JPH07108212B2 - 微生物培養用不織布及びこれを用いてなる害虫駆除用不織布、並びに害虫駆除方法 - Google Patents

微生物培養用不織布及びこれを用いてなる害虫駆除用不織布、並びに害虫駆除方法

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JPH07108212B2
JPH07108212B2 JP1234969A JP23496989A JPH07108212B2 JP H07108212 B2 JPH07108212 B2 JP H07108212B2 JP 1234969 A JP1234969 A JP 1234969A JP 23496989 A JP23496989 A JP 23496989A JP H07108212 B2 JPH07108212 B2 JP H07108212B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は微生物の培養が効果的になされる微生物培養用
不織布及びこれを用いてなる害虫駆除用不織布、並びに
害虫駆除方法に関する。
<従来の技術> 微生物の培養には、従来から液体培養法と、米麩などを
用いる固体培養法があり、例えば菌体、代謝生産物など
の種類によってこれらの方法を単独、もしくは組み合わ
せて用いている。
しかしながら、液体培養法では培養中にペレット増殖が
起こり、微生物の培養効率が低下し、また固体培養法で
は微生物によって生産される目的物の分離が困難である
という欠点を有する。
このような欠点を解消するために、発泡体に培地成分を
保持させて培養を行なうという方法が提案されている。
例えば、特公昭55−36313号公報にはスポンジなどの発
泡体に培地成分を含浸させた後、静置培養する方法が示
されている。しかし、この方法では含浸させる培地成分
の量に限界があり、例えば市販のポリウレタン発泡体で
は30〜50重量%、含浸性の良好な発泡体でも90重量%程
度の含浸率である。従って、微生物の培養に充分な培地
が形成されず、効果的な培養が行なわれにくいものであ
る。又、このような発泡体は極めて乾燥しやいので、微
生物の培養には決して良好な基材とは云いがたいもので
ある。
一方、液体培養方では多数の発泡体片を添加する培養方
法(特開昭60−214878号)や、分子内にペプタイドマト
リックスを形成した親水性発泡体を用いる方法(特公昭
53−113160号公報)、発泡体マトリックス内に培地成分
を含有する微生物培養用発泡体を用いる方法(特開昭63
−74479号公報)なども種々提案されている。
ところが、これらの発泡体では発泡体の表面のみにて微
生物が培養するので、見掛け体積に占める表面積が小さ
く、培養効率も低くなる傾向を示す。又、発泡体の表面
のみに培地成分を含有させることが困難であるので、必
要以上の培地成分が必要となり経済的でない。さらに、
使用するまで上記発泡体が他の菌体によって汚染される
のを防ぐために滅菌処理が必要であるが、100℃以上の
熱滅菌では発泡体自体が変性するので、コストのかかる
蒸気滅菌やガス滅菌が必要となる。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は上記従来の技術が有する問題点を解決するため
になされたものであって、微生物の培養が効果的に行な
える微生物培養用基材を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、上記基材を用いてなる害虫駆除用
基材を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は上記害虫駆除用基材を用い
てなる害虫駆除方法を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、
比較的多孔性であって、見掛け表面積が大きい不織布を
微生物培養用基材として用いることによって、培地成分
の含有が効果的に行なえ、かつ培養効率も高くなること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は天然崩壊性不織布に微生物を培養するた
めの培地成分を含有し、乾燥していることを特徴とする
