JPH10239868A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH10239868A
JPH10239868A JP4026297A JP4026297A JPH10239868A JP H10239868 A JPH10239868 A JP H10239868A JP 4026297 A JP4026297 A JP 4026297A JP 4026297 A JP4026297 A JP 4026297A JP H10239868 A JPH10239868 A JP H10239868A
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JP
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photosensitive layer
conductive support
hot air
dried
layer
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JP4026297A
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English (en)
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Tetsutsugu Ikoma
哲嗣 生駒
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性支持体上に感光層用塗液を塗布し、乾
燥させて、導電性支持体上に感光層を形成するようにし
た電子写真感光体の製造方法において、導電性支持体上
に感光層用塗液を厚く塗布して膜厚の厚い感光層を形成
する場合においても、形成された感光層の表面に泡状の
ノイズが発生するということがなく、良好な画像形成が
行なえる電子写真感光体が得られるようにする。 【解決手段】 導電性支持体1上に感光層用塗液1aを
塗布し、乾燥させて、導電性支持体上に感光層を形成す
る電子写真感光体の製造方法において、上記の感光層を
乾燥させる少なくとも初期に導電性支持体側から加熱さ
せるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の電子写真装置に使用される電子写真感光体の製
造方法に係り、導電性支持体上に感光層用塗液を塗布
し、乾燥させて、導電性支持体上に感光層が形成された
電子写真感光体を製造するにあたり、特に、膜厚の厚い
感光層を形成する場合であっても、感光層の表面に泡状
のノイズが発生するということがない電子写真感光体の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の電子
写真装置に使用される電子写真感光体としては、アルミ
ニウム等で構成された導電性支持体上に感光層を形成し
たものが使用されており、近年においては、成膜性が良
く、製造が容易で製造コストが安価に出来る点から、一
般に感光性材料とバインダー樹脂等を溶媒に加えた感光
層用塗液を導電性支持体上に塗布し、乾燥させて、感光
層を設けるようにしていた。
【0003】そして、このように導電性支持体上に感光
層用塗液を塗布し、これを乾燥させて感光層を形成する
にあたり、従来においては、一般に図1に示すように、
感光層用塗液が塗布された導電性支持体1を受け台2上
に載置させた状態でベルトコンベア等の搬送装置11に
よって搬送し、60〜150℃の熱風を吹き出す熱風噴
出装置12が設けられた乾燥装置10の入口13を開け
て、上記の導電性支持体1をこの乾燥装置10内に導
き、この乾燥装置10内において上記の導電性支持体1
に塗布された感光層における溶媒を蒸発させて乾燥させ
た後、この乾燥装置10の出口14を開け、感光層が形
成された導電性支持体1を乾燥装置10から取り出すよ
うにしていた。
【0004】また、近年においては、上記のような電子
写真感光体の感度を向上させたり、その寿命を長くする
ため、導電性支持体1上に形成する感光層の膜厚を厚く
することが行なわれるようになった。
【0005】ここで、このように導電性支持体1上に膜
厚の大きな感光層を形成する場合、上記のような感光層
用塗液を導電性支持体1上に厚く塗布し、これを乾燥さ
せる必要があった。
【0006】しかし、上記のように温風吹き出し装置1
