JPH06115020A - 透明ガスバリアフィルム - Google Patents

透明ガスバリアフィルム

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JPH06115020A
JPH06115020A JP26379492A JP26379492A JPH06115020A JP H06115020 A JPH06115020 A JP H06115020A JP 26379492 A JP26379492 A JP 26379492A JP 26379492 A JP26379492 A JP 26379492A JP H06115020 A JPH06115020 A JP H06115020A
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JP
Japan
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film
gas barrier
thin film
aluminum oxide
refractive index
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JP26379492A
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English (en)
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Naganari Matsuda
修成 松田
Seiji Izeki
清司 伊関
Yoshiharu Morihara
芳治 森原
Toshiyuki Otani
寿幸 大谷
Toshio Uno
利夫 宇野
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 包装フィルムにおいて、屈曲性、ガスバリ
ア性に優れた酸化アルミニウム酸化硅素系ガスバリアフ
ィルムを提供することにある。 【構成】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
に、酸化アルミニウム酸化硅素系薄膜が形成されたガス
バリアフィルムにおいて、該薄膜内の酸化アルミニウム
の比率が3重量%以上25重量%以下であって、該薄膜
の屈折率と薄膜内の酸化アルミニウム組成比率との関係
をN=0.0018A+b(N:薄膜の屈折率,A:薄
膜中の酸化アルミニウムの重量%)という関係式で表す
時、該薄膜の屈折率を、1.35≦b≦1.54であら
わされる範囲内とすることによって、ガスバリア性に優
れ、また屈曲性をはじめとする機械特性の高い総合的に
実用特性のすぐれた酸化アルミニウム酸化珪素系ガスバ
リアフィルムを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリア性に優れ、
かつゲルボ特性をはじめとする機械特性に優れた食品、
医薬品、電子部品等の気密性を要求される包装材料、ま
たは、ガス遮断材料として優れた特性を持つフィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスバリア性のすぐれたフィルムとして
は、プラスチックフィルム上にアルミニウムを積層した
もの、塩化ビニリデンやエチレンビニールアルコール共
重合体をコーティングしたものが知られている。また、
無機薄膜を利用したものとしては、酸化珪素、酸化アル
ミニウム薄膜等を積層したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のガス
バリア性フィルムは、次のような課題を有していた。ア
ルミニウム積層品は、経済性、ガスバリア性の優れたも
のではあるが、不透明なため、包装時の内容物が見え
ず、また、マイクロ波を透過しないため電子レンジの使
用ができない等の不便さがある。塩化ビニリデンやエチ
レンビニールアルコール共重合体をコーティングしたも
のは、水蒸気、酸素等のガスバリア性が十分でなく、特
に高温処理においてその低下が著しい。また、塩化ビニ
リデン系については、焼却時の塩素ガスの発生等があ
り、地球環境への影響も懸念されている。一方、内容物
が見え、電子レンジの使用が可能なガスバリアフィルム
として、特公昭51−48511号に、合成樹脂体表面
にSix Oy (例えばSiO2 )を蒸着したガスバリア
フィルムが提案されているが、ガスバリア性の良好なS
iOx 系(x=1.3〜1.8)は、やや褐色を有して
おり、透明ガスバリアフィルムとしては、不十分なもの
である。
【0004】酸化アルミニウムを主体としたものとして
(特開昭62−101428)に見られるようなものも
あるが、酸素バリア性が不十分であり、機械特性が余り
高くないという問題がある。又、Al23 ・SiO2
系の例としては、(特開平2−194944)に提案さ
れているものがあるが、これはAl23 とSiO2
積 層したものであり、製造装置が大がかりなものとな
ってしまう。また、これらのガスバリアフィルムについ
ても、その初期ガスバリア特性は、優れているものの取
扱いに注意を要するものであり、すなわち、ラミネート
や印刷等の後工程やラミネート前の取扱いによるガスバ
リア性の劣化が大きいことが問題になっている。このよ
うに、充分な酸素バリア性と水蒸気バリア性を兼ね備
え、かつ、後工程や取扱い等による機械的変形に対する
バリア特性の劣化の少ない透明ガスバリアフィルムはな
いのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガスバリア
性、かつ、耐屈曲性をはじめとする機械特性の優れたガ
スバリアフィルムを提供せんとするものである。すなわ
ち、本発明は、プラスチックフィルムの少なくとも片面
に、酸化アルミニウム酸化硅素薄膜を主たる成分とする
薄膜が形成されたガスバリアフィルムにおいて、該薄膜
内に酸化アルミニウムの比率が3重量%以上、25重量
%以下であって、該薄膜の屈折率が下記式を満足するこ
とを特徴とするガスバリアフィルム。 N=0.0018A+b 但し N:薄膜の屈折率、A:薄膜中の酸化アルミニウ
ムの重量% 1.35≦b≦1.54 である。 また、該薄膜層上に、さらにヒート層が設けられている
ガスバリアフィルムであり、また、前記ガスバリアフィ
ルムを用いた包装用あるいはガス遮断性フィルムであ
る。
【0006】本発明でいうプラスチックフィルムとは、
有機高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方
向、および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施
したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリ
エチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロ
ン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニー
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全
芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレン
スルフィド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられ
る。また、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有
機重合体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしても
よい。
【0007】さらにこの有機高分子には、公知の添加
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は
特に限定するものではないが、透明ガスバリアフィルム
として使用する場合には、50%以上の透過率をもつも
のが好ましい。本発明のプラスチックフィルムは、本発
明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層する
に先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電
処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、
公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていて
もよい。本発明のプラスチックフィルムは、その厚さと
して5〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましく
は8〜300μmの範囲である。本発明品は、そのまま
で使用されてもよいが、他の有機高分子のフィルム、ま
たは薄層をラミネートまたはコーティングして使用して
もよい。
【0008】酸化アルミニウム酸化硅素薄膜は酸化アル
ミニウムと酸化硅素の混合物、あるいは化合物等とから
成り立っていると考えられる。ここでいう酸化アルミニ
ウムとは、Al,AlO,Al23 等の各種アルミニ
ウム酸化物の混合物から成り立ち、酸化アルミニウム内
での各々の含有率等は作成条件で異なる。酸化珪素と
は、Si,SiO,SiO2 等から成り立っていると考
えられ、これらの比率も作成条件で異なる。本発明にお
ける該薄膜の酸化アルミニウムの比率としては、3重量
%以上、25重量%以下であって、好ましくは5重量%
以上、25重量%以下である。また、この成分中に、特
性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高々3%
まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さとして
は、特にこれを限定するものではないが、ガスバリア性
及び可尭性の点からは、50〜8000Åが好ましく、
更に好ましくは、70〜5000Åである。また、該薄
膜の結晶性についても、特性を損なわない限り、特に問
わないが、非晶質状態である方がより望ましい。かかる
酸化アルミニウム・酸化硅素系薄膜の作成には、真空蒸
着法、スパッタ−法、イオンプレーテイングなどのPV
D法(物理蒸着法)、あるいは、CVD法(化学蒸着
法)などが適宜用いられる。例えば、真空蒸着法におい
ては、蒸着源材料としてAl23 とSiO2 やAlと
SiO2 の混合物等が用いられ、また、加熱方式として
は、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱等を用
いることができる。また、反応性ガスとして、酸素、窒
素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシス
ト等の手段を用いた反応性蒸着を用いてもよい。また、
基板にバイアス等を加えたり、基板温度を上昇、あるい
は、冷却したり等、本発明の目的を損なわない限りに於
て、作成条件を変更してもよい。例えば、該薄膜の屈折
率を高くするには、イオン照射や付加バイアスを高くし
たり、EB加熱のパワーを大きくすること等が有効であ
る。スパッター法やCVD法等のほかの作成法でも同様
である。
【0009】本発明における屈折率とは、He−Neレ
−ザ−(6328Å)の波長に対する屈折率をいい、エ
リプソメータをはじめとする屈折率測定装置によって測
定することができる。このようにして得られた該薄膜の
屈折率の値が、薄膜中の酸化アルミニウムの重量%との
関係を、N=0.0018A+b(N:薄膜の屈折率、
A:薄膜中の酸化アルミニウムの重量%)という式で示
すとき、bの値が1.35よりも小さい領域のときに
は、酸化アルミニウム酸化硅素薄膜の構造が粗雑とな
り、充分なガスバリア性が得られない。また、該薄膜の
屈折率の値が、b値で、1.54よりも大きい領域の場
合、成膜後の初期ガスバリア特性は優れているものの、
膜が硬くなりすぎ、ゲルボ特性をはじめとする機械特性
が劣り、後工程等でのガスバリア性の低下が大きく、ガ
スバリアフィルムとしての使用に適していない。以上の
理由からガスバリアフィルムとして好ましい酸化アルミ
ニウム酸化硅素薄膜の屈折率は、該薄膜の屈折率と薄膜
内の酸化アルミニウム組成比率との関係をN=0.00
18A+b(N:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アルミ
ニウムの重量%)という関係式であらわす時、bの値で
1.35から1.54であり、更に好ましくは1.38
から1.52である。
【0010】本発明のガスバリアフィルムは透明である
と共に高度なバリア性を有する。すなわち、PETフィ
ルムを基材とした場合で酸素透過率が3.0cc/m2
・24hrs・atm 以下で、かつ水蒸気バリア性も
良好である。したがって、本発明の包装材料で包装した
食品は長期保存が可能である。更に、機械的変形に対す
るバリア特性の安定性が優れているため、ラミ工程、印
刷工程での劣下が少なく、工程の処理速度を大きくする
ことができる。又、製袋化したのちも、その取扱いに対
して必要以上の注意を要しない。
【0011】本発明のガスバリアフィルムを用いた包装
用あるいはガス遮断性フィルムの使用形態としては、
袋、フタ材、カップ、チューブ、スタンディングバッ
グ、トレイなどがある。ヒートシール層は袋、チュー
ブ、スタンディングバッグなどの用途の場合には必要で
あるが、カップ、フタ材、トレイ等の用途の場合には必
ずしも必要ではない。次に実施例をあげて本発明を説明
する。
【0012】(実施例1)蒸着源として、3〜5mm程
度の大きさの粒子状のAl23 (純度99.9%)と
SiO2 (純度99.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法
で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E
5007)上に酸化アルミニウム酸化珪素系ガスバリア
薄膜の形成を行った。蒸着材料は、混合せずに、ハース
内をカーボン板で2つに仕切り、加熱源として一台の電
子銃(以下EB銃)を用い、Al23 とSiO2 のそ
れぞれを時分割で加熱した。その時のEB銃のエミッシ
ョン電流は1.3Aとし、Al23 とSiO2 への加
熱比を10:30〜20:10と変え、組成を変化させ
た。更に、チルロ−ルに−500Vのバイアスを加え
た。チルロールの温度は−5℃とした。膜厚は400Å
一定とした。((表1)実施例1−1〜4) このようにして得られた膜の屈折率をエリプソメーター
で測定した。更に、このPET上の複合膜に対し、ま
た、厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(O
PPフィルム)を二液硬化型ポリウレタン系接着剤(厚
さ2μm)を用いて、ドライラミネートして、本発明応
用の包装用プラスチックフィルムを得た。この包装用フ
ィルムに対して、ボイル処理(90度x30分)、また
は、ゲルボ処理を施したのち、酸素バリア性を測定し
た。
【0013】次に測定方法及び処理方法を示す。 ・酸素透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの酸素透過率を酸素透過率
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・水蒸気透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの水蒸気透過率を水蒸気透
過度テスター(リッシー社製 L80−4000型)を
用いて測定した。 ・屈折率の測定方法 エリプソメーター(溝尻光学工業所 DV−36S)を
用いて、He−Neレーザー光(波長 6328A)に対す
る屈折率を求めた。
【0014】 ・耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法 耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター
(理学工業( 株) 社製)を用いて評価した。条件として
は(MIL−B131H)で112inch×8inc
hの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状とし、
両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストロー
クの3(1/2)inchで、400度のひねりを加え
るものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/min
の速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行った。
このようにして測定した酸素透過率は、1cc程度と非
常に優秀であった。ボイル、ゲルボテスト後の結果も、
1cc前後の上昇に留まり、総合特性の優れたガスバリ
アフィルムが得られた。 (比較例1)EB蒸着法でSiO材料を蒸着して作成し
た酸化珪素系ガスバリアフィルムを実施例1と同様にし
て、包装用フィルムを作り、酸素バリア性を測定した。
同時にPETフィルム基材も測定した。(比較例1−1
〜2) 酸化珪素系ガスバリアフィルムは、ガスバリア性は優れ
ているものの褐色を呈しており、無色透明ではなかっ
た。
【0015】(実施例2)蒸着源として、3〜5mm程
度の大きさの粒子状のAl23 (純度99.9%)と
SiO2 (純度99.9%)を用い、電子ビーム蒸着法
で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E
5007)上に酸化アルミニウム酸化珪素系ガスバリア
薄膜の形成を行った。蒸着材料は、混合せずに、加熱源
として各々に一台のEB銃を用い、加熱した。エミッシ
ョン電流は1〜2Aとし、加熱パワー比を10:30〜
20:10と変えた。更に、チルロールに−500〜−
700Vのバイアスを加え、ロール温度は−5℃とし
た。フィルム送り速度を40〜200m/minと変化
させ、300〜3000Å厚の膜を作った。(実施例2
−1〜11)又、蒸気圧は、酸素ガスの供給量を変え、
1×10-4〜1×10-3Torrまで条件を変えた。得
られた膜の屈折率とバリア性を実施例1と同様に包装用
フィルムを作製し測定した。このようにして測定した酸
素透過率は、1cc以下と非常に優秀であった。さらに
ボイル、ゲルボテスト後の結果も、2cc前後に留ま
り、総合特性の優れたガスバリアフィルムが得られた。
【0016】(比較例2)実施例2と同様にEB加熱蒸
着法で酸化アルミニウム酸化珪素系ガスバリア薄膜の形
成を行った。この時のEB銃のエミッション電流は1.
0Aとし、チルロールには特にバイアスは加えなかっ
た。得られたサンプル(比較例2−1〜6)に対して、
実施例2と同様に屈折率と酸素透過率を測った。その結
果、酸素バリア性、ボイルあるいは、ゲルボ特性のいず
れかが不十分なものになった。
【0017】(実施例3)実施例1と同様に蒸着源とし
て、3〜5mm程度の大きさの粒子状のAl2 3 (純
度99.5%)とSiO2 (純度99.9%)を用い、
EB蒸着法で、12μm厚のPETフィルム(東洋紡績
(株):E5100)上に酸化アルミニウム酸化硅素薄
膜(Al23 比率15wt%)の形成を行った。得ら
れた膜の屈折率を測定し、このガスバリアフィルムは、
ラミネートをせずに引っ張り、折り曲げテストを行い、
その後の酸素、水蒸気透過率を測定した。次に処理方法
を示す。 ・引っ張りテスト方法 酸化アルミニウム酸化硅素薄膜を蒸着した200mm角の
フィルムの両端部の全端にそれぞれアルミニウム板を固
着し、アルミニウム板の一方を固定し、他方に10kg
の荷重をかけて、十分間つり下げ、その後、アルミニウ
ム板を取り除き、酸素、水蒸気透過率を測定した。 ・折り曲げテスト方法 100mm角の酸化アルミニウム酸化硅素薄膜ガスバリア
フィルムを2つに折りたたんだのちに、もとにもどす
と、フィルム表面に折り跡がつく。同じようにして、折
り跡を、縦、横に25mm毎に計8本入れたのちに、酸
素、水蒸気透過率を測定した。このようにして測定した
酸素透過率は、1〜3cc前後と非常に優秀であり、
又、水蒸気バリア性も高かった。さらに引っ張り、折り
曲げテスト後の結果も、2cc前後の上昇に留まり、総
合特性の優れたガスバリアフィルムが得られた。((表
3)実施例3−1〜5)
【0018】(比較例3)実施例3と同様にEB蒸着で
酸化アルミニウム酸化硅素系透明ガスバリア薄膜の作成
を行ない、得られたサンプルに対して、屈折率測定およ
び引っ張り、折り曲げテスト後の酸素バリア性を測っ
た。その結果、いずれかの酸素バリア性、水蒸気バリア
性が不十分なものになり、総合判定で不良となった。
(表3 比較例3−2〜6) 又、合わせて、PET基
材フィルムについても測定した。(比較例3−1)
【0019】次に、折り曲げテストを施した実施例3−
1〜5、比較例3−2〜6のサンプルに対し、厚さ40
μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィル
ム)を二液硬化型ポリウレタン系接着剤(厚さ2μm)
を用いて、ドライラミネートして、本発明応用の包装用
プラスチックフィルムを得た。この包装用プラスチック
フィルムを用い、ヒートシールをしながら、200×1
80mmのサイズの袋を成形した。この袋の中にポテト
チップス100gを窒素ガスとともに封入し、40×9
0%RHの部屋に6カ月間放置したのちに、開封、試食
し、味、風味、歯ごたえを調べた。その結果、本発明の
実施例は正常であるが、比較例ではポテトチップスがや
や湿っており、歯ごたえがなく、食味が劣ると判断され
た。
【0020】(実施例4) (比較例4)実施例4と同様に高周波スパッター法で、
酸化アルミニウム酸化硅素薄膜の形成を行なった。真空
圧は、8〜50mTorとし、スパッタ電力は、1〜3
kw又、基板にはバイアスを加えなかった。得られた膜
の屈折率を測定したのち、実施例1と同様に包装用フィ
ルムを作り、酸素ガスバリア性を測定した。その結果、
酸素バリア性、あるいは、ゲルボ特性のいずれかが不十
分なものになり、総合判定で不良となった。(表4 比
較例4−1〜2)
【0021】
【発明の効果】プラスチックフィルムの少なくとも片面
に、酸化アルミニウム酸化硅素系薄膜が形成されたガス
バリアフィルムにおいて、該薄膜内の酸化アルミニウム
の比率が3重量%以上25重量%以下であって、該薄膜
の比重と薄膜内の酸化アルミニウム組成比率との関係を
N=0.0018A+b(N:薄膜の屈折率,A:薄膜
中の酸化アルミニウムの重量%)という関係式で表す
時、該薄膜の屈折率を、1.35≦b≦1.54 であ
らわされる範囲内とすることによって、ガスバリア性に
優れ、屈曲性をはじめとする機械特性の高い総合的に実
用特性のすぐれた酸化アルミニウム酸化珪素系ガスバリ
アフィルムを提供できる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 寿幸 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 宇野 利夫 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に、酸化アルミニウム酸化硅素を主たる成分とする薄膜
    が形成されたガスバリアフィルムにおいて、該薄膜内に
    酸化アルミニウムの比率が3重量%以上、25重量%以
    下であって、該薄膜の屈折率が下記式を満足することを
    特徴とする透明ガスバリアフィルム。 N=0.0018A+b 但し N:薄膜の屈折率、A:薄膜中の酸化アルミニウ
    ムの重量% 1.35≦b≦1.54
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜層上に、ヒ−トシ−
    ル層が設けられている請求項1記載のガスバリアフィル
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1または、請求項2記載のガスバ
    リアフィルムを用いた包装用あるいは、ガス遮断用フィ
    ルム。
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