微生物培養用不織布、及び複数枚の天然崩壊性不織布間
に微生物培養のための培地成分を接着成分として介在さ
せて積層し、乾燥してなる微生物培養用不織布、並びに
これらの微生物培養用不織布に害虫感染用菌を培養させ
てなる害虫駆除用不織布を提供するものである。特に、
上記不織布に親水性ポリマーを含有することによって、
保水能が向上し、培養効率がさらに高まるものとなる。
又、本発明は上記害虫駆除用不織布を害虫駆除すべき樹
木の幹や枝に配置することを特徴とする害虫駆除方法も
提供するものである。
本発明において用いる不織布は、天然崩壊性であればそ
の材質については特に限定されず、市販されているもの
が使用できる。培地成分の含浸性などの点から厚みはで
きるだけ薄い方が好ましい。好ましくは通常0.3mm以
上、特に0.5〜2mm程度のものが採用でき、坪量は20g/m2
以上、好ましくは40〜200g/m2の範囲の不織布が使用で
きる。
これらの不織布のうち培地成分の含有性や微生物の付着
性、炭素源としての利用可能性、天然崩壊性の点から、
パルプ、レーヨン、ポリエステルなどの材質からなる天
然崩壊性不織布が好ましく、特にパルプ不織布を用いる
ことが好ましい。これらは親水性も有するものであり、
保水性も良好である。
上記不織布に含有させる培地成分は、同化が可能な炭素
源と、窒素源としての無機塩類や天然有機物を含んだも
のである。炭素源としては、例えばグルコース、サッカ
ロース、ラクトース、マルトース、グリセリン、デンプ
ン、セルロース、糖蜜などを用いる。また、窒素源とし
ての無機塩類としては、例えば硫酸アンモニウム、塩化
アンモニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられ、天然
有機物としては、例えば肉エキス、魚肉抽出液、サナギ
粉などの動物組織抽出液又は粉砕物、コーンスチープリ
カー、大豆油、麦芽エキス、大豆粉などの植物組織抽出
物又は粉砕物、乾燥酵母、酵母エキス、ポリペプトンな
どの微生物菌体又はその抽出物などが挙げられる。ま
た、窒素源以外の無機塩類として、例えばリン酸二水素
カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸カ
リウムなどを含有させることができる。
本発明の微生物培養用不織布は、前記不織布に上記微生
物培養用の培地成分を直接に塗布する方法や浸漬などに
よって含有させてなるものであるが、用いる不織布は1
枚だけに限らず、複数枚の不織布を積層して用いてもよ
い。不織布を積層して本発明の微生物培養用不織布とす
る場合は、上記培地成分が不織布の表面に塗布されるこ
とによって、各不織布間の接着成分として機能する。培
地成分は比較的粘性の高いものが多いので、充分に接着
剤として機能するものである。
このように培地成分を接着剤として不織布の積層に利用
する場合は、培地成分の粘度を102センチポイズ以上、
好ましくは103〜104センチポイズの範囲に調整する。不
織布への培地成分の含有量は不織布1m2当り10g以上、好
ましくは20〜40gである。含有量が10gに満たない場合
は、培養する微生物の生育が不充分であり、40gを越え
ると生育量は飽和に達し、不経済である。生育量は不織
布1m2当り、約108セルであり、分生子数は一定である。
本発明における上記微生物培養用不織布の親水性を向上
させて保水能を向上させるために、約1〜2重量%の親
水性ポリマーを上記不織布に含有させることが好まし
い。含有させることによって、培地成分の含有量は約2
倍に増大するものである。また、培地成分を接着成分と
して用いて不織布の積層に利用する場合は、培地成分に
親水性ポリマーを含有させることによって、培地成分の
粘性が高まるので、接着効果が向上するものである。
このような親水性ポリマーとしては、例えば寒天、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミド、デンプン、コ
ンニャクマンナン、カルボキシメチルセルロース、ポリ
アクリル酸(塩)、ポリアクリロニトリル、アルギン酸
(塩)などが挙げられる。また、保水能を向上させ培地
成分の含有量を向上させるために、所謂高吸水性ポリマ
ーと呼ばれている水分にて膨潤はするが溶解しない親水