2が設けられた乾燥装置10内において導電性支持体1
上に塗布された感光層用塗液を乾燥させるようにした場
合、この感光層用塗液がその表面側から乾燥されるよう
になり、特に、上記のように感光層の膜厚を厚くした場
合、感光層の表面がある程度乾燥されても、その内部に
溶媒が残存する。そして、この溶媒が泡になってこの表
面から蒸発し、これにより得られた感光層の表面に泡状
のノイズが多数発生し、このような電子写真感光体を用
いて画像形成を行なった場合、多数の画像ノイズが発生
するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、複写機や
プリンター等の電子写真装置に使用される電子写真感光
体を製造する場合における上記のような問題を解決する
ことを課題とするものである。
【0008】すなわち、この発明においては、導電性支
持体上に感光層用塗液を塗布し、乾燥させて、感光層を
形成するようにした電子写真感光体の製造方法におい
て、特に、導電性支持体上に感光層用塗液を厚く塗布
し、これを乾燥させて導電性支持体上に膜厚の厚い感光
層を形成する場合においても、形成された感光層の表面
に泡状のノイズが発生するということがなく、良好な画
像形成が行なえる電子写真感光体が得られるようにする
ことを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明における電子写
真感光体の製造方法においては、上記のような課題を解
決するため、導電性支持体上に感光層用塗液を塗布し、
乾燥させて、導電性支持体上に感光層を形成する電子写
真感光体の製造方法において、上記の感光層用塗液を乾
燥させる少なくとも初期に導電性支持体側から加熱させ
るようにしたものである。
【0010】そして、この発明における電子写真感光体
の製造方法のように、導電性支持体上に感光層用塗液を
塗布し、これを乾燥させる少なくとも初期に導電性支持
体側から加熱させると、初期において、導電性支持体側
の感光層から乾燥され、この感光層内部の溶媒が蒸発さ
れるようになり、従来のように導電性支持体上に塗布さ
れた感光層用塗液の表面が先にある程度乾燥された後、
その内部に残存した溶媒が泡になって表面から蒸発して
感光層の表面に泡状のノイズが生じるということがな
く、泡状のノイズの発生のない感光層を有する電子写真
感光体が得られるようになる。
【0011】ここで、この発明における電子写真感光体
の製造方法において、導電性支持体上に形成する感光層
の膜厚は特に制限されないが、前記のように導電性支持
体上に感光層用塗液を厚く塗布して膜厚の厚い感光層を
形成する場合において泡状のノイズが発生するのを有効
に防止するという点から、膜厚が25μm以上、特に膜
厚が28〜50μmになった厚い感光層を形成する場合
に有効である。
【0012】また、上記のように感光層用塗液を乾燥さ
せる少なくとも初期において導電性支持体側から加熱さ
せる方法としては、導電性支持体に対して温風や熱風を
吹き付けて導電性支持体を加熱させるようにしたり、こ
の導電性支持体を載置させる受け台を加熱し、この受け
台を介して導電性支持体を加熱させるようにしたり、更
には融電加熱等によって導電性支持体を加熱させるよう
にすることもできる。
【0013】また、導電性支持体側から加熱は、上記の
ように感光層用塗液を乾燥させる少なくとも初期におい
て行なえば良いが、導電性支持体上に塗布された感光層
を乾燥させる全工程にわたって、このように導電性支持
体側から加熱させて乾燥させるようにすることも可能で
ある。
【0014】ここで、上記の導電性支持体としては、
銅,アルミニウム,鉄,ニッケル等で構成されたものを
用いることができ、一般にはこのような材料で筒状に形
成された導電性支持体を用いるようにする。
【0015】また、この発明において製造する電子写真
感光体としては、例えば、導電性支持体上にバインダー
樹脂中に電荷発生材料や電荷輸送材料からなる感光性材
料が含有された単層型の感光層を形成したものや、電荷
発生材料を密着させて電荷発生層を形成するか、もしく
はバインダー樹脂中に電荷発生材料が含有された電荷発
生層を形成し、さらにバインダー樹脂中に電荷輸送材料
が含有された電荷輸送層を積層させた機能分離型の感光
層を形成したものや、更にこれらの感光層の表面に保護
層を設けたり、導電性支持体とこれらの感光層との間に
中間層や下引層を設けたもの等が含まれる。
