JP2919027B2 - ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム - Google Patents

ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフ
ィルムに関するものであり、詳しくは、特定の樹脂を共
押出により積層して延伸した透明フィルムと、その表面
に形成されたケイ素酸化物の透明な薄膜層とから主とし
て構成され、特に、包装材料等に好適に使用される透明
プラスチックフィルムに関するものである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
食品、医薬品、化学薬品等の包装材料に用いられる透
明なプラスチックフィルムは、包装された内容物の変質
を防ぐために、水蒸気や酸素などのガス透過率の小さい
材質のものが用いられている。そして、更に高度のガス
バリヤ性が必要な包装材料の場合は、フィルムにアルミ
ニウム箔を貼り合せたものや、フィルムの表面にアルミ
ニウムを蒸着させたものが用いられてきた。しかし、こ
のような金属箔等を用いた包装材料は、水蒸気や酸素な
どに対するガスバリヤ性には優れているものの、不透明
であり、内容物を外から見ることができないという欠点
があって、包装材料としては適当でない面があった。
一方、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデンを主成分
とし、これと共重合可能な他の化合物、例えば、塩化ビ
ニル、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、
アクリロニトリルなどとの共重合物等の塩化ビニリデン
系樹脂より成るフィルム、または、これらの塩化ビニリ
デン系樹脂をポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミ
ド等より成るフィルムにコーテイングした塩化ビニリデ
ン系樹脂コートフィルムも、ガスバリヤ性を備えた包装
材料として用いられている。これらの塩化ビニリデン系
樹脂フィルムは、フィルム自体が水蒸気や酸素などに対
するガスバリヤ性を備えているが、これらのガスバリヤ
性は、充分なものではなく、高度のガスバリヤ性を必要
とする包装材料には不適当であった。
更に、ポリビニルアルコールフィルムやエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体フィルム等のポリビニルアルコ
ール系フィルムは、酸素バリヤ性に優れているので包装
材料として広く用いられている。しかしながら、ポリビ
ニルアルコール系フィルムは、水蒸気バリヤ性において
劣り、更に、高湿度の条件下では酸素バリヤ性も低下す
るという欠点を有する。そのために、ポリビニルアルコ
ール系フィルムを包装材料として用いる場合は、ポリプ
ロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステ
ルフィルムなどの水蒸気バリヤ性を有するフィルムをポ
リビニルアルコール系フィルムに積層した積層フィルム
として通常用いられている。しかし、このような積層フ
ィルムも、高度のガスバリヤ性を必要とする包装材料と
しては充分にその目的を果たすまでには至らなかった。
従って、このような積層フィルムに、高度のガスバリ
ヤ性を付与させるためには、積層フィルムの厚さを増大
させねばならず、フィルムの厚さを増大すると、積層フ
ィルムの透明性や柔軟性が損なわれ、包装材料として好
ましい性質が失われるという欠点があった。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム、ポリアミド系フィルムなどにケイ素
酸化物やマグネシウム酸化物を蒸着したフィルムも提案
されている(特公昭53−12953号、特開昭60−27532号)
が、これらのフィルムも高度のガスバリヤ性が必要とさ
れる用途には不充分である。
このように、従来、各種の包装用フィルムが提案され
