JP2006225337A - カシノナガキクイムシ集合フェロモン、該フェロモンを含有するカシノナガキクイムシ誘引剤およびフェロモントラップ - Google Patents

カシノナガキクイムシ集合フェロモン、該フェロモンを含有するカシノナガキクイムシ誘引剤およびフェロモントラップ Download PDF

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Abstract

【課題】 カシノナガキクイムシの発生状況把握や捕獲などに有効なカシノナガキクイムシ集合フェロモンを提供することである。
【解決手段】 トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを有効成分とするカシノナガキクイムシ集合フェロモン。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カシノナガキクイムシ集合フェロモン、該フェロモンを含有するカシノナガキクイムシ誘引剤およびフェロモントラップに関するものである。
カシノナガキクイムシ(Platypus quercivorus (Murayama))はミズナラ、コナラなどのブナ科樹木樹幹に穿入加害するナガキクイムシ科害虫である。カシノナガキクイムシは植物病原菌を媒介するので、カシノナガキクイムシの集中的な穿入を受けたミズナラなどの樹木はほとんど枯死する。主な枯死被害地は日本海側の地域であるが紀伊半島や大隅半島でも被害が発生している。
しかし、カシノナガキクイムシの穿入に伴うブナ科樹木の枯死被害は、単木的に発生した被害が急速に拡がり、5〜6年後には終息する。その間に個体密度が上昇した
カシノナガキクイムシは次々に周辺林分に分散し,隣接地での枯死原因となって
いる。
カシノナガキクイムシは一生のほとんどの時間を樹幹孔道内で生活するので、通常の農薬散布によって孔道内のカシノナガキクイムシの成虫や幼虫を駆除することは非常に困難である。ビニールシートを樹幹に巻き付けてカシノナガキクイムシの穿入を予防する方法や、樹木をドリル穿孔して、ドリル穴に農薬を注入して防除する方法が考案されているが、このような単木的な防除法は、急傾斜な被害地では危険を伴い、被害面積も増加している現状では有効な方法とは言い難い。カシノナガキクイムシを効果的に防除するために、その発生を的確に知るための手段や、従来の殺虫剤とは異なる新しいタイプの防除方法が強く望まれている。
害虫の発生地域の確認ならびに防除時期を予測する方法の一つとしてフェロモントラップを用いる方法が知られているが、カシノナガキクイムシの集合フェロモンおよび誘引物質に関する知見はなく、カシノナガキクイムシの発生調査などに使用できるフェロモントラップは知られていない。
本発明が解決しようとする課題は、カシノナガキクイムシの発生状況把握や捕獲などに有効なカシノナガキクイムシ集合フェロモン、カシノナガキクイムシ誘引剤およびフェロモントラップを提供することである。
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、カシノナガキクイムシが穿入孔から排出するフラス(木屑と排泄物の混合物)揮発成分を固相微量抽出法による捕集または溶媒抽出による抽出を行い得られた物質をガスクロマトグラフィー質量分析計にて分析した。並行して、カシノナガキクイムシ成虫の触角を用いた室内生物検定を行い活動電位を誘起する物質の特定を行い、ガスクロマトグラフィー質量分析計の結果と併せて化学構造の推定を行ったところ、特定のシクロヘキセン誘導体がカシノナガキクイムシのフェロモンとして有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は下記の通りである。
(1)トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを有効成分とするカシノナガキクイムシ集合フェロモン。
(2)トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを有効成分とするカシノナガキクイムシ集合フェロモンを含有することを特徴とするカシノナガキクイムシ誘引剤。
(3)トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを有効成分とするカシノナガキクイムシ集合フェロモンを含有するカシノナガキクイムシ誘引剤を用いたことを特徴とするフェロモントラップ。
トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールはカシノナガキクイムシの両性誘引化合物であり、カシノナガキクイムシ集合フェロモンおよびカシノナガキクイムシ誘引剤として有用である。また、トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを誘引剤として用いるフェロモントラップは、カシノナガキクイムシを効果的に誘引捕獲することができる。
本発明のカシノナガキクイムシ集合フェロモンは、トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを有効成分とするものである。
トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールは、両性のカシノナガキクイムシを効果的に誘引するフェロモンである。
トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールは、香料の原料として安価に入手可能であり、また特開昭55−154929号公報に記載された方法により容易に合成が可能である。本発明において、トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールの製造方法は特に限定されず、いずれの手段によって得られたものでも使用することができる。
カシノナガキクイムシ誘引剤は、通常の害虫誘引剤の調製に適用される製剤化技術により製剤化すればよい。
本発明のカシノナガキクイムシ誘引剤は、使用に際し、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ハイドロキノン、ビタミンE等の抗酸化剤や2−ヒドロキシー4−オクトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤を、カシノナガキキイムシ集合フェロモンであるトランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールの重量に対して、1〜5重量%含有しても良い。
本発明において、有効成分の一定量の放出を長期間にわたり持続させるために、カシノナガキクイムシ誘引剤を、好ましくは、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等の放出量制御機能を有する物資からなるキャップ、細管、ラミネート製の袋、カプセル等の容器に充填して用いたり、スポンジ・脱脂綿・不織布・紙などの担体に含浸して用いてもよい。
本発明のカシノナガキクイムシ誘引剤において、トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールの使用量は使用環境やフェロモントラップの大きさに応じて適宜定めることができるが、フェロモントラップ1器当たり例えば1mg〜10g、好ましくは、10mg〜1g程度使用すればよい。
本発明のカシノナガキクイムシのフェロモントラップは、上記のカシノナガキクイムシ誘引剤を用いたものである。フェロモントラップの形式は特に限定されないが、例えば水盤式、滑落式、粘着式等の形式のフェロモントラップを挙げることができる。
本発明のフェロモントラップにより、カシノナガキクイムシの発生状況を容易に把握することができ、発生地域並びに時期を予測することができる。また、本発明のフェロモントラップによりカシノナガキクイムシを捕獲し、防除することもできる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これにより本発明が限定されることはない。
トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オール約0.7gを脱脂綿に含浸させ、プラスチック容器内に入れてトラップに装着した。比較にはエタノールまたは蒸留水を含浸させた脱脂綿を用いた。各製剤を装着したトラップをミズナラ林内に各製剤当たり2基設置し、誘引されたカシノナガキクイムシ成虫数を調査した。その結果を表1に示す。
Figure 2006225337
1) t-MMCO: トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オール
表1に示した結果から明らかなように、トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを含まない脱脂綿を装着したトラップにはほとんど誘引されなかったが、トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを含浸させた脱脂綿を装着したトラップには発生状況の把握に使用できる誘殺が認められた。
トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールはカシノナガキクイムシの集合フェロモンとして有用であり、カシノナガキクイムシの誘引剤として使用することができ、該誘引剤を用いたフェロモントラップはカシノナガキクイムシの発生調査や捕獲駆除に有用である。

Claims (3)

  1. トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを有効成分とするカシノナガキクイムシ集合フェロモン。
  2. トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを有効成分とするカシノナガキクイムシ集合フェロモンを含有することを特徴とするカシノナガキクイムシ誘引剤。
  3. トランス−1−メチル−4−(メチルエチル)−2−シクロヘキセン−1−オールを有効成分とするカシノナガキクイムシ集合フェロモンを含有するカシノナガキクイムシ誘引剤を用いたことを特徴とするフェロモントラップ。
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