JP3743062B2 - α−オレフィン低重合体の製造方法 - Google Patents
α−オレフィン低重合体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3743062B2 JP3743062B2 JP20853796A JP20853796A JP3743062B2 JP 3743062 B2 JP3743062 B2 JP 3743062B2 JP 20853796 A JP20853796 A JP 20853796A JP 20853796 A JP20853796 A JP 20853796A JP 3743062 B2 JP3743062 B2 JP 3743062B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- chromium
- olefin
- reaction
- low polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、α−オレフィン低重合体の製造方法に関するものであり、詳しくは、特に、エチレンから1−ヘキセンを主体としたα−オレフィン低重合体を高収率かつ高選択率で製造することが出来る工業的有利なα−オレフィン低重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エチレン等のα−オレフィンの低重合方法として、特定のクロム化合物と特定の有機アルミニウム化合物の組み合わせからなるクロム系触媒を使用する方法が知られている。例えば、特公昭43−18707号公報には、クロムを含むVIA族の遷移金属化合物とポリヒドロカルビルアルミニウムオキシドからなる触媒系により、エチレンから1−ヘキセンを得る方法が記載されている。
【0003】
また、特開平3−128904号公報には、クロム−ピロリル結合を有するクロム化合物と金属アルキル又はルイス酸とを予め反応させて得られた触媒を使用して、α−オレフィンを三量化する方法が記載されている。また、特開平6−239920号公報には、クロム化合物、ピロール類、金属アルキル化合物およびハライド源を共通の溶媒中で混合することにより得られた触媒を使用して、α−オレフィンを低重合する方法が記載されている。更に、特開平8−3216号公報には、少なくとも、クロム化合物、アミン又は金属アミド、アルキルアルミニウム化合物及びハロゲン化合物からなるクロム系触媒を使用し、α−オレフィンとクロム系触媒とを特定の接触態様で接触させて、α−オレフィンを低重合する方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれの方法によっても相当量のポリマーの副生が避けられない。ポリマーの副生は、装置へのポリマーの付着や反応生成液からのポリマーの除去などの問題を生ずるので、ポリマーの副生量を如何に少なくするかがα−オレフィンの低重合方法を工業的に実施する場合の重要な課題である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、クロム系触媒を用いて1−ヘキセン等のα−オレフィン低重合体をポリマーの副生を抑制しつつ、高収率かつ高選択率で製造し得るα−オレフィン低重合体の製造方法を提供することにあり、特にクロム系触媒を用いて、反応初期に触媒の活性化のための誘導期を伴うことなく、高活性で、かつポリマーの副生を抑制しつつα−オレフィン低重合体を工業的有利に製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、少なくともクロム化合物(a)、アミン、アミド及びイミドからなる群から選ばれる含窒素化合物(b)及びアルキルアルミニウム化合物(c)の組み合わせからなるクロム系触媒を使用してα−オレフィンを低重合反応させることによって、α−オレフィン低重合体を連続的に製造する方法において、反応開始時における反応帯域中の含窒素化合物(b)/クロム化合物(a)のモル比及びアルキルアルミニウム化合物(c)/クロム化合物(a)のモル比がそれぞれ定常状態におけるモル比よりも大きくなるように、クロム系触媒の各成分及びα−オレフィンを供給してα−オレフィンの低重合反応を開始させることを特徴とするα−オレフィン低重合体の製造方法、に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、クロム系触媒として、少なくともクロム化合物(a)、含窒素化合物(b)及びアルキルアルミニウム化合物(c)の組み合わせからなる触媒系を使用する。そして、好ましい態様としては、クロム化合物(a)、含窒素化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)の組み合わせからなる触媒系を使用する。
【0007】
本発明で使用するクロム化合物(a)は、一般式CrXnで表される。但し、該一般式中、Xは、任意の有機基または無機基もしくは陰性原子、nは1〜6の整数を表し、そして、nが2以上の場合、Xは同一または相互に異なっていてもよい。クロムの価数は0〜6価であり、上記の式中のnとしては2以上が好ましい。
【0008】
有機基としては、通常、炭素数が1〜30の各種の基が挙げられる。具体的には、炭化水素基、カルボニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、β−ジケトナート基、β−ケトカルボキシル基、β−ケトエステル基およびアミド基などが例示される。炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、シクロペンタジエニル基などが挙げられる。無機基としては、硝酸基、硫酸基などのクロム塩形成基が挙げられ、陰性原子としては、酸素、ハロゲン等が挙げられる。
【0009】
好ましいクロム化合物は、クロムのアルコキシ塩、カルボキシル塩、β−ジケトナート塩、β−ケトエステルのアニオンとの塩、または、クロムハロゲン化物であり、具体的には、クロム(IV)−t−ブトキシド、クロム(III)アセチルアセトナート、クロム(III)トリフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、Cr(PhCOCHCOPh)3 (但し、ここでPhはフェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、クロム(III)アセテート、クロム(III)−2−エチルヘキサノエート、クロム(III)ベンゾエート、クロム(III)ナフテネート、Cr(CH3 COCHCOOCH3 )3 、塩化第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム等が挙げられる。
また、上記のクロム化合物と電子供与体からなる錯体も好適に使用することが出来る。該電子供与体としては、窒素、酸素、リン又は硫黄を含有する化合物が挙げられる。
【0010】
上記窒素含有化合物としては、ニトリル、アミン、アミド等が挙げられ、具体的には、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルピリジン、ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アニリン、ニトロベンゼン、テトラメチルエチレンジアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ヘキサメチルジシラザン、ピロリドン等が挙げられる。
