JPH0822225B2 - メグスリノキカルスの生産方法 - Google Patents

メグスリノキカルスの生産方法

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JPH0822225B2
JPH0822225B2 JP62250724A JP25072487A JPH0822225B2 JP H0822225 B2 JPH0822225 B2 JP H0822225B2 JP 62250724 A JP62250724 A JP 62250724A JP 25072487 A JP25072487 A JP 25072487A JP H0822225 B2 JPH0822225 B2 JP H0822225B2
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callus
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murashige
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skoog
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孝 藤田
愼一 高藤
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、薬用植物として有用なメグスリノキカルス
を組織培養することにより大量に生産する方法に関す
る。
技術的背景 メグスリノキは、日本特産の落葉樹でカエデ科の植物
であつて、北海道と沖縄を除く日本全土に広く分布して
いるが、標高700m前後の山中に限定して自生しその生育
が襲いため、資源的に制限されている。
而して、メグスリノキの樹皮は、古くからそれを煎じ
て洗眼剤として用いられているほか、メグスリノキ成分
の肝臓病に対する薬効が報告されている(篠田氏等、日
本生薬学会講演要旨、昭和58年)。したがつて、今後の
メグスリノキ成分の肝障害に対する薬効についての研究
進展に伴い、メグスリノキに対する需要の増大が予想さ
れる。
しかしながら、前述したとおり、メグスリノキの生育
環境が限定されているため、それを大量に収集すること
は実際上不可能である。
発明が解決しようとする課題 本発明は上述したごとき薬用植物として注目されてき
ているメグスリノキについて注目し、そのカルスにメグ
スリノキと同様に有効成分が含有されていることを見出
した。そして、メグスリノキのカルスをその生育環境に
制約されることなく、短時間に大量生産し、利用する方
法について検討した。
すなわち、本発明はメグスリノキのカルスをメグスリ
ノキのような生育環境に制約を受けることなく、短期間
のうちに大量生産する方法を提供することを課題とす
る。さらに本願発明は、このようにして得られたメグス
リノキのカルスを利用する方法を提供することを課題と
する。
発明の構成 本発明の構成上の特徴は、メグスリノキの葉柄をナフ
タレン酢酸およびベンジルアデニンを含有せしめたムラ
シゲ・スクーグ固形培地で培養してカルスを誘導させ、
得られたカルスを培養増殖させることにある。
本発明におけるナフタレン酢酸およびベンジルアデニ
ンの使用量は培地1リットル当たり、それぞれ10-7〜10
-5M用いられる。また、カルスの培養増殖はムラシゲ・
スクーグ液体培地で振蘯培養して大量にカルスを得るこ
とが望ましく、得られたカルスはこれを乾燥して乾燥物
として使用される。
課題を解決するための手段 本発明では、まずメグスリノキの生組織である葉柄の
切片を、寒天或いはジエランガムを添加したムラシゲ・
スクーグ(Murashige & Shoog,1962)固形培地上で培
養を行って上記組織からカルスを誘導して形成する。
ここで、カルスの誘導に用いる固形培地としては、ム
ラシゲ・スクーグ培地を用いる。
また、カルスの誘導を促進させるために、この培地に
植物ホルモンとしてオーキシン類並びにサイトカイニン
類を添加する。特に、オーキシン類としてナフタレン酢
酸(NAA)を、サイトカイニン類としては、ベンジルア
デニン(BA)を用いる。
