JPH08228795A - 糖鎖分析用試料の調製方法及び該試料を用いた診断方法 - Google Patents

糖鎖分析用試料の調製方法及び該試料を用いた診断方法

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JPH08228795A
JPH08228795A JP28372595A JP28372595A JPH08228795A JP H08228795 A JPH08228795 A JP H08228795A JP 28372595 A JP28372595 A JP 28372595A JP 28372595 A JP28372595 A JP 28372595A JP H08228795 A JPH08228795 A JP H08228795A
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sugar chain
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immunoglobulin
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JP28372595A
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English (en)
Inventor
Kanji Hagino
幹治 萩野
Emiko Ito
恵美子 伊藤
Hiroaki Nakagawa
裕章 中川
Reiko Takahashi
禮子 高橋
Yoshinori Tsukamoto
義則 塚本
Kichiya Kawamura
吉也 川村
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Nakano Vinegar Co Ltd
Original Assignee
Nakano Vinegar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 精製した免疫グロブリンGを加熱変性し
た後、該変性免疫グロブリンGにパパインとペプチド−
4 −(N−アセチル−β−グルコサミニル)アスパラ
ギンアミダーゼとシアリダーゼの3者を同時に加えてシ
アル酸を含まない糖鎖を切り出し、次いで、得られた糖
鎖を標識した後、アミノカラムを用いて精製することを
特徴とする糖鎖分析用試料の調製方法、及び前記方法に
より調製された試料の糖鎖組成変化に基づき疾患の診断
を行う方法。 【効果】 糖鎖分析用試料の簡易かつ迅速な調製手段を
提供するとともに、リウマチ等の疾患の精度の高い診断
方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、糖タンパク質中
に含まれる糖鎖の分析に用いる試料を調製する方法及び
その試料を用いて疾患の診断をする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、糖鎖に関する研究が、生化学、医
学の分野で盛んに行われており、生体内における糖鎖の
重要性、とりわけ疾患と糖鎖の関係の重要性が一層認識
されてきている。慢性関節リュウマチの例においては、
疾患により患者血清中の免疫グロブリンG糖鎖が変化す
ることが報告されており、今後さらに多くの疾患と糖鎖
変化の関係が明らかにされ、疾患の早期発見、治療のた
めに生体内糖タンパク質の糖鎖分析が利用されると予想
される。中でも血清中に最も多く存在する糖タンパク質
である免疫グロブリンGの糖鎖の分析は、数百マイクロ
リットルの血清から分析ができることから臨床検査への
応用が期待される。
【0003】糖タンパク質糖鎖の分析方法としては、糖
鎖に電荷を付加して電気泳動により各糖鎖を分離する方
法、各糖鎖をイオン交換カラム、ゲルろ過などで分離す
る方法、陰イオン交換カラムと電気検出器を組み合わ
せ、強アルカリ下における糖の還元力を利用した分析方
法等が行なわれているが、中でも、蛍光標識化した糖鎖
をODS−シリカカラムを用いて高速液体クロマトグラ
フィ(HPLC)で分析する方法は、1回の分析で、他
の方法に比べ多種類の糖鎖を分離できる点、また分離し
た糖鎖の量比を求められる点において非常に優れている
(S.Hase, T.Ikenaka & Y.Matsushima;J.Biochem., 90,
407-414(1981) ) ODS−シリカカラムを用いてHPLCにより糖タンパ
ク質中の糖鎖を分析する場合、その分析に用いる試料の
調製方法は、第1段階である糖タンパク質の精製、第2
段階である糖タンパク質からの糖鎖の切り出し、第3段
階である切り出した糖鎖の標識、第4段階である標識化
糖鎖の精製の4段階に分けられる。
【0004】<第1段階・糖タンパク質の精製>糖タン
パク質の精製は糖タンパク質の種類によって様々であ
り、また一つの糖タンパク質についてもいくつかの精製
方法が試みられている。免疫グロブリンGを例にとれ
ば、様々な精製方法が利用されているが、最も一般的な
方法はアフィニティークロマトグラフィーである。ま
た、アフィニティークロマトグラフィーの中でも、免疫
グロブリンGのFc領域に特異的に親和性を示す物質、
例えば、プロテインA、プロテインGなどを用いた方法
が広く行われている。この方法は、通常、プロテイン
A、プロテインG等と免疫グロブリンGとの結合をカラ
ム中で行い、夾雑物を洗浄した後、結合を解離させ精製
免疫グロブリンGを得るものである。しかし、このよう
にカラムを用いて精製を行った場合、操作方法が煩雑で
あり、精製に時間がかかり、また微量の試料を精製する
のが困難という欠点がある。
【0005】<第2段階・糖タンパク質からの糖鎖の切
り出し>精製した糖タンパク質から糖鎖を切り出す方法
として広く行われているのものには、酵素化学的に糖鎖
を切り出す方法(N.Takahashi, Biochemical and Bioph
ysical Research Communications, Vol76, No.4, 1194-
1200(1977))と、無水ヒドラジンにより、化学的に糖鎖
を遊離する方法(S.Takasaki,T.Mizuochi,A.Kobata,"Me
thods in Enzymology ",ed.by V.Ginsburg, Vol.83, p.
