JP2006117617A - 天敵糸状菌培養物を用いたカシノナガキクイムシの防除方法 - Google Patents

天敵糸状菌培養物を用いたカシノナガキクイムシの防除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便かつ確実に、防除対象外の生物に実質的に影響を与えず、安定的に効率よくカシノナガキクイムシを防除する手段を提供すること。
【解決手段】天敵糸状菌をカシノナガキクイムシに感染させる、カシノナガキクイムシの防除方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カシノナガキクイムシの防除方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、効率よく、簡便な、カシノナガキクイムシの防除方法に関する。
カシノナガキクイムシ(Platypus quercivorus)の穿入に伴うナラ類、シイ・カシ類の枯死被害は、1934年に初めて確認され、その後断続的に発生してきたが、1980年代後半以降、広範囲に拡大している(例えば、非特許文献1〜3参照のこと)。前記カシノナガキクイムシ(Platypus quercivorus)による被害は、用材、シイタケ原木、パルプ原料としての資源の損失はもとより、被害が急峻な水源地帯において多発するため、林地保全機能や水源涵養機能が低下すること、さらには、枯死木の葉が急変するため景観が悪化すること等に及んでいる。
カシノナガキクイムシを防除する方法としては、立木への薬剤散布処理、あるいは、被害木への燻蒸処理や、焼却、破砕処理が行われている(例えば、前記非特許文献1〜3を参照のこと)。しかしながら、これらの方法は、いずれも多大な労力を要すると共に、化学合成品を主成分とする殺虫剤を用いた場合、害虫ばかりでなく、人畜等の他の生物にも影響を与える場合が多いという欠点がある。また、本被害は、前記殺虫剤の使用が困難な水源林で発生する場合もあること、近年の環境問題等の観点から、該殺虫剤を使用しない防除方法を開発する必要がある。
林野庁、"その他害虫による被害の実態と対策"、[online]、平成14年12月1日、林野庁ホームページ、[平成16年10月13日検索]、インターネット<URL: http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/sesakusyoukai/mamoru/2.html> 林野庁、"カシノナガキクイムシの防除方法"、[online]、平成14年12月1日、林野庁ホームページ、[平成16年10月13日検索]、インターネット<URL: http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/sesakusyoukai/mamoru/2-1.html> 長野県森林保全課、"プレスリリース"、[online]、平成16年9月22日、長野県ホームページ、[平成16年10月13日検索]、インターネット<URL: http://www.pref.nagano.jp/rinmu/sinrin/happyou/kikuimusi9.22.pdf
本発明は、上記従来の技術の実情に鑑みたものであり、本発明の1つの側面は、簡便かつ確実に、効率よくカシノナガキクイムシを防除すること、木部内部に存在するカシノナガキクイムシの成虫や幼虫に対する防除効果を得ること、安定的に防除効果を得ること、防除対象外の生物(例えば、非ヒト動物、ヒト等)に実質的に影響を与えないこと等の少なくとも1つを達成しうる、カシノナガキクイムシの防除方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕 天敵糸状菌をカシノナガキクイムシに感染させることを特徴とする、カシノナガキクイムシの防除方法、
〔2〕 天敵糸状菌が、ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii)、ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)及びメタリジウム・アニソプリェ(Metarhizium anisopliae)からなる群より選ばれた少なくとも1種の糸状菌である、前記〔1〕記載の防除方法、
