JPH08227164A - 感光体の製造装置 - Google Patents

感光体の製造装置

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Publication number
JPH08227164A
JPH08227164A JP5665795A JP5665795A JPH08227164A JP H08227164 A JPH08227164 A JP H08227164A JP 5665795 A JP5665795 A JP 5665795A JP 5665795 A JP5665795 A JP 5665795A JP H08227164 A JPH08227164 A JP H08227164A
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JP
Japan
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conductive substrate
gas
layer
peripheral surface
coating liquid
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Pending
Application number
JP5665795A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Inagaki
圭一 稲垣
Masahiro Ishie
正広 石江
Tetsutsugu Ikoma
哲嗣 生駒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
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Publication of JPH08227164A publication Critical patent/JPH08227164A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性基体の外周面に均一で厚い層を素早く
形成するため、その層形成用塗液に高揮発性の溶剤を使
用した場合であっても、この溶剤が蒸発する際の気化熱
により導電性基体が急激に冷却されて、層が形成される
導電性基体の外周面に結露が生じるということがなく、
導電性基体の外周面に均一で厚い層が形成された感光体
を簡単に製造できるようにする。 【構成】 少なくとも溶媒に樹脂を加えた層形成用塗液
が外周面に塗布された筒状の導電性基体10を乾燥させ
て感光体を製造する感光体の製造装置において、層形成
用塗液が塗布された導電性基体を支持する支持台30
に、導電性基体の内周側に気体を吹き付ける気体吹き付
け手段40を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機やプリンター
等の画像形成装置に使用される感光体を製造する感光体
の製造装置に係り、筒状の導電性基体の外周面に層形成
用塗液を塗布し、これを乾燥させて、この導電性基体の
外周面に感光層及び必要に応じて下引層や中間層や保護
層を形成するようになった感光体の製造装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンター等の画像形成装置に
使用される感光体としては、感光材料に無機系の光導電
性材料を使用したものと、有機系の光導電性材料を使用
したものとが存在しており、最近においては、無公害で
成膜性がよく、製造が容易で製造コストも安価な有機系
の光導電性材料を使用した感光体が多く使用されるよう
になった。
【0003】ここで、感光材料に有機系の光導電性材料
を使用した感光体を製造するにあたっては、一般に筒状
になった導電性基体の外周面に層形成用塗液を塗布し、
これを乾燥させて、導電性基体の外周面に感光層及び必
要に応じて下引層や中間層や保護層を形成するようにし
ていた。
【0004】そして、近年においては、画像形成装置に
使用する上記のような感光体の感度を向上させたり、感
光体の寿命を長くするために、導電性基体の外周面に膜
厚が大きくなった感光層等の各層を形成することが行な
われるようになった。
【0005】ここで、このように導電性基体の外周面に
膜厚の大きな層を形成する場合、導電性基体の外周面
に、樹脂と共にそれぞれの目的に応じた各種の材料が含
有された層形成用塗液を均一に厚く塗布し、これを素早
く乾燥させることが要求され、このため、上記の層形成
用塗液における溶剤に高揮発性のものが使用されるよう
になった。
【0006】しかし、このように高揮発性の溶剤を用い
た層形成用塗液を導電性基体の外周面に厚く塗布して乾
燥させるようにした場合、上記の溶剤が蒸発する際にお
ける気化熱によって導電性基体が急激に冷却され、これ
によって層形成用塗液が塗布された導電性基体の外周面
に結露が発生し、この水分が感光層中に侵入して、感光