【0016】そして、上記のような電子写真感光体にお
いて、導電性支持体上に塗布する感光層用塗液として、
例えば、バインダー樹脂中に電荷発生材料や電荷輸送材
料からなる感光性材料が含有された単層型の感光層を形
成する場合には、これらの材料に適当な溶媒を加えた塗
液を用いるようにし、またバインダー樹脂中に電荷発生
材料が含有された電荷発生層とバインダー樹脂中に電荷
輸送材料が含有された電荷輸送層とが積層された機能分
離型の感光層を形成する場合には、電荷発生層を構成す
る材料に適当な溶媒を加えた電荷発生層用の塗液や、電
荷輸送層を構成する材料に適当な溶媒を加えた電荷輸送
層用の塗液を用いるようにする。なお、このような機能
分離型の感光層を形成する場合、一般に電荷発生層の膜
厚が薄いため、その電荷発生層用の塗液を必ずしも上記
のようにして乾燥させる必要はないが、電荷輸送層を形
成する場合には、電荷輸送層用の塗液を上記のようにし
て乾燥させるようにする。
【0017】ここで、上記の電荷発生材料としては、例
えば、モノアゾ系顔料,ビスアゾ系顔料,トリスアゾ系
顔料,テトラキスアゾ顔料,トリアリールメタン系染
料,チアジン系染料,オキサジン系染料,キサンテン系
染料,シアニン系色素,スチリル系色素,ビリリウム系
染料,キナクリドン系顔料,インジゴ系顔料,ペリレン
系顔料,多環キノン系顔料,ビスベンズイミダゾール系
顔料,インダスロン系顔料,スクアリリウム系顔料,フ
タロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレ
ン,セレン−ヒ素,セレン−テルル,硫化カドミウム,
酸化亜鉛,酸化チタン,アモルファスシリコン等の無機
材料を使用することができる。
【0018】また、上記の電荷輸送材料としては、例え
ば、アントラセン誘導体,ピレン誘導体,カルバゾール
誘導体,テトラゾール誘導体,メタロセン誘導体,フェ
ノチアジン誘導体,ピラゾリン化合物,ヒドラゾン化合
物,スチリル化合物,スチリルヒドラゾン化合物,エナ
ミン化合物,ブタジエン化合物,ジスチリル化合物,オ
キサゾール化合物,オキサジアゾール化合物,チアゾー
ル化合物,イミダゾール化合物,トリフェニルアミン誘
導体,フェニレンジアミン誘導体,アミノスチルベン誘
導体,トリフェニルメタン誘導体等を使用することがで
きる。
【0019】また、上記のバインダー結着樹脂として
は、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂,
熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用
することができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポ
リ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体,塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリビ
ニルブチラール,ポリビニルアセタール,ポリエステ
ル,フェノキシ樹脂,(メタ)アクリル樹脂,ポリスチ
レン,ポリカーボネ−ト,ポリアリレート,ポリスルホ
ン,ポリエーテルスルホン,ABS樹脂等の熱可塑性樹
脂、フェノール樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,メ
ラミン樹脂,イソシアネート樹脂,アルキッド樹脂,シ
リコーン樹脂,熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹
脂、ポリビニルカルバゾール,ポリビニルアントラセ
ン,ポリビニルピレン等の光導電性樹脂を挙げることが
できるが、特に、これらのものに限定されるものではな
い。
【0020】ここで、上記の溶媒としては、例えば、メ
タノール,エタノール,イソプロパノール等のアルコー
ル類、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノ
ン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスル
ホキシド類、テトラヒドロフラン,ジオキサン,エチレ
ングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸
メチル,酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム,塩
化メチレン,ジクロルエチレン,四塩化炭素,トリクロ
ルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼ
ン,トルエン,キシレン,リグロイン,モノクロルベン
ゼン,ジクロルベンゼン等の芳香族類等の有機溶媒を用
いることができる。
【0021】さらに、上記の感光層用塗液を導電性支持
体上に塗布するにあたっては、例えば、浸漬塗布法,ス
プレー塗布法,スピナー塗布法,ブレード塗布法,ロー
ラー塗布法,マイヤーバー塗布法等の様々な方法を使用
することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態に係る
電子写真感光体の製造方法を添付図面に基づいて具体的
に説明する。
【0023】(実施形態1)この実施形態においては、
図2に示すように、円筒状になった導電性支持体1の外
周面に感光層用塗液1aを塗布した後、この導電性支持
体1を通風口2aが設けられた受け台2上に載置させる
ようにする。
【0024】そして、上記のように感光層用塗液1aが
塗布された導電性支持体1を受け台2上に載置させた状
態で、図3に示すように、ベルトコンベア等の搬送装置
11によって搬送し、この導電性支持体1が搬送される
下方に温風発生装置21が設けられた乾燥室20に導
き、この乾燥室20において、受け台2に載置された導
電性支持体1が所定の位置にくると、図4に示すよう
に、温風発生装置21に設けられた各噴射ノズル21a
から温風を所定時間噴射させ、上記の受け台2に設けら
れた通風口2aを通して各導電性支持体1の内周側に温
風を吹き付け、この温風により各導電性支持体1を順々
に加熱させて導電性支持体1側における感光層用塗液1
aから乾燥させるようにし、また各導電性支持体1の内
周側に吹き付けた後の温風を乾燥室20の上部に設けら
れた排気装置22によって外部に排気させるようにして
いる。
【0025】ここで、上記のように乾燥室20において
導電性支持体1の内周側に各噴射ノズル21aから順々
に温風を所定時間吹き付け、感光層用塗液1aを導電性
支持体1の内周側から乾燥させるにあたり、各噴射ノズ
ル21aから噴射させる温風の温度が低いと、感光層1
aを導電性支持体1側から十分に乾燥させることができ
なくなる一方、その温度が高くなりすぎると、導電性支
持体1側における感光層1aの内部からの溶媒の蒸発が
初期より多くなりすぎて、形成される感光層1aの状態
が悪くなるため、好ましくは、各噴射ノズル21aから
噴射させる温風の温度を室温〜60℃の範囲にすると共
に、各噴射ノズル21aから噴射させる温風の吹き出し
速度を0.5〜10m/sの範囲にし、またこのように
各噴射ノズル21aから導電性支持体1の内周側に温風
を噴射させて感光層1aを導電性支持体1の内周側から
乾燥させる時間を合計で10〜60分の範囲になるよう
にする。
【0026】そして、上記のように乾燥室20において
導電性支持体1の内周側に各噴射ノズル21aから順々
に温風を吹き付けて感光層1aを導電性支持体1側から
ある程度乾燥をさせた時点で、60〜150℃の熱風を
吹き出す熱風噴射装置12が設けられた乾燥装置10の
入口13を開け、上記の導電性支持体1を上記の乾燥室
20から乾燥装置10内に導き、この乾燥装置20内に
おいて感光層1aを乾燥させた後、この乾燥装置10の
出口14から感光層1aが乾燥された導電性支持体1を
取り出すようにする。なお、この乾燥装置20内におい
て導電性支持体1上に塗布された感光層1aを乾燥させ
る時間は、導電性支持体1上に塗布された感光層1aの
種類や厚みによって異なるが、一般にはその乾燥時間を
10〜60分の範囲になるようにする。
【0027】(実施形態2)この実施形態においても、
上記の実施形態1と同様に、外周面に感光層用塗液1a
が塗布された円筒状の導電性支持体1を、通風口2aが
設けられた受け台2上に載置させるようにする。
【0028】そして、この実施形態においても、上記の
ように感光層用塗液1aが塗布された導電性支持体1を
受け台2上に載置させた状態で、図5に示すように、ベ
ルトコンベア等の搬送装置11により搬送して乾燥室2
0に導くようにする。
【0029】ここで、この実施形態においては、上記の
乾燥室20において、導電性支持体1が搬送される下方
でその搬送方向上流側の部分に、上記の実施形態1の場
