JP3232786B2 - 電子写真感光体及び該電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体及び該電子写真感光体の製造方法

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JP3232786B2
JP3232786B2 JP15365293A JP15365293A JP3232786B2 JP 3232786 B2 JP3232786 B2 JP 3232786B2 JP 15365293 A JP15365293 A JP 15365293A JP 15365293 A JP15365293 A JP 15365293A JP 3232786 B2 JP3232786 B2 JP 3232786B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体の製造
方法に関するものである。詳しくは、耐刷性(耐摩耗
性)に優れた電子写真感光体の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体の感光層にはセレン、硫
化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性物質が広
く用いられていた。しかしながら、セレン、硫化カドミ
ウムは毒物として回収が必要であり、セレンは熱により
結晶化するため耐熱性に劣り、硫化カドミウム、酸化亜
鉛は耐湿性に劣り、又、酸化亜鉛は耐刷性がないなどの
欠点を有しており、新規な感光体の開発につき努力が続
けられている。
【0003】有機系の光導電性物質を電子写真感光体の
感光層に用いる研究が進み、そのいくつかが実用化され
た。有機系の光導電性物質は無機系のものに比し、軽量
である、成膜が容易である、感光体の製造が容易であ
る、種類によっては透明な感光体を製造できる等の利点
を有する。このように多くの利点を有しながら、有機系
の光導電性物質が電子写真感光体として広く用いられな
かったのは、感度及び耐久性の点で問題があるためであ
った。
【0004】最近は、電荷キャリヤーの発生と移動の機
能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型
(積層型)の感光体が高感度化に有効であることから、
開発の主流となっており、このタイプによる有機系感光
体の実用化も行われている。現在実用化されている積層
型感光体は、特に耐久性において無機系の感光体に劣っ
ている。その耐久性を決める要因の一つとして物理的な
特性が挙げられる。すなわち、トナーによる現像、紙と
の摩擦、方法によって負荷は異なるがクリーニング部材
による摩擦等の実用上の負荷によって摩耗や表面傷が生
じやすいという欠陥を有しているため、実用上は限られ
た耐刷性能にとどまっているのが現状である。一般に積
層型感光体の場合、この様な負荷を受けるのは電荷移動
層である。電荷移動層は通常バインダー樹脂と電荷移動
材料からなっており、実質的に強度を決めるのはバイン
ダー樹脂であるが、電荷移動材料のドープ量が相当多い
ため十分な機械的強度を持たせるに至っていない。
【0005】これまで電荷移動層のバインダー樹脂とし
ては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、ブタジエン等のビニ
ル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアセター
ル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース
エステル、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、けい
素樹脂、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化
性樹脂が用いられてきている。数あるバインダー樹脂の
中ではポリカーボネート樹脂が比較的優れた性能を有し
ており、これまで種々のポリカーボネート樹脂が開発さ
れ実用に供されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で用いられてきたポリカーボネート樹脂では、電子写真
プロセスで使用する場合、耐摩耗性や耐擦傷性等、特に
耐摩耗性で不十分な場合が多く、より耐摩耗性に優れた
バインダー樹脂が望まれている。本発明は、従来のこの
ような問題点を解消するためになされたもので、その目
的とするところは、耐摩耗性に優れたバインダー樹脂を
提供することにより、耐久性に優れ、かつ感度、帯電性
の変動が小さい電子写真感光体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高耐久性
の電子写真感光体を提供するバインダー樹脂について鋭
意研究したところ、重量平均分子量が200,000以
上であるポリカーボネート樹脂が十分な機械的性能を有
していることを見出した。一方、従来から用いられてい
る感光体の形成法は主に浸漬塗布法であるが、浸漬塗布
法は、円筒状基体を塗布液槽内に浸漬させた後、これを
引き上げた状態で、塗膜の表面に塗布液のタレを生じ易
い、また液槽内の塗布液に濃度ムラを生じ易いため塗膜
の膜厚が一定になり難い欠点を有している。また、一般
に塗布液の粘度はバインダー樹脂の分子量が大きくなる
