JPH09194400A - α−オレフィン低重合体の製造方法 - Google Patents

α−オレフィン低重合体の製造方法

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JPH09194400A
JPH09194400A JP8006831A JP683196A JPH09194400A JP H09194400 A JPH09194400 A JP H09194400A JP 8006831 A JP8006831 A JP 8006831A JP 683196 A JP683196 A JP 683196A JP H09194400 A JPH09194400 A JP H09194400A
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JP
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chromium
olefin
halogen
containing compound
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JP8006831A
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Yoshitake Araki
良剛 荒木
Hirofumi Nakamura
宏文 中村
Yoshiaki Nanba
美明 難波
Takeshi Okano
丈志 岡野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロム系触媒を用いてα−オレフィンを低重
合する、特にエチレンから1−ヘキセンを工業的有利に
製造する方法を提供する。 【解決手段】 クロム系触媒として、少なくとも(a)
クロム化合物、(b)アミン、アミド及びイミドより成
る群から選ばれた含窒素化合物、(c)アルキルアルミ
ニウム化合物、及び(d)ハロゲン含有化合物から調製
され、且つα−オレフィン濃度が10〜50モル%の溶
液中で(a)クロム化合物と(c)アルキルアルミニウ
ム化合物とを接触させる過程を経て調製された触媒を用
いて低重合反応を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はα−オレフィン低重
合体の製造方法に関するものであり、特にエチレンから
1−ヘキセンを主体としたα−オレフィン低重合体を高
収率かつ高選択率で製造することが出来る、工業的有利
なα−オレフィン低重合体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、エチレン等のα−オレフィン
の低重合方法として、クロム化合物と有機アルミニウム
化合物の組み合わせから成るクロム系触媒を使用する方
法が知られている。例えば、特公昭43−18707号
公報には、クロムを含むVIB族の遷移金属化合物とポリ
ヒドロカルビルアルミニウムオキシドから成る触媒系に
より、エチレンから1−ヘキセンとポリエチレンを得る
方法が記載されている。また、特開平3−128904
号公報には、クロム−ピロリル結合を有するクロム化合
物と金属アルキル又はルイス酸とを予め反応させて得ら
れた触媒を使用して、α−オレフィンを三量化する方法
が記載されている。更に、特開平6−239920号公
報には、クロム化合物、ピロール類、金属アルキル化合
物およびハライド源を共通の溶媒中で混合することによ
り得られた触媒を使用して、α−オレフィンを低重合す
る方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
43−18707号公報に記載された方法では、1−ヘ
キセンと同時に生成するポリエチレンの量が多く、しか
もポリエチレンの副生量を少なくしようとすると、触媒
活性が低下するという問題がある。また、特開平3−1
28904号公報に記載された方法は、高分子量重合体
の生成量は少ないが、触媒活性が十分でないという問題
がある。
【0004】また、特開平6−239920号公報に記
載された方法は、触媒の前調製工程及び触媒の単離工程
を必要とし、操作が煩雑であることに加えて、全体の製
造プロセスに要する建設費が高いという欠点がある。本
発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目
的は、煩雑な操作なしで、高い触媒活性を発現させ、1
−ヘキセン等のα−オレフィン低重合体を高収率かつ高
選択率で製造することができるα−オレフィン低重合体
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、クロム
系触媒を使用したα−オレフィン低重合体の製造方法に
おいて、クロム系触媒として、少なくとも、(a)クロ
ム化合物、(b)アミン、アミド及びイミドより成る群
から選ばれる1種以上の含窒素化合物、(c)アルキル
アルミニウム化合物、及び(d)ハロゲン含有化合物か
ら調製され、且つα−オレフィン濃度が10〜50モル
%の溶液中で(a)クロム化合物と(c)アルキルアル
ミニウム化合物とを接触させる過程を経て調製された触
媒を用いることにより、工業的有利にα−オレフィン低
重合体を製造することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては、クロム系触媒
として、少なくとも、(a)クロム化合物、(b)アミ
ン、アミド及びイミドより成る群から選ばれる1種以上
の含窒素化合物、(c)アルキルアルミニウム化合物及
び(d)ハロゲン含有化合物から調製された触媒を使用
する。本発明で触媒調製に使用するクロム化合物は、一
般式CrXnで表される。但し、一般式中、Xは、任意
の有機若しくは無機の基又は陰性原子、nは1〜6の整
数を表し、そして、nが2以上の場合、Xは同一または
相互に異なっていてもよい。クロムの価数は0〜6価で
あり、上記の式中のnとしては2以上が好ましい。
【0007】有機基としては、炭素数が通常1〜30の
各種の基が挙げられる。具体的には、炭化水素基、カル
ボニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、β−ジケト