てきたのであるが、いずれも、透明性、ガス(酸素)バ
リヤ性、水蒸気バリヤ性、柔軟性の点で一長一短があ
る。
本発明者等は、上記のような問題に対処する目的で、
特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム
又はポリアミドフィルムの表面にケイ素酸化物薄膜を形
成したフィルムについて先に提案した(特開1−267032
号、特開1−267036号)。
しかしながら、これらのフィルムも、それぞれ、上記
と同様に一長一短があり、包装材料として使用する場合
には、目的に応じて、ドライラミネート、押出しラミネ
ート等の方法により、他のフィルムを積層してガスバリ
ヤ性能や機械的強度を補う必要があり、従って、可成り
のコスト高になることは避けられなかった。
本発明者等は、ガスバリヤ性と機械的強度が共に優
れ、しかも、コストが安くて経済的な包装用フィルムの
提供を目的として鋭意検討した結果、特定の樹脂を共押
出により積層して延伸した特定物性の透明フィルムと、
その表面に形成されたケイ素酸化物の透明な薄膜層とか
ら主として構成される透明プラスチックフィルムによ
り、上記の目的が達成されることを見出し、本発明を完
成するに到った。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、本発明の要旨とするところは、エチレン含有率
が25〜45モル%、ケン化度が98%以上のエチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物とポリアミドとが共押出しによ
り積層され延伸された透明な積層延伸フィルムと、該積
層延伸フィルムの少くとも片面に形成されたケイ素酸化
物の透明な薄膜層とから主として構成され、前記積層延
伸フィルムは、少くとも一軸方向に2.5倍以上延伸さ
れ、120℃、5分間の条件における縦方向および横方向
の寸法変化率の各々の絶対値の和が2%以下であり、し
かも、同条件における揮発減量が2重量%以下であり、
そして、前記ケイ素酸化物の透明な薄膜層の厚さは、10
0〜3000Åの範囲であることを特徴とするガスバリヤ性
の優れた透明プラスチックフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物(以下、「EVOH」と略称する)としては、エチレン
含有率が25〜45モル%、ケン化度が98%以上のものを使
用する。エチレン含有率が25%モルより少ないと、共押
出し或はその後の延伸操作が実施し難く、均一な積層延
伸フィルムを得ることが困難である。また、EVOH中のエ
チレン含有率が45モル%を超えると、最終的に得られる
フィルムのガスバリヤ性が劣り、本発明の目的に合致し
ない。また、ケン化度が98%未満であると、これまた、
最終的に得られるフィルムのガスバリヤ性が劣ったもの
となる。
一方、本発明において、ポリアミド(以下、「PA」と
略称する)としては、次ぎのようなポリアミドが使用さ
れる。
(1) ε−カプロラクタムの単独重合体(ホモポリマ
ー) (2) ε−カプロラクタムを主成分とし、2〜10モル
%のこれと共重合可能な化合物との共重合体(コポリマ
ー) (3) 上記のホモポリマーおよび/またはコポリマー
と相溶性のある重合体5〜20重量%との混合物(ブレン
ドポリマー) 先ず、上記のEVOHとPAとは、共押出しにより積層フィ
ルムとされる。
共押出しによる積層は、溶融状態のEVOHとPAとを夫々
別々のダイ又は共通のダイから押出して積層する従来の
共押出しラミネート法がそのまま使用できる。層構フィ
ルムの層構成は、EVOH/PAの2層構成またはPA/EVOH/PA
若しくはEVOH/PA/EVOHの3層構成が一般的である。
次いで、積層フィルムは、機械的強度、ガスバリヤ性
などの点から、少くとも、一軸方向に2.5倍以上延伸さ
れて透明な積層延伸フィルムとされる。延伸倍率が2.5
倍未満では実質的な延伸効果が得られない。延伸方法
は、一段階で延伸したものに限らず多段延伸したもので