に従い大きくなるため、高分子量のポリカーボネート樹
脂を含む塗布液は高粘度になる。このように高粘度な塗
布液では、濃度ムラや泡が生じ易く、さらに一度生じた
濃度ムラや泡は解消しにくい。このような問題を解決す
る方法としては、塗布液の固形分濃度を下げることが考
えられる。しかしながら、固形分濃度の低い塗布液を用
いて塗布を行う場合、円筒状基体を引き上げた直後の湿
潤塗膜中の溶媒の割合が大きいため、湿潤塗膜のタレ現
象はさらに増大する。したがって、浸漬塗布法により高
分子量のポリカーボネート樹脂を含む塗布液から均一な
膜厚の感光層を形成させることはさらに困難となる。
【0008】そこで、本発明者らは、高分子量のポリカ
ーボネート樹脂を含む塗布液から均一な膜厚の感光層が
得られる形成法について鋭意検討した結果、特定の塗布
法が有効であることを見出し本発明に到達した。すなわ
ち、本発明の要旨は、導電性の円筒状基体上に、光導電
性物質及びバインダー樹脂を含有する感光層を有する電
子写真感光体において、該感光層が電荷発生層及びこの
上に形成された電荷移動層を有する積層型感光層であ
り、該電荷移動層がバインダー樹脂として重量平均分子
量200,000以上、好ましくは250,000以
上、1,000,000以下のポリカーボネート樹脂を
含有しており、かつ、該感光層の画像形成領域における
膜厚の振れが平均膜厚の±5%以内であることを特徴と
する電子写真感光体、及び表面に電荷発生層が形成され
ている導電性の円筒状基体を回転させながら、これに電
荷移動剤及びバインダー樹脂として重量平均分子量20
0,000以上、好ましくは250,000以上、1,
000,000以下のポリカーボネート樹脂を含有する
塗布液を、スプレー塗布の場合には粘度100〜500
cpsで、スパイラル塗布の場合には粘度200〜15
00cpsで塗布することを特徴とする電子写真感光体
の製造方法に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真感光体は、バインダー樹脂として重量平均分子
量が200,000以上であって、好ましくは1,20
0,000以下であるポリカーボネート樹脂を含有する
感光層を有する。使用するポリカーボネート樹脂は、通
常、下記一般式[I]で表される繰り返し構造単位を1
種または2種以上含有する。
【0010】
【化1】
【0011】但し、前記一般式[I]においてR1,R2,
3,R4,R5,R6,R7,及びR8 は、それぞれ独立して、
水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、または、置
換基を有していてもよい芳香族基を表す。またR9 およ
びR10はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、
置換基を有していてもよい芳香族基を表し、またR9
よびR10は連結して環を形成してもよく、連結する炭素
原子とともにカルボニル基を形成してもよい。
【0012】使用するポリカーボネート樹脂を更に詳し
く説明すると、前記一般式[I]において、R1,R2,R
3,R4,R5,R6,R7,及びR8 は、それぞれ独立して、水
素原子;メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級
アルキル基;塩素、臭素等のハロゲン原子;フェニル
基、ナフチル基、トリル基等の置換基を有していてもよ
い芳香族基を表す。これらのうち、水素原子、メチル
基、塩素原子及びフェニル基のいずれかとすることが好
ましい。
【0013】R9 およびR10は、それぞれ独立して、水
素原子;メチル基、エチル基、プロピル基等の低級アル
キル基;フェニル基、ナフチル基、トリル基等の置換基
を有していてもよい芳香族基を表し、R9 およびR
10は、連結してシクロヘキサン等の環を形成してもよ
く、連結する炭素原子とともにカルボニル基を形成して
もよい。これらのうち、水素原子、メチル基、フェニル
基、連結してシクロヘキサン環を形成する場合、及び連
結する炭素原子とともにカルボニル基を形成する場合が
好ましい。
【0014】以下に本発明に用いるポリカーボネート樹
脂の繰り返し単位の具体例を示す。以下の具体例(1
7)〜(27)はポリカーボネート樹脂が一般式[I]
で表わされる繰返し構造単位を2種有するものの例であ
り、具体例(28)及び(29)はポリカーボネート樹
脂が一般式[I]で表わされる繰返し構造単位を3種有
するものの例である。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、
例えば、下記一般式[II]で示されるビスフェノール化
合物を用いて、合成することができる。しかしながら、
分子量を通常より高くするため重合時には触媒を用いる
或は重合停止剤を用いない等の重合を促進させる処置を
用いなければならない。なお、分子量は高すぎると粘度
が高くなりすぎ、樹脂の製造及び取り扱いが困難となる
ので、重量平均分子量は1,200,000以下が好ま
しい。更に本発明の効果の点及び電子写真感光体の製造
の容易さの点から、重量平均分子量は250,000以
上、1,000,000以下がより好ましい。
【0022】
【化8】
【0023】但し、R1 〜R10は前記一般式[I]中と
同一の意義を有する。本発明の電子写真感光体は、重量
