JPH08239419A - α−オレフイン低重合体の製造方法 - Google Patents
α−オレフイン低重合体の製造方法Info
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- JPH08239419A JPH08239419A JP7068604A JP6860495A JPH08239419A JP H08239419 A JPH08239419 A JP H08239419A JP 7068604 A JP7068604 A JP 7068604A JP 6860495 A JP6860495 A JP 6860495A JP H08239419 A JPH08239419 A JP H08239419A
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Abstract
体の製造方法であって、金属成分の析出を防止すること
により、特に、エチレンから1−ヘキセンを主体とした
α−オレフイン低重合体を高収率かつ高選択率で製造す
ることが出来る工業的有利なα−オレフイン低重合体の
製造方法を提供する。 【構成】少なくとも、クロム化合物(a)、アミン、ア
ミド及びイミドの群から選ばれる1種以上の化合物
(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)の組み合わ
せから成る触媒系を使用し、溶媒中でα−オレフインの
低重合を行い、次いで、溶媒に可溶で且つクロムに対し
て配位子形成能を有する化合物を反応液に添加した後、
反応液から各成分を蒸留分離する。
Description
体の製造方法に関するものであり、詳しくは、特に、エ
チレンから1−ヘキセンを主体としたα−オレフイン低
重合体を高収率かつ高選択率で製造することが出来る工
業的有利なα−オレフイン低重合体の製造方法に関する
ものである。
の低重合方法として、特定のクロム化合物と特定の有機
アルミニウム化合物の組み合せから成るクロム系触媒を
使用する方法が知られている。例えば、特公昭43−1
8707号公報には、クロムを含むVIA族の遷移金属
化合物とポリヒドロカルビルアルミニウムオキシドから
成る触媒系により、エチレンから1−ヘキセンを得る方
法が記載されている。
は、クロム−ピロリル結合を有するクロム含有化合物と
金属アルキル又はルイス酸とを予め反応させて得られた
触媒を使用してα−オレフインを三量化する方法が記載
されている。
クロム系触媒を使用したα−オレフイン低重合体の工業
的製造方法においては金属成分の析出が問題となる。す
なわち、プロセス中で受ける熱履歴により金属成分が不
溶化して析出する。そして、反応液中の各成分の蒸留分
離において、析出した金属成分が蒸留塔のリボイラー等
に付着して種々のトラブルを惹起する。
あり、その目的は、クロム系触媒を使用したα−オレフ
イン低重合体の製造方法であって、金属成分の析出を防
止することにより、特に、エチレンから1−ヘキセンを
主体としたα−オレフイン低重合体を高収率かつ高選択
率で製造することが出来る工業的有利なα−オレフイン
低重合体の製造方法を提供することにある。
は、クロム系触媒を使用したα−オレフイン低重合体の
製造方法において、クロム系触媒として、少なくとも、
クロム化合物(a)、アミン、アミド及びイミドの群か
ら選ばれる1種以上の化合物(b)、アルキルアルミニ
ウム化合物(c)の組み合わせから成る触媒系を使用
し、溶媒中でα−オレフインの低重合を行い、次いで、
溶媒に可溶で且つクロムに対して配位子形成能を有する
化合物を反応液に添加した後、反応液から各成分を蒸留
分離することを特徴とするα−オレフイン低重合体の製
造方法に存する。
おいては、クロム系触媒として、少なくとも、クロム化
合物(a)、アミン、アミド及びイミドの群から選ばれ
る1種以上の化合物(b)及びアルキルアルミニウム化
合物(c)の組み合わせから成る触媒系を使用する。そ
して、好ましい態様として、クロム化合物(a)、アミ
ン、アミド及びイミドの群から選ばれる1種以上の化合
物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及びハロ
ゲン含有化合物(d)の組み合わせから成る触媒系を使
用する。
CrXnで表される。但し、一般式中、Xは、任意の有
機基または無機の基もしくは陰性原子、nは1〜6の整
数を表し、そして、nが2以上の場合、Xは同一または
相互に異なっていてもよい。クロムの価数は0〜6価で
あり、上記の式中のnとしては2以上が好ましい。
各種の基が挙げられる。具体的には、炭化水素基、カル
ボニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、β−ジケト