もよい。特に、2.7×2.7倍程度の倍率で二軸延伸するの
が好ましい。積層延伸フィルムの厚さは、強度、柔軟
性、経済性などの点から、5〜500μの範囲から選ば
れ、特に、10〜200μの範囲から選ぶのが好ましい。
次いで、透明な積層延伸フィルムは、いわゆる熱固定
処理などを施し、120℃、5分間の条件における縦方向
および横方向の寸法変化率の各々の絶対値の和が2%以
下であり、しかも、上記条件における揮発減量が2重量
%以下とされる。
積層延伸フィルムとして、上記の寸法変化率および揮
発減量が上記の各範囲を超えるものを用いると、フィル
ムの表面にケイ素酸化物の透明な薄膜層を設けても、ガ
スバリヤ性が余り向上しない。その詳細な理由は定かで
はないが、次のように推定される。
即ち、真空蒸着法、スパッタリング法またはイオンプ
レーティング法等の手段により、ケイ素酸化物の透明な
薄膜層を形成させる場合には、フィルムが加熱されて収
縮または膨脹し寸法が変化する。また、加熱されたフィ
ルムからモノマー等の揮発成分が揮発する。そして、上
記の寸法変化率が2%を超えると、ケイ素酸化物の薄膜
層にクラック、厚み斑、ピンホール等が発生し、その結
果、均一かつ緻密な薄膜層が形成されず、ガスバリヤ性
が余り向上しない。また、揮発減量が2重量%を超える
と、揮発成分が正常な薄膜層の形成を阻害する。
寸法変化率が上記範囲内の積層延伸フィルムを得るに
は、積層延伸フィルムをそのガラス転移点以上かつ融点
未満の温度条件下において加熱し、いわゆる熱固定操作
を施せればよい。
揮発成分を所定の範囲内に減少させるには、通常、熱
固定操作の施されたフィルムを熱固定操作温度以下の温
度で常圧下加熱処理する。
熱固定操作と揮発成分の調節は、同時に行なっても、
別々に異なる条件下で行なってもよい。
熱固定操作とは別に揮発成分の調節を行なう場合に
は、揮発成分の調節のための加熱処理を減圧下で行なう
こともできる。
本発明に係る透明プラスチックフィルムは、上記のよ
うにして得られた積層延伸フィルムと、該積層延伸フィ
ルムの少なくとも片面に形成されたケイ素酸化物の透明
な薄膜層から主として構成される。
積層延伸フィルムの表面にケイ素酸化物の透明な薄膜
層を形成するには、真空蒸着法、スパッタリング法また
はイオンプレーティング法の何れかの方法によればよ
い。例えば、真空蒸着法の場合、蒸着物質として、一酸
化ケイ素または二酸化ケイ素を用い、10-3〜10-5Torrの
真空下で、電子ビーム、高周波誘導加熱抵抗加熱方式で
加熱蒸発させる。また、酸素ガスを供給しながら行なう
反応蒸着法も採用でき、この場合は、蒸着物質としては
金属ケイ素であってもよい。
ケイ素酸化物の透明薄膜層をスパッタリング法または
イオンプレーティング法で形成させ場合、真空蒸着法に
比較して密着性の高い透明薄膜層が形成できる。
なお、ケイ素酸化物には、10重量%以下であれば、そ
の中に不純物としてカルシウム、マグネシウムまたはそ
れらの酸化物等が混入していても、透明プラスチックフ
ィルムのガスバリヤ性の極端な低下は認められない。
積層延伸フィルムの表面に形成されるケイ素酸化物の
透明薄膜層の厚さは、100〜5000Åの範囲から選ぶ必要
がある。透明薄膜層の厚さが100Å未満であると、ガス
バリヤ性が不十分であり、また、5000Åを超えると、フ
ィルムにカールが発生して問題となったり、透明薄膜層
自体に亀裂や剥離が生じ易いからである。
本発明の目的は、積層延伸フィルムの表面に形成され
たケイ素酸化物の透明な薄膜層の表面に、別の透明なプ
ラスチック薄膜を新たに設けることによって、一層効果
的に達成される。別の透明プラスチック薄膜を設けるに
は、透明プラスチックフィルムを積層するか、または、
透明プラスチック材料の塗布膜を形成させる方法が採用
される。
新たに設ける別の透明なプラスチック薄膜(フィルム
又は塗布膜)は、特に限定されないが、ASTM F372に準
拠して、温度40℃、相対湿度90%の条件において測定し
た透湿度が、50g/m2・24hr.以下の特性を持ったものが
好ましく、その厚さは、5〜400μの範囲から選ぶこと
