JPH0822810B2 - 害虫駆除用担体及び害虫駆除方法 - Google Patents

害虫駆除用担体及び害虫駆除方法

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JPH0822810B2
JPH0822810B2 JP2233557A JP23355790A JPH0822810B2 JP H0822810 B2 JPH0822810 B2 JP H0822810B2 JP 2233557 A JP2233557 A JP 2233557A JP 23355790 A JP23355790 A JP 23355790A JP H0822810 B2 JPH0822810 B2 JP H0822810B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉> 本発明は菌の感染によって害虫を効果的に防除できる
害虫駆除用担体およびこれを用いてなる害虫駆除方法に
関する。
〈従来の技術〉 各種農作物や樹木に対して被害を与えるカミキリムシ
類やコガネムシ、コナジラミ類、ウンカ、コヨバイなど
にはボーベリア・テネラ(Beauveria tenella)などの
天敵糸状菌が存在し、これらの天敵糸状菌を用いた害虫
駆除方法が種々提案されている。
例えば、特公昭63−403号公報にはフスマ倍地で培養
した菌を培地と共に直接樹木に散布する方法が開示され
ている。しかし、この方法では菌が充分に培地成分を利
用できず休眠細胞に近い状態にあり、期待する殺虫効果
を発揮しない場合がある。また、散布による駆除方法の
ため樹木に付着し難く、殺虫効率が悪いものである。
このような欠点を解決するものとして、特開昭63−19
0807号公報には発泡体のような弾力性を有する担体に感
染用菌を培養したものが提案されている。しかし、上記
欠点は解決されるものの樹木等の不定形状表面には配置
しても充分に表面に密着せず、未だ問題を有するもので
ある。また、ボール紙等を担体とした場合、天然崩壊性
で好ましいが機械的強度に乏しく、使用中に破れるなど
の問題を有するものである。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は上記従来の技術が有する問題点を解決するた
めになされたものであって、効率よく害虫を駆除できる
担体およびそれを用いてなる害虫駆除方法を提供するこ
とを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた
結果、比較的多孔性であって、見掛け表面積が大きい織
布や不織布を微生物培養用基材として用いることによっ
て、培地成分の含有が効果的に行なえ、かつ菌の培養効
率も高くなることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
即ち、本発明は微生物培養用の培地成分および害虫感
染用菌の培養溶液を含浸した織布または不織布の内部も
しくは表面上に害虫感染用菌を培養させ、これを乾燥さ
せてなる害虫駆除用担体、およびこの害虫駆除用担体を
害虫駆除すべき樹木の幹や枝に配置することを特徴とす
る害虫駆除方法を提供するものである。特に、上記担体
に親水性ポリマーを含有することによって、保水能力が
向上し、培養効率がさらに高まるものとなる。
本発明において担体として用いる織布または不織布
は、材質について特に限定はされず、市販されているも
のが使用できる。培地成分の含浸性や保持性などの点か
ら厚みは通常0.3mm以上;特に2〜10mm程度のものが採
用でき、坪量は20g/m2以上、好ましくは200〜500g/m2
範囲の織布や不織布が使用できる。
上記担体のうち培地成分の含有性や微生物の付着性、
炭素源としての利用可能性、天然崩壊性等の点から、パ
ルプ、レーヨン、ポリエステルなどの材質からなるもの
が特に好ましく、特にパルプ材質を用いることが好まし
い。
本発明のおいて、上記担体には親水性を向上させて保
水能を向上させるために、約1〜10重量%の親水性ポリ
マーを上記担体に含有させることが好ましい。含有させ
ることによって、培地成分の含有量は約2倍に増大する
