JPH0822583B2 - ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム - Google Patents

ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム

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JPH0822583B2
JPH0822583B2 JP62323562A JP32356287A JPH0822583B2 JP H0822583 B2 JPH0822583 B2 JP H0822583B2 JP 62323562 A JP62323562 A JP 62323562A JP 32356287 A JP32356287 A JP 32356287A JP H0822583 B2 JPH0822583 B2 JP H0822583B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフ
ィルムに関するものである。更に詳しくは、包装材料等
に好適に使用されるガスバリヤ性に優れた、しかも透明
なプラスチックフィルムに関するものである。
「従来の技術」 食品、医薬品、化学薬品等の包装材料に用いられる透
明なプラスチックフィルムは、包装された内容物の変質
を防ぐために、水蒸気や酸素などのガス透過率の小さい
材質のものが用いられている。そして、さらに高度のガ
スバリヤ性が必要な包装材料の場合は、フィルムにアル
ミニウム箔を貼り合せたものや、フィルムの表面にアル
ミニウムを蒸着させたものが用いられてきた。
しかしながら、このような金属箔等を用いた包装材料
は、水蒸気や酸素などに対するガスバリヤ性には優れて
いるものの、不透明であり、内容物を外から見ることが
できないという欠点があって、包装材料としては適当で
ない面があった。
一方、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデンを主成分
とし、これと共重合可能な他の化合物、たとえば塩化ビ
ニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ア
クリロニトリルなどとの共重合体等の塩化ビニリデン系
樹脂よりなるフィルム、およびこれらの塩化ビニリデン
系樹脂をポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等
よりなるフィルムにコーテイングした塩化ビニリデン系
樹脂コートフィルムも、ガスバリヤ性を備えた包装材料
として用いられている。これらの塩化ビニリデン系樹脂
フィルムは、フィルム自体が水蒸気や酸素に対するガス
バリヤ性を備えているが、これらのガスバリヤ性は、充
分なものではなく、高度なガスバリヤ性を必要とする包
装材料には不適当であった。
さらに、ポリビニルアルコールフィルムや、エチレン
−ビニルアルコール共重合体フィルム等のポリビニルア
ルコール系フィルムは、酸素バリヤ性に優れているので
包装材料として広く用いられている。しかしながら、ポ
リビニルアルコール系フィルムは水蒸気バリヤ性におい
て劣り、さらに高湿度の条件下では酸素バリヤ性も低下
するという欠点を有する。そのためにポリビニルアルコ
ール系フィルムを包装材料として用いる場合は、ポリプ
ロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステ
ルフィルムなどの水蒸気バリヤ性を有するフィルムを、
ポリビニルアルコール系フィルムに積層した積層フィル
ムとして通常用いられている。しかしながら、このよう
な積層フィルムも、高度なガスバリヤ性を必要とする包
装材料としては、充分にその目的を果すものとは云えな
かった。
従って、このような積層フィルムを、高度なガスバリ
ヤ性を必要とする包装材料として使用する場合には、積
層フィルムの厚さを厚くしなければならず、フィルムの
厚さを厚くすると、積層フィルムの透明性や柔軟性が損
われてしまい、包装材料として好ましい性質が失なわれ
てしまうという欠点があった。
また、二軸延伸ナイロンフィルムや二軸延伸ポリエス
テルフィルムなどにケイ素酸化物を蒸着したフィルム
(特公昭53−12953)、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムや、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどにマグ
ネシウム酸化物を蒸着したフィルム(特開昭60−2753
2)なども提案されているが、これらのフィルムも高度