合と同様の温風を各噴射ノズル21aから噴射させる温
風発生装置21を設けると共に、この温風発生装置21
より搬送方向上流側の部分に、熱風を各噴射ノズル23
aから噴射させる熱風発生装置23を設けている。
【0030】そして、上記のように感光層用塗液1aが
塗布されて受け台2上に載置された導電性支持体1が所
定の位置にくると、図4に示したように、温風発生装置
21に設けられた各噴射ノズル21aから温風を所定時
間噴射させ、上記の受け台2に設けられた通風口2aを
通して各導電性支持体1の内周側に上記の温風を吹き付
け、この温風により各導電性支持体1を順々に加熱させ
て導電性支持体1側から感光層1aから乾燥させるよう
にする。
【0031】また、このようにして導電性支持体1の内
周側に温風発生装置21における各噴射ノズル21aか
ら順々に温風を吹き付けて感光層1aを導電性支持体1
側からある程度乾燥させた後は、この導電性支持体1を
上記の搬送装置11により搬送させて熱風発生装置23
に導き、この導電性支持体1が所定の位置にくると、図
4に示した温風発生装置21の場合と同様に、この熱風
発生装置23に設けられた各噴射ノズル23aから熱風
を所定時間噴射させ、上記の受け台2に設けられた通風
口2aを通して、導電性支持体1の内周側に熱風を吹き
付け、この熱風により導電性支持体1を加熱させて塗布
された感光層1aを乾燥させるようにする。
【0032】そして、このように感光層1aが乾燥され
た導電性支持体1を乾燥室20から取り出すようにす
る。なお、上記のように温風発生装置21における各噴
射ノズル21aや熱風発生装置23における各噴射ノズ
ル23aから導電性支持体1の内周側に吹き付けた後の
温風や熱風は乾燥室20の上部に設けた排気装置22に
よって外部に排気させるようにしている。
【0033】ここで、上記の温風発生装置21において
は、上記の実施形態1の場合と同様に、各噴射ノズル2
1aから噴射させる温風の温度を室温〜60℃の範囲に
すると共に、各噴射ノズル21aから噴射させる温風の
吹き出し速度を0.5〜10m/sの範囲にし、またこ
のように各噴射ノズル21aから導電性支持体1の内周
側に温風を噴射させて感光層1aを導電性支持体1の内
周側から乾燥させる時間を合計で10〜60分の範囲に
なるようにする。
【0034】一方、上記の熱風発生装置23において
は、導電性支持体1上に塗布された感光層用塗液1aを
十分に乾燥させるため、各噴射ノズル23aから噴射さ
せる熱風の温度を60〜150℃の範囲にすると共に、
各噴射ノズル23aから噴射させる熱風の吹き出し速度
を0.5〜10m/sの範囲にし、またこのように各噴
射ノズル23aから導電性支持体1の内周側に熱風を噴
射させて感光層1aを乾燥させる時間を合計で10〜6
0分の範囲になるようにする。
【0035】なお、上記の実施形態1,2のものにおい
ては、いずれも導電性支持体1の内部に温風や熱風を吹
き付けて導電性支持体1を加熱させ、導電性支持体1側
における感光層1aから乾燥させるようにしたが、導電
性支持体1を加熱させて感光層1aを導電性支持体1側
からを乾燥させる方法は、特に上記の実施形態に示され
たものに限定されず、受け台2にヒーター等を設け、こ
の受け台2を介して導電性支持体1を加熱させるように
したり、融電加熱によって導電性支持体1を加熱させる
ようにすることも可能である。
【0036】次に、上記の実施形態における電子写真感
光体の製造方法を用いた具体的な実施例について説明す
ると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例に係る電子
写真感光体の製造方法によって電子写真感光体を製造し
た場合、表面に泡状のノイズの発生のない感光層を有す
る電子写真感光体が得られることを明らかにする。
【0037】(実施例1〜3及び比較例1〜3)これら
の実施例1〜3及び比較例1〜3においては、それぞれ
外径が80mm、長さが350mmの円筒状になったア
ルミニウム管からなる導電性支持体1を用い、これを洗
浄して乾燥させた。
【0038】そして、電荷発生材料としてアゾ化合物を
用い、このアゾ化合物を1重量部、ブチラール樹脂を1
重量部、シクロヘキサノンを60重量部、テトラヒドロ
フランを38重量部の割合で加え、これらをサンドグラ
インダーにより分散処理して電荷発生層用塗液を調整
し、この電荷発生層用塗液を上記の導電性支持体1の外