ものである。
このような親水性ポリマーとしては、例えば寒天、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、デンプン、
コンニャクマンナン、カルボキシメチルセルロース、ポ
リアクリル酸(塩)、ポリアクリロニトリル、アルギン
酸(塩)などが挙げられる。また、保水能力を向上させ
培地成分の含有量を向上させるために、所謂高吸水性ポ
リマーと呼ばれている水分にて膨潤はするが溶解はしな
い親水性ポリマーを含有させることもできる。このよう
な高吸水性ポリマーとしては、例えばデンプン吸水剤、
デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、デンプンアク
リロニトリルグラフト共重合体ケン化物、酢酸ビニル−
アクリル酸エステル共重合体ケン化物、ポリアクリル酸
系重合体、ポリビニルアルコール系共重合体、セルロー
スグリコール酸塩などが挙げられ、微生物の利用効率か
らは特に、デンプン吸水剤が好ましい。
上記織布または不織布に含有させる培地成分は同化が
可能な炭素源と、窒素源としての無機塩類や天然有機物
を含んだものからなる。炭素源としては、例えばグルコ
ース、フラクトース、サッカロース、ラクトース、マル
トース、グリセリン、デンプン、セルロース、糖蜜など
を用いる。また、窒素源としての無機塩類としては、例
えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモ
ニウムなどが挙げられ、天然有機物としては、例えば肉
エキス、魚肉抽出液、サナギ粉などの動物組織抽出液又
は粉砕物、コーンスチープリカー、大豆油、麦芽エキ
ス、大豆粉などの植物組織抽出物又は粉砕物、乾燥酵
母、酵母エキス、ポリペプトンなどの微生物菌体又はそ
の抽出物などが挙げられる。また、窒素源以外の無機塩
類として、例えばリン酸二水素カリウム、硫酸マグネシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウムなどを含有させる
ことができる。
一方、織布または不織布の内部もしくは表面上に培養
する害虫感染用菌としては、ボーベリア・テネラ(Beau
veria tenella)、ボーベリア・バシーナ(Beauveria
bassiana)、メタリジウム・アニソプリエ(Metarhiz
ium anisopliae)、ベルチシリウム・レカニ(Vertici
llium lecanii)、シネマチウム・ジョネシー(Synnem
atium jonesii)などの糸状菌が用いられ、これらの菌
は少なくとも一種を用いることができる。
上記害虫感染用菌を培養することによって、害虫、特
にカミキリムシ類やコガネムシ類などの害虫に対して優
れた殺虫効果を有する生物殺虫剤として作用する。カミ
キリムシ類による農作物の被害は近年増加傾向にあり、
特に、クワへの被害が大きく、広範囲にわたっている。
カミキリムシはクワの樹皮下に産卵し、孵化幼虫は木質
部に深く孔をあけて食害を及ぼし、時には60cm以上の食
害孔を作り、寄生密度の高いクワ樹は生理機能を失い、
枯死することがある。
このようなカミキリムシの駆除には化学殺虫剤が考え
られるが、カミキリムシは穿孔性害虫であるために樹幹
内の幼虫にまで殺虫剤が到達せず、効果的に駆除するこ
とができない。また、クワ葉はカイコの飼育に用いられ
るために、化学殺虫剤の使用はカイコに対して好ましく
ない影響を与え、また食用樹木に対しては人畜に害を与
えるので使用し難いものであり、本発明品が有用であ
る。
本発明に用いる害虫駆除用担体は、上記化学殺虫剤を
用いず、カミキリムシの天敵微生物であるボーベリア・
テネラの如き糸状菌を培養させて、接触によって害虫に
菌体を寄生させる接触感染を用いる生物殺虫剤であるの
で、上記問題を生じないものである。さらに、害虫感染
用菌を不織布内にて培養しているために、菌体が損失な
く、かつ効果的に利用することができるので好ましいの
である。
本発明の害虫駆除用担体は、前記培地成分を含む溶液
と、害虫感染用菌を培養した培養液を前記織布または不
織布に直接に塗布する方法や浸漬などの方法によって含
