行される
(ステップS11)。尚、乗りかご1の位置エネルギー
は、電気エネルギーに変換され、回生抵抗18によって
消費されるため、タンク10内の油温の上昇は少なく抑
えられる。
【0040】検出されたタンク10の油温tが、設定温
度tL 以下の場合(t≦tL ,ステップS10,N
O)、速度制御装置20は、ソレノイド91が消磁され
るように制御信号20cを、ソレノイド212が励磁さ
れるように制御信号20bを各々出力する。これによ
り、流量制御弁211の回路が開き、乗りかご1の自重
により、乗りかご1は下降を開始する。又、油圧ジャッ
キ2の作動油は流量制御弁211の絞りにより調整さ
れ、これにより乗りかご1の下降速度は制御される。乗
りかご1の位置エネルギーは流量制御弁211の絞りに
よる摩擦によって熱に変わるためタンク10内の油温は
上昇する。即ち、タンク10内の作動油温がt≦tL の
間は、絞りを用いた流量制御によるエレベーター下降運
転が実行される(ステップS12)。
【0041】速度制御装置20は、検出されたタンク1
0内の油温に基づき、絞りによる流量制御、又は誘導電
動機による回生制御を実行し、乗りかご1を所望の位置
まで下降させる。以上の処理により、作動油温に従って
下降の運転制御方式を切換えることで適切な油温調節が
可能となり、エレベーターのコントロール性を良好な状
態に保つことができる。
【0042】次に、この発明の第2実施例を説明する。
この第2実施例に係るエレベータ及びエレベータ制御装
置の構成を図3に示す。尚、図3において、前記図1に
示されるエレベータ及びエレベータ制御装置と同様の構
成要素には同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略す
る。
【0043】この第2実施例に係るエレベータ制御装置
には、油圧ジヤッキ2と、電磁切換弁9との間の作動油
の作動圧力を検出する圧力センサ23が設けられてい
る。この圧力センサ23は、検出した作動圧力Pを速度
制御装置30に通知する。速度制御装置30には、その
他、パルス発生器12により検出される誘導電動機7の
回転数、位置検出用パルス発生器19により検出される
乗りかご1の位置、及び、温度センサ22により検出さ
れるタンク10内の油温が通知される。
【0044】次に、この第2実施例の上昇運転時の動作
を説明する。乗りかご1が上昇運転する場合、運転指令
によって電動機7が回転する。この際、速度制御装置3
0及びインバータ16によって動作電源の周波数が制御
され、油圧ポンプ8の回転数、すなわち油圧ポンプ8の
吐出量が制御される。油圧ポンプ8により吐出された油
圧は、逆止弁92を通って油圧ジャッキ2に流れ込み、
これによって乗りかご1は上昇する。乗りかご1は、位
置検出用パルス発生器19によって位置が常時検出さ
れ、所望の位置まで上昇する。この時、ソレノイド9
1、212は消磁状態であり、作動油は、タンク10か
ら油圧ジャッキ2へと圧送される。
【0045】次に、この第2実施例の下降運転時の制御
動作を説明する。油圧ジヤッキ2と電磁切換弁9との間
の作動油の作動圧力は、圧力センサ23によって常に検
出されている。速度制御装置30は、圧力センサ23に
より検出される作動圧力に基づき、図4に示されるフロ
ーチャートに従って各種処理を実行する。乗りかご1の
下降指令の発生に応じ、速度制御装置30は、圧力セン
サ23により検出された作動圧力Pが予め設定された設
定圧力PL より高いか否か判断する(ステップS2
0)。
【0046】検出された作動圧力Pが、設定圧力PL よ
り高い場合(P>PL ,ステップS20,YES)、速
度制御装置30は、ソレノイド91が励磁されるように
制御信号30cを、ソレノイド212が消磁されるよう
に制御信号30bを各々出力する。これにより、電磁切
換弁9の回路が開き、乗りかご1の自重により、乗りか
ごは下降を開始する。又、油圧ジャッキ2からの作動油
は油圧ポンプ8を回転させ、速度制御装置30は誘導電
動機7の回生制動を利用して、乗りかご1の下降速度を
制御すると共に動力を回生する。回生された電力は、回
生抵抗18により消費される。即ち、油圧ジヤッキ2と
電磁切換弁9との間の作動圧力が、P>PL の間は、誘
導電動機7を用いた回生制御によるエレベータ下降運転
が実行される(ステップS21)。
【0047】検出された作動圧力Pが、設定圧力PL 以
下の場合(P≦PL ,ステップS20,NO)、速度制
御装置30は、ソレノイド91が消磁されるように制御