ナート基、β−ケトカルボキシル基、β−ケトエステル
基およびアミド基などが例示される。炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
キルアリール基、アラルキル基、シクロペンタジエニル
基など等が挙げられる。無機の基としては、硝酸基、硫
酸基などのクロム塩形成基が挙げられ、陰性原子として
は、酸素、ハロゲン等が挙げられる。
【0008】この範疇に属する好ましいクロム化合物
は、クロムのアルコキシ塩、カルボキシル塩、β−ジケ
トナート塩、β−ケトエステルのアニオンとの塩、また
は、クロムハロゲン化物であり、具体的には、クロム
(IV)tert−ブトキシド、クロム(III)アセチルア
セトナート、クロム(III)トリフルオロアセチルアセト
ナート、クロム(III)ヘキサフルオロアセチルアセトナ
ート、クロム(III)(2,2,6,6−テトラメチル−
3,5−ヘプタンジオナート)、Cr(PhCOCHC
OPh)3 (但し、ここでPhはフェニル基を示
す。)、クロム(II)アセテート、クロム(III)アセテ
ート、クロム(III)2−エチルヘキサノエート、クロム
(III) ベンゾエート、クロム(III) ナフテネート、Cr
(CH3 COCHCOOCH3 3 、塩化第一クロム、
塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二クロム、ヨ
ウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フッ化第一クロ
ム、フッ化第二クロム等が挙げられる。また、上記のク
ロム化合物と電子供与体から成る錯体も好適に使用する
ことが出来る。電子供与体としては、窒素、酸素、リン
又は硫黄を含有する化合物の中から選択される。
【0009】窒素を含有する電子供与体としては、ニト
リル、アミン、アミド、ニトロ化合物等が挙げられ、具
体的には、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルピリジ
ン、ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、
アニリン、ニトロベンゼン、テトラメチルエチレンジア
ミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ヘキサメ
チルジシラザン、ピロリドン等が挙げられる。
【0010】酸素を含有する電子供与体としては、エス
テル、エーテル、ケトン、アルコール、アルデヒド等が
挙げられ、具体的には、エチルアセテート、メチルアセ
テート、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエ
ーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライ
ム、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタ
ノール、アセトアルデヒド等が挙げられる。
【0011】リンを含有する電子供与体としては、ヘキ
サメチルフォスフォルアミド、ヘキサメチルフォスフォ
ラストリアミド、トリエチルフォスファイト、トリブチ
ルフォスフィンオキシド、トリエチルフォスフィン等が
例示される。また、硫黄を含有する電子供与体として
は、二硫化炭素、ジメチルスルフォキシド、テトラメチ
レンスルフォン、チオフェン、ジメチルスルフィド等が
例示される。
【0012】クロム化合物と電子供与体から成る錯体の
例としては、ハロゲン化クロムのエーテル錯体、エステ
ル錯体、ケトン錯体、アルデヒド錯体、アルコール錯
体、アミン錯体、ニトリル錯体、ホスフィン錯体、チオ
エーテル錯体などが挙げられる。具体的には、CrCl
3 ・3THF、CrCl3 ・3dioxane、CrC
3 ・(CH3 CO2 n−C4 9 )、CrCl3
(CH3 CO2 2 5 )、CrCl3 ・3(i−C3
7 OH)、CrCl3 ・3〔CH3 (CH2 3CH
(C2 5 )CH2 OH〕、CrCl3 ・3pyrid
ine、CrCl3・2(i−C3 7 NH2 )、〔C
rCl3 ・3CH3 CN〕・CH3 CN、CrCl3
3PPh3 、CrCl2 ・2THF、CrCl2 ・2p
yridine、CrCl2 ・2〔(C2 5 2
H〕、CrCl2 ・2CH3 CN、CrCl2 ・2〔P
(CH3 2 Ph〕等が挙げられる。なお、上記におい
てTHFはテトラヒドロフランを表わす。
【0013】クロム化合物としては、炭化水素溶媒に可
溶な化合物が好ましい。このようなクロム化合物として
は、クロムのβ−ジケトナート塩、カルボン酸塩、β−
ケトエステルのアニオンとの塩、β−ケトカルボン酸
塩、アミド錯体、カルボニル錯体、カルベン錯体、シク
ロペンタジエニル錯体、アルキル錯体、フェニル錯体な
どが挙げられる。クロムのカルボニル錯体、カルベン錯
体、シクロペンタジエニル錯体、アルキル錯体、フェニ
ル錯体の具体例としては、Cr(CO)6 、(C
6 6 )Cr(CO)3 、(CO)5 Cr(=CCH3
(OCH3 ))、(CO)5 Cr(=CC6 5 (OC
3 ))、CpCrCl2 (ここでCpはシクロペンタ
ジエニル基を示す。)、(Cp*CrClCH3
2 (ここでCp*はペンタメチルシクロペンタジエニル
基を示す。)、(CH3 2 CrCl等が挙げられる。
【0014】クロム化合物は、無機酸化物などの担体に
担持して使用することも出来るが、担体に担持させず
に、他の触媒成分と組み合わせて使用するのが好まし
い。すなわち、本発明において、クロム系触媒は、後述
する特定の方法で調製されるが、斯かる態様によれば、
クロム化合物の担体への担持を行わなくとも高い触媒活
性が得られる。そして、クロム化合物を担体に担持させ
ずに使用する場合は、複雑な操作を伴う担体への担持を
省略でき、しかも、担体の使用による総触媒使用量(担
体と触媒成分の合計量)の増大と言う問題をも回避する
ことが出来る。
【0015】本発明で触媒調製に際し、(b)含窒素化
合物として使用するアミンは、1級または2級アミンで
ある。1級アミンとしては、エチルアミン、イソプロピ
ルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ア