有させ、静置培養することによって菌を培養して得るこ
とができる。
静置培養に当たっては害虫感染用菌が107セル/ml以
上、好ましくは108セル/ml以上となるように希釈される
ことが好ましく、培地成分の溶液と害虫感染用菌の培養
液との比率は、100:1〜0.5:1、好ましくは10:1〜2:1の
範囲とする。
また、前記培地成分の溶液は通常用いられる濃度より
高濃度として用いることが培養効率の点からは好まし
く、特に糖源は10g/l以上、好ましくは20g/l以上、さら
には60〜200g/lの範囲とする。
静置培養条件は約25℃、80%R.H.以上あるいは密閉容
器内で高湿度条件で、3日以上、好ましくは1〜2週間
程度培養する。このように培養することによって、織布
または不織布の内部や表面状が菌子と胞子(分生子)で
覆われ、害虫駆除用担体が得られる。
このように培養して得られる害虫感染用菌の生育量は
不織布1cm2当り、約107セル以上、最盛期には約108
ル以上の分生子が生育する。
本発明の害虫駆除用担体は上記のようにして得た害虫
駆除用担体を乾燥することによって得ることができる。
このように乾燥することによって、梱包や保管に有利に
なる。
乾燥は培養後、室温下で放置した場合でも1〜2日で
乾燥できる。菌が死滅しないならば、例えば30〜35℃の
温度下で送風して乾燥したり、真空乾燥することも可能
である。
このように乾燥することによって、害虫感染用菌の生
育を最盛期の状態で維持することができ、害虫発生時期
まで保存して、使用時に吸水、賦活して使用することが
できる。また、乾燥物であれば特に無菌条件下にて保存
する必要もなく、雑菌による汚染で害虫駆除効果が低下
することは極めて低いものである。
このようにして得られた害虫駆除用不織布は、主とし
て農作物に対する害虫の駆除に用いられる。害虫駆除方
法としては、この不織布を適当な大きさに裁断したの
ち、クワなどの樹木に散布してもよいが、殺虫効果をさ
らに向上させるためには、樹木の幹や枝に配置すること
が好ましい。配置手段としては、巻き付け(例えば、紐
やストリップ状にする)や、係止(例えば、ホッチキス
などによる)、吊り下げ(例えば、紐やストリップ状に
する)など任意の手段が選択できるが、不織布は比較的
厚みが薄く弾力性もないので、書き付け手段を用いた場
合は、樹木の凹凸面にも密着性がよく、害虫との接触効
率が向上し好ましい。なお、本発明の不織布は上記のよ
うな特別な係止治具を用いずとも湿潤状態であれば、培
地成分が適度な接着性を有するので、その粘性によって
樹木などに密着配置できるものである。
また、本発明の害虫駆除用担体はカミキリムシ類のほ
か、樹木苗畑や造林地以外にイチゴ、サツマイモ、ラッ
カセイなどの農作物にも被害を及ぼすコガネムシ類にも
好適に使用することができる。本発明にて培養する糸状
菌の如き感染用菌はコガネムシ類の成虫に寄生すると、
例え成虫自体を駆除しなくても、成虫が産卵した卵が孵
化しなくなる。
さらに、本発明の害虫駆除用不織布は、上記害虫以外
にも果樹に被害を及ぼすオンシツコナジラミやアブラム
シ類、水稲のイネミズゾウムシ、ウンカ、ヨコバイ、各
種線虫に対しても駆除効果を発揮するものである。この
場合は、ボーベリア・テネラではなく、他の糸状菌や線
虫の天敵微生物である各種細菌、パスツレラ・ペネトラ
ンスを用いればよい。
〈発明の効果〉 本発明は以上のように、織布または不織布に微生物を
培養するための培地成分およびよ害虫感染用菌の培養液
を含有させ培養して得られたものであり、害虫に菌を感
染駆除するという生物殺虫剤であり、従来からの化学殺
虫剤と比べて殺虫効果が低下することなく、有効に効果
を発揮できる。また、人畜に対しても害を与えないもの
である。
さらに害虫感染用菌は担体の内部もしくは表面上に強
固に担持されており、自然環境下で流出することがな
く、この害虫駆除用担体を害虫を駆除すべき樹木の幹や
枝に配置することによって簡単にカミキリムシなどの害
虫の駆除を行なうことができるものである。また、本発
明では織布や不織布を用いているのでスリット作業など
が容易に行なえ、樹木への配置に際しても簡単にでき、