信号30cを、ソレノイド212が励磁されるように制
御信号30bを各々出力する。これにより、流量制御弁
211の回路が開き、乗りかご1の自重により、乗りか
ご1は下降を開始する。又、油圧ジャッキ2の作動油は
流量制御弁211の絞りにより調整され、これにより乗
りかご1の下降速度は制御される。即ち、油圧ジヤッキ
2と電磁切換弁9との間の作動圧力がP≦PL の間は、
絞りを用いた流量制御によるエレベータ下降運転が実行
される(ステップS22)。
【0048】速度制御装置30は、検出された油圧ジヤ
ッキ2と電磁切換弁9との間の作動圧力Pに基づき、絞
りによる流量制御、又は誘導電動機による回生制御を実
行し、乗りかご1を所望の位置まで下降させる。電動機
7の回生制動を利用した速度制御では、ポンプ脈動によ
り、かごが振動を受けやすいが、前述したように流量制
御方式に切換えるため、かご振動を小さくすることがで
きる。従って、乗客の乗り心地の良いエレベーター制御
が可能となる。又、作動圧力Pが大きい場合、誘導電動
機7の回生制動を利用した速度制御においても、作動圧
力が大きいためポンプ脈動によりかごが受ける振動は小
さく、乗客の乗り心地の良いエレベーターとすることが
できる。
【0049】更に、この第2実施例を前述した第1実施
例とを組み合わせて、温度センサ22により検出される
タンク10内の油温、及び、油圧ジヤッキ2と電磁切換
弁9との間の作動圧力Pとに従って、乗りかご1の運転
制御方式を切換えれることにより、作動油温の影響を小
さくするようにエレベータをコントロールすることがで
き、更に、乗りかご1の振動を小さくして乗り心地の良
いエレベーターとすることができる。
【0050】次に、この発明の第3実施例を説明する。
この第3実施例に係るエレベータ及びエレベータ制御装
置の構成を図5に示す。尚、図5において、前記図3に
示されるエレベータ及びエレベータ制御装置と同様の構
成要素には同じ参照符号を付し、詳細な説明は省略す
る。
【0051】この第3実施例に係るエレベータ制御装置
には、油圧ポンプ8と逆止弁92との間の作動油の圧力
を検出する圧力センサ24が設けられている。この圧力
センサ24は、検出した圧力P24を速度制御装置40に
通知する。速度制御装置40には、その他、パルス発生
器12により検出される誘導電動機7の回転数、位置検
出用パルス発生器19により検出される乗りかご1の位
置、温度センサ22により検出されるタンク10内の油
温、及び、圧力センサ23により検出される油圧ジヤッ
キ2と電磁切換弁9との間の作動油の圧力P23が通知さ
れる。
【0052】次に、この第3実施例の上昇運転時の動作
を説明する。乗りかご1が上昇運転する場合、運転指令
によって電動機7が回転する。この際、速度制御装置3
0及びインバータ16によって動作電源の周波数が制御
され、油圧ポンプ8の回転数、すなわち油圧ポンプ8の
吐出量が制御される。油圧ポンプ8により吐出された油
圧は、逆止弁92を通って油圧ジャッキ2に流れ込み、
これによって乗りかご1は上昇する。乗りかご1は、位
置検出用パルス発生器19によって位置が常時検出さ
れ、所望の位置まで上昇する。この時、ソレノイド9
1、212は消磁状態であり、作動油は、タンク10か
ら油圧ジャッキ2へと圧送される。
【0053】次に、この第3実施例の下降運転時の制御
動作を説明する。油圧ジヤッキ2と電磁切換弁9との間
の作動油の圧力P23と、油圧ポンプ8と逆止弁92との
間の作動油の圧力P24とは、各々、圧力センサ23,2
4により常時検出されている。速度制御装置40は、圧
力センサ23,24により検出される圧力P23,P24に
基づき、図6に示されるフローチャートに従って各種処
理を実行する。即ち、この第3実施例では、圧力センサ
23,24により得られる値に応じ、運転制御方式を切
り換えている。乗りかご1の下降指令の発生に応じ、速
度制御装置40は、圧力センサ23により検出される圧
力P23が、圧力センサ24により検出される圧力P24よ
り大きいか否か判断する(ステップS30)。エレベー
ター乗りかごが停止している場合には、通常油圧ポンプ
の油漏れにより空間が生じ、油圧ジャッキ2の圧力であ
る圧力P23と、逆止弁92と油圧ポンプ8間の圧力P24
はP23>P24の関係を有する。
【0054】従って、速度制御装置40は、下降指令の
発生に応じ、圧力P23と圧力P24との関係が、P23>P
24であることを判断し(ステップS30,YES)、ソ
レノイド212を励磁するように制御信号40bを、ソ
レノイド91を消磁するように制御信号40cを各々出
力する。これにより、電磁切換弁210の流量制御弁2
11による下降流量の制御の元、乗りかご1は下降を開
始する。即ち、エレベータの速度制御が、絞りによる流
量制御の元で実行される。これと同時に、速度制御装置
40は、乗りかご1の上昇するように、油圧ポンプ8を
微速回転させる(ステップS32)。これにより、ポン
プからの油漏れによる圧力低下相当分の油量を補い、圧
力P23と圧力P24とがほぼ同じ値になるまで加圧する。
尚、この加圧時、乗りかご1は下降運転が開始されてい
る。
【0055】速度制御装置40は、圧力P23と圧力P24
とがほぼ同じ値になると(ステップS30,NO)、流
量制御弁211が閉じているか判断する(ステップS3
3)。ここで、圧力P23と圧力P24とがほぼ同じ値にな
ったばかりでは、ソレノイド212が励磁されているの
で、流量制御弁212は開いている。従って、速度制御
装置40は、流量制御弁212が開いていると判断し
(ステップS33,NO)、ソレノイド91を励磁し電
磁切換弁9を開き、更に、流量制御弁211を徐々に絞
るように制御信号40b,40cを出力する(ステップ
S34)。これにより、電磁切換弁9に流れる流量が増
加し、流量制御弁212に流れる流量が減少する。この
ような処理(ステップS33,NO,ステップS34)
が繰り返されることにより、流量制御弁212は閉じら
れる。
【0056】速度制御装置40は、流量制御弁211が
閉じられたと判断すると(ステップS33,YES)、
ソレノイド91を励磁するように制御信号40cを、ソ
レノイド212を消磁するように制御信号40bを出力
する(ステップS35)。これにより、エレベーター速
度制御を油圧ポンプ8の回転による、誘導電動機7の回
生制動に切換えられる。
【0057】速度制御装置40は、前述したように、検
出された油圧ジャッキ2の圧力である圧力P23と、逆止
弁92と油圧ポンプ8間の圧力P24とに基づき、絞りに
よる流量制御と誘導電動機による回生制御とを、同時、
又は個別に実行し、乗りかご1を所望の位置まで下降さ
せる。このため、従来の制御とは異なり、下降始動時、
ポンプからの油漏れ圧力低下相当分の油量をポンプを微
速回転させることにより補う間に、下降運転が開始でき
るため、カースタートタイムをほぼ0にすることがで
き、下降運転指令と同時に下降動作を開始することがで
きる。
【0058】次に、この発明の第4実施例を説明する。
この第4実施例に係るエレベータ及びエレベータ制御装
置の構成を図7に示す。尚、図7において、前記図5に
示されるエレベータ及びエレベータ制御装置と同様の構
成要素には同じ参照符号を付し、詳細な説明は省略す
る。
【0059】この第4実施例に係るエレベータ制御装置
には、油圧ジヤッキ2と、電磁切換弁9との間に、新し
く電磁切換弁25が設けられている。この電磁切換弁2
5のソレノイド251には、速度制御装置50より、励
磁、又は消磁を指示する制御信号が供給される。電磁切
換弁25は、後述するブリードオフ運転状態を実現する
際、作動油が油圧ジヤッキ2に流れ込まないように速度
制御装置50により制御される。
【0060】乗りかご1の上昇・下降速度制御について
は前述した第1〜第3の実施例と同様であるので詳細な
説明は省略する。この第4実施例のエレベータ制御装置
では、エレベーター起動頻度、機械室環境、外気温等の
条件により、油温が予め定められた規定温度より下がっ
た場合、ブリードオフ運転を実現する。即ち、エレベー
ターが停止状態の場合、速度制御装置50は、ソレノイ
ド212を励磁するように制御信号50bを出力する。
これにより、専用回路21が開く。又、速度制御装置5
0は、誘導電動機7を回転させ油圧ポンプ8を駆動す
る。この時、乗りかご1が昇降しないように、圧力セン
サ23、24により各々検出される圧力P23、P24とが
所定の条件、P23>P24を常に満たすように、流量制御
弁211を調節する。
【0061】このような速度制御装置50の処理によ
り、タンク10の作動油は油圧ポンプ8による吸い上げ
られ逆止弁92、流量制御弁211を通過して再びタン
ク10に還流される。この動作油の循環において、動作
油は、流量制御弁211の絞りにより、油温を高められ
タンクに還流される。即ち、作動油は流量制御弁23の
絞りにより熱が発生し、ブリードオフ運転が実現され、
これによりタンク10内油温が上昇する。
【0062】流量制御弁211は、前述した第1〜3実
施例と同様に、下降時の速度制御に用いられると同時に
作動油温を上昇させるブリードオフ運転を実現するため
に使用されている。
【0063】この第4実施例によれば、従来のエレベー
タ制御装置のようにブリードオフ専用回路を設けること
なく、下降時の速度制御弁によって油温を上昇させるこ
とができる。このため、適切な油温の調節ができ、エレ
ベーターのコントロール性を良好な状態に保つことが可
能となる。更に、リブートオフ専用回路を省くことがで
きるのでエレベータ制御装置のコストダウンも実現でき
る。
【0064】
【発明の効果】以上詳記したように、この発明によれ
ば、乗りかごの速度を制御するエレベータ制御装置にお
いて、作動油温、又は作動圧力に従って、乗りかごの下
降運転制御方式を、流量制御弁の絞りを利用する流量制
御と、誘導電動機を用いた回生制御とのいずれかを適用
するように制御される。これにより、油圧エレベーター
の作動油温の調節が可能なため、エレベーターのコント
ロール性を良好に保つことができる。又、ポンプによる
圧力脈動の影響を小さくできるため、乗りかごの乗り心
地を向上することができる。
【0065】又、この発明によれば、検出される作動圧
力と吐出圧力とに基づき、絞りによる流量制御と誘導電
動機による回生制御とを、同時、又は切り換えて実行
し、エレベータ乗りかごが所望の位置まで下降される。
このため、下降始動時、ポンプからの油漏れ圧力低下相
当分の油量をポンプを微速回転させることにより補う間
に、下降運転が開始できるため、カースタートタイムを
ほぼ0にすることができ、下降運転指令と同時に下降動
作を開始することができる。
【0066】更に、乗りかごの停止時、油温に基づき、
流量制御で使用される流量制御弁を用いてブリードオフ
運転が実現される。即ち、エレベーター起動頻度、機械
室環境、外気温等の条件により、油温が予め定められた
規定温度より下がった場合、流量制御弁の絞りにより油
温が高められる。従って、従来のエレベータ制御装置の
ようにブリードオフ専用回路を設けることなく、下降時
の速度制御に使用される流量制御弁によって油温を上昇
させることができる。このため、適切な油温の調節がで
き、エレベーターのコントロール性を良好な状態に保つ
ことが可能となると共に、リブートオフ専用回路を省く
ことができるのでエレベータ制御装置のコストダウンも
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係るエレベータ及びエ
レベータ制御装置の構成を示すブロック図。
【図2】この発明の第1実施例に係るエレベータ制御装
置の下降制御動作を説明するためのフローチャート。
【図3】この発明の第2実施例に係るエレベータ及びエ
レベータ制御装置の構成を示すブロック図。
【図4】この発明の第2実施例に係るエレベータ制御装
置の下降制御動作を説明するためのフローチャート。
【図5】この発明の第3実施例に係るエレベータ及びエ
レベータ制御装置の構成を示すブロック図。
【図6】この発明の第3実施例に係るエレベータ制御装
置の下降制御動作を説明するためのフローチャート。
【図7】この発明の第4実施例に係るエレベータ及びエ
レベータ制御装置の構成を示すブロック図。
【図8】従来のエレベータ及びエレベータ制御装置の構
成を示すブロック図。
【図9】従来のエレベータ制御装置において生じるポン
プ圧力脈動と、このエレベータ制御装置よって制御され
る乗りかごのかご振動量を示すグラフであり、(a)は
ポンプ吐出圧力が約1.2[MPa]の場合、(b)は
ポンプ吐出圧力が約1.8[MPa]の場合、(c)は
ポンプ吐出圧力が約2.4[MPa]の場合を各々示
す。
【符号の説明】
1…乗りかご、2…油圧ジヤッキ、3…プランジャ、4
…シーブ、5…ロープ、6…基礎、7…誘導電動機、8
…油圧ポンプ、9…電磁切換弁、91…ソレノイド、9
2…逆止弁、10…タンク、11…流量制御弁、12…
パルス発生器、14…整流回路、15…コンデンサ、1
6…インバータ、17…トランジスタ、18…回生抵
抗、19…パルス発生器、20,30,40,50…速
度制御装置、21…専用回路、210…電磁切換弁、2
11…流量制御弁、212…ソレノイド、22…温度セ
ンサ、23,24…圧力センサ、25…電磁切換弁、2
51…ソレノイド。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベータ乗りかごを昇降する油圧ジヤ
    ッキと、この油圧ジヤッキに動作油を圧送する油圧ポン
    プと、前記油圧ジャッキと前記油圧ポンプとの間に設け
    られた第1切換弁と、前記油圧ポンプを回転駆動する誘
    導電動機と、この誘導電動機に回転駆動用の動作電源を
    供給する電源手段とにより構成され、前記誘導電動機に
    供給される動作電源の周波数を制御することにより前記
    エレベータ乗りかごの昇降速度を制御する油圧エレベー
    ター制御装置において、 絞りにより動作油の流量を制御する流量制御弁を有し、
    前記油圧ジヤッキ内の動作油を送出する専用回路と、 前記動作油の温度を検出する温度センサと、 前記エレベータ乗りかごの下降指令に応じ、前記温度セ
    ンサにより検出される動作油の温度に従って前記第1切
    換弁及び前記流量制御弁の開閉を切り換え制御する制御
    手段とを具備することを特徴とする油圧エレベータ制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記油圧エレベータ制御装置は、前記油
    圧ジヤッキと前記第1切換弁との間に第2切換弁を具備
    し、 前記制御手段は、前記エレベータ乗りかごの停止時、前
    記温度センサにより検出される動作油の温度に従い、前
    記第1及び第2切換弁と前記流量制御弁との開閉と、前
    記前記油圧ポンプの回転駆動とを制御して前記動作油の
    温度制御を行なう手段を含むことを特徴とする請求項1
    記載の油圧エレベータ制御装置。
  3. 【請求項3】 エレベータ乗りかごを昇降する油圧ジヤ
    ッキと、この油圧ジヤッキに動作油を圧送する油圧ポン
    プと、前記油圧ジャッキと前記油圧ポンプとの間に設け
    られた第1切換弁と、前記油圧ポンプを回転駆動する誘
    導電動機と、この誘導電動機に回転駆動用の動作電源を
    供給する電源手段とにより構成され、前記誘導電動機に
    供給される動作電源の周波数を制御することにより前記
    エレベータ乗りかごの昇降速度を制御する油圧エレベー
    ター制御装置において、 絞りにより動作油の流量を制御する流量制御弁を有し、
    前記油圧ジヤッキ内の動作油を送出する専用回路と、 前記動作油の作動圧力を検出する圧力センサと、 前記エレベータ乗りかごの下降指令に応じ、前記圧力セ
    ンサにより検出される動作油の作動圧力に従って前記第
    1切換弁及び前記流量制御弁の開閉を切り換え制御する
    制御手段とを具備することを特徴とする油圧エレベータ
    制御装置。
  4. 【請求項4】 エレベータ乗りかごを昇降する油圧ジヤ
    ッキと、この油圧ジヤッキに動作油を圧送する油圧ポン
    プと、前記油圧ジャッキと前記油圧ポンプとの間に設け
    られた第1切換弁と、前記油圧ポンプを回転駆動する誘
    導電動機と、この誘導電動機に回転駆動用の動作電源を
    供給する電源手段とにより構成され、前記誘導電動機に
    供給される動作電源の周波数を制御することにより前記
    エレベータ乗りかごの昇降速度を制御する油圧エレベー
    ター制御装置において、 絞りにより動作油の流量を制御する流量制御弁を有し、
    前記油圧ジヤッキ内の動作油を送出する専用回路と、 前記動作油の作動圧力を検出する第1圧力センサと、 前記油圧ポンプから吐出される前記動作油の吐出圧力を
    検出する第2圧力センサと、 前記エレベータ乗りかごの下降指令に応じ、前記第1及
    び第2圧力センサにより検出される前記作動圧力と前記
    吐出圧力とに従って、前記第1切換弁の開閉と、前記流
    量制御弁の絞りとを制御する制御手段とを具備すること
    を特徴とする油圧エレベータ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記油圧エレベータ制御装置は、 前記動作油の温度を検出する温度センサと、 前記油圧ジヤッキと前記第1切換弁との間に第2切換弁
    とを具備し、 前記制御手段は、前記エレベータ乗りかごの停止時、前
    記温度センサにより検出される動作油の温度に従い、前
    記第1及び第2切換弁と前記流量制御弁との開閉と、前
    記前記油圧ポンプの回転駆動とを制御して前記動作油の
    温度制御を行なう手段を含むことを特徴とする請求項3
    乃至4記載の油圧エレベータ制御装置。
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