JPH08297372A - 有機感光体 - Google Patents

有機感光体

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JPH08297372A
JPH08297372A JP12716795A JP12716795A JPH08297372A JP H08297372 A JPH08297372 A JP H08297372A JP 12716795 A JP12716795 A JP 12716795A JP 12716795 A JP12716795 A JP 12716795A JP H08297372 A JPH08297372 A JP H08297372A
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JP
Japan
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photosensitive layer
resin
solvent
layer
weight
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Application number
JP12716795A
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English (en)
Inventor
Keiichi Inagaki
圭一 稲垣
Masayuki Ito
公幸 伊藤
Takeshi Ishida
健 石田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光層に用いるバインダー樹脂との相溶性及
び感光層形成用塗液(樹脂溶液)の保存性の両方の特性
を満足する溶剤を選択し、感光層の厚い感光体であって
も、生産性及び耐久性に優れ、良好な画像が長期にわた
って安定して形成される有機感光体を提供する。 【構成】 少なくとも溶剤とバインダー樹脂とからなる
感光層用塗液を導電性支持体上に塗布、乾燥させて感光
層を設けた有機感光体において、上記感光層の厚さが2
5μm以上で、上記のバインダー樹脂がポリカーボネー
ト樹脂であり、上記の溶剤がジオキソランと飽和蒸気圧
が100mmHg以上の溶剤との混合溶剤で、ジオキソ
ランを10〜60重量%含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、感光層用塗液を導電
性支持体上に塗布、乾燥させて感光層を設けるようにし
た有機感光体に係り、特に、バインダー樹脂にポリカー
ボネート樹脂を用いた膜厚の大きな感光層を有する有機
感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の画像
形成装置に使用される感光体としては、一般に導電性支
持体上に感光層が形成されたものが使用されており、こ
の感光層に使用する感光材料に、無機系の感光材料を使
用したものと、有機系の感光材料を使用したものとが知
られていた。そして、最近においては、無公害で成膜性
が良く、その製造も容易でコストも安価な点から、有機
系の感光材料を用いた有機感光体が多く使用されるよう
になった。
【0003】ここで、このような有機感光体は、一般に
溶剤にバインダー樹脂と有機系の感光材料とを添加させ
た感光層用塗液を導電性支持体上に塗布し、これを乾燥
させてなるものである。
【0004】しかし、このような有機感光体において
は、一般にその感光層の機械的強度が無機系の感光体に
比べて低く、耐久性に劣っており、トナーや紙やクリー
ニング部材との摩擦等によってこの感光層が次第に摩耗
する。そして、感光層が摩耗するにつれて感光体の静電
特性が変化して、形成される画像の画質が次第に低下
し、安定した画像形成が行なえなくなる等の問題があっ
た。さらに、摩耗がすすみ、膜厚がある一定量以下とな
ると、感光体は寿命をむかえることとなる。
【0005】このため、例えば、特開平1−26755
1号公報や特開平5−80544号公報には、感光層の
膜厚を大きく構成することが記載されている。すなわ
ち、このように膜厚を大きくすることにより、感光層の
摩耗の絶対量は同じでも相対的な変化量を小さくするこ
とができるため、使用に伴う静電特性の変動を小さく
し、有機感光体の長寿命化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら使用されているような感光層の膜厚が18μm程度の