〔3〕 カシノナガキクイムシが穿入した樹木の全部又はその一部をシートで覆い、該シートで覆われた箇所に天敵糸伏菌の培養物を設置する、前記〔1〕又は〔2〕記載の防除方法、
〔4〕 樹木が、伐倒された樹木である、前記〔3〕記載の防除方法、
〔5〕 該樹木の一部が、未被害木を切断して含水率60%以上に保持した餌木に、カシノナガキクイムシが穿入した木材である、前記〔3〕又は〔4〕記載の防除方法、
〔6〕 カシノナガキクイムシが穿入した樹木の全部又はその一部を、出口部を有する遮光性のシートで遮光可能に覆い、天敵糸状菌の培養物を該出口部に設置し、それにより、該出口部において、カシノナガキクイムシに該天敵糸状菌を感染させ、外部に出た感染カシノナガキクイムシを介して、他の健全なカシノナガキクイムシ個体を二次感染させる、前記〔1〕又は〔2〕記載の防除方法、
〔7〕 未被害木を切断して含水率60%以上に保持した餌木に、天敵糸状菌の培養物を設置する、前記〔1〕又は〔2〕記載の防除方法、
〔8〕 カシノナガキクイムシが穿入した樹木に、天敵糸状菌の培養物を設置するための培養物設置部を設け、該設置部に天敵糸状菌の培養物を設置する、前記〔1〕又は〔2〕記載の防除方法、並びに
〔9〕 カシノナガキクイムシが穿入した樹木に、天敵糸状菌の培養物又はその懸濁物を散布する、前記〔1〕又は〔2〕記載の防除方法、
に関する。
本発明のカシノナガキクイムシの防除方法によれば、簡便かつ確実に、効率よく、木部内部、表層部又は外部に存在するカシノナガキクイムシの成虫や幼虫を、長期間にわたって安定的に防除することができ、防除対象外の生物(例えば、非ヒト動物、ヒト等)に実質的に影響を与えないという優れた効果が奏される。
本発明のカシノナガキクイムシの防除方法は、天敵糸状菌をカシノナガキクイムシに感染させることを特徴とする方法である。
本発明は、ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii) NBL−851に代表される天敵糸状菌が、カシノナガキクイムシに感染し、該カシノナガキクイムシが死に至るという本発明者らにより見出された知見に基づく。前記ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii) NBL−851は、キボシカミキリムシに対して特異性が高く、例えば、カミキリムシ類のなかでもシロスジカミキリに対しては殺虫率0%であり、カミキリムシ類の他には、シロアリにも感染することが確認されているにすぎず、予想外にもカシノナガキクイムシに対する病原性が見出されたものである。
本発明の防除方法は、天敵糸状菌を用いることに1つの大きな特徴がある。したがって、本発明の防除方法によれば、例えば、非ヒト動物、ヒト等に代表される防除対象外の生物に実質的に影響を与えることなく、カシノナガキクイムシに対する防除効果を得ることができるという優れた効果を発揮する。また、本発明の防除方法によれば、カシノナガキクイムシに感染し、死に至らしめうる天敵糸状菌が用いられているため、例えば、単に樹木の上に前記天敵糸状菌を設置した場合であっても、当該糸状菌の菌糸が木部内部に浸透し、それにより、木部内部、表層部又は外部に存在するカシノナガキクイムシの成虫や幼虫であっても、効率よく死に至らしめることができるという優れた効果を発揮する。したがって、本発明の防除方法では、カシノナガキクイムシが天敵糸状菌培養物と接触する確率が極めて高く、防除効果に優れる。
本発明の防除方法によれば、雌成虫が致死した場合には、産卵が抑制されるため、次世代のカシノナガキクイムシの発生を防ぎ、防除が可能となり、一方、前記天敵糸状菌に感染したカシノナガキクイムシが死に至っていない場合であっても、当該感染カシノナガキクイムシが移動した先に存在しうる他のカシノナガキクイムシ個体に天敵糸状菌の感染を広げることができ、結果的に、カシノナガキクイムシを死に至らしめることができる。