263, Academic Press, New York(1982))がある。酵素
を用いる方が、操作の容易さの点から熟練を必要としな
い。酵素を用いて糖鎖を切り出す方法としては、免疫グ
ロブリンGを何らかの変性剤、熱処理等により変性させ
るか、もしくは適当なタンパク分解酵素で処理した後
に、ペプチド-N4-(N-アセチル-β-グルコサミニル)
アスパラギンアミダーゼ(EC 3.5.1.52 )で糖鎖を切り
出すのが一般的である。また、化学的に糖鎖を遊離する
方法に関しては、近年無水ヒドラジンによる糖鎖の遊離
を行う装置が市販されており、それらを利用することも
できるが、短時間で糖鎖の遊離を行うことはできない。
【0006】<第3段階・切り出した糖鎖の標識>切り
出した糖鎖を標識する方法としては、標識後の分析方
法、検出方法によって様々であるが、一般的な方法とし
ては、2−アミノピリジンに代表される蛍光物質で蛍光
標識する方法(S.Hase,T.Ikenaka,Y.Matsushima,Bioche
m.Biophys.Res.Communs., 85,257-263(1978) )と、ト
リチウムラベルで放射線標識する方法が多く用いられて
いる。2−アミノピリジンで蛍光標識する方法は、取り
扱いやすい試薬であること、HPLCで検出しやすいと
いう利点があり、トリチウムラベルで放射線標識する方
法は、検出感度は良いが放射線物質を使用するため十分
な注意が必要であるという難点をもつ。
【0007】<第4段階・標識化糖鎖の精製>蛍光標識
した糖鎖をHPLCで分析するには、標識後の反応液中
より未反応の2−アミノピリジン等の夾雑物を除き、該
標識化糖鎖を精製することが必要である。一般には、該
標識化糖鎖と夾雑物の分子量の差を利用してゲル濾過を
行い、夾雑物を除去する。しかしながら、この方法は器
具を多く用いる点と、操作に多くの時間を要する点か
ら、多数の試料を短時間に処理するのは困難である。ま
た、簡易な方法として共沸により夾雑物を留去する方法
も試みられているが、十分に夾雑物を除去するのは難し
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように糖鎖分析用
試料の調製には煩雑な操作と多くの時間を要する。一般
的には6日間という長時間を要しているのが現状であ
る。本発明の目的は、このような分析試料の調製に伴う
問題を解決し、簡易な操作で、短時間で試料を調製でき
る方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、糖鎖分析
に用いる試料の調製方法について鋭意検討した結果、糖
鎖を切り出す段階でタンパク質分解酵素と糖鎖遊離酵素
を同時に作用させることにより、切り出しに要する時間
を短縮化できることを見出した。また、糖鎖を精製する
段階で、後述するアミノカラムを用いることにより精製
操作の簡略化、精製時間の短縮化等を図ることができる
のを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明の第1は、糖タンパク質から
糖鎖を切り出し、該糖鎖を標識した後精製して糖鎖分析
用試料を調製する方法において、糖タンパク質に、タン
パク質分解酵素と糖鎖遊離酵素を同時に又は間隔をおか
ずに加えて糖鎖を切り出すことを特徴とする糖鎖分析用
試料の調製方法である。本発明の第2は、糖タンパク質
から糖鎖を切り出し、該糖鎖を標識した後精製して糖鎖
分析用試料を調製する方法において、糖タンパク質に、
タンパク質分解酵素、糖鎖遊離酵素及びシアリダーゼの
3者を同時に又は間隔をおかずに加えて糖タンパク質か
らシアル酸を含まない糖鎖を切り出すことを特徴とする
糖鎖分析用試料の調製方法である。
【0011】本発明の第3は、糖タンパク質から糖鎖を
切り出し、該糖鎖を標識した後精製して糖鎖分析用試料
を調製する方法において、標識した糖鎖をアミノカラム
を用いて精製することを特徴とする糖鎖分析用試料の調
製方法である。本発明の第4は、精製した免疫グロブリ
ンGから糖鎖を切り出し、該糖鎖を標識した後精製して
糖鎖分析用試料を調製する方法において、免疫グロブリ
ンGを精製するときに、免疫グロブリンGを免疫グロブ
リンGと親和性のある吸着材に結合させ、その後、該吸
着材に結合させたまま免疫グロブリンGから糖鎖の切り
出しを行うことを特徴とする免疫グロブリンGの糖鎖分
析用試料の調製方法である。
【0012】本発明の第5は、上記の方法で調製された
試料を、ODS−シリカカラムを用いた高速液体クロマ
トグラフィーで分析し、試料の糖鎖組成を求めることに
より、糖鎖組成変化に基づき疾患の診断を行うことを特
徴とする疾患の診断方法である。以下、本発明の詳細を
説明する。 <糖タンパク質の精製>本発明に用いる糖タンパク質
は、糖とタンパク質が結合した糖タンパク質であれば特
に限定されないが、免疫グロブリンG、フィブリノーゲ
ン、オボアルブミン等を用いるのが好ましい。また、こ
れらの中でも免疫グロブリンGを特に好ましい糖タンパ
ク質として挙げることができる。本発明では、糖タンパ
ク質を精製して用いるのが好ましいが、精製手段は必須
ではなく、血清などの複数の糖タンパク質を含む未精製
物から直接糖鎖を切り出すことも可能である。
【0013】本発明における糖タンパク質の精製手段
は、特別な方法を用いる必要はなく、アフィニティーク
ロマトグラフィー等の糖タンパク質の精製に常用される
手段を適用することができる。但し、糖タンパク質とし
て免疫グロブリンGを用いる場合には、後述する糖鎖の
切り出し手段との関係で免疫グロブリンGと親和性のあ
る吸着材を結合させて精製することが好ましい。血清か
ら免疫グロブリンGを精製する具体的な方法を以下に示
す。まず、メンブレンフィルターを有する小型の容器
(例えばミリポア社ウルトラフリー)内で免疫グロブリ
ンGとプロテインGの結合を行う。プロテインGの代わ
りにプロテインAを使用することもできるが、プロテイ
ンGの方がプロテインAよりも免疫グロブリンGに対し
て結合特異性が高いので、プロテインGを用いる方が好
ましい。メンブレンフィルターで濾過することにより、
プロテインGに結合していない夾雑物は除去されること
となり、プロテインGに結合した免疫グロブリンGのみ
を得ることができる。また、糖タンパク質としてフィブ
リノーゲンを用いる場合には、血清から分離した血漿
を、リジンセファロースアフィニティークロマトグラフ
ィーやゼラチンセファロースアフィニティークロマトグ
ラフィーなどを用いて精製することができ、オボアルブ