なガスバリヤ性を必要とされる用途には、不充分であ
る。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明は、かかる現状に鑑み、透明で、かつ高度のガ
スバリヤ性を有し、包装材料として好ましい性能を有す
るフィルムを提供することを目的とする。一般に、ポリ
ビニルアルコールフィルムは低湿度下で優れた酸素バリ
ヤ性を有しているが、高湿度下では吸湿により分子構造
が変化し、酸素バリヤ性が著しく低下する。しかしなが
ら、本発明者らは、その物性および応用につき鋭意検討
した結果、ポリビニルアルコールフィルムとして、高ケ
ン化度のポリビニルアルコールよりなる高延伸フィルム
を用い、このフィルムにケイ素窒化物の透明な薄膜層を
設けると、得られる積層フィルムは透明で、高湿度下で
の酸素バリヤ性が著しく向上したものとなるのみなら
ず、水蒸気バリヤ性も著しく改善されたものとなること
を知見し、これに基づいて、本発明を完成したものであ
る。
「問題点を解決するための手段」 しかして本発明の第1発明の要旨とするところは、ケ
ン化度が99モル%以上であり、少なくとも一軸方向に5
倍以上延伸されたポリビニルアルコールフィルムの片面
に、ケイ素窒化物の透明な薄膜層が形成されてなること
を特徴とする、ガスバリヤ性の優れた透明プラスチック
フィルムに存する。
また、本発明の第2発明は、ケン化度が99モル%以上
であり、少なくとも一軸方向に5倍以上延伸されたポリ
ビニルアルコールフィルムの片面に、ケイ素窒化物の透
明な薄膜層および別の透明なプラスチック薄膜層が、順
次形成されてなることを特徴とする、ガスバリヤ性の優
れた透明プラスチックフィルムを要旨とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1発明に係る透明プラスチックフィルムに
おいては、ポリビニルアルコールフィルム(以下、「PV
Aフィルム」という。)として、ケン化度が99モル%以
上であるポリビニルアルコール(以下、「PVA」とい
う。)から製造されたフィルムであって、少なくとも一
軸方向に5倍以上延伸された延伸フィルムを用いる。
PVAのケン化度が99モル%より低いPVAフィルムを用い
ると、このフィルムの表面にケイ素窒化物の透明な薄膜
層を設けても、ガスバリヤ性があまり向上しない。
PVAフィルムの延伸倍率が5倍より少ない場合にも、
このフィルムの表面にケイ素窒化物の透明な薄膜層を設
けても、ガスバリヤ性があまり向上しない。上記延伸フ
ィルムは延伸倍率が5倍以上のものであれば、一軸方向
のみに延伸されたものであっても、また二軸方向に延伸
されたものであってもよい。さらに、PVAフィルムの延
伸倍率は合計の延伸倍率が5倍以上であれば、一段階で
延伸したものに限らず多段階で延伸したものであっても
よい。
またPVAフィルムは、延伸後、結晶化度を高め分子鎖
の配向を固定するために、ガラス転移点以上融点以下の
温度で熱固定の操作を経るのがよい。
PVAフィルムの厚さは、5〜400μmの範囲で選ぶこと
ができる。中でも10〜200μmの範囲で選ぶのが好まし
い。
本発明の第1発明に係る透明プラスチックフィルム
は、上記PVAフィルムの片面に、ケィ素窒化物の透明な
薄膜層が形成されている。
PVAフィルムの片面に形成されているケイ素窒化物の
透明な薄膜層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、またはプラズマCVD法のいずれの
方法で形成されたものであってもよい。
PVAフィルムの片面にケイ素窒化物の透明な薄膜層を
形成させる際には、上記の薄膜層形成手段に応じて、四
窒化三ケイ素、三酸化二ケイ素、一窒化一ケイ素等のケ
イ素窒化物またはケイ素を、蒸着原料として用いること
ができる。
これらの蒸着原料のうち、真空蒸着法、スパッタリン
グ法およびイオンプレーティング法においては、四窒化
三ケイ素が好んで用いられる。
また、真空蒸着法の場合、蒸着原料としてケイ素窒化
物を用い、10-3〜10-5Torrの真空下で、電子ビーム加熱
方式、高周波誘導加熱方式、抵抗加熱方式等で加熱蒸発
させる方式が採用されるのが一般的であるが、蒸着原料
としてケイ素を用い、窒素ガスを供給しながら行なう反
応蒸着法も採用できる。
さらに、プラズマCVD法の場合、蒸着缶内を10-6〜10
-7Torrの真空にしたのち、プラズマ雰囲気中に所定の速
度でシランガスと窒素またはアンモニアガスを供給し、
0.2〜0.5Torrの圧力下でこれらを反応させて、PVAフィ
ルムの表面にケイ素窒化物の薄膜層を形成させることが
できる。
スパッタリング法、イオンプレーティング法またはプ
ラズマCVD法で形成させたケイ素窒化物の透明な薄膜層
は、真空蒸着法で形成させたものより密着性がよく、密
着性が重視される場合には、これらの方法を採用するの
がよい。
なお、ケイ素窒化物には、10重量%以下であればその
中に不純物としてカルシウム、マグネシウムまたはそれ
らの窒化物等が混入していても、透明プラスチックフィ
ルムのガスバリヤ性の極端な低下は認められない。
PVAフィルムの片面に形成させるケイ素窒化物の透明
な薄膜層の厚さは、5〜500nmの範囲で選ぶのがよい。
透明な薄膜層の厚さが5nm未満であると、ガスバリヤ
性が不充分であり、また500nmを越えると、フィルムに
カールが発生し問題となったり、透明な薄膜層自体に亀
裂や剥離が生じ易いので好ましくない。
本発明の目的は、上記、PVAフィルムの片面にケイ素
窒化物の透明な薄膜層を設けたフィルムの、透明な薄膜
層の面に、別の透明なプラスチック薄膜層を新たに設け
ることによって、一層効果的に達成される。
上記別の透明なプラスチック薄膜層を設けるには、透
明なプラスチックのフィルムを積層するか、または透明
なプラスチックの塗布膜を形成させる方法が採用でき
る。
この際新らたに設ける別の透明なプラスチック薄膜層
(フィルムまたは塗布膜)は、特に限定されないが、AS
TM F372に準拠して、温度40℃、相対湿度90%の条件に
おいて測定した透湿度が、50g/m2・24hrs.以下の特性を
もったものが好ましく、その厚さは、5〜400μmの範
囲で選ぶことができる。
フィルムを積層して透明なプラスチック薄膜層を設け
る場合、好適に用いることのできるプラスチックフィル
ムとしては、ポリエチレンおよびエチレン系共重合体、
ポリプロピレンおよびプロピレン系共重合体等のオレフ
ィン系樹脂よりなるフィルム、ポリ塩化ビニルおよびそ
の共重合体等の塩化ビニル系樹脂よりなるフィルム、塩
化ビニリデン−塩化ビニル共重合体などの塩化ビニリデ
ン系樹脂よりなるフィルム、ポリエチレンテレフタレー
トなどのポリエステル樹脂よりなるフィルム、ポリテト
ラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂よりなるフィル
ム、これらのフィルムにさらに、塩化ビニリデン系樹脂
等他の樹脂をコーテイングしたコートフィルムなどが挙
げられる。これらのフィルムは未延伸のもの、あるいは
一軸または二軸に延伸したもの、いずれであってもよ
い。
このような別の透明なプラスチックフィルムをケイ素
窒化物の透明な薄膜層に積層する場合には、ウレタン系
接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤など
を用いるドライラミネート法および押出ラミネート法な
ど、公知の方法を採用できる。
他方、別の透明なプラスチックの薄膜層を塗布によっ
て形成させる場合には、塗布剤を用いる。この際、好適
に用いられる塗布剤としては、塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合体などの塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリテトラ
フルオロエチレンなどのフッ素樹脂などの溶液または乳
濁液があげられる。これらの中では塩化ビニリデン系樹
脂のラテックスおよび塩化ビニリデン系樹脂をテトラヒ
ドロフランなどの溶剤に溶解したものが好ましい。
塩化ビニリデン系樹脂をケイ素窒化物の透明薄膜層に
塗布する場合、塩化ビニリデン系樹脂の接着強度を上げ
るためアンカーコート剤が使用される。
好適なアンカーコート剤としては、イソシアネート
系、ポリエチレンイミン系、有機チタン系などの接着促
進剤及びポリウレタン系、ポリエステル系などの接着剤
をあげることができる。
本発明に係るガスバリヤ性の優れた透明プラスチック
フィルムの厚さは、強度、柔軟性、経済性などの点から
10.005〜500μmの範囲で用途に応じて選ぶことができ
るが、より好ましくは10.005〜200μmの厚さである。
また、本発明に係るガスバリヤ性の優れた透明プラス
チックフィルムには、そのポリビニルアルコールフィル
ムの表面または他の表面、更には両面に、その使用形態
に応じてフィルムのヒートシール性を向上させる物質を
塗布したり積層してもよい。
ヒートシール性を向上させる物質としては、低密度ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロ
ピレン、アイオノマー等があげられる。
「発明の効果」 本発明に係る透明プラスチックフィルムは、透明性に
優れ、かつ、極めて優れたガスバリヤ性を発揮するもの
