JP2001277417A - バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材 - Google Patents

バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材

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JP2001277417A
JP2001277417A JP2000090402A JP2000090402A JP2001277417A JP 2001277417 A JP2001277417 A JP 2001277417A JP 2000090402 A JP2000090402 A JP 2000090402A JP 2000090402 A JP2000090402 A JP 2000090402A JP 2001277417 A JP2001277417 A JP 2001277417A
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film
barrier
polyamide resin
biaxially stretched
thin film
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Koichi Mikami
浩一 三上
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ガスあるいは水蒸気等に対するハイバリ
ア性を有し、かつ、透明性に優れ、例えば、飲食品、医
薬品、化粧品、化学品、その他等の種々の物品を充填包
装するに有用なバリア性フィルムおよびそれを使用した
積層材を提供することである。 【解決手段】 2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムの一
方の面に、プラズマ化学成膜法による無機酸化物の薄膜
を設けたことを特徴とするバリア性フィルムおよびそれ
を使用した積層材に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリア性フィルム
およびそれを使用した積層材に関し、更に詳しくは、透
明性、酸素ガスあるいは水蒸気等に対するガスバリア性
等に優れ、更に、ラミネ−ト適性を有し、例えば、飲食
品、医薬品、化粧品、化学品、その他等の種々の物品に
対する充填包装適性に優れたバリア性フィルムおよびそ
れを使用した積層材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲食品、医薬品、化粧品、化学
品、その他等の種々の物品を充填包装するために、種々
の包装用素材が開発され、提案されている。而して、そ
れらの中で、近年、酸素ガスあるいは水蒸気等に対する
バリア性素材として、ポリエステル系樹脂フィルムある
いはポリアミド系樹脂フィルム等のプラスチック基材の
表面に、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、その他等の無機酸化物を使用し、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成
長法(PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長
法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相
成長法(CVD法)等を利用して、その無機酸化物の蒸
着膜を形成してなるバリア性フィルムが注目されてい
る。而して、上記のバリア性フィルムは、他のプラスチ
ックフィルム、紙基材、その他の素材等と任意に積層
し、種々の積層材を構成し、種々の物品を充填包装する
に有用な包装用容器を製造し、今後、その需要量の拡大
が大いに期待されているものである。特に、上記のバリ
ア性フィルムは、従来のアルミニウム箔あるいはポリ塩
化ビニリデン系樹脂コ−ト膜等によるバリア性素材と比
較して、焼却廃棄処理適正等に優れ、環境対応に適う素
材として、種々の優れた利点を有し、注目されている素
材である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なバリア性フィルムにおいて、基材フィルムとしてのポ
リアミド系樹脂フィルムは、同じく、基材フィルムとし
てのポリエステル系樹脂フィルム等と比較して、吸水率
が非常に高いという問題点がある。通常、ポリエステル
系樹脂フィルムは、殆ど水分を吸わないが、ポリアミド
系樹脂フィルムは、相対湿度60%の環境下において飽
和吸水率は、4%程度に達するという問題点があり、特
に、夏場の高湿下においては、より多くの水分を吸収す
るという問題点がある。而して、上記のようなバリア性
フィルムを製造するに際し、基材フィルムとして、上記
のような吸水率が高いポリアミド系樹脂フィルムを使用
して成膜化すると、フィルム表面の滑り性が低下し、例
えば、ロ−ル式の化学気相成長装置では、フィルム通し
の際に、滑り不良によるフィルム切れ、ロ−ルにフィル
ムが絡まる等の種々の問題点が発生する。更に、吸水率
が高いポリアミド系樹脂フィルムを使用して成膜化する
と、真空釜内において該ポリアミド系樹脂フィルムから
水分が浮きでて、これにより真空釜内の真空度を低下さ
せ、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性に優れた
バリア性フィルムを製造することが困難になるという問
題点がある。また、上記のように、基材フィルムとして
のポリアミド系樹脂フィルムの表面に水分等が浮きでる
と、成膜ドラムと基材フィルムとしてのポリアミド系樹
脂フィルムとの間に水分が発生し、該成膜ドラム上でポ
リアミド系樹脂フィルムが、浮いたり、あるいは、ポリ
アミド系樹脂フィルムに皺等が、発生し、そのことを原
因として、上記と同様に、酸素ガス、水蒸気等に対する
ガスバリア性に優れたバリア性フィルムを製造すること
が困難になるという問題点がある。更にまた、上記のよ
うにポリアミド系樹脂フィルムの表面に水分等が浮きだ
し、また、それにより真空度等が低下したりすると、成
膜時に、上記の浮きだした水分等が、例えば、酸化珪素
等の無機酸化物の蒸着膜中に進入し、その蒸着膜の特性
に影響し、得られるバリア性フィルムの酸素ガス、水蒸
気等に対するガスバリア性等の低下を引き起こすという
問題点に繋がるものである。また、上記のように成膜ド
ラム上でポリアミド系樹脂フィルムが浮いたり、あるい
は、ポリアミド系樹脂フィルムに皺等が発生すると、こ
れにより、成膜時のプラズマが不安定になり、いわゆ
る、熱負け等の現象を引き起し、得られるバリア性フィ
ルムの酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性等の低
下を招くという問題点があるものである。
【0004】このため、上記のバリア性フィルムにおい
ては、その酸素ガスあるいは水蒸気等に対するガスバリ
ア性を向上させるために、例えば、基材フィルムとして
のポリアミド系樹脂フィルムの表面に、予め、コロナ放
電処理、グロ−放電処理等の前処理を施すことにより表
面を粗面化したり、あるいは、予め、ウレタン系、エス
テル系等の蒸着用アンカ−コ−ト剤をコ−ティングして
アンカ−コ−ト剤層を形成して、基材フィルムとしての
ポリアミド系樹脂フィルムと蒸着膜との密着性を改善す
ることによりガスバリア性を向上させる方法等も提案さ
れているが、それによる効果は、それなりに期待し得る
ものであるが、未だ、十分に満足し得るハイバリア性を
有するバリア性フィルムを製造することは困難であると
いうのが実状であり、更に、付言すれば、そのような操
作を行うこと自体、その製造工程が増えることからその
製造コストを高めるという問題点がある。例えば、ポリ
ウレタン系の有機系アンカ−コ−ト剤を使用し、予め、
これをポリアミド系樹脂フィルムの表面にコ−ティング
してアンカ−コ−ト剤層を形成し、次いで、該アンカ−
コ−ト剤層を介して、無機酸化物の蒸着膜を形成する
と、アンカ−コ−ト剤層中に含まれる残留溶剤等のため
に、蒸着中の真空度が低下し、更には、アンカ−コ−ト
剤層自体が柔らかいために、アンカ−コ−ト剤層表面に
おいて、蒸着膜がうまく成長せず、所望どおりの蒸着膜
を形成することが極めて困難であり、その結果、酸素ガ
スあるいは水蒸気等に対するガスバリア性に優れたバリ
ア性包材を製造し得ないというのが実状である。そこで
本発明は、酸素ガスあるいは水蒸気等に対するハイバリ
ア性を有し、かつ、透明性に優れ、例えば、飲食品、医
薬品、化粧品、化学品、その他等の種々の物品を充填包
装するに有用なバリア性フィルムおよびそれを使用した
積層材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決すべく種々検討した結果、2軸延伸ポリ
アミド系樹脂フィルムが、無機酸化物の薄膜の成膜前に
脱水処理されていること、および、プラズマ化学成膜法
が、比較的に、可撓性、柔軟性、追従性等に富み、クラ
ック等の発生を抑制することができる無機酸化物の薄膜
を成膜し得ることに着目し、まず、2軸延伸ポリアミド
系樹脂フィルムを、例えば、真空オ−ブン、あるいは、
絶乾状態の乾燥室等にて脱水処理し、無機酸化物の薄膜
の成膜前に、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムの脱水
処理後の含水率を0.3%〜0.7%(重量分率)に調
製し、次いで、該2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムの
一方の面に、プラズマ化学成膜法により、酸化珪素等の
無機酸化物の薄膜を設けてバリア性フィルムを製造し、
更に、該バリア性フィルムの無機酸化物の薄膜面に、少
なくとも、ヒ−トシ−ル性樹脂層等を設けて積層材を製
造し、次いで、該積層材を使用し、これを製袋して包装
用容器を製造し、しかる後、該包装用容器内に内容物を
充填包装し、更に、その開口部をヒ−トシ−ルして包装
体を製造したところ、酸化珪素等の無機酸化物の薄膜の
成膜時に、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムから水分
等が浮きだす現象を殆ど認められず、かつ、その影響も
なく、該ポリアミド系樹脂フィルムの表面に極めて良好
に酸化珪素等の無機酸化物の薄膜を成膜化することがで
き、しかも、該2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムと酸
化珪素等の無機酸化物の薄膜との密着性に優れ、その結
果、酸素ガスあるいは水蒸気等に対する極めて高いバリ
ア性を有し、かつ、透明性に優れ、更に、ラミネ−ト強
度等にも優れ、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、化学
品、その他等の種々の物品を充填包装するに有用なバリ
ア性フィルムおよびそれを使用した積層材を製造し得る
ことを見出して本発明を完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、2軸延伸ポリアミド
系樹脂フィルムの一方の面に、プラズマ化学成膜法によ
る無機酸化物の薄膜を設けたことを特徴とするバリア性
フィルムおよびそれを使用した積層材に関するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】上記の本発明について以下に更に
詳しく説明する。本発明にかかるバリア性フィルムおよ
びそれを使用した積層材の構成について、その一二例を
例示して図面を用いて説明すると、図1は、本発明にか
かるバリア性フィルムについてその一例の層構成を示す
概略的断面図であり、図2は、本発明にかかる積層材に
ついてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【0008】まず、本発明にかかるバリア性フィルムA
は、図1に示すように、例えば、真空オ−ブン、あるい
は、絶乾状態の乾燥室等にて脱水処理し、無機酸化物の
薄膜の成膜前に、脱水処理後の含水率を0.3%〜0.
7%(重量分率)に調製した2軸延伸ポリアミド系樹脂
フィルム1の一方の面に、プラズマ化学成膜法による無
機酸化物の薄膜2を設けた構成からことを基本構造とす
るものである。而して、本発明において、本発明にかか
るバリア性フィルムを使用した積層材Bとしては、図2
に示すように、上記のように、例えば、真空オ−ブン、
あるいは、絶乾状態の乾燥室等にて脱水処理し、無機酸
化物の薄膜の成膜前に、脱水処理後の含水率を0.3%
〜0.7%(重量分率)に調製した2軸延伸ポリアミド
系樹脂フィルム1の一方の面に、プラズマ化学成膜法に
よる無機酸化物の薄膜2を設けた構成からなるバリア性
フィルムAの無機酸化物の薄膜2の面に、必要ならば、
例えば、ラミネ−ト用接着剤層、あるいは、アンカ−コ
−ト剤層(図示せず)等を介して、少なくとも、ヒ−ト
シ−ル性樹脂層3を設けた構成からことを基本構造とす
るものである。上記の例示は、その一例を例示したもの
であり、本発明はこれにより限定されるものではないも
のである。
【0009】次に、本発明において、上記のような本発
明にかかるバリア性フィルムについてその製造法を説明
すると、本発明にかかるバリア性フィルムの製造は、ま
ず、防湿紙等で密閉包装されている2軸延伸ポリアミド
系樹脂フィルム巻き取り原反フィルムから防湿紙を剥が
し、次いで、その巻き取り原反フィルムを、例えば、温
度、60℃〜90℃位、真空度、0.03mbar〜5
mbar位に調製した真空オ−ブン中に入れ、1日間〜
2日間位放置するか、あるいは、温度、25℃60℃
位、真空度、常圧、湿度、0%〜20%位に調製した乾
燥室に入れ、1日間〜7日間位放置して脱水処理し、無
機酸化物の薄膜の成膜前に、脱水処理後の含水率を0.
3%〜0.7%(重量分率)に調製した2軸延伸ポリア
ミド系樹脂フィルムを製造する。次に、本発明において
は、上記で脱水処理した2軸延伸ポリアミド系樹脂フィ
ルムを使用し、その一方の面に、例えば、有機珪素化合
物等の成膜用モノマ−ガスを原料とし、これと、更に、
酸素ガス、更にまた、アルゴンガス、ヘリウムガス等の
不活性ガス、その他等を含む成膜用混合ガス組成物を調
整し、該成膜用混合ガス組成物を使用して、低温プラズ
マ発生装置等を利用するプラズマ化学成膜法(CVD
法)を用いて酸化珪素等の無機酸化物の薄膜を形成し
て、本発明にかかるバリア性フィルムを製造することが
できる。上記において、低温プラズマ発生装置として
は、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイ
クロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而
して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを
得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使
用することが望ましい。
【0010】本発明において、上記のようなプラズマ化
学成膜法による無機酸化物の薄膜の形成法を利用して本
発明にかかるバリア性フィルムの製造法についてその一
例を例示して説明すると、図3は、本発明にかかるプラ
ズマ化学成膜法による無機酸化物の薄膜の形成法につい
てその概要を示すプラズマ化学成膜装置の概略的構成図
である。本発明においては、図3に示すように、まず、
プラズマ化学成膜装置11の真空チャンバ−12内に配
置された巻き出しロ−ル13から、2軸延伸ポリアミド
系樹脂フィルム1を繰り出す。次に、本発明において、
上記で巻き出しロ−ル13から繰り出された2軸延伸ポ
リアミド系樹脂フィルム1を、ガイドロ−ル14等を介
して所定の速度で冷却・電極ドラムからなる成膜ドラム
15周面上に搬送する。次いで、本発明においては、ガ
ス供給装置16、17、および、原料揮発供給装置18
等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の成膜
用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる成
膜用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル19
を通して真空チャンバ−12内に上記の成膜用混合ガス
組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラムから
なる成膜ドラム15周面上に搬送された上記の2軸延伸
ポリアミド系樹脂フィルム1の表面に、グロ−放電プラ
ズマ20によってプラズマを発生させて、これを照射し
て、酸化珪素等の無機酸化物の薄膜を製膜化する。本発
明においては、その際に、冷却・電極ドラムからなる成
膜ドラム15は、真空チャンバ−12外に配置されてい
る電源21から所定の電力が印加されており、また、冷
却・電極ドラムからなる成膜ドラム15の近傍には、マ
グネット22を配置してプラズマの発生が促進されてい
る。次いで、本発明においては、上記で酸化珪素等の無
機酸化物の薄膜を形成した2軸延伸ポリアミド系樹脂フ
ィルム1をガイドロ−ル23等を介して巻き取りロ−ル
24に巻き取って、本発明にかかるバリア性フィルムを
製造することができるものである。なお、図中、25
は、真空ポンプを表す。上記の例示は、本発明にかかる
バリア性フィルムの製造法の一例を例示するものであ
り、これによって本発明は限定されるものではないこと
は言うまでもないことである。
【0011】上記において、真空チャンバ−12内を真
空ポンプ25により減圧し、真空度1×10-1〜1×1
-8mbar位、好ましくは、真空度1×10-3〜1×
10 -7mbar位に調製することが望ましいものであ
る。また、原料揮発供給装置18においては、原料であ
る有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置16、17
から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、こ
の混合ガスを原料供給ノズル19を介して真空チャンバ
−12内に導入されるものである。この場合、混合ガス
中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガ
スの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量
は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、
有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を
1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムからなる成膜ドラム15には、
電源21から所定の電圧が印加されているため、真空チ
ャンバ−12内の原料供給ノズル19の開口部と冷却・
電極ドラムからなる成膜ドラム15との近傍でグロ−放
電プラズマ20が生成され、このグロ−放電プラズマ2
0は、混合ガス中の1つ以上のガス成分から導出される
ものであり、この状態において、2軸延伸ポリアミド系
樹脂フィルム1を一定速度で搬送させ、グロ−放電プラ
ブマ20によって、冷却・電極ドラムからなる成膜ドラ
ム15周面上の2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム1の
上に、酸化珪素等の無機酸化物の薄膜を形成することが
できるものである。なお、このときの真空チャンバ−内
の真空度は、1×10-1〜1×10-4mbar位、好ま
しくは、真空度1×10-1〜1×10-2mbar位に調
製することが望ましく、また、2軸延伸ポリアミド系樹
脂フィルム1の搬送速度は、10〜300m/分位、好
ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ま
しいものである。
【0012】また、上記のプラズマ化学気相成長装置1
1において、酸化珪素等の無機酸化物の薄膜の形成は、
2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム1の上に、プラズマ
化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながらSiOX の形
で薄膜状に形成されるので、当該形成される酸化珪素等
の無機酸化物の薄膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓
性、柔軟性等に富む連続層となるものであり、従って、
酸化珪素等の無機酸化物の薄膜のバリア性は、従来の真
空蒸着法等によって形成される酸化珪素等の無機酸化物
の蒸着膜と比較してはるかに高いものとなり、薄い膜厚
で十分なバリア性を得ることができるものである。ま
た、本発明においては、SiOX プラズマにより2軸延
伸ポリアミド系樹脂フィルム1の表面が、清浄化され、
2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム1の表面に、極性基
やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪
素等の無機酸化物の薄膜と2軸延伸ポリアミド系樹脂フ
ィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有す
るものである。更に、上記のように酸化珪素等の無機酸
化物の薄膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10
-4mbar位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2
bar位に調製することから、従来の真空蒸着法により
酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空
度、1×10-4〜1×10-5mbar位に比較して低真
空度であることから、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィル
ム1の原反交換時の真空状態設定時間を短くすることが
でき、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定する
ものである。
【0013】本発明において、有機珪素化合物等の蒸着
モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素等の無機酸
化物の薄膜は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと
酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、2軸延
伸ポリアミド系樹脂フィルムの一方の面に密接着し、緻
密な、可撓性、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであ
り、通常、一般式SiOX (ただし、Xは、0〜2の数
を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜
である。而して、上記の酸化珪素の薄膜としては、透明
性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、X
は、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素
の連続膜を主体とする薄膜であることが好ましいもので
ある。上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸
素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化す
るが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小
さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くな
る。
【0014】また、上記の酸化珪素の薄膜は、酸化珪素
を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸
素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化
合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する連
続膜からなることを特徴とするものである。例えば、C
−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合
物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド
状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有
機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含
有する場合があるものである。具体例を挙げると、CH
3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、Si
2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ
−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記以
外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸
化珪素の連続膜中に含有される化合物の種類、量等を変
化させることができる。而して、上記の化合物の酸化珪
素の連続膜中に含有する含有量としては、0.1〜50
%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものであ
る。上記において、含有率が、0.1%未満であると、
酸化珪素の薄膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分
となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し
易く、高いバリア性を安定して維持することが困難にな
り、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ま
しくないものである。更に、本発明においては、酸化珪
素の薄膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素
の薄膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが
好ましく、これにより、酸化珪素の薄膜の表面において
は、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他
方、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムとの界面におい
ては、上記の化合物の含有量が少ないために、2軸延伸
ポリアミド系樹脂フィルムと酸化珪素の薄膜との密接着
性が強固なものとなるという利点を有するものである。
【0015】而して、本発明において、上記の酸化珪素
の薄膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xra
y Photoelectron Spectrosc
opy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Seco
ndary Ion Mass Spectrosco
py、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向に
イオンエッチングする等して分析する方法を利用して、
酸化珪素の薄膜の元素分析を行うことより、上記のよう
な物性を確認することができる。また、本発明におい
て、上記の酸化珪素の薄膜の膜厚としては、膜厚50Å
〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、そ
の膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而
して、上記において、1000Å、更には、4000Å
より厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなる
ので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未
満であると、バリア性の効果を奏することが困難になる
ことから好ましくないものである。上記のおいて、その
膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置
(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメン
タルパラメ−タ−法で測定することができる。また、上
記において、上記の酸化珪素の薄膜の膜厚を変更する手
段としては、薄膜の体積速度を大きくすること、すなわ
ち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着す
る速度を遅くする方法等によって行うことができる。
【0016】次に、上記において、酸化珪素等の無機酸
化物の薄膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ
−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチ
ルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルト
リメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチ
ルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチ
ルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニル
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他
等を使用することができる。本発明において、上記のよ
うな有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラ
メチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサ
ンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成
された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料であ
る。また、上記において、不活性ガスとしては、例え
ば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することがで
きる。
【0017】上記の本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルムおよび積層材等を構成する2軸延伸ポリ
アミド系樹脂フィルムとしては、例えば、耐衝撃性、耐
突き刺し性等に優れ、強靱性に富み、更に、無機酸化物
の薄膜を保持し得る2軸延伸ポリアミド系樹脂のフィル
ムないしシ−トであればいずれのものでも使用すること
ができる。具体的には、例えば、ナイロン46、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン61
2、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、その他
等の各種のポリアミド系樹脂(ナイロン)のフィルムな
いしシ−トを使用することができる。而して、上記のポ
リアミド系樹脂(ナイロン)のフィルムないしシ−ト
は、例えば、単層、あるいは、2層以上の共押し出し法
で製膜したもの、更に、例えば、テンタ−方式、あるい
は、チュ−テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ−方式
等の通常の1〜2軸延伸方法で1〜2軸方向に延伸加工
した1〜2軸延伸ポリアミド系樹脂(ナイロン)のフィ
ルムないしシ−トを使用することが望ましく、また、そ
の膜厚としては、5〜200μm位、好ましくは、10
〜50μm位が望ましい。なお、上記の2軸延伸ポリア
ミド系樹脂のフィルムないしシ−トは、必要ならば、ア
ンカ−コ−ト剤等をコ−ティングして表面平滑化処理等
を施すこともでき、また、コロナ放電処理、プラズマ放
電処理、オゾン処理、火炎処理、その他等の表面処理を
任意に施すことができる。本発明においては、上記のよ
うな2軸延伸ポリアミド系樹脂(ナイロン)のフィルム
ないしシ−トを基材として使用することにより、それが
有する強度、耐衝撃性、耐突き刺し性等の強靱性を利用
して、それらの特性を有する積層材を製造することがで
きるものである。なお、本発明において、用途に応じ
て、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑
剤、充填剤、その他等の所望の添加剤を、その透明性に
影響しない範囲内で任意に添加し、それらを含有する樹
脂のフィルムないしシ−ト等も使用することができる。
【0018】一般に、ポリアミド系樹脂フィルムは、他
の基材と比較して、水分吸収性が極めて大きく、このた
め、プラズマ化学成膜法等を用いて成膜すると、大きな
影響を与えるものである。特に、ポリアミド系樹脂フィ
ルムは、夏場の高湿下においては、水分吸収性が極めて
大きく、その巻き取り原反フィルム等を防湿紙等で梱包
しているにもかかわらず、かなりの量の水分を吸収、吸
着するものである。ポリアミド系樹脂フィルムの含水率
は、通常、1%から1.5%位であるが、高湿下では、
2%程度、ひどい場合には、35近くになるものであ
る。そのため、そのようなポリアミド系樹脂フィルムを
使用し、プラズマ化学成膜法等を用いて成膜すると、夏
場は、バリア性低下、成膜時のフィルムの皺、浮き等の
発生が多くなり、また、プラズマが不安定になる頻度が
高く、好ましいバリア性フィルムを製造することが困難
になるものである。また、冬場では、含水率は、1%程
度で、夏場に比較して、バリア性低下、成膜時のフィル
ムの皺、浮き等の発生、プラズマの不安定等は少なくな
るものであるが、完全にはなくならないものであるとい
うのが現状である。本発明においては、上記のような状
況に鑑みて、成膜前に、脱水処理を施して、ポリアミド
系樹脂フィルムの含水率を0.3%〜0.7%に調製
し、このポリアミド系樹脂フィルムを使用することによ
り、成膜時におけるフィルムの皺、浮き等の発生を完全
になくすることができ、また、プラズマの安定化、その
他等の悪影響を排除し、好ましいバリア性フィルムを製
造可能とするものである。上記において、含水率が、
0.3%未満であると、ポリアミド系樹脂フィルムの本
来の物性と異なり、現象として乾燥し過ぎて、フィルム
の柔軟性にとぼしくなり、フィルム自身が切れやすくな
り、また、成膜後に大気に開放した際に、水分を多く吸
収してしまうため、フィルムが膨潤し、無機酸化物の薄
膜にクラック等が生じる問題が発生することから好まし
くないものである。また、含水率が、0.7%を越える
と、バリア性低下、成膜時のフィルムの皺、浮き等が発
生し、更に、プラズマ不安定、その他等の悪影響を生
じ、好ましいバリア性フィルムの製造が極めて困難にな
ることから好ましくないものである。
【0019】次に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルムを使用した積層材を構成するヒ−トシ−
ル性樹脂層を形成するヒ−トシ−ル性樹脂としては、熱
によって溶融し相互に融着し得る樹脂のフィルムないし
シ−トを使用することができ、具体的には、例えば、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−
樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリ
ブテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸
等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂のフィル
ムないしシ−トを使用することができる。而して、上記
のフィルムないしシ−トは、その樹脂を含む組成物によ
るコ−ティング膜の状態でも使用することができる。そ
の膜もしくはフィルムないしシ−トの厚さとしては、5
μmないし300μm位が好ましくは、更には、10μ
mないし100μm位が望ましい。
【0020】なお、本発明において、上記のヒ−トシ−
ル性樹脂層を形成するヒ−トシ−ル性樹脂としては、特
に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン・α−オ
レフィン共重合体を使用することが好ましいものであ
る。而して、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエ
チレン・α−オレフィン共重合体としては、例えば、二
塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせに
よる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合
わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して
重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体を使用
することができる。メタロセン触媒は、現行の触媒が、
活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに
対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒
とも呼ばれているものである。具体的には、三菱化学株
式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式
会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミ
カル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名
「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル
(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニ
ティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(E
NGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエ
チレン・α−オレフィン共重合体を使用することができ
る。
【0021】而して、本発明において、上記のようなメ
タロセン触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィ
ン共重合体の樹脂としては、そのフィルムないしシ−
ト、あるいはその共重合体を含む組成物によるコ−ティ
ング膜等の状態で使用することができ、それによって、
最内層を構成するヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィル
ムないしシ−トとして機能し、而して、その低温ヒ−ト
シ−ル性により、製袋時等の後加工において、無機酸化
物の薄膜等に生じるクラック等の発生を防止することが
可能となるものである。その膜もしくはフィルムないし
シ−トの厚さとしては、3μmないし300μm位、好
ましくは、5μmないし100μm位が望ましい。な
お、本発明においては、上記のメタロセン触媒を使用し
て重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体に、
更に、例えば、部分架橋エチレン−プロピレンゴム(E
PDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロックコ−ポリマ−(S
BS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロックコ
ポリマ−(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−
スチレンブロックコポリマ−(SEBS)等の熱可塑性
エラストマ−の1種ないしそれ以上を添加してなる樹脂
組成物によるヒ−トシ−ル性樹脂層を使用することもで
きる。また、本発明において、ヒ−トシ−ル性樹脂層と
しては、例えば、線状低密度ポリエチレンと、メタロセ
ン触媒を使用して重合してなるエチレン−α−オレフィ
ン共重合体とを使用し、これらの各々を共押し出しして
なる共押し出しフィルムからなる多層のヒ−トシ−ル性
樹脂層でもよいものである。
【0022】ところで、本発明において、本発明にかか
る積層材としては、上記のようなヒ−トシ−ル性樹脂層
の他に、例えば、各種の樹脂のフィルム、紙基材、金属
素材、合成紙、セロハン、その他等の包装用容器を構成
する包装用素材等と任意に組み合わせて、種々の積層材
を製造し、ボイルあるいはレトルト処理可能な種々の物
品を充填包装するに適した積層材を製造可能とするもの
である。上記の樹脂のフィルムとしては、具体的には、
例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメ
タクリル酸共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、メ
チルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ
(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン
共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェ
ン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、
ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリ
アセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ
−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トか
ら任意に選択して使用することができる。本発明におい
て、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ない
し二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用
することができる。また、その厚さは、任意であるが、
数μmから300μm位の範囲から選択して使用するこ
とができる。更に、本発明においては、フィルムないし
シ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成
膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。ま
た、上記において、紙基材としては、例えば、強サイズ
性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロ−ル紙、ク
ラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、その他等を使用す
ることができる。上記において、紙層を構成する紙基材
としては、坪量約80〜600g/m2位のもの、好ま
しくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使用
することが望ましい。また、上記にといて、金属素材と
しては、例えば、アルミニウム箔、あるいは、アルミニ
ウム蒸着膜を有する樹脂のフィルム等を使用することが
できる。
【0023】次に、上記の本発明において、上記のよう
な材料を使用して積層材を製造する方法について説明す
ると、かかる方法としては、通常の包装材料をラミネ−
トする方法、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドラ
イラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション
法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ押し出し成形
法、共押し出しラミネ−ション法、インフレ−ション
法、共押し出しインフレ−ション法、その他等で行うこ
とができる。而して、本発明においては、上記の積層を
行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処
理、フレ−ム処理、その他等の前処理をフィルムに施す
ことができ、また、例えば、ポリエステル系、イソシア
ネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリ
ブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング
剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエ
ステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス
系、その他等のラミネ−ト用接着剤等の公知のアンカ−
コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
【0024】次に、本発明において、上記のような積層
材を使用して製袋ないし製函する方法について説明する
と、例えば、包装用容器がプラスチックフィルム等から
なる軟包装袋の場合、上記のような方法で製造した積層
材を使用し、その内層のヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対
向させて、それを折り重ねるか、或いはその二枚を重ね
合わせ、更にその周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部
を設けて袋体を構成することができる。而して、その製
袋方法としては、上記の複合フィルムを、その内層の面
を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合
わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル
型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒
貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、
ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他
等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明
にかかる種々の形態の包装用容器を製造することができ
る。その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパ
ウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明に
おいては、上記の複合フィルムを使用してチュ−ブ容器
等も製造することができる。上記において、ヒ−トシ−
ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ
−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−
ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用容器に
は、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、
その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に
取り付けることができる。
【0025】次にまた、包装用容器として、紙基材を含
む液体充填用紙容器の場合、例えば、積層材として、紙
基材を積層した積層体を製造し、これから所望の紙容器
を製造するブランク板を製造し、しかる後該ブランク板
を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、ブ
リックタイプ、フラットタイプあるいはゲ−ベルトップ
タイプの液体用紙容器等を製造することができる。ま
た、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等の
いずれのものでも製造することができる。
【0026】本発明において、上記のようにして製造し
た包装用容器は、透明性、酸素、水蒸気等に対するガス
バリア性、耐衝撃性等に優れ、更に、ラミネ−ト加工、
印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工適性を有し、
また、バリア性膜としての無機酸化物の薄膜の剥離を防
止し、かつ、その熱的クラックの発生を阻止し、その劣
化を防止して、バリア性膜として優れた耐性を発揮し、
例えば、飲食品、医薬品、洗剤、シャンプ−、オイル、
歯磨き、接着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、その
他等の種々の物品の充填包装適性、保存適性、その他等
に優れているものである。特に、本発明にかかる積層材
は、それを使用して製袋してなる包装用袋は、その開口
部から、内容物を充填し、しかる後その開口部をヒ−ト
シ−ル等により密閉して包装体を製造し、次いで、該包
装体を、例えば、レトルト釜に入れ、120℃、30分
間レトルト処理して、レトルト処理した(殺菌処理し
た)包装製品を製造することができるものである。ま
た、本発明にかかる積層材を使用し、製袋してなる包装
用袋内に、上記と同様に内容物を充填包装して包装体を
製造し、これを、例えば、90℃の熱水で30分間の条
件でボイル処理して、熱殺菌処理した包装製品を製造す
ることができるものである。
【0027】
【実施例】次に、上記の本発明について実施例を挙げて
更に詳しく本発明を説明する。 実施例1 (1).基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン
6フィルム(ユニチカ株式会社製)を使用し、これを、
防湿紙をはがして、温度、90℃、真空度、1mbar
以下の真空オ−ブン中にいれ、1日放置して脱水処理を
行った。次いで、上記で脱水処理した2軸延伸ナイロン
6フィルムをプラズマ化学成膜装置の送り出しロ−ルに
装着し、次いで、該2軸延伸ナイロン6フィルムを成膜
ドラムに繰り出し、その一方の面に、下記のプラズマ化
学成膜条件で厚さ140Åの酸化珪素の薄膜を形成し
て、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。 (プラズマ化学蒸着条件) 成膜機:ロ−ル式プラズマ化学成膜機 到達圧力:5.0×10-5mbar 成膜圧力:7.0×10-2mbar ライン速度:20m/min パワ−:4kw ガス量:不活性ガス300slm、酸素ガス300sl
m、シロキサンガス100slm 蒸着長さ:4800m (2).次に、上記で製造したバリア性フィルムの酸化
珪素の薄膜の面を、下記の条件でプラズマ処理した。そ
の結果、酸化珪素の薄膜表面の表面張力は、35dyn
から62dynになり、濡れ性が向上した。 プラズマ供給電力:3kw プラズマガス:ヘリウム(He)と酸素(O2 )との混
合ガス (3).次に、上記でプラズマ処理したバリア性フィル
ムを使用し、これをドライラミネ−トコ−タ−機の一方
の送り出しロ−ルに装着し、その酸化珪素の薄膜面に接
着剤層を形成し、他方、シ−ラントフィルムである厚さ
40μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、こ
れを他方の送り出しロ−ルに装着し、しかる後その両者
を下記の条件でドライラミネ−トして、積層材を製造し
た。 接着剤層:ウレタン系接着剤を使用 (主剤)ウレタン系(武田薬品工業株式会社製、商品
名、タケネ−トA−515) (硬化剤)イソシアネ−ト系(武田薬品工業株式会社
製、商品名、A−50) (混合比)主剤:硬化剤=10:1 (溶剤)酢酸エチル (塗布量)4.0g/m2 (ドライ) なお、上記で製造した積層材を使用し、その無延伸ポリ
プロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、次い
で、その外周周辺の端部を三方シ−ルして小袋を製造
し、しかる後、開口部から調味料を充填し、次に、開口
部をヒ−トシ−ルして包装製品を製造した。上記の包装
製品は、バリア性に優れ、長期間の使用に適するもので
あった。
【0028】実施例2 (1).基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン
6フィルム(ユニチカ株式会社製)を使用し、これを、
防湿紙をはがして、温度、40℃、真空度、常圧、湿
度、絶乾状態からなる乾燥室にいれ、1日放置して脱水
処理を行った。次いで、上記で脱水処理した2軸延伸ナ
イロン6フィルムをプラズマ化学成膜装置の送り出しロ
−ルに装着し、次いで、該2軸延伸ナイロン6フィルム
を成膜ドラムに繰り出し、その一方の面に、下記のプラ
ズマ化学成膜条件で厚さ140Åの酸化珪素の薄膜を形
成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。 (プラズマ化学蒸着条件) 成膜機:ロ−ル式プラズマ化学成膜機 到達圧力:5.0×10-5mbar 成膜圧力:7.0×10-2mbar ライン速度:20m/min パワ−:4kw ガス量:不活性ガス300slm、酸素ガス300sl
m、シロキサンガス 100slm 蒸着長さ:4800m (2).次に、上記で製造したバリア性フィルムの酸化
珪素の薄膜の面を、下記の条件でプラズマ処理した。そ
の結果、酸化珪素の薄膜表面の表面張力は、35dyn
から62dynになり、濡れ性が向上した。 プラズマ供給電力:3kw プラズマガス:ヘリウム(He)と酸素(O2 )との混
合ガス (3).次に、上記でプラズマ処理したバリア性フィル
ムを使用し、これをドライラミネ−トコ−タ−機の一方
の送り出しロ−ルに装着し、その酸化珪素の薄膜面に接
着剤層を形成し、他方、シ−ラントフィルムである厚さ
40μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、こ
れを他方の送り出しロ−ルに装着し、しかる後その両者
を下記の条件でドライラミネ−トして、積層材を製造し
た。 接着剤層:ウレタン系接着剤を使用 (主剤)ウレタン系(武田薬品工業株式会社製、商品
名、タケネ−トA−515) (硬化剤)イソシアネ−ト系(武田薬品工業株式会社
製、商品名、A−50) (混合比)主剤:硬化剤=10:1 (溶剤)酢酸エチル (塗布量)4.0g/m2 (ドライ) なお、上記で製造した積層材を使用し、その無延伸ポリ
プロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、次い
で、その外周周辺の端部を三方シ−ルして小袋を製造
し、しかる後、開口部から調味料を充填し、次に、開口
部をヒ−トシ−ルして包装製品を製造した。上記の包装
製品は、バリア性に優れ、長期間の使用に適するもので
あった。
【0029】比較例1 (1).基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン
6フィルム(ユニチカ株式会社製)を使用し、これを、
脱水処理しないでそのまま、プラズマ化学成膜装置の送
り出しロ−ルに装着し、次いで、該2軸延伸ナイロン6
フィルムを成膜ドラムに繰り出し、その一方の面に、上
記の実施例1と同様にして、下記のプラズマ化学成膜条
件で厚さ140Åの酸化珪素の薄膜を形成して、バリア
性フィルムを製造した。 (プラズマ化学蒸着条件) 成膜機:ロ−ル式プラズマ化学成膜機 到達圧力:5.0×10-5mbar 成膜圧力:7.0×10-2mbar ライン速度:20m/min パワ−:4kw ガス量:不活性ガス300slm、酸素ガス300sl
m、シロキサンガス100slm 蒸着長さ:4800m (2).次に、上記で製造したバリア性フィルムの酸化
珪素の薄膜の面を、下記の条件でプラズマ処理した。そ
の結果、酸化珪素の薄膜表面の表面張力は、35dyn
から62dynになり、濡れ性が向上した。 プラズマ供給電力:3kw プラズマガス:ヘリウム(He)と酸素(O2 )との混
合ガス (3).次に、上記でプラズマ処理したバリア性フィル
ムを使用し、これをドライラミネ−トコ−タ−機の一方
の送り出しロ−ルに装着し、その酸化珪素の薄膜面に接
着剤層を形成し、他方、シ−ラントフィルムである厚さ
40μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、こ
れを他方の送り出しロ−ルに装着し、しかる後その両者
を下記の条件でドライラミネ−トして、積層材を製造し
た。 接着剤層:ウレタン系接着剤を使用 (主剤)ウレタン系(武田薬品工業株式会社製、商品
名、タケネ−トA−515) (硬化剤)イソシアネ−ト系(武田薬品工業株式会社
製、商品名、A−50) (混合比)主剤:硬化剤=10:1 (溶剤)酢酸エチル (塗布量)4.0g/m2 (ドライ)
【0030】比較例2 (1).基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン
6フィルム(ユニチカ株式会社製)を使用し、これを、
防湿紙をはがして、40℃、90%の恒温室にいれ、1
週間放置した。次いで、上記で処理した2軸延伸ナイロ
ン6フィルムをプラズマ化学成膜装置の送り出しロ−ル
に装着し、次いで、該2軸延伸ナイロン6フィルムを成
膜ドラムに繰り出し、その一方の面に、下記のプラズマ
化学成膜条件で厚さ140Åの酸化珪素の薄膜を形成し
て、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。 (プラズマ化学蒸着条件) 成膜機:ロ−ル式プラズマ化学成膜機 到達圧力:5.0×10-5mbar 成膜圧力:7.0×10-2mbar ライン速度:20m/min パワ−:4kw ガス量:不活性ガス300slm、酸素ガス300sl
m、シロキサンガス100slm 蒸着長さ:4800m (2).次に、上記で製造したバリア性フィルムの酸化
珪素の蒸着薄膜の面を、下記の条件でプラズマ処理し
た。その結果、酸化珪素の蒸着薄膜表面の表面張力は、
35dynから62dynになり、濡れ性が向上した。 プラズマ供給電力:3kw プラズマガス:ヘリウム(He)と酸素(O2 )との混
合ガス (3).次に、上記でプラズマ処理したバリア性フィル
ムを使用し、これをドライラミネ−トコ−タ−機の一方
の送り出しロ−ルに装着し、その酸化珪素の蒸着薄膜面
に接着剤層を形成し、他方、シ−ラントフィルムである
厚さ40μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを使用
し、これを他方の送り出しロ−ルに装着し、しかる後そ
の両者を下記の条件でドライラミネ−トして、積層材を
製造した。 接着剤層:ウレタン系接着剤を使用 (主剤)ウレタン系(武田薬品工業株式会社製、商品
名、タケネ−トA−515) (硬化剤)イソシアネ−ト系(武田薬品工業株式会社
製、商品名、A−50) (混合比)主剤:硬化剤=10:1 (溶剤)酢酸エチル (塗布量)4.0g/m2 (ドライ)
【0031】実験例1 上記の実施例1〜2、および、比較例1〜2で製造した
各バリア性フィルム、について、下記のデ−タを、夏場
(高湿下)、および、冬場(低湿下)にて実施し、各6
回テストして測定した。 (1).酸素透過度の測定 これは、バリア性フィルムについて、温度23℃、湿度
90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製
の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕に
て測定した。 (2).水蒸気透過度の測定 これは、バリア性フィルムについて、温度40℃、湿度
90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製
の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRA
N)〕にて測定した。 (3).穴検査 これは、バリア性フィルムについて、オムロン株式会社
製の穴検査装置でフィルムに形成される貫通穴数を測定
した。 (4).脱水処理後の水分量 これは、脱水処理後の2軸延伸ナイロン6フィルムにつ
いて、平沼産業株式会社製の微量水分測定器を用いて、
カ−ルフィシャ−法にて水分量を測定した。 (5).蒸着中のプラズマ状態の観察 これは、目視とパワ−サプライ出力結果のロギングデ−
タで状態を判断して測定した。 上記の測定結果について、下記の表1〜9に示す。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】 上記の表において、皺状態の欄中、○は、皺なし、△
は、皺少し発生、×は、皺発生、××は、皺多く発生を
意味する。また、上記の表において、プラズマ状態の欄
中、○は、安定、×は、不安定、××は、かなり不安定
を意味する。
【0041】(10).プラズマ状態 実施例1〜2、および、比較例1〜2のものについて、
夏場6回、冬場6回を測定したが、夏場1回目のプラズ
マ状態をEP加電圧値デ−タをグラフ化したもの(ロギ
ングデ−タ)を、図4、図5、図6、および、図7に示
す。
【0042】上記の測定結果から明らかなように、本発
明において、成膜前に脱水処理すると、バリア性が向上
することを確認できた。これは、成膜中に、2軸延伸ポ
リアミド系樹脂フィルム(成膜面)から水分脱ガスが抑
制されるために、成膜分子被膜形成阻害がなかったこと
によるものである。また、本発明において、成膜前に脱
水処理すると、皺の発生がなくなり、また、プラズマが
安定することを確認できた。これは、成膜中に、2軸延
伸ポリアミド系樹脂フィルム(裏面、非成膜面)からの
水分脱ガスが抑制されるために、フィルムの浮きおよび
皺の発生がなくなり、プラズマが安定したことによるも
のである。以上のように、本発明において、成膜前に、
2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムに脱水処理を施す
と、バリア性およびプラズマ安定等に効果があることを
確認できた。
【0043】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムが、無機酸化物
の薄膜の成膜前に脱水処理されていること、および、プ
ラズマ化学成膜法が、比較的に、可撓性、柔軟性、追従
性等に富み、クラック等の発生を抑制することができる
無機酸化物の薄膜を成膜し得ることに着目し、まず、2
軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムを、例えば、真空オ−
ブン、あるいは、絶乾状態の乾燥室等にて脱水処理し、
無機酸化物の薄膜の成膜前に、2軸延伸ポリアミド系樹
脂フィルムの脱水処理後の含水率を0.3%〜0.7%
(重量分率)に調製し、次いで、該2軸延伸ポリアミド
系樹脂フィルムの一方の面に、プラズマ化学成膜法によ
り、酸化珪素等の無機酸化物の薄膜を設けてバリア性フ
ィルムを製造し、更に、該バリア性フィルムの無機酸化
物の薄膜面に、少なくとも、ヒ−トシ−ル性樹脂層等を
設けて積層材を製造し、次いで、該積層材を使用し、こ
れを製袋して包装用容器を製造し、しかる後、該包装用
容器内に内容物を充填包装し、更に、その開口部をヒ−
トシ−ルして包装体を製造して、酸化珪素等の無機酸化
物の薄膜の成膜時に、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィル
ムから水分等が浮きだす現象を殆ど認められず、かつ、
その影響もなく、該ポリアミド系樹脂フィルムの表面に
極めて良好に酸化珪素等の無機酸化物の薄膜を成膜化す
ることができ、しかも、該2軸延伸ポリアミド系樹脂フ
ィルムと酸化珪素等の無機酸化物の薄膜との密着性に優
れ、その結果、酸素ガスあるいは水蒸気等に対する極め
て高いバリア性を有し、かつ、透明性に優れ、更に、ラ
ミネ−ト強度等にも優れ、例えば、飲食品、医薬品、化
粧品、化学品、その他等の種々の物品を充填包装するに
有用なバリア性フィルムおよびそれを使用した積層材を
製造し得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるバリア性フィルムについてその
一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかるバリア性フィルムを使用した積
層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図であ
る。
【図3】本発明にかかるバリア性フィルムの製造法につ
いてその一例を例示するプラズマ化学成膜装置の概略的
構成図である。
【図4】バリア性フィルムについてプラズマ状態(ロギ
ングデ−タ)を示すグラフである。
【図5】バリア性フィルムについてプラズマ状態(ロギ
ングデ−タ)を示すグラフである。
【図6】バリア性フィルムについてプラズマ状態(ロギ
ングデ−タ)を示すグラフである。
【図7】バリア性フィルムについてプラズマ状態(ロギ
ングデ−タ)を示すグラフである。
【符号の説明】
A バリア性フィルム B 積層材 1 2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム 2 無機酸化物の薄膜 3 ヒ−トシ−ル性樹脂層 11 プラズマ化学成膜装置 12 真空チャンバ− 13 巻き出しロ−ル 14 ガイドロ−ル 15 成膜ドラム 16、17、18 原料揮発供給装置 19 原料供給ノズル 20 グロ−放電プラズマ 21 電源 22 マグネット 23 ガイドロ−ル 24 巻き取りロ−ル 25 真空ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77:00 C08L 77:00 Fターム(参考) 3E086 AB02 BA04 BA15 BA33 BA40 BB02 BB05 BB22 CA01 CA28 CA29 CA35 DA08 4F071 AA54 AB18 AB26 AF10Y AG12 AG16 AG31 AG34 AH04 AH05 BB08 BC01 BC12 4F100 AA00B AA20B AK07 AK46A AK51G AR00C BA02 BA03 BA10A BA10C CB00 EH66B EJ38A EJ59B EJ61B EJ68B GB15 GB23 GB66 JB20B JD01 JD03 JD04 JK06 JK13 JK14 JK17 JL12C JM02B JN01 4K030 AA06 AA14 BA44 CA07 CA12 DA02 FA01 LA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムの一
    方の面に、プラズマ化学成膜法による無機酸化物の薄膜
    を設けたことを特徴とするバリア性フィルム。
  2. 【請求項2】 2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムが、
    無機酸化物の薄膜の成膜前に脱水処理されていることを
    特徴とする上記の請求項1に記載するバリア性フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムが、
    真空オ−ブンにて脱水処理されていることを特徴とする
    上記の請求項1〜2に記載するバリア性フィルム。
  4. 【請求項4】 2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムが、
    絶乾状態の乾燥室にて脱水処理されていることを特徴と
    する上記の請求項1〜2に記載するバリア性フィルム。
  5. 【請求項5】 2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムが、
    無機酸化物の薄膜の成膜前に脱水処理後の含水率で0.
    3%〜0.7%(重量分率)であることを特徴とする上
    記の請求港1〜4に記載するバリア性フィルム。
  6. 【請求項6】 無機酸化物の薄膜が、プラズマ化学成膜
    法による酸化珪素の薄膜からなることを特徴とする上記
    の請求項1〜5に記載するバリア性フィルム。
  7. 【請求項7】 2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムの一
    方の面に、プラズマ化学成膜法による無機酸化物の薄膜
    を設けたことを特徴とするバリア性フィルムを構成する
    無機酸化物の薄膜の面に、少なくとも、ヒ−トシ−ル性
    樹脂層を設けたことを特徴とする積層材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005007925A1 (ja) * 2003-07-17 2005-01-27 Mitsubishi Shoji Plastics Corporation ガスバリア膜コーティングプラスチック容器の製造方法
US7112693B2 (en) 2001-06-27 2006-09-26 Bayer Aktiengesellschaft Process for producing aliphatic oligocarbonate diols
JP2012111522A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Pacplus Co Ltd 包装袋

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