ミンを用いる場合は、卵白を硫安で塩析した後、結晶化
により精製することができる。なお、血清は血液より遠
心分離して得ることができる。
【0014】<糖タンパク質からの糖鎖の切り出し>本
発明では、糖タンパク質から糖鎖を切り出す際に、糖タ
ンパク質にタンパク質分解酵素と糖鎖遊離酵素を同時に
又は間隔をおかずに加えて作用させることが好ましい。
また、シアル酸を含まない糖鎖の分析を行う場合には、
タンパク質分解酵素、糖鎖遊離酵素、シアリダーゼの3
者を同時に又は間隔をおかずに加えて作用させることが
好ましい。ここで「間隔をおかずに加える」とは、最初
に加える酵素から最後に加える酵素までの間隔が3時間
以内、好ましくは1時間以内であることをいう。加える
酵素の順序は、原則として任意であるが、糖鎖遊離酵素
は、タンパク質分解酵素と同時か又はタンパク質分解酵
素より後に加えた方が良い。酵素を加える時期は、可能
な限り同時に加えることが望ましい。酵素を同時に加え
て作用させた場合には、切り出される糖鎖の収率が向上
するなどの利点がある。
【0015】本発明に用いるタンパク質分解酵素は、タ
ンパク質を分解し、糖鎖の切り出しに好適な条件を作り
だせるものであれば特に限定されないが、パパイン、ト
リプシン、キモトリプシン等を用いるのが好ましい。ま
た、これらの中でもパパインを特に好ましい酵素として
挙げることができる。本発明に用いる糖鎖遊離酵素は、
糖タンパク質から糖鎖を切り出すことができるものであ
れば特に限定されないが、ペプチド−N4 −(N−アセ
チル−β−グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼを
使用することができ、具体的には該酵素に含まれるペプ
チド−N4 −(N−アセチル−β−グルコサミニル)ア
スパラギンアミダーゼ F(以下、「PNGase
F」という)又はグリコアミダーゼ Aを使用すること
ができる。また、これらの中でもPNGase Fが特
に好ましい酵素として挙げることができる。
【0016】タンパク質分解酵素としてパパイン、トリ
プシン又はキモトリプシンを用い、糖鎖遊離酵素として
グリコアミダーゼ Aを用いた場合の糖鎖の切り出しは
以下のように行うことができる。前記パパイン等とグリ
コアミダーゼ Aの至適pHは異なるため、まず、pH
を中性付近に調整し、糖タンパク質にタンパク質分解酵
素を加えて作用させた後、直ちに、反応液のpHを4〜
6に調整してグリコアミダーゼ Aを加えて作用させ
る。
【0017】タンパク質分解酵素としてパパイン、トリ
プシン又はキモトリプシンを用い、糖鎖遊離酵素として
PNGase Fを用いた場合の糖鎖の切り出しは以下
のように行うことができる。前記パパイン等とPNGa
se Fの至適pHはともに中性付近なので、糖タンパ
ク質にタンパク質分解酵素と糖鎖遊離酵素を同時に加え
て作用させる。このときPNGase Fの添加と同時
にキレート剤を添加する。
【0018】シアリダーゼとしては、糖鎖末端よりシア
ル酸を遊離する加水分解酵素を用いることができ、一般
的にはシアリダーゼ(EC 3.2.1.18 )と呼ばれている酵
素を使用することができる。シアリダーゼを用いてシア
ル酸を含まない糖鎖の切り出しをする方法としては、グ
リコアミダーゼ Aを用いる場合にはシアリダーゼをタ
ンパク質分解酵素と同時に添加して作用させればよく、
またPNGase Fを用いる場合には、タンパク質分
解酵素とPNGase Fとシアリダーゼの3者を同時
に添加し作用させればよい。
【0019】本発明は、酵素を同時又は間隔をおかずに
加えて作用させることにより、従来法に比べ、糖鎖の切
り出しに要する時間を短縮することができる。本発明の
態様によっては、従来法では15時間程度要したものを
30分程度に短縮することができる。本発明では、糖鎖
を切り出す前に、糖タンパク質を変性させておくことが
好ましい。変性手段は、変性剤による処理、加熱処理な
ど、タンパク質の変性に常用されるいずれの手段でもよ
いが、特に加熱処理によって変性させることが好まし
い。加熱処理は、例えば、反応液のpHを6〜8に調整
し、5〜30mMの2−メルカプトエタノールの存在下
で70℃〜90℃、10〜30分の条件で行うことでき
る。
【0020】糖タンパク質として免疫グロブリンGを用
い、糖タンパク質の精製段階で免疫グロブリンGと親和
性のある吸着材を結合させて精製した場合には、糖鎖の
切り出し段階で、前記吸着材に免疫グロブリンGを結合
させたまま、糖鎖の切り出しを行うのが好ましい。従来
法では、吸着材と結合させた免疫グロブリンGを適当な
条件で吸着材から解離させて、その後糖鎖の切り出しを
行っていたが、本発明のように吸着材と結合させたまま
糖鎖を切り出すことにより、操作を簡略化することがで
きる。
【0021】<切り出した糖鎖の標識>切り出された糖
鎖は蛍光物質で標識することが好ましい。標識方法は、
特に限定されないが、2−アミノピリジン塩酸溶液を蛍
光標識剤として、水素化シアノホウ素ナトリウムを還元
剤として使用する方法(S.Hase, T.Ibuki, T.Ikenaka,
J.Biochem, Vol.95, 197-203(1984))が好ましい。但
し、本発明においては、蛍光標識前に試料中の水を除く
ことは必須ではない。即ち、場合によっては、目的の糖
鎖の組成にほとんど影響を与えないため水を除去する操
作を省略でき、調製時間の短縮化が図れる。また、還元
剤としては上記の還元剤の他に、非毒物指定であるボラ
ン−N,N−ジエチルアニリンコンプレックス(C65
N(C25 2・BH3)、ボラン−ピリジンコンプレッ
クス(C55N・BH3)などが利用でき、これらの還
元剤を用いた場合には、毒物指定である水素化シアノホ
ウ素ナトリウム(NaBH3CN)に比較し、安全性が
高く、用事調製が必要でない等の試薬の調製が容易であ
るという、大きな利点がある。
【0022】<標識化糖鎖の精製>本発明では、アミノ
カラムを用いて蛍光標識化した糖鎖を精製することが好
ましい。本発明におけるアミノカラムとは、アミノ基を
表面にもつ樹脂を担体にしたものを、小型のカラム状容
器に詰めたものを指す。このアミノカラムは、担体表面
のアミノ基と糖鎖の水酸基を結合させ、非結合物である
夾雑物を除去し、そしてアミノ基と糖鎖の結合を解離す
ることにより、精製蛍光標識化糖鎖を得るものである。
従来よりアミノ基を表面にもつ樹脂を担体とするカラム
は、糖鎖を特異的に吸着することが知られており糖鎖の
分析に利用されてきたが、このようなカラムを用いた糖
鎖の精製の例はなかった。本発明では、アミノカラムを
用いることで、微量の蛍光標識化糖鎖を選択的に精製す
ることができる。その結果、微量の試料を従来法である
ゲル濾過法と殆ど同じレベルの高い精製度で精製するこ
とができる。また、アミノカラムを用いた精製法は、ゲ
ル濾過法に比べ、用いる器具、試薬が少ない点、操作方
法が簡単である点、また操作に要する時間が大幅に減少
できる点で有利である。
【0023】<糖鎖の分析>以上のように調製された糖
鎖分析用試料をHPLCなどの適当な分析方法で分析す
る。HPLCに用いるカラムとしては、ODS−シリカ
カラムが好ましいが、これに限定されるものではない。
HPLC分析の結果求められた試料の糖鎖組成は、リウ
マチなどの疾患の診断に利用することができる。
【0024】
【発明の実施の態様】以下、試験例及び実施例を用いて
本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明の技術的範
囲は、これらの試験例等に限定されるものではない。
【0025】
【試験例】
〔試験例1〕酵素処理前に加熱処理を行う条件(条件1
−1)と行わない条件(条件1−2)の2通りの条件
で、免疫グロブリンGから糖鎖を調製し、その糖鎖組成
をODS−カラムを用いたHPLCにより分析し、比較
した。 (方法) <ヒト血清からの免疫グロブリンGの精製>プロテイン
Gと血清10μlをメンブレンフィルター付き容器(ウ
ルトラフリー(商品名)、ミリポア社製)に入れて免疫
グロブリンGとプロテインGを結合させ、夾雑物を遠心
分離(6400rpm×10秒)により除去することに
より、プロテインGに結合した免疫グロブリンGを得
た。 <免疫グロブリンGからの糖鎖の切り出し>
【0026】条件1−1 プロテインGに結合した免疫グロブリンGをメンブレン
フィルター付き容器内で、2−メルカプトエタノールを
添加後、加熱処理(90℃、10分)して免疫グロブリ
ンGを変性させた。タンパク質分解酵素のパパイン(Si
gma 社製)、糖鎖遊離酵素のPNGase F(New En
gland Biolabs 社製)、シアル酸を除去するためのシア
リダーゼ(マルキン醤油社製)、PNGase Fの活
性保護のためのo−フェナンスロリンを加え、37℃、
30分間反応させることにより糖鎖を切り出した。
【0027】条件1−2 プロテインGに結合した免疫グロブリンGをメンブレン
フィルター付き容器内にいれ、上記のパパイン、PNG
ase F、シアリダーゼ、2−メルカプトエタノー
ル、o−フェナンスロリンを加え、37℃、30分間反
応させることにより糖鎖を切り出した。 <免疫グロブリンG糖鎖の蛍光標識>条件1−1または
条件1−2で得られた糖鎖を含む水溶液を乾固し、2−
アミノピリジン1gを500μlの濃塩酸に溶解した溶
液20μlを加え、10分間、90℃に保持した後、2
0mgの水素化シアノホウ素ナトリウムを12μlの水
に溶解した水溶液2μlを加え90℃で30分間反応さ
せた。 <蛍光標識化糖鎖の精製>2−アミノピリジン標識化糖
鎖をアミノ基を表面にもつ樹脂を担体にしたアミノカラ
ムにより精製した。 <糖鎖の分析>精製した2−アミノピリジン標識化糖鎖
をODS−シリカカラムを用いたHPLCで分析した。
【0028】(結果)図1が加熱処理したものであり、
図2が加熱処理をしなかったものである。これらの図に
示した分析パターンから、酵素処理前の加熱処理の有無
で、切り出される糖鎖の組成が異なることがわかる。ま
た、加熱処理をすることで全ての糖鎖を同じ確率で切り
出せることがわかる。上記の結果より、本発明の糖鎖分
析用試料の調製方法においては、酵素処理前に糖タンパ
ク質を加熱変性させることが好ましいのがわかる。
【0029】〔試験例2〕パパインとPNGase F
を同時に加えて作用させる条件(条件2−1)とそれぞ
れ別々に加えて作用させる条件(条件2−2)の2通り
の条件で免疫グロブリンGから糖鎖を調製し、その糖鎖
組成をODS−カラムを用いたHPLCにより分析し、
比較した。なお、実験に用いた器具、試薬等は特に示さ
ない限り試験例1と同じである。
【0030】(方法) <ヒト血清からの免疫グロブリンGの精製>試験例1と
同様に行った。 <免疫グロブリンGからの糖鎖の切り出し> 条件2−1 プロテインGに結合した免疫グロブリンGをメンブレン
フィルター付き容器内で、2−メルカプトエタノールを
添加後、加熱処理して免疫グロブリンGを変性させた。
パパイン、PNGase F、シアリダーゼ、o−フェ
ナンスロリンを同時に加え、37℃、30分間反応させ
ることにより糖鎖を切り出した。 条件2−2 プロテインGに結合した免疫グロブリンGをメンブレン
フィルター付き容器内で、2−メルカプトエタノールを
添加後、加熱処理して免疫グロブリンGを変性させた。
パパインを加え、37℃、8時間反応させた後、PNG
ase F、シアリダーゼ、o−フェナンスロリンを加
え、37℃、8時間反応させることにより糖鎖を切り出
した。 <免疫グロブリンG糖鎖の蛍光標識>試験例1と同様に
行った。 <蛍光標識化糖鎖の精製>試験例1と同様に行った。 <糖鎖の分析>試験例1と同様に行った。
【0031】(結果)図1がパパインとPNGase
Fを同時に加えたものである。パパインとPNGase
Fを別々に加えたものを示す図は特に示さないが、図
1とほぼ同じようなパターンを示した。しかし、表1に
示したようにパパインとPNGaseFを同時に作用さ
せた方が、別々に作用させた場合より切り出される糖鎖
の収率が2倍以上であることがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】上記の結果より、本発明の糖鎖分析用試料
の調製方法においては、タンパク質分解酵素と糖鎖遊離
酵素を同時に加えて作用させるのが好ましいことがわか
る。
【0034】〔試験例3〕糖蛋白質より糖鎖を切り出し
た後蛍光標識する操作において、蛍光標識剤を試料に添
加する前に試料中の水分を除去する条件(条件3−1)
と、除去しない条件(条件3−2)の2通りの条件で、
免疫グロブリンGから糖鎖を調製し、ODS−カラムを
用いたHPLC分析における糖鎖の糖鎖組成、収率を比
較した。なお、実験に用いた器具、試薬等は特に示さな
い限り試験例1と同じである。
【0035】(方法) <ヒト血清からの免疫グロブリンGの調製>試験例1と
同様に行った。 <免疫グロブリンGからの糖鎖の切り出し>試験例1と
同様に行った。 <免疫グロブリンG糖鎖の蛍光標識化> 条件3−1(水分を除去する条件) 切り出された糖鎖を含む水溶液を乾固し、2−アミノピ