性ポリマーを含有させることもできる。このような高吸
水性ポリマーとしては、例えばデンプン−アクリル酸グ
ラフト共重合体、デンプンアクリロニトリルグラフト共
重合体ケン化物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重
合体ケン化物、ポリアクリル酸系重合体、ポリビニルア
ルコール系共重合体、セルロースグリコール酸塩などが
挙げられる。
上記本発明の微生物培養用不織布は、通常、培地成分を
含有させたのちに公知の方法にて乾燥させる。乾燥させ
ることによって、他の菌体による汚染が防止できて好ま
しいものである。例えば、乾燥温度を50℃以上とするこ
とによって、培地成分が不織布に乾固するまで乾燥させ
ることができ、ほぼ完全に汚染が防止できるが、好まし
くは80℃以上、さらには100℃以上で20分程度乾燥させ
る。なお、乾燥が強すぎると培地成分が変性するが、目
的とする微生物の培養に支障がなければ特に問題はな
い。
このようにして得られる本発明の微生物培養用不織布
は、そのままもしくは100℃程度での乾熱滅菌やエチレ
ンオキサイドによるガス滅菌などの公知の滅菌手段を行
ない静置培養に用いられる。
本発明においては、以上のようにして得られる微生物培
養用不織布に、害虫感染用菌を培養させることによっ
て、害虫駆除用不織布とすることができる。
培養する害虫感染用菌としては、ボーベリア・テネラ
(Beauveria tenella)、ボーベリア・バシーナ(Beauv
eria bassiana)、メタリジウム・アニソプリエ(Metar
hizium anisopliae)、ベルチシリウム・レカニ(Verti
cillium lecanii)、シネルチウム・ジョネシー(Synne
matium jonesii)などの糸状菌が用いられ、これらの菌
は少なくとも一種を用いることができる。
上記害虫感染用菌を培養することによって、害虫、特に
カミキリムシ類やコガネムシ類などの害虫に対して優れ
た殺虫効果を有する生物殺虫剤として作用する。カミキ
リムシ類による農作物の被害は近年増加傾向にあり、特
に、クワへの被害が大きく、広範囲にわたっている。カ
ミキリムシはクワの樹皮下に産卵し、孵化幼虫は木質部
に深く孔をあけて食害を及ぼし、時には60cm以上の食害
孔を作り、寄生密度の高いクワ樹は生理機能を失い、枯
死することがある。
このようなカミキリムシの駆除には化学殺虫剤が考えら
れるが、カミキリムシは穿孔性害虫であるために樹幹内
の幼虫にまで殺虫剤が到達せず、効果的に駆除すること
ができない。また、クワ葉はカイコの飼育に用いられる
ために、化学殺虫剤の使用はカイコに対して好ましくな
い影響を与え、また食用樹木に対しては人畜に害を与え
るので使用し難いものである。
本発明に用いる害虫駆除不織布は、上記化学殺虫剤を用
いず、カミキリムシの天敵微生物であるボーベリア・テ
ネラの如き糸状菌を培養させて、接触によって害虫に菌
体を寄生させる接触感染を用いる生物殺虫剤であるの
で、上記問題を生じないものである。さらに、害虫感染
用菌を不織布内にて培養しているために、菌体が損失な
く、かつ効果的に利用することができるので好ましいも
のである。
害虫感染用菌を前記不織布に培養させるには、まず感染
用菌を不織布に接種する。次いで、約25℃で1〜2週間
程度培養を行なう。培養によって、不織布の表面と菌糸
と胞子(分生子)でおおわれ、本発明の害虫駆除用不織
布を得ることができる。菌糸よりもカミキリムシに対し
て殺虫効果の高い胞子(分生子)は不織布表面積1cm2
り、約107セル以上が生育する。
このようにして得られた害虫駆除用不織布は、主として
カミキリムシ類の駆除に用いられる。害虫駆除方法とし
ては、この不織布を適当な大きさに裁断したのち、クワ
などの樹木に散布してもよいが、殺虫効果をさらに向上
させるためには、樹木の幹や枝に配置することが好まし
い。配置手段としては、巻き付け(例えば、紐やストリ
ップ状にする)や、係止(例えば、ホッチキスなどによ
る)、吊り下げ(例えば、紐やストリップ状にする)な
ど任意の手段が選択できるが、不織布は比較的厚みが薄
いので、巻き付け手段を用いた場合は、樹木の凹凸面に
も密着性がよく、害虫との接触効率が向上するものであ
る。なお、本発明の不織布は上記のような特別な係止治
具を用いずとも培地成分が接着性を有するので、その粘
性によって樹木などに密着配置できるものである。
また、本発明の害虫駆除用不織布は、カミキリムシ類の
ほか、樹木苗畑や造林地以外にイチゴ、サツマイモ、ラ
ッカセイなどの農作物にも被害を及ぼすコガネムシ類に
も好適に使用することができる。本発明にて培養する糸
状菌の如き感染用菌はコガネムシ類の成虫に寄生する
と、例え成虫自体を駆除しなくても、成虫が産卵した卵
が孵化しなくなる。
さらに、本発明の害虫駆除用不織布は、上記害虫以外に
も果樹に被害を及ぼすオンシツコナジラミやアブラムシ
類、水稲のイネミズゾウムシ、ウンカ、ヨコバイ、各種
線虫に対しても駆除効果を発揮するものである。この場
合は、ボーベリア・テネラではなく、他の糸状菌や線虫
の天敵微生物である各種細菌、パスツレラ・ペネトラン
スを用いればよい。
<発明の効果> 本発明は以上のように、不織布に微生物を培養するため
の培地成分を含有させているので、比較的見掛けの培養
表面積が大きく培地成分の流出も少なく、培養効率に優
れるものである。また、この不織布に害虫感染用菌を培
養して害虫駆除用不織布とし、不織布内に含有する感染
用菌を接触させて害虫駆除を行なうことによって、従来
からの化学殺虫剤と比べて殺虫効果が低下することな
く、有効に効果を発揮できる。また、人畜に対しても害
を与えないものである。このような害虫感染用菌は不織
布に強固に担持されており、自然環境下で流出すること
がなく、この害虫駆除用不織布を害虫に駆除すべき樹木
の幹や枝に配置することによって簡単にカミキリムシな
どの害虫の駆除を行なうことができるものである。ま
た、本発明では不織布を用いているのでスリット作業な
どが容易に行なえ、樹木への配置に際しても簡単にで
き、回収作業も簡単なものである。さらに、不織布を天
然崩壊性を有する材質から得たものを使用することによ
って、樹木への配置、使用後の回収作業は不要となり、
自然崩壊後に土壌に吸収させれば土壌改良剤としても再
利用が可能なものである。
<実施例> 以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明す
る。
実施例1 ポリビニルアルコール20重量%をバインダーとして含有
するパルプ不織布(100g/m2、0.7mm厚)の片面に、グル
コース20gおよびサナギ粉40g/の3倍濃度から熱水抽
出して得た培地と、保水剤としてのカルボキシメチルセ
ルロース(エーテル化度0.6〜0.7)3重量%水溶液を1:
2で混合した培地成分(粘度約2000センチポイズ)を、1
mm厚にて転写塗布し、80℃にて1時間熱風乾燥させて、
本発明の微生物培養用不織布を得た。
一方、糸状菌(ボーベリア・テネラ)をグルコース20g
およびサナギ粉40g/から抽出して得た培他400mlを用
いて5時間、振盪しながら前培養を行なった。
この培養液に上記微生物培養用不織布を浸漬し、菌を接
種して静置培養を行なった。菌の接種量は不織布1cm2
り106〜107セルであった。
25℃で1週間培養した後、不織布を観察したところ、糸
状菌の菌糸が不織布全面を覆って真白となっており、こ
のときの菌糸体を除く分生子数は不織布1cm2当り8×10
7セルであった。
比較例1 実施例1において3倍濃度の熱水抽出して得た培地を水
とした以外は、全て同様にして微生物培養用不織布を作
製し、これを用いて実施例1と同様に糸状菌の培養を行
なった。
その結果、培養1週間では糸状菌の菌糸が目視で観察さ
れず、分生子数も不織布1cm2当り1.3×107セルであっ
た。
比較例2 実施例1において培地成分を含有させずに不織布のみで
糸状菌の培養を行なった。結果は比較例1と同様であっ
た。
実施例2〜13 実施例1において用いた不織布を第1表に示す不織布に
代えた以外は、実施例1と同様にして糸状菌の培養を行
なった。培養1週間後の分生子数を第1表に示した。な
お、第1表には実施例1の結果を併記した。1週間培養
の結果、各不織布の表面は白い菌糸にて覆われていた。
実施例14〜20 実施例1において用いた保水剤を第2表に示す保水剤に
代えた以外は、実施例1と同様にして糸状菌の培養を行
なった。培養1週間後の分生子数を第1表に併記した。
なお、培養1週間後には各不織布の表面は白い菌糸にて
覆われていた。
実施例21 不織布として40g/m2、0.5mm厚の特殊バインダーを用い
たパルプ不織布を、保水剤としてデンプン−アクリロニ
トリルグラフトコポリマー(ケン化物)を用い、培地組
成としてサナギ粉の代わりにコーンスチープリカー40g
(固形分50重量%)を用いた以外は、実施例1と同様に
して培地成分を不織布に塗布し、塗布面にさらに上記不
織布を積層して3枚重ねの微生物培養用不織布を得た。
なお、塗布厚は0.5mmとした。
この不織布を用いて実施例1と同様にして糸状菌の培養
を行なったところ、培養1週間後には不織布表面が菌糸
にて真白に覆われ、不織布1cm2当りの分生子数は1.1×1
08セルであった。
実施例22 グルコースの代わりにラクトースを用いた以外は実施例
21と同様にして微生物培養用不織布を得た。
培養する菌をボーベリア・テネラの代わりにペニシリン
生産菌であるPenicillium chrysogenumを用いること以
外は実施例21と同様にして培養を行なったところ、培養
1週間後には不織布表面が緑色の菌糸体および分生子に
て覆われ、不織布1cm2当りの分生子数は1.0×108セルで
あった。
実施例23 実施例22にて得た微生物培養用不織布を5mm各に細片化
し、この細片50片を蒸留水100mlに入れ、Penicillium c
hrysogenum(分生子)を1白金耳植菌して振盪培養し
た。菌糸は不織布表面と、漏出した液内にて生育し、ペ
ニシリンが生産された。その量は500〜1000mg/であっ
た。
実施例24 レーヨンとポリエステルを材質とする不織布(100g/
m2、3mm厚)に、グルコース20gおよびサナギ粉40g/か
ら熱水抽出した培地と保水剤としての寒天1.5重量%を
加えた培地成分を浸漬含浸させ、20分間オートクレーブ
中にて120℃、1.2気圧で滅菌した。滅菌後、無菌シャー
レに移し、クリーンベンチ内で1昼夜自然乾燥させ、微
生物培養用不織布とした。
この不織布を用いて実施例1と同様に糸状菌を培養した
ところ、培養1週間後には不織布表面が菌糸にて真白に
覆われ、不織布1cm2当りの分生子数は4.7〜107セルであ
った。
比較例3 培地成分に水を用いた以外は、実施例24と同様にして糸
状菌の培養を行なったところ、糸状菌の菌糸は目視でき
ず、不織布1cm2当りの分生子数は4.2×106セルであっ
た。
実施例25 実施例1にて得た微生物培養用不織布に実施例1の培地
成分を介在させて不織布2枚重ねに積層した微生物培養
用不織布を作製した。乾燥後における培地成分の塗布量
は、約36g/m2であった。
この不織布を用いて実施例1と同様に糸状菌の静置培養
を行なったところ、培養1週間で不織布全面が菌糸で覆
われて真白となり、このときの菌糸体を除く分生子数は
不織布1cm2当り7.3×107セルであった。
比較例4 実施例25において3倍濃度の熱水抽出して得た培地を水
とすること以外は、実施例1と同様にして1週間培養を
行なった。
その結果、不織布には糸状菌の菌糸は目視できず、不織
布1cm2当りの分生子数は1.1×107セルであった。
実施例26〜27 実施例25において用いた不織布を第3表に示す不織布に
代えた以外は、実施例25と同様にして糸状菌の培養を行
なった。培養1週間後の分生子数を第3表に示した。な
お、第3表には実施例25の結果も併記した。1週間培養
の結果、各不織布の表面は白い菌糸にて覆われていた。
実施例28〜31 実施例25において用いた保水剤を第4表に示す保水剤に
代えた以外は、実施例25と同様にして糸状菌の培養を行
なった。培養1週間後の分生子数を第4表に併記した。
なお、培養1週間後には各不織布の表面は白い菌糸にて
覆われていた。
実施例32 実施例21における微生物培養用不織布を塗工機を用いて
塗工して得た。塗工機を用いた工程概略は図面に示し
た。塗工はキスコーターを用い、コントロール回転速度
および塗工速度は共に1.2m/分とし、塗工幅を50cmとし
た。第1乾燥ゾーンでの乾燥は100℃で約5分で、第2
乾燥ゾーンでは100℃で約25分である。不織布の積層
は、1回の塗工を終了して巻き取った後、再び塗工する
ことによって行なった。なお、培地の塗布量は36±10g/
m2であった。