層中に欠陥が発生し、均一で良好な特性をもつ感光体が
得られず、また不良品の発生も多くなって生産効率も悪
くなる等の問題があった。
【0007】ここで、このように溶剤が蒸発する際の気
化熱によって導電性基体が急激に冷却されてその外周面
に結露が生じるのを防止するため、導電性基体に層形成
用塗液を低湿度下で塗布して乾燥させることが検討され
たが、このような環境条件を得るためには高価な空調装
置が必要となり、コストが高く付くと共に、静電気によ
り溶剤が引火したりするという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うに筒状の導電性基体の外周面に層形成用塗液を塗布
し、これを乾燥させて導電性基体の外周面に感光層及び
必要に応じて下引層や中間層や保護層が形成された感光
体を製造する場合における上記のような問題を解決する
ことを課題とするものである。
【0009】すなわち、この発明においては、導電性基
体の外周面に均一で厚い感光層を素早く形成するにあた
り、その層形成用塗液に高揮発性の溶剤を使用した場合
であっても、この溶剤が蒸発する際の気化熱により導電
性基体が急激に冷却されて、感光層が形成される導電性
基体の外周面に結露が生じるということがなく、導電性
基体の外周面に均一で厚い層が形成された感光体を簡単
に製造することができる感光体の製造装置を提供するも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、少なくとも溶媒に樹脂
を加えた層形成用塗液が外周面に塗布された筒状の導電
性基体を乾燥させて、感光体を製造する感光体の製造装
置において、層形成用塗液が塗布された導電性基体を支
持する支持台に、導電性基体の内周側に気体を吹き付け
る気体吹き付け手段を設けるようにしたのである。
【0011】ここで、上記の導電性基体としては、銅,
アルミニウム,鉄,ニッケル等を用いて筒状に形成した
ものが一般に使用される。
【0012】また、この導電性基体の外周面に形成する
層としては、樹脂中に電荷発生材料と電荷輸送材料とが
含有された単層型の感光層や、樹脂中に電荷発生材料が
含有された電荷発生層と樹脂中に電荷輸送材料が含有さ
れた電荷輸送層とが積層された機能分離型の感光層、さ
らにこのような感光層の表面に設ける保護層や、導電性
基体と感光層との間に設ける中間層や下引層等が存在す
る。
【0013】ここで、上記の電荷発生材料としては、例
えば、ビスアゾ系顔料、トリアリールメタン系染料、チ
アジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、
シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、
アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペ
リレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾ
ール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔
料、フタロシアニン系顔料等の公知の有機系顔料及び染
料等を用いることができる。
【0014】また、電荷輸送材料としては、例えばヒド
ラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、ト
リフェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カ
ルバゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合
物、オキサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、
テトラフェニルベンジジン化合物、アジン化合物等の公
知の電荷輸送材料を使用することができる。
【0015】また、このような電荷発生材料や電荷輸送
材料と混合させる樹脂としては、飽和ポリエステル樹
脂,ポリアミド樹脂,アクリル樹脂,エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体,イオン架橋オレフィン共重合体(アイオ
ノマー),スチレン−ブタジエンブロック共重合体,ポ
リアリレート,ポリカーボネート,塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体,セルロースエステル,ポリイミド,スチ
ロール樹脂,ポリアセタール樹脂,フェノキシ樹脂等の
熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,シリコ
ーン樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,キシレン樹
脂,アルキッド樹脂,熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化
性樹脂、更に光硬化性樹脂,ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール,ポリビニルピレン,ポリビニルアントラセン等の
光導電性樹脂等を使用することができる。
【0016】そして、上記のように樹脂中に電荷発生材
料と電荷輸送材料とが含有された単層型の感光層を導電
性基体の外周面に形成するにあたっては、上記の電荷発
生材料と電荷輸送材料と樹脂とを適当な溶媒に加えて感
光層用塗液を調整し、この塗液を導電性基体の外周面に
塗布し、これを乾燥させるようにする。
【0017】また、電荷発生層と電荷輸送層とが積層さ
れた機能分離型の感光層を導電性基体の外周面に形成す
るにあたっては、一般に、導電性基体の外周面に電荷発
生材料を蒸着させたり、また電荷発生材料と樹脂とを適
当な溶剤に加えた電荷発生層用塗液を導電性基体の外周
面に塗布し、これを乾燥させて電荷発生層を形成した
後、この電荷発生層上に、電荷輸送材料と樹脂とを適当
な溶剤に加えた電荷輸送層用塗液を塗布し、これを乾燥
させて電荷輸送層を設けるようにする。
【0018】ここで、上記の感光層用塗液や電荷輸送層
用塗液や電荷発生層用塗液における溶媒としては、例え
ば、メタノール,エタノール,イソプロパノール等のア
ルコール類、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘ
キサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等
のスルホキシド類、テトラヒドロフラン,ジオキサン,
エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル
類、酢酸メチル,酢酸エチル等のエステル類、クロロホ
ルム,塩化メチレン,ジクロルエチレン,四塩化炭素,
トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、
ベンゼン,トルエン,キシレン,リグロイン,モノクロ
ルベンゼン,ジクロルベンゼン等の芳香族類等の有機溶
媒を用いることができる。
【0019】また、感光層以外の保護層や中間層や下引
層等を形成する場合にも、上記のような溶媒を用いるよ
うにする。
【0020】
【作用】この発明における感光体の製造装置において
は、層形成用塗液が外周面に塗布された筒状の導電性基
体を支持台上に支持させ、この支持台に設けられた気体
吹き付け手段から導電性基体の内周側に気体を吹き付け
るようにする。
【0021】ここで、上記のように筒状に形成された導
電性基体の外周面に層形成用塗液を塗布して乾燥させる
にあたり、電荷発生層用塗液の場合は、一般にこの塗液
を薄く塗布するため、特に上記のように支持台上に支持
された導電性基体の内周側に気体吹き付け手段から気体
を吹き付ける必要はないが、膜厚の厚い単層型の感光層
や電荷輸送層を形成するのに使用する感光層用塗液や電
荷輸送層用塗液を塗布し、これを乾燥させる場合には、
上記のように支持台上に支持された導電性基体の内周側
に気体吹き付け手段から気体を吹き付けるようにすると
有効であり、また感光層の他に必要に応じて下引層や中
間層や保護層を形成する場合も同様で、特に膜厚の厚い
これらの層を設ける場合には、支持台上に支持された導
電性基体の内周側に気体吹き付け手段から気体を吹き付
けるようにすると有効である。
【0022】ここで、このように気体吹き付け手段から
導電性基体の内周側に気体を吹き付けるにあたっては、
塗液中の溶剤が蒸発してその気化熱により導電性基体が
冷えるのを抑制するため、5〜40℃程度の気体を吹き
付けるようにし、通常は、10〜25℃の気体を吹き付
けるようにする。
【0023】そして、上記のように層形成用塗液が外周
面に塗布された導電性基体の内周面に気体吹き付け手段
から気体を吹き付けると、導電性基体の外周面に塗布さ
れた層形成用塗液中の溶剤が蒸発し、その気化熱によっ
て導電性基体が冷えたとしても、この導電性基体が気体
吹き付け手段から吹き付けられた気体によって温められ
ると共に、冷えた空気はさらに気体吹き付け手段から吹
き付けられた気体により導電性基体の内周側から外部に
送り出され、常に導電性基体が気体吹き付け手段から吹
き付けられた気体によって温められ、これにより導電性
基体における結露の発生が抑制されるようになる。
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る感光体の製造
装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】ここで、この実施例においては、図1に示
すように、導電性基体10として、直径が80mm、長
さが340mmの円筒状になったアルミニウムドラムを
用いるようにした。
【0026】そして、図2に示すように、この円筒状に
なった導電性基体10の外周面に電荷発生層21と電荷
輸送層22とが積層された機能分離型の感光層20を形
成するようにした。
【0027】ここで、導電性基体10の外周面に電荷発
生層21を形成するにあたっては、下記の化1に示すト
リスアゾ顔料1重量部と、フェノキシ樹脂(ユニオンカ
ーバイド社製:PKHH)0.5重量部と、ポリビニル
ブチラール樹脂(積水化学社製:BX−1)0.5重量
部とを500重量部のシクロヘキサノン溶媒に加え、こ
れをサンドミルを用いて24時間分散させた後、このト
リスアゾ化合物の分散液を500重量部の1,4−ジオ
キサンの溶媒で希釈した電荷発生層用塗液を用い、この
電荷発生層用塗液を乾燥膜厚が約0.2μmになるよう
に導電性基体10の外周面に塗布し、これを従来の場合
と同様に自然乾燥させて電荷発生層11を形成した。
【0028】
【化1】
【0029】次に、上記のように導電性基体10の外周
面に形成された電荷発生層21の上に電荷輸送層22を
形成するにあたっては、下記の化2に示されるジアミノ
化合物35重量部と、ビスフェノールZ型ポリカーボネ
ート65重量部と、下記の化3に示すジシアノ化合物1
重量部と、ジ−ter−ブチルヒドロキシトルエン7重
量部と、m−ターフェニル18重量部とを500重量部
のジクロルメタン溶媒に溶解させた電荷輸送層用塗液を
用い、この電荷輸送層用塗液を乾燥膜厚が35μmにな
るように上記の電荷発生層21上に塗布し、これを乾燥
させて電荷輸送層22を形成するようにした。
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】そして、上記のように電荷発生層21上に
塗布した電荷輸送層用塗液を乾燥させるにあたり、この
実施例においては、図3に示すように、電荷輸送層用塗
液が塗布された導電性基体10を支持台30上に載置さ
せ、この支持台30に設けられた気体吹き付け手段40
から導電性基体10の内周側に気体を吹き付けて、ある
程度自然乾燥させるようにした。
【0033】ここで、電荷輸送層用塗液が塗布された導
電性基体10を載置させる支持台30として、この実施
例においては、図4の(A),(B)に示すように、円
板状の板材31の上面に上端部がテーパ状に収縮した桟
材32を所要間隔を介して複数本設けると共に、この板
材31の中央部において上記桟材32間に長穴や円形穴
等の数種類の貫通穴33を設け、さらに板材31の中心
部に気体吹き付け手段40を取り付ける取付穴34を設
けたものを用いるようにした。
【0034】そして、この支持台30の中央部におい
て、電荷輸送層用塗液が塗布された導電性基体10の開
口された端面を桟材32上に載置させ、板材31に設け
られた貫通穴33の一部が導電性基体10の内周側に位
置するようにした。
【0035】このようにして電荷輸送層用塗液が塗布さ
れた導電性基体10を支持台30上に載置させると、導
電性基体10の外周面に塗布された電荷輸送層用塗液が
流れ落ちてきたとしても、この塗液が上記桟材32間の
部分に溜ったり、貫通穴33を通して下方に排出される
ようになり、導電性基体10が載置された部分にこの塗
液が溜って支持台30が汚れたり、この塗液が乾燥して
導電性基体10が支持台30にくっついたり、導電性基
体10の下端部における電荷輸送層22が非常に厚くな
ったりするということがなかった。
【0036】また、この実施例においては、図5に示す
ように、電荷輸送層用塗液が塗布された導電性基体10
を支持台30における桟材32上に安定して載置させる
ために、一般に、上記桟材32間のピッチpを5〜20
mm、好ましくは8〜15mmとすると共に、各桟材3
2の幅dを2〜8mmにし、また導電性基体10と桟材
32との接触面積を少なくするために、テーパー状に収
縮された桟材32の上端部の幅d1 を0.1〜6mm、
好ましくは1〜2mmになるようにし、また導電性基体
10に塗布された電荷輸送層用塗液が流れ落ちてきたと
しても、この塗液が桟材32間の部分に十分に収容され
るようにするため、上記桟材32の高さhを2〜10m
m、好ましくは4〜6mmにし、さらにこの支持台30
が十分な強度を有するようにするため、上記円板状の板
材31の厚みsを2〜5mmの範囲にした。
【0037】一方、上記のようにして支持台30上に載
置された導電性基体10の内周面に気体を吹き付ける気
体吹き付け手段40として、この実施例においては、図
3及び図6に示すように、気体を導く案内管41の先端
に放射状に伸びた多数の噴出口42aを有する噴出ノズ
ル42を設け、この噴出ノズル42を上記支持台30の
中心部における取付穴34に取り付けると共に、この噴
射ノズル42の周囲に拡散板43を設けるようにした。
【0038】そして、この噴出ノズル42における各噴
出口42aから水平に放射状に噴出された気体を上記の
拡散板43により導電性基体10の内周面に向けて上方
に拡散させて吹き付けるようにした。
【0039】ここで、上記の気体吹き付け手段40によ
って導電性基体10の内周面に気体を吹き付けるにあた
っては、一般に、温度が10〜25℃の気体を流量50
0〜1600l/min、好ましくは800〜1200
l/minで吹き付けるようにした。
