JPH08231774A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JPH08231774A
JPH08231774A JP3343795A JP3343795A JPH08231774A JP H08231774 A JPH08231774 A JP H08231774A JP 3343795 A JP3343795 A JP 3343795A JP 3343795 A JP3343795 A JP 3343795A JP H08231774 A JPH08231774 A JP H08231774A
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JP
Japan
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rubber
viscosity
silicon
silicone
friction coefficient
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JP3343795A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Togami
浩 戸上
Takeshi Ogawa
健 小川
Toru Takasu
徹 高巣
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Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴム組成物を加硫して得られるゴム材料表面
のオイルブリード量がごく微量であっても高い滑り性が
確保されて、強負荷摺動や拭き取りに対しても摺動抵抗
が低下しにくいゴム組成物を提供する。 【構成】 原料ゴム100重量部に対して、粘度が50
万(cs)以上のシリコンポリマーを10〜20重量部、粘
度が1〜1000(cs)のシリコンオイルを1〜20重量
部それぞれ配合してゴム組成物を得る。好ましくは、上
記組成物に、更に粘度が1000〜10万(cs)のシリコ
ンオイル1〜20重量部配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴム組成物に関し、特
に、ガラスやパネルに当接摺動する部材、例えば自動車
用ウェザーストリップの摺動部の部材等に用いられるゴ
ム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴム組成物を加硫して得られるゴ
ム材料は種々の用途に用いられており、耐熱性、耐候
性、耐老化性、耐オゾン性等、ゴム材料の用途や使用条
件等により種々の特性が要求されている。近年はゴム材
料には高度な性能が要求されており、天然ゴム等のいわ
ゆる汎用ゴムではこのような要求に応えることは非常に
困難である。
【0003】このため、現在は各種用途に適した特殊ゴ
ムが開発されている。例えば、特開昭和57−1701
1号公報には、1分子中に脂肪族不飽和結合を少なくと
も2個有するか、脂肪族不飽和結合とメルカプト基とを
有するシリコンゴムを用いて、このシリコンゴムを合成
ゴムと混合させたゴム組成物が開示されている。このゴ
ム組成物を加硫して得られるゴム材料は機械的強度や耐
熱性、耐寒性に優れ、また低圧縮永久歪が与えられると
いう特徴がある。
【0004】また、特開昭63−309542号公報に
は、ポリオレフィン系ゴムにエステル系可塑剤、パラフ
ィン系可塑剤、及びシリコーンオイル[100〜1000(cs)]
を配合したゴム組成物が開示されている。このゴム組成
物を加硫して得られるゴム材料は耐熱性に優れて適度な
オイルブリード性(使用時にオイルが滲みだす)が得ら
れるという特徴を有する。
【0005】更に、特開平6−116445号公報に
は、シリコンオイル[1〜10(cs)]5〜30重量部を配
合したEPDM系ゴム組成物が開示されている。このゴ
ム組成物は成形性がよく、加硫して得られるゴム材料は
耐熱性及びオイルブリード性にも優れているという特徴
を有する。特開平3−281552公報にも、原料ゴム
にシリコンポリマーを含有させたゴム組成物が開示され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭和57
−17011号公報及び特開平3−281552公報に
開示されたゴム組成物においては、シリコンポリマーを
ゴムに配合することによって摺動抵抗が低下するととも
に、経時安定性も得られるが、摺動抵抗の低下レベルが
十分とはいいがたい。例えば、HS=60のゴムでは静
摩擦係数μsの値が1以下にならない。
【0007】また、特開昭63−309542号公報及
び特開平6−116445号公報に開示されたゴム組成
