JP3279728B2 - 透明ガスバリアフィルム - Google Patents
透明ガスバリアフィルムInfo
- Publication number
- JP3279728B2 JP3279728B2 JP13182293A JP13182293A JP3279728B2 JP 3279728 B2 JP3279728 B2 JP 3279728B2 JP 13182293 A JP13182293 A JP 13182293A JP 13182293 A JP13182293 A JP 13182293A JP 3279728 B2 JP3279728 B2 JP 3279728B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- film
- gas barrier
- calcium oxide
- specific gravity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
性、透明性に優れた食品、医薬品、電子部品等の気密性
を要求される包装材料、または、ガス遮断材料として優
れた特性を持つフィルムに関するものである。
は、プラスチックフィルム上にアルミニウムを積層した
もの、塩化ビニリデンやエチレンビニールアルコール共
重合体をコーティングしたものが知られている。また、
無機薄膜を利用したものとしては、酸化硅素、酸化アル
ミニウム薄膜等を積層したものや酸化硅素、酸化カルシ
ウム薄膜等を積層したもの等が知られている。
バリア性フィルムは、次のような課題を有していた。ア
ルミニウム積層品は、経済性、ガスバリア性の優れたも
のではあるが、不透明なため、包装時の内容物が見えな
い。塩化ビニリデンやエチレンビニ−ルアルコ−ル共重
合体をコーティングしたものは、水蒸気、酸素等のガス
バリア性が十分でなく、特に高温処理においてその低下
が著しい。また、塩化ビニリデン系については、焼却時
の塩素ガスの発生等があり、地球環境への影響も懸念さ
れている。一方、内容物が見えるガスバリアフィルムと
して、特公昭51−48511号に、合成樹脂体表面に
SixOy(例えばSiO2 )を蒸着したガスバリアフィ
ルムが提案されているが、ガスバリア性の良好なSiO
x 系(x=1.3〜1.8)は、やや褐色を有してお
り、透明ガスバリアフィルムとしては、不十分なもので
ある。
2−101428)に見られるようなものもあるが、酸
素バリア性が不十分である。又、特開昭61−2971
34号公報には、PET、OPPフィルム上にCaOと
SiO2 とを真空蒸着した耐透湿性、透明性フィルムが
開示されている。しかしながらこのフィルムは耐透湿性
が不十分であり、酸素バリア性については述べられてい
ない。このように、充分な酸素バリア性と水蒸気バリア
性を有する透明ガスバリアフィルムはないのが現状であ
る。
素バリア性に優れた酸化カルシウムと酸化硅素の2つの
成分からなるガスバリアフィルムを提供せんとするもの
である。すなわち、本発明は、プラスチックフィルム上
に、酸化カルシウムと酸化硅素の2つの成分からなる薄
膜が形成されたガスバリアフィルムにおいて、該薄膜内
での酸化カルシウムの比率が3重量%以上、80重量%
以下であって、該薄膜の比重が下記式を満足することを
特徴とするガスバリアフィルム。 D=0.01A+b但し、D:薄膜の比重、A:薄膜中
の酸化カルシウムの重量%b:酸化珪素のみからなる薄
膜の比重1.6≦b≦2.65
有機高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方
向、および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施
したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリ
エチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロ
ン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニー
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全
芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレン
スルフィド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられ
る。また、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有
機重合体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしても
よい。
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は
特に限定するものではないが、透明ガスバリアフィルム
として使用する場合には、50%以上の透過率をもつも
のが好ましい。本発明のプラスチックフィルムは、本発
明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層する
に先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電
処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、
公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていて
もよい。本発明のプラスチックフィルムは、その厚さと
して5〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましく
は8〜300μmの範囲である。
素,酸化カルシウムの混合物、あるいは化合物等とから
成り立っていると考えられる。ここでいう酸化硅素と
は、Si,SiO,SiO2等から成り立っていると考
えられ、これらの比率は作成条件で異なる。酸化カルシ
ウムとは,Ca,CaO等から成り立っていると考えら
れ.これらの比率も作成条件で異なる。本発明における
該薄膜の酸化硅素,酸化カルシウムの比率としては、該
薄膜内での酸化カルシウムの比率が3重量%以上、80
重量%以下であって、該薄膜の比重が下記式を満足する
ことを特徴とするガスバリアフィルム。 D=0.01A+b 但し、D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化カルシウムの
重量% b:酸化珪素のみからなる薄膜の比重 1.6≦b≦2.65 である。また、この成分中に、特性が損なわれない範囲
で微量(全成分に対して高々3Wt%まで)の他成分を
含んでもよい。該薄膜の厚さとしては、特にこれを限定
するものではないが、耐透湿性、ガスバリア性の点から
は、50〜8000Åが好ましく、更に好ましくは、8
0〜5000Åである。
作成には、真空蒸着法,スパッタ−法イオンプレ−テイ
ング法などのPVD法(物理蒸着法)、あるいは、CV
D法(化学蒸着法)が適宜用いられる。例えば、真空蒸
着法においては、蒸着源材料としてSiO2とCaOや
SiO2とCaの混合物等が用いられ、また、加熱方式
としては、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビ−ム加熱
等を用いることができる。また、反応性ガスとして、酸
素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオン
アシスト等の手段を用いた反応性蒸着を用いてもよい。
また、基板にバイアス等を加えたり、基板温度を上昇、
あるいは、冷却したり等、本発明の目的を損なわない限
りに於て、作成条件を変更してもよい。スパッタ−法や
CVD法等のほかの作成法でも同様である。本発明品
は、そのままで使用されてもよいが、他の有機高分子の
フィルム、または薄層をラミネートまたはコーティング
して使用してもよい。本発明でいう比重とは、ある温度
で、ある体積を占める物質の質量と、それと同体積の標
準物質の質量(4℃における水)との比をいう。比重の
測定は、通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の
水の質量との比を求めればよいが、本発明の薄膜の測定
では、体積の測定が困難である。そこで、まず基板から
薄膜をはがす、あるいは、基板のみを溶解することによ
り、薄膜のみからなる単独膜の状態としたのちに、(J
IS K7112)にあるような比重測定法を用いるこ
とが望ましい。例えば、浮沈法では、試料を比重既知の
溶液の中に浸せきさせ、その浮沈状態から薄膜の比重を
測定することができる。この溶液としては、四塩化炭素
とブロモホルム、または、ヨウ化メチレンなどの混合液
を用いることができる。また、連続的な密度勾配をもつ
溶液中に単独膜を浸積させる密度勾配管法によっても比
重の値を測定できる。
該薄膜内での酸化カルシウムの比率が3重量%以上、8
0重量%以下であって、該薄膜の比重が下記式を満足す
ることを特徴とするガスバリアフィルム。 D=0.01A+b 但し、D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化カルシウムの
重量% b:酸化珪素のみからなる薄膜の比重 1.6≦b≦2.65 好ましくは, 1.7≦b≦2.65 である。bの値が1.6よりも小さい領域のときは、酸
化硅素、酸化カルシウム系 薄膜の構造が粗雑となり、
充分な耐透湿性、酸素バリア性が得られない、又、bの
値が2.65よりも大きい領域のものを作製すること
は、実用上困難である。
粒子状のSiO2(純度99.9%)とCaO(純度9
9.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法で、12μm厚の
PETフィルム(東洋紡績(株):E5100)上に酸
化カルシウム・酸化硅素薄膜の形成を行った。蒸着材料
は、混合せずに、ハ−ス内をカ−ボン板で2つに仕切
り、加熱源として一台の電子銃(以下EB銃)を用い、
SiO2とCaOのそれぞれを時分割で加熱した。その
時のEB銃のエミッション電流は1.0〜3.0Aと
し、SiO2とCaOへの加熱比を変化させ、フィルム
送り速度は50〜200m/minと変化させ、酸素ガ
スの供給量は、0〜200ccMと変化させ、チルロ−
ルにはバイアス電圧(−200V)を印加し、その冷却
温度は、−10度一定とした。(これらの成膜条件を表
1に示す。)
酸素バリア性を測定した。
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・水蒸気透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの透湿度を40℃90%R
HにおいてJIS Z0208の試験法により測定を行
った。
酸化カルシウム・酸化硅素系透明ガスバリア薄膜の作成
を行なった。この時の成膜条件としては加熱比を変えて
酸化カルシウムの含有量を3重量%以下または、80重
量%以上としたものおよびバイアス印加を行わず真空圧
を変えた以外は実施例1と同様とした。得られたサンプ
ルに対して水蒸気バリア性、酸素バリア性を測った。
(表2) その結果、水蒸気バリア性が5g/cm2・day以上
で酸素バリア性が5.0cc以上となりガスバリアフィ
ルムとしては不十分なものとなった。
酸化硅素、酸化カルシウム系薄膜が形成されたガスバリ
アフィルムは耐透湿性、酵素バリア性にすぐれ包装用や
その他工業用途にも適していることがわかる。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチックフィルム上に酸化カルシウ
ムと酸化珪素の2つの成分からなる薄膜が形成されたガ
スバリアフィルムにおいて、該薄膜内での酸化カルシウ
ムの比率が3重量%以上、80重量%以下であって、該
薄膜の比重(D)が下記式を満足することを特徴とする
透明ガスバリアフィルム。 D=0.01A+b 但し、D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化カルシウムの
重量% 1.6≦b≦2.65 - 【請求項2】 請求項1の透明ガスバリアフィルムを用
いたことを特徴とする包装用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13182293A JP3279728B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 透明ガスバリアフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13182293A JP3279728B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 透明ガスバリアフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06340021A JPH06340021A (ja) | 1994-12-13 |
JP3279728B2 true JP3279728B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=15066916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13182293A Expired - Lifetime JP3279728B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 透明ガスバリアフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3279728B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102628158A (zh) * | 2011-02-02 | 2012-08-08 | 三菱综合材料株式会社 | 薄膜的制法及共蒸镀用蒸镀材、薄膜、薄膜片及层叠片 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013063642A (ja) * | 2011-08-26 | 2013-04-11 | Toyobo Co Ltd | ガスバリア性積層フィルム |
-
1993
- 1993-06-02 JP JP13182293A patent/JP3279728B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102628158A (zh) * | 2011-02-02 | 2012-08-08 | 三菱综合材料株式会社 | 薄膜的制法及共蒸镀用蒸镀材、薄膜、薄膜片及层叠片 |
JP2012158820A (ja) * | 2011-02-02 | 2012-08-23 | Mitsubishi Materials Corp | 薄膜の製造方法及び薄膜形成用の共蒸着用蒸着材、該方法により得られる薄膜、該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06340021A (ja) | 1994-12-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH11221874A (ja) | 酸化硅素系薄膜積層ガスバリアフィルム | |
JP3279728B2 (ja) | 透明ガスバリアフィルム | |
JP3294440B2 (ja) | 複合蒸着フィルム及びその製造方法 | |
JP3149505B2 (ja) | 透明ガスバリアフィルム | |
JP3070702B2 (ja) | 透明ガスバリアフィルム | |
JPH05179033A (ja) | ガスバリアフィルムおよびそれを用いた包装用あるいはガス遮断用フィルム | |
JP3266211B2 (ja) | 透明ガスバリアフィルム | |
JP3095153B2 (ja) | 透明ガスバリアフィルム | |
JPH0798872B2 (ja) | 酸化硅素系薄膜積層ガスバリアフィルム | |
JP3068107B2 (ja) | 透明ガスバリアフィルム | |
JP3252929B2 (ja) | 透明ガスバリア性フィルム | |
JP3271418B2 (ja) | ガスバリアフィルム及びレトルト用ガスバリアフィルム | |
JP3244145B2 (ja) | 水物食品用包装材料及び包装体 | |
JP3019935B2 (ja) | レトルト食品用包装材料 | |
JP3252930B2 (ja) | ガスバリアフィルム | |
JP3267741B2 (ja) | ガスバリアフィルム | |
JP3257607B2 (ja) | バルーン用積層体及びバルーン | |
JP2001064424A (ja) | 透明ガスバリアフィルム | |
JP3244144B2 (ja) | 水物食品用包装材料及び包装体 | |
JP3235685B2 (ja) | 脱酸素剤入り包装用材料 | |
JP3228364B2 (ja) | 水物食品用包装材料及び包装体 | |
JP3244134B2 (ja) | ガスバリアフィルム | |
JP2004174879A (ja) | コンバーティング適性を有するバリアフィルム | |
JPH09169075A (ja) | 酸化硅素系薄膜積層ガスバリアフィルム | |
JP3019937B2 (ja) | レトルト食品用包装材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080222 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |