JP3149505B2 - 透明ガスバリアフィルム - Google Patents
透明ガスバリアフィルムInfo
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Description
ルト性、ゲルボ特性に優れた食品、医薬品、電子部品等
の気密性を要求される包装材料、または、ガス遮断材料
として優れた特性を持つフィルムに関するものである。
は、プラスチックフィルム上にアルミニウムを積層した
もの、塩化ビニリデンやエチレンビニールアルコール共
重合体をコーティングしたものが知られている。また、
無機薄膜を利用したものとしては、酸化珪素、酸化アル
ミニウム薄膜等を積層したものが知られている。
バリア性フィルムは、次のような課題を有していた。ア
ルミニウム積層品は、経済性、ガスバリア性の優れたも
のではあるが、不透明なため、包装時の内容物が見え
ず、また、マイクロ波透過しないため電子レンジでの使
用ができない。塩化ビニリデンやエチレンビニールアル
コール共重合体をコーティングしたものは、水蒸気、酸
素等のガスバリア性が十分でなく、特に高温処理におい
てその低下が著しい。また、塩化ビニリデン系について
は、焼却時の塩素ガスの発生等があり、地球環境への影
響も懸念されている。
体表面にSIx Oy (例えばSiO2 )を蒸着したガス
バリアフィルムが提案されているが、ガスバリア性の良
好なSiOx 系(x=1.5〜1.8)は、やや褐色を
有しており、透明ガスバリアフィルムとしては、不十分
なものである。一方、酸化アルミニウムを主体としたも
のとしては、完全に無色透明であり、化学的にも安定
で、かつ、材料コストも安く、包装用ガスバリアフィル
ムとして、優位にあるといえるが、しかし、(特開昭6
2−101428)等に見られるものは、ガスバリア性
が不十分で、かつ耐屈曲性に問題がある。耐屈曲性は、
成膜後の後工程(ラミネート、印刷、製袋等)や取扱い
等でのバリア性の劣化に影響し、酸化アルミニウムの場
合には、膜自身が脆いため、その取扱いに注意を要する
というものである。一般に、薄膜を用いたガスバリアフ
ィルムでは、ボイル性、耐レトルト性を向上させるに
は、ある程度以上の薄膜の厚みが要求されるのに対し、
耐屈曲性等の機械特性の向上には、できるだけ薄い方が
よいという問題があり、酸化アルミニウム薄膜の場合、
特に良好な範囲が狭いという問題をかかえている。この
ように、充分な酸素バリア性と耐レトルトを兼ね備え、
更に耐屈曲性の高い酸化アルミニウム系透明ガスバリア
フィルムはないのが現状である。
性、耐レトルト性に優れ、かつ、耐屈曲性の高い酸化ア
ルミニウムガスバリアフィルムを提供せんとするもので
ある。すなわち、本発明は、プラスチックフィルム上に
酸化アルミニウム薄膜が形成されたガスバリアフィルム
において、該薄膜の比重が2.70〜3.30であるこ
とを特徴とするガスバリアフィルムである。
有機高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方
向、および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施
したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリ
エチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロ
ン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニー
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全
芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられ
る。また、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有
機重合体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしても
よい。
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は
特に限定するものではないが、透明ガスバリアフィルム
として使用する場合には、50%以上の透過率をもつも
のが好ましい。本発明のプラスチックフィルムは、本発
明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層する
に先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電
処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、
公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていて
もよい。本発明のプラスチックフィルムは、その厚さと
して5〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましく
は8〜300μmの範囲である。
Al、AlO、Al2 O3 等から成り立っていると考え
られ、これらの比率も作成条件で異なる。この成分中
に、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高
々3%まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さと
しては、特にこれを限定するものではないが、ガスバリ
ア性及び可尭性の点からは、50〜8000Åの範囲が
好ましい。かかる酸化アルミニウム薄膜の作成には、真
空蒸着法、スパッタ−法、イオンプレ−テイングなどの
PVD法(物理蒸着法)、あるいは、CVD法(化学蒸
着法)などが適宜用いられる。例えば、真空蒸着法にお
いては、蒸着源材料としてAlやAl2 O3 等が用いら
れ、また、加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘導加
熱、電子ビ−ム加熱等を用いることができる。また、反
応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、
オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸
着を用いてもよい。また、基板にバイアス等を加えた
り、基板温度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明
の目的を損なわない限りに於て、作成条件を変更しても
よい。スパッタ−法やCVD法等のほかの作成法でも同
様である。本発明品は、そのままで使用されてもよい
が、他の有機高分子のフィルム、または薄層をラミネー
トまたはコーティングして使用してもよい。
体積を占める物質の質量と、それと同体積の標準物質の
質量(4℃における水)との比をいう。比重の測定は、
通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の水の質量
との比を求めればよいが、本発明の薄膜の測定では、体
積の測定が困難である。そこで、まず基板から薄膜をは
がす、あるいは、基板のみを溶解することにより、薄膜
のみからなる単独膜の状態としたのちに、(JIS K
7112)にあるような比重測定法を用いることが望ま
しい。例えば、浮沈法では、試料を比重既知の溶液の中
に浸せきさせ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定する
ことができる。この溶液としては、四塩化炭素とブロモ
ホルム、または、ヨウ化メチレンなどの混合液を用いる
ことができる。また、連続的な密度勾配をもつ溶液中に
単独膜を浸積させる密度勾配管法によっても比重の値を
測定できる。
が2.70よりも小さい場合、酸化アルミニウム薄膜の
構造が粗雑となり、充分なガスバリア性が得られない。
また、該薄膜の比重が3.30よりも大きい場合、成膜
後の初期ガスバリア特性は優れているものの、膜が硬く
なりすぎ、機械特性、特にゲルボ特性が劣り、処理後の
ガスバリア性の低下が大きく、ガスバリアフィルムとし
ての使用に適していない。以上の理由からガスバリアフ
ィルムとして好ましい酸化アルミニウム系薄膜の比重
は、2.70〜3.30であり、さらに好ましくは2.
80〜3.20である。
2 O3 (純度99.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法
で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E
5007)上に酸化アルミニウム系ガスバリア薄膜の形
成を行った。加熱源として、電子銃(以下EB銃)を用
い、エミッション電流を0.8〜1.8Aとした。フィ
ルム送り速度は、40〜100m/minと変化させ、
300〜5000Å厚の膜を作った。又、蒸気圧は、酸
素ガスの供給量を変え、1×10-5〜8×10-3Tor
rまで条件を変えた。
フィルムを溶解したのち、浮沈法で測定した。更に、こ
のPET上の複合膜に対し、また、厚さ40μmの未延
伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム)を二液硬
化型ポリウレタン系接着剤(厚さ2μm)を用いて、ド
ライラミネ−トして、本発明応用の包装用プラスチック
フィルムを得た。この包装用フィルムに対して、レトル
ト処理(120度×30分)、または、ゲルボ処理を施
したのち、酸素バリア性を測定した。
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法 耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター
(理学工業( 株) 社製)を用いて評価した。条件として
は(MIL−B131H)で112inch×8inc
hの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状とし、
両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストロー
クの3(1/2)inchで、400度のひねりを加え
るものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/min
の速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行った。
このようにして測定した酸素透過率は、1.0cc前後
と非常に優秀であった。さらに100回ゲルボ試験後の
結果も、2cc前後の上昇に留まり、総合特性の優れた
ガスバリアフィルムが得られた。
リア薄膜の形成を行ない、得られたサンプルに対して、
比重測定およびレトルト処理、または、ゲルボ処理後の
酸素バリア性を測った。その結果、酸素バリア性、耐レ
トルト性、あるいは、ゲルボ特性のいずれかが不十分な
ものになり、総合判定で不良となった。
(純度99.99%)を用い、高周波誘導加熱蒸着法
で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E
5100)上に酸化アルミニウム系ガスバリア薄膜の形
成を行った。その時の高周波電力を2〜5KWとし、フ
ィルム送り速度を20〜150m/minと変化させ、
500〜4000Å厚の膜を作った。蒸気圧は、酸素ガ
スの供給量を変えることで、1.0×10-5〜8×10
-3Tor rまで条件を変化させた。このようにして得ら
れた膜の比重をPETフィルムを溶解したのち、測定し
た。以下(実施例1)と同様にして、包装用フィルムを
作り、酸素バリア性を測定した。
ニウム系ガスバリア薄膜の形成を行ない、得られたサン
プルに対して、比重測定およびレトルト処理、または、
ゲルボ処理後の酸素バリア性を測った。その結果、酸素
バリア性、耐レトルト性、あるいは、ゲルボ特性のいず
れかが不十分なものになり、総合判定で不良となった。
周波スパッタ−法で、24μm厚のPETフィルム(東
洋紡績(株):E5000)上に酸化アルミニウム系ガ
スバリア薄膜の形成を行った。フィルム送り速度は、
0.05〜2m/minと変化させ、500〜4000
Å厚の膜を作った。アルゴンガス及び、酸素ガスの供給
量を変え、酸化雰囲気、スパッタ−時の真空圧を変化さ
せた。真空圧は2〜100mTorr、スパッタ−電力
3〜8KWとした。このようにして得られた膜の比重を
測定したのち、実施例1と同様に、包装用フィルムを作
り、酸素バリア性を測定した。
ウム系ガスバリア薄膜の形成を行ない、得られたサンプ
ルに対して、比重測定およびレトルト処理、または、ゲ
ルボ処理後の酸素バリア性を測った。その結果、酸素バ
リア性、耐レトルト性、あるいは、ゲルボ特性のいずれ
かが不十分なものになり、総合判定で不良となった。
様に、粒状のAl2 O3 を蒸着源材料として、酸化アル
ミニウム系ガスバリア膜の形成をおこなった。この時、
蒸着条件、基板温度(室温〜150度)等を変化させ
て、比重を変えた膜を作成した。得られたサンプルの比
重、バリア性、及びゲルボ特性を測定したところ、比重
の大きすぎる膜は、バリア性はすぐれているものの、ゲ
ルボ特性による劣化が大きく、ガスバリア膜の特性とし
ては劣っていた。
ウム系薄膜が形成されたガスバリアフィルムにおいて、
該薄膜の比重を2.70〜3.30とするによって、ガ
スバリア性に優れ、また耐レトルト性、屈曲性の高い、
総合的に実用特性のすぐれた酸化アルミニウム系ガスバ
リアフィルムを提供できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 プラスチックフィルム上に酸化アルミニ
ウム薄膜が形成されたガスバリアフィルムにおいて、該
薄膜の比重が2.70〜3.30であることを特徴とす
る無色透明ガスバリアフィルム。
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