平均分子量が200,000以上であるポリカーボネー
ト樹脂を含有する感光層を円筒状基体を回転させなが
ら、該円筒状基体に、塗布液を供給しつつ塗布する方
法、例えばスプレー塗布法またはスパイラル塗布法等に
より容易に形成される。
【0024】本発明のポリカーボネート樹脂は感光層用
バインダーとしてきわめてすぐれた性能を示す。特に電
荷移動材料とともに電荷移動媒体として用いた場合には
特に耐久性にすぐれた感光体を与える。電子写真感光体
の感光層の形態としては種々のものが知られているが、
本発明の電子写真感光体の感光層としてはそのいずれで
あってもよい。例えば、バインダー樹脂中に電荷移動材
料と必要に応じ増感剤となる色素や電子吸引性化合物を
添加した感光層、光を吸収すると極めて高い効率で電荷
キャリヤーを発生する光導電性粒子と電荷移動材料をバ
インダー樹脂中に添加した感光層、電荷移動材料とバイ
ンダー樹脂等からなる電荷移動層と光を吸収すると極め
て高い効率で電荷キャリヤーを発生する光導電性粒子か
らなるあるいはこれとバインダー樹脂とからなる電荷発
生層を積層した感光層等が挙げられる。本発明のポリカ
ーボネートはこれらのバインダーのいずれに使用しても
よい。特に光を吸収すると極めて高い効率で電荷キャリ
ヤーを発生する光導電性粒子、電荷移動材料と必要に応
じ色素や電子吸引性化合物を本発明のポリカーボネート
中に添加した感光層、電荷発生層上に本発明のポリカー
ボネートを含有する電荷移動層を積層した感光層が好ま
しい。
【0025】本発明の電子写真感光体は常法に従って重
量平均分子量が200,000以上であるポリカーボネ
ート樹脂を単独で、あるいはバインダー樹脂として優れ
た性能を有する公知のポリマーと混合して電荷移動材料
と共に適当な溶剤中に溶解し、必要に応じ光を吸収する
と極めて高い効率で電荷キャリヤーを発生する光導電性
粒子、増感染料、電子吸引性化合物、あるいは、可塑
剤、顔料その他の添加剤を添加して得られる塗布液を導
電性支持体上に塗布、乾燥することにより製造すること
ができる。電荷発生層と電荷移動層の二層からなる感光
層の場合は、電荷発生層の上に電荷発生層を形成させる
ことにより、製造することができる。
【0026】一般に、感光層の塗布方法としては、スプ
レー塗布法、スパイラル塗布法、浸漬塗布法、リング塗
布法等があるが、前述のように浸漬塗布法、リング塗布
法では本発明のポリカーボネート樹脂を含む塗布液から
膜厚の均一な塗膜を形成するのは困難である。本発明の
ポリカーボネート樹脂を含む塗布液から膜厚の均一な塗
膜を形成するためには、塗膜の形成に必要な量の液を必
要な場所に精密に付着させることができ、付着後の膜の
移動の少ない方法が必要であり、円筒状基体を回転させ
ながら、該円筒状基体に、塗布液を供給しつつ塗布する
方法が好ましく、例えば、スプレー塗布法またはスパイ
ラル塗布法がこれに適している。
【0027】スプレー塗布法としては、エアスプレー、
エアレススプレー、静電エアスプレー、静電エアレスス
プレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホ
ットエアレススプレー等があるが、均一な膜厚を得るた
めの微粒化度、付着効率等を考えると回転霧化式静電ス
プレーにおいて、再公表平1−805198号公報に開
示されている搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転さ
せながらその軸方向に間隔を空けることなく連続して搬
送することにより、総合的に高い付着効率で膜厚の均一
性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
【0028】本発明のポリカーボネート樹脂を含む塗布
液をスプレー塗布するためには、噴霧時に析出が起こら
ないよう、すなわち噴霧液滴の飛翔中にその溶剤が適量
蒸発するような沸点の溶剤あるいは塗布条件を選択する
必要がある。また、塗布液粘度を低下させるために塗布
液の固形分濃度を低下させる必要がある場合において
も、本方式は湿潤膜厚の厚い系における膜厚均一性が優
れており適している。
【0029】スパイラル塗布法としては、特開昭52−
119651号公報に開示されている注液塗布機または
カーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966
号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連
続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報
に開示されているマルチノズル体を用いた方法等があ
る。注液塗布機またはカーテン塗布機を用いた方法はス
パイラル状の膜厚ムラを生じ易く、また本発明のポリカ
ーボネート樹脂を含む塗布液を微小開口部から霧化せず
筋状に連続して飛翔させるためには固形分濃度を低くす
る必要がある。しかし固形分濃度を低くしすぎると湿潤
膜厚が厚くなり過ぎ液垂れを生ずる傾向にあり、スプレ
ー塗布ほどに飛翔中の溶剤の蒸発は期待できない。マル
チノズル体を用いた方法は高粘度液も均一な膜厚で塗布
可能であり、スパイラル塗布法の中では本発明のポリカ
ーボネート樹脂を含む塗布液の塗布において非常に適し
ている。
【0030】混合して用いるバインダーとしては、スチ