ニリン、ナフチルアミン等が例示され、2級アミンとし
ては、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシク
ロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ビス(トリメチ
ルシリル)アミン、モルホリン、イミダゾール、インド
リン、インドール、ピロール、2,5−ジメチルピロー
ル、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジクロロピロ
ール、2,3,4,5−テトラクロロピロール、2−ア
シルピロール、ピラゾール、ピロリジン等が例示され
る。
【0016】また、アミドとしては、1級または2級ア
ミンから誘導される金属アミドが挙げられ、例えば、上
記の1級または2級アミンとIA族、IIA族、IIIA族お
よびIVB族から選択される金属との反応により得られる
アミドが挙げられる。このような金属アミドの具体例と
しては、リチウムアミド、ナトリウムエチルアミド、カ
ルシウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ド、カリウムベンジルアミド、ナトリウムビス(トリメ
チルシリル)アミド、リチウムインドリド、ナトリウム
ピロライド、リチウムピロライド、カリウムピロライ
ド、カリウムピロリジド、アルミニウムジエチルピロラ
イド、エチルアルミニウムジピロライド、アルミニウム
トリピロライド等が挙げられる。
【0017】上記のアミン、アミドのうちでは、2級ア
ミン若しくは2級アミンから誘導される金属アミド又は
これらの混合物が好適に使用される。特には、2級アミ
ンとしては、ピロール、2,5−ジメチルピロール、
3,4−ジメチルピロール、3,4−ジクロロピロー
ル、2,3,4,5−テトラクロロピロール、2−アシ
ルピロールが、2級アミンから誘導される金属アミドと
しては、アルミニウムピロライド、エチルアルミニウム
ジピロライド、アルミニウムトリピロライド、ナトリウ
ムピロライド、リチウムピロライド、カリウムピロライ
ドが好適である。そして、ピロール類のうち、ピロール
環に炭化水素基を有する誘導体が特に好ましい。触媒調
製に際し(b)含窒素化合物として使用する前記以外の
アミド又はイミド化合物としては、下記一般式(1)〜
(3)で表される化合物などが挙げられる。
【0018】
【化1】
【0019】一般式(1)中、M1 は、水素原子または
周期律表のIA、IIA、 IIIA族から選ばれる金属元素
であり、R1 は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有していて
もよいアリール基、または、ヘテロ元素を含んでいても
よいアリール基を表し、R2 は、水素原子、炭素数1〜
30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換
基を有していてもよいアリール基、ヘテロ元素を含んで
いてもよいアリール基、または、アシル基C(=O)R
3 (R3 はR1 と同じ定義であり、R1 と異なっていて
もよい)を表し、R1 とR2 は環を形成してもよい。
【0020】一般式(2)中、M2 及びM3 は、水素原
子または周期律表のIA、IIA、 IIIA族から選ばれる
金属元素であり、R4 及びR5 は、水素原子、炭素数1
〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置
換基を有していてもよいアリール基、または、ヘテロ元
素を含んでいてもよいアリール基を表し、R4 とR5
環を形成していてもよく、Aは不飽和結合を含んでいて
もよいアルキレン基を表す。
【0021】一般式(3)中、M4 は、水素原子または
周期律表のIA、IIA、IB、 IIIA族から選ばれる金
属元素であり、R6 は、水素原子、炭素数1〜30のア
ルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有し
ていてもよいアリール基、または、ヘテロ元素を含んで
いてもよいアリール基を表し、R7 は、水素原子、炭素
数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、置換基を有していてもよいアリール基、ヘテロ元素
を含んでいてもよいアリール基、または、SO28
(R8 はR6 と同じ定義であり、R6 と異なっていても
よい)を表し、R 6 とR7 は環を形成していてもよい。
【0022】一般式(1)又は一般式(2)で表される
アミド類としては、例えば、アセトアミド、N−メチル
ヘキサンアミド、スクシンアミド、マレアミド、N−メ
チルベンズアミド、イミダゾール−2−カルボンアミ
ド、ジ−2−テノイルアミン、β−ラクタム、δ−ラク
タム、ε−カプロラクタム、および、これらと周期律表
のIA、IIA、IBまたは IIIA族の金属との塩が挙げ
られる。また、イミド類としては、例えば、1,2−シ
クロヘキサンジカルボキシイミド、スクシンイミド、フ
タルイミド、マレイミド、2,4,6−ピペリジントリ
オン、ペルヒドロアゼシン−2,10−ジオン、およ
び、これらと周期律表のIA、IIA、IBまたは IIIA
族の金属との塩が挙げられる。
【0023】一般式(3)で示されるスルホンアミド類
およびスルホンイミド類としては、例えば、ベンゼンス
ルホンアミド、N−メチルメタンスルホンアミド、N−
メチルトリフルオロメチルスルホンアミド、および、こ
れらと周期律表のIA、IIA、IBまたは IIIA族の金
属との塩が挙げられる。これらの一般式(1)〜(3)
で表わされるアミド又はイミド化合物のうちでは、一般
式(1)で表わされる化合物が好ましく、特に、一般式
(1)中のR2がアシル基C(=O)R3 を表し、R1
とR2 が環を形成しているイミド化合物が好ましい。本
発明において、触媒調製に用いる(c)アルキルアルミ
ニウム化合物としては、下記一般式(4)で示されるア
ルキルアルミニウム化合物が好適に使用される。
【0024】
【化2】 R9 m Al(OR10t p q …(4)
【0025】一般式(4)中、R9 及びR10は、炭素数