ナート基、β−ケトカルボキシル基、β−ケトエステル
基およびアミド基などが例示れる。炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
キルアリール基、アラルキル基、シクロペンタジエニル
基など等が挙げられる。無機の基としては、硝酸基、硫
酸基などのクロム塩形成基が挙げられ、陰性原子として
は、酸素、ハロゲン等が挙げられる。
キシ塩、カルボキシル塩、β−ジケトナート塩、β−ケ
トエステルのアニオンとの塩、または、クロムハロゲン
化物であり、具体的には、クロム(IV)tert−ブトキシ
ド、クロム(III) アセチルアセトナート、クロム(III)
トリフルオロアセチルアセトナート、クロム(III) ヘキ
サフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナー
ト)、Cr(PhCOCHCOPh)3(但し、ここでP
hはフェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、ク
ロム(III) アセテート、クロム(III) 2−エチルヘキサ
ノエート、クロム(III) ベンゾエート、クロム(III) ナ
フテネート、Cr(CH3 COCHCOOCH3)3 、塩
化第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化
第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フ
ッ化第一クロム、フッ化第二クロム等が挙げられる。
ら成る錯体も好適に使用することが出来る。電子供与体
としては、窒素、酸素、リン又は硫黄を含有する化合物
の中から選択される。
ン、アミド等が挙げられ、具体的には、アセトニトリ
ル、ピリジン、ジメチルピリジン、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、アニリン、ニトロベンゼ
ン、テトラメチルエチレンジアミン、ジエチルアミン、
イソプロピルアミン、ヘキサメチルジシラザン、ピロリ
ドン等が挙げられる。
テル、ケトン、アルコール、アルデヒド等が挙げられ、
具体的には、エチルアセテート、メチルアセテート、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、ジグライム、トリグライム、アセト
ン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ア
セトアルデヒド等が挙げられる。
ォスフォルアミド、ヘキサメチルフォスフォラストリア
ミド、トリエチルフォスファイト、トリブチルフォスフ
ィンオキシド、トリエチルフォスフィン等が例示され
る。一方、硫黄含有化合物としては、二硫化炭素、ジメ
チルスルフォキシド、テトラメチレンスルフォン、チオ
フェン、ジメチルスルフィド等が例示される。
る錯体例としては、ハロゲン化クロムのエーテル錯体、
エステル錯体、ケトン錯体、アルデヒド錯体、アルコー
ル錯体、アミン錯体、ニトリル錯体、ホスフィン錯体、
チオエーテル錯体などが挙げられる。具体的には、Cr
Cl3 ・3THF、CrCl3 ・3dioxane、C
rCl3 ・(CH3 CO2 n−C4 H9 )、CrCl3
・(CH3 CO2 C2H5 )、CrCl3 ・3(i−C
3 H7 OH)、CrCl3 ・3[CH3 (CH2 )3 C
H(C2 H5 )CH2 OH]、CrCl3 ・3pyri
dine、CrCl3 ・2(i−C3 H7 NH2 )、
[CrCl3 ・3CH3 CN]・CH3 CN、CrCl
3 ・3PPh3 、CrCl2 ・2THF、CrCl2 ・
2pyridine、CrCl2 ・2[(C2 H5)2 N
H]、CrCl2 ・2CH3 CN、CrCl2 ・2[P
(CH3 )2 Ph]等が挙げられる。
溶な化合物が好ましく、クロムのβ−ジケトナート塩、
カルボン酸塩、β−ケトエステルのアニオンとの塩、β
−ケトカルボン酸塩、アミド錯体、カルボニル錯体、カ
ルベン錯体、各種シクロペンタジエニル錯体、アルキル
錯体、フェニル錯体などが挙げられる。クロムの各種カ
ルボニル錯体、カルベン錯体、シクロペンタジエニル錯
体、アルキル錯体、フェニル錯体としては、具体的に
は、Cr(CO)6 、(C6 H 6)Cr(CO) 3 、
(CO)5 Cr(=CCH3 (OCH3 ))、(CO)
5 Cr(=CC6 H5 (OCH3 ))、CpCrCl2
(ここでCpはシクロペンタジエニル基を示す。)、(
Cp* CrClCH3)2 (ここでCp* はペンタメチル
シクロペンタジエニル基を示す。)、(CH3)2 CrC