【0011】
上記酸素含有化合物としては、エステル、エーテル、ケトン、アルコール、アルデヒド等が挙げられ、具体的には、エチルアセテート、メチルアセテート、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、アセトアルデヒド等が挙げられる。
【0012】
上記リン含有化合物としては、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホラストリアミド、トリエチルホスファイト、トリブチルホスフィンオキシド、トリエチルホスフィン等が例示される。また上記硫黄含有化合物としては、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、チオフェン、ジメチルスルフィド等が例示される。
【0013】
従って、クロム化合物と電子供与体からなる錯体としては、例えばハロゲン化クロムのエーテル錯体、エステル錯体、ケトン錯体、アルデヒド錯体、アルコール錯体、アミン錯体、ニトリル錯体、ホスフィン錯体、チオエーテル錯体などが挙げられる。具体的には、CrCl3 ・3THF、CrCl3 ・3DOX、CrCl3 ・(CH3 CO2 −n−C4 H9 )、CrCl3 ・(CH3 CO2 C2 H5 )、CrCl3 ・3(i−C3 H7 OH)、CrCl3 ・3〔CH3 (CH2 )3 CH(C2 H5 )CH2 OH〕、CrCl3 ・3PRD、CrCl3 ・2(i−C3 H7 NH2 )、〔CrCl3 ・3CH3 CN〕・CH3 CN、CrCl3 ・3PPh3 、CrCl2 ・2THF、CrCl2 ・2PRD、CrCl2 ・2〔(C2 H5 )2 NH〕、CrCl2 ・2CH3 CN、CrCl2 ・2〔P(CH3 )2 Ph〕等が挙げられる(ここでDOXはジオキサンを、PRDはピリジンをそれぞれ表す)。
【0014】
クロム化合物としては、炭化水素溶媒に可溶な化合物が好ましく、クロムのβ−ジケトナート塩、カルボン酸塩、β−ケトエステルのアニオンとの塩、β−ケトカルボン酸塩、アミド錯体、カルボニル錯体、カルベン錯体、各種シクロペンタジエニル錯体、アルキル錯体、フェニル錯体などが挙げられる。クロムの各種カルボニル錯体、カルベン錯体、シクロペンタジエニル錯体、アルキル錯体、フェニル錯体として具体的には、Cr(CO)6 、(C6 H6 )Cr(CO)3 、(CO)5 Cr(=CCH3 (OCH3 ))、(CO)5 Cr(=CC6 H5 (OCH3 ))、CpCrCl2 (ここでCpはシクロぺンタジエニル基を示す)、(Cp*CrClCH3 )2 (ここでCp*はペンタメチルシクロペンタジエニル基を示す)、(CH3 )2 CrCl等が例示される。
【0015】
クロム化合物は、無機酸化物などの担体に担持して使用することも出来るが、担体に担持させずに他の触媒成分と組み合わせて使用するのが好ましい。すなわち、本発明において、クロム系触媒は、後述する特定の接触態様で使用されるのが好ましく、かかる態様によれば、クロム化合物の担体への担持を行わなくとも高い触媒活性が得られる。そして、クロム化合物を担体に担持させずに使用する場合は、複雑な操作を伴う担体への担持を省略でき、しかも、担体の使用による総触媒使用量(担体と触媒成分の合計量)の増大と言う問題をも回避することが出来る。
【0016】
本発明で使用する含窒素化合物(b)は、アミン、アミド及びイミドの群から選ばれる1種以上の化合物である。本発明で使用する上記アミンは、1級または2級のアミンである。1級アミンとしては、エチルアミン、イソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリン、ナフチルアミン等が例示され、2級アミンとしては、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ビス(トリメチルシリル)アミン、モルホリン、イミダゾール、インドリン、インドール、ピロール、2,5−ジメチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テトラクロロピロール、2−アセチルピロール、ピラゾール、ピロリジン等が例示される。
【0017】
本発明で使用する上記アミドとしては、1級または2級のアミンから誘導される金属アミドが挙げられ、例えば、上記の1級または2級のアミンとIA族、IIA族、III B族およびIVB族から選択される金属との反応により得られるアミドが挙げられる。かかる金属アミドとして、具体的には、リチウムアミド、ナトリウムエチルアミド、カルシウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムベンジルアミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムインドリド、ナトリウムピロリド、リチウムピロリド、カリウムピロリド、カリウムピロリジド、アルミニウムジエチルピロリド、エチルアルミニウムジピロリド、アルミニウムトリピロリド等が挙げられる。
【0018】
本発明においては、上記の2級アミン、2級アミンから誘導される金属アミド又はこれらの混合物が好適に使用される。特に、2級のアミンとしては、ピロール、2,5−ジメチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テトラクロロピロール、2−アセチルピロールが、また2級アミンから誘導される金属アミドとしては、アルミニウムピロリド、エチルアルミニウムジピロリド、アルミニウムトリピロリド、ナトリウムピロリド、リチウムピロリド、カリウムピロリドが好適である。そして、ピロール誘導体の中では、ピロール環に炭化水素基を有する誘導体が特に好ましい。
本発明で使用する上記以外のアミド又はイミド化合物としては、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物などが挙げられる。
【0019】
【化1】
【0020】
一般式(1)中、M1 は、水素原子または周期律表のIA、IIA、III B族から選ばれる金属元素であり、R1 は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または、ヘテロ元素を含んでいてもよいアリール基を表し、R2 は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ヘテロ元素を含んでいてもよいアリール基、または、アシル基C(=O)R3 (R3 の定義はR1 と同じであり、R1 と異なっていてもよい)を表し、R1 とR2 とは互いに結合して環を形成していてもよい。
【0021】
一般式(2)中、M2 及びM3 は、水素原子または周期律表のIA、IIA、III B族から選ばれる金属元素であり、R4 及びR5 は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または、ヘテロ元素を含んでいてもよいアリール基を表し、R4 とR5 は環を形成していてもよく、Aは不飽和結合を含んでいてもよいアルキレン基を表す。
【0022】