物においては、オイルのブリード性が一定でないという
問題点があり、使用開始時点とある程度経時変化した時
点とでは、ゴム材料の滑り性に差が生じてしまう。
【0008】更に、オイルブリードしたゴム材料製品が
他の物体と強い当たりや摺動を繰り返した場合、ブリー
ドオイルが拭き取られ(かきとられ)て滑り性が低下し
てしまい、常時一定の滑り性を得ることは困難となるお
それがある。
【0009】特に、ゴム材料製品のコーナーピースがガ
ラスと摺動する場合、温度によってはシリコンオイルが
ブリードしない場合もある。
【0010】本発明は上記背景の下になされたものであ
り、ゴム材料表面のオイルブリード量がごく微量であっ
ても高い滑り性が確保されて、強負荷摺動や拭き取りに
対しても摺動抵抗が低下しにくいゴム組成物を提供する
ことを解決すべき課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、原料ゴム100重量部に対して、粘度が
50万(cs)以上のシリコンポリマー1〜20重量部と、
粘度が1〜1000(cs)のシリコンオイル1〜20重量
部とを配合したことを特徴とする。
【0012】また、原料ゴム100重量部に対して、粘
度が50万(cs)以上のシリコンポリマー10〜20重量
部と、粘度が1〜1000(cs)のシリコンオイル1〜2
0重量部と、粘度が1000〜10万(cs)のシリコンオ
イル1〜20重量部配合したことを特徴とするゴム組成
物も提供される。
【0013】本発明で用いられる原料ゴムは特に限定さ
れないが、EPDM(エチレンープロピレン共重合ゴ
ム)系や、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)
系、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)系、天
然ゴム(NR)系、ブチルゴム(IIR)系等のゴムが
挙げられ、それら単独で用いるかまたはNBR/PV
C、SBR/EPDM、NR/EPDM、IIR/EP
DL等のゴムが用いられる。
【0014】また、シリコンオイルやシリコンポリマー
の種類は特に限定されないが、例えばジメチルポリシロ
キサン系、メチルフェニル系、ジフェニル系、その他の
変性シリコン系を用いることができる。
【0015】更に、粘度50万(cs)以上のシリコンとし
ては、重合度2,000〜10,000の混合物であるシリコンポ
リマーを用いることができる。
【0016】
【作用】上記のような重合度が2,000〜10,000のシリコ
ンポリマーを用いると、高分子状のゴム分子と高分子シ
リコンとは、混練及び加硫によりあえて共加硫を行わな
くても、双方の分子がからみあった状態、つまりIPN
(interpenetrating polymer network)に近い状態とな
り、オイル可塑剤のブリードではなく、ゴム材料の表面
にシリコンの一部が露出するこで安定した滑り性が発現
される。
【0017】本発明では、このような重合度及び粘度が
高いシリコンポリマーと、粘度が1〜1,000と比較的低い
シリコンポリマーとを共に原料ゴムに配合することで、
加硫されたゴム材料の上記のようなIPNに近い状態と
なることによる滑り性の向上に加えて、低分子シリコン
オイルがブリードすることによって摩擦係数が低くな
り、摺動状態が大きく向上する。
【0018】また、粘度が高いシリコンポリマーと、粘
度が比較的低いシリコンポリマーとを共に原料ゴムに配
合することによって、強負荷摺動や拭き取りに対して
も、摺動抵抗が低下しにくくなるという作用が得られ
る。このように、ゴム材料表面のブリード量がごく微量
であっても、滑り性が大巾に向上される。
【0019】更に、粘度が1,000〜10万程度のシリコン
オイルを配合することで、ゴム組成物を加硫して得られ
るゴム材料の耐久性が向上される。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。本実施例においては、下記表1に示す組成を基本
配合とし、これに各種シリコン材を添加して150℃で
10分加硫し厚さ2mmのシート状の試料を作成してシ
リコンの種類及び配合量に対する摩擦係数等の特性の変
化を調べた。
【0021】
【表1】 EPDM 100(phr) ZnO 5(phr) ステアリン酸 1(phr) (硬度60°の場合)FEFカーボン 80(phr) パラフィンオイル 40(phr) CaCO3 30(phr) 加硫促進剤 4(phr) 硫黄 1(phr) まず、初期性能として、成形3日後における摩擦抵抗値
(静摩擦係数μs及び動摩擦係数μd)を測定した。こ
の試験は、試験するゴム試料を時計皿(曲面ガラス)に
接触して摩擦係数を測定することにより行った。また、
この際の荷重は100g、摺動速度は1,000(mm/分)と
した。
【0022】上記基本組成に粘度50万(cs)以上のシリ
コンポリマー(重合度2,000〜10、000)を単独添加し、
ゴム100部に対する添加重量割合(phr)と摩擦係数と
の相関を調べた。その結果を図1のグラフに示す。摩擦
係数はμs,μdともに小さい値とすることが好まし
く、特にμsを1以下とすることが望ましい。
【0023】図1に示されるように、シリコンポリマー
の添加量が多くなるにつれて摩擦係数が小さくなる傾向
はみられるものの、静摩擦係数μsは1より大きい値に
止まっている。また、添加量が20(phr)以上となる
と、ゴム組成物を製造する際に原料の混合工程において
混練器内でスリップが起こり、分散性が悪化するので極
端に物性が下がってしまう。
【0024】次に、粘度がそれぞれ1、10、100、1,00
0、10,000、100,000(cs)であるシリコンオイルを用意
し、これら各シリコンオイルを上記基本配合にそれぞれ
単独添加し、粘度と摩擦係数との相関を調べた。なお、
シリコンオイルの添加量はすべて5(phr)とした。その
結果を図2のグラフに示す。
【0025】図2に示されるように、添加量を5(phr)
とした場合、シリコンオイルの粘度を1,000(cs)以下と
すると、初期の摩擦係数を下げる効果が大きくなってい
る。また、この場合動摩擦係数μdも1以下となってい
る。特に、シリコンオイルの粘度を50(cs)以下とする
と、静摩擦係数μsも1以下となる。なお、粘度が1〜
50(cs)の範囲では静摩擦係数に大きな変動はないが、
粘度が50(cs)になると、静摩擦係数は2倍程度の値に
まで大きくなってしまう。このように、粘度(重合度)
が上がると摩擦係数も増すことが示される。
【0026】次に、粘度10(cs)のシリコンオイルを選択
し、これを上記基本配合に単独添加して配合量と摩擦係
数との相関を調べた。その結果を図3に示す。
【0027】この図に示されるように、初期性能として
は、添加量が2(phr)以上であれば静摩擦係数μsを1
以下にできる。また、添加量が5(phr)以上となると静
摩擦係数、動摩擦係数ともにほぼ一定となる。また、そ
の値も添加量が2(phr)の場合とあまり変わらない。
【0028】一方、添加量が20(phr)以上となると、原
料の混合過程において混練機(ミキサー)内でのスリッ
プが起こり、著しい物性低下を招いてしまう。従って、
このシリコンオイルの適正添加量は1〜10(phr)程度
と判断される。添加量をそれ以上増すとロール巻付性が
低下するおそれがある。
【0029】上記各例においては、いずれも各種シリコ
ンオイルをそれぞれ単独で添加している。そこで、上記
基本配合に、50万(cs)以上という高い粘度を有するシ
リコンポリマーと粘度10(cs)程度のシリコンオイルと
を共に添加し、上記シリコンオイルを単独で添加した場
合との比較を行った。
【0030】まず、粘度10(cs)のシリコンオイルの添
加量を1(phr)とし、粘度50万(cs)以上のシリコンポ
リマーの添加量を1〜20(phr)まで変化させて、摩擦
係数との相関を調べた。その結果を図4に示す。
【0031】図1に示されるシリコンポリマーのみを添
加した場合のグラフと図4のグラフとを比較すると、シ
リコンポリマーとシリコンオイルとをブレンドすること
で、静摩擦係数、動摩擦係数ともに非常に小さくなるこ
とが示される。
【0032】また、シリコンオイル自体の添加量は1(p
hr)と非常に少ない。従って、シリコンポリマーを添加
することで、シリコンオイル自体の添加量を低い値に保
ちつつ摩擦係数が小さくなっている。なお、シリコンオ
イルの添加量が20phrを超えると、分散性が悪くな
る。
【0033】更に、上記粘度50万(cs)以上のシリコン
ポリマーをシリコンA、上記粘度10(cs)のシリコンオ
イルをシリコンBとして、シリコンA,Bをそれぞれ5
(phr)ずつブレンドしたゴム組成物を加硫し、ゴム材料
のシートを製造した。
【0034】その後、この試料における静摩擦係数の経
時変化を調べた。その結果を図5に示す。なお、特性比
較のため、基本配合にシリコンAを単独配合した試料、
及び基本配合にシリコンBを単独配合した試料における
静摩擦係数の経時変化を図5に併せて示す。
【0035】また、シリコンBを単独添加して得られる
試料と、シリコンA,Bのブレンドにおける試料のブリ
ード量を調べた。なお、この試験では検査対象となる2
mmシートを20×100mmの大きさで打ち抜いたサ
ンプルを使用し、所定日数経過後にブリードしたシリコ
ンオイルをふき取った後の重量と初期重量との重量変化
を調べた。更に、この重量変化から単位表面積当たりの
ブリード重量(g/100cm2)を求めて、この値を比較する