レン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、ブタジエン等のビニル化合物の
重合体及び共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカー
ボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリウレタン、セルロースエステル、セ
ルロースエーテル、フエノキシ樹脂、けい素樹脂及びエ
ポキシ樹脂等の電荷移動材料と相溶性のある各種ポリマ
ーが挙げられる。
【0031】上述の各種バインダー樹脂の使用量は本発
明のポリカーボネート100重量部に対し、100重量
部以下が好ましい。電荷移動材料としては、2,4,6
−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタ
ン、ジフェノキノン誘導体等の電子吸引性物質、カルバ
ゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、チ
アゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリ
ン、チアジアゾール、等の複素環化合物、アニリン誘導
体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベ
ン誘導体、或はこれらの化合物からなる基を主鎖もしく
は側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられ
る。
【0032】バインダーの使用量は通常電荷移動材料に
対し、0.1〜30重量倍が好ましく、より好ましくは
0.5〜10重量倍の範囲である。電荷輸送層の膜厚は
通常、5μm〜60μm、好ましくは10μm〜45μ
mの範囲で使用される。塗布液の固形分濃度としては、
5〜30重量%が好ましい。塗布液の粘度としては、塗
布方式により異なるが、スプレー塗布法に対しては10
〜800cpsが好ましく、より好ましくは100〜5
00cpsである。また、スパイラル塗布法に対しては
100〜2000cpsが好ましく、より好ましくは2
00〜1500cpsである。
【0033】塗布液調整用の溶剤としてはテトラヒドロ
フラン、1、4−ジオキサン、アニソール等のエーテル
類;メチルエチルケトン、2、4−ペンタンジオン、シ
クロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、アセ
トニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シド等の非プロトン性極性溶媒;酢酸エチル、マロン酸
ジメチル等のエステル類;メチルセロソルブアセテー
ト、3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコ
ールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル
類;アセト酢酸メチル等のケトンエーテル類;ジクロロ
エタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素などの電荷移
動材料を溶解させる溶剤が挙げられる。勿論これらの中
から1種または2種以上選択し、バインダーを溶解する
ような組合せの混合溶媒を用いても良い。好ましくはテ
トラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、アニソール、
2、4−ペンタンジオン、シクロヘキサノン、マロン酸
ジメチル、メチルセロソルブアセテート、3−メトキシ
ブチルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート、アセテ酢酸メチルの中から選択するのが
望ましい。
【0034】上記感光層に使用される光導電性粒子、染
料色素、電子吸引性化合物としてはいずれも周知のもの
が使用できる。光を吸収すると極めて高い効率で電荷キ
ャリヤーを発生する光導電性粒子としてはセレン、セレ
ン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム、
アモルフォスシリコン等の無機光導電性粒子;フタロシ
アニン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ、キナク
リドン、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ
系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキ
スアゾ系顔料、シアニン系顔料、スクワリリウム系顔料
等の有機光導電性粒子が挙げられる。染料としては、ト
リフェニルメタン染料、チアジン染料、キノン染料およ
びシアニン染料やピリリウム塩、チアピリリウム塩、ベ
ンゾピリリウム塩等が挙げられる。また、電子吸引性化
合物としては、キノン類、アルデヒド類、ケトン類、酸
無水物、シアノ化合物、フタリド類等の電子吸引性化合
物が挙げられる。電荷発生層として用いる場合には、上
記光導電性粒子と必要に応じ本発明のポリカーボネート
または上述の各種バインダー樹脂や電荷移動材料、染料
色素、電子吸引性化合物等を溶媒に溶解及至分散させて
得られる塗布液を塗布乾燥した薄層、あるいは前記光導
電性粒子を蒸着等の手段により薄層とした層が挙げられ
る。