すなわち、本発明の防除方法は、具体的には、例えば、カシノナガキクイムシ成虫が樹木に穿孔して樹木内に生育に欠かせない共生菌を持ち込んで増やしながら、孵化した幼虫がさらに樹木内部を穿孔して、菌を食べながら食い進んで生育し、やがて、蛹化・羽化した次世代成虫がその親虫の穿孔した穴を通って樹木から脱出してくるので、その羽化脱出してくる次世代成虫に天敵糸状菌の培養物が接触するよう、樹木の全部又は一部をシートで覆い、シート内部に天敵糸状菌の培養物を設置することによりカシノナガキクイムシを駆除すること;羽化成虫が産卵場所を求めて他の健全木、例えば、後述のように、未被害木を含水率60%以上に保持できるように切断して得られた餌木に天敵糸状菌の培養物を設置し、そこに飛来するカシノナガキクイムシを効果的に駆除すること;カシノナガキクイムシの被害を受けた樹木に天敵糸状菌の培養物を水等で懸濁して散布することにより、カシノナガキクイムシを駆除すること等が挙げられる。
本発明の防除方法に用いられる天敵糸状菌は、カシノナガキクイムシに対して防除効果を示し、かつ防除対象外の生物(例えば、非ヒト動物、ヒト等)には実質的に影響を与えない糸状菌であればよく、例えば、ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii)、ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)、メタリジウム・アニソプリェ(Metarhizium anisopliae)等の糸状菌が挙げられ、なかでも、感染力の強さの観点から、好ましくは、ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii)及びボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)が望ましい。
本発明の防除方法は、1つの実施態様では、カシノナガキクイムシが穿入した樹木の全部又はその一部をシートで覆い、該シートで覆われた箇所に天敵糸伏菌の培養物を設置することを特徴とする方法(実施態様1という)が挙げられる。
前記実施態様1の防除方法は、羽化脱出してくるカシノナガキクイムシ成虫に天敵糸状菌の培養物が接触するように、カシノナガキクイムシが穿入した樹木の全部又はその一部が、シートで覆われ、該シートで覆われた箇所に天敵糸伏菌の培養物が設置されているため、前記培養物を風雨等から守ることで効果を安定させ、また、接触確率を上昇させることにより、防除効果がより一層高めることができる。したがって、かかる実施態様1の防除方法によれば、長期間にわたって安定的により効果的に防除効果を得ることができるという優れた効果を発揮する。
また、かかる実施態様1の防除方法によれば、羽化脱出後の成虫を天敵糸状菌の培養物に接触させて駆除することができるため、カシノナガキクイムシと天敵糸状菌との接触確率をより向上させることができる。
本実施態様1の防除方法では、樹木の全部又は一部をシートで覆う処理において、立木そのものの全部又は一部(例えば、枝部、幹部等)をシートで覆う処理をしてもよく、より効果的には、被害木を伐倒し、集め、シートで覆う処理をしてもよい。これらのうち、完全駆除の観点から、伐倒された樹木を用いることが望ましい。
前記「樹木」とは、カシノナガキクイムシが生息しうる樹木をいい、特に限定されないが、例えば、カシ類、ナラ類、シイ類等が挙げられ、具体的には、例えば、ミズナラ、コナラ等が挙げられる。
なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「樹木の全部」とは、樹木の立木そのもの、立木を切り倒して得られた木材等を含む概念を意味する。また、「樹木の一部」とは、例えば、前記樹木の枝部、幹部、前記樹木をさらに切断することにより得られる木材、未被害木を切断して含水率60%以上に保持した餌木を意味する。
前記シートとしては、培養物を風雨等から守ることができるようなシートであればよく、例えば、慣用のビニールシート等が挙げられる。また、カシノナガキクイムシを、その習性に応じて、効果的に駆除する観点から、好ましくは、遮光性を有する材質であることが望ましい。
前記シートの大きさは、前記樹木の全部又はその一部を覆うに適した大きさであればよい。