リジン1gを500μ1の濃塩酸に溶解した溶液20μ
1を加え、10分間、90℃に保持した後、20mgの
水素化シアノホウ素ナトリウムを12μ1の水に溶解し
た水溶液2μ1を加え90℃で30分間反応させた。 条件3−2(水分を除去しない条件) 切り出された糖鎖を含む水溶液に直接、2−アミノピリ
ジン1gを500μ1の農塩酸に溶解した溶液20μ1
を加え、10分間、90℃に保持した後、20mgの水
素化シアノホウ素ナトリウムを12μ1の水に溶解した
水溶液2μ1を加え90℃で30分間反応させた。 <蛍光標識化糖鎖の精製>試験例1と同様に行った。 <糖鎖の分析>試験例1と同様に行った。
【0036】(結果)図3が蛍光標識前に試料中の水分
の除去をしたものの分析結果であり、図4が水分の除去
をしなかったものである。得られた糖鎖ピークの面積か
ら求めた収率は、水分の除去をしなかった条件は水分の
除去をした条件の63%であったが、これらの図に示す
ように、両条件において得られる糖鎖組成は同じであ
る。
【0037】〔試験例4〕免疫グロブリンG糖鎖の蛍光
標識の際の還元反応を、異なる数種の還元剤で行い、免
疫グロブリンGから糖鎖を調製し、ODS−カラムを用
いたHPLC分析における糖鎖の組成、収率を比較し
た。 <ヒト血清からの免疫グロブリンGの調製>試験例1と
同様に行った。 <免疫グロブリンGからの糖鎖の切り出し>試験例1と
同様に行った。 <免疫グロブリンG糖鎖の蛍光標識化> 条件4−1 切り出された糖鎖を含む水溶液を乾固し、2−アミノピ
リジン1gを500μ1の濃塩酸に溶解した溶液20μ
1を加え、10分間、90℃に保持した後、20mgの
水素化シアノホウ素ナトリウムを12μ1の水に溶解し
た水溶液2μ1を加え90℃で30分間反応させた。 条件4−2 条件4−1において、水素化シアノホウ素ナトリウム水
溶液を加える代わりにボラン−N,N−ジエチルアニリ
ンコンプレックス3μ1を加えて同様の反応を行った。 条件4−3 条件4−1において、水素化シアノホウ素ナトリウム水
溶液を加える代わりにボラン−ピリジンコンプレックス
13μ1を加えて同様の反応を行った。 <蛍光標識化糖鎖の精製>試験例1と同様に行った。 <糖鎖の分析>試験例1と同様に行った。
【0038】(結果)図5が還元剤に水素化シアノホウ
素ナトリウムを用いた場合の結果であり、図6、図7は
それぞれボラン−N,N−ジエチルアニリンコンプレッ
クス、ボラン−ピリジンコンプレックスを用いた場合の
結果である。いずれの還元剤を用いた場合も、得られる
糖鎖の組成、収率に大差ないことがわかる。このよう
に、水素化シアノホウ素ナトリウムの代わりに、安全で
且つ操作が容易であるボラン−N,N−ジエチルアニリ
ンコンプレックス、またはボラン−ピリジンコンプレッ
クスを使用することができる。
【0039】〔試験例5〕ゲル濾過法により精製する条
件(条件5−1)とアミノカラムにより精製する条件
(条件5−2)の2通りの条件で、免疫グロブリンGか
ら糖鎖を調製し、ODS−カラムを用いたHPLC分析
における夾雑物の量を比較した。なお、実験に用いた器
具、試薬等は特に示さない限り試験例1と同じである。
【0040】(方法) <ヒト血清からの免疫グロブリンGの精製>試験例1と
同様に行った。 <免疫グロブリンGからの糖鎖の切り出し>試験例1と
同様に行った。 <免疫グロブリンG糖鎖の蛍光標識>試験例1と同様に
行った。 <蛍光標識化糖鎖の精製> 条件5−1 2−アミノピリジン標識化糖鎖をゲル濾過法により精製
した。 条件5−2 2−アミノピリジン標識化糖鎖をアミノカラムにより精
製した。 <糖鎖の分析>試験例1と同様に行った。
【0041】(結果)図1はアミノカラムを用いた精製
方法で行ったものであり、図8はゲル濾過法で精製した
ものである。ゲル濾過法で精製した場合とアミノカラム
で精製した場合では、夾雑物の量はともに非常に少な
く、精製度合いは同程度である。しかし、アミノカラム
での精製方法は、前記したように操作が簡単で、操作時
間が短いという利点がある。
【0042】
【実施例】
〔実施例1〕ヒト血清から免疫グロブリンGを精製し、
免疫グロブリンGから切り出したシアル酸を含まない糖
鎖の組成を分析し、10検体の変動を測定した。
【0043】(方法) <ヒト血清からの免疫グロブリンGの精製>プロテイン
G結合アガロースゲル10μlと血清10μlをメンブ
レンフィルター付き容器(ウルトラフリー(商品名)、
ミリポア社製)に入れて、免疫グロブリンGとプロテイ
ンGを結合させ、夾雑物を遠心分離(6400rpm×
10秒)により除去することにより、プロテインGに結
合した免疫グロブリンG約0.1mgを得た。 <免疫グロブリンGからのシアル酸を含まない糖鎖の切
り出し>得られたプロテインGに結合した免疫グロブリ
ンG約0.1mgを上記メンブレンフィルター付き容器
内で、20mMトリエタノールアミン塩酸塩/NaOH
緩衝液(pH7)150μlと2−メルカプトエタノー
ルを20mMになるように添加後、加熱処理(90℃×
10分)し、免疫グロブリンGを加熱変性させた。その
後、プロテインGと結合したままの免疫グロブリンGに
パパイン(Sigma社製)を2.5U、PNGase F
(New England Biolabs 社製)を1400U、シアリダ
ーゼ(マルキン醤油社製)50mUを同時に添加した。
更にo−フェナンスロリンを250μMになるように加
え、酵素を37℃、30分間インキュベーターで反応さ
せることにより糖鎖を切り出した。
【0044】<免疫グロブリンG糖鎖の蛍光標識>得ら
れた糖鎖を含む水溶液を遠心濃縮乾固(1000rpm
×20分,50℃)し、2−アミノピリジン1gを50
0μlの濃塩酸に溶解した溶液20μlを加え、アルミ
ブロックヒーターで10分間、90℃に保持した後、2
0mgの水素化シアノホウ素ナトリウムを12μlの水
に溶解した水溶液2μlを加え、アルミブロックヒータ
ーで30分間、90℃に保ち糖鎖を蛍光標識した。 <蛍光標識化糖鎖の精製>得られた蛍光標識化糖鎖22
μlを15%アセトニトリル水溶液で1mlに希釈後、
500μlをミリポア社製Sep Pak NH2(商
品名)に吸着させた。15%アセトニトリル水溶液で夾
雑物を洗浄し、アセトニトリル/トリエチルアミン/酢
酸水溶液(pH7.3)で上記蛍光標識化糖鎖を溶出さ
せた。 <糖鎖の分析>溶出した蛍光標識化糖鎖をODS−シリ
カカラムによるHPLCで分析した。 (HPLCの分析条件) ・溶出液A:10mMリン酸ナトリウム水溶液pH3.