一般式(3)中、M4 は、水素原子または周期律表のIA、IIA、III B族から選ばれる金属元素であり、R6 は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または、ヘテロ元素を含んでいてもよいアリール基を表し、R7 は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ヘテロ元素を含んでいてもよいアリール基、または、SO2 R8 基(R8 の定義はR6 と同じであり、R6 と異なっていてもよい)を表し、R6 とR7 とは互いに結合して環を形成していてもよい。
【0023】
一般式(1)又は一般式(2)で表されるアミド類としては、例えば、アセトアミド、N−メチルヘキサンアミド、スクシンアミド、マレアミド、N−メチルベンズアミド、イミダゾール−2−カルボキサミド、ジ−2−テノイルアミン、β−ラクタム、δ−ラクタム、ε−カプロラクタム、および、これらと周期律表のIA、IIAまたはIII B族の金属との塩が挙げられ、イミド類としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボキシミド、スクシンイミド、フタルイミド、マイレミド、2,4,6−ピペリジントリオン、ペルヒドロアゼシン−2,10−ジオン、および、これらと周期律表のIA、IIAまたはIII B族の金属との塩が挙げられる。
【0024】
一般式(3)で示されるスルホンアミド類およびスルホンイミド類としては、例えば、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルホンアミド、N−メチルトリフルオロメタンスルホンアミド、および、これらと周期律表のIA、IIAまたはIII B族の金属との塩が挙げられる。これらのアミド又はイミド化合物の中、一般式(1)で表される化合物が好ましく、特に、一般式(1)中のR2 がアシル基C(=O)R3 を表し、R1 とR2 が環を形成しているイミド化合物が好ましい。
本発明において、アルキルアルミニウム化合物(c)としては、下記一般式(4)で示されるアルキルアルミニウム化合物が好適に使用される。
【0025】
【化2】
R1 m Al(OR2 )n Hp Xq …(4)
【0026】
一般式(4)中、R1 及びR2 は、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜8の炭化水素基であって互いに同一であっても異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を表し、m、n、p及びqはそれぞれ、0<m≦3、0≦n<3、0≦p<3、及び0≦q<3の関係式を満たし、かつ、m+n+p+q=3である数を表す。
【0027】
上記アルキルアルミニウム化合物としては、例えば、下記一般式(5)で示されるトリアルキルアルミニウム化合物、一般式(6)で示されるハロゲン化アルキルアルミニウム化合物、一般式(7)で示されるアルコキシアルミニウム化合物、一般式(8)で示される水素化アルキルアルミニウム化合物などが挙げられる。なお、各式中のR1 、XおよびR2 の意義は前記と同じである。
【0028】
【化3】
【0029】
上記アルキルアルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムヒドリド等が挙げられる。これらの中、ポリマーの副生が少ないと言う点でトリアルキルアルミニウムが特に好ましい。アルキルアルミニウム化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
【0030】
本発明においては、触媒は上記(a)、(b)及び(c)の3成分から本質的に形成されるが、これら3成分に加えて、ハロゲン含有化合物(d)を用いるのが好ましい。
ハロゲン含有化合物(d)としては、ハロゲン原子が含まれる化合物であれば限定されないが、次のハロゲン含有化合物(1)〜(4)が好ましい。
【0031】
ハロゲン含有化合物(1)は、周期律表のIII A、III B、IVA、IVB、VA、VB及びVIB族から選ばれる元素を含むハロゲン含有化合物である。具体的には、塩化スカンジウム、塩化イットリウム、塩化ランタン、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニウム、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、塩化ガリウム、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、トリチルクロリド、四塩化シラン、トリメチルクロロシラン、四塩化ゲルマニウム、四塩化スズ、トリブチルスズクロリド、三塩化リン、三塩化アンチモン、トリチルヘキサクロロアンチモネート、五塩化アンチモン、三塩化ビスマス、三臭化ホウ素、三臭化アルミニウム、四臭化炭素、ブロモホルム、ブロモベンゼン、ヨードメタン、四臭化ケイ素、ヘキサフルオロベンゼン、フッ化アルミニウム等が挙げられる。これらの中では、ハロゲン原子の数が多い化合物が好ましく、また、低重合反応を行う溶媒に可溶の化合物が好ましい。ハロゲン含有化合物(1)のハロゲンとしては、臭素または塩素、中でも活性、目的生成物の選択性等総合的にみて塩素を用いるのが好ましく、特に好ましいハロゲン含有化合物(1)は、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化チタン、四塩化ゲルマニウム、四塩化スズである。これらの2種以上の混合物を用いることも出来る。
【0032】
次に、ハロゲン含有化合物(2)は、3個以上のハロゲン原子で置換された炭素数2以上の直鎖状炭化水素である。ハロゲン含有化合物(2)における直鎖状炭化水素としては、直鎖状飽和炭化水素が好ましい。隣り合った2個の炭素原子に3個以上のハロゲン原子が置換した直鎖状炭化水素が好ましく、次の一般式(9)、(10)及び(11)で表わされる直鎖状ハロゲン化炭化水素が特に好ましい。
【0033】
【化4】
【0034】
一般式(9)中、X1 〜X8 は水素原子またはハロゲン原子を表わし、X1 〜X5 のうち、少なくとも3個はハロゲン原子であり、rは0〜8の整数である。
【0035】
【化5】
【0036】
一般式(10)中、X9 〜X11はハロゲン原子を表わし、X12〜X16はハロゲン原子または水素原子であり、sは0〜8の整数である。
【0037】
【化6】
【0038】
一般式(11)中、X17〜X20はハロゲン原子を表わし、X21〜X24はハロゲン原子または水素原子であり、wは0〜8の整数である。
ハロゲン含有化合物(2)におけるハロゲンとしては、塩素または臭素、中でも活性、目的生成物の選択性等総合的にみて塩素を用いるのが好ましい。また、一般式(9)〜(11)におけるr、sおよびwとしては、各々0〜3が好ましい。一般式(9)〜(11)で表わされる直鎖状ハロゲン化炭化水素として具体的には、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,1,1−トリクロロプロパン、1,1,2,2−テトラクロロプロパン、1,1,1−トリクロロブタン、1,1,2,2−テトラクロロブタン、1,1,1−トリクロロペンタン、1,1,2,2−テトラクロロペンタン、1,1,1−トリブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン等が挙げられる。これらの中では、特に、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタンが好適である。