これらの植物ホルモンは、10-7〜10-5Mの濃度で培地
に添加することによって、カルスの誘導を促進する。
カルスの誘導は、通常、暗所で15〜25℃の温度で20〜
30日前後培養することにより行い、この培養により組織
切断面にカルスが形成される。
カルスの誘導に用いる組織切片としては、葉柄を用い
ると培養して得られるカルスの湿重量は、葉並びに茎由
来のものに比し、2〜4倍になる。
このようにして形成されたカルスは、ついで新鮮培地
い移植して培養し、増殖する。
このカルスの増殖培養は、固体培地に継代して行つて
もよいが、大量生産には液体培養が好ましい。すなわ
ち、上記誘導により形成されたカルスを液体培養により
振とう或は撹拌しながら培養を行うと、カルスは1〜5m
m程度の塊りになつて培養液中に分散して増殖する。こ
のため、比較的大きさの揃つたカルスが得られ、培養液
からの分離、その後の乾燥が容易となる利点がある。な
お、上記培養を大量方式で行うには、エアーリフトタイ
プのフアーメンターを用いることもできる。
このように培養して得られるカルスは、乾燥後、メグ
スリノキ原木の葉、樹皮細皮と同様に、テイーパツクの
形態にして飲用に供することができる。この場合、上記
原木の葉、樹皮のようにその乾燥物を細談する必要がな
い。
更に、本発明によつて得られるカルスは、メグスリノ
キが本来含有している薬効成分を保有しているので、従
来のメグスリノキと同様に生薬として簡便に利用するこ
とができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。
実施例 カルスの誘導 メグスリノキの若い葉柄を適当な大きさに切断し、こ
れを70%エタノール水溶液に3分間浸漬して殺菌処理を
行つた。次いで、無菌水で3回洗浄後、この切断葉柄を
剥皮し、5mm前後に輪切りして下記組成の培地に置床
し、25℃の温度で、暗所にて20日間培養を行つた。
培地としては、ムラシゲ・スクーグ培地(シユクロー
ス3wt%、寒天0.9wt%、pH5.8〜5.8)に植物ホルモンと
してナフタレン酢酸とベンジルアデニンを種々の量添加
したものを用いた。
上記培養の結果、上記培地に植物ホルモンとしてナフ
タレン酢酸を10-5Mとベンジルアデニンを10-6Mをそれぞ
れ添加した培地で形成されたカルスの生育が最も速やか
つた。
誘導カルスの培養 上記により形成されたカルスを上記同様な新たな培地
に移植して同条件下で培養してさらに8日間(培養当初
から4週間)増殖させた後、ムラシゲ・スクーグ培地10
0mlを、500ml容三角フラスコに入れ、これに上記増殖さ
せたカルスの5gを加え、25℃の温度で暗所にて往復式振
とう(80ストローク/分)により振とう培養を行つた。
20日間培養を行つて、培地1当り250g(湿重量)のカ
ルスを得た。これを50〜60℃の温風で乾燥し、カルス乾
燥物20gを得た。
次に、このようにして得たカルスの有効成分を下記に
より測定した。
カルスの成分分析 カルスの乾燥物150gをメタノール1,000mlで、3時間
ずつ3回温浸した後、ロータリー・エバポレーター中、
減圧下40℃で濃縮することにより、抽出液からメタノー
ルを除去し、メタノールエキス60gを得た。
このメタノールエキスに水300mlを加え、有機溶媒で
順次抽出を行つた。
水に懸濁した上記のエキスに、ジエチルエーテル200m
lを加えてジエチルエーテル抽出した。この操作を3回
繰り返した。そして、ロータリー・エバポレーター中減
圧下30℃で濃縮することにより、抽出液からジエチルエ
ーテルを除去し、ジエチルエーテル可溶部5.49gを得
た。
続いて、ジエチルエーテル抽出が終わつた上記のエキ
スに酢酸エチル200mlを加えて酢酸エチル抽出した。こ
の操作を3回繰り返した。そしてロータリー・エバポレ
ーター中、減圧下35℃で濃縮することにより、抽出液か
ら酢酸エチルを除去し、酢酸エチル可溶部850mgを得
た。
最後に、酢酸エチル抽出が終わつた上記のエキスにn
−ブタノール200mlを加えてn−ブタノール抽出した。
この操作を3回繰り返した。そしてロータリー・エバポ
レーター中、減圧下50℃で濃縮することにより、抽出液
からn−ブタノールを除去し、n−ブタノール可溶部4.