8 ・溶出液B:0.5%n−ブタノール/10mMリン酸
ナトリウム水溶液pH3.8 ・溶出条件:溶出液Bの濃度を分析開始から60分まで
に、20%(v/v)から50%(v/v)に上昇させ
る条件 ・カラム :Nakanopak ODS−A(6.0
φ×150mm) ・検出 :蛍光検出(励起波長:320nm、蛍光波
長:400nm)
【0045】(結果) ・1検体の分析用試料の調製に要した時間は2.5時間
であった。 ・図9に示したように、ヒト血清免疫グロブリンGの糖
鎖を11種類(A、B、C、D、E、F、G、H、M、
N、P)分離できた。これらの糖鎖は、N.Takahashi,
I.Ishii, H.Ishihara, M.Mori, S.Tejima, R.Jefferis,
S.Endo, Y.Arata; Biochem.,26,1137-1144(1987)に記
載されているものであり、その構造は、図18に示す通
りである。 ・表2に示すようにに10検体のODS−シリカカラム
による分析の各糖鎖のピーク面積の変動係数は10%以
内であった。
【0046】
【表2】
【0047】〔実施例2〕ヒト血漿フィブリノーゲンか
ら切り出したシアル酸を含む糖鎖の組成を分析した。 <ヒト血漿フィブリノーゲンからのシアル酸を含む糖鎖
の切り出し>Sigma 社製精製済みヒト血漿由来フィブリ
ノーゲン0.1mgをメンブレンフィルター付き容器内
(ウルトラフリー(商品名)、ミリポア社製)で、20
mMトリエタノールアミン塩酸塩/NaOH緩衝液(p
H7)150μlと2−メルカプトエタノールを20m
Mになるように添加後、加熱処理(90℃×10分)
し、フィブリノーゲンを加熱変性させた。その後CaC
2を10mMになるように加え、トリプシン(Sigma
社製)を400U及びキモトリプシン(Sigma 社製)を
8U、PNGase F(New England Biolabs 社製)
を2500U同時に添加した。更にo−フェナンスロリ
ンを250μMになるように加え、酵素を37℃、30
分間インキュベーターで反応させることにより糖鎖を切
り出した。
【0048】<フィブリノーゲン糖鎖の蛍光標識>得ら
れた糖鎖を含む水溶液を遠心濃縮乾固(1000rpm
×20分,50℃)し、2−アミノピリジン1gを50
0μlの濃塩酸に溶解した溶液20μlを加え、アルミ
ブロックヒーターで10分間、90℃に保持した後、2
0mgの水素化シアノホウ素ナトリウムを12μlの水
に溶解した水溶液2μlを加え、アルミブロックヒータ
ーで30分間、90℃に保ち糖鎖を蛍光標識した。 <蛍光標識化糖鎖の精製>実施例1と同様に行った。 <糖鎖の分析>実施例1と同様に行った。 (結果) ・1検体の分析用試料の調製に要した時間は2時間であ
った。 ・図10に示したように、フィブリノーゲンの糖鎖を分
離することができた。
【0049】〔実施例3〕オボアルブミンのから切り出
したシアル酸を含む糖鎖の組成を分析した。 <オボアルブミンからの糖鎖の切り出し>生化学工業社
製、精製済みオボアルブミン0.5mgをメンブレンフ
ィルター付き容器内(ウルトラフリー(商品名)、ミリ
ポア社製)で、20mMトリエタノールアミン塩酸塩/
NaOH緩衝液(pH7)150μlを加え、加熱処理
(90℃×10分)し、オボアルブミンを加熱変性させ
た。その後CaCl2を10mMになるように加え、ト
リプシン(Sigma 社製)を400U及びキモトリプシン
(Sigma 社製)を8U加え、酵素を37℃、30分間イ
ンキュベーターで反応させた。酵素反応終了後、直ちに
pH5に調整し、グリコペプチダーゼA(生化学工業社
製)を0.3mU添加し、酵素を37℃、30分間イン
キュベーターで反応させることにより糖鎖を切り出し
た。
【0050】<オボアルブミン糖鎖の蛍光標識>得られ
た糖鎖を含む水溶液を遠心濃縮乾固(1000rpm×
20分,50℃)し、2−アミノピリジン1gを500
μlの濃塩酸に溶解した溶液20μlを加え、アルミブ
ロックヒーターで10分間、90℃に保持した後、20
mgの水素化シアノホウ素ナトリウムを12μlの水に
溶解した水溶液2μlを加え、アルミブロックヒーター
で30分間、90℃に保ち糖鎖を蛍光標識した。 <蛍光標識化糖鎖の精製>実施例1と同様に行った。 <糖鎖の分析>実施例1と同様に行った。
【0051】(結果) ・1検体の分析用試料の調製に要した時間は2時間であ
った。 ・図11に示したように、オボアルブミンの11種類の
糖鎖(A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K)
の量比を分析できた。これらの糖鎖は、N.Tomiya, J.Aw
aya, M.Kurono, S.Endo, Y.Arata, N.Takahashi;Anal.B
iochem.,171,73-90(1988) に記載されているものであ
り、その構造は、図18に示す通りである。
【0052】〔実施例4〕ヒト血清から免疫グロブリン
Gを精製し、免疫グロブリンGから切り出したシアル酸
を含まない糖鎖の組成を分析した。 (方法) <ヒト血清からの免疫グロブリンGの精製>プロテイン
A結合アガロースゲル10μlと血清10μlをメンブ
レンフィルター付き容器(ウルトラフリー(商品名)、
ミリポア社製)に入れて、免疫グロブリンGとプロテイ
ンAを結合させ、夾雑物を遠心分離(6400rpm×
10秒)により除去することにより、プロテインAに結
合した免疫グロブリンG約0.1mgを得た。 <免疫グロブリンGからのシアル酸を含まない糖鎖の切
り出し>得られたプロテインAに結合した免疫グロブリ
ンG約0.1mgを上記メンブレンフィルター付き容器
内で、20mMトリエタノールアミン塩酸塩/NaOH
緩衝液(pH7)150μlと2−メルカプトエタノー
ルを20mMになるように添加後、加熱処理(90℃×
10分)し、免疫グロブリンGを加熱変性させる。その
後、プロテインAと結合したままの免疫グロブリンGに
パパイン(Sigma社製)を2.5U及び、PNGase
F(New England Biolabs 社製)を1400U同時に
添加した。更にo−フェナンスロリンを250μMにな
るように加え、酵素を37℃、30分間インキュベータ
ーで反応させることにより糖鎖を切り出した。
【0053】<免疫グロブリンG糖鎖の蛍光標識>得ら
れた糖鎖を含む水溶液を遠心濃縮乾固(1000rpm
×20分,50℃)し、2−アミノピリジン1gを50
0μlの濃塩酸に溶解した溶液20μlを加え、アルミ
ブロックヒーターで10分間、90℃に保持した後、2
0mgの水素化シアノホウ素ナトリウムを12μlの水
に溶解した水溶液2μlを加え、アルミブロックヒータ
ーで30分間、90℃に保ち糖鎖を蛍光標識した。 <蛍光標識化糖鎖の精製>得られた蛍光標識化糖鎖22
μlを15%アセトニトリル水溶液で1mlに希釈後、
500μlをミリポア社製Sep Pak NH2(商
品名)に吸着させた。15%アセトニトリル水溶液で夾
雑物を洗浄し、アセトニトリル/トリエチルアミン/酢