が通常1〜15、好ましくは1〜8の炭化水素基であっ
て互いに同一であっても異なっていてもよく、Xはハロ
ゲン原子を表し、mは0<m≦3、tは0≦n<3、p
は0≦p<3、qは0≦q<3のそれぞれの数であっ
て、しかも、m+t+p+q=3である数を表す。上記
のアルキルアルミニウム化合物としては、例えば、下記
一般式(5)で示されるトリアルキルアルミニウム化合
物、一般式(6)で示されるハロゲン化アルキルアルミ
ニウム化合物、一般式(7)で示されるアルコキシアル
キルアルミニウム化合物、一般式(8)で示される水素
化アルキルアルミニウム化合物などが挙げられる。な
お、各式中のR9 、XおよびR10の定義は前記と同じで
ある。
【0026】
【化3】 R9 3 Al …(5) R9 m AlX3-m (mは1.5≦m<3) …(6) R9 m Al(OR103-m …(7) (mは0<m<3、好ましくは1.5≦m<3) R9 m AlH3-m …(8) (mは0<m<3、好ましくは1.5≦m<3)
【0027】上記のアルキルアルミニウム化合物の具体
例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド等が挙げられる。こ
れらのうち、ポリマーの副生が少ないと言う点でトリア
ルキルアルミニウムが特に好ましい。アルキルアルミニ
ウム化合物は、2種以上の混合物であってもよく、例え
ばトリアルキルアルミニウムとハロゲン化アルキルアル
ミニウムとの混合物を用いることもできる。
【0028】本発明において、触媒調製に用いる(d)
ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン原子が含まれる
化合物であればよいが、次のハロゲン含有化合物(1)
〜(4)が好ましい。ハロゲン含有化合物(1)は、周
期律表の IIIA、 IIIB、IVA、IVB、VA、VB、及
びVIB族から選ばれる元素を含むハロゲン含有化合物で
ある。具体的には、塩化スカンジウム、塩化イットリウ
ム、塩化ランタン、四塩化チタン、四塩化ジルコニウ
ム、四塩化ハフニウム、三塩化ホウ素、塩化アルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリド、塩化ガリウム、四塩化炭素、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサクロロ
ベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、トリチル
クロリド、四塩化シラン、トリメチルクロロシラン、四
塩化ゲルマニウム、四塩化スズ、トリブチルスズクロリ
ド、三塩化リン、三塩化アンチモン、トリチルヘキサク
ロロアンチモネート、五塩化アンチモン、三塩化ビスマ
ス、三臭化ホウ素、三臭化アルミニウム、四臭化炭素、
ブロモホルム、ブロモベンゼン、ヨードメタン、四臭化
ケイ素、ヘキサフルオロベンゼン、フッ化アルミニウム
等が挙げられる。これらの中では、ハロゲン原子の数が
多い化合物が好ましく、また、低重合反応を行なう溶媒
に可溶の化合物が好ましい。ハロゲン含有化合物(1)
のハロゲンとしては、臭素または塩素、中でも活性、目
的生成物の選択性等総合的にみて塩素を用いるのが好ま
しく、特に好ましいハロゲン含有化合物(1)は、四塩
化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化チタ
ン、四塩化ゲルマニウム、四塩化スズである。これらの
2種以上の混合物を用いることも出来る。ハロゲン含有
化合物(2)は、3個以上のハロゲン原子で置換された
炭素数2以上の直鎖状炭化水素類である。ハロゲン含有
化合物(2)における直鎖状炭化水素類としては、直鎖
状飽和炭化水素類が好ましい。隣り合った2個の炭素に
3個以上のハロゲン原子が置換した直鎖状炭化水素類が
好ましく、一般式(9)、(10)、(11)で表わさ
れる直鎖状ハロゲン化炭化水素類が特に好ましい。
【0029】
【化4】
【0030】一般式(9)中、X1 〜X8 は水素原子ま
たはハロゲン原子を表わし、X1 〜X5 のうち、少なく
とも3個はハロゲン原子であり、rは0〜8である。
【0031】
【化5】
【0032】一般式(10)中、X9 〜X11はハロゲン
原子を表わし、X12〜X16はハロゲン原子または水素原
子であり、sは0〜8である。
【0033】
【化6】
【0034】一般式(11)中、X17〜X20はハロゲン
原子を表わし、X21〜X24はハロゲン原子または水素原
子であり、wは0〜8である。ハロゲン含有化合物
(2)におけるハロゲンとしては、塩素または臭素、中
でも活性、目的生成物の選択性等総合的にみて塩素を用
いるのが好ましく、そして、一般式(9)〜(11)に
おけるr、sおよびwとしては、各々0〜3が好まし
い。一般式(9)〜(11)で表わされる直鎖状ハロゲ
ン化炭化水素類としては、具体的には、1,1,1−ト
リクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタ
ン、ヘキサクロロエタン、1,1,1−トリクロロプロ
パン、1,1,2,2−テトラクロロプロパン、1,
1,1−トリクロロブタン、1,1,2,2−テトラク
ロロブタン、1,1,1−トリクロロペンタン、1,
1,2,2−テトラクロロペンタン、1,1,1−トリ
ブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン等
が挙げられる。これらの中では、特に、1,1,1−ト
リクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエ
タン、1,1,2,2−テトラクロロエタンが好適であ
る。
【0035】ハロゲン含有化合物(2)の使用は、触媒
活性および三量体化物の選択率が著しく向上するだけで
なく触媒の経時劣化を改善できるという利点がある。ハ
ロゲン含有化合物(3)はハロゲン化環状炭化水素であ
る。環状炭化水素としては、環状飽和炭化水素が好まし
く、ハロゲン含有化合物(3)としては3個のハロゲン
原子で置換された環状飽和炭化水素が特に好ましい。そ
して、ハロゲン原子としては塩素または臭素、中でも活
性、目的生成物の選択性等、総合的にみて塩素を用いる
のが好ましい。