得られた不織布は適当な大きさにスリットし、実施例21
と同様に糸状菌を培養したところ、培養1週間で不織布
全面がほぼ均一に菌糸で覆われて真白となり、このとき
の菌糸体を除く分生子数は不織布1cm2当り2.0〜4.7×10
7セルであった。
実施例33 実施例25にて得た害虫駆除用不織布上に、羽化後3〜5
日のスギカミキリの成虫(オス、メス各一匹ずつ)を、
それぞれ1分間歩行させた。
歩行後、この成虫にハチミツと水を与えて22℃で飼育を
続けたところ、オスは6日目で、メスは7日目で死ん
だ。飼育期間中、メスは産卵したものの、卵は糸状菌で
覆われて孵化しなかった。
上記スギカミキリの死体をオス、メス共に、70%アルコ
ールで表面処理し、蒸留水を含浸した瀘紙と共にプレー
ト中に入れて24℃で保存したところ、死体の関節部にボ
ーベリア・テネラが局部発生した。
実施例34 実施例21にて得た害虫駆除用不織布を用いて、キボシカ
ミキリの成虫に対して実施例33と同様の試験を行なっ
た。
その結果、キボシカミキリは10日後に死亡し、死後3日
目に体表がボーベリア・テネラにて覆われた。
実施例35 実施例21の害虫駆除用不織布を、実施例32と同様にして
塗工機を用いて作製した。
この不織布を長さ1mに切断して、これを数本適当に絡め
て網室内のミカンの樹木の枝分かれ部に引っ掛けて配置
した。次いて、網室内にゴマダラカミキリの幼虫10匹を
放置した。
1週間後、不織布は配置状態を維持しており、さらに5
匹のゴマダラカミキリ成虫を1分間不織布上を歩行させ
た。歩行後、全ゴマダラカミキリを回収したところ、最
初から放置していたゴマダラカミキリ10匹は1週間の間
に死亡し、歩行させたゴマダラカミキリ5匹は15日後ま
でに死んだ。
これらの死亡したゴマダラカミキリは死後、3日目にボ
ーベリア・テネラで体表が覆われた。
比較例5 実施例33において、害虫駆除用不織布上にスギカミキリ
の成虫を歩行させなかったところ、15日間経過しても生
存していた。
比較例6 実施例34において、害虫駆除用不織布上にキボシカミキ
リの成虫を歩行させなかったところ、30日間経過しても
生存していた。
比較例7 実施例35において、ゴマダラカミキリの成虫を害虫駆除
用不織布と接触しないようにしたところ、40日間経過し
ても生存していた。
【図面の簡単な説明】
図面は実施例21および32において用いた塗工工程の概略
図を示す。 1……基材送りローラー、2……培地成分入りバット、 3……巻き取りローラー、4……第1乾燥ゾーン、 5……第2乾燥ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 実 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 審査官 加藤 浩 (56)参考文献 特開 平1−228471(JP,A) 特開 昭63−190807(JP,A) 特開 昭61−195634(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然崩壊性不織布に微生物を培養するため
    の培地成分を含有し、乾燥していることを特徴とする微
    生物培養用不織布。
  2. 【請求項2】複数枚の天然崩壊性不織布間に微生物培養
    のための培地成分を接着成分として介在させて積層し、
    乾燥してなる微生物培養用不織布。
  3. 【請求項3】天然崩壊性不織布に親水性ポリマーが含有
    されている請求項(1)または(2)記載の微生物培養
    用不織布。
  4. 【請求項4】天然崩壊性不織布がパルプ不織布である請
    求項(1)記載の微生物培養用不織布。
  5. 【請求項5】請求項(1)もしくは(2)の微生物培養
    用不織布に、害虫感染用菌を培養させてなる害虫駆除用
    不織布。
  6. 【請求項6】天然崩壊性不織布に親水性ポリマーが含有
    されている請求項(5)記載の害虫駆除用不織布。
  7. 【請求項7】請求項(5)又は(6)記載の害虫駆除用
    不織布を、害虫駆除すべき樹木の幹や枝に配置すること
    を特徴とする害虫駆除方法。
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