【0039】
ハロゲン含有化合物(2)の使用は、触媒活性および三量化物の選択率が著しく向上するだけでなく、触媒の経時劣化を改善できるという利点がある。
また、ハロゲン含有化合物(3)は、ハロゲン化環状炭化水素である。環状炭化水素としては、環状飽和炭化水素が好ましい。ハロゲン含有化合物(3)としては3個のハロゲン原子で置換された環状飽和炭化水素が特に好ましい。そして、ハロゲン原子としては塩素または臭素、中でも活性、目的生成物の選択性等、総合的にみて塩素を用いるのが好ましい。
【0040】
ハロゲン含有化合物(3)の具体例としては、1,2,3−トリクロロシクロプロパン、1,1,2−トリクロロシクロプロパン、1,2,3−トリブロモシクロプロパン、1,1,2−トリブロモシクロプロパン等のトリハロゲン化シクロプロパン、1,1,2,3−テトラクロロシクロプロパン、1,1,2,2−テトラクロロシクロプロパン、1,1,2,3−テトラブロモシクロプロパン、1,1,2,2−テトラブロモシクロプロパン等のテトラハロゲン化シクロプロパン、ペンタクロロシクロプロパン、ペンタブロモシクロプロパン等のペンタハロゲン化シクロプロパン、ヘキサクロロシクロプロパン、ヘキサブロモシクロプロパン等のヘキサハロゲン化シクロプロパン、1,2,3−トリクロロシクロブタン、1,1,2−トリクロロシクロブタン、1,2,3−トリブロモシクロブタン、1,1,2−トリブロモシクロブタン等のトリハロゲン化シクロブタン、1,2,3,4−テトラクロロシクロブタン、1,1,2,3−テトラクロロシクロブタン、1,2,3,4−テトラブロモシクロブタン、1,1,2,3−テトラブロモシクロブタン等のテトラハロゲン化シクロブタン、1,1,2,3,4−ペンタクロロシクロブタン、1,1,2,2,3−ペンタクロロシクロブタン、1,1,2,3,4−ペンタブロモシクロブタン、1,1,2,2,3−ペンタブロモシクロブタン等のペンタハロゲン化シクロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサクロロシクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサクロロシクロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサブロモシクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサブロモシクロブタン等のヘキサハロゲン化シクロブタン、ヘプタクロロシクロブタン、ヘプタブロモシクロブタン等のヘプタハロゲン化シクロブタン、オクタクロロシクロブタン、オクタブロモシクロブタン等のオクタハロゲン化シクロブタン等が挙げられる。
【0041】
また、1,2,3−トリクロロシクロペンタン、1,1,2−トリクロロシクロペンタン、1,2,3−トリブロモシクロペンタン、1,1,2−トリブロモシクロペンタン等のトリハロゲン化シクロペンタン、1,2,3,4−テトラクロロシクロペンタン、1,1,2,3−テトラクロロシクロペンタン、1,2,3,4−テトラブロモシクロペンタン、1,1,2,3−テトラブロモシクロペンタン等のテトラハロゲン化シクロペンタン、1,2,3,4,5−ペンタクロロシクロペンタン、1,1,2,3,4−ペンタクロロシクロペンタン、1,1,2,2,3−ペンタクロロシクロペンタン、1,2,3,4,5−ペンタブロモシクロペンタン、1,1,2,3,4−ペンタブロモシクロペンタン、1,1,2,2,3−ペンタブロモシクロペンタン等のペンタハロゲン化シクロペンタン、1,1,2,3,4,5−ヘキサクロロシクロペンタン、1,1,2,3,4,5−ヘキサブロモシクロペンタン等のヘキサハロゲン化シクロペンタン、1,1,2,2,3,4,5−ヘプタクロロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,5−ヘプタブロモシクロペンタン等のヘプタハロゲン化シクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタクロロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタブロモシクロペンタン等のオクタハロゲン化シクロペンタン、ノナクロロシクロペンタン等のノナハロゲン化シクロペンタン、デカクロロシクロペンタン等のデカハロゲン化シクロペンタン等が挙げられる。
【0042】
更に、1,2,3−トリクロロシクロヘキサン、1,1,2−トリクロロシクロヘキサン、1,2,3−トリブロモシクロヘキサン、1,1,2−トリブロモシクロヘキサン等のトリハロゲン化シクロヘキサン、1,2,3,4−テトラクロロシクロヘキサン、1,1,2,3−テトラクロロシクロヘキサン、1,2,3,4−テトラブロモシクロヘキサン、1,1,2,3−テトラブロモシクロヘキサン等のテトラハロゲン化シクロヘキサン、1,2,3,4,5−ペンタクロロシクロヘキサン、1,1,2,3,4−ペンタクロロシクロヘキサン、1,1,2,2,3−ペンタクロロシクロヘキサン、1,2,3,4,5−ペンタブロモシクロヘキサン、1,1,2,3,4−ペンタブロモシクロヘキサン、1,1,2,2,3−ペンタブロモシクロヘキサン等のペンタハロゲン化シクロヘキサン、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン、1,2,3,4,5,6−ヘキサブロモシクロヘキサン等のヘキサハロゲン化シクロヘキサン、1,1,2,3,4,5,6−ヘプタクロロシクロヘキサン、1,1,2,3,4,5,6−ヘプタブロモシクロヘキサン等のヘプタハロゲン化シクロヘキサン、1,1,2,2,3,4,5,6−オクタクロロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,4,5,6−オクタブロモシクロヘキサン等のオクタハロゲン化シクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,5,6−ノナクロロシクロヘキサン等のノナハロゲン化シクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,6−デカクロロシクロヘキサン等のデカハロゲン化シクロヘキサン、ウンデカクロロシクロヘキサン等のウンデカハロゲン化シクロヘキサン、ドデカクロロシクロヘキサン等のドデカハロゲン化シクロヘキサン等が挙げられる。
【0043】
上記の中では、特に1,2,3−トリクロロシクロプロパン、ペンタクロロシクロプロパン、1,2,3,4−テトラクロロシクロブタン、1,2,3,4,5−ペンタクロロシクロペンタン、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサンが好適である。
ハロゲン含有化合物(3)の使用は、触媒活性および三量化物の選択率が著しく向上するだけでなく、触媒の経時劣化を改善できるという利点がある。
ハロゲン含有化合物(4)は、下記一般式(12)で表わされるハロゲン化アリル化合物である。
【0044】
【化7】
【0045】
一般式(12)中、R11〜R14は水素原子又はアルキル基を表わし、X25は水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表わし、X26はハロゲン原子を表わす。また、ハロゲンとしては塩素又は臭素、中でも活性、目的生成物の選択性等総合的にみて塩素を用いるのが好ましい。ハロゲン含有化合物(4)として具体的には、塩化アリル、3,3−ジクロロ−1−プロペン、3−クロロ−1−ブテン、3,3−ジクロロ−1−ブテン、1−クロロ−2−ブテン、1,1−ジクロロ−2−ブテン、3−クロロ−3−メチル−1−ブテン、3−クロロ−1−ペンテン、3,3−ジクロロ−1−ペンテン、4−クロロ−2−ペンテン、4,4−ジクロロ−2−ペンテン、1−クロロ−2−ペンテン、1,1−ジクロロ−2−ペンテン等が挙げられるが、塩化アリルが最も好ましい。
【0046】
ハロゲン含有化合物(4)の使用は、触媒活性、三量化物の選択率が著しく向上するだけでなく、ハロゲン原子当りの活性が高いので、使用するハロゲン含有化合物の量が少量ですみ、また反応工程あるいは蒸留精製時に生成するハロゲン含有分解物が少量であるので、得られた三量化物を精製する際、ハロゲン含有不純物を容易に分離でき、目的生成物を高純度で回収することができるという利点がある。
また、本発明においては、ハロゲン含有化合物として、t−ブチルジメチルシリルトリフラート(t−BuMe2 SiOSO2 CF3 )、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン(B(C6 F5 )3 )、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3 SO3 H)、ヘキサフルオロイソプロパノール((CF3 )2 CHOH)等も好適に使用することが出来る。
【0047】
本発明においては、上記の各触媒成分(a)〜(c)、好ましくは(a)〜(d)から形成されたクロム系触媒を使用して、液状反応媒体中でα−オレフィンの低重合を行う。そして、クロム化合物(a)として例えば塩化第一クロムのようにハロゲンを含有するクロム化合物を使用する場合、当該クロム化合物はハロゲン含有化合物(d)としても機能する。また、同様に、アルキルアルミニウム化合物(c)として例えばジエチルアルミニウムモノクロリドのようにハロゲンを含有するアルキルアルミニウム化合物を使用する場合、当該アルキルアルミニウム化合物は、ハロゲン含有化合物(d)としても機能する。
【0048】
本発明において低重合反応に供する原料α−オレフィンとしては、炭素数が2〜10の置換または非置換のα−オレフィンが使用される。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。特に、原料α−オレフィンとしてエチレンが好適であり、本発明によればエチレンからその三量体である1−ヘキセンを高収率かつ高選択率で得ることが出来る。
【0049】
本発明においては、反応溶媒として、ブタン、ペンタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の炭素数4〜20の鎖状または脂環式の飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素などが使用される。これらは、単独で使用するほか、混合溶媒として使用することも出来る。また、本発明においては反応原料のα−オレフィン自体や他のオレフィンを溶媒とすることもできる。オレフィンを溶媒とする場合には、常温で液状のものを用いるのが好ましい。
溶媒として特に好ましいのは、炭素数が4〜7の鎖状飽和炭化水素または脂環式飽和炭化水素である。これらの溶媒を使用することにより、ポリマーの副生を抑制することが出来、更に、脂環式飽和炭化水素を使用した場合は、高い触媒活性が得られるという利点がある。
【0050】
本発明方法によるα−オレフィンの低重合反応は連続式の反応器、例えば撹拌型の流通反応器、特に撹拌槽型の流通反応器を使用するのが好ましい。
本発明は、上記触媒を用いてα−オレフィンの連続的な低重合反応を上記反応器、特に撹拌槽型流通反応器を用いて行うに際し、反応開始時に反応帯域中へのクロム系触媒の供給を特定の条件下で行うことを特徴とするものである。
【0051】
即ち、本発明は反応開始時における反応帯域中のクロム化合物(a)に対する含窒素化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及び存在する場合ハロゲン含有化合物(d)の各成分のモル比が定常状態時のモル比に比べて大きくなるようにクロム系触媒の各成分及びα−オレフィンを供給して低重合反応を開始させる点に特徴を有する。
ここで反応開始時とは、クロム化合物(a)と含窒素化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)とが初めて接触し、低重合反応が開始される時点を指す。
【0052】
本発明において、上記特定の条件下でクロム系触媒の各成分を反応帯域中へ供給することにより、反応初期において、クロム系触媒の活性を著しく向上させ、かつ副生するポリマーの量を著しく減少させることができる。この理由は十分には明らかではないが、反応開始時にクロム化合物(a)に対する含窒素化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及び存在する場合ハロゲン含有化合物(d)の各成分のモル比が定常状態時のモル比に比べて大きくなるように、クロム系触媒の各成分を供給した場合には、α−オレフィンの低重合反応に有効な触媒活性種が効率的に形成できるのではないかと推定される。
また、本発明においては、クロム系触媒とα−オレフィンとを特定の接触態様を維持しつつ、反応帯域に連続的に供給するのが好ましい。
【0053】
上記の特定の接触態様とは、クロム系触媒とα−オレフィンとを連続的に反応帯域に供給して低重合反応を開始する際、反応帯域に供給するクロム化合物(a)とアルキルアルミニウム化合物(c)とが予め接触しない態様に維持するものである。
即ち、クロム化合物(a)及びアルキルアルミニウム化合物(c)のそれぞれは、アミン、アミド及びイミドから選ばれる含窒素化合物(b)やハロゲン含有化合物(d)と事前に接触してもかまわないが、両者の間では反応帯域でα−オレフィンの存在下に初めて接触させるようにするのが好ましい。
このようにして触媒を形成させると、触媒活性が著しく向上し、かつ、三量化物の選択率が非常に高く、また得られるα−オレフィン低重合体の純度も極めて高いという利点がある。
【0054】
本発明における触媒の形成方法について更に詳細に説明する。該触媒は(a)〜(c)、好ましくは更に(d)の各成分を、通常、20〜150℃、好ましくは50〜100℃の温度で反応帯域に直接供給して、その場で触媒を生成させる。触媒成分の供給は、上記したようにクロム化合物(a)とアルキルアルミニウム化合物(c)とがα−オレフィンの存在下で初めて接触する態様で行うようにする。この態様により高性能の触媒が生成する理由は、クロム化合物(a)とアルキルアルミニウム化合物(c)との接触により生成する反応物は極めて不安定であり、そのままでは容易に分解してしまうが、α−オレフィンが存在するとα−オレフィンがこれに配位して反応生成物が適度に安定化することによるものと考えられる。
【0055】
上記反応開始時における反応帯域中のクロム化合物(a)の濃度としては、反応媒体1リットル当り、好ましくは2×10-2ミリモル以下、更に好ましくは5×10-7〜1×10-2ミリモルの範囲であり、また、該反応帯域中の各成分のモル比は、好ましくは(a):(b):(c)=1:150以上:1500以上、更に好ましくは1:150〜1000:1500〜5000、特に好ましくは1:200〜500:2000〜3000の範囲である。