【0036】ハロゲン含有化合物(3)の具体例として
は、1,2,3−トリクロロシクロプロパン、1,1,
2−トリクロロシクロプロパン、1,2,3−トリブロ
モシクロプロパン、1,1,2−トリブロモシクロプロ
パン等のトリハロゲン化シクロプロパン、1,1,2,
3−テトラクロロシクロプロパン、1,1,2,2−テ
トラクロロシクロプロパン、1,1,2,3−テトラブ
ロモシクロプロパン、1,1,2,2−テトラブロモシ
クロプロパン等のテトラハロゲン化シクロプロパン、ペ
ンタクロロシクロプロパン、ペンタブロモシクロプロパ
ン等のペンタハロゲン化シクロプロパン、ヘキサクロロ
シクロプロパン、ヘキサブロモシクロプロパン等のヘキ
サハロゲン化シクロプロパン、1,2,3−トリクロロ
シクロブタン、1,1,2−トリクロロシクロブタン、
1,2,3−トリブロモシクロブタン、1,1,2−ト
リブロモシクロブタン等のトリハロゲン化シクロブタ
ン、1,2,3,4−テトラクロロシクロブタン、1,
1,2,3−テトラクロロシクロブタン、1,2,3,
4−テトラブロモシクロブタン、1,1,2,3−テト
ラブロモシクロブタン等のテトラハロゲン化シクロブタ
ン、1,1,2,3,4−ペンタクロロシクロブタン、
1,1,2,2,3−ペンタクロロシクロブタン、1,
1,2,3,4−ペンタブロモシクロブタン、1,1,
2,2,3−ペンタブロモシクロブタン等のペンタハロ
ゲン化シクロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサ
クロロシクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサ
クロロシクロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサ
ブロモシクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサ
ブロモシクロブタン等のヘキサハロゲン化シクロブタ
ン、ヘプタクロロシクロブタン、ヘプタブロモシクロブ
タン等のヘプタハロゲン化シクロブタン、オクタクロロ
シクロブタン、オタクブロモシクロブタン等のオクタハ
ロゲン化シクロブタン等が挙げられる。
【0037】また、1,2,3−トリクロロシクロペン
タン、1,1,2−トリクロロシクロペンタン、1,
2,3−トリブロモシクロペンタン、1,1,2−トリ
ブロモシクロペンタン等のトリハロゲン化シクロペンタ
ン、1,2,3,4−テトラクロロシクロペンタン、
1,1,2,3−テトラクロロシクロペンタン、1,
2,3,4−テトラブロモシクロペンタン、1,1,
2,3−テトラブロモシクロペンタン等のテトラハロゲ
ン化シクロペンタン、1,2,3,4,5−ペンタクロ
ロシクロペンタン、1,1,2,3,4−ペンタクロロ
シクロペンタン、1,1,2,2,3−ペンタクロロシ
クロペンタン、1,2,3,4,5−ペンタブロモシク
ロペンタン、1,1,2,3,4−ペンタブロモシクロ
ペンタン、1,1,2,2,3−ペンタブロモシクロペ
ンタン等のペンタハロゲン化シクロペンタン、1,1,
2,3,4,5−ヘキサクロロシクロペンタン、1,
1,2,3,4,5−ヘキサブロモシクロペンタン等の
ヘキサハロゲン化シクロペンタン、1,1,2,2,
3,4,5−ヘプタクロロシクロペンタン、1,1,
2,2,3,4,5−ヘプタブロモシクロペンタン等の
ヘプタハロゲン化シクロペンタン、1,1,2,2,
3,3,4,5−オクタクロロシクロペンタン、1,
1,2,2,3,3,4,5−オクタブロモシクロペン
タン等のオクタハロゲン化シクロペンタン、ノナクロロ
シクロペンタン等のノナハロゲン化シクロペンタン、デ
カクロロシクロペンタン等のデカハロゲン化シクロペン
タン等が挙げられる。
【0038】更に、1,2,3−トリクロロシクロヘキ
サン、1,1,2−トリクロロシクロヘキサン、1,
2,3−トリブロモシクロヘキサン、1,1,2−トリ
ブロモシクロヘキサン等のトリハロゲン化シクロヘキサ
ン、1,2,3,4−テトラクロロシクロヘキサン、
1,1,2,3−テトラクロロシクロヘキサン、1,
2,3,4−テトラブロモシクロヘキサン、1,1,
2,3−テトラブロモシクロヘキサン等のテトラハロゲ
ン化シクロヘキサン、1,2,3,4,5−ペンタクロ
ロシクロヘキサン、1,1,2,3,4−ペンタクロロ
シクロヘキサン、1,1,2,2,3−ペンタクロロシ
クロヘキサン、1,2,3,4,5−ペンタブロモシク
ロヘキサン、1,1,2,3,4−ペンタブロモシクロ
ヘキサン、1,1,2,2,3−ペンタブロモシクロヘ
キサン等のペンタハロゲン化シクロヘキサン、1,2,
3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン、1,
2,3,4,5,6−ヘキサブロモシクロヘキサン等の
ヘキサハロゲン化シクロヘキサン、1,1,2,3,
4,5,6−ヘプタクロロシクロヘキサン、1,1,
2,3,4,5,6−ヘプタブロモシクロヘキサン等の
ヘプタハロゲン化シクロヘキサン、1,1,2,2,
3,4,5,6−オクタクロロシクロヘキサン、1,
1,2,2,3,4,5,6−オクタブロモシクロヘキ
サン等のオクタハロゲン化シクロヘキサン、1,1,
2,2,3,3,4,5,6−ノナクロロシクロヘキサ
ン等のノナハロゲン化シクロヘキサン、1,1,2,
2,3,3,4,4,5,6−デカクロロシクロヘキサ
ン等のデカハロゲン化シクロヘキサン、ウンデカクロロ
シクロヘキサン等のウンデカハロゲン化シクロヘキサ
ン、ドデカクロロシクロヘキサン等のドデカハロゲン化
シクロヘキサン等が挙げられる。上記の中では、特に
1,2,3−トリクロロシクロプロパン、ペンタクロロ
シクロプロパン、1,2,3,4−テトラクロロシクロ
ブタン、1,2,3,4,5−ペンタクロロシクロペン
タン、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘ
キサンが好適である。ハロゲン含有化合物(3)の使用
は、触媒活性および三量体化物の選択率が著しく向上す
るだけでなく触媒の経時劣化を改善できるという利点が
ある。ハロゲン含有化合物(4)は、下記一般式(1
2)で表わされる。
【0039】
【化7】
【0040】一般式(12)中、R11〜R14は水素又は
