JP3019936B2 - マイクロ波殺菌用包装材料 - Google Patents
マイクロ波殺菌用包装材料Info
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Description
る透明なマイクロ波殺菌用包装材料に関するものであ
る。
長くするために、様々な方法がとられているが、その中
でもマイクロ波照射による殺菌は、その優れた特性で注
目され広く普及しつつある。すなわち、加熱速度、加熱
効率が高く、更に複雑な形状のものに対しても、均一に
加熱できる。また、装置の操作、及び制御が簡単で安全
性も高く、そのうえ、作業環境を清潔に保つことができ
るなど食品殺菌として、多くの優れた特徴を持ってい
る。そのため、牛乳、ジュース、日本酒、ハム、ハンバ
ーグ、ソーセージ、プリン、弁当、惣菜、日本酒などの
食品の包装に際し、マイクロ波照射により包装容器及び
内容物を殺菌して包装することが広く行われている。か
かる無菌化包装材料としては、マイクロ波を透過するエ
チレン−酢酸ビニル共通合体ケン化物のフィルムなど、
ポリ塩化ビニリデンフィルム(例えば東洋紡(株)製エ
ステルフィルム−EK(商品名))など、ポリビニルア
ルコールフィルムなどを芯層とした透明ラミネートフィ
ルムや、発泡スチレン樹脂のトレイに内容物を入れて、
ポリ塩化ビニルフィルムでストレッチ包装したものなど
がある。また、セラミックス薄膜(酸化ケイ素)を用い
たマイクロ波殺菌用包装材料としては、特開平1−22
5542が提案されている。
かかる包装材料は、微生物の育成、食品の酸化などを防
止するために、できるだけ酸素ガス、湿気などに対する
バリヤー性をあげるように設計されているものの、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のフィルム及びポリ
ビニルアルコールフィルムなどは、湿気が高い場合のバ
リヤー性が極端に劣り、また塩化ビニリデン系樹脂フィ
ルムおよび該樹脂をコーティングしたラミネートフィル
ムは塩化ビニリデン系樹脂の耐熱性が劣るため、マイク
ロ波殺菌処理後におけるバリヤー性が著しく低下し、マ
イクロ波殺菌により一般生菌を減らすことができても、
長期保存することが出来なかった。更に、セラミックス
薄膜を用いたフィルムについては、初期ガスバリア特
性、耐熱性については、問題がないものの耐屈曲性が高
くなく、ラミ、製袋等の後工程及び、その後の取り扱い
に注意を要するものであった。
用包装材料は、プラスチック基材と該プラスチック基材
の少なくとも片面に設けられた酸化アルミニウム系薄膜
層とからなるガスバリア性を有する包装用材料におい
て、該薄膜の比重が2.70〜3.30であることを特
徴とするマイクロ波殺菌用材料であり、あるいは、該薄
膜層上に、さらにヒ−ト層が設けられているマイクロ波
殺菌用材料である。
クロ波の透明性がよく、かつマイクロ波殺菌処理におい
て劣化しにくいプラステックフィルムであればよく、有
機高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方向、
および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施した
フィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリエチ
レン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン
4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、
ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香
族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレンスル
フィド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられる。
また、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有機重
合体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしてもよ
い。この中では、マイクロ波の透過性および、包装袋と
しての強度の点から、特に、ナイロン、PET、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が好
ましい。
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度に
ついては特に限定するものではないが、透明ガスバリア
フィルムとして使用する場合には、50%以上の透過率
をもつものが好ましい。本発明におけるプラスチック基
材は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層
を積層するに先行して、該フィルムをコロナ放電処理、
グロー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよ
く、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施
されていてもよい。本発明におけるプラスチック基材
は、その厚さとして5〜500μmの範囲が好ましく、
さらに好ましくは8〜300μmの範囲である。
