JP4340962B2 - 積層透明ガスバリア性フィルム - Google Patents
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一方、基材フィルム上に金属層を設け、ラミ強力を向上させることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
Qc=Ototal×(1−n)+Ntotal×n
=(0.056a+(3.559−0.036a)×2)(1−n)
+(0.037a+3.559−0.036a)×(4/3) ・・・ (1)
=(0.017n−0.016)a−2.375n+7.119
0.9×Qc<Q<1.0×Qc ・・・ (2)
a :金属分100g中のAlの重量(15<a<40)
n :Oに対するNのモル比(0.1<n<0.4)
Q :薄膜の実際の酸・窒化度
Qc :計算より算出した完全酸・窒化度
Ototal:完全酸化物に必要な酸素のトータル量(mol)
Ntotal:完全窒化物に必要な窒素のトータル量(mol)
本発明のプラスチック基材は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層するに先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、アンカーコート処理、印刷、装飾が施されてもよい。本発明のプラスチック基材は、その厚さとして5〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、8〜300μmの範囲である。
窒素の含有量は酸素と窒素の合計の10〜40%の範囲が好ましく、更に好ましくは、20〜35%の範囲である。窒素の含有量が10%よりも低いと十分な水蒸気バリアが得られず、窒素が40%よりも多くなると着色がきつくなったり、ゲルボなどの外力に対し弱くなる。
1)純金属分 100g中の金属アルミニウムの重量をagとすると
Al、Siのそれぞれのモル量は
Almol=a/26.98
Simol=(100−a)/28.09
で表される。
2)Al2O3に必要な酸素量は、(a/26.98)×1.5
SiO2に必要な酸素量は、((100−a)/28.09)×2
となる。
したがって、完全酸化物に必要な酸素のトータル量は、
Ototal=(a/26.98)×1.5+((100−a)/28.09)×2
3)Alの窒化物はAlN、Siの窒化物は、Si3N4で表されるため
AlNに必要な窒素量は、a/26.98
Si3N4に必要な窒素量は、((100−a)/28.09)×(4/3)
したがって、完全窒化物に必要な窒素のトータル量は、
Ntotal=a/26.98+(100−a)/28.09)×(4/3)
4)ここで、酸素に対する窒素のモル量をnとすると
純金属分100gに対する酸素、窒素の合計モル量は
ONtotal=Qc
=Ototal×(1−n)+Ntotal×n
=(0.056a+(3.559−0.036a)×2)(1−n)
+(0.037a+3.559−0.036a)×(4/3)
=(0.017n−0.016)a−2.375n+7.119
また、各粒子の大きさは、蒸着時の圧力が変化しないように適当な大きさにする必要がある。粒子径が大きすぎると熱を加えられてから、蒸発までに時間がかかり、圧力の変動が大きくなり、小さすぎると突沸を起こし、スプラッシュの原因となる。
また、加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱、レーザー加熱などを用いることができる。また、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を用いてもよい。
エミッション電流は、0.3A〜1.0Aの間が好ましく、更に好ましくは、0.5〜0.8Aの間である。エミッション電流が0.3Aよりも小さいと十分な蒸発速度が得られず、生産性が低くなる。また、エミッション電流が大きくなりすぎると蒸発量が多くなりすぎ、圧力の上昇やアルミナの分解が大きくなり、圧力の制御が難しくなる。
1)酸素透過率(OTR)の測定方法
作成したガスバリアフィルムの酸素透過率を酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN100)を用いて測定した。
2)水蒸気透過率(WVTR)の測定方法
作成した試料を40℃、100%R.H.の条件で米国、モコン(MOCON)社製の測定機(PARMATRAN−W)を用いて測定した。
3)耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法
耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター(理学工業(株)社製)を用いて評価した。条件としては(MIL−B131H)で、11.2inch×8inchの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状とし、両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストローク3(1/2)inchで、400度のひねりを加えるものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/minの速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行った。
4)ラミ強度の測定方法
東洋モートン社製TM590/CAT56を15:2.4の重量比で混合し、バーコータでドライコート量3gになうように塗布し、東洋紡社製ポリエチレンフィルム(L6102、40μm)をラミネートした。これを幅15mm、長さ100mmに切り出し、ポリエチレンフィルムと、ベースのPETフィルムの剥離強度を測定した。
図1に示すような連続式蒸着装置において、冷却ロール1に向けて、マグネトロンスパッタのターゲット2を配置した。ターゲットには、純度99.5%のチタン板を用いた。ターゲット周辺には、ガスの流出を防止する為の仕切り版を設け、ターゲット付近の圧力が、蒸着室に影響を与えないようにした。12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E5100)上に酸素・窒素を導入し反応性スパッタを行った。スパッタ時の圧力は、酸素を10SCCM、窒素を10SCCM導入し、5.3×10-1Paにした。出来上がった薄膜は、酸化チタンであった。投入電力は4.7W/cm2で行った。フィルムの走行速度は、130m/minで行い、膜厚は3nmであった。フィルム上にTiO2の薄膜を設けた後、連続で無機蒸着膜を加工した。
ターゲットをアルミニウムと珪素の混合物(重量比40:60)とし、投入電力を5.2W/cm2とし、酸素を15SCCM、窒素を10SCCM導入しながら反応性スパッタを行いアルミニウムと珪素の混合酸化物の薄膜を作成した。薄膜は、3nmであった。蒸着膜は、実施例1と同じ条件でフィルムを作成した。
ターゲットをアルミニウムにし、投入電力を3.3W/cm2とし、酸素を10SCCM、窒素を10SCCM導入しながら反応性スパッタを行い、酸化アルミニウムの薄膜を作成した。膜厚は、3nmであった。蒸着膜は、実施例1と同じ条件でフィルムを作成した。
ターゲットには、純度99.5%のチタン板を用いた。ターゲット周辺には、ガスの流出を防止する為の仕切り版を設け、ターゲット付近の圧力が、蒸着室に影響を与えないようにした。12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E5100)上に酸素・窒素を導入し反応性スパッタを行った。スパッタ時の圧力は、酸素を10SCCM、窒素を10SCCM導入し、5.3×10-1Paにした。出来上がった薄膜は、酸化チタンであった。投入電力は4.7W/cm2で行った。フィルムの走行速度は、130m/minで行い、膜厚は3nmであった。フィルム上にTiO2の薄膜を設けた後、連続で無機蒸着膜を加工した。
アンカーコートを作成せず、PET上に直接蒸着膜を作成した。蒸着膜は、実施例1と同じ条件で作成した。
実施例1と同じ条件で、アンカー層を作成した。無機蒸着膜の作成は、蒸着源として、3mm〜5mm程度の粒子状のアルミニウム(純度99.5%)と3mm〜5mm程度のSiO2を用いて、電子ビーム蒸着法で、PETフィルム上にアルミニウム・珪素の酸化・窒化のガスバリア層の形成を行った。アルミニウムとSiO2の混合比はの混合比は、重量比10:90とした。電子ビームの出力は、0.45Aで、フィルムの送り速度は100m/minで150nm厚の膜を作った。真空層内には、巻き出し部、コーティング部、巻取り部が入っており、連続でフィルムに蒸着が可能である。蒸着時の圧力を窒素ガスと酸素ガスを導入し3.3×10-2Paになるように調整した。この時の酸素分圧は、1.3×10-3Paで、窒素の分圧は2.5×10-2Paであった。また、蒸着時のフィルムを冷却する為のロールの温度を−10℃に調整した。
実施例1と同じ条件でアンカー層を作成した。無機蒸着膜の作成は、蒸着源として、3mm〜5mm程度の粒子状のアルミニウム(純度99.5%)と3mm〜5mm程度のSiO2を用いて、電子ビーム蒸着法で、PETフィルム上にアルミニウム・珪素の酸化・窒化のガスバリア層の形成を行った。アルミニウムとSiO2の混合比はの混合比は、重量比90:10とした。電子ビームの出力は、0.55Aで、フィルムの送り速度は100m/minで15nm厚の膜を作った。真空層内には、巻き出し部、コーティング部、巻取り部が入っており、連続でフィルムに蒸着が可能である。蒸着時の圧力を窒素ガスを導入し3.3×10-2Paになるように調整した。この時の酸素分圧は、1.1×10-2Paで、窒素の分圧は1.3×10-2Paであった。また、蒸着時のフィルムを冷却する為のロールの温度を−10℃に調整した。
図1に示すような連続式蒸着装置において、冷却ロール1に向けて、マグネトロンスパッタのターゲット2を配置した。ターゲットには、純度99.5%のチタン板を用いた。ターゲット周辺には、ガスの流出を防止する為の仕切り版を設け、ターゲット付近の圧力が、蒸着室に影響を与えないようにした。12μm厚PETフィルム(東洋紡績(株):E5100)上に、スパッタを行った。スパッタ時の圧力は、Arを、10SCCM導入し、5.3×10-1Paにした。の投入電力は4.7W/cm2で行った。フィルム上にTiの薄膜を設けた後、連続で無機蒸着膜を加工した。蒸着膜は、実施例1と同じ条件で作成した。
図1に示すような連続式蒸着装置において、冷却ロール1に向けて、マグネトロンスパッタのターゲット2を配置した。ターゲットには、純度99.5%のチタン板を用いた。ターゲット周辺には、ガスの流出を防止する為の仕切り版を設け、ターゲット付近の圧力が、蒸着室に影響を与えないようにした。12μm厚PETフィルム(東洋紡績(株):E5100)上に、酸素・窒素を導入し反応性スパッタを行った。スパッタ時の圧力は、酸素を10SCCM導入し5.3×10-1Paにした。スパッタ時の投入電力は4.7W/cm2で行った。フィルムの送り速度を100m/minとし、3nmの薄膜を作成した。フィルム上にTiの薄膜を設けた後、連続で無機蒸着膜を加工した。
図1に示すような連続式蒸着装置において、冷却ロール1に向けて、マグネトロンスパッタのターゲット2を配置した。ターゲットには、純度99.5%のチタン板を用いた。ターゲット周辺には、ガスの流出を防止する為の仕切り版を設け、ターゲット付近の圧力が、蒸着室に影響を与えないようにした。12μm厚PETフィルム(東洋紡績(株):E5100)上に、酸素・窒素を導入し反応性スパッタを行った。スパッタ時の圧力は、酸素を10SCCM、窒素を10SCCM導入し、5.3×10-2Paにした。スパッタ時の投入電力は5.5W/cm2で行った。フィルムの送り速度を75m/minとし、9nmの薄膜を作成した。フィルム上にTiの薄膜を設けた後、連続で無機蒸着膜を加工した。
次に、得られた実施例1〜4、比較例1〜6フィルムの蒸着面にポリウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製,主剤/硬化剤 TM−590/CAT56)を約3μm塗布し、80℃で熱処理した後、低密度ポリエチレンフィルム(東洋紡績製 L6102 厚み40μm)を80℃に加熱した金属ロール上で490kPaのニップ圧力でドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。得られたラミネートフィルムについて、ゲルボ前後の酸素透過量、水蒸気透過量を作成した。
2:マグネトロンスパッタ装置
3:蒸着用坩堝
4:電子銃
5:巻き出しロール
6:巻き取りロール
Claims (2)
- プラスチック基材の少なくとも一方の面にアンカー層と厚み5〜30nmの無機バリア層を設けたフィルムであって、該アンカー層が金属の酸・窒化物からなり、厚み50〜300Åの無機バリア層を設けたフィルムであって、前記無機バリア層が、AlとSiと酸素、窒素からなり、Al原子とSi原子の重量比が15:85〜40:60の範囲であり、窒素の酸素に対するモル比が10〜40%であり、純金属分100gに対する酸素原子と窒素原子の合計モル数が下記の式を満足することを特徴とするガスバリア性フィルム。
Qc=Ototal×(1−n)+Ntotal×n
=(0.056a+(3.559−0.036a)×2)(1−n)
+(0.037a+3.559−0.036a)×(4/3) ・・・ (1)
=(0.017n−0.016)a−2.375n+7.119
0.9×Qc<Q<1.0×Qc ・・・ (2)
a :金属分100g中のAlの重量(15<a<40)
n :Oに対するNのモル比(0.1<n<0.4)
Q :薄膜の実際の酸・窒化度
Qc :計算より算出した完全酸・窒化度
Ototal:完全酸化物に必要な酸素のトータル量(mol)
Ntotal:完全窒化物に必要な窒素のトータル量(mol)
- 請求項1に記載するガスバリア性であって、前記フィルムアンカー層を形成する金属が、チタニウム、アルミニウム、珪素のひとつか、あるいは2種類以上により形成され、該アンカー層がスパッタリングを用いて作成されることを特徴とするガスバリア性フィルム。
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