【0040】そして、このように外周面に電荷輸送層用
塗液が塗布された導電性基体10の内周面に気体吹き付
け手段40から気体を吹き付けると、図3に示すよう
に、導電性基体10の内周側に位置する上記貫通穴33
を通して外気が導電性基体10の内周側に流入し、上記
のように気体吹き付け手段40から吹き付けた気体と共
にこの外気が導電性基体10の内周側を通過するように
なった。
【0041】この結果、導電性基体10の外周面に塗布
された電荷輸送層用塗液中における溶剤が蒸発して、そ
の気化熱により導電性基体10が冷却されたとしても、
上記のように気体吹き付け手段40から吹き付けた気体
と貫通穴33を通して導電性基体10の内周側に流入し
た外気とによってこの導電性基体10が温められ、また
導電性基体10を温めて冷えた空気はさらに気体吹き付
け手段40から吹き付けられた気体等によって導電性基
体10上端の開口部分から外部に放出され、導電性基体
10が冷たくなりすぎて、この導電性基体10の外周面
に結露が発生するということがなかった。
【0042】そして、このように気体吹き付け手段40
から導電性基体10の内周側に気体を吹き付けながら、
導電性基体10の外周面に塗布された電荷輸送層用塗液
をある程度乾燥させた後は、この導電性基体10を熱風
乾燥機や赤外線乾燥機や遠赤外線乾燥機に導き、電荷輸
送層用塗液における溶剤を強制的に蒸発させて乾燥さ
せ、前記のように電荷発生層21の上に電荷輸送層22
が積層された機能分離型の感光層20を形成した。
【0043】ここで、上記のように気体吹き付け手段4
0から導電性基体10の内周側に気体を吹き付けたこと
による効果を調べるため、上記のように外周面に電荷輸
送層用塗液が塗布された導電性基体10に対して、上記
の気体吹き付け手段40から温度27℃の空気を流量1
000l/minで3分間吹き付けた場合と、30秒間
吹き付けた場合と、吹き付けを行なわなかった場合とに
おいて、それぞれ導電性基体10の温度の変化を測定
し、3分間吹き付けた場合における温度の変化を□で、
30秒間吹き付けた場合における温度の変化を△で、吹
き付けを行なわなかった場合における温度の変化を○で
図7に示した。なお、室温は23℃,湿度は50%RH
であった。
【0044】この結果、導電性基体10の内周側に空気
を吹き付けた場合には、空気を吹き付けなかった場合に
比べて、導電性基体10における温度の低下が少なくな
っており、吹き付け時間が長いほど導電性基体10にお
ける温度の低下が少なくなっていた。
【0045】そして、導電性基体10の内周側に空気を
3分間吹き付けた場合には、導電性基体10に結露が生
じるということがなく、また空気を30秒間吹き付けた
場合においては、空気の吹き付けが弱い導電性基体10
の下端部における画像領域外の部分に若干結露が生じた
が、特に問題はなかった。これに対して、空気の吹き付
けを行なわなかった場合においては、導電性基体10の
温度が低下して、導電性基体10に結露が発生した。
【0046】なお、上記の実施例においては、電荷輸送
層用塗液が塗布された導電性基体10を載置させる支持
台30に図4の(A),(B)に示すものを用いるよう
にしたが、支持台30は特にこのようなものに限定され
ず、例えば、板材31の上に設ける桟材32として、図
8の(A)〜(C)に示すように、幅の薄い長方形状の
桟材32や、ある程度の幅を持つ長方形状の桟材32
や、上端部が半円状に形成された桟材32を設けるよう
にしても良い。
【0047】また、図9に示す支持台30のように、外
気を導電性基体10の内周側に導くための貫通穴33を
各桟材32間において板材31に長く形成することも可
能であり、このようにすると、様々な直径の導電性基体
10であっても、貫通穴33の一部が導電性基体10の
内周側に位置するようにして、導電性基体10を支持台
30上に載置させ、外気を導電性基体10の内周側に導
くことができるようになる。
【0048】また、図10に示す支持台30のように、
板材31上に桟材32を放射状に設けると共に、貫通穴
33を周方向に沿って円形状に複数列設けるようにする
ことも可能であり、このようにすると、どのような直径
の導電性基体10であっても、導電性基体10を支持台
30における桟材32上に安定して載置させることがで
きるようになると共に、板材31上における桟材32の
数を少なくして、電荷輸送層用塗液が塗布された導電性
基体10と桟材32とが接触する部分を少なくすること
ができる。
【0049】また、上記の実施例における支持台30に
おいては、板材31に貫通穴33を設けて外気を導電性
基体10の内周側に導くようにし、気体吹き付け手段4
0から吹き付ける気体を温めなくても、導電性基体10
が上記の気体吹き付け手段40から吹き付けられた気体
と貫通穴33を通して導電性基体10の内周側に流入し
た外気とによって温められるようにしたが、上記の気体
吹き付け手段40から温めた気体を噴出させる場合に
は、必ずしも外気を導電性基体10の内周側に取り込む
必要はなく、図11に示すように、板材31の部分に貫