55gを得た。
次に、ジエチルエーテル可溶部5.49gをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル300g、カラム直径
60mm×高さ240mm)で分画した。溶出溶媒組成と溶出溶
媒量及び各フラクションの分取重量を表1に示す。
そのうち、フラクション4及び5からはβ−シトステ
ロール210mgを、フラクション6及び7からはスコポレ
チン10mgをそれぞれ得た。
また、酢酸エチル抽出物850mgをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル100g、カラム直径28mm×
高さ200mm)で分画した。溶出溶媒組成と溶出溶媒量及
び各フラクションの分取重量を表2に示す。
そのうち、フラクション3及び4からはエピロドデン
ドリン23mgを得た。
本発明において、比較のため、葉柄にかえて茎、葉を
用いて実施例1と同様の方法でカルスを形成増殖させ
た。このカルス形成率及びカルス増殖率を実施例1の葉
柄を用いた場合のカルス形成率及びカルス増殖率と対比
すると、次の表3のとおりである。
なお、カルス形成率は、培養20日後のカルス形成組織
数/培養組織数(%)を、またカルス増殖率は、培養4
週間後の新鮮カルス重量/植え込み新鮮カルス重量を、
それぞれ示す。
この結果から、葉柄を用いた場合のカルス形成率及び
カルス増殖率が茎、葉を用いた場合にくらべて著しく高
いことが判明した。
また、本発明において、同様に比較のためにムラシゲ
・スクーグ固形培地に代えて、ホワイト(White,1963)
培地、リンスマイヤー・スクーグ(Linsmier & Skoog,
1965)培地、ガンボルグ(Gamborg,1968)培地を用い
て、実施例と同様にしてカルスを誘導した。その結果、
カルス形成率は次のとおりであった。
なお、カルス形成率は、表3に示されているのと同様
の方法で測定した。
表4に示されるように、ムラシゲ・スクーグ培地を用
いた場合が、カルス形成率が他の固形培地を用いたとき
にくらべて著しく高くなるこが判明した。
さらに、本発明において比較のために作用される植物
ホルモン、NAA及びBAに代えて他の植物ホルモンを培地
に添加して、実施例1と同様の方法でカルスを形成さ
せ、これを増殖させた。
このカルス増殖率を、実施例1のNAA及びBAを用いた
場合のカルス増殖率と対比した。この結果を表5に示し
た。
なお、カルス増殖率は、表3に示されているのと同様
の方法で測定した。
表5に示されるように、本発明のNAA及びBAを用いた
場合のカルス増殖率が他の植物ホルモンを用いた場合に
くらべて、著しく高いことが判明した。
これらの結果から、メグスリノキの葉柄をナフタレン
酢酸及びベンジルアデニンを特定量含有せしめたムラシ
ゲ・スクーグ固形培地で培養してカルスを誘導させる
と、これ以外の方法によって行った場合にくらべてカル
ス形成率及びカルス増殖率が著しく高くなり、本発明
は、工業上有利なメグスリノキのカルス培養法であるこ
とが判明した。
発明の効果 上記実施例にみられるとおり、本発明によるとメグス
リノキの成分を含有するカルスを短時間で得ることがで
き、しかも人工的にコントロールされた条件下で増殖さ
せ得るので、季節、天候、土壌等の自然条件に影響され
ることなく、かつ生育のための広大な土地を必要とせず
に、メグスリノキを実質上大量生産することが可能とな
る。
更に、カルスの培養に液体培養を採用することによ
り、大きさの揃つたカルスが得られるので培養液からの
カルスの分離、その後の乾燥が容易であつて製品化を効
率的に行い得る利点もある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メグスリノキの葉柄を、ナフタレン酢酸10
    -7〜10-5M及びベンジルアデニン10-7〜10-5Mを含有せし
    めたムラシゲ・スクーグ固形培地で培養してカルスを誘
    導させ、得られたカルスを培養増殖させることを特徴と
    するメグスリノキカルスの生産方法。
  2. 【請求項2】得られたカルスの培養増殖をムラシゲ・ス
    クーグ液体培地で振蘯培養して行う特許請求の範囲第
    (1)記載のメグスリノキカルスの生産方法。
  3. 【請求項3】メグスリノキの葉柄をナフタレン酢酸10-7
    〜10-5M及びベンジルアデニン10-7〜10-5Mを含有せしめ
    たムラシゲ・スクーグ固形培地で培養してカルス増殖さ
    せ、得られたカルスをムラシゲ・スクーグ液体培地で振
    蘯培養して培養増殖させ、増殖したカルスを乾燥するこ
    とを特徴とするメグスリノキカルス乾燥物の生産方法。
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