l等が例示される。
担持して使用することも出来るが、担体に担持させず
に、他の触媒成分と組み合わせて使用するのが好まし
い。すなわち、本発明において、クロム系触媒は、後述
する特定の接触態様で使用されるが、斯かる態様によれ
ば、クロム化合物の担体への担持を行わなくとも高い触
媒活性が得られる。そして、クロム化合物を担体に担持
させずに使用する場合は、複雑な操作を伴う担体への担
持を省略でき、しかも、担体の使用による総触媒使用量
(担体と触媒成分の合計量)の増大と言う問題をも回避
することが出来る。
級のアミンである。1級アミンとしては、エチルアミ
ン、イソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ベン
ジルアミン、アニリン、ナフチルアミン等が例示され、
2級アミンとしては、ジエチルアミン、ジイソプロピル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、
ビス(トリメチルシリル)アミン、モルホリン、イミダ
ゾール、インドリン、インドール、ピロール、2,5−
ジメチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4
−ジクロロピロール、2,3,4,5−テトラクロロピ
ロール、2−アシルピロール、ピラゾール、ピロリジン
等が例示される。
たは2級のアミンから誘導される金属アミドが挙げら
れ、例えば、上記の1級または2級のアミンとIA族、
IIA族、IIIB族およびIVB族から選択される金
属との反応により得られるアミドが挙げられる。斯かる
金属アミドとしては、具体的には、リチウムアミド、ナ
トリウムエチルアミド、カルシウムジエチルアミド、リ
チウムジイソプロピルアミド、カリウムベンジルアミ
ド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチ
ウムインドリド、ナトリウムピロライド、リチウムピロ
ライド、カリウムピロライド、カリウムピロリジド、ア
ルミニウムジエチルピロライド、エチルアルミニウムジ
ピロライド、アルミニウムトリピロライド等が挙げられ
る。
2級のアミンから誘導される金属アミド又はこれらの混
合物が好適に使用される。特には、2級のアミンとして
は、ピロール、2,5−ジメチルピロール、3,4−ジ
メチルピロール、3,4−ジクロロピロール、2,3,
4,5−テトラクロロピロール、2−アシルピロール、
2級のアミンから誘導される金属アミドとしては、アル
ミニウムピロライド、エチルアルミニウムジピロライ
ド、アルミニウムトリピロライド、ナトリウムピロライ
ド、リチウムピロライド、カリウムピロライドが好適で
ある。そして、ピロール誘導体の中、ピロール環に炭化
水素基を有する誘導体が特に好ましい。
ミド化合物としては、下記一般式(1)〜(3)で表さ
れる化合物などが挙げられる。
周期律表のIA、IIA、 IIIB族から選ばれる金属元素
であり、R1 は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有していて
もよいアリール基、または、ヘテロ元素を含んでいても
よいアリール基を表し、R2 は、水素原子、炭素数1〜
30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換
基を有していてもよいアリール基、ヘテロ元素を含んで
いてもよいアリール基、または、アシル基C(=O)R
3 (R3 はR1 と同じ定義であり、R1 と異なっていて
もよい)を表し、R1 とR2 は環を形成してもよい。
子または周期律表のIA、IIA、 IIIB族から選ばれる
金属元素であり、R4 及びR 5は、水素原子、炭素数1
〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置
換基を有していてもよいアリール基、または、ヘテロ元
素を含んでいてもよいアリール基を表し、R4 とR 5は
環を形成していてもよく、Aは不飽和結合を含んでいて
もよいアルキレン基を表す。
周期律表のIA、IIA、 IIIB族から選ばれる金属元素
であり、R6 は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有していて
もよいアリール基、または、ヘテロ元素を含んでいても
よいアリール基を表し、R7 は、水素原子、炭素数1〜
30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換
基を有していてもよいアリール基、ヘテロ元素を含んで
いてもよいアリール基、または、SO2 R8 基(R8 は
R6 と同じ定義であり、R6 と異なっていてもよい)を