であり、柔軟性があって、強度および経済性の面でもす
ぐれたものである。したがって食品、医薬品、化学薬品
等の包装材料をはじめとして、高度のガスバリヤ性が要
求される、広範囲な用途の包装材料として用いることが
でき、その工業的利用価値は極めて大である。
「実施例」 以下、本発明を実施例にもとづいて、また比較例と対
照させながら詳細に説明するが、本発明はその要旨を超
えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例において、得られた透明プラスチック
フィルムの透湿度、酸素透過度および透明性は、次の方
法によって測定または判定した。また、ケイ素窒化物の
透明な薄膜層の厚さは、水晶式膜厚計によって測定し
た。
透湿度: ASTM F−372に準拠し、温度40℃、相対湿度90%の条
件において、(i)PVAフィルムの片面にケイ素窒化物
の薄膜層を形成させた透明プラスチックフィルムの場合
には、ケイ素窒化物の薄膜層を高湿(90%RH)側、PVA
フィルムを絶乾状態側に位置させて測定した。
また(ii)ケイ素窒化物の薄膜層の表面に、PVAフィ
ルム以外の別のプラスチック薄膜層をさらに形成させた
透明プラスチックフィルムの場合には、このプラスチッ
ク薄膜層の面を高湿(90%RH)側、他方の面を絶乾状態
側に位置させて測定した。
酸素透過度: モダンコントロール社製のOX−TRAN100型酸素透過度
測定装置を使用し、温度30℃、相対湿度80%の条件にお
いて測定した。
透明性: 肉眼により評価し、良好な透明性を示したものを◎で
表示した。
実施例1 ケン化度99.7モル%のPVAフィルム(延伸倍率5倍、
一軸延伸、厚み20μm)の表面に、5×10-5Torrの真空
下、電子ビーム加熱方式で、純度99.9%の四窒化三ケイ
素(Si3N4)を加熱蒸発させ、PVAフィルムの片面に厚さ
100nmのケイ素窒化物の透明な薄膜層を形成させて、透
明プラスチックフィルムを得た。
この透明プラスチックフィルムについて、前記方法で
透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼で評価
した。
測定結果を、第1表に示す。
実施例2 実施例1に記載の例において、PVAフィルムを、ケン
化度99.9モル%、延伸倍率が3×3倍のものを、更に一
方向に2.9倍延伸して3×8.7倍に延伸された厚さ25μm
のものに代えたほかは、同例におけると同様にして、PV
Aフィルムの片面にケイ素窒化物の透明な薄膜層を形成
させた。
得られた透明プラスチックフィルムについて、実施例
1におけると同様の項目の評価試験を行った。結果を第
1表に示す。
実施例3、4 実施例2に記載の例において、PVAフィルムの片面に
形成させたケイ素窒化物の透明な薄膜層の厚さを、それ
ぞれ50nm(実施例3)、200nm(実施例4)としたほか
は、同例におけると同様にして、透明プラスチックフィ
ルムを得た。
この透明プラスチックフィルムについて、同例におけ
ると同様の項目の評価試験を行った。結果を第1表に示
す。
実施例5 実施例1で用いたと同種のPVAフィルム(PVAのケン化
度99.7%、延伸倍率1×5倍、一軸延伸、厚み20μm)
の表面に、プラズマCVD法、具体的には、6×10-7Torr
まで蒸着缶内を真空にしたのち、モノシラン(SiH4)80
wt%、窒素20wt%の混合ガスを供給し、0.2Torrの状態
でプラズマを発生させる方法により、PVAフィルムの片
面に、厚さ100nmケイ素窒化物の透明な薄膜層を形成さ
せた透明プラスチックフィルムを得た。
得られた透明プラスチックフィルムについて、実施例
1におけると同様に項目の評価試験を行った。結果を第
1表に示す。
比較例1〜3 実施例1に記載の例において、同例において用いたPV
Aフィルムを、それぞれ、厚さ25μmの二軸延伸(延伸
倍率3×3倍)されたポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(比較例1)、ケン化度99.9モル%、厚さ25μmの
二軸延伸(延伸倍率3×3倍)されたPVAフィルム(比
較例2)、およびケン化度90.0モル%、厚さ20μmの、
一軸方向に5倍延伸されたPVAフィルム(比較例3)に
代えたほかは、それぞれ同例におけると同様にして、上
記それぞれのフィルムの片面に厚さ100nmのケイ素窒化
物の透明な薄膜層を形成させた透明プラスチックフィル
ムを得た。
得られたそれぞれの透明プラスチックフィルムについ
て、実施例1における同様の項目の評価試験を行った。
結果を第1表に示す。
実施例6 実施例1で得られた透明プラスチックフィルムのケイ
素窒化物を蒸着した面に、塩化ビニリデン系樹脂のコー
ト層(厚さ10μm)を有する全体の厚さ30μmのポリプ
ロピレンフィルム(延伸倍率5×5倍、透湿度1.2g/m2
・24hrs.)(以下このフィルムを「K−OPP」という)
を、塩化ビニリデン系樹脂コート層とケイ素窒化物の蒸
着面とが接するように、ウレタン系接着剤(武田薬品
(株)製、タケラックA−606とタケネートA−10との
9:1の割合の二成分系接着剤)(厚さ2μm)を介して
積層し、透明な積層プラスチックフィルムを得た。
この透明な積層プラスチックフィルムについて、前記
方法で透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼
で評価した。測定結果を、第2表に示す。
実施例7 実施例6で得られた透明プラスチックフィルムを用
い、このフィルムのPVAフィルムの面に、厚さ40μmの
低密度ポリエチレンフィルムをウレタン系接着剤(武田
薬品(株)製、タケラックA−606とタケネートA−10
との9:1の割合の二成分系接着剤)(厚さ2μm)を介
して積層し、透明な積層プラスチックフィルムを得た。
得られた透明な積層プラスチックフィルムについて、
透湿度、酸素透過度、および透明性を先の例と同様に評
価した。結果を第2表に示す。
実施例8 実施例6に記載の例において、透明プラスチックフィ
ルムのケイ素窒化物を蒸着した面に積層したK−OPPフ
ィルムを、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(延伸倍率3×3倍、透湿度20g/m2・24
hrs.)に代えたほかは、同例におけると同様にして透明
な積層プラスチックフィルムを得た。
得られた透明な積層プラスチックフィルムについて、
実施例6におけると同様にして評価試験を行った。結果
を第2表に示す。
実施例9 実施例7に記載の例において、実施例6で得られた透
明プラスチックフィルムに代え、実施例8で得られた透
明プラスチックフィルムを用いたほかは、同例における
と同様にして透明な積層プラスチックフィルムを得た。
得られた透明な積層プラスチックフィルムについて、
実施例6におけると同様にして評価試験を行った。結果
を第2表に示す。
実施例10 実施例6に記載の例において、透明プラスチックフィ
ルムのケイ素窒化物を蒸着した面に積層したK−OPPフ
ィルムを、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルム
(延伸倍率3×3倍、透湿度150g/m2・24hrs.)に代え
たほかは、同例におけると同様にして透明な積層プラス
チックフィルムを得た。
得られた透明な積層プラスチックフィルムについて、
実施例6におけると同様にして評価試験を行った。結果
を第2表に示す。
実施例11 実施例7に記載の例において、実施例6で得られた透
明プラスチックフィルムに代え、実施例10で得られた透
明プラスチックフィルムを用いたほかは、同例における
と同様にして透明な積層プラスチックフィルムを得た。
得られた透明な積層プラスチックフィルムについて、
実施例6におけると同様にして評価試験を行った。結果
を第2表に示す。
実施例12 実施例2で得られた透明プラスチックフィルムのケイ
素窒化物を蒸着した面に、先ず、アンカーコート剤とし
てポリウレタン接着剤(武田薬品(株)製、タケラック
A−606とタケネートA−10の9:1の割合の二成分系接着
剤)を塗布し、厚さ1μmのコート層を形成させた。次
に、このコート層上に塩化ビニリデン系樹脂ラテックス
(呉羽化学工業(株)製、クレハロンラテックスDO−87
0)を塗布し、厚さ10μmの薄膜(このものの透湿度は
1.2g/m2・24hrs.)(この薄膜を「K薄膜」という)を
形成させ、透明な積層プラスチックフィルムを得た。
この透明な積層プラスチックフィルムについて、前記
方法で透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼
で評価した。測定結果を、第2表に示す。
実施例13 実施例2で得られた透明プラスチックフィルムに、ケ
イ素窒化物を蒸着した面には、前記実施例6で用いたと
同様のK−OPPを、塩化ビニリデン系樹脂コート層とケ
イ素窒化物の蒸着面とが接するように、また、PVAフィ
ルムの面には、厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィル
ムを、それぞれウレタン系接着剤(武田薬品(株)製、
タケラックA−606とタケネートA−10との9:1の割合の
二成分系接着剤)(厚さ2μm)を介して積層し、透明
な積層プラスチックフィルムを得た。
得られた透明な積層プラスチックフィルムについて、
透湿度、酸素透過度、および透明性を先の例と同様に評
価した。結果を第2表に示す。
比較例4 実施例13に記載の例において、実施例2で得られた透
明プラスチックフィルムに代え、比較例1で得られた透
明プラスチックフィルムを用いたほかは、同例における
と同様にして透明な積層積層プラスチックフィルムを得
た。
ただし、低密度ポリエチレンフィルムは、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの面に積層した。
得られた透明なプラスチックフィルムについて、透湿
度、酸素透過度、および透明性を先の例と同様に評価し
た。結果を第2表に示す。
第1表および第2表より、次のことが明らかとなる。
(1) PVAフィルムの片面にケイ素窒化物の透明な薄
膜が形成された透明プラスチックフィルム(以下、「フ
ィルムA」という。)において、PVAフィルムとして、
ケン化度が99モル%以上であり、少なくとも一軸方向に
5倍以上延伸されたフィルムを用いた場合には、「フィ
ルムA」の透湿度、酸素透過度はともに小さく、このフ
ィルムは優れたガスバリヤ性を発揮する(実施例1〜
5)。
(2) 「フィルムA」において、PVAフィルムとし
て、本発明で規定するPVAフィルム以外のもの、すなわ
ち、PVAフィルムでないもの(比較例1)、延伸倍率が
不十分なPVAフィルム(比較例2)、樹脂のケン化度が9
9モル%未満のPVAフィルム(比較例3)を用いた場合に
は、得られるフィルムのガスバリヤ性は実施例1〜5の
それより劣っている。
(3) 「フィルムA」のケイ素窒化物の透明な薄膜層
の面に別のプラスチック薄膜を形成させたフィルム(以
下、「フィルムB」という。)は、「フィルムA」より
さらに透湿度が低下し、一層優れたガスバリヤ性を発揮
する(実施例6、8、10、12)。
(4) 「フィルムB」に、ヒートシール性を向上させ
る物質を積層しても、「フィルムB」の優れたガスバリ
ヤ性は変らない(実施例7、9、11、13)。
(5) 本発明に係るフィルムは、優れたガスバリヤ性
を発揮するのみならず、透明性も良好である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケン化度が99モル%以上であり、少なくと
    も一軸方向に5倍以上延伸されたポリビニルアルコール
    フィルムの片面に、ケイ素窒化物の透明な薄膜層が形成
    されてなることを特徴とする、ガスバリヤ性の優れた透
    明プラスチックフィルム。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコールフィルムが厚さ5〜
    400μmの範囲、ケイ素窒化物の透明な薄膜層の厚さが
    5〜500nmの範囲で選ばれたものである、特許請求の範
    囲第(1)項記載のガスバリヤ性の優れた透明プラスチ
    ックフィルム。
  3. 【請求項3】ケイ素窒化物の透明な薄膜層が、真空蒸着
    法、スパッタリング法、イオンプレーティング法または
    プラズマCVD法のいずれかによって形成されたものであ
    る、特許請求の範囲第(1)項または第(2)項記載の
    ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム。
  4. 【請求項4】ケン化度が99モル%以上であり、少なくと
    も一軸方向に5倍以上延伸されたポリビニルアルコール
    フィルムの片面に、ケイ素窒化物の透明な薄膜層および
    別の透明なプラスチック薄膜層が、順次形成されてなる
    ことを特徴とする、ガスバリヤ性の優れた透明プラスチ
    ックフィルム。
  5. 【請求項5】ポリビニルアルコールフィルムの厚さが5
    〜400μmの範囲、ケイ素窒化物の透明な薄膜層の厚さ
    が5〜500nmの範囲、別の透明なプラスチック薄膜層の
    厚さが5〜400μmの範囲で選ばれ、全体の厚さが10.00
    5〜500μmの範囲である、特許請求の範囲第(4)項記
    載のガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム。
JP62323562A 1987-12-21 1987-12-21 ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム Expired - Lifetime JPH0822583B2 (ja)

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