周面に浸漬塗布法により塗布し、これを乾燥させて導電
性支持体1の外周面にそれぞれ膜厚が0.3μmになっ
た電荷発生層を形成した。
【0039】次に、電荷輸送材料としてビドラゾン化合
物を用い、このビドラゾン化合物を100重量部、ポリ
カーボネート樹脂を100重量部の割合にし、テトラヒ
ドロフランと1,4−ジオキサンと等量混合させた混合
溶媒に溶解させて電荷輸送層用塗液を調整し、実施例1
及び比較例1においては、温度20℃における粘度が3
00cpsになった電荷輸送層用塗液を、実施例2,3
及び比較例2,3においては、温度20℃における粘度
が400cpsになった電荷輸送層用塗液を用いるよう
にした。
【0040】そして、上記のように電荷発生層が形成さ
れた導電性支持体1上にそれぞれ浸漬塗布法により、実
施例1及び比較例1においては、上記の電荷輸送層用塗
液を乾燥後における膜厚が28μmになるように、実施
例2及び比較例2においては、上記の電荷輸送層用塗液
を乾燥後における膜厚が40μmになるように、実施例
3及び比較例3においては、上記の電荷輸送層用塗液を
乾燥後における膜厚が50μmになるように塗布した。
【0041】そして、このように各導電性支持体1上に
塗布された電荷輸送層を乾燥させるにあたり、実施例1
〜3においては、上記の実施形態2に示すように、上記
の温風発生装置21における各噴射ノズル21aからそ
れぞれ30℃の温風を5m/sの風速で上記のようにし
て導電性支持体1の内周側に順々に吹き付け、この温風
の吹き付け時間が合計で20分になるようにすると共
に、上記の熱風発生装置23における各噴射ノズル23
aからそれぞれ110℃の熱風を5m/sの風速で上記
のようにして導電性支持体1の内周側に順々に吹き付
け、この熱風の吹き付け時間が実施例1,2においては
合計で30分、実施例3においては合計で50分になる
ようにして、上記の各導電性支持体1上に塗布された電
荷輸送層を乾燥させた。
【0042】一方、比較例1〜3においては、図1に示
した従来の乾燥装置10を用い、前記の熱風噴射装置1
2からこの乾燥装置10内に110℃の熱風を3m/s
の風速で送り込むようにし、この乾燥装置10内におい
て上記のように電荷輸送層用塗液が塗布された各導電性
支持体1を45分間乾燥させた。
【0043】そして、上記の実施例1〜3及び比較例1
〜3に従ってそれぞれ電子写真感光体を40本作製し、
作製された各電子写真感光体の表面の状態を目視により
観察して、感光層の表面における泡状のノイズの発生の
有無を調べ、泡状のノイズが発生した本数を下記の表1
に示した。
【0044】
【表1】
【0045】この結果から明らかなように、上記の実施
形態2に示すように、温風発生装置21における各噴射
ノズル21aから温風を導電性支持体1の内周側に順々
に吹き付けて導電性支持体1を加熱させた後、さらに熱
風発生装置23における各噴射ノズル23aから熱風を
導電性支持体1の内周側に順々に吹き付けて、導電性支
持体1を加熱させて、導電性支持体1上に塗布された電
荷輸送層を導電性支持体1側から乾燥させた実施例1〜
3においては、電荷輸送層の膜厚を50μmと厚くした
実施例3において得られた少しの電子写真感光体におい
て泡状のノイズが発生しただけであり、電荷輸送層の膜
厚が40μm以下の実施例1,2においては、得られた
全ての電子写真感光体において泡状のノイズが発生して
いなかった。
【0046】これに対して、従来のように電荷輸送層用
塗液が塗布された導電性支持体1を高温の乾燥装置内で
乾燥させるようにした比較例1〜3においては、電荷輸
送層の膜厚が28μmになった比較例1においても得ら
れた電子写真感光体に泡状のノイズが発生し、電荷輸送
層の膜厚が40μm以上になった比較例2,3において
は、得られた全ての電子写真感光体に泡状のノイズが発
生していた。
【0047】また、上記の電荷輸送層用塗液を、上記の
実施例1〜3の場合と同様にしてそれぞれの厚みになる
ように塗布した各導電性支持体1を乾燥させるにあた
り、前記の実施形態1に示すように、温風発生装置21
における各噴射ノズル21aからそれぞれ40℃の温風
を3m/sの風速で導電性支持体1の内周側に順々に吹
き付け、この温風の吹き付け時間が合計で20分になる
ようにして、各導電性支持体1を加熱させ、各導電性支
持体1側における電荷輸送層をある程度乾燥させた後、
これらの導電性支持体1を前記の乾燥装置10内に導
き、この乾燥装置10内に熱風噴射装置12から110
℃の熱風を3m/sの風速で送り込んで、この乾燥装置
10内において上記の各導電性支持体1における電荷輸
送層を35分間乾燥させた場合も、上記の実施例1〜3
とほぼ同様の結果が得られた。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係る電
子写真感光体の製造方法においては、導電性支持体上に
感光層用塗液を塗布し、この感光層用塗液を乾燥させる
少なくとも初期に導電性支持体側から加熱させるように
したため、少なくとも初期においては、導電性支持体側
における感光層から乾燥され、感光層の内部における溶
媒が蒸発されるようになり、従来のように導電性支持体
上に塗布された感光層の表面が先にある程度乾燥された
後、導電性支持体側の感光層中における溶媒が泡になっ
てこの表面から蒸発し、感光層の表面に泡状のノイズが
生じるということがなく、泡状のノイズの発生のない感
光層を有する電子写真感光体が得られるようになった。
【0049】この結果、この発明に係る電子写真感光体
の製造方法によると、電子写真感光体の感度を向上させ
たり、その寿命を長くするため、導電性支持体上に形成
する感光層の膜厚を厚くした場合においても、得られた
感光層の表面に泡状のノイズが多数発生するということ
がなく、良好な画像形成が行なえる電子写真感光体が得
られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来において、感光層用塗液が塗布された導電
性支持体を乾燥装置において乾燥させる状態を示した概
略説明図である。
【図2】この発明の実施形態1において、感光層用塗液
が塗布された導電性支持体を受け台上に載置させた状態
を示した概略断面図である。
【図3】上記の実施形態1において、感光層用塗液が塗
布された導電性支持体を乾燥させる状態を示した概略説
明図である。
【図4】上記の実施形態1において、温風発生装置に設
けられた噴射ノズルから温風を噴射させて受け台に設け
られた通風口を通して導電性支持体の内周側に吹き付け
る状態を示した断面説明図である。
【図5】この発明の実施形態2において、感光層用塗液
が塗布された導電性支持体を乾燥させる状態を示した概
略説明図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 1a 感光層用塗液 21 温風発生装置 21a 温風発生装置の噴射ノズル 23 熱風発生装置 23a 熱風発生装置の噴射ノズル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層用塗液を塗布
    し、乾燥させて、導電性支持体上に感光層を形成する電
    子写真感光体の製造方法において、乾燥を行なう少なく
    とも初期に導電性支持体側から加熱させることを特徴と
    する電子写真感光体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6713736B2 (en) 2001-12-28 2004-03-30 Canon Kabushiki Kaisha Method and apparatus for manufacturing cylindrical member
US7560217B2 (en) 2004-12-09 2009-07-14 Sharp Kabushiki Kaisha Method of forming electrophotographic photoreceptor and method of drying coating film
JP2011123161A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体の製造方法、及び製造装置

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US7560217B2 (en) 2004-12-09 2009-07-14 Sharp Kabushiki Kaisha Method of forming electrophotographic photoreceptor and method of drying coating film
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