表し、R6 とR7 は環を形成してもよい。
アミド類としては、例えば、アセトアミド、N−メチル
ヘキサンアミド、スクシンアミド、マレアミド、N−メ
チルベンズアミド、イミダゾール−2−カルボキソアミ
ド、ジ−2−テノイルアミン、β−ラクタム、δ−ラク
タム、ε−カプロラクタム、および、これらと周期律表
のIA、IIAまたは IIIB族の金属との塩が挙げられ。
イミド類としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジ
カルボキシイミド、スクシンイミド、フタルイミド、マ
レイミド、2,4,6−ピペリジントリオン、ペルヒド
ロアゼシン−2,10−ジオン、および、これらと周期
律表のIA、IIAまたは IIIB族の金属との塩が挙げら
れる。
およびスルホンイミド類としては、例えば、ベンゼンス
ルホンアミド、N−メチルメタンスルホンアミド、N−
メチルトリフルオロメチルスルホンアミド、および、こ
れらと周期律表のIA、IIAまたは IIIB族の金属との
塩が挙げられる。これらのアミド又はイミド化合物の
中、一般式(1)で表される化合物が好ましく、特に、
一般式(1)中のR2 がアシル基C(=O)R3 を表
し、R1 とR2 が環を形成しているイミド化合物が好ま
しい。
合物としては、下記一般式(4)で示されるアルキルア
ルミニウム化合物が好適に使用される。
が通常1〜15、好ましくは1〜8の炭化水素基であっ
て互いに同一であっても異なっていてもよく、Xはハロ
ゲン原子を表し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、p
は0≦p<3、qは0≦q<3のそれぞれの数であっ
て、しかも、m+n+p+q=3である数を表す。
は、例えば、下記一般式(5) で示されるトリアルキル
アルミニウム化合物、一般式(6)で示されるハロゲン
化アルキルアルミニウム化合物、一般式(7)で示され
るアルコキシアルミニウム化合物、一般式(8)で水素
化アルキルアルミニウム化合物などが挙げられる。な
お、各式中のR1 、XおよびR2 の意義は前記と同じで
ある。
例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド等が挙げられる。こ
れらの中、ポリマーの副生が少ないと言う点でトリアル
キルアルミニウムが特に好ましい。アルキルアルミニウ
ム化合物は、2種以上の混合であってもよい。
ては、周期律表のIIIA、IIIB、IVA、IV
B、VA、VB族の群から選ばれる元素を含むハロゲン
含有化合物が好適に使用される。そして、ハロゲンとし
ては、塩素または臭素が好ましい。
は、塩化スカンジウム、塩化イットリウム、塩化ランタ
ン、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニ
ウム、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、塩化ガリウム、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メ
チレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラク
ロロエタン、ヘキサクロロベンゼン、1,3,5−トリ
クロロベンゼン、ヘキサクロロシクロヘキサン、トリチ
ルクロリド、四塩化シラン、トリメチルクロロシラン、
四塩化ゲルマニウム、四塩化スズ、トリブチルスズクロ
リド、三塩化リン、三塩化アンチモン、トリチルヘキサ
クロロアンチモネート、五塩化アンチモン、三塩化ビス
マス、三臭化ホウ素、三臭化アルミニウム、四臭化炭
素、ブロモホルム、ブロモベンゼン、ヨードメタン、四
臭化ケイ素、ヘキサフルオロベンゼン、フッ化アルミニ
ウム等が挙げられる。
原子の数が多いものが好ましく、また、反応溶媒に可溶
の化合物が好ましい。特に好ましいハロゲン含有化合物
の例としては、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエ
タン、テトラクロロエタン、四塩化チタン、四塩化ゲル
マニウム、四塩化スズ等が挙げられる。なお、ハロゲン
含有化合物は、2種以上の混合物として使用することも
出来る。
アルキルアルミニウム化合物(c)とが予め接触しない
態様でα−オレフインとクロム系触媒とを接触させるの
が好ましい。斯かる特定の接触態様により、選択的に三
量化反応を行わせ、原料エチレンから1−ヘキセンを高
収率で得ることが出来る。
(1)触媒成分(b)〜(d)を含む溶液中にα−オレ
フイン及び触媒成分(a)を導入する方法、(2)触媒
成分(a)、(b)及び(d)を含む溶液中にα−オレ
