JP3019937B2 - レトルト食品用包装材料 - Google Patents
レトルト食品用包装材料Info
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Description
に関するもので、詳しくは、レトルト処理時の高温にさ
らされても、酸素及び水蒸気などに対するバリヤー性、
透視性およびシール強度の劣化が少なく、ラミ、印刷等
の後工程や取扱いでの劣化の少ないレトルト食品用包装
材料に関するものである。
ス、食肉調理品などの調理品または、半調理品をパック
包装したレトルト食品は、長期保存可能であり、かつ調
理が簡単なため、広く市場に出回っている。レトルト食
品のための包装材料としては、酸素や水蒸気などが内部
に透過することによって、内容物を変質させることがな
いように、バリヤー性およびシール強度が優れていなけ
ればならない。かかる包装材料としてはアルミニウム箔
や蒸着薄膜フィルム等をヒートシール性を有する無延伸
ポリプロピレンフィルムとラミネートしたものなどがよ
く用いられている。
ニウム箔をラミネートしたフィルムをレトルト食品用包
装材料として用いる場合、アルミニウム箔が不透明なた
め内容物を確認することができず、買物に不自由であ
る。一方、透明かつバリヤー性を有するフィルムとし
て、たとえば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルムやポ
リ塩化ビニリデン系樹脂等をベースフィルムにコーティ
ングしたものなどがある。しかし、ポリ塩化ビニリデン
系樹脂は耐熱性が劣るため、レトルト処理の高温下(た
とえば110℃以上)ではバリヤー性が極端に劣化し、
またフィルムの白化によって透視性が失われるため、レ
トルト食品用包装材料として使用することは困難であ
る。また常温であってもバリヤーが充分でないため、ア
ルミニウム箔をラミネートしたものに比べ、一般的に保
存期間が短く、バリヤー性を上げるためにはフィルムの
可尭性が失われたり、フィルムコストが上がるなどの問
題がある。更に、最近、ごみ焼却時の塩素ガス発生等の
問題があり、地球環境への影響も懸念されるようになっ
てきた。
可能なガスバリアフィルムとして、合成樹脂体表面にS
ix Oy (例えばSiO2 )(特公昭51−48511
号)や、Al2 O3 を蒸着したガスバリアフィルム(特
開昭62−1014287)が提案され、注目されてい
るが、これらの薄膜系のガスバリアフィルムについて
も、そのガスバリア特性、耐屈曲性は、まだまだ不十分
なものである。すなわち、耐レトルト性を有するには、
ある程度以上(例えば2000Å)の薄膜厚が要求され
るのに対し、耐屈曲性を向上させるには、できるだけ薄
い方がよいという問題を有しており、現在レトルト用と
して使用されているものは、その取扱いに注意を要する
ものが多い。
バリヤー性及びシール強度を有し、レトルト処理の高温
下にさらされてもバリヤー性、透視性及びシール強度の
劣化が少なく、かつ耐屈曲性の高いレトルト食品用包装
材料を提供することを目的とする。
包装材料は、プラスチック基材と該プラスチック基材の
少なくとも片面に設けられた酸化アルミニウム系薄膜層
とからなるガスバリア性を有する包装用材料において該
薄膜の比重が2.70〜3.30であることを特徴とす
るレトルト食品包装用材料であり、あるいは、該薄膜層
上に、さらにヒ−ト層が設けられているレトルト食品包
装用材料である。
高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方向、お
よび、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したプ
ラスチックフィルムであり、有機高分子としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフター
ト、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン
6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩
化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコ
ール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリッフ
ェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイドなどが
あげられる。また、これらの(有機重合体)有機高分子
は他の有機重合体を少量共重合をしたり、ブレンドした
りしてもよい。
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度に
ついては特に限定するものではないが、透明ガスバリア
フィルムとして使用する場合には、50%以上の透過率
をもつものが好ましい。本発明におけるプラスチック基
材は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層
を積層するに先行して、該フィルムをコロナ放電処理、