アルキル基を表わし、X25は水素原子、アルキル基又は
ハロゲン原子を表わし、X26はハロゲン原子を表わす。
また、ハロゲンとしては塩素又は臭素、中でも活性、目
的生成物の選択性等総合的にみて塩素を用いるのが好ま
しい。ハロゲン含有化合物(4)としては具体的には、
塩化アリル、3,3−ジクロロ−1−プロペン、3−ク
ロロ−1−ブテン、3,3−ジクロロ−1−ブテン、1
−クロロ−2−ブテン、1,1−ジクロロ−2−ブテ
ン、3−クロロ−3−メチル−1−ブテン、3−クロロ
−1−ペンテン、3,3−ジクロロ−1−ペンテン、4
−クロロ−2−ペンテン、4,4−ジクロロ−2−ペン
テン、1−クロロ−2−ペンテン、1,1−ジクロロ−
2−ペンテン等が挙げられるが、塩化アリルが最も好ま
しい。
【0041】ハロゲン含有化合物(4)の使用は、触媒
活性、三量体化物の選択率が著しく向上するだけでな
く、ハロゲン原子当りの活性が高い為、使用するハロゲ
ン含有化合物の量が少量ですみ、また反応工程あるいは
蒸留精製時に生成するハロゲン含有分解物が少量である
為、得られた三量体化物を精製する際ハロゲン含有不純
物を容易に分離でき目的生成物を高純度で回収すること
ができるという利点がある。
【0042】また、本発明においては、ハロゲン含有化
合物として、t−ブチルジメチルシリルトリフラート
(t−BuMe2 SiOSO2 CF3 )、トリスペンタ
フルオロフェニルボロン(B(C6 5 3 )、トリフ
ルオロメタンスルホン酸(CF 3 SO3 H)、ヘキサフ
ルオロイソプロパノール((CF3 2 CHOH)等も
好適に使用することが出来る。
【0043】本発明においては、上記の各触媒成分
(a)〜(d)から調製されたクロム系触媒を使用して
液状反応媒体中でα−オレフィンの低重合を行なう。そ
して、(a)クロム化合物として例えば塩化第一クロム
の様にハロゲンを含有するクロム化合物を使用する場
合、当該クロム化合物は(d)ハロゲン含有化合物とし
ても機能する。また、同様に、(c)アルキルアルミニ
ウム化合物として例えばジエチルアルミニウムモノクロ
リドの様にハロゲンを含有するアルキルアルミニウム化
合物を使用する場合、当該アルキルアルミニウム化合物
は、(d)ハロゲン含有化合物としても機能する。
【0044】本発明において低重合反応に供する原料α
−オレフィンとしては、炭素数が2〜30の置換または
非置換のα−オレフィンが使用される。具体的には、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン等が挙げられる。特に、原料α−オレフィンと
してエチレンが好適であり、本発明によればエチレンか
らその三量体である1−ヘキセンを高収率かつ高選択率
で得ることが出来る。
【0045】本発明においては、反応溶媒としては、ブ
タン、ペンタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、2−メチルヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の炭素数1〜2
0の鎖状または脂環式の飽和炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、テトラ
リン等の芳香族炭化水素などが使用される。これらは、
単独で使用する他、混合溶媒として使用することも出来
る。特に、溶媒としては、炭素数が4〜7の鎖状飽和炭
化水素または脂環式飽和炭化水素が好ましい。これらの
溶媒を使用することにより、ポリマーの副生を抑制する
ことが出来、更に、脂環式飽和炭化水素を使用した場合
は、高い触媒活性が得られるという利点がある。
【0046】本発明においては、触媒調製に際し、
(a)クロム化合物と(c)アルキルアルミニウム化合
物とを、α−オレフィンを10〜50モル%含む溶液中
で接触させる。すなわち、(a)クロム化合物及び
(c)アルキルアルミニウム化合物のそれぞれは、
(b)アミン、アミド及びイミドから選ばれる含窒素化
合物や(d)ハロゲン含有化合物と事前に接触させても
かまわないが、両者の接触はα−オレフィンを10〜5
0モル%含む溶液中で行なうものとする。このようにし
て触媒を調製すると、触媒活性が著しく向上し、且つ、
三量体化物の選択率が非常に高く、また得られるα−オ
レフィン低重合体の純度も極めて高いという利点があ
る。
【0047】本発明における触媒の調製法について更に
詳細に説明すると、触媒は(a)〜(d)の各成分を2
0〜150℃、好ましくは50〜100℃で混合するこ
とにより調製されるが、予め調製して反応帯域に供給し
てもよく、また触媒調製に用いる(a)〜(d)の各成
分を反応帯域に供給して、その場で触媒を生成させても
よい。いずれの方法によるときも、触媒の調製は、
(a)クロム化合物と(c)アルキルアルミニウム化合
物とが液中で初めて接触する態様で行ない、且つこの液
中にはオレフィンをその濃度が10〜50モル%となる
ように存在させる。この態様によれば高性能の触媒が生
成する理由は、次のように推定される。即ち(a)クロ
ム化合物と(c)アルキルアルミニウム化合物との接触
によりクロム化合物は還元されるが、還元生成物は極め
て不安定であり、そのままでは容易に分解して触媒活性
を失うか、ないしは活性の低い触媒しか与えない。しか
し、オレフィンが適度にこれに配位すると還元生成物が
適度に安定化されて、高活性の触媒を与えるようになる
と考えられる。従って還元反応が行なわれる液中のオレ
フィン濃度は、高過ぎても低過ぎても高活性の触媒を与
えないものと推定される。液中のオレフィンの好適な濃
度は20〜40モル%である。液中に存在させるオレフ
ィンは、通常は低重合反応に供するオレフィンと同一で
あるが、所望ならば他のオレフィンを用いることもでき
る。エチレンの低重合反応において、反応帯域で触媒を
調製する場合のように、エチレンを含む液中で触媒調製
を行なう場合には、雰囲気中のエチレン分圧を10〜5
0kg/cm2 、特に20〜40kg/cm2 とする
と、高性能の触媒を調製するのに有利である。
【0048】本発明における触媒調製の具体的態様を例
示すると次の(1)〜(9)が挙げられる。なお、触媒
を予め調製して低重合反応帯域に供給する場合には、溶
媒は通常は低重合反応に用いるものと同一であるが、所
