JP4110805B2 - ガスバリア性積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスバリア性基材の製造方法に関する、詳しくは、熱水処理(レトルト処理、滅菌処理)が施されるような食品、医薬品等の包装に好適なガスバリア性基材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱水処理による滅菌を行う包装材料としてアルミ箔とフィルムを貼り合わせたものや、フィルム表面にアルミニムを蒸着させたものが多く使用されている。しかしながら、かかる包装材料はアルミニウムを使用しているため、内容物の充填後に金属異物検査や外観検査を行うことができないという問題がある。
【0003】
そこで、近年、プラチックフィルム基材の表面に酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機薄膜を形成した透明性の高いガスバリア性フィルムが多く提案されている。かかるガスバリア性フィルムでは、その無機薄膜上に、更に、別のプラスチックフィルム層を設けた積層体として、通常、各種の包装材料として使用することが一般的である。そして、従来、蒸着条件の最適化、あるいは、より優れたアンカーコート層を開発することにより、ガスバリア性をより高くする方法が提案されており、例えば、酸素透過度が3(cc/m2 day atm)以下の高いガスバリア性積層体を製造することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかるガスバリア性積層体のガスバリア性をいくら向上させることができても、該積層体をレトルト用包装材料などとして利用する場合、熱水処理により無機薄膜化合物の破壊が起こり、ガスバリア性が低下するという問題がある。そこで、無機薄膜の厚みを例えば50nm程度以上に厚くすることでガスバリア性維持を図る方法もありうるが、この場合、生産性が低下してコスト高となること、また、積層体の透明性が低下すること、などの問題がある。
本発明はかかる事情に着目してなされたものであり、その目的は、熱水処理時ないし熱水処理後のガスバリア性低下の少ないガスバリア性積層体を容易に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記実状に鑑み、本発明者らは、上記目的を解決するために鋭意検討を行った結果、その製造がそれほど難しくない中程度のガスバリア性フィルムからなる積層体を、水熱処理することにより、そのガスバリア性を高い領域まで向上させることができ、且つ、その後のガスバリア性低下が小さいことを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、基材フィルムに無機薄膜層を設け、該無機薄膜上にプラスチックフィルムを設けてなる、酸素透過度3(cc/m2 day atm)以上である積層体に熱水処理を行い、酸素透過度を2(cc/m2 day atm)以下とすることを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でのガスバリア性積層体とは、基材フィルムに無機薄膜層を設けたガスバリア性フィルムの無機薄膜層上にプラスチックフィルムを設けたものを意味する。
基材フィルムとしては、通常の包装材料となりうるプラスチックフィルムであれば、特に制限はない。具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体などのポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリレート樹脂などを原料としたフィルムが挙げられる。これらの中では、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物が好ましく、ポリエステル、ポリアミドが特に好ましい。
【0007】
以上の基材フィルムは、従来公知の一般的な方法により製造することができ、未延伸フィルムでもよいし延伸フィルムでもよいが、好ましくは延伸フィルムである。また、複数の樹脂フィルムを積層してなるフィルムであってもよい。フィルムの厚さは、本発明の積層構造体の基材としての機械強度、可撓性、透明性等、用途に応じ、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲に選択される。また、フィルムの幅や長さは特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。
【0008】
なお、基材フィルムにおいては、無機酸化物との密着性向上のため、アンカーコート剤を塗布しておくのが好ましい。アンカーコート剤としては、溶剤性又は水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等を単独、あるいは2種以上併せて使用することができる。
【0009】
アンカーコート層は、公知の塗布方法により基材フィルムに塗布される。その厚さは通常0.005〜5μm、好ましくは0.01〜1μmである。5μmを超える膜厚では、滑り性が悪くなったり、表面改質層自体の内部応力により基材フィルムまたはシートから剥離しやすくなったりする場合がある。0.005μmに満たない膜厚では、均一な膜厚とならない可能性があり、表面改質層の役割を十分に果たせない場合が生じる。
アンカーコート層は、フィルム製膜後に設けてもよいが、フィルムの製膜工程で設けるのが好ましい。フィルムが二軸延伸フィルムの場合は、好ましくは縦方向に一軸延伸したフィルムまたはシートにアンカーコート剤を塗布し、乾燥または未乾燥の状態で横方向に延伸し、次いで、熱処理を施す方法(インラインコーティング法)のが好ましい。該方法は、製膜、塗布および乾燥を同時に行えることから、製造コスト面においてメリットが大きい。なお、フィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムまたはシートの表面に化学処理、放電処理などを施してもよい。
【0010】
基材フィルムの上に形成する無機薄膜を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、珪素、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン等、及び、これらの酸化物、炭化物、窒化物またはそれらの混合物が挙げられるが、好ましくは酸化珪素、酸化アルミニウムである。特に、酸化珪素は、本発明における熱処理の効果が顕著であること、また、高いガスバリア性が安定に維持できる点で最も好ましい。無機薄膜の形成方法としては、蒸着法、コーテイング法など特に制限はないが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、CVD等の方法が含まれる。なお、この無機薄膜を形成する工程において、一般的にある程度の加熱条件下にさらされることになるが、ここでの加熱は特別なものでない限り、後述する本発明での加熱処理には該当しない。
以上の無機薄膜の厚さは、一般に0.1〜500nmであるが、本発明で特に対象とする範囲は、通常0.5〜40nm、好ましくは1〜30nm、特に好ましくは3〜20nmである。あまり薄いと十分なガスバリア性が得られにくく、また、逆に厚すぎても蒸着膜に亀裂や剥離が発生しやすくなる。
【0011】
なお、無機薄膜層の上には、これと積層するプラスチックフィルムとの接着性を向上させるため、トップコート層を形成してもよい。このトップコート剤としては、溶剤性又は水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等を単独あるいは2種以上併せて使用することができる。
【0012】
本発明のガスバリア性積層体は、以上のようなガスバリア性フィルムの無機薄膜層上にプラスチックフィルムを設けたものである。プラスチックフィルムの厚さは、本発明の積層構造体の基材としての機械強度、可撓性、透明性等、用途に応じ、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲に選択される。また、フィルムの幅や長さは特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。
ここでのプラスチックフィルムとしては、熱水処理ができ、ヒートシールが可能なフィルムまたはシートとしてポリオレフィン系フィルムが好ましい。また、機械的強度の優れたフィルムとして、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルムが特に好ましい。また、無機薄膜層は2層以上のプラスチックフィルム基材の少なくとも1層以上の層間に位置すればよく、無機薄膜の層数が1層に制限されるものではない。以上のプラスチックフィルムの積層方法は、は、公知のドライラミネート法、押出ラミネート法が採用される。この場合には、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系等の接着剤を使用してもよい。
【0013】
このようにして得られたガスバリア性積層体は、全体の厚さが、通常50〜5000μm、好ましくは60〜2000μmである。ここで遮光性や紫外線遮断性を付与するために印刷や紫外線吸収剤を含む層を積層体の表面、及び層間に形成してもよい。また、内容物の酸素劣化をさらに防止するため鉄粉等の酸素吸収剤を含む層を積層体の表面、及び層間に形成してもよい。酸素吸収剤を含む層は無機化合物層と内容物の接する面の間に位置することが好ましい。
【0014】
本発明では、以上のような、基材フィルムに無機薄膜層を設け、該無機薄膜上にプラスチックフィルムを設けてなる積層体に、熱水処理を行い、ガスバリア性を改良させる方法に関する。
この熱水処理の対象となる積層体は、ガスバリア性が特に高い必要ものであるのではなく、酸素透過度3(cc/m2 day atm)以上のものであればよく、通常30(cc/m2 day atm)以下のものである。酸素透過度が3(cc/m2 day atm)未満の場合、薄膜形成の条件設定が難しく技術を要すること、また、水熱処理によるガスバリアの改良効果が小さくなるか、逆にガスバリア性が低下することが顕著になるので好ましくない。
【0015】
ガスバリア性の特に高いものよりも、そうでもないものの方が、熱水処理をした際のガスバリア性が向上する理由は定かではないが、薄膜中に若干の空隙を残すことによりレトルト時の体積膨張を緩和し膜の応力を低下させること可能となることが推定される。この膜の粗密性はESCAのエッチング比により生産評価すること可能であり、このエッチング比が好ましくは1.2〜15である。該評価を参考として生産条件を調整することが可能である。また、このESCA分析では無機薄膜の酸化度も測定でき、本発明の積層体の酸化度は、酸化珪素の場合、SiOxのXで、通常1.3以上、1.8以下が好ましい。1.3未満であると、熱水処理の際の酸化が大きく体積膨張が大きくな可能性がある。また、酸化度が1.8を越えるとガスバリア性が低下しやすくなるので好ましくない。
【0016】
無機薄膜の形成条件は薄膜の形成方法や装置の状態により異なるが、真空蒸着法では圧力1×10-6Torr〜1×10-3Torrが好ましい。圧力が1×10-6Torrより低い条件で行うには大きな排気装置が必要であり、また真空引きに時間がかかるためコストが高くなる。また、圧力が1×10-3Torrを超える場合は粗な膜となりガスバリア性が十分発揮できない。
また、蒸着速度は、通常10〜500nm/s以上、好ましくは30〜400nm以下が好ましい。蒸着速度が10nm/s未満であると生産性が悪くコストが高くなり、500nm/sを超えると圧力を上げることになり、膜質が不安定となるので好ましくない。なお、ここでの蒸着速度は蒸着された無機薄膜の厚さをt(nm)、蒸着中のフィルムの走行速度をv(m/sec)、蒸着部分の有効長さをl(m)とすると(t×v)/lを意味する。
【0017】
本発明では、得られた酸素透過度3(cc/m2 day atm)以上である積層体に熱水処理を行い、酸素透過度を2(cc/m2 day atm)以下とするようにする。なお、下限は通常0.01cc/m2/day/atm以上の範囲である。この熱水処理によるガスバリア性の改良効果は、熱水処理前後の酸素透過度度比(処理前/処理後)が通常3以上、好ましくは4以上のレベルに達するものである。該レベルに達する条件であれば、熱水処理の条件は制限されるものではないが、熱水処理温度が通常60℃以上、好ましくは70〜140℃である。熱水の温度が低いとガスバリア性の改良効果が現れにくい。また、本発明の積層体では熱水処理を長時間行ってもガスバリア性の低下が小さいことを特徴とするが、熱水処理温度が高くなるにつれて、処理時間を長くしすぎると無機薄膜が破壊されガスバリア性が低下する恐れがある。
【0018】
熱水処理の方法は熱水式、蒸気式が上げられるが特に限定はされない。また、熱水処理は、積層体に内容物を充填包装した状態で、いわゆるレトルト処理を兼ねて、熱水処理を行う方法であってもよい。
なお、本発明のガスバリア性積層体では、120℃、30分の熱水処理後における基材フィルムと無機薄膜との密着強度が通常100g/15mm以上、好ましくは200g/15mm以上である。また、ガスバリア性プラスチック積層体の熱水処理前後の収縮率が通常3%以下、好ましくは2%以下である。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。なお、以下の実施例におけるフィルムの測定及び評価の方法は以下の通りである。
〈酸素透過率(cc/m2 ・24h・atm)〉ASTM−D3985に準処して、酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN100)を使用し、温度25℃、相対湿度80%の条件下で測定した。
<ESCAによる組成、エッチング速度>エッチングは、X線光電子分光装置(PHI製、ESCA5700Ci型を使用し、装置内にアルゴンガスを導入し圧力を1×10-2Pa導入されたアルゴンガスを高電圧(2KV、25mA)でイオン化し、そのAr+イオンを試料に照射することによって行った。 また、上記のエッチングは、同時に、電子シャワー(9V、20mA)により、試料の表面の帯電を中和しつつ行った。そして、ケイ素単結晶のエッチング速度は、所定厚みのケイ素単結晶ウエハーの半分をマスクしてエッチングされないようにして上記のエッチング処理を180分行い、その後、マスクを取外し、エッチング面と非エッチング面の段差を触針式表面粗さ計を用いて測定し、その結果より算出した。一方、透明プラスチックフィルム上に形成したケイ素酸化物蒸着薄膜のエッチング速度は、蒸着薄膜が完全にエッチングされてフィルム表面が露出するまで上記のエッチング処理を行いそれに要した時間と、透過式電子顕微鏡を用いて予め測定していた蒸着薄膜の厚さから算出した。
〈無機化合物色調〉無機化合物の薄膜を形成したプラスチック基材を目視により色調を判断した。
〈内容物変色〉構成体をヒートシールし内寸10cm×10cmの袋を作成しトマトケチャップ、酢、サラダ油を1:1:1の割合で充填し、120℃20分レトルト処理をおこない、処理前後の色調変化を目視により判断を行った。
【0020】
実施例1
延伸倍率3×3倍に二軸延伸された厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製H100)の片面にイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製 コロネートL)と飽和ポリエステル(東洋紡社製バイロン300)を1:1の割合にて混合した樹脂をグラビアコートし、乾燥後の塗布厚みを0.1μmのアンカーコート層を形成した。このPETフィルムを真空蒸着装置に供給し、1×10-4Torrの真空下、10kwの電子ビーム加熱方式により、純度99.9%の一酸化珪素を100nm/sの速度で加熱蒸着させて、アンカーコート層の上に厚さ10nmの珪素酸化物薄膜層を得た。ESCAによる得られた蒸着膜の組成、エッチング速度比を測定し表1に示す。また、蒸着フィルムの珪素酸化物薄膜面にウレタン系接着剤(東洋モートン社製接着剤AD−900とCAT−RT−85を10:1.5の割合で配合)を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層と厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東京セロファン製 RXC−11)を積層し2層構成の透明プラスチックフィルムを得た。得られた積層フィルムにつき色調評価、オートクレーブによる120℃−20分熱水処理前後の酸素透過率測定、及び熱水処理前後の内容物変色評価結果を表―1に示す。
【0021】
実施例2
実施例1で蒸着の圧力を4×10-4Torr、蒸着速度100nm/Sで行ったほかは、同例に記載したと同様の方法で積層フィルムを得た。この積層フィルムの評価結果を表―1に示す。
実施例3
実施例1で蒸着の圧力を4×10-4Torr、蒸着速度300nm/S、膜厚30nmで行ったほかは、同例に記載したと同様の方法で積層フィルムを得た。この積層フィルムの評価結果を表―1に示す。
【0022】
実施例4
実施例1の無機化合物形成方法をテトラメチレンジシロキサン、酸素、ヘリウムを1:20:10(slm)の比を原料とし圧力100×10-4Torr、蒸着速度50nm/S、膜厚10nmの条件でCVD法で行い、珪素酸化物の薄膜を形成したほかは同例に記載したと同様の方法で積層フィルムを得た。この積層フィルムの評価結果を表―1に示す。
【0023】
比較例1
実施例1で蒸着の圧力を0.5×10-4Torr、蒸着速度500nm/S、膜厚10nmで行ったほかは、同例に記載したと同様の方法で積層フィルムを得た。この積層フィルムの評価結果を表―1に示す。
比較例2
実施例1で蒸着の圧力を0.5×10-4Torr、蒸着速度500nm/S、膜厚100nmで行ったほかは、同例に記載したと同様の方法で積層フィルムを得た。この積層フィルムの評価結果を表―1に示す。
【0024】
比較例3
比較例1で得られたフィルムを25℃の水に20分浸析させ150℃3分乾燥したほかは、同例に記載したと同様の方法で積層フィルムを得た。この積層フィルムの評価結果を表―1に示す。
比較例4
実施例1で蒸着の圧力を10×10-4Torr、蒸着速度50nm/Sでおこなったほかは、同例に記載したと同様の方法で積層フィルムを得た。この積層フィルムの評価結果を表1に示す。
参考例
実施例1の熱水処理品を更に120℃、20分の熱水処理した評価結果を表−1に示す。該例では熱水処理によるガスバリア性の改良は認められなかったが、ガスバリア性はほぼ維持されていることがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスバリア性に優れた積層体を容易に製造することができる。そして、該積層体は、熱水処理を受けても優れたガスバリア性を維持し、保存性に優れている。よって、本発明は、食品、医療分野において熱水処理(レトルト処理、滅菌処理)を伴う内容物の包装用基材としてその価値は大である。
Claims (7)
- 基材フィルムに無機薄膜層を設け、該無機薄膜上にプラスチックフィルムを設けてなる、酸素透過度3(cc/m2 day atm)以上である積層体に熱水処理を行い、酸素透過度を2(cc/m2 day atm)以下とすることを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法。
- 基材フィルムが、ポリエステル又はポリアミドからなる請求項1のガスバリア性積層体の製造方法。
- 無機薄膜の厚さが0.5〜40nmである請求項1又は2のガスバリア性積層体の製造方法。
- 無機薄膜が酸化珪素の蒸着膜である請求項1〜3のいずれかのガスバリア性積層体の製造方法。
- 基材フィルムと無機薄膜の間に、アンカーコート層を設けてなる請求項1〜4のいずれかのガスバリア性積層体の製造方法。
- 熱水処理温度が60℃以上である請求項1〜5のいずれかのガスバリア性積層体の製造方法。
- 熱水処理前後の酸素透過度度比(処理前/処理後)が3以上である請求項1〜6のいずれかのガスバリア性積層体の製造方法。
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