また、(d)のハロゲン含有化合物を用いる場合には、好ましくは(a):(b):(c):(d)=1:150以上:1500以上:150以上、更に好ましくは1:150〜1000:1500〜5000:150〜1000、特に好ましくは1:200〜500:200〜3000:200〜500の範囲である。
【0056】
上記各成分の比率が低過ぎると反応初期において触媒活性が低く、かつポリマーの副生が増加する傾向がある。
上記各成分の比率を上記範囲内で調節することにより、反応初期において触媒活性を著しく向上でき、高い活性を保持した状態で低重合反応を行うことができ、かつ副生するポリマーの量を著しく減少できるので好ましい。この理由は明らかではないが、上記各成分の比率が低過ぎると低重合反応に有効な触媒活性種が形成できず、逆に副生ポリマーの形成に有効な活性種が形成され、一方各成分の比率が上記範囲内の場合には、低重合反応に有効な触媒活性種が極めて容易に形成できるためではないかと推定される。
【0057】
上記反応開始時において、含窒素化合物(b)/クロム化合物(a)のモル比、アルキルアルミニウム化合物(c)/クロム化合物(a)のモル比及びハロゲン含有化合物(d)/クロム化合物(a)のモル比がそれぞれ定常状態におけるモル比よりも大きくなるように、クロム系触媒の各成分及びα−オレフィンを供給する方法としては、例えば、撹拌槽型反応器にオレフィンと各成分を同時に供給して調節する方法や該反応器に少なくとも上記(c)成分のアルキルアルミニウム化合物とα−オレフィンとを予め供給しておき、これに(a)成分のクロム化合物を供給して調節する方法等があげられる。
【0058】
上記前者の方法では、反応帯域中のクロム化合物(a)に対する(b)〜(d)の各成分のモル比が定常状態よりも大きな値となるように反応開始時から一定時間維持し、クロム系触媒の触媒活性(効率)が十分に向上した後、(b)〜(d)成分の供給量を定常状態のモル比にまで徐々に減少させて反応を継続することによりα−オレフィンの低重合反応を工業的有利に行うことができる。
【0059】
また、上記後者の方法では、反応帯域へ少なくとも(c)成分のアルキルアルミニウム化合物とα−オレフィンとを予め供給しておき、これに(a)成分のクロム化合物と他の成分(b)〜(d)成分ならびにα−オレフィンを所定量供給することにより、(a)成分に対する(b)〜(d)成分のモル比を大きな値から徐々に定常状態のモル比にまで減少させて反応を継続し、α−オレフィンの低重合反応を工業的有利に行うことができる。
【0060】
また、後者の方法では、低重合反応が開始される前の反応帯域に予め供給しておくアルキルアルミニウム化合物(c)の濃度は、5ppm以上、好ましくは10ppm以上、さらに好ましくは10〜50ppmの範囲である。
上記クロム系触媒とα−オレフィンとを連続的に供給して、反応を開始する時点において、上記反応帯域中のアルキルアルミニウム化合物(c)の濃度が低過ぎると、反応初期において触媒活性が低く、かつポリマーの副生が増加する傾向がある。
【0061】
後者の方法の具体的実施態様としては以下の方法が挙げられる。
(1)反応帯域中にα−オレフィンと含窒素化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)とを予め供給しておき、これにクロム化合物(a)とα−オレフィンならびに(b)〜(d)成分を上記モル比となるように一定量(定常量)供給して反応を開始させる方法。
(2)反応帯域中にα−オレフィンとアルキルアルミニウム化合物(c)とを予め供給しておき、これにクロム化合物(a)、アルキルアルミニウム化合物(c)及びα−オレフィンを一定量(定常量)、ならびに含窒素化合物(b)とハロゲン含有化合物(d)を過剰量、それぞれ供給して、各成分を上記モル比となるように反応を開始し、クロム系触媒の活性が十分向上した時点で(b)成分と(d)成分とを一定量(定常量)まで減少させて反応を継続させる方法。
【0062】
(3)反応帯域中にα−オレフィン、アルキルアルミニウム化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)を予め供給しておき、これにクロム化合物(a)、アルキルアルミニウム化合物(c)、ハロゲン含有化合物(d)及びα−オレフィンを一定量(定常量)、ならびに含窒素化合物(b)を過剰量、それぞれ供給して、各成分を上記モル比となるように反応を開始し、クロム系触媒の活性が十分向上した時点で含窒素化合物(b)を一定量(定常量)まで減少させて反応を継続させる方法。
(4)反応帯域中にα−オレフィン、含窒素化合物(b)及びアルキルアルミニウム化合物(c)を予め供給しておき、これにクロム化合物(a)を一定量(定常量)、ならびにハロゲン含有化合物(d)を過剰量、それぞれ供給して、各成分を上記モル比となるように反応を開始し、クロム系触媒の活性が十分向上した時点で(d)成分を一定量(定常量)まで減少させて反応を継続させる方法。
【0063】
上記各方法によって、反応開始後、クロム系触媒の触媒活性が十分向上した後、上記(a)〜(d)成分を定常状態の供給量に減少させて反応を継続することができ、該定常状態における反応帯域中の各成分のモル比は好ましくは(a):(b):(c)=1:0.1〜100:0.1〜500、更に好ましくは1:1〜10:5〜50の範囲である。また、(d)のハロゲン含有化合物を用いる場合には好ましくは(a):(b):(c):(d)=1:0.1〜100:0.1〜500:0.1〜100、更に好ましくは1:1〜10:5〜50:1〜10の範囲である。但し、(a)成分であるクロム化合物の濃度は、好ましくは反応媒体1リットル当り2×10-2ミリモル以下、更に好ましくは1×10-7〜1×10-2ミリモルの低濃度領域であり、このような低濃度領域のクロム化合物(a)を用いることによって触媒効率を向上させ、触媒コストを低減させることができる。
【0064】
本発明によるα−オレフィンの低重合反応は、通常20〜150℃、かつ10〜200kg/cm2 の条件下で行なわれる。好適な反応温度及び反応圧力は、それぞれ50〜100℃、及び20〜100kg/cm2 である。なお、反応帯域に水素を存在させると、一般に触媒活性及び三量体選択率が向上し、かつ反応器の器壁等へのポリマーの付着が減少するなどの効果が得られる。水素は、気相中に0.1〜15容量%となるように存在させるのが好ましい。
反応生成液からのα−オレフィン低重合体の回収は常法により行うことができる。通常は副生ポリマーが存在するならば先ずこれを分離し、次いで蒸留してα−オレフィン低重合体を分離・回収する。
【0065】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
2本の触媒供給管と1本の反応液抜出し管とを有する容量2リットルのオートクレーブを、150℃の乾燥器で乾燥して組立て、次いで真空窒素置換した。
このオートクレーブに予めエチレン、並びに2,5−ジメチルピロール、トリエチルアルミニウム及びヘキサクロロエタンを仕込んだ。即ち、オートクレーブにn−ヘプタン1リットルを仕込み、次いで80℃でエチレンを35kg/cm2 Gまで仕込んだ後、触媒供給管から2,5−ジメチルピロール、トリエチルアルミニウム、ヘキサクロロエタンをそれぞれ0.96ミリモル、9.6ミリモル、0.96ミリモルを仕込んだ。
【0066】
このオートクレーブに、一方の触媒供給管から2,5−ジメチルピロールを0.036mmol/hr、トリエチルアルミニウムを0.24mmol/hr、及びヘキサクロロエタン0.024mmol/hrの供給速度で、それぞれn−ヘプタン溶液として連続的に供給した。他方の触媒供給管からは、エチレンと共にクロム(III)−2−エチルヘキサノエートCr(2EHA)3 を0.006mmol/hr(3.0mg/hr)の供給速度でn−ヘプタン溶液として連続的に供給した。オートクレーブへのn−ヘプタンの全供給量は1リットル/hrである。オートクレーブを80℃に保ち、エチレンを全圧が35kg/cm2 Gとなるように連続的に供給して、エチレンの低重合反応を行なわせた。オートクレーブからは、内容液が1リットルとなるように、反応液抜出し管を経て反応液を抜出した。抜出した反応液は脱ガス槽に導入し、常圧まで脱ガスしたのち、液成分及びガス成分をガスクロマトグラフで分析した。一定時間毎に触媒効率と副生ポリエチレン量を測定した結果と各成分のクロムに対するモル比を表−1に示す。
【0067】
比較例1
オートクレーブに予め、エチレン並びに2,5−ジメチルピロール、トリエチルアルミニウム及びヘキサクロロエタンを仕込まなかったこと以外は、実施例1と同様にして低重合反応を行なった。その結果を表−1に示す。また、図1〜図4に、各触媒成分の濃度の時間依存性を示す。図1〜図4中、TEAはトリエチルアルミニウムを、DMPは2,5−ジメチルピロールを、HCEはヘキサクロロエタンを表す。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
本発明により、低重合反応の初期に触媒の活性化のための誘導期を伴うことなく、高収率かつ高選択率で、ポリマーの副生を抑制してα−オレフィン低重合体を工業的有利に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cr(2EHA)3 の反応器中の濃度の時間依存性を示す図である。
【図2】TEAの反応器中の濃度の時間依存性を示す図である。
【図3】DMPの反応器中の濃度の時間依存性を示す図である。
【図4】HCEの反応器中の濃度の時間依存性を示す図である。
Claims (15)
- 少なくともクロム化合物(a)、アミン、アミド及びイミドからなる群から選ばれる含窒素化合物(b)及びアルキルアルミニウム化合物(c)の組み合わせからなるクロム系触媒を使用してα−オレフィンを低重合反応させることによって、α−オレフィン低重合体を連続的に製造する方法において、反応開始時における反応帯域中の含窒素化合物(b)/クロム化合物(a)のモル比及びアルキルアルミニウム化合物(c)/クロム化合物(a)のモル比がそれぞれ定常状態におけるモル比よりも大きくなるように、クロム系触媒の各成分及びα−オレフィンを供給してα−オレフィンの低重合反応を開始させることを特徴とするα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応帯域に供給するクロム化合物(a)とアルキルアルミニウム化合物(c)とが予め接触しない態様に維持しつつ、クロム系触媒の各成分及びα−オレフィンを連続的に反応帯域に供給する請求項1に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応開始後の反応帯域中のクロム化合物(a)に対する含窒素化合物(b)及びアルキルアルミニウム化合物(c)のモル比が、大きな値から定常状態の値に致るまで徐々に減少するようにクロム系触媒の各成分の供給を調節する請求項1又は2に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応が開始される前の反応帯域に予めα−オレフィンとアルキルアルミニウム化合物(c)とを供給しておき、次いで、クロム系触媒の各成分及びα−オレフィンを連続的に反応帯域に供給する請求項1〜3のいずれかに記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応開始前の反応帯域に予め供給しておくアルキルアルミニウム化合物(c)の濃度が、5ppm以上である請求項4に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応開始時における反応帯域中のクロム化合物(a)の濃度が、反応媒体1リットル当たり2.0×10-2mmol以下であり、かつ(a)〜(c)成分のモル比が(a):(b):(c)=1:150以上:1500以上である請求項1〜5のいずれかに記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応開始後の定常状態において、反応帯域中のクロム化合物(a)の濃度が、反応媒体1リットル当たり2.0×10-2mmol以下であり、かつ(a)〜(c)成分のモル比が、(a):(b):(c)=1:0.1〜100:0.1〜500である請求項1〜6のいずれかに記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- クロム系触媒がクロム化合物(a)、アミン、アミド及びイミドからなる群から選ばれる含窒素化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)の組み合わせからなるものである請求項1〜5のいずれかに記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応開始時における反応帯域中のハロゲン含有化合物(d)/クロム化合物(a)のモル比が定常状態におけるモル比よりも大きくなるように、クロム系触媒の各成分及びα−オレフィンを供給する請求項8に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応開始後の反応帯域中のクロム化合物(a)に対する含窒素化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)のモル比が、大きな値から定常状態の値に致るまで徐々に減少するようにクロム系触媒の各成分の供給を調節する請求項8又は9に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応開始時における反応帯域中のクロム化合物(a)の濃度が、反応媒体1リットル当たり2.0×10-2mmol以下であり、かつ(a)〜(d)成分のモル比が(a):(b):(c):(d)=1:150以上:1500以上:150以上である請求項8〜10のいずれかに記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- 反応開始後の定常状態において、反応帯域中のクロム化合物(a)の濃度が反応媒体1リットル当たり2.0×10-2mmol以下であり、かつ(a)〜(d)成分のモル比が、(a):(b):(c):(d)=1:0.1〜100:0.1〜500:0.1〜100である請求項8〜11のいずれかに記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- ハロゲン含有化合物(d)が、周期律表の第III A、III B、IVA、IVB、VA、VB及びVIB族からなる群から選ばれる元素を含むものである請求項8〜12のいずれかに記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- α−オレフィンの低重合反応を撹拌型の流通反応器を用いて行う請求項1〜13のいずれかに記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
- α−オレフィンがエチレンであり、α−オレフィン低重合体が主として1−ヘキセンである請求項1〜14のいずれかに記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20853796A JP3743062B2 (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | α−オレフィン低重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20853796A JP3743062B2 (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | α−オレフィン低重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1045634A JPH1045634A (ja) | 1998-02-17 |
JP3743062B2 true JP3743062B2 (ja) | 2006-02-08 |
Family
ID=16557835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20853796A Expired - Fee Related JP3743062B2 (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | α−オレフィン低重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3743062B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7384886B2 (en) | 2004-02-20 | 2008-06-10 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Methods of preparation of an olefin oligomerization catalyst |
US9550841B2 (en) | 2004-02-20 | 2017-01-24 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Methods of preparation of an olefin oligomerization catalyst |
JP4552495B2 (ja) * | 2004-04-28 | 2010-09-29 | 住友化学株式会社 | 1−ヘキセンの製造方法 |
US9586872B2 (en) | 2011-12-30 | 2017-03-07 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Olefin oligomerization methods |
-
1996
- 1996-08-07 JP JP20853796A patent/JP3743062B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1045634A (ja) | 1998-02-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5856612A (en) | Process for producing α-olefin oligomer | |
JP3473192B2 (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JP3911751B2 (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JP3743062B2 (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JP3766170B2 (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JPH07149672A (ja) | 1−ヘキセンの製造方法 | |
JP3419085B2 (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JP3627324B2 (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JP3627990B2 (ja) | α−オレフイン低重合体の製造方法 | |
JPH1036435A (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JP3847809B2 (ja) | α−オレフイン低重合体の製造方法 | |
JPH10109946A (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JP2007045837A (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JPH09194400A (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JPH08239330A (ja) | α−オレフイン低重合体の製造方法 | |
JP3533835B2 (ja) | α−オレフィン低重合触媒の保存方法 | |
JP3385653B2 (ja) | α−オレフィンの低重合方法 | |
JP3881418B2 (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JP3505210B2 (ja) | α−オレフイン低重合体の製造方法 | |
JP3503245B2 (ja) | α−オレフイン低重合体の製造方法 | |
JP3388975B2 (ja) | α−オレフイン低重合体の製造方法 | |
JPH08283332A (ja) | α−オレフイン低重合体の製造方法 | |
JPH08151409A (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 | |
JPH08239418A (ja) | α−オレフイン低重合体の製造方法 | |
JP3858294B2 (ja) | α−オレフィン低重合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051017 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051025 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051107 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081125 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091125 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |