JP3244134B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents
ガスバリアフィルムInfo
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Description
性に優れた食品、医薬品、電子部品等の気密性を要求さ
れる包装材料、または、ガス遮断材料として優れた特性
を持つフィルムに関するものである。
は、プラスチックフィルム上にアルミニウムを積層した
もの、塩化ビニリデンやエチレンビニールアルコール共
重合体をコーティングしたものが知られている。また、
無機薄膜を利用したものとしては、酸化珪素、酸化アル
ミニウム薄膜等を積層したものが知られている。
バリアフィルムは、次のような課題を有していた。アル
ミニウム積層品は、経済性、ガスバリア性の優れたもの
ではあるが、不透明なため、包装時の内容物が見えず、
また、マイクロ波を透過しないため電子レンジの使用が
できない等の不便さがあった。塩化ビニリデンやエチレ
ンビニールアルコール共重合体をコーティングしたもの
は、酸素、水蒸気等のガスバリア性が十分でなく、特に
高温処理においてその低下が著しい。また、この塩化ビ
ニリデン系については、焼却時の塩素ガスの発生等があ
り、地球環境への影響も懸念されている。一方、内容物
が見え、電子レンジの使用が可能な透明ガスバリアフィ
ルムとして、特公昭51−48511号に、合成樹脂体
表面にSix Oy (例えばSiO 2 )を蒸着したガスバ
リアフィルムが提案されているが、ガスバリア性の良好
なSiOx 系(x=1.3〜1.8)は、やや褐色を有
しており、透明ガスバリアフィルムとしては、不十分な
ものである。
酸化アルミニウム薄膜を主体としたもの(特開昭62−
101428)が提案されているが、SiOx 系にくら
べて、酸素及び水蒸気バリア性が不十分であり、更に、
ラミネ−トや印刷等の後工程やラミネ−ト前の取扱いに
よるガスバリア性劣化が大きいことが問題になってい
る。このように、充分な酸素バリア性と水蒸気バリア性
を兼ね備え、かつ、後工程や取扱い等による機械的変形
に対するバリア特性劣化の少ない透明ガスバリアフィル
ムはないのが現状である。
に優れ、かつ、ラミネ−ト前の状態においても機械的変
形に対するバリア特性の安定性の高い酸化アルミニウム
系ガスバリアフィルムを提供せんとするものである。す
なわち本発明は、プラスチック基材と該プラスチック基
材の少なくとも片面に設けられた非晶質酸化アルミニウ
ム系薄膜層とからなるガスバリアフィルムにおいて、該
薄膜の屈折率が1.64〜1.70であることを特徴と
するガスバリアフィルムであり、また、薄膜層上に、さ
らにヒ−ト層が設けられている請求項1記載のガスバリ
アフィルムであり、また、請求項1または請求項2記載
のガスバリアフィルムを用いた包装用あるいはガス遮断
性フィルムである。
高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方向、お
よび、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したプ
ラスチックフィルムであり、有機高分子としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフター
ト、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン
6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩
化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコ
ール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリッフ
ェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイドなどが
あげられる。また、これらの(有機重合体)有機高分子
は他の有機重合体を少量共重合をしたり、ブレンドした
りしてもよい。
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度に
ついては特に限定するものではないが、透明ガスバリア
フィルムとして使用する場合には、50%以上の透過率
をもつものが好ましい。本発明におけるプラスチック基
材は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層
を積層するに先行して、該フィルムをコロナ放電処理、
グロー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよ
く、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施
されていてもよい。本発明におけるプラスチック基材
は、その厚さとして5〜500μmの範囲が好ましく、
さらに好ましくは8〜300μmの範囲である。また、
本発明品は、そのままの形で使用されてもよいが、他の
有機高分子のフィルム、または薄層をラミネート、また
はコーティングして使用してもよい。
Al、AlO、Al2 O3 等から成り立っていると考え
られ、これらの比率も作成条件で異なる。この成分中
に、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高
々3%まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さと
しては、特にこれを限定するものではないが、ガスバリ
ア性及び可尭性の点からは、30〜5000Åが好まし
く、さらに好ましくは、50〜3000Åである。
は、真空蒸着法、スパッタ−法、イオンプレ−テイング
などのPVD法(物理蒸着法)、あるいは、CVD法
(化学蒸着法)などが適宜用いられる。例えば、真空蒸
着法においては、蒸着源材料としてAlやAl2 O3 等
が用いられ、また、加熱方式としては、抵抗加熱、高周
波誘導加熱、電子ビ−ム加熱(EB加熱)等を用いるこ
とができる。また、反応性ガスとして、酸素、窒素、水
蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の
手段を用いた反応性蒸着を用いてもよい。また、基板に
バイアス等を加えたり、基板温度を上昇、あるいは、冷
却したり等、本発明の目的を損なわない限りに於て、作
成条件を変更してもよいが、本発明のように屈折率を高
くするには、イオン照射や付加バイアスを高くしたり、
EB加熱のパワ−を大きくすること等が有効である。ス
パッタ−法やCVD法等のほかの作成法でも同様であ
る。
折法によっては特定の回折ピ−クが観測されない状態を
いい、ガスバリア性を有し、かつ可撓性を発揮するため
には、非晶質である必要がある。結晶質あるいは非結晶
性の判定は、CuのKα線を用いた通常のX線回折装置
で容易に測定することができる。例えば、結晶性のα−
Al2 O3 が含まれていると、回折角2θが43.39
度や57.56度などの位置に明瞭な回折ピークが現
れ、またβ−Al2 O3 の場合は、回折角2θが66.
65度や33.43度などの位置に回折ピークが見られ
る。この他γ−Al2 O3 、δ−Al2 O3 など他の結
晶質酸化アルミニウムについても同様に固有の回 折ピ
ークが観測できる。このような結晶質酸化アルミニウム
がある程度以上含まれるとガスバリア性を有するのに必
要な薄膜の厚みが厚くなる。そのため、引っ張りや折り
曲げ等の機械的変形の際に亀裂などが生じやすく、バリ
ア性が劣化しやすい。
−ザ−(6328Å)の波長に対する屈折率をいい、
1.64〜1.70の範囲にあるものが望ましい。すな
わち、該薄膜の屈折率の値が1.64よりも小さい場
合、非晶質酸化アルミニウム系薄膜の構造が粗雑にな
り、充分なガスバリア性が得られない。また、該薄膜の
屈折率が1.70よりも大きい場合、膜質が結晶質アル
ミナに近くなり、ガスバリア特性はある程度優れている
ものの機械特性が劣り、引っ張りや折り曲げ等の機械的
変形に対し、ガスバリア性の劣化が大きく、包装用材料
としての使用に適さない。以上の理由からガスバリアフ
ィルムとして好ましい非晶質酸化アルミニウム系薄膜の
屈折率は、1.64〜1.70であり、さらに好ましく
は1.65〜1.70である。
と共に高度なバリア性を有する。すなわち、PETフィ
ルムを基材とした場合で酸素透過率が3.0cc/m2
・24hrs・atm 以下で、かつ水蒸気バリア性も
良好である。したがって、本発明の包装材料で包装した
食品は長期保存が可能である。
用あるいはガス遮断性フィルムの使用形態としては、
袋、フタ材、カップ、チューブ、スタンディングバッ
グ、トレイなどがある。ヒートシール層は袋、チュー
ブ、スタンディングバッグなどの用途の場合には必要で
あるが、カップ、フタ材、トレイ等の用途の場合には必
ずしも必要ではない。更に、機械的変形に対するバリア
特性の安定性が優れているため、ラミ工程、印刷工程で
の劣下が少なく、工程の処理速度を大きくすることがで
きる。又、製袋化したのちも、その取扱いに対して必要
以上の注意を要しない。次に実施例をあげて本発明を説
明する。
子状のAl2 O3 (純度99.9%)を用い、電子ビ−
ム蒸着法で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績
(株):E5007)上に酸化アルミニウム系ガスバリ
ア薄膜の形成を行った。加熱源として、電子銃(以下E
B銃)を用い、EB銃のエミッション電流を1.8〜
2.5Aとした。更に、チルロ−ルに−500Vのバイ
アスを加えた。フィルム送り速度を40〜200m/m
inと変化させ、50〜2000Å厚の膜を作った。
(実施例1〜5)又、蒸気圧は、酸素ガスの供給量を変
え、1×10-4〜1×10-3Torrまで条件を変え
た。 ロール温度は−5℃とした。このようにして得ら
れた膜の屈折率をエリプソメーターで、また結晶性をX
線回折装置で測定した。
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・水蒸気透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの水蒸気透過率を水蒸気透
過度テスタ−(リッシ−社製 L80−4000型)を
用いて測定した。 ・屈折率の測定方法 エリプソメ−タ−(溝尻光学工業所 DV−36S)を
用いて、He−Neレ−ザ−光(波長 6328Å)に
対する屈折率を求めた。
端部の全端にそれぞれアルミニウム板を固着し、アルミ
ニウム板の一方を固定し、他方に10kgの荷重をかけ
て、十分間つり下げ、その後、アルミニウム板を取り除
いて酸素、水蒸気透過率を測定した。 ・折り曲げテスト方法 100mm角の酸化アルミニウム蒸着フィルムを2つに折
りたたんだのちにもとにもどすと、フィルム表面に折り
跡がつく。同じようにして、折り跡をたて、横に25mm
毎に計8本入れたのちに、酸素、水蒸気透過率を測定し
た。このようにして測定した酸素透過率は、1〜3cc前
後と非常に優秀であった。さらに引っ張り、折り曲げテ
スト後の結果も、2cc前後の上昇に留まり、総合特性の
優れたガスバリアフィルムが得られた。
ニウム系透明ガスバリア薄膜の形成を行った。この時の
EB銃のエミッション電流は1.0Aとしチルロ−ルに
は特にバイアスは加えなかった。得られたサンプル(比
較例2〜6)と原反フィルム(比較例1)に対して、酸
素、水蒸気透過率の測定、および、折り曲げ、引っ張り
処理後の酸素、水蒸気透過率を測った。その結果、酸素
バリア性、あるいは、機械的変形に対する安定性のいず
れかが不十分なものになった。
子状のAl2 O3 (純度99.5%)を用い、EB加熱
蒸着法で、20μm厚の2軸延伸ポリプロピレンフィル
ム(OPPフィルム:東洋紡績(株):P2601)上
に酸化アルミニウム系ガスバリア薄膜の形成を行った。
その時のEB銃のエミッション電流を1.8〜2.5A
とし、フィルム送り速度を50〜200m/minと変
化させ、50〜2000A厚の膜(実施例6〜10)を
作った。蒸気圧は、酸素ガスの供給量を変えることで、
1.0×10-4〜1×10-3Torrまで条件を変え
た。このようにして得られた膜の屈折率と結晶性を調
べ、以下(実施例1〜5)と同様にして、酸素、水蒸気
透過率を測定した。
ポリプロピレンフィルム(20μm厚)上に酸化アルミ
ニウム系ガスバリア薄膜の形成を行なった。得られたサ
ンプル(比較例8〜12)に対して、屈折率と結晶性を
しらべ、実施例と同様に酸素、水蒸気透過率を測った。
また、原反フィルム(比較例7)についても同様にバリ
ア性を測った。その結果、いずれかの酸素あるいは水蒸
気バリア性が不十分なものになった。
5、比較例2〜6の代表的なサンプルに対し、厚さ40
μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィル
ム)を二液硬化型ポリウレタン系接着剤(厚さ2μm)
を用いて、ドライラミネ−トして、本発明応用の包装用
プラスチックフィルムを得た。この包装用プラスチック
フィルムを用い、ヒ−トシ−ルをしながら、200×1
80mmのサイズの袋を成形した。この袋の中にポテト
チップス100gを窒素ガスとともに封入し、40×9
0%RHの部屋に6カ月間放置したのちに、開封、試食
し、味、風味、歯ごたえを調べた。その結果、本発明の
実施例は正常であるが、比較例ではポテトチップスがや
や湿っており、歯ごたえがなく、食味が劣ると判断され
た。
の少なくとも片面に設けられた非晶質酸化アルミニウム
系薄膜層とからなるガスバリア性を有する包装用材料に
おいて、該薄膜の屈折率を1.64〜1.70とするこ
とによって、ガスバリア性に優れ、又、機械的変形に強
い総合的に実用特性のすぐれたガスバリアフィルムを提
供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチック基材と該プラスチック基材
の少なくとも片面に設けられた非晶質酸化アルミニウム
系薄膜層とからなるガスバリアフィルムにおいて、該薄
膜の屈折率が1.65〜1.70であることを特徴とす
るガスバリアフィルム。 - 【請求項2】 請求項1記載の薄膜上に、さらにヒート
シール層が設けられていることを特徴とするガスバリア
フィルム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP25656492A JP3244134B2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | ガスバリアフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25656492A JP3244134B2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | ガスバリアフィルム |
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JPH06106671A JPH06106671A (ja) | 1994-04-19 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP25656492A Expired - Fee Related JP3244134B2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | ガスバリアフィルム |
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JP (1) | JP3244134B2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-25 JP JP25656492A patent/JP3244134B2/ja not_active Expired - Fee Related
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