【0035】更に、本発明の電子写真感光体の感光層は
成膜性、可とう性、塗布性、機械的強度を向上させるた
めに周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリ
ング剤を含有していてもよい。このようにして形成され
る感光体にはまた、必要に応じ、接着層、中間層、透明
絶縁層等を有していてもよいことはいうまでもない。感
光層が形成される導電性基体あるいは円筒状基体として
は周知の電子写真感光体に採用されているものがいずれ
も使用できる。具体的には例えばアルミニウム、ステン
レス、銅等の金属ドラム、シートあるいはこれらの金属
箔のラミネート物、蒸着物が挙げられる。更に、金属粉
末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等の導
電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電処理
したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、紙、
紙管等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラッ
ク、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性となった
プラスチックのシートやドラムが挙げられる。以上のよ
うにして感光層の画像形成領域(電子写真プロセスで画
像を形成するのに使用する領域)における膜厚の振れ
が、平均膜厚の±5%以内にある本発明の電子写真感光
体が得られる。
【0036】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体及び本発明の製
造方法によって得られる電子写真感光体は感度、帯電性
の変動が少なく、機械的特性に優れているため、クリー
ニングブレードによる膜の摩耗も最小限に抑えられ、コ
ピー画像に影響を及ぼすような表面傷も非常に入りにく
く従って耐久性が極めて良好である。
【0037】更に本発明において感光体に含有せしめら
れるポリカーボネート樹脂は有機溶剤に対する溶解性が
優れており、1、4−ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、2、4−ペンタンジオン等の非ハロゲン系溶媒にた
いしても高い溶解性を示し、これらの溶媒を用いて塗布
液の調整ができるため安全衛生上の点でも好ましい。ま
た塗布液の経時安定性にも優れているため、感光体塗布
時の欠陥発生が極めて少なくなるなど感光体の生産性に
大幅に向上する。更にまた、本発明の製造方法によれ
ば、高粘度の塗布液においても均一度の高い膜厚の感光
層を得ることができる。
【0038】
【実施例】本発明を以下の実施例および比較例により更
に具体的に説明するが本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例によって限定されるものではない。な
お、以下「部」とあるは「重量部」を示す。
【0039】製造例 (イ)ポリカーボネートオリゴマーの製造
【表1】 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 100部 水酸化ナトリウム 50部 水 680部 塩化メチレン 330部 上記混合物を攪はん機付反応器に仕込み、800rpm
で攪はんした。これにホスゲン70部を40分の間に吹
き込み反応を行った。反応終了後ポリカーボネートオリ
ゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみを補集した。得
られたオリゴマーの塩化メチレン溶液の分析結果は下記
の通りであった。
【0040】
【表2】 オリゴマー濃度(注1) 28.4重量% 末端クロロホルメート基濃度(注2) 1.24規定 末端フェノール性水酸基濃度(注3) 0.10規定 注1) 蒸発乾固させて測定した。 注2) アニリンと反応させて得られるアニリン塩酸塩
を0.2規定水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定した。 注3) 塩化メチレン、四塩化チタン、酢酸溶液に溶解
させた時の発色を546nmで比色定量した。
【0041】(ロ)具体例(1)に示すポリカーボネー
トの製造例
【表3】 オリゴマー溶液 100部 塩化メチレン 220部 を攪はん機付反応器に仕込み、800rpmで攪はんし
た。更に下記組成の水溶液を仕込み30分界面重合し、
更に塩化メチレン190部を加え2時間半界面重合を行
った。
【0042】
【表4】 水酸化ナトリウム 9部 トリエチルアミン 0.01部 水 70部 引続き反応混合物を分液し、ポリカーボネート樹脂を含
む塩化エチレン溶液を水酸化ナトリウム水溶液、塩酸水
溶液、脱塩水を用いて洗浄し、最後に塩化メチレンを蒸
発させて樹脂を取り出した。この樹脂の重量平均分子量
は298,400であった。ここで言う重量平均分子量
とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
測定されるポリスチレン換算の値である。
【0043】実施例1 下記構造を有するビスアゾ化合物10部を150部の4
−メトキシ−4−メチルペンタノン−2に加え、サンド
グラインドミルにて粉砕分散処理を行った。
【0044】