前記シートの色は、特に限定されるものではなく、防除効果を十分発揮させ、カシノナガキクイムシを効果的に駆除する観点から、好ましくは、黒色で遮光性を有するシートであることが望ましい。本発明においては、前記黒色で遮光性を有するシートを用いることにより、カシノナガキクイムシ成虫は羽化脱出した後、光を求めて外へ出ようとする習性を利用して、該カシノナガキクイムシを効果的に天敵糸状菌と接触せしめて駆除することができる点で有利である。
また、前記実施態様の防除方法においては、遮光性のシートで遮光可能に覆われた樹木又はその一部から外部への出口となりうる部分又は遮光性のシートで遮光可能に覆われた内部から該出口への通路に天敵糸状菌の培養物を設置すればより効果的に駆除を行なうことが可能になる。具体的には、例えば、カシノナガキクイムシが穿入した樹木の全部又はその一部が、遮光性のシートで遮光可能に覆われ、該シートの一部に、光を透過しうる部材から構成され、かつ天敵糸状菌の培養物を設置するための培養物設置部が設置されたものであるシートカバー木材の該設置部に天敵糸状菌の培養物を設置すること等が例示される。なお、本明細書においては、かかる培養物設置部を、菌付与装置とも称す。
また、前記実施態様1の防除方法においては、未被害木を切断して含水率60%以上に保持した餌木を、被害林内に設置することにより、カシノナガキクイムシの穿入被害を、設置した当該餌木に集中させることができ、また、穿入を受けた餌木を天敵糸状菌の培養物で処理することにより、より効果的に駆除を行なうことができる。
前記「未被害木を切断して含水率60%以上に保持した餌木」は、例えば、伐倒して得られた餌木を河川に浸漬させること等の方法で得られうる。
なお、前記餌木とは、別の側面からは、カシノナガキクイムシが生育するに適した環境を維持しうる長さ(例えば、望ましくは、より長い木)や太さ(例えば、望ましくは、より太い木等)になるように未被害木を切断したものを包含する。
前記天敵糸状菌の培養物は、例えば、適切な培養基材を用い、適切な培地成分の存在下に、当該天敵糸状菌の培養に適した条件下で培養することにより得られうる。
前記培養物中の天敵糸状菌は、感染力の強さの観点から、例えば、液体培養によって得られる菌糸体ではなく、固体培養によって得られる分生子及びその集合体であり、水に懸濁させた場合に1×104細胞/ml以上、好ましくは、1×106細胞/ml以上であることが望ましい。
前記培養基材としては、天敵糸状菌を培養できる基材であればよく、フスマ、ピートモス、発泡体マトリックス、不織布、織布等の担体に培地成分を含育させた基材が例示でき、より好ましくは、発泡体マトリックス、不織布、織布等の担体に培地成分を含有させた培養基材が望ましい。
前記織布又は不織布の素材としては、特に限定されず、市販されているものが使用できるが、培地成分の含育性や保水性・親水性、天敵糸状菌の付着性、炭素源としての利用や天然崩壊性等の点からは、パルプ、レーヨン、ポリエステル等の織布や不織布が特に好ましい。
また、これらの担体の形状は、より簡便且つ確実に天敵糸状菌培養物を樹木に設置でき、その有効性を長期間持続させることができる観点から、バンド状又はシート状に形成された担体が望ましい。したがって、バンド状又はシート状に形成された担体を用いることにより、少数配置するだけで効率よくカシノナガキクイムシに天敵糸状菌を感染させることができる。
前記バンド状又はシート状の担体を用いた培養基材としては、好ましくは、例えば、特開昭63−74479号公報、特開昭63−190807号公報で開示されたポリウレタンフオーム、ポリスチレン発泡体、塩化ビニル発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリスチレン発泡体等の発泡体マトリックス、或いは不織布、織布等の多孔性で見かけの表面積が大きい素材、及びこれらを組合せた素材を担体として使用し、この担体に培地成分を含有させた培養基材が望ましい。
前記培地成分としては、特に限定されないが、例えば、同化が可能な炭素源や窒素源、無機塩類、天然有機物等を含んだもの等が挙げられる。前記炭素源としては、特に限定されないが、例えば、グルコース、サッカロース、ラクトース、マルトース、グリセリン、デンブン、セルロース糖蜜等が挙げられる。前記窒素源としては、特に限定されないが、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられる。前記無機塩類としては、特に限定されないが、例えば、リン酸二水素カリウム等のリン酸塩、硝酸マグネシウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム等が挙げられる。前記天然有機物としては、特に限定されないが、例えば、肉エキス、魚肉摘出液、サナギ粉等の動物組織抽出物や動物組織粉砕物、麦芽エキス、コーンスチープリカー、大豆油等の檀物組織抽出物、乾燥酵母、酵母エキス、ポリペプトン等の微生物菌体又はその抽出物等が挙げられる。
これらの培地成分を担体に含有させる方法としては、培地成分を直接塗布する方法や浸漬等によって含有させる方法が例示できる。
これらの培養基材において天敵糸状菌を培養する方法としては、担体に培地成分を含有させて培養基材を作製してから菌を接種する方法、培地成分と予め天敵糸状菌を前培養した培養液とを混合し、得られた混合物を担体に接種する方法等が例示されうる。また、フスマ等での培養物は、ドリル等で孔を開け、種駒として打ち込むこと等により設置されうる。
本発明の防除方法においては、天敵糸状菌の培養基材として、バンド状又はシート状に形成された担体に培地成分を含ませた培養基材を使用すれば、より簡便且つ確実に天敵糸状菌培養物を樹木に設置でき、さらには、天敵糸状菌にボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii)、ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)を使用すればより高い防除効果を得ることができる。
本発明の防除方法は、前記のような構成からなる天敵糸状菌培養物が用いられているため、樹木に少数配置するだけで効率よくカシノナガキクイムシに病原菌である天敵糸状菌を感染させることができ、高い防除効果を発揮し、作業性のよい方法である。
また、本発明の防除方法は、他の実施態様では、カシノナガキクイムシが穿入した樹木の全部又はその一部を、出口部を有する遮光性のシートで遮光可能に覆い、天敵糸状菌の培養物を該出口部に設置し、それにより、該出口部において、カシノナガキクイムシに該天敵糸状菌を感染させ、外部に出た感染カシノナガキクイムシを介して、他の健全なカシノナガキクイムシ個体を二次感染させる方法(実施態様2という)が挙げられる。具体的には、例えば、カシノナガキクイムシの被害を受けた樹木の全部又は一部を遮光性のシートで覆い、一部透明な出口を設け、その出口に前記天敵糸状菌の培養物を設置すれば、当該設置部で感染して野外に飛翔したカシノナガキクイムシが他の健全な同種個体を二次感染させることができる。
なお、本明細書において、前記「出口部」とは、遮光性のシートで覆われたカシノナガキクイムシが穿入した樹木の全部又はその一部から該シートの外部につながる通路、開口穴等を意味する。
前記出口部には、例えば、ペットボトル等の工作しやすい材質の容器と、該シートの一部分に前記容器の穴と同程度の大きさの穴をあけ、その双方の穴が重なるように合わせて容器を該シートに接着したもの等を設けることができる。
前記培養物設置部は、前記シートの一部、例えば、ペットボトル等の工作しやすい材質の容器と、該シートの一部分に同程度の大きさの穴をあけ、その双方の穴が重なるように合わせて容器を該シートに接着した部分等に設置されうる。
さらに、本発明の防除方法は、別の実施態様では、前記「未被害木を切断して含水率60%以上に保持した餌木」に、天敵糸状菌の培養物を設置する方法(実施態様3という)が挙げられる。
また、本発明の防除方法は、さらに他の実施態様では、カシノナガキクイムシが穿入した樹木に、天敵糸状菌の培養物を設置するための培養物設置部を設け、該設置部に天敵糸状菌の培養物を設置する方法(実施態様4という)が挙げられる。
かかる実施態様の防除方法における「培養物設置部」としては、例えば、カシノナガキクイムシの被害を受けた樹木において、ドリル等で開けられた穴、チェーンソーやナタでつけた切り口等が挙げられる。
さらに、本発明の防除方法は、さらに別の実施態様では、カシノナガキクイムシが穿入した樹木に、天敵糸状菌の培養物又はその懸濁物を散布する方法(実施態様5という)が挙げられる。
かかる実施態様の防除方法において、前記懸濁物は、前記培養物を、例えば、水や界面活性剤を含有した水溶液等に懸濁することにより、作製されうる。ここで、懸濁液中における天敵糸状菌の分生子の量として、1×104細胞/ml以上、好ましくは、1×106細胞/ml以上であることが望ましい。
なお、本発明の防除方法の他の実施態様として、フスマ等の培地で培養した天敵糸状菌を培地ごと直接地面に大量に散布する方法(実施態様6という)が挙げられる。かかる実施態様6の防除方法は、天敵糸状菌を散布し、その分生胞子を繁殖させることにより天敵糸状菌の環境濃度を上げ、天敵糸状菌を昆虫に経皮感染させやすい環境を作りだすものであり、樹木に穿入して生息し、羽化後に樹木間を飛行するカシノナガキクイムシに対する感染率は、前記実施態様1に比べ、低くなるものの、カシノナガキクイムシに対し、ある程度の密度抑制効果が期待できる。また、本発明の防除方法のさらに別の実施態様として、培地成分を含有させた担体で天敵糸状菌を培養し、得られた担体を、カシノナガキクイムシが穿入した樹木に部分的に巻きつける方法(実施態様7という)が挙げられる。かかる実施態様7の方法は、羽化してきたカシノナガキクイムシの成虫が樹皮を歩行して、前記担体に接触することにより、感染させるものであり、樹皮上を歩行する習性を持たないカシノナガキクイムシに対する感染率は、前記実施態様1に比べ、低くなるものの、カシノナガキクイムシに対し、ある程度の密度抑制効果が期待できる。
以下、本発明を実施例等に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実験例
コナラの丸太(長さ約50cm×直径約18cm)を、水に8日間浸水させた。得られた浸水丸太に、カシノナガキクイムシを穿入させた。その後、羽化脱出してきた新成虫を試験に用いた。
ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)を、培地(組成:大麦 100ml、水 50mlを121℃で1時間オートクレーブしたもの)に播種し、20℃で2〜3週間培養した。得られた培養物を、水に懸濁し、分生子の懸濁液を得た。
前記飼育後の新成虫を、前記分生子の懸濁液中、各分生子濃度の試験区あたり成虫を40匹ずつ5秒間浸漬させた(実施例1)。なお、試験区は、懸濁液中における分生子の濃度として、108細胞/ml、107細胞/ml、106細胞/ml、104細胞/mlに調整した区とした。
その後、カシノナガキクイムシを、前記人工飼育培地(ミズナラ木粉に水を混ぜて含水率約60重量%に調整したもの)を用いて、25℃で個体別に飼育し、分生子の懸濁液浸漬後の各日数経過時点における生存個体数を測定し、死亡率(%)を算出した。
一方、分生子の濃度が0であることを除き、前記実施例1と同様に、カシノナガキクイムシの生存期間及び生存個体数を調べた(比較例1)。
結果を表1に示す。
Figure 2006117617
その結果、表1に示されるように、108細胞/ml試験区(実施例1)では、10日後に100%致死したことがわかる。また、病死した個体の全体が、白い菌糸で覆われ、ボーベリア・バッシアナの菌糸の叢生が確認された。
一方、0細胞/m1試験区(比較例1)では、10日後も92%が生存しており、死亡個体からは菌糸の叢生は確認されなかった。
以上の結果より、天敵糸状菌ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)は、カシノナガキクイムシに感染し、死に至らしめることがわかり、当該糸状菌により防除効果が得られることが示唆された。
実施例1
ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii) NBL−851を、培地(組成:2重量% グルコース、4重量% コーンスチープリカー、残部水)に播種し、25℃で3日間培養した。得られた培養液を、上記培地と混合し、得られた産物を、滅菌したパルプ不織布シート(坪量:400g/m2)に含浸させて、25℃で1週間静置培養した。培養後、得られた産物を乾燥させて、培養不織布シート製剤(5cm×50cm×5mm)を得た。
カシノナガキクイムシの被害を受けた樹木を長さ50cmに切断した。得られた丸太 2本を、黒色のゴムシート(MKVアグリサービス社製、商品名:止水シート)で包んだ。前記シートの一部を切り抜き、切り抜いた個所に、羽化脱出虫が通過可能で透明なペットボトル(大きさ:500ml容)を取り付けた。また、前記ペットボトルの先にゴムホース(外径3cm)を介して、成虫回収用のポリビン(オリオン社製、商品名:250ml容ポリエチレン製広口ビン)を取り付け、これを菌付与装置とした。
前記ペットボトルの中に、前記培養不織布シート製剤(長さ10cm、幅5cm)を入れ、野外に放置した。2〜3日毎にポリビン内に脱出したカシノナガキクイムシの成虫を回収し、回収時に生存していた個体をボーベリア菌感染状況の調査に用いた。前記ポリビンの中における脱出虫が少ない場合、死亡個体を除く全個体を、前記ポリビンの中における脱出虫が多い場合、生存していた個体から10〜20頭をランダムに選択し、ボーベリア菌感染状況の調査の被験虫として用いた。感染状況の調査は、被験虫を1.5重量% 寒天培地(和光純薬株式会社製、寒天粉末)に乗せ、23℃、暗黒の条件で飼育し、その後、菌叢生による感染の有無を調べた。なお、感染死亡率は、菌叢生個体数を死亡個体数で割ることにより算出した。結果を表2に示す。
Figure 2006117617
その結果、表2に示されるように、前記菌付与装置設置後18日目までに100%の感染死亡率を示すことがわかる。
実施例2
ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii) NBL−851の代りに、ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)を用いたことを除き、前記実施例2と同様に感染死亡率を調べた。結果を表3に示す。
Figure 2006117617
その結果、表3に示されるように、前記菌付与装置設置後21日目も80〜95%の感染死亡率を示すことがわかる。
本発明のカシノナガキクイムシの防除方法によれば、例えば、非ヒト動物、ヒト等に実質的に影響を与えずに、カシノナガキクイムシによる樹木等の枯損又は該枯損の拡大の防止を行なうことが可能になる。

Claims (9)

  1. 天敵糸状菌をカシノナガキクイムシに感染させることを特徴とする、カシノナガキクイムシの防除方法。
  2. 天敵糸状菌が、ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii)、ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)及びメタリジウム・アニソプリェ(Metarhizium anisopliae)からなる群より選ばれた少なくとも1種の糸状菌である、請求項1記載の防除方法。
  3. カシノナガキクイムシが穿入した樹木の全部又はその一部をシートで覆い、該シートで覆われた箇所に天敵糸伏菌の培養物を設置する、請求項1又は2記載の防除方法。
  4. 樹木が、伐倒された樹木である、請求項3記載の防除方法。
  5. 該樹木の一部が、未被害木を切断して含水率60%以上に保持した餌木に、カシノナガキクイムシが穿入した木材である、請求項3又は4記載の防除方法。
  6. カシノナガキクイムシが穿入した樹木の全部又はその一部を、出口部を有する遮光性のシートで遮光可能に覆い、天敵糸状菌の培養物を該出口部に設置し、それにより、該出口部において、カシノナガキクイムシに該天敵糸状菌を感染させ、外部に出た感染カシノナガキクイムシを介して、他の健全なカシノナガキクイムシ個体を二次感染させる、請求項1又は2記載の防除方法。
  7. 未被害木を切断して含水率60%以上に保持した餌木に、天敵糸状菌の培養物を設置する、請求項1又は2記載の防除方法。
  8. カシノナガキクイムシが穿入した樹木に、天敵糸状菌の培養物を設置するための培養物設置部を設け、該設置部に天敵糸状菌の培養物を設置する、請求項1又は2記載の防除方法。
  9. カシノナガキクイムシが穿入した樹木に、天敵糸状菌の培養物又はその懸濁物を散布する、請求項1又は2記載の防除方法。
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