ができる。
フィルムを積層して透明なプラスチック薄膜を設ける
場合、好適に使用されるプラスチックフィルムとして
は、ポリエチレン及びエチレン系共重合体、ポリプロピ
レン及びプロピレン系共重合体等のオレフィン系樹脂よ
り成るフィルム、ポリ塩化ビニル及びその共重合体等の
塩化ビニル系樹脂より成るフィルム、塩化ビニリデン−
塩化ビニル共重合体などの塩化ビニリデン系樹脂より成
るフィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル樹脂より成るフィルム、ポリテトラフルオロエチ
レンなどのフッ素樹脂より成るフィルム、これ等のフィ
ルムに、更に、塩化ビニリデン系樹脂等の他の樹脂をコ
ーティングしたコートフィルムなどが挙げられる。これ
等のフィルムは、未延伸のもの或いは一軸または二軸に
延伸したものの何れであってもよい。このような別の透
明なプラスチックフィルムをケイ素酸化物の透明な薄膜
層に積層する場合には、ウレタン系接着剤、アクリル系
接着剤、ポリエステル系接着剤などを用いるドライラミ
ネート法および押出しラミネート法等の公知の方法が採
用される。
他方、別の透明なプラスチック薄膜を塗布によって形
成させる場合には、塗布剤が使用される。好適な塗布剤
としては、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体などの
塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレンな
どのフッ素樹脂等の溶液又は乳濁液が挙げられ、中で
も、塩化ビニリデン系樹脂のラテックス及び塩化ビニリ
デン系樹脂をテトラヒドロフランなどの溶剤に溶解した
溶液が好ましい。塩化ビニリデン系樹脂をケイ素酸化物
の透明な薄膜層に塗布する場合、塩化ビニリデン系樹脂
の接着強度を上げるためにアンカーコート剤が使用され
る。好適なアンカーコート剤としては、イソシアネート
系、ポリエチレンイミン系、有機チタン系などの接着促
進剤およびポリウレタン系、ポリエステル系接着剤など
が挙げられる。
また、本発明の透明プラスチックフィルムには、EVOH
又はPAなどの表面に、その使用形態に応じ、フィルムの
ヒートシール性を向上させる物質を塗布したり積層して
もよい。ヒートシール性を向上させる物質としては、低
密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リプロピレン、アイオノマー等が挙げられる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて、また、比較例と対
照させながら、詳細に説明するが、本発明はその要旨を
超えない限り、以下の実施例に限定されるものではな
い。
なお、以下の例において、EVOHとPAの共押出し積層延
伸フィルムの加熱時の寸法変化率および揮発減量、得ら
れた透明プラスチックフィルムの透湿度、酸素透過度お
よび透明性は、次の方法によって測定し、判定した。ま
た、ケイ素酸化物の透明な薄膜層の厚さは、水晶式膜厚
計によって測定した。
EVOHとPAの共押出し積層延伸フィルムの加熱時の寸法
変化率および揮発減量: (1)加熱処理フィルム: 300×300mmに切出した2枚のフィルムを夫々温度25
℃、相対湿度50%の雰囲気下でコンディショニングし、
40℃で30分、または、100℃で30分の加熱処理を行な
う。加熱処理したフィルムを温度25℃、相対湿度0%の
雰囲気下で2時間放置した後、一方のフィルムは重量を
測定し、他方のフィルムには、その表面に一辺の長さが
200mmの正方形の標線を、正方形の各辺がフィルムの縦
方向および横方向に平行になるように描いた。次いで、
この2枚のフィルムを120℃のオーブン中で5分間加熱
したのち取出し、再び、温度25℃、相対湿度0%の雰囲
気下で2時間装置した。120℃のオーブン中で加熱する
前と加熱した後の重量の変化と正方形の寸法の変化を測
定し、寸法変化率および揮発減量を以下の計算式により
求めた。