感光体を上記のように単に厚膜化しただけでは、以下の
問題が生じる。
【0007】厚膜の感光層は、乾燥し難いため、製造過
程における乾燥時に液垂れして膜厚が不均一となり、画
像に濃度むらが発生する傾向があった。これを解消する
ため、テトラヒドロフラン等の蒸気圧の高い溶剤を使用
する必要があった。しかし、溶剤の蒸気圧が高いと乾燥
がはやく均一な膜が構成されるが、一方では、溶剤の揮
発性が高いため時間の経過と共に樹脂の溶解性が低くな
って樹脂溶液の粘度が増大したりゲル化する等して保存
性が悪く、生産性の低下につながっていた。
【0008】従って、本発明の目的は、感光層に用いる
バインダー樹脂との相溶性及び感光層形成用塗液(樹脂
溶液)の保存性の両方の特性を満足する溶剤を選択し、
感光層の厚い感光体であっても、生産性及び耐久性に優
れ、良好な画像が長期にわたって安定して形成される有
機感光体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】感光層の溶剤としては、
例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、シ
クロヘキサノン等を単独あるいは2種以上混合したもの
が使用されているが、発明者等は、上記問題点並びに安
全性についても考慮して種々検討した結果、溶剤とし
て、ジオキソランと飽和蒸気圧が100mmHg以上の
溶剤とを特定量混合して用いることにより、膜厚の大き
な感光層であっても均質且つ均一な膜厚で構成すること
ができ、良好な画像が得られると共に感光層形成用塗液
の保存性にも優れていることを見出した。
【0010】従って、本発明の感光体においては、少な
くとも溶剤とバインダー樹脂とからなる感光層用塗液を
導電性支持体上に塗布、乾燥させて感光層を設けた有機
感光体に於いて、感光層が厚さが25μm以上で、上記
バインダー樹脂がポリカーボネート樹脂であり、上記溶
剤がジオキソランと飽和蒸気圧が100mmHg以上の
溶剤との混合溶剤で、ジオキソランを10〜60重量%
含有する。
【0011】ここで、上記の導電性支持体としては、一
般に使用されている公知のものを用いることができ、例
えば、銅,アルミニウム,鉄,ニッケル等の導電性材料
で構成されたものを使用することができる。
【0012】導電性支持体上に形成する感光層は、電荷
発生材料と電荷輸送材料とが含有された単層型であって
も、電荷発生材料が含有された電荷発生層と電荷輸送材
料が含有された電荷輸送層との積層型であってもよく、
さらにこのような感光層の表面に保護層を設けたり、導
電性支持体と感光層との間に中間層や下引層等を設けた
構成であってもよい。
【0013】また、この発明においては、上記のような
感光層が形成された有機感光体を長期にわたって安定し
て使用できるようにするため、感光層の膜厚が25μm
以上になるようにし、通常は25〜50μm、好ましく
は30〜40μmになるようにする。なお、この感光層
が、電荷発生層と電荷輸送層との積層型である場合に
は、電荷輸送層の膜厚が上記の範囲になるようにする。
【0014】以下に、導電性支持体上に電荷発生層と電
荷輸送層を順次積層した機能分離型積層感光体について
説明する。
【0015】導電性支持体上に電荷発生材料を導電性支
持体上に蒸発やプラズマ重合によって付着させたり、電
荷発生材料を適当な溶剤もしくは必要に応じてバインダ
ー樹脂を溶解させた溶液中に分散或いは溶解させた塗液
を導電性支持体上に塗布し、乾燥した後、その上に、ジ
オキソランと飽和蒸気圧が100mmHg以上の溶剤と
を特定量混合させた混合溶剤、電荷輸送材量及びポリカ
ーボネート樹脂からなる塗液を塗布、乾燥して電荷輸送
層を形成する。電荷発生層の膜厚は、0.01〜2μ
m、好ましくは0.1〜1μmとすることが望ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送材料の含有量は、バインダー樹
脂1重量部に対して0.2〜2重量部、好ましくは0.
3〜1.3重量部とし、電荷輸送層の膜厚は、25〜5
0μm、好ましくは30〜40μmとすることが望まし
い。
【0016】次に、本発明における感光体が単層型の場
合について説明する。
【0017】電荷発生材料と電荷輸送材料とバインダー
樹脂とを、ジオキサンと飽和蒸気圧が100mmHg以
上の溶剤との混合溶剤中に分散せしめ、これを導電性支
持体上に塗布乾燥して感光体を作成する。この時、感光
層中の電荷発生材料の量は、バインダー樹脂1重量部に
対して、0.01〜2重量部、好ましくは0.2〜1.
2重量部が望ましい。電荷輸送材料の量は、バインダー
樹脂1重量部に対して0.1〜2重量部、好ましくは
0.1〜1.5重量部、より好ましくは0.2〜1.2
重量部配合するのが良い。感光層の膜厚は前述した通
り、25〜50μm、好ましくは30〜40μmとす
る。
【0018】また、この発明において、バインダー樹脂
にポリカーボネート樹脂を用いるようにしたのは、耐摩
耗性に優れると共に帯電特性や感度や残留電位及び繰返
し特性等に優れた感光層が得られるようにするためであ
る。
【0019】種々のポリカーボネート樹脂の中でも、ビ
スフェノールA型のポリカーボネート樹脂は安価であり
コスト面で非常に有利であるが、テトラヒドロフラン、
アセトン等の溶剤との相溶性が悪く、樹脂溶液がゲル化
し保存性に問題がある。しかしながら、本発明のごとく
ジオキソランを併用することにより、結晶性の高いビス
フェノールA型のポリカーボネート樹脂であっても良好
な相溶性が得られ、樹脂溶液の保存性についても改善さ
れる。
【0020】ポリカーボネート樹脂は、粘度平均分子量
が1×104 より小さいと膜の硬度が低くなり耐久性が
悪くなる傾向がある。また、粘度平均分子量が1×10
5 より大きいと粘度が大きいと樹脂溶液の粘度が高くな
りすぎ塗工性が悪く均一に塗布しにくくなる傾向がある
ため、従って、本発明においては概ね1×104 〜1×
108 、好ましくは2×104 〜8×104 程度の粘度
平均分子量を有することが望ましい。
【0021】本発明においては、感光層のバインダー樹
脂としてポリカーボネート樹脂を使用するものである
が、感光層の耐久性や静電特性に影響を与えない範囲に
おいては、他の樹脂を併用してもよい。感光層中、積層
の場合には電荷輸送層中のポリカーボネート樹脂の含有
量は、ポリカーボネート樹脂の種類、併用する樹脂、電
荷発生材料或いは電荷輸送材料の種類によって異なり特
定しにくいが、50重量%以上とすることが望ましい。
【0022】併用する樹脂としては、ポリスチレン樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。
【0023】この発明において、ジオキソランを10〜
60重量%含有するのは、ジオキソランの量が多いと、
感光層用塗液の保存性はよくなるが、この感光層用塗液
を導電性支持体上に塗布して膜厚が25μm以上の厚い
感光層を形成する場合に、その乾燥に時間がかかって生
産性が悪くなると共に、その乾燥途中において液だれが
生じて均一な膜厚の感光層が得られなくなる。一方、ジ
オキソランの量が少なすぎると、飽和蒸気圧が100m
mHg以上の溶剤の蒸発が多くなって感光層用塗液の粘
度が直ぐに変化してしまい、感光層用塗液がゲル化しや
すくなってその保存性が悪くなる。
【0024】25℃における飽和蒸気圧が100mmH
g以上である溶剤としては、具体的には、ヘキサン等の
炭化水素類、ジクロルメタン、1,1−ジクロルエタ
ン、trans−1,2−ジクロルエチレン、cis−
1,2−ジクロルエチレン、1,1,1−トリクロルエ
タン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、アセトン
等のケトン類、酢酸メチル、蟻酸エチル等のエステル
類、メタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエ
ーテル類、ブチルアミン、ジエチルアミン等のアミン類
等が挙げられる。樹脂の溶解性、樹脂溶液の保存性、安
全性からみてテトラヒドロフラン、ジクロルメタンが特
に好ましい。本発明においてはジオキソランと上記溶剤
を1種または2種以上混合して用いる。
【0025】上記の電荷発生材料としては、例えば、ビ
スアゾ系顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系
染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン
系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、アゾ系顔
料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系
顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔
料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタ
ロシアニン系顔料等の公知の有機系顔料及び染料等を用
いることができる。
【0026】電荷発生層に使用する樹脂としては、例え
ば、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル
樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン架橋オレフィ
ン共重合体(アイオノマー)、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、セルロースエステル、ポリイミド、ス
チロール樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化性ラウリル
樹脂等の熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリプロピレン、ポリビニルアントラ
セン等の光導電性樹脂を使用することができる。
【0027】電荷発生層に使用する溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルアセト
アミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホ
キシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソ
ラン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエー
テル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロ
ロホルム、ジクロルメタン、ジクロルエチレン、トリク
ロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類或いはベ
ンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、モノクロル
ベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類等の有機溶剤
が挙げられる。
【0028】また、上記の電荷輸送材料としては、例え
ば、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化
合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾール化
合物、カルバゾール化合物、スチルベン化合物、エナミ
ン化合物、オキサゾール化合物、トリフェニルアミン化
合物、テトラフェニルベンジジン化合物、アジン化合物
等の公知の電荷輸送材料を使用することができる。
【0029】なお、上記のような感光層用塗液を導電性
支持体上に塗布するにあたっては、公知の塗布方法を使
用することができ、例えば、浸漬塗布,スプレー塗布,
スピナー塗布,ブレード塗布,ローラー塗布,マイヤー
バー塗布等の種々の方法を使用することができる。
【0030】
【作用】この発明における有機感光体においては、少な
くとも溶剤とバインダー樹脂とからなる感光層用塗液を
調製するにあたり、その溶剤にジオキソランと飽和蒸気
圧が100mmHg以上の溶剤との混合溶剤であってジ
オキソランが10〜60重量%含有されたものを用いる
ようにしたため、バインダー樹脂にポリカーボネート樹
脂を使用した場合であっても、このポリカーボネート樹
脂がこの溶剤にうまく溶解されるようになり、このよう
に調製した感光層用塗液の粘度が次第に増大したり、感
光層用塗液がゲル化するということがなく、保存性の良
い感光層用塗液が得られるようになる。
【0031】また、この感光層用塗液を導電性支持体上
に塗布し、これを乾燥させて導電性支持体上に膜厚が2
5μm以上になった膜厚の大きな感光層を形成する場合
においても、この感光層用塗液の乾燥が速やかに行なわ
れて、感光体の生産性が向上すると共に、その乾燥途中
において液だれが生じるということもなく、均一な膜厚
の感光層が得られるようになる。
【0032】
【実施例】以下、図1に示すように、導電性支持体1上
に電荷発生層2aと膜厚が25μm以上になった電荷輸
送層2bとが積層された感光層2が形成された有機感光
体を製造する実験を行い、この発明の条件を満たしてい
る実施例の製造方法と、この発明の条件を満たしていな
い比較例の製造方法とを比較し、実施例の製造方法によ
ると、感光層用塗液の保存性がよくなると共に感光層の
膜厚が均一化して特性に優れた感光体が得られることを
明らかにする。
【0033】(実験例1〜5)これらの実験例において
は、導電性支持体1として、外径80mm,長さ350
mmの円筒状になったアルミニウム管を用いるようにし
た。
【0034】そして、電荷発生材料であるτ型無金属フ
タロシアニン0.45重量部とポリビニルブチラール樹
脂(積水化学工業社製:BX−1)0.45重量部とシ
クロヘキサノン100重量部とをサンドグラインダーに
より分散させて電荷発生層用塗液を調製し、この電荷発
生層用塗液を上記の導電性支持体1上に浸漬塗布法によ
り乾燥膜厚が0.3g/m2 になるように塗布し、これ
を乾燥させて上記の導電性支持体1上に電荷発生層2a
を形成した。
【0035】次に、この電荷発生層2a上に電荷輸送層
2bを形成するにあたり、溶剤としてジオキソラン(飽
和蒸気圧:70mmHg,沸点:70℃)と飽和蒸気圧
が100mmHg以上のテトラヒドロフラン(飽和蒸気
圧:142mmHg,沸点:66℃)との混合溶剤を用
いるようにし、この混合溶剤中におけるジオキソランの
量を実験例1では10重量%、実験例2では30重量
%、実験例3では50重量%、実験例4では70重量
%、実験例5では90重量%にした。
【0036】そして、これらの各溶剤500重量部に対
し、電荷輸送材料として下記の化1に示すヒドラゾン化
合物70重量部と、バインダー樹脂としてビスフェノー
ルA型のポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:K−1
300)70重量部とをそれぞれ溶解させて各電荷輸送
層用塗液を調製し、浸漬塗布法により各電荷輸送層用塗
液を前記の電荷発生層2a上にそれぞれ乾燥膜厚が30
μmになるように塗布し、これを乾燥させて電荷輸送層
2bを形成し、それぞれ電荷発生層2aと電荷輸送層2
bとが積層された感光層2を有する有機感光体を製造し
た。
【0037】
【化1】
【0038】(実験例6,7)これらの実験例において
は、上記の実験例1〜5と同様にして導電性支持体1上
に電荷発生層2aを形成した後、この電荷発生層2a上
に電荷輸送層2bを形成するにあたり、実験例6におい
ては、その溶剤として上記のジオキソランだけを500
重量部用いるようにし、また実験例7においては、その
溶剤として上記のテトラヒドロフランだけを500重量
部用いるようにし、それ以外については、上記実験例1
〜5の場合と同様にして電荷輸送層2bを形成し、それ
ぞれ電荷発生層2aと電荷輸送層2bとが積層された感
光層2を有する有機感光体を製造した。
【0039】(実験例8〜10)これらの実験例におい
ても、上記の実験例1〜5と同様にして導電性支持体1
上に電荷発生層2aを形成した後、この電荷発生層2a
上に電荷輸送層2bを形成するにあたって、その溶剤と
して上記のジオキソランとジオキサン(飽和蒸気圧:2
9mmHg,沸点:101℃)とを混合させた混合溶剤
を用いるようにした。
【0040】そして、上記の混合溶剤中におけるジオキ
ソランの量を、実験例8では30重量%、実験例9では
50重量%、実験例10では70重量%にし、これらの
混合溶剤をそれぞれ500重量部用い、それ以外につい
ては、上記実験例1〜5の場合と同様にして電荷輸送層
2bを形成し、それぞれ電荷発生層2aと電荷輸送層2
bとが積層された感光層2を有する有機感光体を製造し
た。
【0041】(実験例11〜13)これらの実験例にお
いては、上記の導電性支持体1上に電荷発生層2aを形
成するにあたり、電荷発生材料に下記の化2に示すビス
アゾ化合物を用い、このビスアゾ化合物0.45重量部
とポリエステル樹脂(東洋紡績社製:バイロン200)
0.45重量部とシクロヘキサノン50重量部とをサン
ドグラインダーにより分散させて電荷発生層用塗液を調
製し、この電荷発生層用塗液を上記の導電性支持体1上
に浸漬塗布法により乾燥膜厚が0.3g/m2 になるよ
うに塗布し、これを乾燥させて電荷発生層2aを形成し
た。
【0042】
【化2】
【0043】次に、この電荷発生層2a上に電荷輸送層
2bを形成するにあたり、溶剤に前記のジオキソランと
飽和蒸気圧が100mmHg以上である塩化メチレン
(飽和蒸気圧:350mmHg,沸点:40℃)とを混
合させた混合溶剤を用いるようにした。
【0044】そして、上記の混合溶剤中におけるジオキ
ソランの量を、実験例11では30重量%、実験例12
では50重量%、実験例13では70重量%にし、これ
らの混合溶剤500重量部に対し、それぞれ電荷輸送材
料として下記の化3に示すジスチリル化合物50重量部
と、バインダー樹脂としてビスフェノールZ型のポリカ
ーボネート樹脂(帝人化成社製:TS2020)70重
量部を溶解させて各電荷輸送層用塗液を調製し、浸漬塗
布法により各電荷輸送層用塗液を上記の電荷発生層2a
上にそれぞれ乾燥膜厚が30μmになるように塗布し、
これを乾燥させて電荷輸送層2bを形成し、それぞれ電
荷発生層2aと電荷輸送層2bとが積層された感光層2
を有する有機感光体を製造した。
【0045】
【化3】
【0046】ここで、上記の実験例1〜3及び実験例1
1,12のものは、この発明の条件を満たしており、そ
れ以外の実験例のものはこの発明の条件を満たしていな
かった。
【0047】そして、上記の実験例1〜13のようにし
て有機感光体を製造する場合において、各電荷輸送層用
塗液における状態変化を調べて保存性を評価すると共
に、各電荷輸送層用塗液を塗布して乾燥させる場合にお
ける液だれの有無を調べて均一塗布性を評価し、さらに
製造された各有機感光体の上端と下端とからそれぞれ2
cm離れた部分における電荷輸送層の膜厚差を測定し、
その結果を下記の表1に示した。なお、同表における保
存性については、電荷輸送層用塗液の粘度の変化が少な
くて良好な場合を○、粘度が変化したが実用上問題がな
い場合を△、粘度の変化が激しくてゲル化した場合を×
で示し、また均一塗布性については、液だれ等がなく電
荷輸送層用塗液が上手く塗布された場合を○、若干液だ
れが発生した場合を△、液だれが激しい場合を×で示し
た。
【0048】次に、上記の実験例1〜10において製造
された各有機感光体を市販の複写機(ミノルタ社製:E
P−470Z)に、また実験例11〜13の感光体を市
販のプリンタ(ミノルタ社製:NC−3)に搭載して画
像形成を行なった場合における画像特性を調べ、その結
果を下記の表1に合わせて示した。なお、画像特性につ
いては、形成された画像に濃度むらがなく良好な場合を
○、若干濃度むらが発生した場合を△、濃度むらが激し
い場合を×で示した。
【0049】
【表1】
【0050】この結果から明らかなように、実験例6及
び実験例8〜10においては、その電荷輸送層用塗液に
おける溶剤の飽和蒸気圧が低いため、電荷輸送層用塗液
の均一塗布性が悪く、電荷輸送層における膜厚差が大き
いことが確認された。これらの有機感光体を用いて画像
形成を行なった場合には、画像に濃度むら等が発生し
た。
【0051】一方、実験例7においては、電荷輸送層用
塗液の粘度変化が激しくてゲル化し、電荷輸送層用塗液
の保存性が非常に悪かった。
【0052】また、実験例4,5及び13においては、
ジオキソランの量が70重量%以上と多いため、電荷輸
送層用塗液の均一塗布性が悪くなり、電荷輸送層におけ
る膜厚差が大きくなって均一な膜厚になった感光層が得
られず、これらの有機感光体を用いて画像形成を行なっ
た場合には、画像に濃度むら等が発生した。
【0053】これに対して、本発明の条件を満たした感
光体を用いた実験例1〜3,11及び12においては、
ジオキソランの量が10重量%になった実験例1におい
て電荷輸送層用塗液に粘度変化があり、その保存性が少
し悪くなっていたが特に問題はなく、電荷輸送層用塗液
が均一に塗布されて、膜厚差が少なくなり、均一な膜厚
の感光層が形成された。さらに、画像形成を行なった場
合にも濃度むらが発生することがなく、良好な画像が得
られた。
【0054】なお、上記の実験例においては、有機感光
体として、図1に示すように導電性支持体1上に電荷発
生層2aと電荷輸送層2bとが積層された機能分離型の
感光層2を設けた例を示しただけであるが、溶剤にポリ
カーボネート樹脂と電荷発生材料と電荷輸送材料とを加
えた感光層用塗液を調製し、この感光層用塗液を導電性
支持体1上に塗布して単層型の感光層を設ける場合にお
いても同様の結果が得られる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
有機感光体においては、特定の混合溶剤を用いることに
よりポリカーボネート樹脂がうまく溶解され、感光層用
塗液の粘度が次第に増大してゲル化するということがな
く、保存性の良い感光層用塗液が得られた。
【0056】また、この感光層用塗液を導電性支持体上
に塗布し、これを乾燥させて膜厚が25μm以上の厚膜
の感光層を形成する場合にも、その乾燥が速やかに行な
われて、有機感光体の製造が簡単になり、生産性が向上
すると共に、乾燥時に液だれが発生するということもな
く、均一な膜厚になった感光層が形成されるようにな
り、良好な画像形成が長期にわたって安定して行なえる
有機感光体を簡単に提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実験例において製造した有機感光体の状態を
示した概略断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 感光層 2a 電荷発生層 2b 電荷輸送層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも溶剤とバインダー樹脂とから
    なる感光層用塗液を導電性支持体上に塗布、乾燥させて
    感光層を設けた有機感光体において、上記感光層の厚さ
    が25μm以上で、上記のバインダー樹脂がポリカーボ
    ネート樹脂であり、上記の溶剤がジオキソランと飽和蒸
    気圧が100mmHg以上の溶剤との混合溶剤で、ジオ
    キソランを10〜60重量%含有することを特徴とする
    有機感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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