グロー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよ
く、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施
されていてもよい。本発明におけるプラスチック基材
は、その厚さとして5〜500μmの範囲が好ましく、
さらに好ましくは8〜300μmの範囲である。
Al、AlO、Al2 O3 等から成り立っていると考え
られ、これらの比率も作成条件で異なる。この成分中
に、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高
々3%まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さと
しては、特にこれを限定するものではないが、ガスバリ
ア性及び可尭性の点からは、50〜8000Åが好まし
い。かかる酸化アルミニウム系薄膜の作成には、真空蒸
着法、スパッタ−法、イオンプレ−テイングなどのPV
D法(物理蒸着法)、あるいは、CVD法(化学蒸着
法)などが適宜用いられる。例えば、真空蒸着法におい
ては、蒸着源材料としてAlやAl2 O3 等が用いら
れ、また、加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘導加
熱、電子ビ−ム加熱等を用いることができる。また、反
応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、
オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸
着を用いてもよい。また、基板にバイアス等を加えた
り、基板温度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明
の目的を損なわない限りに於て、作成条件を変更しても
よい。スパッタ−法やCVD法等のほかの作成法でも同
様である。また、本発明品は、そのままで使用されても
よいが、他の有機高分子のフィルム、または薄層をラミ
ネートまたはコーティングして使用してもよい。
体積を占める物質の質量と、それと同体積の標準物質の
質量(4℃における水)との比をいう。比重の測定は、
通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の水の質量
との比を求めればよいが、本発明の薄膜の測定では、体
積の測定が困難である。そこで、まず基板から薄膜をは
がす、あるいは、基板のみを溶解することにより、薄膜
のみからなる単独膜の状態としたのちに、(JIS K
7112)にあるような比重測定法を用いることが望ま
しい。例えば、浮沈法では、試料を比重既知の溶液の中
に浸せきさせ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定する
ことができる。この溶液としては、四塩化炭素とブロモ
ホルム、または、ヨウ化メチレンなどの混合液を用いる
ことができる。また、連続的な密度勾配をもつ溶液中に
単独膜を浸積させる密度勾配管法によっても比重の値を
測定できる。
が2.70よりも小さい場合、酸化アルミニウム系薄膜
の構造が粗雑となり、充分な耐レトルトガスバリア性が
得られない。また、該薄膜の比重が3.30よりも大き
い場合、成膜後の初期ガスバリア特性は優れているもの
の、膜が硬くなりすぎ、機械特性、特にゲルボ特性が劣
り、処理後のガスバリア性の低下が大きくなり、包装用
材料としての使用に適していない。以上の理由からレト
ルト食品用包装用材料して好ましい酸化アルミニウム系
薄膜の比重は、2.70〜3.30であり、さらに好ま
しくは2.80〜3.20である。
あると共に高度なバリヤー性を有する。すなわち、酸素
透過率が4.0cc/m2 ・24hrs 以下でかつ水
分透過率が3.0g/m2 ・24hrs以下である。し
たがって、本発明の包装材料で包装した食品は長期保存
が可能である。さらに本発明のレトルト食品用包装材料
は、高温加熱処理によっても、ガスバリア性しないとい
う特徴がある。すなわち、100〜130℃で、10〜
60分間のレトルト処理に耐えうる。本発明のレトルト
食品用包装材料の使用形態としては、袋、フタ材、カッ
プ、チューブ、スタンディングバッグ、トレイなどがあ
る。ヒートシール層は袋、チューブ、スタンディングバ
ッグなどの用途の場合には必要であるが、カップ、フタ
材、トレイ等の用途の場合には必ずしも必要ではない。
更に、ゲルボ特性が優れているため、ラミ工程、印刷工
程での劣下が少ない。又、袋化したのちもその取扱いに
対して、必要以上の注意を要しない。次に実施例をあげ
て本発明を説明する。
2 O3 (純度99.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法
で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E
5007)上に酸化アルミニウム系ガスバリア薄膜の形
成を行った。加熱源として、電子銃(以下EB銃)を用
い、EB銃のエミッション電流を0.8〜1.8Aとし
た。フィルム送り速度は、40〜100m/minと変
化させ、300〜5000Å厚の膜を作った。又、蒸気
圧は、酸素ガスの供給量を変え、1×10-5〜8×10
-3Torrまで条件を変えた。
フィルムを溶解したのち、浮沈法で測定した。更に、こ
のPET上の複合膜に対し、また、厚さ40μmの未延
伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)を二液硬
化型ポリウレタン系接着剤(厚さ2μm)を用いて、ド
ライラミネ−トして、本発明応用の包装用プラスチック
フィルムを得た。この包装用フィルムに対して、レトル
ト処理(120度×30分)、または、ゲルボ処理を施
したのち、酸素バリア性を測定した。
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法 耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター
(理学工業( 株) 社製)を用いて評価した。条件として
は(MIL−B131H)で112inch×8inc
hの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状とし、
両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストロー
クの3(1/2)inchで、400度のひねりを加え
るものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/min
の速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行った。
このようにして測定した酸素透過率は、1.0cc前後
と非常に優秀であった。さらに100回ゲルボ試験後の
結果も、2cc前後の上昇に留まり、総合特性の優れた
レトルト用包装材料が得られた。
スバリア薄膜の形成を行ない、得られたサンプルに対し
て、比重測定およびレトルト処理、または、ゲルボ処理
後の酸素バリア特性を測った。その結果、酸素バリア
性、耐レトルト性、あるいは、ゲルボ特性のいずれかが
不十分なものになり、総合判定で不良となった。
(純度99.99%)を用い、高周波誘導加熱蒸着法
で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E
5000)上に酸化アルミニウム系ガスバリア薄膜の形
成を行った。その時の高周波電力を2〜5kwとし、フ
ィルム送り速度を20〜150m/minと変化させ、
500〜4000Å厚の膜を作った。蒸気圧は、酸素ガ
スの供給量を変えることで、1.0×10-5〜8×10
-3Toorまで条件を変えた。このようにして得られた
膜の比重をPETフィルムを溶解したのち、測定した。
以下、実施例1と同様にして、包装用フィルムを作り、
酸素バリア性を測定した。
ニウム系ガスバリア薄膜の形成を行ない、得られたサン
プルに対して、比重測定およびレトルト処理、または、
ゲルボ処理後の酸素バリア特性を測った。その結果、酸
素バリア性、耐レトルト性、あるいは、ゲルボ特性のい
ずれかが不十分なものになり、総合判定で不良となっ
た。さらに長期間保存性テストをするために、実施例、
比較例で得られた袋の代表的なものに、クリ−ムシチュ
−を詰め、完全密封したサンプルをつくった。この試料
に対し、レトルト処理を行い、室温で30日間保持した
後の臭い、色および味を調べた。その結果、本発明の実
施例は正常であるが、比較例は異常を示した。(表3)
の少なくとも片面に設けられた酸化アルミニウム系薄膜
層とからなるガスバリア性を有する包装用材料におい
て、該薄膜の比重を2.70〜3.30とすることによ
って、ガスバリア性に優れ、又、耐レトルト性、耐屈曲
性の高い総合的に実用特性のすぐれたレトルト食品用包
装材料を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチック基材と該プラスチック基材
の少なくとも片面に設けられた酸化アルミニウム系薄膜
層とからなるガスバリア性を有する包装用材料におい
て、該薄膜の比重が2.70〜3.30であることを特
徴とするレトルト食品用包装材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の薄膜層上に、さらにヒ−
ト層が設けられているレトルト食品用包装材料。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP4107797A JP3019937B2 (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | レトルト食品用包装材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH05305972A JPH05305972A (ja) | 1993-11-19 |
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1992
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