望ならば他のものを用いることもできる。また、これら
の態様において、α−オレフィンは予め溶液中に含有さ
せておいてもよく、また予め含有させておかない場合に
は、(a)クロム化合物と(c)アルキルアルミニウム
化合物との反応が実質的に生起する時点で、溶媒中に所
定濃度のα−オレフィンが存在するように、α−オレフ
ィンの供給を行なうようにする。
【0049】(1)(b)含窒素化合物、(c)アルキ
ルアルミニウム化合物及び(d)ハロゲン含有化合物を
含む溶液中に、(a)クロム化合物及びα−オレフィン
を導入する方法。 (2)(a)クロム化合物、(d)ハロゲン含有化合物
及び(b)含窒素化合物を含む溶液中に、(c)アルキ
ルアルミニウム化合物及びα−オレフィンを導入する方
法。 (3)(a)クロム化合物及び(d)ハロゲン含有化合
物を含む溶液中に、(b)含窒素化合物、(c)アルキ
ルアルミニウム化合物及びα−オレフィンを導入する方
法。 (4)(c)アルキルアルミニウム化合物及び(d)ハ
ロゲン含有化合物を含む溶液中に、(a)クロム化合
物、(b)含窒素化合物及びα−オレフィンを導入する
方法。 (5)(a)クロム化合物及び(b)含窒素化合物を含
む溶液中に、(c)アルキルアルミニウム化合物、
(d)ハロゲン含有化合物及びα−オレフィンを導入す
る方法。 (6)(b)含窒素化合物及び(c)アルキルアルミニ
ウム化合物を含む溶液中に、(a)クロム化合物、
(d)ハロゲン含有化合物及びα−オレフィンを導入す
る方法。 (7)(c)アルキルアルミニウム化合物を含む溶液中
に、(a)クロム化合物、(b)含窒素化合物、(d)
ハロゲン含有化合物及びα−オレフィンを導入する方
法。 (8)(a)クロム化合物を含む溶液中に、(d)ハロ
ゲン含有化合物、(b)含窒素化合物、(c)アルキル
アルミニウム化合物及びα−オレフィンを導入する方
法。 (9)(a)クロム化合物、(b)含窒素化合物、
(c)アルキルアルミニウム化合物、(d)ハロゲン含
有化合物及びα−オレフィンをそれぞれ同時に独立に液
中に導入する方法。
【0050】本発明における触媒調製の好ましい一態様
では、少なくとも(c)アルキルアルミニウム化合物及
び(d)ハロゲン含有化合物を含み、(a)クロム化合
物を含まない溶液を、100℃以上に予備加熱したの
ち、残余の触媒成分及びα−オレフィンと接触させる。
この態様により調製された触媒を用いると、低重合反応
の選択率が改良される傾向にある。効果を奏する予備加
熱の温度は100℃以上であるが、高温に過ぎるとアル
キルアルミニウム化合物などがメタル化する恐れがあ
る。副反応の生起及び経済性を考慮すると、200℃以
下の加熱に止めるべきである。好適な予備加熱温度は1
10〜180℃、特に120〜160℃である。加熱時
間は加熱温度にも依存するが、通常5〜120分、好ま
しくは30〜90分である。予備加熱を行なう場合に
は、(d)ハロゲン含有化合物としては、周期律表の I
IIA、 IIIB、IVA、IVB、VA及びVB族から選ばれ
る元素を含むハロゲン含有化合物を用いるのが好まし
い。
【0051】本発明においては前述の如く触媒は予め調
製して反応系に供給してもよいが、触媒調製に用いる
(a)〜(d)の各成分を反応帯域に供給して、その場
で触媒を生成させるのが好ましい。特に連続反応、例え
ば撹拌槽に反応媒体、α−オレフィン及び触媒成分を連
続的に供給し、且つ生成した低重合体を含む反応生成液
を連続的に撹拌槽から抜出す方式によるものが好まし
い。α−オレフィンと反応媒体の供給比は、反応媒体中
のオレフィン濃度が前述の如く10〜50モル%となる
ようにする。またα−オレフィンとしてエチレンを用い
る場合には、前述の如く気相部のエチレン分圧は10〜
50kg/cm2 に制御するのが好ましい。反応時間
(滞留時間)は10分〜10時間、好ましくは30分〜
5時間である。また、触媒成分の供給量は、供給する溶
媒1リットル当り、(a)クロム化合物は通常1×10
-7〜0.5モル、好ましくは5×10-7〜0.2モル、
(b)含窒素化合物は通常1×10-7〜0.1モル、好
ましくは5×10-7〜5×10-2モル、(c)アルキル
アルミニウム化合物は1×10-7〜7×10-2モル、好
ましくは5×10-7〜5×10-2モル、(d)ハロゲン
含有化合物は通常1×10 -7〜0.1モル、好ましくは
5×10-7〜5×10-2モルである。最も好ましくは、
(a)クロム化合物は1×10-6〜5×10-2モル、
(b)含窒素化合物は1×10-6〜1×10-2モル、
(c)アルキルアルミニウム化合物は1×10-6〜1×
10-2、そして(d)ハロゲン含有化合物は1×10-6
〜1×10-2モルである。
【0052】予め触媒を調製して反応に供する場合も含
めて、触媒調製に際しての各成分の使用モル比は、通常
はa:b:c:d=1:0.1〜100:0.1〜50
0:0.1〜100であるが、1:0.1〜10:1〜
100:0.1〜20が好ましい。特に好ましくは1:
1〜5:5〜50:1〜10である。このような比率で
調製された触媒を用いると、例えばエチレンからヘキセ
ンを90%以上の選択率で生成させ、且つ1−ヘキセン
の選択率を99%以上にも高めることができる。
【0053】本発明方法によるα−オレフィンの低重合
反応は、回分式、半連続式又は連続式のいずれの方式に
よっても行なうことができるが、連続式が好ましい。反
応温度は通常20〜150℃、好ましくは50〜100
℃である。また、反応器の気相部には0.1〜15(容
量)%の水素を存在させるのが好ましく、これにより装
置を閉塞させるような固体状のポリマーの副生を回避す
ることができる。反応生成液からのα−オレフィン低重
合体の回収は、常法により行なうことができる。通常は
先ず副生ポリマーを分離し、次いで蒸留してα−オレフ
ィン低重合体を回収する。蒸留塔の塔底から排出される
触媒を含む反応媒体は、所望ならば循環使用される。
【0054】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例により
更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定
されるものではない。 実施例1 120℃の乾燥器で加熱乾燥した2Lのオートクレーブ
を熱時に組み立て、真空窒素置換した。このオートクレ
ーブには5kg/cm2 G耐圧の破裂板を備えた触媒フ
ィード管を取り付けておいた。シクロヘキサン(730
ml)、2,5−ジメチルピロール(0.140mmo
l)のn−ヘプタン溶液、クロロホルム(11.1m
g、0.093mmol)のn−ヘプタン溶液、および
トリエチルアルミニウム(0.70mmol)のn−ヘ
プタン溶液をオートクレーブ胴側にこの順で仕込み、一
方、触媒フィード管にはクロム(III)−2−エチルヘキ
サノエート(22.5mg、0.047mmol)のn
−ヘプタン溶液を仕込んだ。n−ヘプタンの全体量は2
0mlであった。
【0055】先ず、オートクレーブを80℃に加熱し、
次いで、80℃でエチレンを触媒フィード管より導入し
た。エチレン圧により破裂板が破裂し、クロム化合物が
オートクレーブ胴側に導入され触媒調製が開始された。
エチレンを全圧が35kg/cm2 Gになるまで導入し
た。オートクレーブの液相中のエチレン濃度は35.4
モル%である。全圧を35kg/cm2 Gに、反応温度
を80℃に維持して0.5時間経過後に反応液をサンプ
リングした。その後全圧が50kg/cm2 Gになるま
でエチレンを導入して、引続き80℃、50kg/cm
2 Gで反応を続行した。この条件で1.5時間経過後、
反応液をサンプリングして全圧50kg/cm2 Gでの
触媒効率を求めた。その結果、全圧50kg/cm2
での反応における触媒効率は、433087g−α−オ
レフィン/g−Crであった。
【0056】実施例2 エチレンを全圧35kg/cm2 Gまで導入する代わり
に全圧20kg/cm 2 Gまで導入した(液相中のエチ
レン濃度21.5モル%)こと以外は、実施例1と同様
にして触媒調製及びエチレンの低重合を行った。全圧5
0kg/cm2Gでの反応における触媒効率は、433
430g−α−オレフィン/g−Crであった。
【0057】比較例1 エチレンを全圧35kg/cm2 Gまで導入する代わり
に全圧1kg/cm2Gまで導入した(液相中のエチレ
ン濃度1.6モル%)こと以外は、実施例1と同様にし
て触媒調製及びエチレンの低重合を行った。全圧50k
g/cm2 Gでの反応における触媒効率は246792
g−α−オレフィン/g−Crと低効率となった。
【0058】比較例2 エチレンを全圧35kg/cm2 Gまで導入する代わり
に全圧60kg/cm 2 Gまで導入した(液相中のエチ
レン濃度55.7モル%)こと以外は、実施例1と同様
にして触媒調製及びエチレンの低重合を行った。全圧5
0kg/cm2Gでの反応における触媒効率は1862
10g−α−オレフィン/g−Crと低効率となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 2/32 6958−4H C07C 2/32 11/107 6958−4H 11/107 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 岡野 丈志 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム系触媒を用いたα−オレフィン低
    重合体の製造方法において、クロム系触媒として、少な
    くとも(a)クロム化合物、(b)アミン、アミド及び
    イミドより成る群から選ばれる含窒素化合物、(c)ア
    ルキルアルミニウム化合物、及び(d)ハロゲン含有化
    合物から調製され、且つα−オレフィン濃度が10〜5
    0モル%の溶液中で(a)クロム化合物と(c)アルキ
    ルアルミニウム化合物とを接触させる過程を経て調製さ
    れたものを用いることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 触媒調製に際しての、(a)クロム化合
    物、(b)アミン、アミド及びイミドより成る群から選
    ばれる含窒素化合物、(c)アルキルアルミニウム化合
    物、及び(d)ハロゲン含有化合物の使用比率が、モル
    比で、(a):(b):(c):(d)=1:0.1〜
    10:1〜100:0.1〜20であることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 クロム系触媒を用いたα−オレフィン低
    重合体の製造方法において、α−オレフィン濃度が10
    〜50モル%の液状反応媒体が収容されている反応帯域
    に、α−オレフィン並びに(a)クロム化合物、(b)
    アミン、アミド及びイミドより成る群から選ばれる含窒
    素化合物、(c)アルキルアルミニウム化合物、及び
    (d)ハロゲン含有化合物を、(a)クロム化合物と
    (c)アルキルアルミニウム化合物とが予め接触しない
    態様で供給して、α−オレフィンの低重合反応を行なわ
    せることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 反応帯域に供給する(a)クロム化合
    物、(b)アミン、アミド及びイミドより成る群から選
    ばれる含窒素化合物、(c)アルキルアルミニウム化合
    物、及び(d)ハロゲン含有化合物の供給比率が、モル
    比で、(a):(b):(c):(d)=1:0.1〜
    10:1〜100:0.1〜20であることを特徴とす
    る請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 (d)ハロゲン含有化合物が、周期律表
    の IIIA、 IIIB、IVA、IVB、VA及びVB族より成
    る群から選ばれる元素を含むことを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 (a)クロム化合物と(c)アルキルア
    ルミニウム化合物とを接触させる雰囲気のエチレン分圧
    が、10〜50kg/cm2 であることを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
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