通穴33が設けられていない支持台30を用いることも
可能である。
【0050】また、導電性基体10の内周側に気体を吹
き付ける気体吹き付け手段40も上記の実施例に示した
ものに限られず、例えば、図12に示すように、噴射ノ
ズル42の噴出口42aを導電性基体10の内周面に向
けて上方に傾斜させて設け、この噴射ノズル42から気
体を導電性基体10の内周面に向けて上方に拡散させる
ようにして吹き付けるようにしたり、また図13に示す
ように、ロート状になった噴射ノズル42の上部に逆円
錐台状になった規制部材44を設け、ロート状になった
噴射ノズル42と規制部材44との隙間を通して気体を
導電性基体10の内周面に向けて上方に拡散させるよう
にして吹き付けるようにすることも可能である。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係る感
光体の製造装置においては、層形成用塗液が外周面に塗
布された筒状の導電性基体を支持台に支持させ、この支
持台に設けられた気体吹き付け手段から導電性基体の内
周側に気体を吹き付けるようにしたため、導電性基体の
外周面に塗布された層形成用塗液中の溶剤が蒸発し、そ
の気化熱によって導電性基体が冷えたとしても、この導
電性基体が気体吹き付け手段から吹き付けられた気体に
よって温められると共に、このように導電性基体を温め
て冷えた空気はさらに気体吹き付け手段から吹き付けら
れた気体により導電性基体から送り出され、常に導電性
基体が気体吹き付け手段から吹き付けられた気体によっ
て温められ、これにより導電性基体における結露の発生
が抑制されるようになった。
【0052】この結果、この発明に係る感光体の製造装
置を使用すると、導電性基体の外周面に塗布された層形
成用塗液を乾燥させるにあたり、導電性基体の外周面に
結露が生じるということがなく、特に、単層型の感光層
や電荷輸送層のように、導電性基体の外周面に感光層用
塗液や電荷輸送層用塗液を厚く塗布し、これを乾燥させ
て膜厚の厚い層を形成する場合にも、感光層が形成され
る導電性基体の外周面に結露が生じるということがな
く、導電性基体の外周面に均一で厚い層が形成された感
光体を簡単に製造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例における感光体の製造装置に
おいて、感光体に使用する導電性基体の斜視図である。
【図2】同実施例において製造した感光体における感光
層の積層状態を示した部分拡大断面図である。
【図3】同実施例において、電荷輸送層用塗液が塗布さ
れた導電性基体を乾燥させる状態を示した概略断面図で
ある。
【図4】同実施例において使用した支持台の平面図及び
正面図である。
【図5】同実施例において使用した支持台の部分拡大説
明図である。
【図6】同実施例において使用した気体吹き付け手段に
おける噴射ノズルの状態を示した断面説明図である。
【図7】気体吹き付け手段から導電性基体の内周面に向
けて気体を3分間吹き付けた場合と、30秒間吹き付け
た場合と、吹き付けを行なわなかった場合とにおける導
電性基体の温度の変化を示したグラフである。
【図8】同実施例において使用した支持台に設ける桟材
の変更例を示した部分拡大説明図である。
【図9】同実施例において使用する支持台の変更例を示
し、貫通穴が桟材間において板材に長く形成された支持
台の平面図である。
【図10】同実施例において使用する支持台の変更例を
示し、板材上に桟材が放射状に設けられた支持台の平面
図である。
【図11】同実施例において、貫通穴が設けられていな
い支持台を使用して電荷輸送層用塗液が塗布された導電
性基体を乾燥させる状態を示した断面説明図である。
【図12】同実施例において使用した気体吹き付け手段
の変更例を示し、噴射口を導電性基体の内周面側に向け
て上方に傾斜させた噴射ノズルから気体を噴射させる状
態を示した概略説明図である。
【図13】同実施例において使用した気体吹き付け手段
の変更例を示し、ロート状になった噴射ノズルとその上
部に設けられた逆円錐台状の規制部材との隙間を通して
気体を導電性基体に向けて噴出させる状態を示した概略
説明図である。
【符号の説明】
10 導電性基体 20 感光層 30 支持台 40 気体吹き付け手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも溶媒に樹脂を加えた層形成用
    塗液が外周面に塗布された筒状の導電性基体を乾燥させ
    て、感光体を製造する感光体の製造装置において、層形
    成用塗液が塗布された導電性基体を支持する支持台に、
    導電性基体の内周側に気体を吹き付ける気体吹き付け手
    段を設けたことを特徴とする感光体の製造装置。
JP5665795A 1995-02-20 1995-02-20 感光体の製造装置 Pending JPH08227164A (ja)

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