JP3228364B2 - 水物食品用包装材料及び包装体 - Google Patents
水物食品用包装材料及び包装体Info
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Description
板、糸こんにゃく類、たくあん漬、醤油漬、奈良漬等の
各種漬物類、各種味噌類やたれ、だしのもと、めんつゆ
等と同封された食品や醤油、ソ−ス、ケチャップ、マヨ
ネ−ズ等の調味料などの保存に適した水物食品用包装材
料及び包装体に関するものである。
材料及び包装体としては、各種プラスチックフィルムを
ラミネ−トしたものが用いられている。例えばナイロン
フィルムとPE(ポリエチレン)フィルムまたは、ナイ
ロンフィルムとCPP(未延伸ポリプロピレン)フィル
ムをラミネ−トしたもの。また、ナイロンフィルム上に
アルミ蒸着したものあるいは、塩化ビニリデンやエチレ
ンビニルアルコール共重合体と置き変えたものを用いた
ものをPEやCPPフィルムとラミネ−トした包装材料
を使い、袋、カップ、トレイといった様々な包装体が製
作され使用される。又、最近は酸化硅素などの薄膜をバ
リアフィルムとして使ったものも提案されている。
用包装材料及び包装体は、次にような課題を有してい
た。アルミニウム箔、あるいはアルミニウム蒸着を用い
たものは、ガスバリア性にはすぐれているが、不透明で
あり、包装時の内容物が見えないという欠点があった。
またアルミニウムを水物食品用包装材料及び包装体の構
成の一部に含むとプラスチックフィルムの回収再利用
(リサイクリング)ができないという問題がある。 塩
化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体を、
水物食品用包装材料及び包装体の構成の一部に含むもの
は、水蒸気、酸素などのガスバリア性が不十分であり、
内容物の保存期間が短い。又、塩化ビニリデン系につい
ては、容易に熱分解し、リサイクリングが行いにくく、
焼却時の塩素ガスの発生など、地球環境への影響も懸念
されている。また、エチレンビニルアルコール系は乾燥
時のバリア性は優れているものの、高湿度下においては
酸素バリア性の低下が著しく、保存期間が短くなる。
体表面にSix Oy (例えばSiO 2 )を蒸着したガス
バリア性フィルムが提案されているが、ガスバリア性の
良好なSiOx 系(x=1.3〜1.8)は褐色を有し
ており、その被膜はもろく、これを構成の一部または全
部とする水物食品用包装材料及び包装体を過酷に取り扱
った場合には、ガスバリア性が大きく低下するという欠
点がある。酸化アルミニウムを蒸着したフィルムとして
(特開昭62−101428)に見られるようなものも
あるが、初期の酸素バリア性が余り高くない。更に屈曲
した場合の酸素バリア性の劣化が大きく、水物食品用包
装材料及び包装体の構成の一部または全部とした場合に
内容物を酸化から守り、長期保存するには十分なものと
はいえず、酸素バリア性と水蒸気バリア性とを兼ね備
え、過酷な取扱に耐えるものにはなり得ない。
に優れ、また耐屈曲性の高い、しかも経済性において
も、有利なガスバリア性フィルムを構成の一部または全
部とする水物食品用包装材料及び包装体を提供せんとす
るものである。すなわち、本発明はプラスチック基材の
少なくとも一方の面に、主として酸化アルミニウムと酸
化珪素とから成る組成の薄膜を設け、該薄膜の組成のう
ち、酸化アルミニウムが20〜99重量%含まれること
を特徴とするガスバリア性フィルムを構成の全部または
一部とする水物食品用包装材料及び包装体であり、また
好ましくは該薄膜の比重が下記の式を満足することを特
徴とするガスバリア性フィルムを、構成の全部または一
部とする水物食品用包装材料及び包装体である。 D=0.01A+b(ただし、D:薄膜の比重、A:薄
膜中の酸化アルミニウムの重量%、1.6≦b≦2.
2)
高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方向、お
よび、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフ
ィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリエチレ
ン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、
ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、ポリ
塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香族ポ
リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレンスルフィ
ド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられる。ま
た、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有機重合
体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしてもよい。
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止、可塑剤、滑剤、
着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は特に
限定するものではないが、透明ガスバリア性フィルムと
して使用する場合には、50%以上の透過率をもつもの
が好ましい。本発明のプラスチックフィルムは、本発明
の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層するに
先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処
理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、公
知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていても
よい。本発明のプラスチックフィルムは、その厚さとし
て5〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは
8〜300μmの範囲である。
ルミニウムと酸化硅素の混合物、あるいは化合物等とか
ら成り立っていると考えられる。ここでいう酸化アルミ
ニウムとは、Al,AlO,Al2 O3 等の各種アルミ
ニウム酸化物の混合物から成り立ち、酸化アルミニウム
内での各々の含有率等は作成条件で異なる。酸化珪素と
は、Si,SiO,SiO2 等から成り立っていると考
えられ、これらの比率も作成条件で異なる。本発明にお
ける該薄膜の酸化アルミニウムの比率としては、20重
量%以上、99重量%以下であって、好ましくは30重
量%以上、95重量%以下である。また、この成分中
に、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高
々3%まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さと
しては、特にこれを限定するものではないが、ガスバリ
ア性及び可尭性の点からは、50〜8000Aが好まし
く、更に好ましくは、70〜5000Aである。
の作成には、真空蒸着法、スパッタ− 法、イオンプレ
−テイングなどのPVD法(物理蒸着法)、あるいは、
CVD法(化学蒸着法)などが適宜用いられる。例え
ば、真空蒸着法においては、蒸着源材料としてAl2 O
3 とSiO2 やAlとSiO2 の混合物等が用いられ、
また、加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘導加熱、
電子ビ−ム加熱等を用いることができる。また、反応性
ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾ
ン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を
用いてもよい。また、基板にバイアス等を加えたり、基
板温度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明の目的
を損なわない限りに於て、作成条件を変更してもよい。
スパッタ−法やCVD法等のほかの作成法でも同様であ
る。本発明品は、そのままで使用されてもよいが、他の
有機高分子のフィルム、または薄層をラミネートまたは
コーティングして使用してもよい。
体積を占める物質の質量と、それと同体積の標準物質の
質量(4℃における水)との比をいう。比重の測定は、
通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の水の質量
との比を求めればよいが、本発明の薄膜の測定では、体
積の測定が困難である。そこで、まず基板から薄膜をは
がす、あるいは、基板のみを溶解することにより、薄膜
のみからなる単独膜の状態としたのちに、(JIS K
7112)にあるような比重測定法を用いることが望ま
しい。例えば、浮沈法では、試料を比重既知の溶液の中
に浸せきさせ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定する
ことができる。この溶液としては、四塩化炭素とブロモ
ホルム、または、ヨウ化メチレンなどの混合液を用いる
ことができる。また、連続的な密度勾配をもつ溶液中に
単独膜を浸積させる密度勾配管法によっても比重の値を
測定できる。
が、薄膜中の酸化アルミニウムの重量%との関係を、D
=0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化
アルミニウムの重量%)という式で示すとき、bの値が
1.6よりも小さい領域のときには、酸化アルミニウム
・酸化硅素薄膜の構造が粗雑となり、充分なガスバリア
性が得られない。また、該薄膜の比重の値が、b値で、
2.2よりも大きい領域の場合、成膜後の初期ガスバリ
ア特性は優れているものの、膜が硬くなりすぎ、機械特
性、特にゲルボ特性が劣り、処理後のガスバリア性の低
下が大きくなり、ガスバリア性フィルムとしての使用に
適していない。以上の理由から水物食品用包装材料及び
包装体として好ましい酸化アルミニウム・酸化硅素薄膜
の比重は、該薄膜の比重と薄膜内の酸化アルミニウム組
成比率との関係をD=0.01A+b(D:薄膜の比
重、A:薄膜中の酸化アルミニウムの重量%)という関
係式であらわす時、bの値で1.6から2.2であり、
更に好ましくは1.7から2.1である。(図−1)
装する内容物の要求特性に応じ各種フィルムをラミネ−
トしてよく、代表的なラミ構成としては、ガスバリア性
フィルム(NY上)/PE、ガスバリア性フィルム(N
Y上)/CPP、ガスバリア性フィルム(PET上)/
PE、ガスバリア性フィルム(PET上)/CPP等が
考えられる。更に装飾または、内容物の説明のための印
刷を施したり、意匠用フィルムあるいは補強剤等と張り
合わせてもよい。本発明における包装体としては、袋、
フタ材、カップ、チュ−ブ、スタンデイングパック、ト
レイ等があり、形状、種類に対し特に制限はなく、例え
ば、袋物の包装形式としては、ピロ−タイプ、三方シ−
ル、四方シ−ル等を用いる。これらの包装材料、包装体
の構成の全部あるいは一部としてガスバリア性フィルム
を用いる。本発明における水物食品用包装体が適用でき
る内容物としては、板、糸こんにゃく類、たくあん漬、
醤油漬、奈良漬等の各種漬物類、各種味噌類やたれ、だ
しのもと、めんつゆ等と同封された食品や醤油、ソ−ス
等の調味料などであり、また、これらに制限されるもの
ではない。
フレ−ク状のAl2 O3 (純度99.5%)とSiO2
(純度99.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法で、15
μm厚のナイロンフィルム(東洋紡績(株):N113
0)上に酸化アルミニウム・酸化硅素系薄膜の形成を行
った。蒸着条件としては、電子銃(EB銃)のエミッシ
ョン電流を1.2A、加熱比は30:10とし、組成比
がAl2 O3 :SiO 2 =60:40になるよにした。
蒸着膜の厚みは600A(オングストローム)とし、P
E(ポリエチレン)40μmとラミネートして、実施例
1−を作製した。この包装用フィルムの酸素バリア
性を測定した。比較例として、1−ナイロン(15μ
m)/PE(40μm)、塩化ビニリデンコ−トナイ
ロン(K−NY)/PE(40μm)を作製した。この
包装用フィルムの酸素バリア性を測定した。
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。表1に示すように、実施例
は、1cc以下と優れた酸素バリア性示したのに対し、
比較例はバリア性が劣っている。次に実施例1−の
フィルムをピロ−形製袋充填機にかけ、板こんにゃくを
小袋に充填した。このサンプルを40℃、90%RHの
部屋に1カ月間放置した後に開封し、試食したが、こん
にゃくの味、風味に変化はなかった。比較例1,2のフ
ィルムも、実施例と同様に製袋充填機を用いて、板こん
にゃくを充填し、同条件で放置後に開封し試食したが、
こんにゃくは食味が劣ると判断された。
フレ−ク状のAl2 O3 (純度99.5%)とSiO2
(純度99.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法で、12
μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E510
0)上に酸化アルミニウム・酸化硅素系薄膜の形成を行
った。蒸着条件としては、電子銃(EB銃)のエミッシ
ョン電流を1.5Aとし、加熱比を変え組成を変えた。
蒸着膜の厚みは700A(オングストローム)とし、P
E(ポリエステル)40μmとラミネートして実施例2
−〜を作製した。この包装用フィルムの、或は、ゲ
ルボ処理を施したのちの酸素バリア性を測定した。比較
例として、2−Al2 O3 +SiO2 組成比(1
0:90)、Al 2 O3 、SiOの組成の薄膜を実
施例と同様の方法により、PETフィルムに蒸着し、更
にPEとラミネートし、比較例2−〜を作製した。
この包装用フィルムの、或は、ゲルボ処理を施したの
ち、酸素バリア性を測定した。又、膜の比重はPETフ
ィルムを溶解したのち浮沈法で測定している。
(理学工業(株)社製)を用いて評価した。条件として
は(MIL−B131H)で11.2inch×8in
chの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状と
し、両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、スト
ロークの3(1/2)inchで、400度のひねりを
加えるものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/m
inの速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行っ
た。
5cc以上であるのに対し、本実施例は、2.0cc以
下で、良好な特性を示している。又、ゲルボ処理後の特
性では、比較例2−も劣下が大きいのに対し本実施例
では、処理後も2.5cc以下と優れている。また比重
が規定範囲内にある実施例2−,,,,10,11
の場合は、特に優れている。比較例2−〜では、ゲ
ルボ処理後の特性が、7cc以上となっているのに対
し、本実施例は、2.5cc以下で、優れている。又、
比重が規定範囲内にある場合は1cc程度と特に優れて
いる。
充填機にかけ、小袋に成形しながら、漬物(たくあん
漬)を加熱殺菌(75℃×10min)し充填した。こ
の時のラミネート構成は、バリアフィルム(PET)/
NY(15μm)/PEとした。このサンプルを40
℃、90%RHの部屋に3カ月間放置した後に開封し、
試食したが、たくあん漬の味、風味に変化はなかった。
比較例1〜6のフィルムも実施例と同様の製袋充填機に
より同様に成形し、たくあん漬を充填し、同条件で放置
後に開封し試食したが、たくあん漬には酸化臭があり、
食味が劣ると判断された。
ム・酸化硅素系薄膜が形成されたガスバリア性フィルム
を用いた水物食品用包装材料及び包装体において、該薄
膜内の酸化アルミニウムが20重量%から99重量%含
まれることを特徴とするガスバリア性フィルムを構成の
全部または、一部とする、あるいは、該薄膜内の酸化ア
ルミニウムが20重量%から99重量%含まれ、かつ、
該薄膜の比重と薄膜内の酸化アルミニウム組成比率との
関係をD=0.01A+b(D:薄膜の比重,A:薄膜
中の酸化アルミニウムの重量%)という関係式で表す
時、該薄膜の比重を、1.6≦b≦2.2であらわされ
る範囲内としたガスバリア性フィルムを構成の全部また
は、一部とすることによって、ガスバリア性、屈曲性も
高い、かつ、環境にもやさしい実用特性のすぐれた水物
食品用包装材料及び包装体を提供できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチック基材の少なくとも片面に、
主として酸化アルミニウムと酸化珪素からなる組成の薄
膜を設け、該薄膜の組成のうち、酸化アルミニウムが2
0〜99重量%含まれ、かつ該薄膜の比重が下記式を満
足するガスバリア性フィルムを構成の全部又は一部とす
ることを特徴とする水物食品用包装材料。 D=0.01A+b 但し、D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アルミニウム
の重量% 1.6≦b≦2.2 - 【請求項2】 請求項1記載の水物食品用包装材用を用
いることを特徴とする水物食品用包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03197893A JP3228364B2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 水物食品用包装材料及び包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03197893A JP3228364B2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 水物食品用包装材料及び包装体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06238838A JPH06238838A (ja) | 1994-08-30 |
JP3228364B2 true JP3228364B2 (ja) | 2001-11-12 |
Family
ID=12346038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03197893A Expired - Lifetime JP3228364B2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 水物食品用包装材料及び包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3228364B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102218101B1 (ko) * | 2020-08-12 | 2021-02-19 | 최준영 | 식품 포장용 인라인 열성형 필름용기 |
-
1993
- 1993-02-22 JP JP03197893A patent/JP3228364B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06238838A (ja) | 1994-08-30 |
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