JPH08239409A - トナー用結着樹脂の製造方法 - Google Patents

トナー用結着樹脂の製造方法

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JPH08239409A
JPH08239409A JP7077405A JP7740595A JPH08239409A JP H08239409 A JPH08239409 A JP H08239409A JP 7077405 A JP7077405 A JP 7077405A JP 7740595 A JP7740595 A JP 7740595A JP H08239409 A JPH08239409 A JP H08239409A
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JP
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resin
toner
monomer
raw material
polyester resin
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JP7077405A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Aoki
克敏 青木
Hidetsugu Morimoto
英嗣 森本
Hiroyuki Kawachi
宏之 川地
Tetsuya Ueno
哲也 上野
Kuniyasu Kawabe
邦康 河辺
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】縮重合系樹脂の原料モノマー及びビニル系樹脂
の原料モノマーを含む混合物を用い、同一反応容器中で
縮重合反応と付加重合反応を並行して行うトナー用結着
樹脂の製造方法において、廃物より回収したポリエステ
ル樹脂を反応系内に添加し、アルコール及び/又は水の
存在下、該ポリエステル樹脂を分解しつつ重合を行うこ
とを特徴とするトナー用結着樹脂の製造方法。 【効果】本発明の結着樹脂の製造方法によると、製造工
程を複雑化させることなく、廃物より回収したポリエス
テル樹脂を用いて原料コストを低下させることにより、
トナーの性能を維持しつつ全製造コストを従来法よりも
低くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷に用いられる静電像現像用トナーの製造に使用
される結着樹脂の製造方法に関するものである。更に詳
しくは、廃棄ペットボトル等の廃物より回収したポリエ
ステル樹脂を用いるトナー用結着樹脂の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴミ問題は益々深刻化し、紙、ビ
ン、缶類から大型ゴミに至るまで種々のゴミ類のリサイ
クル処理が強く要請されるようになった。しかし企業の
真剣な対応にも係わらず、そのコストとの兼ね合いか
ら、各企業とも苦戦を強いられているのが現状である。
【0003】これらのリサイクル品のうち特にプラスチ
ック類に関しては、ポリエチレンテレフタレートを原料
とするペットボトルがある程度回収され、繊維化され、
カーペット、充填材、家具等として再利用されている。
このような回収ペットボトルは、日本国内では価格面で
まだまだ利用分野が限られているが、米国等では日本よ
り低価格で回収ペットボトルが供給されるため、その利
用の可能性が広がっている。
【0004】つまり、リサイクル品の利用で一番問題と
なるのは、コストとの兼ね合い、即ち、リサイクル品の
供給価格とそれが利用される製品の価格との関係であ
り、米国等で供給される低価格の回収ペットボトルを利
用しても、付加価値の低い製品や、それにより工程が複
雑化する場合などでは、それを利用することはできな
い。
【0005】従って、廃物より回収したポリエステル樹
脂を再利用して、工業製品等を製造している例は、前記
のようにごく限られたものであり、静電像現像用トナー
の製造に使用される結着樹脂の製造に用いられた例はこ
れまで存在しなかった。
【0006】一方、静電像現像用トナーの結着樹脂に関
しては、従来よりスチレンアクリル共重合体に代表され
るビニル系樹脂が用いられている。ビニル系の樹脂の場
合、耐オフセット性を向上させようとすると樹脂の軟化
点や架橋密度を上げざるを得なくなり、低温定着が犠牲
となる。逆に低温定着を重視すると耐オフセット性や耐
ブロッキング性に支障をきたす。
【0007】また、特開昭49−65232号公報、特
開昭50−28840号公報、特開昭50−81342
号公報に記載の如く、パラフィンワックス、低分子量ポ
リオレフィン等をオフセット防止剤として添加する方法
が知られているが、添加量が少ないと効果がなく、多い
と現像剤の劣化が早いことが確認されている。
【0008】一方、特に低温定着性に優れたものとして
ポリエステル樹脂が用いられている。ポリエステル樹脂
は本質的に定着性がよく、米国特許第3590000号
明細書に記載の如く、非接触定着方式においても充分に
定着されるが、オフセット現象が発生し易いためヒート
ローラー定着方式には使用が困難であった。また、特開
昭50−44836号公報、特開昭57−37353号
公報、特開昭57−109875号公報には、多価カル
ボン酸を使用して耐オフセット性を改良したポリエステ
ル樹脂が記載されているが、これらも依然として使用す
るに充分な耐オフセット性を有していないか、又は有し
ているものはポリエステル樹脂が本来有している低温定
着性を犠牲にしているばかりでなく、樹脂やトナーの粉
砕性が極めて悪いという問題があった。
【0009】そこで、定着性に優れたポリエステル樹脂
と、スチレンアクリル樹脂を混合して用いる、次のよう
な試みがなされている。
【0010】 ポリエステル樹脂とスチレンアクリル
樹脂を混合する方法(特開昭49−6931号、特開昭
54−114245号、特開昭57−70523号、特
開平2−161464号公報); ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂を化学的
に結合する方法(特開昭56−116043号公報); 不飽和ポリエステルにビニル系モノマーを共重合せ
しめる方法(特開昭57−60339号、特開昭63−
279265号、特開平1−156759号、特開平2
−5073号公報); (メタ)アクリロイル基を有するポリエステル樹脂
にビニル系モノマーを共重合せしめる方法(特開昭59
−45453号公報); ポリエステル樹脂存在下で、反応性ポリエステルと
ビニルモノマーを共重合させる方法(特開平2−296
64号公報);及び ポリエステル樹脂とビニル系樹脂をエステル結合で
ブロック化させる方法(特開平2−881号公報)。
【0011】しかしながら、ポリエステル樹脂とスチレ
ンアクリル樹脂は、本来相溶性が悪いため、単に機械的
に混合を行う場合、混合比率によっては、トナー化を行
う際に樹脂及びカーボンブラック等の内添剤の分散が悪
くなり、帯電性が不均一となるため、画像評価において
地汚れ等の弊害が生じる。また、二種類の樹脂の分子量
が異なる場合には、双方の溶融粘度に差異を生じる事が
あり、この為、分散相の樹脂の分散粒径を細かくする事
が困難となり、トナー化を行うとカーボンブラック等内
添剤の分散が非常に悪く、画像安定性に大きく欠けると
いう問題が生じる。更に、反応性ポリエステルにビニル
モノマーを重合させる場合、ゲル化を防ぐため組成が制
限されるという問題もあった。
【0012】このような観点から、特開平4−1423
01号公報記載の如き、同一反応容器中で各々独立して
いる反応経路で重合反応が行われる二つの重合系の原料
モノマー混合物を予めブレンドして、該二つの重合反応
を並行して行わせることを特徴とする結着樹脂を用いた
現像剤組成物が開発されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
工程を複雑化させることなく、廃物より回収したポリエ
ステル樹脂を用いて原料コストを低下させることによ
り、上記のトナーの性能を維持しつつ全製造コストを従
来法よりも低くした、トナー用の結着樹脂の製造方法を
提供する事にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究した結果、同一反応容器中で縮
重合反応と付加重合反応を並行して行う結着樹脂の製造
方法において、廃物より回収したポリエステル樹脂を反
応系内に添加し、アルコール及び/又は水の存在下、該
ポリエステル樹脂を分解しつつ重合を行うことにより、
上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0015】即ち、本発明の要旨は、(1) 縮重合系
樹脂の原料モノマー及びビニル系樹脂の原料モノマーを
含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加
重合反応を並行して行うトナー用結着樹脂の製造方法に
おいて、廃物より回収したポリエステル樹脂を反応系内
に添加し、アルコール及び/又は水の存在下、該ポリエ
ステル樹脂を分解しつつ重合を行うことを特徴とするト
ナー用結着樹脂の製造方法、(2) 縮重合系樹脂の原
料モノマー及びビニル系樹脂の原料モノマーを含む混合
物が、それら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合
物を更に含むものである前記(1)記載の製造方法、
(3) 廃物より回収したポリエステル樹脂が、リサイ
クルポリエチレンテレフタレートである前記(1)又は
(2)記載の製造方法、(4) 結着樹脂の軟化点が8
5〜170℃であることを特徴とする前記(1)〜
(3)いずれか記載の製造方法、並びに(5) 結着樹
脂のガラス転移点が45〜80℃であることを特徴とす
る前記(1)〜(4)いずれか記載の製造方法、に関す
る。
【0016】本発明のトナー用結着樹脂の製造方法は、
縮重合系樹脂の原料モノマー及びビニル系樹脂の原料モ
ノマーを含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反
応と付加重合反応を並行して行うトナー用結着樹脂の製
造方法において、廃物より回収したポリエステル樹脂を
反応系内に添加し、アルコール及び/又は水の存在下、
該ポリエステル樹脂を分解しつつ重合を行うことを特徴
とするものである。
【0017】ここで、「廃物より回収したポリエステル
樹脂」とは、一旦、樹脂を有する製品として製造された
ものが廃棄等され、その後回収されたポリエステル樹脂
のことをいう(以下、「回収ポリエステル樹脂」とい
う)。
【0018】用いられる回収ポリエステル樹脂として
は、トナーの性能や重合反応を妨げるような化合物を含
有せず、ある程度の純度を有しているものであれば、そ
の種類、分子量等は、特に限定されない。具体的には、
回収ペットボトル、回収ポリエステルフィルム等より回
収したポリエステル樹脂が挙げられる。なかでも、回収
ペットボトル、回収ポリエステルフィルム等より回収し
たリサイクルポリエチレンテレフタレートあるいは、リ
サイクル変性ポリエチレンテレフタレートが大量に廃棄
され、回収容易のため、好適に用いられる。
【0019】なお、使用に際しては、取り扱いや分散・
分解等の容易性のため、粉砕されたもの、ペレット等が
好適に用いられる。
【0020】ポリエステル樹脂の使用量としては、縮重
合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、通常
1.0〜600.0重量部、好ましくは3.0〜50
0.0重量部である。この範囲より少ないとコストメリ
ットがなくなる傾向があり、この範囲より多いと反応制
御が困難となる傾向がある。
【0021】本発明ではアルコール及び/又は水の存在
下で重合を行うが、アルコールとしては、反応系内にあ
る縮重合系樹脂の原料モノマーの一部を利用してもよ
く、或いはそれと異なるアルコール等を別途添加しても
よい。
【0022】ここで必要とされるアルコール及び/又は
水の量としては、回収ポリエステル樹脂100重量部に
対して、通常10.0重量部以上、好ましくは15.0
重量部以上である。この範囲より少ないと回収ポリエス
テル樹脂をエステル交換、加水分解する効率が低く、物
性制御が困難となる傾向がある。
【0023】このように、重合系内にアルコール及び/
又は水を存在させることにより、回収ポリエステル樹脂
をエステル交換反応、加水分解等により分解して、カル
ボン酸、そのアルキルエステル等を生成させつつ、それ
を他のモノマー成分と重合させることができる。
【0024】本発明に於いて、縮合系樹脂としては、ポ
リエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等
が好ましく用いられる。縮重合系樹脂の原料モノマーと
しては、縮重合により、ポリエステル、ポリエステル・
ポリアミド、ポリアミド等が得られるものであれば、特
に限定されることはない。
【0025】ポリエステルの原料モノマーとしては、2
価もしくは3価以上のアルコールと、2価もしくは3価
以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキル
エステルが用いられる。ここで、特に耐オフセット性が
要望される場合は、結着樹脂の分子内において部分架橋
することが有効であり、3価以上の多官能化合物を使用
することにより、それが達せられる。従って、本発明で
は耐オフセット性の点から、原料モノマーとして、3価
以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキル
エステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むこと
が好ましい。
【0026】2価アルコール成分としては、例えばポリ
オキシプロピレン(2.2) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシ
フェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3) −2,
2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオ
キシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェ
ニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0) −ポリオ
キシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェ
ニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(6) −2,2 −ビ
ス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノ
ールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2 −プロピレングリコール、1,3 −プロピレングリコ
ール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4 −ブテンジオール、1,5 −ペンタンジオール、
1,6 −ヘキサンジオール、1,4 −シクロヘキサンジメタ
ノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノー
ルA等が挙げられる。
【0027】これらのうち、好ましくはビスフェノール
Aのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、
1,2 −プロピレングリコール、1,3 −プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコールが用いられる。
【0028】3価以上のアルコール成分としては、例え
ばソルビトール、1,2,3,6 −ヘキサンテトロール、1,4
−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4 −ブタン
トリオール、1,2,5 −ペンタントリオール、グリセロー
ル、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,
4 −ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、1,3,5 −トリヒドロキシメチルベン
ゼン等が挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセ
ロール、トリメチロールプロパンが用いられる。
【0029】本発明においては、これらの2価のアルコ
ール及び3価以上のアルコールから単独であるいは複数
を併用して用いることができる。
【0030】また、2価のカルボン酸成分としては、例
えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン
酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン
酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニ
ルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハ
ク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク
酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、
及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステ
ル等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、マレイ
ン酸、フマル酸、テレフタル酸、アルケニルコハク酸が
用いられる。
【0031】3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水
物、低級アルキルエステルとしては、例えば1,2,4 −ベ
ンゼントリカルボン酸、2,5,7 −ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4 −ナフタレントリカルボン酸、1,2,4 −ブ
タントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン
酸、1,3 −ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレン
カルボキシプロパン、1,2,4 −シクロヘキサントリカル
ボン酸、テトラ (メチレンカルボキシル) メタン、1,2,
7,8 −オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エ
ンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキル
エステル等が挙げられる。これらのうち、特に1,2,4 −
ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又は
その誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ま
しく用いられる。
【0032】本発明においては、これらの2価のカルボ
ン酸等及び3価以上のカルボン酸等から、単独であるい
は複数を併用して用いることができる。
【0033】ポリエステル・ポリアミド、ポリアミドの
原料モノマーとしては、上記の原料モノマー以外に、ア
ミド成分を形成するための原料モノマーが必要であり、
かかる原料モノマーとしては、例えばエチレンジアミ
ン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミ
ン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トリエ
チレンテトラミン等のポリアミン、6−アミノカプロン
酸、ε−カプロラクタム等のアミノカルボン酸類、プロ
パノールアミン等のアミノアルコールなどが挙げられ
る。これらのうち、好ましくはヘキサメチレンジアミ
ン、ε−カプロラクタムが用いられる。
【0034】ポリエステル・ポリアミド、ポリアミドの
原料モノマーを用いる場合にも、結着樹脂の分子内にお
いて部分架橋するためには、ポリエステルの場合と同様
に、3価以上の多官能化合物を使用することが必要であ
る。その場合、主に3価以上のカルボン酸もしくはその
酸無水物、低級アルキルエステルが用いられる。
【0035】また、前記の3価モノマーは、結着樹脂の
重合度制御に有効であり、縮重合系樹脂の原料モノマー
に対して0.2〜30重量%、特に0.5〜30重量%
使用するのが好ましい。
【0036】これらの3価モノマーは、使用量がこの範
囲より多すぎると、重合反応中にゲル化を起こしてしま
い、また使用量が少ないと、ヒートロール定着におい
て、トナーの一部が紙に完全に固着しないでローラー表
面に付着し、次の紙に転移するというオフセット現象を
防ぎにくくなるので好ましくない。
【0037】本発明におけるビニル系樹脂の原料モノマ
ーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル
スチレン、p−エチルスチレン、2,4 −ジメチルスチレ
ン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレン等のスチレ
ン若しくはスチレン誘導体;例えばエチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノ
オレフィン類;例えば塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、
カプロン酸ビニル等のビニルエステル類;例えばアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、
アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル
酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシ
エチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
グリシジル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸
フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−
ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオ
クチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステア
リル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メ
タクリル酸ジエチルアミノエチル等のエチレン性エステ
ル;例えばビニルメチルエーテル等のビニルエーテル
類、例えばビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン
化物;例えばN−ビニルピロール、N−ビニルピロリド
ン等のN−ビニル化合物類が挙げられる。
【0038】これらのうち、好ましくはスチレン、α−
メチルスチレン、プロピレン、アクリル酸メチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが用いられ
る。
【0039】また、ビニル系樹脂の原料モノマーを重合
させる際には重合開始剤が用いられ、かかる重合開始剤
としては、例えば2,2'−アゾビス(2,4 −ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,
1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4 −ジメチル
バレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系重合開始
剤、又はベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネー
ト、キュメンハイドロパーオキサイド、2,4 −ジクロロ
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤
が挙げられる。
【0040】重合体の分子量及び分子量分布を調節する
目的で、又は反応時間を調節する目的等で、二種類又は
それ以上の重合開始剤を混合して使用することもでき
る。重合開始剤の使用量は、ビニル系モノマー100 重量
部に対して0.1 〜20重量部、好ましくは1〜10重量部で
ある。
【0041】ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる
際には、必要に応じて架橋剤を用いることができる。か
かるビニル系モノマーの架橋剤としては、例えば、ジビ
ニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、1,3 −ブチレングリコールジメタクリレ
ート、1,6 −ヘキシレングリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレ
ングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−アクリロキシ
ジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、フタル酸ジアリルなど、一般の架橋剤を適宜(必要
に応じて2種以上組み合わせて)用いることができる。
これらのうち好ましくは、ジビニルベンゼン、ポリエチ
レングリコールジメタクリレートが用いられる。
【0042】これらの架橋剤の使用量は、ビニル系樹脂
の原料モノマーを基準にして0.001〜15重量%、好まし
くは0.1 〜10重量%で使用するのが良い。これらの架橋
剤の使用量が15重量%より多いと、ゲル化反応が急激に
進行し、反応制御が困難となる他、トナーが熱で溶融し
にくくなり、定着不良が起こる。
【0043】本発明の製造方法は、縮重合系樹脂の原料
モノマー及びビニル系樹脂の原料モノマーを含む混合物
を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を
並行して行うことにより得られるものであるが、得られ
る樹脂の帯電性、各種添加剤の分散性等の点より、さら
に上記の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物
(以下、「両反応性化合物」と略す場合がある)を含む
混合物を用いることが好ましい。かかる化合物として
は、例えば次の一般式(I)及び(II)で表わされるも
のが挙げられる。なお、これらの両反応性化合物中に
は、前述の原料モノマーと一部重複するものがある。
【0044】
【化1】
【0045】〔式中、R1 、R2 及びR3 は同一又は異
なって、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい
アルキル基、アルコキシ基、アリール基若しくはビニル
基又はハロゲン原子を示し、これらは一緒になって環を
形成していてもよい。A及びBは同一又は異なって、一
般式(III)で表わされるアルキレン基又は一般式(IV)
で表わされるフェニレン基、
【0046】
【化2】
【0047】(R4 、R5 及びR6 は同一又は異なっ
て、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいアル
キル基、アルコキシ基、アリール基若しくはビニル基又
はハロゲン原子を示し、これらは一緒になって環を形成
していてもよい。mは0〜5、nは0〜2の数を示す)
を示し、X及びYは同一又は異なって、−COOR7
は−OR8 (R7 及びR8 は水素原子又は置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)を示す〕
【0048】ここで、これらの化合物は2つの重合系の
原料モノマーのいずれとも反応し得ることが必要である
が、1つの重合系の原料モノマーが2種以上ある場合に
は、少なくともこのうちの1つと反応し得ればよい。
【0049】一般式(I)及び(II)中、R1 〜R6
示されるもののうち、アルキル基としては、直鎖状又は
分岐鎖状の炭素数1〜6、特に1〜4のものが好まし
く、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙
げられる。これらのアルキル基は、フェニル基、ナフチ
ル基、水酸基等で置換されていてもよい。また、アルコ
キシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−
プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基等が
挙げられ、これらの基は、水酸基、カルボキシル基等で
置換されていてもよい。アリール基としては、例えばフ
ェニル基、ナフチル基、ベンジル基等が挙げられ、これ
らの基は、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ
基、カルボキシル基、水酸基等で置換されていてもよ
い。また、ビニル基は、水酸基、フェニル基、アルキル
基、アルコキシ基、カルボキシル基等で置換されていて
もよい。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、特に塩素原
子、臭素原子が好ましい。また、R7 及びR8 で示され
る低級アルキル基は、炭素数1〜4であるが、その例と
しては、メチル基、エチル基等が挙げられ、これらの基
は水酸基等で置換されていてもよい。
【0050】一般式(I)及び(II)で表わされる両反
応性化合物の代表的なものとしては、以下の化合物
(1)〜(36)が例示される。
【0051】
【化3】
【0052】
【化4】
【0053】
【化5】
【0054】さらに上記のエチレン性モノカルボン酸の
低級アルキルエステル、上記のエチレン性ジカルボン酸
の無水物もしくは低級アルキルエステルが挙げられる。
【0055】これらの両反応性化合物の使用量は、全原
料モノマーに対して、通常0.1〜20重量%、好まし
くは0.5〜10重量%である。この範囲より使用量が
少ないと、2つの重合系が相溶しなくなって大きな海島
構造を有した樹脂となる傾向があり、着色剤の分散が悪
くなって地汚れや印字ムラ等を生じることになるので好
ましくない。
【0056】以上のような原料を用いた結着樹脂の製造
方法は、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を
並行して行うものである。かかる方法に於いては、2つ
の重合反応の進行及び完結は時間的に同時である必要は
なく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及び時間を
適当に選択して反応を進行、完結させればよい。
【0057】重合反応は、具体的には例えば、付加重合
反応に適した温度条件下でポリエステル、ポリエステル
・ポリアミド又はポリアミドの原料モノマー、触媒の混
合物中に、ビニル系樹脂の原料モノマー、両反応性化合
物、架橋剤、重合開始剤の混合物を滴下して、付加重合
反応と並行して縮重合反応を部分的に行う工程と、得ら
れた混合物の温度を前記条件下で保持して付加重合反応
のみを完結させる工程と、回収ポリエステル樹脂を添加
して、次いで反応温度を上昇させて、縮重合反応を更に
行う工程とからなる方法により行われる。
【0058】ここで、回収ポリエステル樹脂は、ポリエ
ステル等の原料モノマーの混合物中に予め混合しておい
てもよく、付加重合反応終了後に添加してもよい。
【0059】また、付加重合反応に適した温度条件は、
用いられる重合開始剤の種類にもよるが、50〜180
℃の温度範囲で通常行われる。また、縮重合反応の重合
度を上昇させるのに最適な温度範囲は通常190〜27
0℃である。このように反応容器中で独立した2つの反
応を並行して進行させる方法により二種類の樹脂が効果
的に混合分散した結着樹脂を得ることができる。
【0060】本発明においては、重合反応を並行して行
う際の、縮重合系樹脂の原料モノマーとビニル系樹脂の
原料モノマーの重量比(縮重合系/ビニル系)が、50
/50〜95/5であることが好ましく、より好ましく
は70/30〜90/10である。ビニル系樹脂の割合
がこの範囲を越えると定着不良となり、この範囲未満で
は画像の環境に対する安定性が不良となるため好ましく
ない。
【0061】本発明の製造方法により得られる結着樹脂
の軟化点は、85〜170℃であることが好ましく、よ
り好ましくは90〜160℃である。軟化点がこの範囲
未満では、耐オフセット性、耐ブロッキング性が悪くな
る傾向があり、この範囲を超えると低温定着性に支障を
きたす傾向がある。
【0062】ここで結着樹脂の軟化点は、具体的には次
のようにして測定したものである。高化式フローテスタ
ー(島津製作所製)を用いて1cm3 の試料を昇温速度
6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより20
kg/cm2 の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmの
ノズルを押し出すようにし、これにより、プランジャー
降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高
さをhとする時、h/2に対応する温度(樹脂の半分が
流出した温度)を軟化点としたものである。
【0063】本発明において、結着樹脂のガラス転移点
が、45〜80℃であることが好ましく、より好ましく
は50〜70℃である。このような範囲のガラス転移点
を有するものを選択する事により、一層優れた低温定着
性、定着面の平滑性、耐ブロッキング性が得られる。す
なわち、ガラス転移点が上記範囲より高い場合には、定
着性が悪化する傾向があり、また、上記範囲より低い場
合には、耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
【0064】なお、本発明におけるガラス転移点は、次
のようにして測定されるものである。即ち、示差走査熱
量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて
200℃まで昇温し、その温度で3分間放置した後、降
温速度10℃/min.で室温まで冷却したサンプルを、昇
温速度10℃/min.で測定した際に、ガラス転移点以下
のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分から
ピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点
の温度を、ガラス転移点(Tg)とする。
【0065】また、結着樹脂は、高温高湿下におけるト
ナーの帯電量の維持の点から、酸価が30KOHmg/
g未満であることが好ましく、より好ましくは5〜25
KOHmg/gである。酸価が30KOHmg/g以上
では、トナーの配合やキャリアの種類によっては帯電量
が低下する場合があるので好ましくない。なかでも正帯
電性トナーの場合には、20KOHmg/g以下が好ま
しい。
【0066】本発明において、結着樹脂の軟化点、ガラ
ス転移点、および酸価等を上述の範囲にするには、原料
モノマー組成比、重合開始剤量、触媒量等の調整又は反
応条件の選択により容易に行うことができる。
【0067】本発明の製造方法により得られる結着樹脂
は、静電像現像用トナーの製造に用いられるが、かかる
静電像現像用トナーを製造するには、例えば該結着樹脂
と、着色剤、必要に応じて荷電制御剤、磁性体等が用い
られ、これらを公知の方法により溶融混練、冷却、粉
砕、分級すること等により製造される。
【0068】
【実施例】以下、実施例および試験例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。なお、得られた結着
樹脂の軟化点及びガラス転移点は、前述の方法により測
定した。
【0069】実施例1〜4 (回収ポリエステル由来のエチレングリコールを再利用
する場合)表1のA−1〜4に示す縮重合系樹脂原料、
及び触媒を温度計、攪拌器、窒素導入管及び80〜90
℃の熱水を通したモノマー流出防止用環流冷却器を備え
た流下式コンデンサーを装備した5リットルの四ッ口フ
ラスコ内に入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に
て135℃の温度で攪拌しつつ、表1のA−1〜4に示
すビニル系樹脂の原料を予め混合したものを滴下ロート
より4時間かけて滴下した。135℃に保持したまま5
時間熟成し、回収ポリエチレンテレフタレートを添加
し、その後230℃に昇温反応せしめた。重合度は、AS
TM E28-67 に準拠した軟化点より追跡を行い、所定の軟
化点に達した時に反応を終了し、容器から抜き出し、冷
却後、粉砕した。得られた樹脂の軟化点及びガラス転移
点を表3に示す。
【0070】実施例5〜9 (回収ポリエステル由来のエチレングリコールを再利用
しない場合)表2のA−5〜9に示す縮重合系樹脂原
料、及び触媒を温度計、攪拌器、窒素導入管及び流下式
コンデンサーを装備した5リットルの四ッ口フラスコ内
に入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下にて135
℃の温度で攪拌しつつ、表2のA−5〜9に示すビニル
系樹脂の原料を予め混合したものを滴下ロートより4時
間かけて滴下した。135℃に保持したまま5時間熟成
し、200℃に昇温後、回収ポリエチレンテレフタレー
トを添加し、エステル交換反応を行い、ポリエチレンテ
レフタレート中に含まれるエチレングリコールが90%
流出した時点で230℃に昇温エステル化反応を行っ
た。重合度は、ASTM E28-67 に準拠した軟化点より追跡
を行い、所定の軟化点に達した時に反応を終了し、容器
から抜き出し、冷却後、粉砕した。得られた樹脂の軟化
点及びガラス転移点を表3に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】 BPA−PO:ホ゜リオキシフ゜ロヒ゜レン(2.2)-2,2-ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ン BPA−EO:ホ゜リオキシエチレン(2.2)-2,2-ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ン EG :エチレングリコール PG :プロピレングリコール DSA :イソドデセニル無水コハク酸 TMA :無水 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸 FA :フマル酸(両反応性化合物) AA :アクリル酸(両反応性化合物) DBO :ジブチル錫オキシド St :スチレン EHA :2−エチルヘキシルアクリレート BA :n−ブチルアクリレート DCP :ジクミルパーオキサイド AIBN :アゾビスイソブチロニトリル 回収PET :回収ペットボトル由来のリサイクルポリエチレンテレフタレー ト
【0074】
【表3】
【0075】試験例 (1)トナーの製造 表4に示す組成の材料をヘンシェルミキサー(三井三池
化工機(株)製)で予備混合後、2軸押し出し機で溶融
混練し、冷却、粗粉砕した後、ジェットミルによって粉
砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、平均粒径11
μmの未処理トナーを得た。
【0076】
【表4】
【0077】得られた未処理トナー1〜9を、それぞれ
100重量部に対して疎水性シリカ「H−2000」
(ワッカーケミカル社製)0.1重量部をヘンシェルミ
キサーを用いて混合付着させ、それぞれトナー1〜9と
した。以上のトナー各々39重量部と、スチレン・メチ
ルメタクリレート樹脂被覆された球状のフェライト粉
(平均粒径100μm)1261重量部とを混合して現
像剤を調製した。
【0078】(2)耐刷試験 市販の電子写真複写機(リコー製,FT−4080)を
改良した装置(感光体は負帯電性トナーについてはアモ
ルファスセレンを用い、正帯電性トナーについては負帯
電性有機感光体を用い、定着ローラーの回転速度は25
5mm/secに設定し、定着装置中のヒートローラー
温度を可変にし、オイル塗布装置を除去したもの)を用
いて画像出しを行い、以下の方法により、帯電性及び耐
刷性を評価した。
【0079】帯電量については、次に述べるブローオフ
式帯電量測定装置、すなわち、ファラデーケージとコン
デンサー、エレクトロメーターを備えた比電荷測定装置
によって測定を行った。測定方法は、まず、先に調製し
た現像剤をW(g)(0.15〜0.20g) を500メ
ッシュ (キャリアー粒子の通過しない大きさに適宜変更
可能) のステンレスメッシュを備えた真鍮性の測定セル
に入れる。次に吸引口から5秒間吸引した後、気圧レギ
ュレーターが0.6kg/cm2 を示す気圧で5秒間ブ
ローを行い、トナーのみをセルから除去する。
【0080】この時のブロー開始から2秒後の電位計の
電圧をV(volt)とする。ここでコンデンサーの電
気容量をC (μF)とすると、このトナーの比電荷Q/
mは下式の如く求められる。 Q/m(μC/g)=C×V/m ここで、mはW(g)中の現像剤中に含まれるトナーの
重量であるが、現像剤中のトナーの重量をT(g)、現
像剤の重量をD(g)とした場合、試料のトナーの濃度
はT/D×100(%)と表され、mは下式の如く求め
られる。 m(g)=W×(T/D)
【0081】当該現像剤を前記複写装置に使用し、各々
10万枚の連続コピーを、通常環境下(23℃、50%
RH)、高温高湿下(35℃、85%RH)にて行い、
耐刷性試験中における帯電量変化と画質(地汚れの発
生)について評価した。以上の結果を表5に示す。
【0082】
【表5】
【0083】表5の結果から明らかなように、本発明に
より製造された結着樹脂を用いたトナー1〜9は、トナ
ー中の樹脂の分散状態が良好なため、いずれの環境下に
おいても優れた帯電安定性と優れた耐刷性を有してい
た。
【0084】
【発明の効果】本発明の結着樹脂の製造方法によると、
製造工程を複雑化させることなく、廃物より回収したポ
リエステル樹脂を用いて原料コストを低下させることに
より、トナーの性能を維持しつつ全製造コストを従来法
よりも低くすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 哲也 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 (72)発明者 河辺 邦康 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮重合系樹脂の原料モノマー及びビニル
    系樹脂の原料モノマーを含む混合物を用い、同一反応容
    器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うトナー
    用結着樹脂の製造方法において、廃物より回収したポリ
    エステル樹脂を反応系内に添加し、アルコール及び/又
    は水の存在下、該ポリエステル樹脂を分解しつつ重合を
    行うことを特徴とするトナー用結着樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 縮重合系樹脂の原料モノマー及びビニル
    系樹脂の原料モノマーを含む混合物が、それら原料モノ
    マーのいずれとも反応し得る化合物を更に含むものであ
    る請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 廃物より回収したポリエステル樹脂が、
    リサイクルポリエチレンテレフタレートである請求項1
    又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 結着樹脂の軟化点が85〜170℃であ
    ることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 結着樹脂のガラス転移点が45〜80℃
    であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の製
    造方法。
JP7077405A 1995-03-07 1995-03-07 トナー用結着樹脂の製造方法 Pending JPH08239409A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014232169A (ja) * 2013-05-28 2014-12-11 花王株式会社 トナー用結着樹脂組成物
JP2018013522A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 花王株式会社 トナー用結着樹脂の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014232169A (ja) * 2013-05-28 2014-12-11 花王株式会社 トナー用結着樹脂組成物
JP2018013522A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 花王株式会社 トナー用結着樹脂の製造方法

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