(2)加熱処理を行なわないフィルム 上記加熱処理フィルムの寸法変化率および揮発減量の
測定方法において、温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下
でコンディショニングした後に、40℃で30分、または、
100℃で30分の加熱処理を行なわない以外は、加熱処理
フィルムの場合と全く同様の処理を行なって寸法変化率
および揮発減量を求めた。
縦方向の寸法変化率(%) =I−I′/I×100 I :120℃、5分間加熱処理前の縦方向の寸法 I′:120℃、5分間加熱処理後の縦方向の寸法 横方向の寸法変化率(%) =II−II′/II×100 II :120℃、5分間加熱処理前の横方向の寸法 II′:120℃、5分間加熱処理後の横方向の寸法 揮発減量(%)=W−W′/W×100 W :120℃、5分間加熱処理前のフィルム重量 W′:120℃、5分間加熱処理後のフィルム重量 透湿度: ASTM F372に準拠し、温度40℃、相対湿度90%の条件
において、(イ)EVOHとPAの共押出し積層フィルムの片
面にケイ素酸化物の薄膜層のみを形成させた透明プラス
チックフィルムの場合には、ケイ素酸化物の薄膜層を高
湿(90%RH)側、EVOHとPAと共押出し積層フィルムを絶
乾状態側に位置させて測定した。また、(ロ)ケイ素酸
化物の薄膜層の表面に、EVOHとPAの共押出し積層フィル
ム以外の別のプラスチック薄膜を更に形成させた透明プ
ラスチックフィルムの場合には、このプラスチック薄膜
の面を高湿(90%RH)側、他方の面を絶乾状態側に位置
させて測定した。
酸素透過度: モダンコントロール社製のOX−TRAN100型酸素透過度
測定装置を使用し、温度30℃、相対湿度80%の条件にお
いて測定した。
透明性: 肉眼により評価し、良好な透明性を示したものを◎で
表示した。
実施例1 ナイロン6(三菱化成社製ノバミッド1022)及びエチ
レン含有率32モル%、ケン化度99.5モル%以上のEVOH
(日本合成化学工業製、ソアノールDC)を2台の押出機
を用いて240℃の温度で夫々加熱溶融し、共通ダイに導
き、積層されたフィルムを押出し、冷却ドラムで急冷す
ることにより、ナイロン6の厚さが約150μ、EVOHの厚
さが約50μの総厚さ約200μmの積層未延伸フィルムを
得た。このフィルムを縦方向に50℃で3倍、横方向に80
℃で3倍(延伸倍率3×3倍)延伸し、200℃で2秒間
熱固定を行ない、2層構造の厚さ15μの二軸延伸された
フィルムを得た。
得られた二軸延伸された積層フィルムについて、100
℃のオーブン中で30分間放置して加熱処理した後、前記
の寸法変化率および揮発減量の測定方法に従って、120
℃で5分間加熱処理し、縦、横方向の寸法変化率および
揮発減量を測定し、得られた結果を表−1に示した。
上記の積層延伸フィルムを真空蒸発装置に供給し、5
×10-5Torrの真空下、10kWの電子ビーム加熱方式によ
り、純度99.9%の一酸化ケイ素を加熱蒸発させて、フィ
ルムの片面(PA面)に、厚さ50nmのケイ素酸化物の透明
な薄膜層が形成された透明プラスチックフィルムを得
た。
上記の透明プラスチックフィルムについて、前記の方
法により、透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を
評価した。得られた結果を表−1に示した。
実施例2 実施例1で使用したのと同種のナイロンとEVOHを用
い、ダイを別の構造のものに変更した以外は、同例に記
載の方法に従い、中間層が厚さ約5μのEVOH、両面表層
が夫々厚さ7.5μのナイロンから成る縦、横方向に3×
3倍に延伸された総厚味20μの3層構造の共押出し二軸
延伸フィルムを得た。
得られた二軸延伸フィルムについて実施例1と同様の
加熱処理を施したのち、同例に記載の方法に従って、片
面に500Åのケイ素酸化物の透明な薄膜層を有する透明
プラスチックフィルムを得た。
上記の透明プラスチックフィルムについて、前記の方
法により、各物性値などの測定、評価を行った。得られ
た結果を表−1に示した。
実施例3 実施例1において、積層延伸フィルムの加熱処理条件
を40℃×30分とした以外は、実施例1と同様の方法で透
明プラスチックフィルムを得、各物性値などの測定、評
価を行った。得られた結果を表−1に示した。
実施例4 実施例1において、ケイ素酸化物薄膜の厚さを1000Å
に変更した以外は、実施例1と同様の方法で透明プラス
チックフィルムを得、各物性値などの測定、評価を行っ
た。得られた結果を表−1に示した。
実施例5 実施例1において、ケイ素酸化物薄膜の厚さを100Å
に変更した以外は、実施例1と同様の方法で透明プラス
チックフィルムを得、各物性値などの測定、評価を行っ
た。得られた結果を表−1に示した。
実施例6 実施例1において、積層フィルムの縦、横方向の延伸
倍率を2.5×2.5倍に変更し、EVOH層の厚さを6μ、ナイ
ロン層の厚さを18μとした以外は、実施例1と同様の方
法で透明プラスチックフィルムを得、各物性値などの測
定、評価を行った。得られた結果を表−1に示した。
実施例7 実施例1において、EVOHをエチレン含有量38モル%、
ケン化度99.5モル%以上のEVOH(日本合成化学工業製、
ソアノールET)に変更を使用した以外は、実施例1と同
様の方法で透明プラスチックフィルムを得、各物性値な
どの測定、評価を行った。得られた結果を表−1に示し
た。
実施例8 実施例1において、積層延伸フィルム表面にケイ素酸
化物薄膜を真空蒸着装置で形成するに際し、純度99.9%
の一酸化ケイ素にかえて、純度99.9%の二酸化ケイ素を
加熱蒸発させた以外は、実施例1と同様の方法で透明プ
ラスチックフィルムを得、各物性値などの測定、評価を
行った。得られた結果を表−1に示した。
比較例1 実施例1において、積層延伸フィルムの真空蒸着処理
にに先立つ100℃、30分間の加熱処理を省略した以外
は、実施例1と同様の方法で透明プラスチックフィルム
を得、各物性値などの測定、評価を行った。得られた結
果を表−1に示した。
比較例2 実施例1において、積層延伸フィルムの熱固定の条件
を200℃×2秒にかえて、170℃×2秒とした以外は、実
施例1と同様の方法で透明プラスチックを得、各物性値
などの測定、評価を行った。得られた結果を表−1に示
した。
比較例3 実施例1において、積層フィルムの縦、横方向の延伸
倍率を2×2倍に変更し、EVOH層の厚さを7.5μ、ナイ
ロン層の厚さを22.5μとした以外は、実施例1と同様の
方法で透明プラスチックフィルムを得、各物性値などの
測定、評価を行った。得られた結果を表−1に示した。
比較例4 実施例1において、ケイ素酸化物薄膜の厚さを50Åに
変更した以外は、実施例1と同様の方法で透明プラスチ
ックフィルムを得、各物性値などの測定、評価を行っ
た。得られた結果を表−1に示した。
実施例9 次のフィルム(1)とフイルム(2)とを積層した。
フィルム(1): 実施例1で得られた透明プラスチックフィルム フィルム(2): 塩化ビニリデン系樹脂のコート層(厚さ3μ)を積層
した、全体の厚さ23μのポリプロピレンフィルム(延伸
倍率3×3倍、透湿度2.0g/m2・24hrs.)(以下、この
フィルムを「K−OPP」という) 積層は、フィルム(1)のケイ素酸化物を蒸着した面
とフィルム(2)の塩化ビニリデン系樹脂コート層とが
接するように、ウレタン系接着剤(武田薬品社製、タケ
ラックA−606とタケネートA−10との9:1の割合の二成
分系接着剤)(厚さ2μ)を介して行った。
得られた、透明プラスチックフィルムについて、前記
方法により、透湿度および酸素透過度を測定し、透明性
を肉眼で評価した。結果を表−2に示した。
実施例10 次のフィルム(1)とフイルム(2)とを積層した。
フィルム(1): 実施例9で得られた透明プラスチックフィルム フィルム(2): 厚さ450μの低密度ポリエチレンフィルム(以下、こ
のフィムを「LDPE」という) 積層は、フィルム(1)のEVOH面とフィルム(2)と
が接するように、実施例9で使用したウレタン系接着剤
を介して行った。
得られた透明プラスチックフィルムについて、実施例