回収作業も簡単なものである。さらに、担体の材質を天
然崩壊性を有するものとすることによって、樹木への配
置、使用後の回収作業は不要となり、自然崩壊後に土壌
に吸収させれば土壌改良剤としても再利用が可能なもの
である。
〈実施例〉 以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明す
る。
参考例1 グルコース20g/lおよびサナギ粉40g/lの抽出して得た
培地溶液にて5日間浸透しながら前培養した糸状菌(ホ
ーベリア・テネラ)の培養液1と、グルコース100g/l
およびサナギ粉40g/lの抽出液4lとの混合液を、デンプ
ン係吸水剤(20g/m2)を含むパルプ不織布(300g/m2
5.0mm厚)に充分に含浸するように表面から流し込ん
だ。
これをポリプロピレンの袋に入れて25℃で1週間静置
培養した後、不織布を観察したところ、糸状菌の菌糸が
不織布全面を覆って真っ白となっていた。このときの菌
糸体を除く分生子数は不織布1cm2当たり、2×108セル
であった。
比較例1 5重量%のゼラチン水溶液275gにソフラネート(東洋
ゴム工業製造社製,イソシアネート化合物)1000gを反
応させてポリウレタンフォームを作製した。
このフォームを5ミリートル厚に切断して参考例1と
同様の糸状菌の前培養液を含浸させ、以下、参考例1と
同様にして静置培養を行なって、菌を生育させた。
菌糸がフォームの全面を覆っていたが、菌糸体を除く
分生子数はフォーム1cm2当たり、4±2×107セルであ
った。
参考例2 デンプン系吸水剤を含まない以外は参考例1と同様に
して培養を行った結果、1週間後の菌糸体を除く分生子
数は不織布1cm2当たり、1.8×108セルであった。
参考例3 グルコースの代わりにフラクトースとした以外は参考
例1と同様にして培養を行った結果、1週間後の菌糸体
を除く分生子数は不織布1cm2当たり、1×108セル以上
であった。
実施例1 参考例1にて得た害虫駆除用担体を培養後、袋から取
り出し、室温下で1日送風乾燥した。乾燥物の菌糸体を
除く分生子数は、不織布1cm2当たり、2×108セル以上
であった。
参考例4〜9 不織布を第1表に示す材質とした以外は、参考例2と
同様にして培養を行った。
1週間後の菌糸体を除く分生子数を第1表に併記し
た。なお、1週間培養の結果、各不織布の表面は白い菌
糸にて覆われていた。
実施例2 参考例1と同様、ボーベリア・テネラの前培養液1
と、グルコース40g/l、コーンスチープリカー50g/lの培
地溶液2lとの混合液を、トレー上に置いたデンプ系吸水
剤(30g/m2)を含有するパルプ不織布(400g/m2、6.5mm
厚)に充分に含浸するように表面から流し込んだ。
これを湿度95%R.H.、温度25℃で1週間静置培養した
後、不織布を観察したところ、糸状菌の菌糸が不織布全
面を覆って、真っ白となった。これを30℃、30%R.H.に
て6時間送風乾燥した結果、乾燥物の菌糸体を除く分生
子数は不織布1cm2当たり、2.3×108セルであった。
参考例10 ボーベリア・テネラに変えてベルチシリウム・レカニ
を用いた以外は、参考例2と同様にして培養を行った結
果、1週間後の菌糸体を除く分生子数は不織布1cm2
たり、1×108セル以上であった。なお、ベルチシリウ
ム・レカニはボーベリア・テネラと比べて、分生子の生
育よりも菌糸の伸びに優れるものであった。
参考例11 参考例1にて得た害虫駆除用担体上に、羽化後3〜5
日のスギカミキリの成虫(オス、メス各一匹ずつ)を、
それぞれ1分間歩行させた。
歩行後、こん成虫にハチミツと水を与えて22℃で飼育
を続けたところ、オスは6日目で、メスは7日目で死ん
だ。飼育期間中、メスは産卵したものの、卵は糸状菌で
覆われて孵化しなかった。
上記スギカミキリの死体をオス、メス共に、70%アル
コールで表面処理し、蒸留水を含浸した濾紙と共にプレ
ート中に入れて24℃で保存したところ、死体の関節部に
ボーベリア・テネラが局部発生した。
実施例3 実施例1にて得た害虫駆除用不織布を水道水で含水
し、キボシカミキリの成虫に対して参考例11と同様の試
験を行なった。
その結果、キボシカミキリは10日後に死亡し、死後3
日目に体表がボーベリア・テネラにて覆われた。
参考例12 参考例1にて得た害虫駆除用不織布担体を長さ1mに切
断して、これを数本適当に絡めて網室内のミカンの樹木
の枝分かれ部に引掛けて配置した。次いで、網室内にゴ
マダラカミキリの成虫10匹を放置した。
1週間後、不織布は配置状態を維持しており、さらに
5匹のゴマダラカミキリ成虫を1分間不織布上を歩行さ
せた。歩行後、全ゴマダラカミキリを回収したところ、
最初から放置していたゴマダラカミキリ10匹は1週間の
間に死亡し、歩行させたゴマダラカミキリ5匹は15日後
までに死んだ。
これらの死亡したゴマダラカミキリは死後、3日目に
ボーベリア・テネラで体表が覆われた。
比較例2 参考例11において、害虫駆除用不織布担体上にスギカ
ミキリの成虫を歩行させなかったところ、15日間経過し
ても生存していた。なお、スギカミキリのメスが産卵し
た卵は全て孵化した。
比較例3 実施例3において、害虫駆除用不織布担体上にキボシ
カミキリの成虫を歩行させなかったところ、30日目経過
しても生存していた。
比較例4 参考例12において、ゴマダラカミキリの成虫を害虫駆
除用不織布担体と接触しないようにしたところ、40日間
経過しても生存していた。
実施例4 実施例2で得た害虫駆除用担体の乾燥物を、グルコー
ス20g/lを溶解した滅菌水にて含水させ、ポリエチレン
の袋に入れて3日間室温で放置した。
これを実施例3と同様の試験を行った結果、キボシカ
ミキリは7〜14日間の間に死亡し、死後3日目には体表
がボーベリア・テネラにて覆われていた。
実施例5 グルコース20g/lを溶解した滅菌水の代わりに、参考
例1にて用いた前培養用培地で実施例4と同様の試験を
行った結果、同例と同様の結果が得られた。
参考例13 参考例10で得た害虫駆除用不織布担体を、参考例11と
同様の試験に用いた。その結果、スギカミキリの成虫
は、オス、メス共に15日以上生き続けたが、飼育期間中
にメスが産卵した卵は糸状菌であるベルチシリウム・レ
カニの菌糸体で覆われて孵化しなかった。
参考例14 パルプ不織布の代わりに綿織布を複数枚重ねて厚みを
約5mmとしてミシンで縫い合わせ、参考例1と同様に菌
を培養したところ、参考例1と同様の結果が得られた。
なお、菌糸体を除く分生子数は織布1cm2当たり1.5×10
8セルであった。
参考例15 麻50%、綿50%の織布を用いて参考例14と同様に菌を
培養したところ、参考例14と同様の結果が得られた。
実施例6 実施例1と同様にして得た乾燥物を5℃で保存し、実
施例3と同様の試験を行った結果、実施例3と同様の結
果が得られた。
実施例7 実施例1と同様にして得た乾燥物を32℃で14日間保存
し、実施例3と同様の試験を行った結果、実施例3と同
様の結果が得られた。
比較例5 参考例1にて得た培養物を湿潤状態のまま、32℃で3
日間保存して参考例11と同様の試験を行った結果、比較
例3と同様の結果を示した。
実施例8 実施例1と同様にして得た乾燥物を25℃で40日間保存
し、実施例3と同様の試験を行った結果、実施例3と同
様の結果が得られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物培養用の培地成分および害虫感染用
    菌の培養溶液を含浸した坪量20〜500g/m2の織布または
    不織布の内部もしくは表面上に害虫感染用菌を培養さ
    せ、これを乾燥させてなり、害虫感染用菌の分生子数が
    1×108セル/cm2以上生育保持されている害虫駆除用担
    体。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の害虫駆除用担体を害虫
    駆除すべき樹木の幹や枝に配置することを特徴とする害
    虫駆除方法。
JP2233557A 1990-03-23 1990-09-03 害虫駆除用担体及び害虫駆除方法 Expired - Lifetime JPH0822810B2 (ja)

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