【化9】
【0045】ここで得られた顔料分散液をポリビニルブ
チラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000−
C)の5%4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2溶
液100部及びフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社
製、商品名PKHH)の10%4−メトキシ−4−メチ
ルペンタノン−2溶液50部の混合液に加え、最終的に
固形分濃度1.25%の分散液を作製した。
【0046】この様にして得られた分散液を用いて、表
面が鏡面仕上げされた外径80mm、長さ348mm,
肉厚1.0mmのアルミシリンダー上に、静電スプレー
装置(日本ランズバーグ社製グルーブド・ミニベル及び
J4型ターボモーター)により直径2インチのミニベル
の回転数15,000rpmにて、11ml/minで
上記分散液を吐出させることにより、その乾燥膜厚が
0.4g/m2 となるように電荷発生層を設けた。なお
塗布工程はドラムを水平に保持し、200rpmで回転
しつつ軸方向に一定速度で搬送する方式をとり、1本あ
たり20秒で処理した。
【0047】次にこのアルミシリンダー上に、同様の静
電スプレー装置を用いて、式〔III〕に示すヒドラゾン
化合物110部と次式〔IV〕に示すシアノ化合物2.5
【0048】
【化10】
【0049】及び重量平均分子量が298,400の前
記製造例で得られた具体例(1)に示す構造を有するポ
リカーボネート樹脂100部をシクロヘキサノンに溶解
させ、最終的に固形分濃度を8%とした液(粘度260
cps)を、85ml/minで吐出させることにより
塗布を行い、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷
移動層を設けた。この様にして得られた感光体を感光体
Aとする。
【0050】感光層の膜厚の測定をフィッシャー製パー
マスコープ(E−110B型)を用いて画像形成領域
(後述の評価で用いた複写機において画像を形成するの
に使用する領域)について行った。その方法は、感光体
の軸方向で等間隔に20点の膜厚測定を円周方向に角度
90度進む毎に行い、合計80点測定を行った。膜厚の
振れは測定点の内、最大値と最小値の平均値に対する割
合で示した。この感光体Aは、塗布開始位置より10m
mの位置で20μmの膜厚に達しており、また膜厚の振
れは平均膜厚に対し±2%であった。
【0051】比較例1 実施例1で用いたビスアゾ化合物10部を150部の4
−メトキシ−4−メチルペンタノン−2に加え、サンド
グラインドミルにて粉砕分散処理を行った。
【0052】ここで得られた顔料分散液をポリビニルブ
チラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000−
C)の5%ジメトキシエタン溶液100部及びフェノキ
シ樹脂(ユニオンカーバイト社製、商品名PKHH)の
5%ジメトキシエタン溶液100部の混合液に加え、最
終的に固形分濃度4.0%(粘度2cps)の分散液を
作製した。
【0053】この様にして得られた分散液を用いて、表
面が鏡面仕上げされた外径80mm、長さ348mm、
肉厚1.0mmのアルミシリンダーを40cm/min
の速度で浸漬塗布しその乾燥膜厚が0.4g/m2 とな
るように電荷発生層を設けた。次にこのアルミシリンダ
ー上に、実施例1で用いたヒドラゾン化合物110部と
シアノ化合物2.5部及び重量平均分子量が298,4
00の具体例(1)に示す構造を有するポリカーボネー
ト樹脂100部をジオキサン、テトラヒドロフランの混
合溶媒に溶解させた液(固形分濃度10%、粘度180
cps)を120cm/minの速度で浸漬塗布し、乾
燥後の膜厚が20μmとなるように電荷移動層を設け
た。
【0054】この様にして得られた感光体を感光体Bと
する。この感光体Bは、塗布上端(塗布開始位置)では
膜厚が薄く、上端より90mmの位置で20μmの膜厚
に達しており、また膜厚の振れは−14%、+5%であ
った。
【0055】実施例2 実施例1に示された構造を有するビスアゾ化合物を用い
て、固形分濃度が2.0%である以外は全て実施例1と
同様にして分散液を作製した。得られた分散液を用い
て、表面が鏡面仕上げされた外径80mm、長さ348
mm,肉厚1.0mmのアルミシリンダー上に、塗布後
の吐出手段として、内径0.17mmの細管からなる5
本の吐出ノズルを0.85mmの間隔で一列に配設させ
た塗布用マルチノズル体を用い、その各ノズル吐出開口
から4.1ml/minで上記分散液を吐出させると共
に、アルミシリンダーを283rpmで回転させ、かつ
塗布用マルチノズル体の5本のノズルを回転軸線に対し
て55.6度に配置して、その送りピッチを2.3mm
/回転としておき、アルミシリンダーの表面に対して塗
布用マルチノズル体を相対的にスパイラル状の移動軌跡
で移動させながら、その乾燥膜厚が0.4g/m2 とな
るように電荷発生層を設けた。この際、アルミシリンダ
ーと各ノズルの吐出開口端との間隔を0.15mmと
し、かつアルミシリンダーの回転軸線に対して各ノズル
の配設方向を平行に配置させた。
【0056】次にこのアルミシリンダー上に、実施例1
で用いたヒドラゾン化合物110部とシアノ化合物2.
