JP3235677B2 - 電子レンジ用包装材料 - Google Patents
電子レンジ用包装材料Info
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Description
な電子レンジ用包装材料に関するものである。
食品類を保存する場合、品質の劣化を防ぐために、酸
素、水蒸気などに対するバリヤー性を有するフィルムに
よって包装が行われている。かかる包装材料としては、
バリヤー性を有するポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる
フィルム、または前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂をコー
ティングしたフィルムなどをヒートシール性を有する無
延伸ポリプロピレンフィルムなどとラミネートしたもの
や、金属蒸着フィルムまたはアルミニウム箔を無延伸ポ
リプロピレンフィルムなどとラミネートしたものなどが
用いられる。一方、近年、レトルト食品、電子レンジの
普及に伴い、調理済みの包装食品を簡便に電子レンジ等
で加熱し、そのまま食することなども広く行われるよう
になった。このようなことから、セラミックス薄膜(酸
化珪素)を用いた電子レンジ用包装材料も提案されてい
る。(特開平1−202435)
ンフィルムを用いた包装材料は、透明で内容物を透視し
得るが、充分なバリヤー性を有さず、長期保存に適さな
い。また、この包装フィルムはポリ塩化ビニリデン系樹
脂の耐熱性が劣るため、高温下(例えば110℃以上)
では、バリヤー性が著しく低下し、そのためレトルト食
品用包装に使用できず、また、高温下で白化し不透明に
なるという問題がある。
ルムを用いた包装フィルムはすぐれたバリヤー性を有
し、レトルト食品包装に使用されているが、不透明で内
容物が見えず、かつ、導電性を有するため電子レンジに
よる加熱を行うことができないために食するのに不便で
あった。一方、セラミックス薄膜を用いた電子レンジ用
包装材料として提案されているフィルムについては、初
期バリア性、耐熱性については問題はないものの、耐屈
曲性が高くなく、ラミ、製袋等の後工程及びその後の取
扱いに注意を要するものであった。本発明は前記の点に
鑑み、優れたバリヤー性を有し、レトルト食品用包装材
料としても使用でき、かつ電子レンジ加熱に適した透明
で取扱い特性にも優れた電子レンジ用包装材料を提供す
ることを目的とする。
装材料は、プラスチック基材と該プラスチック基材の少
なくとも片面に設けられた酸化硅素系薄膜層とからなる
ガスバリア性を有する包装用材料において、該薄膜の比
重が1.80〜2.20であることを特徴とする電子レ
ンジ用材料であり、あるいは、該薄膜層上に、さらにヒ
−トシ−ル層が設けられている電子レンジ用材料であ
る。
クロ波の透明性がよく、かつマイクロ波照射において劣
化しにくいプラステックフィルムであればよく、有機高
分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方向、およ
び、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィ
ルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリエチレン
−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナ
イロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香族ポリ
アミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテル
イミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレンスルフィ
ド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられる。ま
た、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有機重合
体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしてもよい。
この中では、マイクロ波の透過性および、包装袋として
の強度の点から、特に、ナイロン、PET、ポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が好まし
い。
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度に
ついては特に限定するものではないが、透明ガスバリア
フィルムとして使用する場合には、50%以上の透過率
をもつものが好ましい。本発明におけるプラスチック基
材は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層
を積層するに先行して、該フィルムをコロナ放電処理、
グロー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよ
く、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施
されていてもよい。本発明におけるプラスチック基材
は、その厚さとして5〜500μmの範囲が好ましく、
さらに好ましくは8〜300μmの範囲である。
iO、SiO2 等から成り立っていると考えられ、これ
らの比率も作成条件で異なる。この成分中に、特性が損
なわれない範囲で微量(全成分に対して高々3%まで)
の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さとしては、特に
これを限定するものではないが、ガスバリア性及び可尭
性の点からは、50〜8000Åが好ましい。かかる酸
化硅素系薄膜の作成には、真空蒸着法、スパッタ−法、
イオンプレ−テイングなどのPVD法(物理蒸着法)、
あるいは、CVD法(化学蒸着法)などが適宜用いられ
る。例えば、真空蒸着法においては、蒸着源材料として
SiOやSiとSiO2 の混合物等が用いられ、また、
加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビ
−ム加熱等を用いることができる。また、反応性ガスと
して、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添
加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を用い
てもよい。また、基板にバイアス等を加えたり、基板温
度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明の目的を損
なわない限りに於て、作成条件を変更してもよい。スパ
ッタ−法やCVD法等のほかの作成法でも同様である。
また、本発明品は、そのままで使用されてもよいが、他
の有機高分子のフィルム、または薄層をラミネートまた
はコーティングして使用してもよい。
体積を占める物質の質量と、それと同体積の標準物質の
質量(4℃における水)との比をいう。比重の測定は、
通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の水の質量
との比を求めればよいが、本発明の薄膜の測定では、体
積の測定が困難である。そこで、まず基板から薄膜をは
がす、あるいは、基板のみを溶解することにより、薄膜
のみからなる単独膜の状態としたのちに、(JIS K
7112)にあるような比重測定法を用いることが望ま
しい。例えば、浮沈法では、試料を比重既知の溶液の中
に浸せきさせ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定する
ことができる。この溶液としては、四塩化炭素とブロモ
ホルム、または、ヨウ化メチレンなどの混合液を用いる
ことができる。また、連続的な密度勾配をもつ溶液中に
単独膜を浸積させる密度勾配管法によっても比重の値を
測定できる。
が1.80よりも小さい場合、酸化硅素系薄膜の構造が
粗雑となり、充分なガスバリア性が得られない。また、
該薄膜の比重が2.20よりも大きい場合、成膜後の初
期ガスバリア特性は優れているものの、膜が硬くなりす
ぎ、機械特性、特にゲルボ特性が劣り、ラミネート、製
袋等の後工程や取り扱い等により、ガスバリア性が低下
する可能性が大きくなり、包装用材料としての使用に適
していない。以上の理由から電子レンジ用包装材料とし
て、好ましい酸化硅素系薄膜の比重は、1.80〜2.
20であり、さらに好ましくは1.95〜2.15であ
る。
高温加熱処理によっても前記バリヤー性が低下しないと
いう特徴がある。すなわち、100〜140℃、10〜
60分間のレトルト処理に耐えうる。従って、本発明の
包装材料で包装した食品をレトルト処理した後、長期保
存後そのまま電子レンジで加熱して食膳に供することが
可能である。本発明の電子レンジ用包装材料は、固形物
(ハンバーグ、シューマイ、ギョーザなど)の包装袋、
あるいは液状物(カレー、シチュ−、スープ、コーヒー
など)の包装袋として用いることができ、これらを包装
したまま電子レンジによる加熱が可能である。また酒パ
ックなどの内袋に使用し、電子レンジ加熱することもで
きる。用いられる包装の形態としては、袋、フタ材、カ
ップ、チューブ、スタンディングバッグ、トレイまたは
酒、しょう油、みりん、油、牛乳、ジュースなどの紙パ
ックの内貼などがある。ヒートシール層は必要に応じて
設ければ良い。
たり、装飾用印刷フィルムまたはナイロンフィルムなど
の補強材と貼合わせて複合化してもよい。本発明の電子
レンジ用包装材料は透明であると共に高度なバリヤー性
を有する。すなわち、酸素透過率が3.0cc/m2 ・
24hrs以下で、かつ水分透過率が3.0g/m2 ・
24hrs以下であり、レトルト処理、電子レンジ加熱
処理後においても、高度なバリヤー性を保持する。又、
ゲルボ特性が優れているため、ラミネート工程、印刷工
程、製袋工程での劣下が少なく、袋化したのちも、その
取り扱いに対して、必要以上に注意を要しない。次に実
施例をあげて本発明を説明する。
度の大きさの粒子状のSi(純度99.99%)とSi
O2 (純度99.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法で、
12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E50
07)上に酸化硅素系ガスバリア薄膜の形成を行った。
蒸着材料は、混合せずに、2つに区切っていれた。加熱
源として、電子銃(以下EB銃)を用い、SiとSiO
2 のそれぞれを時分割で加熱した。その時のEB銃のエ
ミッション電流を0.7〜2.0Aとし、SiとSiO
2 への加熱比は、10:10〜60:10と変えた。フ
ィルム送り速度は、30〜120m/minと変化さ
せ、500〜4000Å厚の膜を作った。又、蒸気圧
は、酸素ガスの供給量を変え、1×10-5〜8×10-3
Torrまで条件を変えた。
フィルムを溶解したのち、浮沈法で測定した。更に、こ
のPET上の複合膜に対し、また、厚さ60μmの未延
伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)を二液硬
化型ポリウレタン系接着剤(厚さ2μm)を用いて、ド
ライラミネ−トして、包装用プラスチックフィルムを得
た。この包装用フィルムに対して、レトルト処理(13
0℃×10分)、または、ゲルボ処理を施したのち、酸
素バリア性を測定した。
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法 耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター
(理学工業(株)社製)を用いて評価した。条件として
は(MIL−B131H)で112inch×8inc
hの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状とし、
両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストロー
クの3(1/2)inchで、400度のひねりを加え
るものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/min
の速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行った。
このようにして測定した酸素透過率は、1〜2ccと非
常に優秀であった。さらに、100回ゲルボ試験後の結
果も、2cc前後の上昇に留まった。また、レトルト処
理後も、4.0cc以下のバリア性を保ち、総合特性の
優れた包装フィルムが得られた。このフィルムを用いて
10cm×15cmの大きさのピロー型の袋を作製し、
電子レンジ加熱特性用のサンプルとした。
酸化硅素系透明ガスバリア薄膜の形成を行ない、得られ
たサンプルに対して、比重測定およびレトルト処理、ま
たは、ゲルボ処理後の酸素バリア特性を測った。その結
果、酸素バリア性、レトルト処理後のバリア性、あるい
は、ゲルボ特性のいずれかが不十分なものになった。こ
のフィルムを用いて、(実施例1)と同様に電子レンジ
加熱特性用のサンプル袋を作成した。
度の大きさの粒子状のSiO(純度99.9%)を用
い、抵抗加熱蒸着法で、12μm厚のPETフィルム
(東洋紡績(株):E5007)上に酸化珪素系ガスバ
リア薄膜の形成を行った。その時の電力を3.5KWと
し、フィルム送り速度を40〜120m/minと変化
させ、500〜4000Å厚の膜を作った。蒸気圧は、
酸素ガスの供給量を変えることで、1.0×10-5〜8
×10-3Torrまで条件を変えた。このようにして得
られた膜の比重をPETフィルムを溶解したのち測定し
た。以下、(実施例1)と同様にして、包装用フィルム
を作り、酸素バリア性を測定した。また、このフィルム
を用いて、(実施例1)と同様に電子レンジ加熱特性用
のサンプル袋を作成した。
着法で、酸化硅素系ガスバリア薄膜の形成を行ない、得
られたサンプルに対して、比重測定およびレトルト処
理、または、ゲルボ処理後の酸素バリア特性を測った。
その結果、酸素バリア性、レトルト処理後、あるいは、
ゲルボ特性のいずれかが不十分なものになった。また、
このフィルムを用いて、(実施例1)と同様に電子レン
ジ加熱特性用のサンプル袋を作成した。 (比較例3)厚さ12μmのPETフィルムに厚さ12
μmのアルミニウム箔をドライラミネートし、さらに厚
さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを実施例1
と同様にして、ドライラミネートして袋用フィルムを作
成した。このフィルムのレトルト処理、または、ゲルボ
処理後の酸素バリア特性を測った。その結果、酸素バリ
ア性、レトルト処理後、ゲルボ特性共に十分なものであ
る。次に、電子レンジ適性は以下のように調べた。実施
例1.2及び比較例1〜3の袋用フィルムを袋にし、各
袋にカレーソース200gを詰め家庭用電子レンジで加
熱を行った。電子レンジ加熱の所要時間は、75秒程度
であった。なお比較例3は導電性のアルミニウム箔がス
パークをおこし電子レンジ加熱ができなかった。又、長
期間保存性テストをするために、実施例1,2、比較例
1,2で得られた袋の代表的なものに、カレーソース2
00gを詰め、完全密封したサンプルをつくった。この
試料に対し、レトルト殺菌(120℃×30分)処理を
行い、室温で6ヶ月間保持した後の臭い、色および味を
調べた。その結果、本発明の実施例は正常であるが、比
較例は異常を示した。(表2)
の少なくとも片面に設けられた酸化硅素系薄膜層とから
なるガスバリア性を有する包装用材料において、該薄膜
の比重を1.80〜2.20とすることによって、ガス
バリア性に優れ、かつ電子レンジ加熱に適した包装材料
を供給できる。更に、本発明の包装材料は、レトルト処
理にも耐え、高い耐屈曲性を有する総合的に実用特性の
すぐれた電子レンジ用包装材料として使用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチック基材と該プラスチック基材
の少なくとも片面に設けられた酸化硅素系薄膜層とから
なるガスバリア性を有する包装用材料において、該薄膜
の比重が1.80〜2.20であることを特徴とする電
子レンジ用包装材料。 - 【請求項2】 薄膜層上に、さらにヒートシール層が設
けられている請求項1記載の電子レンジ用包装材料。
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---|---|---|---|
JP16121392A JP3235677B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 電子レンジ用包装材料 |
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Families Citing this family (1)
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DE69903127T2 (de) * | 1999-04-19 | 2003-06-05 | Dorned B.V., Amsterdam | Verwendung eines eine nicht orientierte Schicht aus Polypropylen enthaltenden mehrschichtigen Films zum Überziehen eines zuschützenden flachen Gebildes |
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1992
- 1992-06-19 JP JP16121392A patent/JP3235677B2/ja not_active Expired - Fee Related
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