酸水溶液(pH7.3)で上記蛍光標識化糖鎖を溶出さ
せた。溶出した蛍光標識化糖鎖を遠心濃縮乾固し(10
00rpm×50分、50℃)、pH2に調整後アルミ
ブロックヒーター内で、30分間、90℃に保ち、糖鎖
非還元末端に結合しているシアル酸を除去した。 <糖鎖の分析>実施例1と同様に行った。
【0054】(結果) ・1検体の分析用試料の調製に要した時間は2.5時間
であった。 ・ヒト血清免疫グロブリンGのシアル酸を含まない糖鎖
を11種類(A、B、C、D、E、F、G、H、M、
N、P)分離できた。これらの糖鎖は、N.Takahashi,
I.Ishii, H.Ishihara, M.Mori, S.Tejima, R.Jefferis,
S.Endo, Y.Arata; Biochem.,26,1137-1144(1987)に記
載されているものであり、また、その構造は図18に示
す通りである。 ・図9に示したものとほとんど同様の糖鎖の分析パター
ンが得られた。
【0055】〔実施例5〕ヒト血清中に含まれる糖タン
パク質から切り出したシアル酸を含む糖鎖の組成を分析
した。 <ヒト血清中に含まれる糖タンパク質からのシアル酸を
含む糖鎖の切り出し>ヒト血清10μlをメンブレンフ
ィルター付き容器内(ウルトラフリー(商品名)、ミリ
ポア社製)で、20mMトリエタノールアミン塩酸塩/
NaOH緩衝液(pH7)150μlと2−メルカプト
エタノールを20mMになるように添加後、加熱処理
(90℃×10分)し、血清中に含まれる糖タンパク質
を加熱変性させた。その後CaCl2を10mMになる
ように加え、トリプシン(Sigma社製)を400U、P
NGase F(New England Biolabs 社製)を250
0U同時に添加した。更にo−フェナンスロリンを25
0μMになるように加え、酵素を37℃、30分間イン
キュベーターで反応させることにより糖鎖を切り出し
た。 <血清中に含まれる糖鎖の蛍光標識>得られた糖鎖を含
む水溶液を遠心濃縮乾固(1000rpm×20分,5
0℃)し、2−アミノピリジン1gを500μlの濃塩
酸に溶解した溶液20μlを加え、アルミブロックヒー
ターで10分間、90℃に保持した後、20mgの水素
化シアノホウ素ナトリウムを12μlの水に溶解した水
溶液2μlを加え、アルミブロックヒーターで30分
間、90℃に保ち糖鎖を蛍光標識した。 <蛍光標識化糖鎖の精製>実施例1と同様に行った。 <糖鎖の分析>実施例1と同様に行った。
【0056】(結果) ・1検体の糖鎖分析用試料の調製に要した時間は2時間
であった。 ・図12に示したように、血清より糖タンパク質を精製
せずに、血清中のシアル酸を含む糖鎖を分離することが
できた。
【0057】〔実施例6〕ヒト血清から免疫グロブリン
Gを精製し、免疫グロブリンGから切り出した糖鎖の組
成分析を、数種の異なるODS−カラムで分析し、各カ
ラムにおける分析時間、分析条件の比較をした。 (方法) <ヒト血清からの免疫グロブリンGの精製>実施例1と
同様に行った。 <免疫グロブリンGからのシアル酸を含まない糖鎖の切
り出し>実施例1と同様に行った。 <免疫グロブリンG糖鎖の蛍光標識>実施例1と同様に
行った。 <蛍光標識化糖鎖の精製>実施例1と同様に行った。 <糖鎖の分析>精製した蛍光標識化糖鎖をODS−シリ
カカラムによるHPLCで分析した。
【0058】(HPLCの分析条件) 条件1 ・溶出液A:10mMリン酸ナトリウム水溶液pH3.
8 ・溶出液B:0.5%n−ブタノール/10mMリン酸
ナトリウム水溶液pH3.8 ・溶出条件:溶出液Bの濃度を分析開始から60分まで
に、20%(v/v)から50%(v/v)に上昇させ
る条件 ・カラム :Nakanopak ODS−A(6.0
φ×150mm) ・検出 :蛍光検出(励起波長:320nM、蛍光波
長:400mM) 条件2 ・溶出条件:溶出液Bの濃度を分析開始から30分まで
に、0%(v/v)から30%(v/v)に上昇させる
条件 ・カラム :Wakosil−II 3C18 HG
(4.6φ×50mm) ・その他の条件は条件1と同じ条件 条件3 ・溶出条件:溶出液Bの濃度を分析開始から30分まで
に、0%(v/v)から50%(v/v)に上昇させる
条件 ・カラム :TSK−GEL SUPER ODS
(4.6φ×50mm) ・その他の条件は条件1と同じ条件
【0059】(結果) ・図13、図14、図15はそれぞれNakanopa
k ODS−A(株式会社 アジノキ製)、Wakos
il−II 3C18 HG(和光純薬工業株式会社
製)、TSK−GEL SUPER ODS(東ソー株
式会社製)で分析した結果である。 ・得られた各糖鎖ピーク面積は各条件間で5%以内の誤
差であり、カラムの違いによって得られる糖鎖組成に変
化はなかった。
【0060】
【表3】
【0061】・表3より糖鎖分析用試料調製後の糖鎖組
成分析に要する時間はカラムの種類、分析条件によって
異なる、即ち、カラム及び分析条件を変えることによ
り、分析時間を短縮することができる。
【0062】〔実施例7〕リュウマチ患者と健常人の血
清より免疫グロブリンGを精製し、それぞれの免疫グロ
ブリンG糖鎖の組成を分析し、比較した。 (方法) <ヒト血清からの免疫グロブリンGの精製>プロテイン
G結合アガロースゲル10μ1とリュウマチ患者及び、
健常人より得た血清10μ1をメンブレンフィルター付
き容器(ウルトラフリー(商品名)、ミリポア社製)に
それぞれ入れて、免疫グロブリンGとプロテインGを結
合させ、夾雑物を遠心分離(6400rpm×10秒)
により除去することにより、リュウマチ患者及び健常人
のプロテインGに結合した免疫グロブリンG薬0.1m
gをそれぞれ得た。 <免疫グロブリンGからのシアル酸を含まない糖鎖の切
り出し>実施例1と同様に行った。 <免疫グロブリンG糖鎖の蛍光標識>実施例1と同様に
行った。 <蛍光標識化糖鎖の精製>実施例1と同様に行った。 <糖鎖の分析>実施例1と同様に行った。
【0063】(結果) ・図16がリュウマチ患者の血清免疫グロブリンG糖鎖
組成を示す図であり、図17が健常人のものである。ま
た、図中のそれぞれのピークの糖鎖構造は図18の通り
である。 ・表4にそれぞれのピーク面積が全体のピーク面積に占
める割合を示し、リュウマチ患者と、健常人の間で比較
した。 ・図16、図17、表4から明らかなようにリュウマチ
患者と健常人では血清免疫グロブリンG糖鎖組成に明確
な違いが認められる。従来よりいわれているように、リ
ュウマチ患者においてEで示す糖鎖の割合がHで示す糖
鎖の割合に比べて大きくなっていることが、本発明にお
ける方法を用いた糖鎖組成分析においても明らかとなっ
ている。
【0064】
【表4】
【0065】上記実施例が示すように、本発明では、糖
鎖分析用試料の調製を、従来の約6日間に比べ約3時間
という短時間で行え、しかも煩雑な操作、複雑の器具を
必要とせず、用いる試料も糖鎖含量として0.5〜10
0nmolという微量でよいという特徴と持つ。そし