9と同様の測定、評価を行い、結果を表−2に示した。
実施例11 次のフィルム(1)とフイルム(2)とを積層した。
フィルム(1): 実施例1で得られた透明プラスチックフィルム フィルム(2): 厚さ25μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(延伸倍率3×3倍、透湿度20g/m2・24hrs.)(以
下、このフィルムを「PET」という) 積層は、フィルム(1)のケイ素酸化物を蒸着した面
とフィルム(2)とが接するように、実施例9で使用し
たウレタン系接着剤を介して行った。
得られた透明プラスチックフィルムについて、実施例
9と同様の測定、評価を行い、結果を第−2に示した。
比較例5 次のフィルム(1)、フイルム(2)及びフィルム
(3)とを積層した。
フィルム(1): 比較例1で得られた透明プラスチックフィルム フィルム(2): 実施例9で使用した「K−OPP」 フィルム(3): 実施例10で使用した「LDPE」 積層は、フィルム(1)のケイ素酸化物を蒸着した面
とフィルム(2)とが接し、フィルム(1)のEVOH面と
フィルム(3)とが接するように、実施例9で使用した
ウレタン系接着剤を介して行った。
得られた透明プラスチックフィルムについて、実施例
9と同様の測定、評価を行い、結果を表−2に示した。
〔発明の効果〕 本発明に係る透明プラスチックフィルムは、透明性に
優れ、且つ、極めて優れたガスバリヤ性を発揮するもの
であり、柔軟性があって、強度および経済性の面でも優
れている。また、高湿度の条件下で長期間使用してもガ
スバリヤ性が損なわれることがない。従って、食品、医
薬品、化学薬品等の包装材料を初めとして、高度のガス
バリヤ性が要求される広範囲の用途の包装材料に用いる
ことができ、その工業的利用価値は大きい。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−154752(JP,A) 特公 昭62−49187(JP,B2) 特公 昭61−22613(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 9/00 B32B 27/28 B32B 27/34 B32B 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有率が25〜45モル%、ケン化度
    が98%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物と
    ポリアミドとが共押出しにより積層され延伸された透明
    な積層延伸フィルムと、該積層延伸フィルムの少くとも
    片面に形成されたケイ素酸化物の透明な薄膜層とから主
    として構成され、前記積層延伸フィルムは、少くとも一
    軸方向に2.5倍以上延伸され、120℃、5分間の条件にお
    ける縦方向および横方向の寸法変化率の各々の絶対値の
    和が2%以下であり、しかも、同条件における揮発減量
    が2重量%以下であり、そして、前記ケイ素酸化物の透
    明な薄膜層の厚さは、100〜3000Åの範囲であることを
    特徴とするガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィ
    ルム。
  2. 【請求項2】ケイ素酸化物の透明な薄膜層が、真空蒸着
    法、スパッタリング法またはイオンプレーティング法の
    いずれかの方法によって形成されることを特徴とする請
    求項第1項記載のガスバリヤ性の優れた透明プラスチッ
    クフィルム。
  3. 【請求項3】積層延伸フィルムの表面に形成されたケイ
    素酸化物の透明な薄膜層の表面に、別の透明なプラスチ
    ック薄膜を設けて成ることを特徴とする請求項第1項ま
    たは第2項記載のガスバリヤ性の優れた透明プラスチッ
    クフィルム。
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