Al、AlO、Al2 O3 等から成り立っていると考え
られ、これらの比率も作成条件で異なる。この成分中
に、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高
々3%まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さと
しては、特にこれを限定するものではないが、ガスバリ
ア性及び可尭性の点からは、50〜8000Åが好まし
い。かかる酸化アルミニウム系薄膜の作成には、真空蒸
着法、スパッタ−法、イオンプレ−テイングなどのPV
D法(物理蒸着法)、あるいは、CVD法(化学蒸着
法)などが適宜用いられる。例えば、真空蒸着法におい
ては、蒸着源材料として、AlやAl2 O3 等が用いら
れ、また、加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘導加
熱、電子ビ−ム加熱等を用いることができる。また、反
応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、
オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸
着を用いてもよい。また、基板にバイアス等を加えた
り、基板温度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明
の目的を損なわない限りに於て、作成条件を変更しても
よい。スパッタ−法やCVD法等のほかの作成法でも同
様である。また、本発明品は、そのままで使用されても
よいが、他の有機高分子のフィルム、または薄層をラミ
ネートまたはコーティングして使用してもよい。
体積を占める物質の質量と、それと同体積の標準物質の
質量(4℃における水)との比をいう。比重の測定は、
通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の水の質量
との比を求めればよいが、本発明の薄膜の測定では、体
積の測定が困難である。そこで、まず基板から薄膜をは
がす、あるいは、基板のみを溶解することにより、薄膜
のみからなる単独膜の状態としたのちに、(JIS K
7112)にあるような比重測定法を用いることが望ま
しい。例えば、浮沈法では、試料を比重既知の溶液の中
に浸せきさせ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定する
ことができる。この溶液としては、四塩化炭素とブロモ
ホルム、または、ヨウ化メチレンなどの混合液を用いる
ことができる。また、連続的な密度勾配をもつ溶液中に
単独膜を浸積させる密度勾配管法によっても比重の値を
測定できる。
が2.70よりも小さい場合、酸化アルミニウム系薄膜
の構造が粗雑となり、充分なガスバリア性が得られな
い。また、該薄膜の比重が3.30よりも大きい場合、
成膜後の初期ガスバリア特性は優れているものの、膜が
硬くなりすぎ、機械特性、特にゲルボ特性が劣り、ラミ
ネート、製袋等の後工程やマイクロ波殺菌処理を施す時
の取り扱い等により、ガスバリア性が低下する可能性が
大きくなり、包装用材料としての使用に適していない。
以上の理由からマイクロ波殺菌用包装材料として、好ま
しい酸化アルミニウム系薄膜の比重は、2.70〜3.
30であり、さらに好ましくは2.80〜3.20であ
る。
であると共に高度なバリヤー性を有する。すなわち、酸
素透過率が4.0cc/m2 ・24hrs 以下で、か
つ水分透過率が3.0g/m2 ・24hrs 以下であ
り、マイクロ波殺菌処理後においても、高度なバリヤー
性を保持する。したがって、本発明の包装材料で包装
し、マイクロ波殺菌処理した食品は長期保存が可能であ
る。本発明のマイクロ波殺菌用包装材料の使用形態とし
ては、袋、フタ材、カップ、チューブ、スタンディング
バッグ、トレイなどがある。ヒートシール層は袋、チュ
ーブ、スタンディングバッグなどの用途の場合には必要
となる。更に、装飾または、内容物の説明のために印刷
を施したり、意匠用フィルムあるいは、補強剤等と張り
合わせてもよい。又、ゲルボ特性が優れているため、ラ
ミネート工程、印刷工程、製袋工程での劣下が少なく、
袋化したのちも、その取り扱いに対して、必要以上に注
意を要しない。本発明の包装材料で包装した食品のマイ
クロ波殺菌処理は、マイクロ波照射により、例えば10
0〜140℃程度に加熱することによって行えばよい。
次に実施例をあげて本発明を説明する。
2 O3 (純度99.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法
で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E
5007)上に酸化アルミニウム系ガスバリア薄膜の形
成を行った。加熱源として、電子銃(以下EB銃)を用
い、エミッション電流を0.7〜1.8Aとした。フィ
ルム送り速度は、40〜100m/minと変化させ、
500〜4000Å厚の膜を作った。又、蒸気圧は、酸
素ガスの供給量を変え、1×10-5〜8×10-3Tor
rまで条件を変えた。
フィルムを溶解したのち、浮沈法で測定した。更に、こ
のPET上の複合膜に対し、また、厚さ60μmの未延
伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)を二液硬
化型ポリウレタン系接着剤(厚さ2μm)を用いて、ド
ライラミネ−トして、包装用プラスチックフィルムを得