ものとした。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】 経過日数 3日 1カ月 シリコンB単独使用ゴム 12 30 シリコンA,Bをブレンドしたゴム 15 35 図5及び表2に示されるように、シリコンポリマー(シ
リコンA)をゴムに配合することにより、シリコンオイ
ルのブリード性が促進されている。また、図5に示され
るように、シリコンオイル(シリコンB)を単独使用し
た試料とシリコンA,Bをブレンドした試料とを比較す
ると、シリコンA,Bをブレンドした試料の静摩擦係数
は初期の状態から非常に低く保っている。このことか
ら、シリコンオイルのブリードがごく少量でも摩擦抵抗
を下げる効果があるといえる。
【0037】次に、粘度10,000(cs)のシリコンオイルを
シリコンCとし、上記基本配合に対してシリコンBを単
独で5phr配合したゴム組成物、シリコンBとCとを5p
hrずつ配合したゴム組成物、シリコンA,B,Cを5ph
rずつ配合したゴム組成物からなるシートをそれぞれ製
造し、面圧と静摩擦係数との相関を調べた。その結果を
図6に示す。
【0038】この図に示されるように、シリコンBを単
独配合した試料は、静摩擦係数の初期値は一番低いが、
面圧が大きくなるにつれて静摩擦係数が大きくなり、面
圧が約100(g/mm2)を超えると、静摩擦係数は最も大きく
なってしまう。
【0039】これに対し、粘度の異なるシリコンを複数
種配合した試料は、面圧が大きくなっても静摩擦係数が
低く抑えられる。特に、3種のシリコンを配合した試料
は、面圧が大きくなるにつれて静摩擦係数が小さくなる
という、他の試料にはみられない顕著な特性を有する。
【0040】次に、上記基本組成に対するシリコンA,
Bの添加量を一定(それぞれ5phr)としてシリコンC
の添加量を変化させ、高面圧時[150(g/mm2)]におけるシ
リコンCの添加量と静摩擦係数との相関を調べた。その
結果を図7に示す。
【0041】図7に示されるように、シリコンCを1ph
r添加した時点で既に静摩擦係数が低くなるという効果
が現れており、添加量を5phr以上とすると、静摩擦係
数は1μsより低めの値で安定する。
【0042】添加量が20phr以上となると混練性が低
下するので、ゴムの常態物性が著しく低下する。更に、
添加量が10phrを超えるとロールの巻付性が悪くなる
うえ静摩擦係数は殆ど変わらないので、シリコンCの添
加量は1〜10phr程度とすることが好ましい。
【0043】また、上記基本配合にシリコンBを5phr
単独添加したゴム組成物、シリコンB,Cをそれぞれ5
phrずつ添加したゴム組成物、及びシリコンA,B,C
をそれぞれ5phrずつ添加したゴム組成物からなるシー
トをそれぞれ製造し、各試料における初期摩擦係数とサ
ンシャインウェザーメーターに200時間かけた後にお
ける摩擦係数とを測定し、耐候性を試験した。この試験
によってシリコンのブリードアウトの経時促進性を調べ
ることができる。その結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】この表に示されるように、粘度50万(cs)
以上のシリコンポリマーであるシリコンAを加えること
で、静摩擦係数の初期値は1.2と比較的低い値となるう
え、サンシャインウェザーメーターに200時間かけた
後の静摩擦係数は0.6となり、初期値の半分の値になっ
ている。
【0046】このように、シリコンAを加えることで、
静摩擦係数が小さくなると共に優れた耐候性も得られ
る。シリコンAを配合しない場合、μsの200時間経
時値が高くなるか、または静摩擦係数が大きい値になっ
てしまう。
【0047】更に、上記基本配合に添加するシリコン
A,B,Cの配合比を変えて、実施例1〜5、比較例1
〜4の各ゴム組成物からなるシートを製造した。なお、
実施例1〜5の試料にはシリコンAとBとが必ず配合さ
れており、実施例4、5には更にシリコンCが配合され
ている。
【0048】これら各ゴム組成物からなる試料における
シリコン1〜3の配合比を表3に示す。また、各試料に
対してブリード試験、静摩擦係数測定試験、耐ふき取り
性試験、耐候性試験を行った。その試験結果も併せて表
4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】まず、初期ブリード量と1カ月経時後のブ
リード量とを調べた。ブリード量は、2mmシートを2
0×100mmの大きさで打ち抜いたサンプルを使用
し、初期重量からブリードオイル拭き取り後の重量を差
し引いた重量変化量から単位表面積(100cm2)当たりの重
量(g)を算出した。
【0051】表4に示されるように、実施例1〜5の各
試料においては、いずれも初期ブリード量、1カ月経過
後のブリード量ともに十分なブリード量が確保されてい
る。これに対し、比較例1、3の各試料はブリードアウ
トが認められない。シリコンAが配合されている比較例
2、4の各試料ではブリードは認められるものの、実施
例1〜5に比較するとその量は少ない。
【0052】また、実施例1〜5の試料はいずれも静摩
擦係数の値が小さく、かつ1カ月経過後の静摩擦係数
は、初期値よりも小さくなっている。比較例1〜4の各
試料はいずれも初期値が大きく、また1カ月経過の静摩
擦係数も比較的大きな値となっている。
【0053】次に、耐ふき取り性試験として、成形後1
週間経過した2mmシートサンプルを500gの荷重を
かけながら紙タオルで拭き取り、その前後の静摩擦係数
の変化を測定した。実施例1〜5の各試料は、いずれも
変化量は小さい。これに対し、比較例1〜4の各試料は
いずれも変化量が大きく、耐ふき取り性が比較的劣ると
認められる。
【0054】更に、耐候試験後(サンシャインウェザー
メーターで200時間)の静摩擦係数に関しても、実施
例1〜5の各試料においては1以下の良好な値が得られ
ているのに対し、比較例1〜4の各試料ではその値は最
低でも1.6であり、屋外にさらされた場合には摩擦力が
大きくなってしまうことが示される。
【0055】以上の結果から、シリコンA,つまり粘度
50万(cs)以上のシリコンポリマー(ゴム状シリコン)
を粘度10(cs)と小さいシリコンオイル(シリコンB)
と共に添加することで、初期及び経時後のすべり性が安
定することが示される。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
強負荷摺動や拭き取りに対しても摺動抵抗が低下しにく
いゴム組成物が提供される。また、ゴム組成物を加硫し
て得られるゴム材料表面のオイルブリード量がごく微量
であっても高い滑り性が確保され、更に、高荷重の下で
も高レベルの摺動特性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粘度50万(cs)以上のシリコンポリマーの配合
量と摩擦係数との相関を示すグラフ。
【図2】シリコンオイルの粘度に対する摩擦係数の相
関。
【図3】粘度10(cs)のシリコンポリマーの配合量と摩
擦係数との相関を示すグラフ。
【図4】シリコンA,Bの配合量と摩擦係数との相関を
示すグラフ。
【図5】摩擦係数の経時変化を示すグラフ。
【図6】各組成のゴム組成物における面圧と静摩擦係数
との相関を示すグラフ。
【図7】シリコンCの添加量と静摩擦係数との相関を示
すグラフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ゴム100重量部に対して、粘度が
    50万(cs)以上のシリコンポリマー1〜20重量部と、
    粘度が1〜1000(cs)のシリコンオイル1〜20重量
    部とを配合したことを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 原料ゴム100重量部に対して、粘度が
    50万CS以上のシリコンポリマー1〜20重量部と、
    粘度が1〜1000(cs)のシリコンオイル1〜20重量
    部と、粘度が1000〜10万(cs)のシリコンオイル1
    〜20重量部配合したことを特徴とするゴム組成物。
JP3343795A 1995-02-22 1995-02-22 ゴム組成物 Pending JPH08231774A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11310673A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Nishikawa Rubber Co Ltd カラーゴム組成物及び同組成物を用いたウエザーストリップ
JP2008056748A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Kinugawa Rubber Ind Co Ltd ゴム材料組成物,ゴム成形体,および自動車用ウェザーストリップ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11310673A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Nishikawa Rubber Co Ltd カラーゴム組成物及び同組成物を用いたウエザーストリップ
JP2008056748A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Kinugawa Rubber Ind Co Ltd ゴム材料組成物,ゴム成形体,および自動車用ウェザーストリップ

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