フイン及び触媒成分(c)を導入する方法、(3)触媒
成分(a)及び(d)を含む溶液中にα−オレフイン、
触媒成分(b)及び(c)を導入する方法、(4)触媒
成分(c)及び(d)を含む溶液中にα−オレフイン、
触媒成分(a)及び(b)を導入する方法、(5)触媒
成分(a)及び(b)を含む溶液中に、α−オレフイ
ン、触媒成分(c)及び(d)を導入する方法、(6)
触媒成分(b)及び(c)を含む溶液中にα−オレフイ
ン、触媒成分(a)及び(d)を導入する方法、(7)
触媒成分(c)を含む溶液中に、α−オレフイン、触媒
成分(a)、(b)及び(d)を導入する方法、(8)
触媒成分(a)を含む溶液中にα−オレフイン、触媒成
分(b)〜(d)を導入する方法、(9)α−オレフイ
ン及び各触媒成分(a)〜(d)をそれぞれ同時かつ独
立に反応系に導入する方法などによって行うことが出来
る。そして、上記の各溶液は、通常、反応溶媒を使用し
て調製される。
アルキルアルミニウム化合物とが予め接触しない態様」
とは、反応の開始時のみならず、その後の追加的なα−
オレフイン及び触媒成分の反応器への供給においても斯
かる態様が維持されることを意味する。しかし、上記の
特定の態様は、触媒の調製の際に要求される好ましい態
様であり、触媒が調製された後は無関係であり、従っ
て、反応系から回収された触媒は、上記の好ましい態様
に反することなくリサイクルすることが出来る。
物とが予め接触する態様でクロム系触媒を使用した場合
にα−オレフインの低重合反応の活性が低くなる理由
は、未だ詳らかではないが、次の様に推定される。
ニウムを接触させた場合、クロム化合物に配位している
配位子とアルキルアルミニウム化合物中のアルキル基と
の間で配位子交換反応が進行すると考えられる。そし
て、斯かる反応によって生成するアルキル−クロム化合
物は、通常の方法で得られるアルキル−クロム化合物と
異なり、それ自身不安定である。そのため、アルキル−
クロム化合物の分解還元反応が優先して進行し、その結
果、α−オレフインの低重合反応に不適当な脱メタル化
が惹起され、α−オレフインの低重合反応の活性が低下
する。
ては、炭素数が2〜30の置換または非置換のα−オレ
フインが使用される。具体的には、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メ
チル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げ
られる。特に、原料α−オレフインとしてエチレンが好
適であり、エチレンからその三量体である1−ヘキセン
を高収率かつ高選択率で得ることが出来る。
ン、ペンタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、2−メチルヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタ
ン、デカリン等の炭素数1〜20の鎖状または脂環式の
飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素
などが使用される。これらは、単独で使用する他、混合
溶媒として使用することも出来る。
レフインそれ自体または主原料以外のα−オレフインを
使用することも出来る。反応溶媒用としては、炭素数が
4〜30のα−オレフインが使用されるが、常温で液状
のα−オレフインが特に好ましい。
0の鎖状飽和炭化水素または脂環式飽和炭化水素が好ま
しい。これらの溶媒を使用することにより、ポリマーの
副生を抑制することが出来、更に、脂環式炭化水素を使
用した場合は、高い触媒活性が得られると言う利点があ
る。
は、溶媒1リットル当たり、通常1.0×10-7〜0.
5mol、好ましくは1.0×10-6〜0.2mol、
更に好ましくは1.0×10-5〜0.05molの範囲
とされる。一方、アルキルアルミニウム化合物の使用量
は、クロム化合物1mol当たり、通常50mmol以
上であるが、触媒活性および三量体の選択率の観点か
ら、0.1mol以上とするのがよい。そして、上限
は、通常1.0×104 molである。また、アミン、
アミド又はイミドの各使用量は、クロム化合物1mol
当たり、通常0.001mol以上であり、好ましくは
0.005〜1000mol、更に好ましくは0.01
〜100molの範囲とされる。また、ハロゲン含有化
合物の使用量は、アミン、アミド又はイミドの使用量と
同一の範囲とされる。
アミン、アミド及びイミドの群から選ばれる1種以上の
化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及び
ハロゲン含有化合物(d)のモル比(a):(b):
(c):(d)は1:0.1〜10:1〜100:0.
1〜20が好ましく、1:1〜5:5〜50:1〜10
が特に好ましい。斯かる特定条件の結合により、α−オ
レフイン低重合体として、例えば、ヘキセンを90%以
上(全生成量に対する割合)の収率で製造することが出
来、しかも、ヘキセン中の1−ヘキセンの純度を99%
以上に高めることが出来る。
は0〜150℃、更に好ましくは20〜100℃であ
る。一方、反応圧力は、常圧ないし250kg/cm2
の範囲から選択し得るが、通常は、100kg/cm2
の圧力で十分である。そして、滞留時間は、通常1分か
ら20時間、好ましくは0.5〜6時間の範囲とされ
る。反応時に水素を共存させるならば、触媒活性および
三量体の選択率の向上が認められるので好ましい。ま
た、水素の共存により、副生するポリマーの性状が付着
性の少ない紛状となる効果も得られる。共存させる水素
の量は、水素分圧として、通常0.1〜100kg/c
m2 、好ましくは1.0〜80kg/cm2 の範囲とさ
れる。
に先立ち、溶媒に可溶で且つクロムに対して配位子形成
能を有する化合物(以下、金属可溶化剤と呼ぶ)を反応
液に添加する点にある。金属可溶化剤としては、通常、
−X−H(但し、Xはヘテロ原子、Hは水素原子を表
す)官能基を有する低分子化合物または活性メチレン基
を有する低分子化合物が使用される。前者の例として
は、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、1級
または2級アミン類、アンモニアが挙げられ、後者の例
としては、アセチルアセトン等が挙げられる。
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノー
ル、ノナノール、デカノール、1−ヘキサノール、ベン
ジルアルコール、エチレングリコール、トリメチレング
リコール、プロパンジオール等が挙げられ、フェノール
類の具体例としては、フェノール、クレゾール、ヒドロ
キノン等が挙げられ、カルボン酸類の具体例としては、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプ
タン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、安息香酸、
フェニル酢酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、サリチル酸などが挙げられ、1級または2級アミン
類の具体例としては、触媒の一成分として前述した各ア
ミン類が挙げられる。
媒量の範囲に亘る広い範囲から選択することが出来る
が、溶媒中の濃度として、好ましくは0.001〜50
重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%の範囲で
ある。
中の各成分の蒸留分離前の任意の段階を選択することが
出来る。そして、蒸留分離工程が複数存在する場合は、
金属成分のメタル化が最も惹起される最終の蒸留工程の
直前に添加してもよいが、反応工程の直後に添加するの
が好ましい。そして、金属可溶化剤の添加により、金属
成分の析出が防止されるが、更に、副生するポリマーの
性状が付着性のない粉状となると言う効果も得られる。
知の固液分離装置を適宜使用して行われ、回収されたα
−オレフイン低重合体は、必要に応じて精製される。精
製には、通常、蒸留精製が採用され、目的とする成分を
高純度で回収することが出来る。本発明においては、特
に、エチレンから高純度の1−ヘキセンを工業的有利に
製造することが出来る。そして、公知の重合触媒を使用
した重合反応により、本発明の製造方法で得られた1−
ヘキセンから有用な樹脂であるL−LDPEを製造する
ことが出来る。
に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り以下の実施例に限定されるものではない。
セン蒸留塔、ヘプタン蒸留塔、蒸発器から成り、反応器
と脱ガス槽との間には脱ガスされたエチレンを反応器に
循環する圧縮機を備えたプロセスに従って、エチレンの
連続低重合反応を行った。なお、完全混合槽型反応器と
しては、2本の供給管を備えた2Lのオートクレーブを
使用し、蒸発器としては、「ハイビスカスエバポレー
タ」(三井造船(株)製商品名)を使用した。また、エ
チレン蒸留塔の段数は15段、ヘキセン蒸留塔およびヘ
プタン蒸留塔の各段数は20段である。
チレンと共にクロム(III) 2−エチルヘキサノエートの
n−ヘプタン溶液と1,1,2,2−テトラクロルエタ
ンのn−ヘプタン溶液とを連続的に供給し、他方の供給
管から2,5−ジメチルピロールのn−ヘプタン溶液と
トリエチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液とを連続的
に供給した。
は、金属可溶化剤としてオクタン酸(2−エチルヘキサ
ン酸)が連続的に添加されている脱ガス槽に供給され
た。脱ガスされた反応液は、順次、エチレン蒸留塔、ヘ
キセン蒸留塔、ヘプタン蒸留塔にて処理された。ヘプタ
ン蒸留塔の塔底液は、蒸発器に供給されて濃縮された。
蒸発器において、蒸発された高沸点成分は凝縮して回収
され、副生ポリエチレンと共に濃縮された触媒成分は、
冷却後に固形分として回収された。
は、圧縮機にて昇圧されて反応器に循環され、また、ヘ
プタン蒸留塔にて分離されたn−ヘプタンは、循環パイ
プを経て反応器に循環された。なお、脱ガスされた反応
液の一部をサンプリングして濾過することにより、副生
ポリエチレンの性状を確認した結果、粉状であった。
の運転条件を示す。また、表2に反応器および脱ガス槽
からの抜き出し液中の組成を示す。表2中の脱ガス槽に
おけるオクタン酸の濃度は、反応溶媒中の濃度に換算す
ると0.022重量%となる。なお、表2中のCr(2EHA)
3 はクロム(III) 2−エチルヘキサノエートを表す。
し、析出金属成分の分析を行ったが、析出金属成分は実
質的に存在していなかった。なお、析出金属成分の分析
は、濾紙(5A)でサンプルを濾過し、濾紙面をn−ヘ
プタン溶液で洗浄した後、10重量%の硝酸水溶液で洗
浄し、硝酸水溶液液中の金属成分の濃度を高周波プラズ
マ発光分光法で測定する方法によって行った。
して、1−ヘキサノール(実施例2)、ヘキシルアミン
(実施例3)、アンモニア(実施例4)、アセチルアセ
トン(実施例5)を使用した以外は、実施例1と同様に
して1−ヘキセンを連続的に製造した。金属可溶化剤の
添加量は、何れの実施例においても、脱ガス槽中の反応
溶媒中の濃度が0.022重量%となる量とした。実施
例1と同様にしてヘプタン蒸留塔の塔底液をサンプリン
グし、析出金属成分の分析を行ったが、何れの実施例に
おいても、析出金属成分は実質的に存在していなかっ
た。
供給しない以外は、実施例1と同様にして1−ヘキセン
を連続的に製造した。ヘプタン蒸留塔の塔底液をサンプ
リングし、実施例1と同様にして析出金属成分の分析を
行った結果、クロムが検出され、その量は、反応器に供
給した量の96.3%相当であった。なお、脱ガスされ
た反応液の一部をサンプリングして濾過することによ
り、副生ポリエチレンの性状を確認した結果、付着性の
あるフイルム状あった。
触媒を使用したα−オレフイン低重合体の製造方法であ
って、メタル化によって惹起される金属成分の析出を防
止することにより、特に、エチレンから1−ヘキセンを
主体としたα−オレフイン低重合体を高収率かつ高選択
率で製造することが出来る工業的有利なα−オレフイン
低重合体の製造方法が提供される。
Claims (7)
- 【請求項1】 クロム系触媒を使用したα−オレフイン
低重合体の製造方法において、クロム系触媒として、少
なくとも、クロム化合物(a)、アミン、アミド及びイ
ミドの群から選ばれる1種以上の化合物(b)、アルキ
ルアルミニウム化合物(c)の組み合わせから成る触媒
系を使用し、溶媒中でα−オレフインの低重合を行い、
次いで、溶媒に可溶で且つクロムに対して配位子形成能
を有する化合物を反応液に添加した後、反応液から各成
分を蒸留分離することを特徴とするα−オレフイン低重
合体の製造方法。 - 【請求項2】 クロム系触媒が、クロム化合物(a)、
アミン、アミド及びイミドの群から選ばれる1種以上の
化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及び
ハロゲン含有化合物(d)の組み合わせから成る請求項
1に記載のα−オレフイン低重合体の製造方法。 - 【請求項3】 触媒成分のモル比(a):(b):
(c)が1:0.1〜10:1〜100である請求項1
に記載のα−オレフイン低重合体の製造方法。 - 【請求項4】 触媒成分のモル比(a):(b):
(c):(d)が1:0.1〜10:1〜100:0.
1〜20である請求項2に記載のα−オレフイン低重合
体の製造方法。 - 【請求項5】 クロム化合物(a)とアルキルアルミニ
ウム化合物(c)とが予め接触しない態様でα−オレフ
インとクロム系触媒とを接触させてα−オレフインの低
重合を行う請求項1〜4の何れかに記載のα−オレフイ
ン低重合体の製造方法。 - 【請求項6】 配位子形成能を有する化合物が、−X−
H(但し、Xはヘテロ原子、Hは水素原子を表す)官能
基を有する化合物または活性メチレン基を有する化合物
である請求項1〜5の何れかに記載のα−オレフイン低
重合体の製造方法。 - 【請求項7】 配位子形成能を有する化合物が、アルコ
ール類、フェノール類、カルボン酸類、1級または2級
アミン類、アンモニア及びアセチルアセトンの群から選
択される化合物である請求項1〜6の何れかに記載のα
−オレフイン低重合体の製造方法。
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