た。この包装用フィルムに対して、マイクロ波照射によ
り加熱(130℃×10分)、または、ゲルボ処理を施
したのち、酸素バリア性を測定した。(表1)
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法 耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター
(理学工業( 株) 社製)を用いて評価した。条件として
は(MIL−B131H)で112inch×8inc
hの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状とし、
両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストロー
クの3(1/2)inchで、400度のひねりを加え
るものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/min
の速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行った。
1.0cc前後と非常に優秀であった。さらに、100
回ゲルボ試験後の結果も、2cc前後の上昇に留まっ
た。また、マイクロ波照射後も、4.0cc以下のバリ
ア性を保ち、総合特性の優れたマイクロ波殺菌用包装フ
ィルムが得られた。このフィルムを用いて10cm×1
5cmの大きさのピロー型の袋を作製した。
スバリア薄膜の形成を行ない、得られたサンプルに対し
て、比重測定およびマイクロ波照射、または、ゲルボ処
理後の酸素バリア特性を測った。その結果、酸素バリア
性、マイクロ波照射後のバリア性、あるいは、ゲルボ特
性のいずれかが不十分なものになり、総合判定で不良と
なった。このフィルムを用いて、(実施例1)と同様の
袋を作成した。(表2)
(純度99.9%)を用い、高周波誘導加熱蒸着法で、
12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E50
00)上に酸化アルミニウム系ガスバリア薄膜の形成を
行った。その時の高周波電力を3.5KWとし、フィル
ム送り速度を30〜100m/minと変化させ、50
0〜4000A厚の膜を作った。蒸気圧は、酸素ガスの
供給量を変えることで、1.0×10-5〜8×10-3T
oorまで条件を変えた。このようにして得られた膜の
比重をPETフィルムを溶解したのち、測定した。以
下、実施例1と同様にして、包装用フィルムを作り、酸
素バリア性を測定した。(表1)
ニウム系ガスバリア薄膜の形成を行ない、得られたサン
プルに対して、比重測定およびマイクロ波殺菌処理、ま
たは、ゲルボ処理後の酸素バリア特性を測った。その結
果、酸素バリア性、マイクロ波照射後、あるいは、ゲル
ボ特性のいずれかが不十分なものになり、総合判定で不
良となった。(表2) 又、長期間保存性テストをするために、実施例、比較例
で得られた袋の代表的なものに、ハンバ−グを詰め、完
全密封したサンプルをつくった。この試料に対し、マイ
クロ波殺菌(120℃×30分)処理を行い、室温で3
0日間保持した後の臭い、色および味を調べた。その結
果、本発明の実施例は正常であるが、比較例は異常を示
した。(表3)
の少なくとも片面に設けられた酸化アルミニウム系薄膜
層とからなるガスバリア性を有する包装用材料におい
て、該薄膜の比重を2.70〜3.30とすることによ
って、ガスバリア性に優れ、又、マイクロ波照射後のバ
リア性、耐屈曲性の高い総合的に実用特性のすぐれたマ
イクロ波殺菌用包装材料を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチック基材と該プラスチック基材
の少なくとも片面に設けられた酸化アルミニウム系薄膜
層とからなるガスバリア性を有する包装用材料におい
て、該薄膜の比重が2.70〜3.30であることを特
徴とするマイクロ波殺菌用材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の薄膜層上に、さらにヒ−
ト層が設けられているマイクロ波殺菌用材料。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP4107796A JP3019936B2 (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | マイクロ波殺菌用包装材料 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP4107796A JP3019936B2 (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | マイクロ波殺菌用包装材料 |
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JPH05305971A JPH05305971A (ja) | 1993-11-19 |
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CN106927112A (zh) * | 2017-03-02 | 2017-07-07 | 浙江博升新材料有限公司 | 一种用于易撕盖的透明封口膜、制备方法及透明易撕盖 |
-
1992
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