5部及び重量平均分子量が273,600の具体例
(2)に示す構造を有するポリカーボネート樹脂100
部をシクロヘキサノンに溶解させ、最終的に固形分濃度
を11%とした液(粘度1150cps)を、塗布液の
吐出手段として、内径0.4mmの細管からなる4本の
吐出ノズルを1.25mmの間隔で一列に配設させた塗
布用マルチノズル体を用い、各ノズル吐出開口から37
ml/minで吐出させると共に、同時に、アルミシリ
ンダーを283rpmで回転させ、かつ塗布用マルチノ
ズル体の4本のノズルを回転軸線に対して61.3度に
配置して、その送りピッチを2.3mm/回転とし、ア
ルミシリンダー表面に対して塗布用マルチノズル体を相
対的にスパイラル状の軌跡で移動させながら塗布を行
い、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷移動層を
設けた。この様にして得られた感光体を感光体Cとす
る。この感光体Cは、塗布開始位置より10mmの位置
で20μmの膜厚に達しており、また膜厚の振れも±
2.0%であった。
【0057】比較例2 比較例1と全て同様にしてアルミシリダーに、電荷発生
層を設けた。次に、実施例1で用いたヒドラゾン化合物
110部とシアノ化合物2.5部及び重量平均分子量が
273,600の具体例(2)に示す構造を有するポリ
カーボネート樹脂100部をジオキサン、テトラヒドロ
フランの混合溶媒に溶解させた液(固形分濃度11%、
粘度250cps)を80cm/minの速度で浸漬塗
布し、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷移動層
を設け、感光体Dを作製した。この感光体Dは、塗布上
端(塗布開始位置)より80mmで20μmの膜厚に達
しており、また膜厚の振れも−12%、+5%であっ
た。
【0058】実施例1と比較例1の比較、及び実施例2
と比較例2の比較より明かな通り、スプレー塗布法及び
スパイラル塗布法は、浸漬塗布で問題となる塗布上端の
タレが非常に小さく、また膜厚の均一性に優れている。
【0059】比較例3 比較例1と全て同様に行い、電荷発生層を設けた。次
に、実施例1で用いたヒドラゾン化合物110部とシア
ノ化合物2.5部及び重量平均分子量が85,700の
具体例(2)に示す構造を有するポリカーボネート樹脂
100部をジオキサン、テトラヒドロフランの混合溶媒
に溶解させた液(固形分濃度24%、粘度130cp
s)を40cm/minの速度で浸漬塗布し、乾燥後の
膜厚が20μmとなるように電荷移動層を設け、感光体
Eを作製した。この感光体の膜厚の振れは±4%であっ
た。
【0060】(評価)次に感光体C及び感光体Eを市販
の複写機(シャープ(株)製SF9400)に装着し、
10万枚のコピーテストを行った。この時の感光体の膜
厚変化の測定結果を表1に示す。表1の結果から明かな
ように感光体Cは感光体Eに比べ膜の摩耗が小さく、し
たがって、膜の摩耗による電子写真特性の変化も少なか
った。さらに、感光体Cは10万枚のコピー後において
も感度の変化が少なく、良好な画像を与えた。
【0061】
【表5】 表1. 分子量 膜の摩耗(μm/10万枚) 感光体E(比較例) Mw=85,700 3.6 感光体C Mw=273,600 3.0
【0062】比較例4 重量平均分子量が80,000であって具体例(1)に
示す構造を有するポリカーボネート樹脂を用いる以外は
比較例3と同様にして感光体Fを作製した。この感光体
の膜厚の振れは±5%であった。
【0063】実施例3 重量平均分子量が357,900であって具体例(1)
に示す構造を有するポリカーボネート樹脂を用いる以外
は実施例1と同様にして感光体Gを作製した。この感光
体の膜厚の振れは±4%であった。
【0064】実施例4 重量平均分子量が583,700であって具体例(1)
に示す構造を有するポリカーボネート樹脂を用いる以外
は実施例1と同様にして感光体Hを作製した。この感光
体の膜厚の振れは±4%であった。
【0065】実施例5 重量平均分子量が730,900であって具体例(1)
に示す構造を有するポリカーボネート樹脂を用いる以外
は実施例1と同様にして感光体Iを作製した。この感光
体の膜厚の振れは±5%であった。
【0066】実施例6 重量平均分子量が1,003,000であって具体例
(1)に示す構造を有するポリカーボネート樹脂を用い
る以外は実施例1と同様にして感光体Jを作製した。こ
の感光体の膜厚の振れは±5%であった。
【0067】(評価)次に感光体FないしJを市販の複
写機(シャープ(株)製SF9400)に装着し、10
万枚のコピーテストを行った。この時の感光体の膜の摩
耗の測定結果を表2に示す。
【0068】
【表6】 表2. 分子量 膜の摩耗(μm/10万枚) 感光体F(比較例) Mw=80,000 5.5 感光体G Mw=357,900 3.8 感光体H Mw=583,700 4.0 感光体I Mw=730,000 1.7 感光体J Mw=1003,000 1.1
【0069】比較例7 重量平均分子量が177,500であって、具体例(1
7)に示す構造を有し、2種類の構造単位がモル比で1
対1のポリカーボネート樹脂を用いる以外は実施例2と
同様にして感光体Kを作製した。この感光体の膜厚の振
れは±3%であった。
【0070】実施例8 重量平均分子量が336,800であって、具体例(1
7)に示す構造を有し、2種類の構造単位がモル比で1
対1のポリカーボネート樹脂を用いる以外は実施例2と
同様にして感光体Lを作製した。この感光体の膜厚の振
れは±3%であった。
【0071】実施例9 重量平均分子量が455,900であって、具体例(1
7)に示す構造を有し、2種類の構造単位がモル比で1
対1のポリカーボネート樹脂を用いる以外は実施例2と
同様にして感光体Mを作製した。この感光体の膜厚の振
れは±4%であった。
【0072】(評価)次に感光体KないしMを市販の複
写機(シャープ(株)製SF9400)に装着し10万
枚のコピーテストを行った。この時の感光体の膜の摩耗
の測定結果を表3に示す。
【0073】
【表7】 表3. 分子量 膜の摩耗(μm/10万枚) 感光体K(比較例) Mw=177,500 4.0 感光体L Mw=336,800 2.4 感光体M Mw=455,900 1.5
【0074】表1、2、3の結果より明らかなように、
重量平均分子量Mwが200,000以上のポリカーボ
ネート樹脂をバインダーに用いると膜の摩耗が著しく減
少する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅原 規司 神奈川県小田原市成田1060番地 三菱化 成株式会社小田原事業所内 (56)参考文献 特開 平1−231966(JP,A) 特開 平2−228669(JP,A) 特開 平2−235066(JP,A) 特開 平3−185451(JP,A) 特開 平3−171055(JP,A) 特開 平1−262551(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の円筒状基体上に、光導電性物質
    及びバインダー樹脂を含有する感光層を有する電子写真
    感光体において、該感光層が電荷発生層及びこの上に形
    成された電荷移動層を有する積層型感光層であり、該電
    荷移動層がバインダー樹脂として重量平均分子量20
    0,000以上のポリカーボネート樹脂を含有してお
    、かつ、該感光層の画像形成領域における膜厚の振れ
    が平均膜厚の±5%以内であることを特徴とする電子写
    真感光体。
  2. 【請求項2】 電荷移動層がバインダー樹脂として重量
    平均分子量250,000以上、1,000,000以
    下のポリカーボネート樹脂を含有していることを特徴と
    する請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電子写真感光体の
    製造方法であって、表面に電荷発生層が形成されている
    導電性の円筒状基体を回転させながら、これに電荷移動
    剤及びバインダー樹脂のポリカーボネート樹脂を含有す
    る粘度100〜500cpsの塗布液をスプレー塗布す
    ることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の電子写真感光体の
    製造方法であって、表面に電荷発生層が形成されている
    導電性の円筒状基体を回転させながら、これに電荷移動
    剤及びバインダー樹脂のポリカーボネート樹脂を含有す
    る粘度200〜1500cpsの塗布液をスパイラル塗
    布することを特徴とする方法。
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