て、実施例におけるリュウマチ患者と健常人との糖鎖組
成の変化でも示したように、該糖鎖分析用試料の調製法
は糖鎖構造変化に基づく疾患の診断に利用でき、臨床検
査への応用が期待される。また、本発明である糖鎖分析
用試料の調製方法は、短時間で行え、操作が容易な点か
ら装置化、さらに自動化することが十分可能である。
【0066】
【発明の効果】本発明は、従来煩雑な操作を伴い、長時
間を要していた糖鎖分析用試料の調製を短時間で簡易な
操作で行うことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法に従って調製された試料の分析
パターンを示す図である。
【図2】 糖鎖切り出し前に加熱処理をしなかった場合
の試料の分析パターンを示す図である。
【図3】 蛍光標識前に試料中の水分除去をした場合の
試料の分析パターンを示す図である。
【図4】 蛍光標識前に試料中の水分除去をしなかった
場合の試料の分析パターンを示す図である。
【図5】 還元剤に水素化シアノホウ素ナトリウムを用
いた場合の試料の分析パターンを示す図である。
【図6】 還元剤にボラン−N,N−ジエチルアニリン
コンプレックスを用いた場合の試料の分析パターンを示
す図である。
【図7】 還元剤にボラン−ピリジンコンプレックスを
用いた場合の試料の分析パターンを示す図である。
【図8】 ゲル濾過法により精製した場合の試料の分析
パターンを示す図である。
【図9】 糖タンパク質として免疫グロブリンGを用い
た場合の試料の分析パターンを示す図である。
【図10】 糖タンパク質としてフィブリノーゲンを用
いた場合の試料の分析パターンを示す図である。
【図11】 糖タンパク質としてオボアルブミンを用い
た場合の試料の分析パターンを示す図である。
【図12】 糖タンパク質として血清中に含まれる糖タ
ンパク質を用いた場合の試料の分析パターンを示す図で
ある。
【図13】 Nakanopak ODS−Aを用いた
場合の試料の分析パターンを示す図である。
【図14】 Wakosil−II 3C18 HGを用
いた場合の試料の分析パターンを示す図である。
【図15】 TSK−GEL SUPER ODSを用
いた場合の試料の分析パターンを示す図である。
【図16】 リュウマチ患者の血清免疫グロブリンG糖
鎖組成を示す図である。
【図17】 健常人の血清免疫グロブリンG糖鎖組成を
示す図である。
【図18】 本発明の方法に従って調製された試料中に
含まれる糖鎖の構造を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 塚本 義則 愛知県半田市清城町3−3−23 (72)発明者 川村 吉也 愛知県江南市古知野町古渡132

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖タンパク質から糖鎖を切り出し、該糖
    鎖を標識した後精製して糖鎖分析用試料を調製する方法
    において、糖タンパク質に、タンパク質分解酵素と糖鎖
    遊離酵素を同時に又は間隔をおかずに加えて糖鎖を切り
    出すことを特徴とする糖鎖分析用試料の調製方法。
  2. 【請求項2】 糖タンパク質から糖鎖を切り出し、該糖
    鎖を標識した後精製して糖鎖分析用試料を調製する方法
    において、糖タンパク質に、タンパク質分解酵素、糖鎖
    遊離酵素及びシアリダーゼの3者を同時に又は間隔をお
    かずに加えて糖タンパク質からシアル酸を含まない糖鎖
    を切り出すことを特徴とする糖鎖分析用試料の調製方
    法。
  3. 【請求項3】 糖タンパク質から糖鎖を切り出し、該糖
    鎖を標識した後精製して糖鎖分析用試料を調製する方法
    において、標識した糖鎖をアミノカラムを用いて精製す
    ることを特徴とする糖鎖分析用試料の調製方法。
  4. 【請求項4】 糖タンパク質を加熱変性させた後に糖鎖
    を切り出すことを特徴とする請求項1又は2記載の糖鎖
    分析用試料の調製方法。
  5. 【請求項5】 タンパク質分解酵素が、パパイン、トリ
    プシン、及びキモトリプシンよりなる群から選ばれる少
    なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の糖鎖分析用試料の調製方法。
  6. 【請求項6】 糖鎖遊離酵素が、ペプチド−N4 −(N
    −アセチル−β−グルコサミニル)アスパラギンアミダ
    ーゼであることを特徴とする請求項1又は2記載の糖鎖
    分析用試料の調製方法。
  7. 【請求項7】 糖タンパク質が、免疫グロブリンG、フ
    ィブリノーゲン、オボアルブミン、又は血清であること
    を特徴とする請求項1〜3記載の糖鎖分析用試料の調製
    方法。
  8. 【請求項8】 精製した免疫グロブリンGから糖鎖を切
    り出し、該糖鎖を標識した後精製して糖鎖分析用試料を
    調製する方法において、免疫グロブリンGを精製すると
    きに、免疫グロブリンGを免疫グロブリンGと親和性の
    ある吸着材に結合させ、その後、該吸着材に結合させた
    まま免疫グロブリンGから糖鎖の切り出しを行うことを
    特徴とする免疫グロブリンGの糖鎖分析用試料の調製方
    法。
  9. 【請求項9】 免疫グロブリンGと親和性のある吸着材
    が、プロテインG又はプロテインAであることを特徴と
    する請求項8記載の免疫グロブリンGの糖鎖分析用試料
    の調製方法。
  10. 【請求項10】 精製した免疫グロブリンGを加熱変性
    した後、該変性免疫グロブリンGにパパインとペプチド
    −N4 −(N−アセチル−β−グルコサミニル)アスパ
    ラギンアミダーゼを同時に加えて糖鎖を切り出し、次い
    で、得られた糖鎖を標識した後、アミノカラムを用いて
    精製することを特徴とする糖鎖分析用試料の調製方法。
  11. 【請求項11】 精製した免疫グロブリンGを加熱変性
    した後、該変性免疫グロブリンGにパパインとペプチド
    −N4 −(N−アセチル−β−グルコサミニル)アスパ
    ラギンアミダーゼとシアリダーゼの3者を同時に加えて
    シアル酸を含まない糖鎖を切り出し、次いで、得られた
    糖鎖を標識した後、アミノカラムを用いて精製すること
    を特徴とする糖鎖分析用試料の調製方法。
  12. 【請求項12】 請求項10もしくは、請求項11記載
    の糖鎖分析用試料の調製方法を用いて調製した試料を、
    ODS−シリカカラムを用いた高速液体クロマトグラフ
    ィーで分析し、試料の糖鎖組成を求めることにより、糖
    鎖組成変化に基づき疾患の診断を行うことを特徴とする
    疾患の診断方法。
  13. 【請求項13】 疾患がリウマチであることを特徴とす
    る請求項12記載の疾患の診断方法。
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